Image: KCNA/North Korea State Media..
ハマスが北朝鮮の兵器を使いイスラエルを攻撃
北朝鮮は実際にハマスにどのような能力を提供しているのだろうか?韓国軍合同参謀本部の情報筋によれば、「イスラエル国境付近で発見された、ハマス武装勢力が使用したとされる複数のロケットランチャーの中には、ハングルで『Bang-122』と書かれたものがあった」という。
2021年、筆者は北朝鮮とハマス間の武器取引について概説する記事を書いた。この取引は、ハマスがロケット弾の備蓄を増やし、技術やその他の軍事能力をアップグレードするのに役立った。当時も、ハマスが数千発のロケット弾をイスラエルに向けて発射していたが、ほとんどはアイアンドーム・システムにより破壊され、イスラエル国民は攻撃から安全だと考えていた。
2023年10月になると、脅威に対する認識は一変した。ハマスの行動は非常に恐ろしいもので、イスラエル国民の大半は、ハマスの完全な壊滅が必要だと考えている。10月7日、イスラエルの市民社会を標的にしたテロ攻撃は、極めて残忍なレベルで実行された。ハマスの過激派は、複数の供給元から武器を入手し使用しているのが目撃されているが、衝撃的なことに、攻撃の映像に映っている武器を分析すると、北朝鮮起源のシステムが数点あった。
北朝鮮とガザの仲介者
2009年、タイとアラブ首長国連邦で、ロケット弾とロケット推進手榴弾の武器輸送が阻止された。当時のイスラエル政府は、これらの積荷はおそらくハマスとヒズボラ向けであろうと述べた。仲介者はほぼ間違いなくイランだった。取り締り対象の貨物は多くの場合、送られたもののごく一部に過ぎないため、この発見はかなり不穏なものだった。
2014年7月の『テレグラフ』紙によれば、北朝鮮はハマスと取引を行い、テロ組織にロケット弾と通信機器を販売していた。取引は数十万ドルの価値があったとされるため、おそらく数千発の北朝鮮製ロケットがハマスに売られたのだろう。この取引は、ベイルートにあるハマスとつながりのあるレバノンのフロント企業が仲介したと伝えられている。さらに、記事掲載の時点で頭金が支払いずみで、ロケット弾と通信機器は2014年後半に発送された可能性が高い。
これらの取引は世界中に及んだが、特に中東とアフリカに焦点を当てていた。2018年、ハマス工作員とされるパレスチナ人ファディ・アル=バトシュがマレーシアで暗殺された。報道によれば、西側と中東の情報当局は、アル・バトシュがマレーシアでの武器取引(ロケット誘導システムに使われる通信部品を含む)の交渉に加わっていた証拠をつかんでいた。エジプト当局によると、2018年の押収貨物には誘導弾に使う北朝鮮製の通信部品が含まれ、それはガザ向けだった。
北朝鮮がハマスを育てた
北朝鮮は実際にどのような能力をハマスに提供したのか。韓国合同参謀本部の情報筋によると、「イスラエル国境付近で発見された、ハマス武装勢力が使用したとされるロケットランチャーの一部には、ハングルで『Bang-122』と書かれていた」という。最近、我々は北朝鮮が中東諸国や過激派組織に様々な武器を輸出していることを繰り返し探知しており、の中にはイスラエル付近の国境沿いで発見された122ミリ多連装ロケットランチャーもある。これらの武器はハマスあるいはハマスを支援する組織によって使用されたと考えている。"
北朝鮮製のF-7ロケット砲も、10月7日にイスラエルを攻撃したハマスの戦闘員が所持しているところを写真に撮られている。さらに、AP通信によると、多くの写真で確認されているが、「ハマスのプロパガンダ・ビデオや写真には以前、北朝鮮のブルセ誘導対戦車ミサイルを持った戦闘員が写っていた」。ブルセはレーザー誘導式の対戦車ミサイルで、ガザを移動するイスラエルの装甲車に有効である可能性がある。
最後に、『テレグラフ』紙は2014年、「ガザに対する作戦を監督するイスラエル軍の司令官たちは、北朝鮮の専門家がガザに張り巡らされたトンネル網の構築でハマスに助言したと見ている。
トンネルは、イスラエル国防軍にとって大きな課題であり、ガザでの地上作戦を複雑なものにするだろう。
これらのことは何を意味するのか?第一に、北朝鮮はテロリスト集団を含め、誰にでも何でも売る。第二に、イスラエルと米国の政府は、北朝鮮の軍事拡散を国家安全保障上の存立危機事態と考えなければならない。それを阻止する、より積極的な手段を直ちに開始しなければならない。第三に、北朝鮮とイランとの強い結びつきが、イランが支援する代理国家や非国家主体にも及んでいる。したがって、中東における北朝鮮の不正武器ネットワークを破壊する道は、イランにある。■
Hamas is Using North Korean Weapons Against Israel - 19FortyFive
By
Dr. Bruce E. Bechtol Jr. is a professor of Political Science at Angelo State University. He is also the president of the International Council on Korean Studies and a fellow at the Institute for Corean American Studies. The author of five books dealing with North Korea, his latest work is entitled North Korean Military Proliferation in the Middle East and Africa.
コメント
コメントを投稿
コメントをどうぞ。