2023年11月21日火曜日

CCAの機体価格目標はF-35の三分の一との米空軍の方針があきらかになった。CCAは1000機の導入を目指し、初期型は5年以内に生産開始するとの目標。

 The War Zoneが米空軍が実現を目指しているCCA協調型無人戦闘航空機についてケンドール長官の発言等を通じて概要を紹介しています。中国の数の横暴に対抗できる手段になるのか。NGADの一つにもなるシステムオブシステムズ構想としても注目です。

Secretary of the Air Force Frank Kendall has offered new details about his service's plans for the Collaborative Combat Aircraft program.

USAF


CCAは、F-35の4分の1から3分の1の機体価格を想定していることが明らかになった


ランク・ケンドール空軍長官は、有人機とともに戦う将来の無人戦闘機CCA(Collaborative Combat Aircraft)の価格が、現在のF-35共用打撃戦闘機の4分の1程度になるよう目指していると述べた。ケンドール長官は今日、ワシントンD.C.のシンクタンク、新アメリカ安全保障センター(CNAS)で行われた公開イベントで、CCAプログラムについて説明した。

 CCAの中心は、有人戦闘機と密接に連携し高度な自律性を持つ高性能無人航空機少なくとも1000機の取得である。このプログラムは、空軍の大規模な次世代航空優勢(NGAD)近代化構想の一部となり、新しい有人第6世代戦闘機、兵器、電子戦スイート、センサー、戦闘管理能力、エンジン、その他のシステムの開発も含む。

 ケンドールをはじめ空軍高官は、こうした乗員なしの航空機を、特に中国とのハイエンド戦において、空軍がどのように作戦を遂行し、将来的に重要になる「アフォーダブル・マス」の達成に重要な要素となると繰り返し説明している。

 「NGADプラットフォームとF-35、そしてB-21を戦闘機材として購入するだけでは、空軍を維持できない。これらのシステムはすべて(場合によっては)1億ドル以上のカテゴリーに入る。「だから、大規模で手頃な価格を実現できるものが必要だ。CCAはそのために設計された」。

 CNASのシニアフェロー兼防衛プログラム・ディレクターであるステイシー・ペティジョンとのケンドール長官談話と、その後の質疑応答から、CCAに関するその他の主な要点は以下の通りである:

  • CCA1機の大まかな予想コストは、F-35統合打撃戦闘機の現在の単価の「4分の1から3分の1」程度になる。

  • 空軍は、CCAへの要求内容の定義を確立し、要求の「適切なバランス」に取り組む「初期段階」にある。

  • 「作戦コンセプトに合致した航続距離とペイロード特性が必要だ」。このコンセプトは、「有人戦闘機の前方を飛ぶか、あるいは有人戦闘機に随伴する」ことであり、中核要件に沿った有用な「航続距離とペイロード能力」を持つドローンだ。

  • 各CCAは、「戦闘機が搭載するシステムをフル装備」するわけではない。

  • あるものは武器を搭載し、あるものは他のシステムを搭載する。「CCAのコンセプトでできることのひとつは、どのシステムを搭載するか、どの機能を搭載するかが選択できることで、モジュール設計でこれが可能になる。これはまた、敵が各機を武装機材として扱わなければならないことを意味する」。

  • ケンドールは、「長い滑走路への依存から逃れられることは、素晴らしい。航空機が生存しやすくなる」と述べた。

  • CCAがどのようなものになるかについて「さまざまな競合するコンセプト」を産業界は提供している。

  • 目標は、5年以内にCCAの「最初のインクリメント」の生産を開始することである。その目的は、「合理的な数量をできるだけ早く(CCAを)実戦配備する」ことである。

  • 「CCAは消耗品ではない。CCAは、一部の損失があっても運用に大きな影響を与えないシステムを目指す」。これはまた、「比較的迅速に生産可能」な必要を意味する。

  • 「新しい、高性能有人戦闘機を手に入れるのにかかる長い時間を(CCAでは)かけるつもりはない」。

  • 将来のCCAフリートの規模に関する計画数値は1000機だが、「それ以上になる可能性が非常に高いと思う」。

  • 1,000機という数字を公表した背景には、空軍がCCAプログラムに真剣に投資しているとの明確なシグナルを業界に送る重要な理由がある。「産業界には技術に投資し、我々のために効率的に生産できる製品を作る方法を考えてほしい」。

  • CCAは将来の中国とのハイエンドな紛争に勝つために十分な運用能力を提供し、それをコスト効率よく行うために、空軍が今行おうとしている「ヘッジ投資」のひとつでもある。

  • CCAは、改造されたパイロット・オプションのF-16を使った自律性開発や、ボーイングMQ-28ゴースト・バット無人偵察機を利用したテストなど、他プロジェクトからも恩恵を受けている。「ゴーストバットを実験機として使用し、有人機との運用経験を積んでいる」。

  • 空軍はCCAを、今年初めに発表された国防総省のレプリケーター構想を補完するものと考えている。


 CCAプログラムの予想コストと生産目標、そしてその制約の中で空軍がどのように能力的に得られるものを最大化することを望んでいるかについてのケンドールのコメントは注目に値する。CCAドローンは第5世代や第6世代の戦闘機よりも大幅に安くなるようだが、ここに示されているのは、米軍予算の基準からしても必ずしも安価なものではない。

 F-35の既存の3型式の単価計算方法は、長い間議論の対象となってきた。例えば、『Air & Space Forces』誌によれば、1月時点でロッキード・マーティンは、空軍が飛ばすA型の価格を6990万ドルとしているが、この数字にはプラット・アンド・ホイットニーF135エンジンは含まれていない。米軍のF-35統合プログラム・オフィスが最近『Defense One』に語ったところによると、最新の生産ロットに含まれるエンジンを含む3型式の平均単価は約8250万ドルだという。

 その4分の1だと2,060万ドル弱となる。したがって、この単価でCCAを1000機購入した場合の請求額は206億ドル近くになる。ケンドールが指摘したように、これでも1機1億ドル近い、あるいはそれ以上の金額の有人ジェット機を購入するよりはるかに安い。空軍長官は以前、同軍が200機の購入を計画しているNGADジェット機は1機あたり「数億ドル」かかると述べている。

 CCAの要件に関して、ケンドールが大きな滑走路からの脱却を望んでいるという具体的な言及は興味深いが、驚くべきことではない。空軍は、大規模基地の脆弱性が増していることを懸念しており、分散作戦や、新しいカモフラージュ、隠蔽、欺瞞の能力と戦術の必要性は、今後そのようなリスクを減らすため不可欠であると公言している。

 また、ケンドールは、複数のMQ-28がCCAプログラムに関連した空軍の試験をサポートするために使用中と述べている。もともとオーストラリア空軍(RAAF)向けに開発されたこの無人機のうち、少なくとも1機を空軍が取得したことが2022年に明らかになっていたが、それ以来、この取り組みに関する詳細は限られている。

 CCAの取り組みやNGADプログラムについては、多くが極秘扱いだが、ケンドールの本日の発言は、多くの詳細が明らかになりつつあることを強調している。新型無人機の「最初のインクリメント」の正式コンペのキックオフが近づくにつれ、この傾向は続きそうだ。■


CCA Loyal Wingmen Drones To Cost Quarter To Third Of An F-35

BYJOSEPH TREVITHICK|PUBLISHED NOV 13, 2023 8:39 PM EST

THE WAR ZONE


2023年11月20日月曜日

英空母HMSプリンス・オブ・ウェールズが無人機の艦上運用に成功。

 USNI Newsの記事からです。英海軍の最新鋭空母は現在米東海岸沿岸で各種機材の運用テストを展開中です。今回は新型無人機の空母運用に成功しました。海上自衛隊も視察団を派遣していますが、F-35Bだけに眼を奪われず、無人機を空母運用する新しい可能性にも注目しているのではないでしょうか。

Mojave aircraft is taken back into the hanger after a successful trail on HMS Prince of Wales. Royal Navy Photo


米東海岸沖でのHMSプリンス・オブ・ウェールズ(R09)の試験で、アメリカの新型無人航空機(UAV)が空母から初めて発着艦した。

 

英国海軍のクイーン・エリザベス級最新空母の艦上でジェネラル・アトミクスのモハーベMojave短距離離着陸(STOL)実証機をテストした。「試験の成功は、海上航空における新たな夜明けを告げるものであり、英海軍の空母打撃群が有人機無人機混成の戦闘部隊へと進化する上で、また新たな刺激的な一歩となる」と、モハーベの試験計画者であるジェームズ・パーキン海軍少将は述べた。

 プレデターの派生型リーパーとグレイ・イーグルが原型のモハーベは、アレスティング・ギアがない空母や準整備された着陸場のような厳しい環境でも、短い滑走路に着陸できる。モハーベは翼幅を広げ、従来の2倍以上のペイロードを搭載できるため、さまざまなセンサーやペイロードを展開することができる。ジェネラル・アトミクス¥は、モハーベを「2倍の火力」と表現し、16発のヘルファイアミサイルを搭載できることを強調している。

 モハーベの運用テストは、プリンス・オブ・ウェールズの秋の配備で計画された多くのトライアルのひとつ。9月に英空母がアメリカ東海岸に到着して以来、飛行甲板にはF-35BライトニングII、MV-22オスプレイ、UH-1Yヴェノム、CH-53Eスーパースタリオン、AH-1Zヴァイパー、MH-65Eドルフィンなど、アメリカ海兵隊や沿岸警備隊の航空機が多数配備された。しかし、プリンス・オブ・ウェールズの航空群・飛行甲板作戦司令官であるマーティン・ラッセルは、さまざまな航空試験の中でもモハーベの試験が「ハイライトのひとつ」だと指摘した。

 「私のチームと私は、モハーベを初めて空母運用させたことに興奮し、誇りに思っています」とラッセルは語った。

 英国海軍の第2海軍卿であるマーティン・コネル中将も、感想を述べた: 「HMSプリンス・オブ・ウェールズ艦上でのモハーベの試験結果に多くの国際的パートナーが関心を寄せる中、空母を強力な打撃能力として21世紀へと深く押し進めるため、エキサイティングで重要な作業を率先して行っていることを喜ばしく思う」。

 ジェネラル・アトミクスのプレスリリースの中で、リンデン・ブルーCEOは、イギリス海軍の 「前例のない能力を空母に受け入れる先見の明 」に触れた。同社はまた、英国が同様のSTOL無人システムの調達に関心を持っていることを強調した。

 日本の代表団は、プリンス・オブ・ウェールズの航空試験、特にF-35B試験を視察している。これは、来年、JSいずもを東海岸に配備し、F-35やその他の航空機の航空試験を実施するための準備だ。

 海兵隊との試験と実験の後、プリンス・オブ・ウェールズは12月に英国に戻る予定だ。■


U.K. Aircraft Carrier HMS Prince of Wales Launches, Recovers Mojave Drone

By: Aaron-Matthew Lariosa

November 17, 2023 4:22 PM


VTOL+高速飛行可能な新型機を想定したDARPAのプロジェクトに挑戦する米メーカーの動き。アウロラ・フライト・サイエンシズが興味深い提案を出している。

 航空宇宙産業には革新的な技術が必要です。ペンタゴンはDARPAを通じ、メーカーにあえて高い挑戦課題を与え、画期的な技術の実現をめざしています。もちろん全てが実現するわけではないのですが、技術競争力をこうやって維持向上しているのですね。FlightGlobalの記事からのご紹介です。

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Source: Aurora Flight Sciences




国防総省の極秘技術開発機関が開催しているSPRINT(Speed and Runway Independent Technologies)X-planeコンペティションで、4つのデザインのうち2つ目が公開された。

米国防総省国防高等研究計画局(DARPA)は、垂直離着陸(VTOL)機能を備えながら固定翼ジェット機の速度を達成できる画期的な航空機を開発するべく、航空宇宙メーカー4社に資金を提供している。

ボーイングの子会社アウロラ・フライト・サイエンシズ Aurora Flight Sciencesが、SPRINTの課題を解決するアプローチを公にした2番目の競争相手となった。

アウロラは、国防総省の技術開発プログラムで、垂直揚力を達成するためのファンインウイングローターを組み込んだ混合翼ボディの航空機を構想している。

アウロラの戦略は、垂直揚力を提供するためファンインウィングローターを組み込んだ主翼胴体一体型の機体だ。

垂直揚力ファンは、機械式駆動装置を介しメインエンジンと連動する。「この航空機は、巡航450kt[830km/h]以上と垂直離着陸を同じプラットフォームに組み合わせ、画期的な機動性を実現する」とアウロラは言う。

SPRINTプログラムのフェーズ1Aに選ばれた4社(アウロラ、ベル・テキストロンピアセッキ・エアクラフトノースロップ・グラマン)は、初期コンセプト設計で契約を交付されている。

このプロジェクトでDARPAは米特殊作戦司令部(SOCOM)と提携している。5月、SOCOMの調達責任者であるジム・スミスはFlightGlobalに対し、米国の精鋭部隊は滑走路やその他の地上インフラなしで活動できる高速輸送機を求めていると語った。

DARPAのX-planeプロジェクトは通常、参加企業の創造性と革新性を育成することが目的で、一般的な問題セットと基本的な性能要件のみを概説している。

アウロラは、DARPAのXプレーンプロジェクト2つに参加している。大型リフティング水上機を開発するリバティリフタープログラムと、従来の機械的な飛行制御面なしで操縦できる、いわゆる「アクティブフロー」航空機の成熟を目指すクレーンと呼ばれる別の取り組みである。

アウロラのSPRINTへのファンインウイング・アプローチは、ヘリコプター・メーカーのベルがすでにテスト中の競合設計とは大きく異なる。

V-22オスプレイ・ティルトローターの製造元であるベルは、高速垂直離着陸(HSVTOL)と呼ぶコンセプトで、可変飛行モードVTOLプラットフォームのパイオニアとしての経験を基にしようとしている。

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Source: Bell

ベルのHSVTOLコンセプトは、ジェット動力による第3の水平飛行モードを含むティルトローター型航空機を想定している。


このコンセプトは、地上でも垂直飛行中でもティルトローターのように見える航空機を想定している。しかし、オスプレイやベルのV-280 Valorのようなティルトローター機が水平推力を提供するプロペラしか持たないのに対し、HSVTOLは第3のジェット動力による飛行モードを持つ。このモードでは、航空機のローターブレードは格納される。

ベルは、少なくとも2017年に折りたたみ式ローターブレードを備えたティルトローターの特許を申請して以来、このコンセプトを開発してきた。同社は9月にこの斬新な推進システムの試験を開始した。

アウロラの航空機開発担当副社長であるラリー・ウィルシング氏は、同社のアプローチが「高速で垂直揚力、混合翼ボディの航空機が優れた柔軟性と運用性能を提供する」ことを実証すると主張している。

DARPAは、2024年5月にSPRINTの次期資金提供を発表する予定で、設計の将来性とプログラム目標達成に向けた進捗状況に応じて、4社すべての競合を進める可能性もあれば、1社も進めない可能性もあるとしている。■

Aurora proposes fan-in-wing aircraft for DARPA Sprint competition | News | Flight Global

By Ryan Finnerty 16 November 2023


2023年11月19日日曜日

PLAN駆逐艦が南シナ海で「敵対標的」に主砲、電子妨害で撃退。世界の常識を堂々と破る中共の軍事行動には警戒が必要だ。

 Warrior Mavenの記事です。PLANは公海上で簡単に実弾を発射する規定になっているようです。これでは、偶発事件が発生したら深刻な結果がすぐ生まれてしまいます。ますます中共の行動に注意する必要がありますね。

China News Service

南シナ海で中国駆逐艦が「空中目標」を艦砲射撃で撃退

新型駆逐艦が「空中目標」に艦砲と電子戦兵器を「敵対装備」に発射した。

新たに就役した055型人民解放軍海軍(PLAN)の駆逐艦が南シナ海で戦闘準備訓練中に、艦砲と電子戦兵器を発射したことがあきらかになった。

中国政府が支援する環球時報紙は、中国海軍の055型駆逐艦「遵義」 Zunyiが 「疑わしい空中目標複数」を探知し、発砲し、破壊したと報じている。

同紙は、「空中目標 」が具体的に何だったかを明示しておらず、敵対的なドローンの一種の可能性がある。PLANが何らかの 「有人 」目標に発砲し、迎撃したとは考えられないが、記事は敵対的な発砲があったことを明確にしている。

「演習中に同艦の早期警戒・探知システムは、空中標的と思われるものを複数発見し、有利な位置を取り、妨害弾を放ち、近接武器システムを発射することで、迎撃に成功した」と『環球時報』は報じている。PLA海軍は主砲で標的にダメージを与えたという。

事件の詳細は明らかにされていないが、EWと近接防御兵器の形で標的を迎撃する決定は、PLANが南シナ海の海上シナリオで殺傷力を行使する意思があることを示している。

「敵対的な対象が同艦に接近し、同艦は高速反撃で応戦し、主砲で目標に大きなダメージを与えた」と環球時報は報じている。■

Chinese Destroyer "Fires On" Suspected Aerial Targets & Shoots at Hostile Vessel in South China Sea





2023年11月18日土曜日

米国国務省がトマホーク・ミサイル400本と関連システムに関する日本向け販売総額24億ドルの取引を承認

 

Breaking Defenseの記事からです。

USS Curtis Wilbur Tomahawk Launch

A tomahawk land attack missile is launched aboard the Arleigh Burke-class guided-missile destroyer USS Curtis Wilbur (DDG 54) during a live-fire demonstration as part of Pacific Vanguard (PACVAN). (U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 2nd Class Taylor DiMartino/Released)


ロイド・オースティン国防長官がインド太平洋の軍事指導者たちと会談した直後に、東京への売却が発表された

ワシントン - 米国務省は本日、レイセオン製のトマホーク・ミサイル数百発と関連システムを24億ドルで日本に売却する可能性を承認した。

日本は400発のミサイル(200発のブロックIVオールアップ・ラウンドとブロックV200発)、制御システム14基、さらにソフトウェア、ハードウェア、訓練、その他アドオンの購入を要求していた。

「提案されている売却は、増大する脅威を無力化することができる、大きなスタンドオフ射程を持つ長距離の通常型地対地ミサイルを提供することにより、現在および将来の脅威に対応する日本の能力を向上させる」。国防総省安全保障協力局のウェブサイトに掲載された公告によれば、「日本が同ミサイルを自国軍に導入することは困難ではない」。

発表は、バイデン政権がインド太平洋地域において、中国との緊張関係を癒す一方で、北京の侵略に対抗するためこの地域のアメリカの同盟国に多額の投資をするという、並行戦略を追求する中で行われた。ロイド・オースティン米国防長官は先週、アジアで韓国と日本の防衛責任者と会談し、ジョー・バイデン大統領は今週サンフランシスコで開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に先立ち、中国の習近平国家主席を歴史的な訪問でもてなした。

今週初め、国務省は韓国向けにミサイルを販売する他の大型案件二件を承認した。ひとつはレイセオンのスタンダード・ミサイル6ブロック1を6億5000万ドル分、もうひとつは同じくレイセオン社のAIM-9XブロックIIとブロックII+サイドワインダーを5200万ドル分である。

案件の数量と金額は、交渉が進むにつれて変更される可能性がある。議会も、いつでも案件を阻止できる。しかし、議会では中国の戦略的脅威については幅広い合意が出来ており、さらに日米関係を考慮すれば、その可能性は低い。■

US clears $2.4B deal with Japan for hundreds of Tomahawk missiles, systems - Breaking Defense

By   LEE FERRAN

on November 17, 2023 at 3:53 PM


「もがみ」級12隻の連続建造は順調に進展中。さらに、発展形FFM12隻の企画も。高度省人化は日本特有のニーズだとしても、有事の対応力に疑問も残るのだが....(訂正ずみ)

 The War Zone が日本の未来型フリゲート「もがみ」に注目しています。

<br>JS <em>Yubetsu</em> (FFM-8) launching ceremony at Mitsubishi Heavy Industries Maritime Systems November 14, 2023. <em>Hunini via Wikimedia Commons, CC-BY-SA-4.0 </em>

JS Yubetsu (FFM-8) launching ceremony at Mitsubishi Heavy Industries Maritime Systems November 14, 2023. Hunini via Wikimedia Commons, CC-BY-SA-4.0

「もがみ」級フリゲート艦は、大幅な自動化と少人数の乗組員、適切な能力、そして低コストという興味深い組み合わせの艦だ

11月14日、本州南部に位置する岡山県玉野市で、8隻目となる「もがみ」級フリゲート艦「ゆうべつ」が進水した。「もがみ」級30FFM多機能フリゲート艦は、海上自衛隊(JMSDF)の基幹艦となる予定で、いろいろな先進機能を満載している。高ステルス性フリゲート艦は、幾何学的な形状から未来的な外観が特徴で、海上自衛隊の各種任務をこなす能力を持つ。これを念頭に、この魅力的で高度なまで自動化された艦のプロフィールを紹介する良い機会だと考えた。

「もがみ」級は、対地、対空、対潜水艦戦だけでなく、監視から掃海活動まであらゆる能力を持つ。このフリゲート艦は、先進的な電子戦とセンサー・スイートを備える。しかし何よりも、極めて少人数の乗組員で運用できるように設計されている。要するに、このフリゲート艦は、はるかに少ない人数で、はるかに多くのことをこなし海上自衛隊を支援する。

「もがみ」級の8番艦「ゆうべつ」は、元請けの三菱重工業(MHI)が建造中だ。「もがみ」級は日本の有名な河川にちなんで名付けられている。三菱重工はすでに、2022年4月、2022年12月、2023年3月に就役した「もがみ」、「のしろ」、「みくま」の3隻を海上自衛隊に引き渡している。「もがみ」級2番艦「くまの」は下請けの三井造船が建造し、「もがみ」に先駆けて2022年3月に就役した。

三菱重工は、海上自衛隊に5番艦から10番艦までのフリゲート艦を引き渡す契約を結んでおり、最初の4隻は「やはぎ」、「あがの」、「によど」、「ゆうべつ」と命名された。「やはぎ」と「あがの」は年内に就役し、「によど」と「ゆうべつ」は2024年に就役する。

合計12隻の「もがみ」級を海上自衛隊が調達する予定であり、その最終艦は2027年までに建造を終える。「もがみ」級フリゲート艦は、「あさぎり」級護衛艦と「あぶくま」級護衛艦に取って代わると予想される。これら両クラスは1988年から就役した。

「もがみ」級フリゲート艦は標準排水量約3,900トン、最大排水量約5,500トンを誇る。ちなみに、あさぎり級護衛艦は、標準排水量3,500トン、満載排水量5,200トン。あさぎり級護衛艦は、海上自衛隊の他の多くの護衛艦よりも低排水量であることに注意すべきである。あきづき級護衛艦は標準排水量5,000トン、満載排水量6,800トンで、イージス艦を搭載したまや級護衛艦は標準排水量8,200トン、満載排水量10,250トンである。

フリゲート艦は、全長とビームの大きさにおいても、あさぎり級護衛艦にほぼ匹敵する。「ゆうべつ」は、全長約435フィート、ビーム53フィートを誇る。一方、あさぎり級護衛艦は全長449フィート強で、ビームは48フィート弱と小さい。

推進力に関しては、「もがみ」クラスの艦船は、ロールス・ロイス製MT30ガスタービン1基と、MANディーゼル製V28/33DD STCエンジン2基を搭載している。30ノット(時速約34.5マイル)超の高速を出すことができる。

各フリゲートは、BAEシステムズのMark 45 5インチ(127mm)海軍砲システムと、日本製鋼所の12.7mm遠隔武器システム2基で武装している。また、ロッキード・マーチンの16セルMk41垂直発射システムも装備しており、三菱重工の03式地対空ミサイルChu-SAMを発射することができる。また、三菱重工の12式対艦ミサイルの艦載級8発を発射できる。レイセオンのシーラム(SeaRAM)システムは、接近してくるミサイルや小級ボートに対する最終防衛ラインを提供する。海上機雷(種類は不明)は、機雷敷設装置とともに、機雷戦のために配備することができる。

JS<em> Noshiro</em>'s forward Mark 45 127mm naval gun system. <em>Japan Ministry of Defense</em>

JS Noshiro's forward Mark 45 127mm naval gun system. Japan Ministry of Defense

技術面では、このフリゲート艦は高度な電子戦スイートを備えている。現在就役中の「もがみ」級および近々就役する「もがみ」級には、パッシブ・レーダーと電子攻撃能力を統合したNOLQ-3Eシステム、および対艦ミサイル攻撃時に対抗措置を発動するためのチャフ・ディスペンサーが搭載されている。

センサーとレーダーに関しては、フリゲート艦は三菱電機のOPY-2 Xバンド多目的アクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダーと三菱電機のOAX-3電気光学/赤外線(EO/IR)センサーを誇っている。このフリゲート艦は、そのマルチ・ミッションの目的から、対潜水艦戦(ASW)用にNECのOQQ-25可変深度ソナー(VDS)/曳航式アレイ・ソナー・システム(TASS)と、日立のOQQ-11対機雷ソナーを船体に搭載している。また、OYQ-1戦闘管理システムとOYX-1-29情報表示/処理システムも搭載されている。

Nora-50 Unicorn atop JS <em>Kumano</em>. <em>Hunini via Wikimedia Commons, CC-BY-SA-4.0 </em>

Nora-50 Unicorn atop JS Kumano. Hunini via Wikimedia Commons, CC-BY-SA-4.0

艦後部には、三菱のSH-60Lシーホーク・ヘリコプターを支援できる飛行甲板と片舷がある。「もがみ」級フリゲート艦は、三菱重工のOZZ-5級無人水中航行体(UUV)2隻と無人水上航行体(USV)2隻(正確な級式は不明)を配備・回収し、機雷掃海を行うこともできる。また、RHIB(Rigid-hull inflatable boat)も2隻装備する。

これらすべてが、このクラスの生存性を高め、交通量の多い水路や沿岸域での活動に、小級艦に見せる、シグネチャーの減少した設計に詰め込まれている。全体的なレーダー探知範囲も縮小され、敵軍にとって長距離の探知と交戦がより困難になる。

「もがみ」級フリゲート艦と「あさぎり」級護衛艦の最大の違いは、乗組員数だろう。あさぎりの乗組員は通常220人だが、もがみクラスの乗組員はわずか90人。このような大級艦としては、驚くほど少人数である。高度な自動化がこれを可能にしており、おそらくその最たる例が、360度の巨大な円形の壁で構成された先進的な戦闘情報センター(CIC)だろう。

本誌は2019年にこの非常にユニークなイノベーションを紹介した。フリゲート艦の未来的な雰囲気をさらに盛り上げているのは間違いなく、乗組員は多機能コンソールとオープンアーキテクチャソフトウェアを介して、戦術タスク、操舵、エンジニアリング、ナビゲーション、ダメージコントロール、消火、通信、その他の機能を実行できる。また、拡張現実もシステムの一部となり、標的の軌跡や潜在的な危険性などの重要な情報を外部ビューに表示する。

少人数の乗組員で多様な任務を遂行できることは、2010年代半ばに日本が「もがみ」級フリゲート艦の実戦配備に向けた取り組みを開始した理由の核心であることに変わりはない。

ここ数年来、護衛艦を含む従来級の艦船に乗艦する海上自衛隊の要員の確保が懸念されてきた。日本で高齢化と少子化が進むなか、自衛隊全体の採用率は低下しており、海上自衛隊は特に大きな打撃を受けている。これは、インド太平洋における地政学的緊張の高まり、とりわけ中国と北朝鮮による日本本土への安全保障上の脅威の高まりの中でのことである。自国の島々の防衛と並行して、日本は東シナ海の尖閣諸島に対する領有権も主張しており、中国との潜在的な紛争において脆弱な存在となる可能性が高い。

「もがみ」級フリゲート艦12隻の配備と並行して、日本はこうした懸念や中国の造船能力の膨張を考慮し、海軍力全体を拡大しようとしている。日本の主要な海軍計画には、巡洋艦のようなイージスシステム搭載艦(ASEV)2隻の建造や、いずも級空母2隻にF-35B短距離離着陸(STOVL)ジェット機を搭載するための継続的な改造が含まれる。

日本は近年、莫大な防衛費支出を約束している。昨年、529億ドルという多額の2024年度防衛予算要求とともに、3200億ドルという大規模な5年間の軍事費支出計画を発表した。しかし、海上自衛隊の他の軍艦と比べると、「もがみ」級フリゲート艦は、想定される能力空見れば魅力的な価格に思える。

2018年発注の最初の2隻は1隻5億ドル以下で、1隻あたり3億7000万ドルから4億1000万ドルと見積もられている。より最近の見積もりでは、調達コストはさらに低く3億ドル台前半になると示唆されている。これは、例えばフリーダム級沿海域戦闘艦よりかなり低い。

'New FFM' frigate infographic. <em>Acquisition, Technology &amp; Logistics Agency (ALTA), Japan</em>

'New FFM' frigate infographic. Acquisition, Technology & Logistics Agency (ALTA), Japan



とはいえ、日本はすでに30FFMの先を見据えている。もともと日本は、2018年末に承認を得た2019~23会計年度の中期防衛計画(MTDP)の一環として、もがみ級フリゲート艦を22隻調達するつもりだった。しかし、防衛省は2024年度予算要求の一環として、12隻に縮小した。同時に、12隻の「もがみ」級フリゲート艦に加え、12隻の「新型FFM」フリゲート艦を調達する計画も立てられた。

「新型FFM」フリゲート艦は、「もがみ」級の設計をベースに、4,880トン前後の大きな基準排水量を誇る。全排水量は約6,200トンになる。全長と全幅も「もがみ」級より大きくなる。もがみ級とのその他の共通点は、推進力と速力、比較的少人数の乗組員である。

重要なのは、新型FFMフリゲート艦は防空任務に重点を置くということで、三菱重工はFFM-AAW(多機能フリゲート艦-対空戦)という名称を採用する。このフリゲート艦は、16セルではなく32セルの垂直発射システムを採用する。改良された12式対艦ミサイルの長距離発射バージョンは、日本の「新型艦対空誘導弾」(A-SAM)と同様に、フリゲート艦から発射される。

SH-60Lヘリコプター1機を支援することに加え、フリゲート艦は「フライング・センサ」として無人航空機(UAV)を発進させることもできる。同艦のマストも、アップグレードされたセンサーを搭載するため再設計される。

2027年に建造を開始し、2036年までに全12隻を完成させる予定。入手可能なデータに基づくと、新型フリゲート艦は「もがみ」クラスよりも最終的に高くつくことになる。今年8月、海上自衛隊は最初の2隻の新型FFMフリゲート艦を建造するために約11億6000万ドルを要求した。

「もがみ」級フリゲート艦の迅速な建造は、その能力、特にこのような少人数の乗組員を実現するために導入されている自動化レベルとともに、確かに印象的である。その点では、どうなるか興味深い。最小限の有人乗組員コンセプトは、沿海域戦闘艦のように、運用面で維持することが困難である。とはいえ、これらの艦船は非常に魅力的な価格でバランスの取れた能力を詰め込む設計なのは明らかであり、より大級で重武装の同類艦船が目前に迫っているのと同様に、注目しておく価値があることは間違いない。■

Japan's Futuristic Mogami Frigates: Everything You Need To Know

BYOLIVER PARKEN|PUBLISHED NOV 17, 2023 4:35 PM EST

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