2022年6月4日土曜日

国連ミッション中のカナダ哨戒機に危険な嫌がらせ行為を繰り返す中国戦闘機は何を考えているのだろうか。

  

Click to play video: 'Chinese fighter jets reportedly getting more aggressive with Canadian military planes'

WATCH: Canada alarmed as Chinese fighter pilots ‘buzz’ Canadian planes over international waters

 

国連の北朝鮮監視ミッションにあたるカナダ哨戒機に中国戦闘機が超接近など嫌がらせを続けているというカナダのグローバルニュース記事のご紹介です。海南島では米海軍のEP-3と空中衝突事故に発展したことがありましたね。背景にカナダへの恨みつらみが残る中国の政治感情があるようですが。

 

ナダ政府は、アジア太平洋の上空で中国の戦闘機パイロットが危険行為をエスカレートさせていることに懸念を強めている。

 

 

 カナダ軍と連邦政府の複数情報筋がグローバルニュースに語ったところによると、中国のジェット機は、国際海域上空の国連ミッションに従事するカナダの偵察機を繰り返し「嫌がらせ」している。

 情報筋によると、中国機は頻繁にカナダ機から20~100フィート(約15~20メートル)まで接近飛行しており、カナダのパイロットが中国パイロットと目を合わせたり、時には中指を立てるのを視認できるほど近づいているとのことである。情報源は、機密情報のため匿名を条件に話した。

 「その距離だと、その高速では恐ろしいほど近く、墜落や事故につながる可能性がある」とオタワのマクドナルド-ローリエ研究所の上級研究員チャールズ・バートンは言う。.

「今後も続くと、いつか、大変なことになる」。

 

Photo: Canadian Armed Forces

 

 カナダのCP-140オーロラ哨戒機は北朝鮮制裁を監視し、ならず者国家による大量破壊兵器開発を阻止する国連の取り組みネオン作戦に参加している。同機は、乗組員を交替し頻繁に飛行している。

 情報筋によると、クリスマス以降、中国戦闘機による迎撃は約60件あり、うち20件以上が危険行為と判断された。

 国防省はグローバル・ニュースに事件の詳細を確認し、広報担当は「懸念すべきことで、頻度も増えている」と述べた。「(カナダの)乗組員は十分に危険を感じ、迎撃機との衝突の可能性を避けるため、自機の飛行経路を迅速に変更を迫られた事例がある」と報道官は述べた。

 情報筋によると、カナダ政府はこの事件に関して北京に外交譴責を送り、中国人パイロットの行為を「安全でなく、プロらしくない」と非難した。中国は譴責に応えておらず、抜本解決は見られない。

 「中国機がカナダ乗員の命を奪えば、緊張が一気に高まる国際的な事件となる。事態を煽るリスクを中国がなぜ冒すのか、まったく不可解だ」と述べた。「中国政府がカナダの懸念に応えず、このような行動を抑制しようとしないことも、非常に懸念される」。

 カナダと中国の緊張は、ファーウェイのCFO孟晩舟Meng Wanzhouが米国での詐欺容疑を理由にカナダに3年近く拘束され、その後カナダ人マイケル・コブリグMichael Kovrigとマイケル・スパボールMichael Spavorが中国で投獄された事件からまだ回復していない。孟が米検察当局と司法取引した後、3人は昨年9月釈放された。

 先月、カナダはファーウェイと同じ中国の通信大手ZTEが、5Gネットワークに機器を提供することを禁止し、北京をさらに怒らせた。

 カナダ空軍の元戦隊司令で元F-35戦闘機のテストパイロット、ビリー・フリンBillie Flynnは、カナダ軍のオーロラ(フリンは「大きく鈍足の飛行機」と呼んだ)では、非常に近くへ接近する戦闘機を回避する操縦は困難と言う。

 「オーロラのパイロットが回避操作をとれば恐ろしいことになる、中国戦闘機のパイロットにさらに危険な行為を取らせるから」と語った。

 「オーロラ機のパイロットができる最善のことは、一緒に飛び、中国の戦闘機のパイロットが消えるのを願うことです」。

 フリンは、戦闘機が引き起こす乱気流で、オーロラがコントロールを失う危険性が高まると付け加えた。

 これらの要因によって、オーロラは近くを飛ぶ戦闘機のパイロットの技量の「なすがまま」になる、とフリンは言う。

 攻撃的で過激な操縦は、中国パイロットの熟練度が低く、操縦も上手でないのを示唆していると、フリンは解説した。

 ある情報筋はグローバル・ニュースに対し、ミッション前に、パイロットと指揮官が潜在的なリスクと飛行を続行するかどうかをいつも議論していると述べた。今、懸念されているのは、中国の戦闘機パイロットによる「嫌がらせ」戦術が定着し、今後の飛行でリスクレベルが上がっていることだと、同情報筋は述べた。

 中国はこの2年間、アジア太平洋地域、特に自国領と主張する台湾周辺で軍事的プレゼンスを高めてきた。台湾周辺での訓練や演習が強化され、水曜日には数日にわたり、海上と空中で戦闘準備パトロールを実施したと発表している。

 中国政府は今年に入って大陸間弾道ミサイル含むロケット発射を再開し、アジア近隣諸国や欧米諸国から非難をものともせず、経済的・財政的に北朝鮮を支援し続けている。

 先月北朝鮮が一連の兵器実験を実施したのを受けて、アメリカが制裁措置を提案したが、中国とロシアは国連安全保障理事会で拒否権を発動した。■

 

© 2022 Global News, a division of Corus Entertainment Inc.

 

Canada alarmed as Chinese fighter pilots 'buzz' Canadian planes over international waters - National | Globalnews.ca

By Mercedes Stephenson & Sean Boynton  Global News

Posted June 1, 2022 5:40 pm

 Updated June 1, 2022 8:30 pm


2022年6月3日金曜日

ウクライナ戦の最新状況 6月3日で開戦100日目だが、ロシア報道機関にはこの話題でかん口令。

Russian tank

ルハンスク州の道路脇で、ウクライナ軍に破壊されたロシア軍戦車(2022年2月26日撮影ANATOLII STEPANOV/AFP via Getty Images

  • 6月3日金曜日は、ロシアによるウクライナでのいわれなき戦争の100日目にあたる

  • ロシア国営メディアはこれを論じないよう指示された

  • クレムリンは、ウクライナでのロシアの失敗に光を当てられては不快だと懸念しているようだ


シアの国営メディアは、ウクライナにおけるプーチン大統領の「特別軍事作戦」の開始から金曜日で100日になることは話題にしないよう命じられている。ラトビアに拠点を置くMeduzaが、ロシア大統領府の関係者などを引用して報じている。



 クレムリンは、プーチンのいわれのない戦争がどのくらい続いているかを強調すれば、紛争におけるロシア軍の失敗に不快な光が当たると懸念しているようだ。

「戦争に関連する日付に注目することは、ロシア国民に侵略の目標と成功について考えさせることができる」と、関係者は言い、「これまで何が達成されたのか、という質問が常に起こる 」と付け加えた。

 2月上旬、マーク・ミリー統合参謀本部議長が議会で、ロシアが侵攻すればキーウは約72時間で陥落する予想と述べた。実際、ロシアはウクライナ軍を壊滅させ、同国を簡単に征服すると思われていた。しかし、ウクライナは予想をはるかに超える激しい抵抗を見せており、戦争は3カ月以上も続いている。

 ロシア軍は、ウクライナの2大都市キーウとハルキウを占領する目的を達成できず、大きく苦戦している。

 また、ロシアはこ15,000人以上の兵力を失ったと推定され、驚異的な数のロシア軍将官がここに含まれている。

 モスクワは、ロシア国民に戦況を極端に隠そうとし、3月下旬以降、公式死者数を発表していない。ロシア政府は1,351人の兵士が死亡したと主張していた。今週、ロシアのトップクラスの法律家が、激戦が続いているにもかかわらず、ロシア軍の戦死者が「実質的に」消滅したとの突飛な主張を推し進めた。

 ウクライナの首都の奪取に失敗した後、ロシアはここ数週間、ウクライナ東部のドンバス地方に注力している。ロシア軍は東部でわずかに前進した。ロシア軍は、港湾都市マリウポリを廃墟に変えた残虐な作戦の末に、5月中旬にようやく制圧した。ロシア軍はまた、ドンバス地域におけるロシア作戦に重要な主要都市で、重要な産業拠点セベロドネツクを制圧する寸前まで来ているようだ。

 一方で、数カ月にわたる戦闘でロシア軍が疲労困憊し、士気が低下しているとの報告もあり、ロシアに戦場での成果を維持する余力があるのか疑問が持たれている。

 一方、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は24日、ルクセンブルク議会で、ロシアは現在、ウクライナの約5分の1を支配していると述べ、「ロシア軍はすでにドンバス地方のほぼ全域を破壊した」と発言した。

 ロシアの猛攻が続く中、ウクライナは西側諸国から援助を求め続けており、重火器がより多く必要だとを強調している。バイデン政権は今週、高性能ロケット弾を含む7億ドルの新たなウクライナ向け軍事支援策を発表した。■


Russia State Media Told Not to Discuss 100th Day of Putin's Ukraine War

John Haltiwanger

 

海上自衛隊部隊がインド太平洋に4カ月間展開し、RIMPAC2022含み各国との演習を実施。各国もハワイに向け艦艇を移動中。

 

2019年のインド太平洋配備で、マレーシアのポートクラン・クルーズター

 

上自衛隊艦艇4隻が今月下旬に日本本国を出発し、インド太平洋地域全域に4カ月間展開すると、防衛省が発表した。

 

 

 2022年インド太平洋地域派遣(IPD2022)に海上自衛隊の艦船3隻、潜水艦1隻、固定翼機3機が6月13日から10月28日まで参加する。

 今回の派遣には目的が2つある。防衛省発表では、「共同訓練を通じ海上自衛隊の戦術能力を向上させ、インド太平洋地域のパートナーパートナー国海軍との協力を強化すること、第二に派遣を通じ地域の平和と安定に貢献し、パートナー国との相互理解と関係を強化すること」とある。

 海上自衛隊は2019年より毎年、IPD派遣を行っている。今年は、ヘリコプター3機を搭載したヘリ空母JSいずも(DDH-183)と駆逐艦JSたかなみ(DD-110)が加わる。第二水上部隊には、駆逐艦JSきりさめ(DD-104)を含む。潜水艦の名称は不明。

 P-1哨戒機、UP-3Dオライオン電子情報訓練機、US-2捜索救助水上機の3機と支援要員がIPD22関係国に派遣される。陸上自衛隊も部隊を派遣する。

 IPD22は、オーストラリア、フィジー、フランス領ニューカレドニア、インド、パラオ、パプアニューギニア、フィリピン、ソロモン諸島、トンガ、米国、バヌアツ、ベトナムに寄港する。ニュースリリースによると、IPD22は環太平洋2022(RIMPAC2022)含む6演習に加わる。パシフィック・パートナーシップ2022、日米豪韓合同演習パシフィック・バンガード22、日印共同訓練(JIMEX)、オーストラリア海軍多国間訓練カカドゥ2022、米豪主催の多国間演習海上訓練活動(MTA)サマサマ/MTAルンバス2022だ。リリースは各演習の参加部隊を特定していない。

 米第3艦隊の火曜日の報道発表では、RIMPAC2022は6月29日から8月4日までハワイ諸島と南カリフォーニア近くで行われ「26カ国、水上艦38隻、潜水艦4隻の、9カ国の陸上部隊、航空機170機以上、約25000人の人員」が参加するとある。

 参加国の艦艇がハワイに向けて出発しており、韓国海軍では揚陸ヘリコプター艦ROKS馬羅島Marado(LPH-6112)、駆逐艦ROKS世宗大王 Sejong the Great(DDG-991)とROKS文武大王 Munmu the Great(DDH-976)が火曜日に済州海軍基地から出港した。潜水艦申乭石Shin Dolseok(SS-082)とP-3海上哨戒機も参加する。月曜日、マレーシア海軍のコルベットKD Lekir(FSG26)は、RMN Lumut 海軍基地からハワイに向けて出港した。

 Lekir 艦長 Asri Dasman 中佐は土曜日のインタビューで、同艦はリムパック 2022 で、沈没演習(SINKEX)に参加し、MM40 Exocet 対艦ミサイルを発射すると述べた。

 サマサマ、ルンバス両演習は、フィリピン、オーストラリア、日本、フランス、英国、米国が参加する多国間演習だ。日程は未発表。カカドゥ2022演習は、9月12日から9月25日まで、オーストラリア北の海域で展開する。■

 

Japan Announces Indo-Pacific Warship Deployment Ahead of US-led RIMPAC Exercise - USNI News

By: Dzirhan Mahadzir

June 1, 2022 3:31 PM


About Dzirhan Mahadzir

Dzirhan Mahadzir is a freelance defense journalist and analyst based in Kuala Lumpur Malaysia. Among the publications he has written for and currently writes for since 1998 includes Defence Review Asia, Jane’s Defence Weekly, Navy International, International Defence Review, Asian Defence Journal, Defence Helicopter, Asian Military Review and the Asia-Pacific Defence Reporter.


プーチンの病状悪化で権力闘争、クーデター等ロシアの不安定化は不可避に。独裁者に振り回される世界の悲劇。

 Putin

Credit: Russian State Media.

 

国の情報機関から聞いた。プーチン大統領は「進行性がん」の治療を受けている。

 

 

 米スパイ機関はロシアのウクライナ侵攻を正確に予言していたので、この評価を否定する理由はない。

 だが、プーチンの病気の意味は別だ。

 プーチンの病は、本人をさらに不道徳に、狂信的に、暴力的にするかもしれないし、しないかもしれない。プーチンはすぐに死ぬかもしれないし、死なないかもしれない。病気のため、ロシアを率いる能力が低下するかもしれないし、しないかもしれない。

 確実に言えることは、ロシアのエリート層は本人の病気を知っており、権力闘争が勃発している、あるいは間もなく勃発することだ。プーチン後継者が誰になるかが、エリート層の行動と選択に否応なく影響を与える。

 また、プーチンが構築してきたシステムを維持しながらプーチンを交代させるのは非常に困難とも分かっている。ロシアはファシスト国家であり、プーチンはそのスポーク、ひいては車輪を維持するハブだ。プーチン退陣が間近に迫ってきた今、ファシスト政権は根底から揺るがされるだろう。ナチス・ドイツはアドルフ・ヒトラー抜きには考えられなかった。同様に、ファシスト・イタリアはその団結と存在をベニート・ムッソリーニに依存した。

 プーチンは20年以上を使い、民主制度を解体し、高度なまでに中央集権的かつ個人主義的な独裁体制に取って代えた。プーチンを男性的な活力の体現者と示すことでカルトを表現している。プーチンの肉体的な強さは、ロシアの強さの象徴だった。したがって、プーチンの衰えはロシアの衰退を意味する。

 プーチンの取り巻きは、プーチンと同じく活力、カリスマ性、人気を持つ独裁者に交代させるか(年齢や肉体的魅力を考えれば不可能か)、または弱い人間でも支配しやすいようにシステムをいじくり回すしかない。それも難しい。プーチン体制は、独裁の論理に従い「適合」する首尾一貫した制度で構成されているからだ。全体の安定性を損なわず、一部だけ入れ替えるのは難しい。

 プーチンの後継者は、レーニンやスターリンのように、強硬派と穏健派に分かれるだろう。政治・経済が比較的安定している通常の状況ならば、一騎打ちになる。しかし、現在のロシアの状況は、正常ではない。欧米の経済制裁で経済が落ち込んでいる。ウクライナ戦争は、ロシアの勝利で終わらないとほぼ確定している。

 このような状況下では、改革に着手し、戦争を終わらせ、西側諸国との関係を修復する穏健派が有利になるのは言うまでもない。プーチンの同志はこれを承知で次の手を考えているのだろう。強硬派は、プーチンが政権を維持し、経済と戦争の悪化が進行すれば、自らの可能性が低くなると理解しているだろう。3月に米国の情報機関がプーチン暗殺を断言したように、クーデターが不可避になっている。

 クレムリンで権力闘争が起きれば、遠大な領域を管理するモスクワの能力は低下を免れない。特に、歴史と資源に恵まれた非ロシア圏の各地方で自治権拡大を求める声が強まるはずだ。クレムリンの状況が深刻なまで悪化すれば、独立を試みる動きもあり得る。

 どのようなシナリオであれ、権力闘争の勝者が誰であれ、プーチンの支配がいつまで続くのであれ、西側諸国はロシアでの出来事を変えることはできない。プーチンと現状を支持したくなる誘惑は、ソ連崩壊前夜のゴルバチョフと現状維持の誘惑と同じように、今や、強くなっている。しかし、西側が何をしても、ロシア内部の緊張に対しては無視できる程度の影響しか与えられないだろう。

 米国で現実的に対応できることは、権力闘争に備え、ロシアがすぐ非常に不安定な場所になる認識で、ロシアの不安定化の矢面に立たされる近隣諸国との連携強化だろう。■

 

Vladimir Putin Was Treated for 'Advanced Cancer': What Happens if He Dies? - 19FortyFive

ByAlexander Motyl

 

Dr. Alexander Motyl, now a 1945 Contributing Editor, is a professor of political science at Rutgers-Newark. A specialist on Ukraine, Russia, and the USSR, and on nationalism, revolutions, empires, and theory, he is the author of 10 books of nonfiction, including Pidsumky imperii (2009); Puti imperii (2004); Imperial Ends: The Decay, Collapse, and Revival of Empires (2001); Revolutions, Nations, Empires: Conceptual Limits and Theoretical Possibilities (1999); Dilemmas of Independence: Ukraine after Totalitarianism (1993); and The Turn to the Right: The Ideological Origins and Development of Ukrainian Nationalism, 1919–1929 (1980); the editor of 15 volumes, including The Encyclopedia of Nationalism (2000) and The Holodomor Reader (2012); and a contributor of dozens of articles to academic and policy journals, newspaper op-ed pages, and magazines. He also has a weekly blog, “Ukraine’s Orange Blues.”


2022年6月2日木曜日

これはひどい。クレムリンが受取り拒否し、ロシア軍戦死者の死体でウクライナの冷凍保管庫がいっぱいになっている。戦闘の実相は国民に知らせない方針か。

 Ukrainian workers load dead bodies of Russian soldiers onto  cold-storage train trucks

ウクライナ鉄道職員がロシア兵の遺体を冷凍貯蔵に移動している Ukrainian rail network

  • ウクライナ鉄道トップが、ウクライナは 「ロシアがウクライナ捕虜向けより高い厚遇をロシア兵の死体に与えている」と発言

  • ウクライナ鉄道はロシア戦死者の死体を保存する様子をビデオで公開した

  • ビデオは、ロシアが遺体送還に消極的との報道に言及している


下のウクライナ鉄道会社トップが、同国は「ロシアが生きたウクライナ人を扱うより丁寧に死んだロシア人を扱っている」と主張している。

 国営ウクライナ鉄道のCEOアレクサンドル・カミーシンAlexander Kamyshinは、Twitterに動画投稿し、ウクライナがロシア軍戦死者の遺体を保存している様子を説明した。

 「人道法に基づき、ウクライナは母親や妻に引き渡すため遺体を保存している」と動画で語っている。

 動画ではウクライナ鉄道は、冷蔵トラックに何百体もの遺体を保存している、と伝えている。

 ウクライナ鉄道は、「カーゴ200」をロシアに送り返す準備ができていると、ビデオで言っている。

 「カーゴ200」とは、戦死者輸送を指すソ連軍のコードだ。「貴国の『カーゴ200』は待機中です」と映像の最後にテキストが出る。


Ukraine Rail workers handle corpse of Russian solider

ロシア兵の遺体を扱うウクライナ鉄道職員 Ukraine Rail


 ビデオでは、ロシアが戦死兵の遺体を送り返すのを嫌がるとの報道に触れている。

 「ロシア司令官は遺体搬送しようとしていない」とビデオで主張している。

 「ロシアはパニックを避け、補償金支払いを避けるために、損失の実態を家族から隠している」と、映像中での文章は述べている。


Ukrainian rail mortuary workers show Russian military identification card

ウクライナ鉄道職員が戦死したロシア兵の身分証明書を見せている Ukraine railways


 ウクライナのイリーナ・ベレシュチュクIryna Vereshchu副首相は、ロシアが遺体受け入れを拒否しているのは、軍事損失の規模を否定したいからだとガーディアンに語っている。

 犠牲者の本当の数をごまかすため、ロシアは死傷した兵士を密かにベラルーシに運んでいると、Insiderは報じた。

 Insiderはウクライナの主張として、引き取り手のないロシア兵の死体7000体以上を国内の死体安置所で保管していると報じた。

 ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領はロシアが遺体送還を拒否していることに触れ、死んだペット以下の敬意しか、戦死兵に与えていないとクレムリンを批判したとガーディアンは伝えている。■

Russia's war dead abandoned by the Kremlin are piling up in Ukraine's refrigerated train trucks, video shows

Joshua Zitser


米国がMQ-1Cのウクライナ供与も検討。HIMARSなど高性能砲撃装備と相まってウクライナ軍の劣勢を挽回できるのか注目。

 MQ1C Gray Eagle Ukraine

US Army

 

MQ-1Cは、電子戦支援、攻撃、監視などでTB-2を大きく上回る能力をウクライナに提供する。

 

イターによると、バイデン政権はウクライナに7億ドルの軍事援助をする一方で、ロシア軍を攻撃するためMQ-1Cグレイ・イーグルの売却も検討している。大統領は売却案を数日以内に議会へ通知し、その後公表するようだ。

 

 

 2月以来、ウクライナではトルコ製バイラクターTB2を筆頭に、武装・非武装の無人航空機の利用が目立つ。しかし、MQ-1Cグレイ・イーグルで、ウクライナはTB2を超える性能のハイエンド無人機システムを入手できる。MQ-1Cは強力なセンサーと、レーダーや電子戦システムなど外部ポッドを搭載できる。最も重要なのは、グレイ・イーグルが最大4発のAGM-114ヘルファイア空対地ミサイルを搭載できることだ。TB-2はトルコ製MAM-Lミサイルを搭載するが、その重量48ポンドはヘルファイアの約半分だ。

 

A U.S. Army MQ-1C Gray Eagle with B company, 229th Aviation Regiment known as "Flying Tigers" goes through preflight checks at the Air Combat Element landing strip, Marine Corps Air Ground Combat Center (MCAGCC), Twentynine Palms, Calif., Nov. 7, 2019. The Flying Tigers are supporting U.S. Army Special Operation Soldiers with 3rd Battalion, 3rd Special Forces Group (Airborne) with intelligence, surveillance, target acquisition, and reconnaissance during their tactical recovery of aircraft personnel training. (U.S. Marine Corps photo by Cpl. William Chockey)

米陸軍のMQ-1Cグレイ・イーグル。カリフォルニア州トゥエンティナインパームスの海兵隊航空地上戦闘センター(MCAGCC)(Cpl. William Chockey)

 

グレイ・イーグルはジェネラルアトミックス製のMQ-1プレデターの発展型で、MQ-1と大型MQ-9 リーパーの中間的な性能・能力の機材だ。翼幅は56フィート、離陸総重量は3,600ポンド、または4,200ポンド。最高速度150ノットで飛行し、高度25,000フィートに到達し、27時間以上滞空できる。米陸軍のファクトシートによると、ER仕様のグレイ・イーグルは40時間以上滞空可能だ。

 

MQ-1Cに拡張EO/IRペイロードを搭載し、広域空中偵察に順ずる任務を遂行できる。 US Army

 

 ロイターによると、ウクライナ向けグレイ・イーグルの売却案は、ペンタゴンで数週間前から議論されてきた。通常、外国向け軍事売却は米国の資金提供でも、国務省の事前承認が必要となる。もう一つの可能性は、アメリカ空軍やCIAが保有する余剰のMQ-1プレデターをウクライナに譲渡することだ。無人機技術の輸出は米国で規制が厳しく、緊急事態の中でMQ-1Cのウクライナ供与にどのような影響を及ぼすかは不明だ。

 議会が売却を阻止できても、ウクライナへ一層の高度兵器の供与を支持する声はある。米国政府は、ウクライナの防衛装備と、NATOとロシア間の緊張をエスカレートさせかねない攻撃能力の間の細い一線を歩いている。ウクライナに供給されるHIMARSシステム誘導砲も論議を呼んだ。

 

 

アラスカ州フォートウェインライトで離陸前のMQ-1Cグレーイーグル。U.S. Army photo by Staff Sgt. Sean Brady

 

 グレイ・イーグルのニュースは、バイデン政権がウクライナ向け7億ドル相当の追加安全保障支援策を発表した当日に流れた。新規軍事援助には、少なくとも4基のM142高機動ロケット砲システム(HIMARS)も含まれている。

 コリン・カールDr. Colin Kahl国防次官(政策担当)によれば、ウクライナ軍は装備品がウクライナに送られる前に、HIMARSで3週間訓練する。高機動ロケット砲システムは、約43マイルの射程距離内の標的を攻撃できる誘導弾と共に届けられる予想でジョー・バイデン大統領がウクライナ供用を決めれば迅速に届けられるようヨーロッパに配置ずみの装備が対象に想定される。

 The War Zoneは、長距離砲が有効な武器となる現在の紛争で、HIMARSと227mm誘導多連装ロケットシステム(GMLRS)ロケットがウクライナ軍に提供する相対的利益と限界について詳述してきた。カール次官は、ロシアの奥深くまで攻撃することができない誘導ロケットを選んでパッケージに入れたとを確認した。

 新しい支援パッケージは、2021年8月以来、ウクライナ向けとして国防総省の在庫から11回目の払い出しとなる米国製装備であり、「今日の戦いのための重要なウクライナのニーズに合わせて作られている」とペンタゴンは声明で述べている。

ドンバス地方でロシアの機械化された戦争マシーンにウクライナ軍が徐々に劣勢になる中、以下の装備がウクライナに流れ始める。ウクライナ側が積極的に反撃する南部でも役立つ可能性がある。

HIMARSランチャーと未公表の弾薬のほか、最新パッケージには以下が含まれる。

 

  • 対砲兵レーダー5基

  • 航空監視レーダー2基

  • ジャベリン対戦車誘導弾(ATGM)1,000発とコマンド発射ユニット50個。

  • 型式不明の対人兵器6,000個。

  • 155mm砲弾15,000発。

  • Mi-17ヘリコプター4機

  • 戦術車15台

  • 予備部品と装備品


 

 トッド・ブレセール Todd Breasseale国防副次官補(メディア担当)によると、米国はバイデン政権は2月24日のロシアの無謀な侵攻以来、約53億ドルの安全保障支援をウクライナにコミットしている。さらに、2014年以降、米国はウクライナへの安全保障支援に73億ドル以上を投じている。

 これに先立ちバイデン大統領は、ロシアの侵略に対し、米国は「ウクライナに自衛用の武器や装備を提供し続ける」と述べた。

 

A M142 High Mobility Artillery Rocket System at Bornholm, Denmark, for exercises in May. U.S. Army photo by Capt. Angelo Mejia

5月の演習でデンマークのボーンホルムに展開したM142高機動ロケット砲システム。U.S. Army photo by Capt. Angelo Mejia

 

 「米国議会で超党派の圧倒的な支持で可決されたウクライナ向け追加資金により、米国はウクライナに、ロシアの攻撃を撃退するため効果的に使える武器を提供し続けることができます」と、バイデン大統領は新規援助パッケージを発表する声明で述べている。「今回の新規パッケージは、ロシアの進撃から自国領土を守るために、HIMARSを含む新しい能力と先進的な武器でウクライナを武装させる。ウクライナの自由への戦いを支援するために、歴史的な支援を行うことで米国が世界をリードしていきます」

 M142は1台でロケット弾6発を搭載したポッドを1つ搭載する。数分以内に展開、発射、移動が可能で、敵軍が対砲撃目標にするのは困難だ。

 HIMARSで誘導ロケット弾を発射すれば、ウクライナ砲兵部隊は、4月中旬に承認された前回の支援パッケージで供与済み155ミリ榴弾砲M777の約2倍の射程距離で目標と交戦できる。ウクライナ政府は、この武器でロシア国内を攻撃しないと保証している、とカール次官は述べた。国防総省は、ウクライナ国内のロシア軍への攻撃は、攻撃行為ではなく、侵略者に対する自衛行為と考えている。

 国防総省は、今回の大統領令の軍事装備のリストを作成するにあたり、東部で進行中のロシア攻勢に注目し、数百マイル先を攻撃できる長距離砲は不要と判断したと、カールは言う。HIMARSがあれば、ウクライナ軍は「どんな目標にも」正確に対応できる。

 ウクライナ戦に、より長距離の大砲や高度な攻撃能力を持つシステムを送り込むNATO加盟国はアメリカだけではない。ドイツは、IRIS-T誘導弾防空システム(間違いなく最も先進的な地対空兵器システムの一つ)と、自国の在庫からMARS II多連装ロケットランチャーを4基派遣すると発表した。このうちMARS IIは、米国製M270多連装ロケット砲をドイツ向けに改良したもので、最大12発のロケットを搭載できるロケットランチャーだ。M30やM31といった誘導ロケット弾を含みHIMARSと同じ種類の弾薬を発射できる。

 ウクライナは、ロシアを自国から追い出し、2014年のロシアによるクリミア併合以前の国境を取り戻すことを最終目標に掲げている。ドンバス地方東部が主戦場となっている現在、欧米が提供するロケット砲は、目標達成のため決定的な役割を果たす可能性がある。MQ-1Cとともにウクライナ軍が切望する近接射撃/航空支援も提供できそうだ。■

 

US Plans To Sell Ukraine Armed MQ-1C Gray Eagle Drones: Report


 

BY

DAN PARSONS,TYLER ROGOWAY

JUN 1, 2022 6:21 PM

THE WAR ZONE

 


ウクライナへHIMARS, Mi-8ヘリ含む7億ドル追加装備品供与を決定。米国の支援は回を重ねるほど高度装備品が増えている。

 US M142 High Mobility Artillery Rocket System (HIMARS) launchers fire salvoes during the "African Lion" military exercise in the Grier Labouihi region in southeastern Morocco on June 9, 2021.

M142高機動ロケット砲撃システムHigh Mobility Artillery Rocket System (HIMARS) が「アフリカのライオン」演習で一斉砲撃を実行した。モロッコ南東部にて。June 9, 2021. FADEL SENNA / AFP

 

防総省の最高政策責任者が6月1日に語ったところによると、アメリカはヨーロッパに 高機動ロケット砲撃装備High Mobility Artillery Rocket System4基を送り、数週間以内でウクライナ軍が運用できるよう訓練する。

 

 

 HIMARSは、バイデン政権がウクライナに行った7億ドル援助の一部で、ウクライナ侵攻から約100日となった今、ロシア軍を撃退するためのものである。

 米国当局は、プーチンがロシア国内から攻撃してきたとしても、今回供与の兵器がロシア国内に向け使われないとウクライナ側が約束してから、HIMARS送付を同意した。

 しかし、ウクライナ国内のロシア軍に対する使用は制限されない、と政策担当国防次官コリン・カールColin Kahl,は言う。

「同国には主権国家として自国領土を守る権利がある」「この戦争を始めたのはロシアだ」。

 ウクライナは、2014年にロシアが奪った領土の奪回で戦うこともできる、とカールは言った。

 「例えば、ウクライナ軍がケルソンに押し寄せたとします。もし接触線に沿ってドンバスに押し戻せば、我々はそれを防衛的と見なす」。

 HIMARSの射程距離は約43マイルで、現在の大砲の射程距離より長くなる。

 バイデン政権は、新しく安全保障支援パッケージを発表するたびに、先進的兵器を送ることに積極的になっている。ジョー・バイデン大統領は、本日の支援発表の中で、HIMARSはロシア攻撃を撃退する「新しい能力と高度な武器となる」と述べた。

 毎回の新装備供与で、政権はロシアのエスカレーションを誘発するか検討してきた。カールは、ウクライナ国内の地上戦で使用できる中距離HIMARS弾を提供すると決定したが、「何百キロも離れた空域から巡航ミサイルを発射するロシア爆撃機の撃退には役立たない」と述べた。

 国防総省は、ウクライナ軍がHIMARSシステムのに訓練に3週間かかると見積もっている。カールは、米国は追加HIMARSを送る可能性を匂わせた。

 今回の7億ドルのパッケージには、対砲兵レーダー5、航空監視レーダー2、ジャベリン対戦車兵器1000、ジャベリン指揮発射ユニット50、その他の対装甲兵器6000、榴弾砲用155ミリ砲弾1万5000発、ミ17ヘリコプター4、戦術車15、予備部品が含まれる。■

 

 

Latest Ukraine Arms Package Includes HIMARS, Mi-17s, and Thousands of Artillery Rounds

https://www.defenseone.com/policy/2022/06/latest-ukraine-arms-package-includes-himars-mi-17s-and-thousands-artillery-rounds/367620/

BY TARA COPP

SENIOR PENTAGON REPORTER, DEFENSE ONE

JUNE 1, 2022