2017年4月3日月曜日

★SM-6の性能拡大には期待ができる=ミサイル防衛、対水上艦攻撃



Visit WarriorBreakthrough - Missile Defense Agency Fires 2 SM-6 Interceptors at Once - Testing New Seeker Technology

突破口になるか。ミサイル防衛庁がSM-6迎撃ミサイルを二発同時発射に成功。新型シーカー技術の効果を実証。

KRIS OSBORN

Yesterday at 9:35 AM



ペンタゴンはスタンダードミサイル-6を弾道ミサイル標的にむけ二発連続発射し新型シーカーの性能を実証した。
  1. 「アクティブシーカー」技術でSM-6ミサイル二発は同時に同じ目標の追尾破壊に成功し、迎撃破壊確率が引き上げられた。
  2. 「これで目標がどんな動きをしても命中の保証が確実になります。目標が方向を変えたり異常な動きを示した場合、一発目が探知に失敗しても二発目で仕留めます」とレイセオンでSM-6を担当する上席部長マイク・カンピシがScount Warrior取材に述べている。

  3. ミサイル防衛庁は今回の実験について海軍駆逐艦から「SM-6デュアルIミサイルを連射し、中距離弾道ミサイル標的に向かわせ、海上配備高高度大気圏内防衛能力を実証した」と発表。

  4. これまで艦艇発射の迎撃ミサイルは迅速な連続発射ができず、目標迎撃の可能性を高めることで限界があった。その理由はミサイルが艦艇が照射する目標捕捉情報に依存していたためだ。

  5. SM-6はいろいろな点でユニークな存在だ。まず、アクティブシーカーを搭載し、光速で電磁信号を前面に発射し、反射を得て移動目標への命中率が高まり、短時間に連続発射が可能だ。光速は定義済みで移動時間を決定すればコンピューターは目標の正確な距離を計算できる。この技術がソフトウェアアップグレードでSM-6に組み込まれた。

  6. アクティブシーカーがミサイルは攻撃の飛翔制御に役立つし、海上の移動目標にも有効だ。艦船からの照射・反射に依存しないためだ。

  7. この技術があれば艦船はSM-6を連射する、あるいは今までより短い間隔で発射でき目標ミサイルが複数の場合にも対応できるようになる。

  8. 「艦船からはミサイルに交信したり照射しながら、ミサイルも独自に標的をとらえることができます。アクティブモードでこれが可能となります」(カンピシ)

  9. そこでSM-6の「アクティブシーカー」で艦からの照射に依存せずに独自に飛翔できる。

  10. SM-3と比較するとSM-6迎撃体は敵の弾道ミサイルの降下段階で近接距離で迎撃できる。

  11. 弾道ミサイルを撃破以外に「攻撃」ミッションも最近追加されており、敵水上艦の攻撃あるいは水面近くを飛翔する対艦ミサイルの防御迎撃が可能となった。さらにSM-6は対空防御も可能でヘリコプター、無人機含む空中の脅威を排除できる。

  12. 「一本のミサイルで多様なミッションに対応できます。つまりこのミサイルがあればミッション3つをこなせるわけで他のハードウェアにはない特徴です」(カンピシ)

  13. カンピシと海軍上層部は脅威環境が急速に変化しているため、新しい高度攻撃防御技術が米国の優位性を保つため必要だと強調している。

  14. 「弾道ミサイルは各種プラットフォームから発射できるようになっており移動式発射台もある。固定式発射基地もあり、艦船からも停発射可能だ。となるとどこからでも発射できることになります」(カンピシ)

  15. そこで昨年のSM-6発射テストで水上艦をハワイ沖で沈没させたことで防空、ミサイル防衛想定だったSM-6が攻撃にも転用できることになり戦略的意味が加わった。「対水上艦攻撃テストでSM-6でペリー級フリゲート艦を撃破しました。SM-6で水上目標を攻撃できることが実証出来た意味は大きいです」(カンピシ)

  16. この事例ではSM-6発射でソフトウェア機能を分析する目的があり、水上目標を追尾破壊する能力があることがわかった。

  17. SM-6を水上目標攻撃に転用すれば水上攻撃力の追加となる。SM-6はSM-3より大型で攻撃手段としても機能することが実証されたわけだ。

  18. 「システム全体をテストしました。予想通りの機能を実行し結果は予想以上でした。海軍艦艇はこれを使って攻撃でき、同時に広域防衛も可能です。文字通り分散攻撃力となります」(カンピシ)

  1. SM-6を多用途に使えるのはソフトウェアの手直しによるものだとカンピシは説明。「システムは目標を識別し、信号を標的に送ります。信号によりソフトウェアパスとアクティビティを選択しミッションに応じた機能を実施します」

  2. SM-6は2013年から供用中で米海軍は250発を保有。海軍はレイセオンに270百万ドルで2016年度用のSM-6生産契約を交付している。ミサイルの最終生産はレイセオンのSM-6およびSM-3完成工場があるアラバマ州ハンツビルのレッドストーン兵器廠で行われる。

  3. 新しく登場したNIFC-CA海軍統合火器管制対空技術では、対艦巡航ミサイルはSM-6に対応させる。NIFC-CAは昨年から導入が始まり、E-2Dホークアイ早期警戒機やF-35を空中センサー機材として使い、標的情報を中継する。

  4. SM-6は巡洋艦、駆逐艦の現行垂直発射管では運用できない。今後海軍がこの点を改善するのは想像に難くない。今後は沿海戦闘艦、フリゲート艦、強襲揚陸艦や空母からも運用できるようになる。

  5. SM-6開発はその他ミサイルや攻撃防御手段の開発と並び、海軍がめざす「分散攻撃力」戦略の一環で、艦艇に次世代通信技術や最新の長距離攻撃防御兵器の導入を目指す。■



2017年4月2日日曜日

スペースXの再利用可能打ち上げ機で軍用衛星運用はどう変わるか



なるほど民間の宇宙利用がいかに軍事利用に依存しているかを伺い知らされるお話ですね。スペースXはNASA技術陣が多数入社していますが、これだけの構想を現実に移したのはマスクの存在のおかげでしょう。マスクは本当に世界を変える存在になってきましたね。

SpaceX reuses Falcon 9 rocket, but long road ahead for military adoption スペースXの再利用可能ファルコン9ロケットの軍事転用はまだ先の話か

By: Valerie Insinna, March 31, 2017 (Photo Credit: SpaceX)
WASHINGTON — 民間企業スペースXが3月30日に歴史を作った。ファルコン9ロケットの再利用に成功し、打ち上げ済みロケットを宇宙に再度送れると実証した。
  1. スペースXの国家安全保障関連ペイロードは2018年のGPSIII衛星打ち上げまで予定がないが今回の打ち上げで国防総省にも従来より安価な宇宙ミッション実施の可能性が開けてきた。ただし専門家は軍事宇宙で普通に使うまで数年から十年程度かかると見ている。
  2. ファルコン9はNASAケネディ宇宙センターから東部標準時間6:27 p.m.に打ち上げられ、第一段第二段切り離しに成功し、打ち上げ9分後にスペースXは同社所有の自律運用無人船「Of Course I Still Love You」上に着艦回収したとツイッターで発表した。
  3. 「Forecast International」の航空宇宙アナリスト、ビル・オストローヴだ。「国防総省は自分たちの打ち上げ業務には非常に慎重です」と3月31日に「Defense News」に語っている。「打ち上げは非常に高額なのでひとつの衛星に機能をたくさん詰め込み打ち上げ効果を最大にしてきました。それで打ち上げ信頼性をいかに高めるかに関心が集まり、自然に打ち上げ単価が高額になったのです」
  4. スペースXは今後も再利用可能ロケットのテストを続けるが、ペンタゴンは当面静観するようだ、とブライアン・ウィーデン「Space World」財団の事業企画部長は語る。
  5. 軍が再利用可能ロケットを当面採用しなくても、国防総省は民間部門での利用から財務効果を期待できる立場だ。スペースX創設者イーロン・マスクは現在一回62百万ドルのファルコン9打ち上げ費用は相当下がると見ており、ロケットが民間機並にに何回も利用できれば「100分の一」になるという。
  6. 「スペースXがどこまで料金を下げるつもりなのか見えてきません」とオストローヴは言う。「論理的にみれば、打ち上げ機を10回15回使用すれば総費用をそれだけ全体に薄める効果が期待できます。現在は使い捨てで利用企業が全額を払っていますが、今後は利用者負担が下がります」(ウィーデン)
  7. この方式では国防総省が一回目打ち上げ費用を負担し、民間各社は次回以降の打ち上げを利用することになる。
  8. だがウィーデンの指摘ではスペースXの軍事打ち上げ費用は民間向けより相当高くなる。国防総省の求める監理業務で費用が余分にかかり、システムのチェックも追加されるためだ。
  9. 「スペースXは今回のGPS衛星のように今後も空軍入札に加わるでしょう。理論上は今後の費用は下がっていくはずです。ただそこで節約できても大きな影響にならないのでは。つまりDoDが今と同じ追加要求をすれば節約効果を打ち消してしまいます」(ウィーデン)
  10. さらにファルコン9打ち上げ機は大型かつ重量級の軍事ペイロード多数に対応できない、という。「ファルコンヘヴィーが登場するまでスペースXは最大級の国家安全保障関連ペイロードの打ち上げはできません。実現は相当先で、その再利用可能性も先の話です」
  11. 空軍が機能を絞った小型衛星に切替えれば話は別だ。衛星の残存性をめぐりこの方向の議論があるのは事実で、同時に打ち上げ失敗のリスクから予算リスクも減ることになる。
  12. だが今後の方向性は不明とウィーデンは付け加える。ファルコン9は国家安全保障用に認証済みだが、ペンタゴンに再利用可能打ち上げシステムの有効性証明の前例はない。「現時点では国防総省がどこまでの利用を考えているのかわかりませんし、ゼロから認証するのか追加型として扱うのか不明です。後者なら工程は短縮されるでしょうね」
  13. 再利用の可能性を模索しているのはスペースX以外にもあるが、同社が一番進んでいるのは確かだ。ブルーオリジンは衛星軌道打ち上げ機を「New Glenn」の名称で開発中で第一段を再利用可能とする点でファルコン9と同じだ。ロッキード・マーティンボーイングの共同事業体ユナイテッドローンチアライアンスはヴァルカンの第一段エンジンを再利用可能にする企画を温めている。ただし初回打ち上げは2019年で同機能の実用化はさらに先になる。■

★★海兵隊が強襲揚陸艦を「ライトニング空母」に転用するのなら日本にもできるのでは



日米演習ではひゅうがにオスプレイが着艦しているので甲板が強化されているとの見方がありますが記事にあるような連続使用に耐えるものなのか、F-35Bの大きな排熱に耐える仕様なのか不明です。(多分仕様が違うでしょう) しかしこれで日本も真剣にF-35B運用を検討し実施に移せば、(海兵隊機材運用もありえるでしょう)いつまでも護衛艦だと言ってられなくなるでしょうな。ESG構想は面白そうですね。


Here's the USMC's Plan for 'Lightning Carriers' Brimming With F-35Bs

米海兵隊の「ライトニング空母」にF-35B多数を搭載する構想は以前の「ハリヤー空母」構想よりも威力高い新しい内容だ。

BY TYLER ROGOWAYMARCH 30, 2017


USMC

  1. 米海兵隊は強襲揚陸艦にF-35B16機から20機を搭載し「ライトニング空母」(CV-L)に転用したいと考えている。新型アメリカ級(LHA-6) は揚陸艇用ウェルデッキを備えず航空作戦に重点を置き20機近くの運用能力がある。
  2. 実はこの発想は前にもあった。AV-8B搭載の「ハリヤー空母」に転用する構想があった。ただし通常ヘリコプターで構成する海兵隊航空部隊を運用できなくなる代償が発生した。大型空母の運航コストがとんでもなく高い中でこの構想は空母ミッションを奪うと注目を集めた。ただしハリヤーは性能面でスーパー空母の航空隊より相当下回っていた。
USSパターンがイラクの自由作戦(2003年)で「ハリヤー空母」に転用された。USN
  1. 戦闘行動半径が短いことに加え、2千ポンド級の兵装を機内に搭載できないもののF-35Bの性能は米海軍大型空母の戦闘機並みで、その他陸上運用機にも遜色ない。またF-35搭載の高性能センサー装備と電子戦能力があれば早期警戒機や電子戦専用機への依存を減らし、第四世代戦闘機との違いが生まれる。
  2. つまりF-35Bはアメリカの「8隻の別の空母」つまり強襲揚陸艦に高性能多用途戦闘機の運用可能性を与え交戦の初期段階で威力を発揮させる意味でJSFファミリー中で最も意味のある存在だ。通常運用ならにF-35Bを6機ないし8機を搭載する。筆者はこの可能性を以前にも記事にしており、ハリヤー空母構想をF-35Bにどう応用するかをまとめていた。以下記事を再掲載する。
  3. 「多数の紛争が同時進行する想定でゲイター部隊の揚陸艦を『ハリヤー空母』として運用したことがあり、十機程度を搭載している。F-35Bなら効果がもっと上がる。たとえば交戦の初期段階で同機は敵の地対空ミサイル陣地、航空機センサーのネットワークを破壊しその後に続く僚機が安全に敵地で作戦できるようお膳立てできるはずだ。
  4. 新型LHA「アメリカ」級強襲揚陸艦はこの運用構想を念頭に建造されており、従来からのウェルデッキを廃し大型航空機用の燃料・兵装貯蔵空間を確保している。強襲揚陸艦をペアで運用して遠征打撃群 Expeditionary Strike Group (ESG)とする構想もある。一隻が10機程度のF-35Bを搭載し僚艦がヘリコプター10機程度を運用する。
  5. この構想だとF-35Bのプレゼンスを戦闘地区上空に維持できESGは「アルファストライク」としてF-35Bに敵の戦略的標的攻撃を一回で済ませられる。この方式ならESGは原子力空母の航空隊より高効果を実現できる。ESGは多任務部隊となり敵へ脅威をより柔軟に発揮でき、航空作戦以外に揚陸作戦や内陸部侵攻も実施できる。
  6. F-35Bは開戦初日の空母作戦効果を倍増させる可能性があり、原子力空母の隻数が減る一方の今日、意味のある存在となる。またESGは従来より自由に作戦を展開でき、海兵隊は戦闘の様相を一変させる本構想を真剣に検討すべきだろう。」
USMC
  1. 海兵隊の2017年海兵隊航空運用計画にはこの発想に通じるものがあり、こう言っている。
  2. 「2017年から2027年にかけ海軍用第五世代戦闘機の多数を運用するのは海兵隊である。2025年には185機のF-35Bを運用する予定でL級強襲揚陸艦7隻全てに配備可能となる。強襲揚陸艦が制式空母を代替することはありえないが、運用次第で補完能力はある。CV-L構想はこれまで五回にわたりAV-8Bを運用する「ハリヤー空母」として実現している。ARG/MEUのミッションや13通りの中核ミッション任務(METs)に変更はない。ただしライトニング空母は海上移動拠点としての強襲揚陸艦の利点を完全利用しながら、敵地アクセス、回収、攻撃能力を海軍、統合部隊に提供する」
  3. ライトニング空母構想では各種航空作戦任務で40超ソーティーを想定し、F-35B16機が14時間以内に実施するとしている。
  4. 重要なのはライトニング空母構想によりスーパー空母のかかえるプレッシャーを緩和できることで、小規模紛争の支援任務がその典型だ。同時に空母打撃群に組み込むことも可能だ。その場合、ライトニング空母第五世代戦闘機を前方展開して大きな補強効果を生むだろう。
  5. 現時点の構想では2020年代以降の空母航空隊は12機程度のF-35C飛行隊x1および他機種2飛行隊になる想定だ。そうなるとライトニング空母になるLHAで空母打撃群のF-35勢力が三倍になる効果が生まれる。だがこの構想が真価を発揮するのは遠征打撃群(ESG)として個別に運用した際だ。
LOCKHEED
  1. 海兵隊はライトニング空母構想にMV-22オスプレイを給油機として加える。F-35B搭載用スペースが食われるが、戦力を引き上げる効果は大きく、F-35Bは長距離ミッションを実施し敵地内部攻撃も可能となる。飛行運用上の安全余裕度も引き上げられソーティ回数も減らせる。カタパルト運用できないためライトニング空母でソーティの制約もある。V-22による空中給油装備は来年にも艦隊に導入されるはずだ。
V-22による空中給油システム試作品のテスト BELL
  1. USSアメリカ(LHA-6)および姉妹艦USSトリポリはF-35BやMV-22の長期運用を想定した飛行甲板の強化が施しているが、ワスプ級のLHDにはなく大幅改修しないとライトニング空母CV-Lとして機能が発揮できない。F-35Bを搭載できないのではなく、連続運用に耐えないということでF-35Bが与える熱負荷が大きいことで作戦テンポが高いと不具合が発生する。
  2. それでも海軍が「空母ギャップ」に苦しむ中で、小型で柔軟運用可能な空母を多数建造すべきと主張してきた筆者含む一部にとってアメリカ級を「ライトニング空母」に転用する構想には興味をそそられるものがある。■


2017年4月1日土曜日

F-35事業推進室長交替人事(ペンタゴン発表)


ボグデン中将には史上最大規模の調達事業をよくここまで統括してきたなと率直に尊敬のしますがよく正常な精神を維持できたと思います。後任のウィンター提督は新大統領のもとで今までとは違うプレッシャーに負けず職責を果たしてもらいたいものです。

Rear Adm. Mat Winter Nominated As Head of F-35 Joint Strike Fighter Office F-35事業推進室長にマット・ウィンター海軍少将

March 28, 2017 1:45 PM • Updated: March 28, 2017 9:11 PM
海軍研究部門長マシアス・W・ウィンター少将US Navy Photo

  1. 前海軍研究部門長かつ海軍無人機開発部門長を国防総省がF-35ライトニングII共用打撃戦闘機推進室長に指名した。ペンタゴンが28日発表した。
  2. マット・ウィンター少将はクリストファー・ボグデン空軍中将の後任でJSF開発室長として国防長官官房に入る。上院の指名承認が下りれば中将に昇進する。ウィンターは2016年12月より開発室(JPO)の事業副責任者となっている。
  3. トランプ政権がロッキード・マーティンF-35の事業費削減を目指す中でウィンターはJPOを引き継ぐことになる。トランプは当選直後にボグデンに二回電話し価格問題で懸念を伝えている。これでジェイムズ・マティス国防長官が検討の指示を出し、ボブ・ワーク副長官のもと「F-35CとF/A-18E/Fの作戦性能比較とホーネット改良型でどこまで費用対効果が高い選択肢になりうるかの評価」を求めた。
F-35合同事業推進室長クリストファー・ボグデン空軍中将DoD Photo

  1. ボグデンはJPO室長を2012年から務め、JSFは三形式はいずれも価格引き下げに成功し、空軍海兵隊の各仕様は初期作戦能力獲得を実現した。ボグデンは退官する意向だ。
  2. ウインターは海軍研究部長として海軍研究所を統括していた。以前は攻撃兵器・無人航空機開発責任者を務めている。後者で空母艦上に初の固定翼無人機着艦を実現させた他無人艦載偵察攻撃機(UCLASS)開発を率いた。
  3. ウィンターはキャリア海軍航空士官でA-6Eイントルーダーの爆撃・航法士として従軍経験がある。1984年ノートルダム大卒で海軍大学院・国家国防大で学位取得している。■

★もし戦わば(11)F-15対Su-35



元原稿が昨年のため、F-15C/Dの早期退役案はまだ発表されていなかったのです。サイレントイーグルもイスラエルが採用するのかはっきりしていません。日本もまだイーグルを使いまわす必要があり延命対策が必要ですね。

The National Interest

Air War: What If Russia's Lethal Su-35 Battled America's F-15?

March 29, 2017


  1. 米F-15イーグルとロシアから新登場の第四世代機の進化形Su-35S「フランカーE」の比較を尋ねられたことがある。
  2. 前者は第四世代機を定義した機体で、1970年代の登場以来大幅改修で時代に適合してきた。また今後も数百機が第一線に残るはずだ。
  3. 後者はソ連時代に登場したF-15相当のSu-27フランカーを改修し近代的なエイビオニクスや武装を搭載し、推力偏向エンジンを搭載し、レーダー吸収塗装を施している。
  4. Su-35Sについては以前も詳しく伝えており、National Interestのディヴ・マジュンダーも両機対決の場合を想定した記事を寄稿していた。その結論は両機ほぼ互角になるというものだった。技術面で差がないと優劣を決するのは支援体制やパイロット技量になる。
  5. そこで今回は両機の強みと弱みを詳述し各種ミッションで想定してみたい。
センサーとステルス性能
  1. Su-35Sには強力なイルビスEパッシブ電子スキャンアレイレーダーがあり、400キロまで有効だ。地上目標にも使える。ただしF-15搭載のAPG-63 V3アクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダーは優秀で妨害に強く、高解像度で追尾されにくい。
  2. Su-35には赤外線探知追尾装備(IRST)があり50キロ以内の敵機の大まかな位置をつかめる。ただしステルス機相手では有効半径は縮まる。F-15にIRSTはない。
  3. ただし新型追加ポッドの供用が始まっている。タロンHATEでIRST能力がF-15に追加され、僚機や地上センサーとのデータ融合を実現し、F-22ラプターともネットワークでつながる。F-22が使うデータリンクが通常形式と違うためだ。これでラプターを先頭に飛ばし敵目標を識別しミサイルを搭載したF-15に標的情報を送り、F-15は安全な地点からミサイルを発射する。
  4. F-15はステルス性能はなく、レーダー断面積は5平方メートルだ。Su-35はステルスを意識し、レーダー断面積は1ないし3平方メートルといわれる。そうなるとSu-35がレーダーに現れるのに時間がかかりそうだが、レーダー断面積が1平方メートルでも高性能レーダーなら相当の距離で探知できるし、長距離ミサイルの目標から逃れることはできない。
視界外戦闘の場合
  1. 最新の空対空ミサイルは100キロ超から発射できる。米空軍は視界外(BVR) 戦闘が21世紀の空戦の行方を決めると確信し遠距離ミサイル発射を目指している。ロシアはこの構想に懐疑的で電子対抗措置や回避行動で50から70パーセントとされる命中率を下げることは可能と考えている。ロシアもBVR戦を想定しているがBVRの撃ち合いのあとは短距離戦になると見ている。
  2. 兵装搭載面ではSu-35はハードポイントが12点以上あり、F-15Cがミサイル8発しか搭載出来ないのより優れている。Su-35はこの利点を活かし種類の違うミサイルを搭載し命中率を上げるだろう。ただしこの利点は短期間に終わりそうだ。ボーイングのF-15改修案ではミサイル搭載量16発と一気に倍増させる。後方を飛ぶF-15は「ミサイル艇」となりF-22が提供する標的情報を活用する。ただし当面はF-15のミサイル搭載量は少ないままだ。
  3. F-15、Su-35ともに長距離レーダー誘導方式空対空ミサイルを運用する。AIM-120D(射程160キロ)とK-77M(同200キロ)だ。両ミサイルは基本的に同じ種類だが、シーカー性能は不明だ。最大射程未満で発射し撃墜をめざすだろう。
  4. Su-35には超長距離(300から400キロ)のR-37Mミサイルもあり、米給油機やAWACSのような支援機材を排除するのが目的だろう。
  5. Su-35にはもう一つ有利な点がある。L175Mキビニ・レーダー妨害装置だ。米AESAレーダーはジャミングに強いと言われるが、AIM-120の搭載レーダーは別だ。キビニで防御された機体に空対空ミサイルは命中がむずかしくなる。これに対してイーグルの戦術電子戦セット対抗措置は1970年代製でイーグル2040C改修パッケージでは新装備が提案されている。
視界範囲内戦闘ではどうか
  1. イーグルの機体制御は俊敏で、これだけの重戦闘機が急旋回したり上昇中の加速が優れているのは設計の優秀さを示している。高推力重量比と翼面荷重が低いことの恩恵だ。
  2. これに対しSu-35は別格の存在だ。推力偏向型ターボファンエンジン双発でエンジンノズルを別々に動かし急旋回や高い迎え角を維持できる。(つまり機首を機体の飛行方向とは違う方向に向けられる)これは普通の機体では実現できない。Su-35は低速ドッグファイトならF-15を翻弄できるはずだ。
  3. 兵装面ではF-15とSu-35はそれぞれのAIM-9X、R-73ミサイルで優劣が付けにくい。両ミサイルとも敵が機首方向にいなくてもヘルメット搭載画像により照準外発射ができる。命中率はともに70から80パーセントといわれる。
  4. こうした短距離空対空ミサイルの威力は機体が敵機方向を向いていなくても発射できることで機体操縦性の利点が将来の近接交戦では消えることにつながる。
対地攻撃はどうか
  1. Su-35Sは17千ポンドの弾薬類を搭載し、対地攻撃には14点のハードポイントを使える。
  2. F-15Cの場合はゼロだ。純粋な航空優勢戦闘機だからだ。(正確にいうと対地攻撃用への改修は不可能ではない。イスラエルが改修を行い、イラク原子炉を攻撃した)
  3. F-15Eストライクイーグルなら23千ポンドの兵装を搭載できる。ストライクイーグルはF-15C並の速度で空対空兵装を搭載するが視界内交戦では機体重量が大きいことから操縦性敏捷性は落ちる。
  4. ロシア軍は精密誘導兵器は米軍ほど多用していない。また種類も限られている。ただしSu-35はイルビスEレーダーを地上攻撃モードに切り替えてうまく運用できる。
保守整備性
  1. 米国は高価格機体を長期間供用する傾向がある。ソ連からロシアには逆に低価格機体を調達し短期間供用しながら整備を重点的に行う傾向がある。Su-30フランカー初期型では信頼性が大きな問題だった。
  2. Su-35はこの差を縮めそうだ。6千飛行時間の供用に耐える設計となっている。F-15CおよびEでは8千、16千時間になっている。C型は寿命延長改修を受けるだろう。ただし、Su-35はすべて生産直後だがF-15は1970年代80年代の製造だ。
次世代F-15
  1. ボーイングはステルス版のF-15をサイレントイーグルとして売りこみ中でイスラエルが導入しそうだ。さらに同社はF-15Cの改修パッケージをイーグル2040Cとして提案しており、2040年代まで同機の供用を続けるとする。
  2. ではサイレントイーグルやイーグル2040Cで現行F-15の弱点を克服できるだろうか。
  3. まずSu-35の操縦性での利点は揺るがないだろう。サイレントイーグルはレーダー断面積が前方では0.1平方メートルになりSu-35の十分の一だと喧伝している。ただし後方および側面はステルス性がない。正面対決の場合にステルス性能がものをいうだろう。
  4. イーグル2040CパッケージにはIRSTとF-22とのデータリンク性能がタロンHATEポッドを介して実現し、電子対抗装置を搭載しミサイル運用を倍増する。
結語
  1. 将来の航空戦闘能力を決定するのはミサイルと電子対抗措置の能力であり、機体性能ではない。これはとくに非ステルス機の場合にあてはまる。
  2. それでもSu-35がドッグファイターとして最優秀機の座につき、対空対地双方でミサイル運用能力の高さを誇示する。AESAレーダーがなくてもだ。
  3. 現行のF-15各型も航空優勢戦闘機として十分な性能のある機体として残る。F-15Eは十分な対地攻撃兵装を搭載できる。性能向上型F-15は空対空装備の搭載量が売りでデータ融合も他にない機能になる。サイレントイーグルは前面だけとは言えステルス性能を実現する。Su-35Sは100機未満しかなく、ロシア、中国、マレーシア、アルジェリアで供用されるが、今後発注が増える可能性はある。米空軍のF-15Eは200機以上あり、F-15CおよびD型もやや少ない機数だが今後も供用される。さらに400機超がサウジアラビア、イスラエル、韓国、シンガポール、日本の各国空軍部隊で活躍中である。■

Sébastien Roblin holds a Master’s Degree in Conflict Resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing, and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring.
This first appeared in the Summer of 2016 and is being reposted due to reader interest.



2017年3月31日金曜日

中国新空母の進水式は4月23日との観測


よくわからないのが中国の言い分です。現実がわかってわざと言っているのかプロパガンダで頭がおかしいのか。空母の主任務が兵力投射なのに、それが防衛用であるというのであればすべての軍事活動は防衛用途になりますね。かつて社会主義国の核兵器はいい核兵器だという言い分がありましたが、いつの世にもものごとを捻じ曲げて自分の世界に浸る人がいるものですね。なお、文中の朱教授というのは人口抑制のため核兵器を使い調節すべきだとのとんでも主張をした人ですね。

Second carrier nears launch

Source China Daily

Editor Ouyang
2017-03-31
  1. 中国初の国産空母は艤装工事が順調に進行中と国防部報道官呉謙Wu Qianが30日語った。
  2. 同報道官は進水予定について「それほど長く待たせることにはならない」と間近に迫っていると示唆した。
  3. 報道官発言の背景に新空母進水式は4月23日、人民解放軍海軍の設立記念日との報道観測の高まりがある。
  4. 艤装工事はレーダー、エンジン他重要装の搭載を意味する。だが武器類は進水後の搭載が普通だと、中国人民解放軍国防大学教授朱成虎Zhu Chenghuは解説する。
  5. 「進水は一歩にすぎない。現在の進捗状況から見れば新空母はあと一年二年の試験期間のあと海軍に引き渡されるはずだ」
  6. 「とはいえ、国産一号空母の進水は大きな節目となり、世界クラスの海軍の仲間入りとなる。一から建造した今回の教訓により今後はもっと早く空母建造が可能となり、供用開始も早くできるようになるだろう」
  7. 国防部によれば新空母は遼寧省大連で建造中で、排水量は50千トンで就役中のCNS遼寧と同じ通常動力方式や航空機発進システムを採用している。
  8. 任務の違いが重要だと朱は述べる。遼寧は訓練・調査を主眼としていたが、新空母は作戦投入が主な任務となる。
  9. 新空母は格納能力が増え、レーダーも高性能化し、兵装も進歩している。さらに主機関は一層信頼性を増しており、遼寧がもともとソ連時代の未成艦ワリヤーグで設計が古く改良の余地がなかったのと大違いだ。
  10. PLA少将の彭光谦Peng Guangqianは軍事戦略思想家として中国空母は米空母とはまだ格段の差があり、艦の大きさ戦闘能力ともに劣ると認める。「米海軍の教義は他国の追随を許さない海洋支配力が前提だが、中国空母は自国防衛が主任務だ」■

2017年3月30日木曜日

★★F-22生産再開の可能性は消えた?



F-35で懲りたので米空軍F-X、海軍F/A-XXは別々の機体になるはずですがちっとも先に進んでいきません。そこでF-15が抜ければ米空軍は航空優勢確保に苦労するでしょう。2020年代にかけて新型戦闘機が皆無という状況が生まれ、危険な時代になりそうです。F-22を生産再開するなら日本、イスラエルが本来の購入国になるのですが、日本としてもF-3開発に乗り出す中で予算に余裕があるはずもなく、やはりF-22改の生産再開は絵に書いた餅になるのでしょうか。思えば高度技術流出を恐れF-22の海外販売を禁じた議会措置が誤りだったようですね。

The F-22 production line debate continues

まだ続くF-22生産再開案の議論だが...
By Oriana Pawlyk Military.com

  1. F-22ラプター生産が終わった2011年、空軍中佐ダニエルはペンタゴンのひどい間違いだと思っていた。
  2. 2009年に車を運転中に中佐は「ラプターが187機で終わると知り、何かの間違いだろうと思った」という。
  3. 「少ないより多いほうがいいに決まっているでしょう」と、第95戦闘機飛行隊のF-22パイロットの中佐はMilitary.comに語っている。イスラム国相手の航空作戦に従事しているため匿名を希望した。
F-22A U.S. Air Force F-22 Raptor flying on January 27 (U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Corey Hook)
  1. Military.comはこのたびティンダル空軍基地(フロリダ)で現役パイロット・整備要員と直接話す機会を得て第五世代F-22が第四世代F/A-18ホーネットと演習を行う現場を取材した。
  2. 空軍はラプターを381機取得するはずだった。それだけの調達規模なら今日の飛行・保守管理の多忙さは緩和されていたはずだ。
  3. F-22がもっとあれば「作戦テンポを下げていたはず。たえずどこかに展開しているが、機体がもっとあり飛行隊がもっとあり、整備陣がもっといれば訓練や作戦の需要を緩和できていたはずだ」とダニエルは言う。
  4. 第325運用支援群のベン中佐も同じ意見だ。「まさしくそのとおり。だが決定ははるか上のレベルがしたことだからね」「もちろん相当の予算が必要だっただろう」と追加した。
  5. そのとおりだ。当時の国防長官ボブ・ゲイツが予定より早く同機調達を中止させたのも費用が理由だった。

200億ドルで生産再開

  1. 2010年のRAND研究所の考察ではF-22生産ラインを再開し75機製造した場合はインフレ調整後で200億ドルになるという。
  2. 新造ラプターは1990年代の機体ではない。「当時と同じ機体ではないので製造費用はもっと高くなる」とワシントンDC在住の国防アナリストはMilitary.comに語っている。
F-22 image via John Dibbs of Lockheed Martin.
  1. 同上数字は概算であり、製造する作業員の給与や新型ステルス技術採用、パイロットの追加養成訓練等は入っていない。
  2. またラプターパイロットの養成は時間がかかる。「7年から8年で機体性能をフルに発揮できるようになり、戦闘で実力を発揮できる」(ダニエル)
  3. だがF-15C/D型を2020年代のどこかで退役させる案を検討中の(議会がこの件で黙っているはずはない)空軍が航空優勢をどうやって維持するつもりなのか疑問をもつ専門家は多い。F-22が最終的にF-15イーグルの役割を引き継ぐのか。そうだとすればラプターパイロットは今以上に多忙となるではないか。

F-22の代わりがF-16?

  1. 空軍および州軍はイーグルの早期退役を検討中であり、下院軍事委員会小委員会の聴聞会でこの構想を述べており、F-15の任務はF-16ファイティング・ファルコンが引き継ぐという。
  2. マーサ・マクサリー下院議員(共、アリゾナ)はA-10サンダーボルトIIを飛ばしていた元空軍パイロットで「F-22登場まではF-15が最高性能の戦闘機だった」と述べている。F-16は固定翼単発の第四世代機で「同じ性能は期待できない」と同議員は言う。
  3. 同聴聞会で空軍関係者がF-22でなくF-16に言及したことに同上アナリストは驚いた。「なぜF-22生産再開と言わなかったのでしょうか」「F-16に引き継ぐ案をリークした理由はなんなのでしょうか。F-22生産再開の想定は言及がなかったですね」
  4. 理由の一つはドナルド・トランプ大統領が空軍長官に指名した元下院議員ヘザー・ウィルソンを上院がまだ認証していないことだと同アナリストは言う。認証まで「空軍は重大な意思決定ができない」のだという。
  5. もう一つの理由として空軍指導者にF-22生産再開へ全く関心がないことがある。F-16に言及したことから同上アナリストは「これでF-22生産再開の芽はなくなった。検討もされない」とまで言い切る。

機体改修は進む

  1. ロッキードがDefenseOneに対し同社がF-16生産ラインを現在のフォートワース(テキサス)からノースカロライナへ移転する案があると披露している。フォートワースは40年に渡り戦闘機を製造している。
  2. 昨年9月末日現在で空軍にはファイティング・ファルコンが949機在籍していた。これに対してイーグルはF-15Eストライクイーグルと合わせてもその半分未満だ。F-15は全456機で旧型が236機ありうち212機が単座F-15Cで複座D型が24機だ。
  3. 「F-15C/Dの任務はひとつだけ」と同上アナリストは言う。「空軍はA-10のときと同じセリフを述べている。『空軍予算を節約する手段を模索して単一任務しか出来ない機体を引退させたい』」
  4. 「F-16は多用途機で、F-15の後塵を拝していた頃から相当の進歩を遂げている」という。
  5. 例えば昨年12月にレイセオンにF-16のコンピュータシステム改修の契約が交付され「現行比2倍の処理能力と40倍の記憶容量で米空軍パイロットに第五世代機なみの計算能力を提供する」と同社は発表している。
  6. 米空軍は第416飛行テスト隊(カリフォーニア州エドワーズ空軍基地)がノースロップ・グラマン製APG-83拡張可能機動ビームレーダーを搭載したF-16のテストを開始している。同レーダーは第五世代機のアクティブ電子スキャンアレイ火器管制レーダーのことである。
  7. 「現行のAPG-66やAPG-68レーダーにかわりF-16に第五世代機に近い性能が付与される」と空軍は発表している。
  8. 空軍はF-16C部隊に「レーダー換装でF-15同様の機能を実現させ、維持運用経費の削減策として機種整理をおこないたい」とスコット・ウェスト少将が運用責任者兼ペンタゴン詰め空軍次席補佐官として発言している。
  9. イーグルについて州軍航空隊総監スコット・ライス中将がMilitary.comに予定済みの改修策は実施すると話している。ただし空軍は改修の次の段階を実施しないことで維持管理費運用経費に流用したいという。
  10. ライス中将は空軍として既存機種を超えた選択肢が欲しいと述べ、「特にデジタル時代であり」機体を装備搭載のプラットフォームととらえ、「装備をいかに統合するかが重要で将来は機体よりも重要になる」と述べている。
  11. F-16は空対空戦闘能力でF-15に劣るが上記アナリストは「F-16だけにしてしまったら誰が助けてくれるのか」と、他の機種が助ける現在の前提を踏まえて疑問を呈している。

魔法の機体?

  1. 昨年、下院軍事委員会航空地上兵力小委員会から空軍にF-22生産再開の場合の想定をまとめる課題が出された。
  2. 公式文書は完成しているのか、「初版評価ではF-22生産再開の費用は法外な規模だった」と空軍報道官はMilitary.comにRAND研究所の検討内容に言及し述べている。
  3. そうだとしてもロッキードは実施の想定で意見を出すと同社でF-22事業次長をつとめるジョン・コッタムは述べる。
An F-22 deploys flares. (U.S. Air Force photo)
  1. 「空軍が当社を訪問し研究内容に追加すべき点がないか尋ねられたため、当社も真剣に取り組み、データ提供をしています。政権が代わり、アメリカ国内産業の復興が優先事項になりましたので当社も空軍から政権と同じ方向性の提示があると信じています」
  2. 「今後、仮に議会に報告書完成版が届けられなくても、当社として知見を提供し内容を一層現実的にしていきます」
  3. 一方で現役ラプターパイロットは本当に新造機が生産ラインから出てくる日が来るのか訝っている。
  4. どの演習でも初日ごろに機体を飛ばし「他機種とともに共同飛行します」「一週目の終わりになるとF-22があと30機は必要だと痛感します。F-22がいなくなると空対空で被撃墜機が増えるからです」とダニエルは言う。
  5. さらにダニエルは「機数が少ないことに毎回がっかりさせられています。ミサイルや燃料でも同じです。F-22パイロットは『ビンゴ、ビンゴ』が聞こえてミサイルもなくなると毎回イライラさせられます。基地に帰ると他機種が撃墜していると聞かされるのです」
  6. ステルス、速度、さらに「不公平なまで多くの情報を機体が提供する...まるで魔法のようです」
  7. F-16で改修が進んだとしても第四世代機で同等の任務をこなせるのかラプターパイロットはじめ多くが疑問を呈している。
— Oriana Pawlyk can be reached at oriana.pawlyk@military.com. Follow her on Twitter at @Oriana0214.