2023年4月10日月曜日

電子戦用の素材を意外な日本企業が提供している...というお話。ミツフジ株式会社(京都)

 

Mitsufuji Corp. photo


つて正装のキモノ縫製を専門にしていた日本企業が、今日では電子戦に対抗できる布を作っている。



日本文化の中心地京都に本社を置くミツフジ株式会社は、電磁波シールド用の特殊生地を提供している。この生地は、エナジーパルスで焼かれたり、サイバー攻撃で探られないよう電子機器を守るテントになる。


千葉で開催されたDSEIジャパン会場で、同社の蒲生瑞木広報室長は「この生地は難燃性と防水性を備えています」と述べた。「これ1枚でプロテクションがすべて揃う」。糸には、電磁エネルギーを阻止する銀コーティングが施されており、同社のシニアマネージャーで繊維技術の専門家である御手洗英之の発案によるもので20年にわたる研究の成果と言う。


アンチEWファブリックに加え、ウェアラブルセンサーという別用途もある。生地は、スマートウォッチのバンドの一部になったり、シャツに帯状に縫い付けたり、ベルトストラップの中に入り、兵士のバイタルサインを記録し、データをクラウドベースのアプリケーションに送信できる、と彼女は言う。


脈拍と体温をモニターすることで、熱中症の危険性を警告もできるという。「労働環境衛生を専門とする大学の協力を得て、心拍数データと体温上昇の間に相関関係があることを発見しました」という。「身につけるだけでいいんです。インターネットは不要です」。危険地帯に入ると黄色点滅する。


ほとんどのウェアラブルセンサーは体動の「ノイズ」に弱いが、この特殊な布を装着すると、バイタルサインをモニターし、干渉を排除できるのだという。


自衛隊では、このウェアラブル技術で隊員の監視に使用する実験が行われているという。ウェアラブル技術のその他市場に病院やアスリートなどがある。


ミツフジは1966年、京都で創業した。京都はかつて日本の首都で多くの寺院があり、芸者が色とりどりの着物を着て歓楽街を歩くことで知られる。家族経営の同社は、2代目のリーダーへと移行すると、一転してテクノロジー分野に進出した。同社はもはや着物を作っておらず、「ウェアラブル」市場を希求している。■


JUST IN: Former Kimono Maker Now Spinning Counter-EW Fabric

3/16/2023

By Stew Magnuson

2023年4月9日日曜日

お知らせ Know Your Enemy に蔡英文訪米に対する中共の視点を掲載しました

 Know Your Enemyは新しく追加した自由世界の敵、あるいは敵になりうる勢力の考え方やモノの味方を紹介するブログです。


最近は時勢柄中共に関する記事が増えています。


最新記事ではこのたび米国を「訪問」した蔡英文総統に対する 

憎々しい評価を掲載した中共のプロパガンダ機関環球時報の評論を掲載しましたので

御覧ください。


https://draft.blogger.com/blog/post/edit/4438569708195348633/2049904536958114937



ウクライナ戦の最新状況(4月8日) 次の攻勢に備え、両軍が砲撃回数を減らし、弾薬を節約している模様

 Ukraine Situation Report: Both Sides Rationing Shells Ahead Of Kyiv’s Counteroffensive

Photo by Diego Herrera Carcedo/Anadolu Agency via Getty Images

両軍の砲兵部隊が次の攻勢に備え弾薬を節約している

陣営の砲兵部隊は、砲撃戦が続いているにもかかわらず、ウクライナの反攻に備え弾薬を節約しようと、射撃回数を減らしていると伝えられている。

ロシアの軍事ブロガー、アレクサンダー・ホダコフスキーは、進行中の攻勢に参加していないロシア軍部隊に弾薬供給が著しく制限されていると主張している。ダコフスキーは、潜在的な攻勢へのる懸念が原因だとした。

一方、『ワシントン・ポスト』の最前線からの記事には、ウクライナ砲兵隊も砲弾を節約していることが紹介されている。ウクライナ第56機動旅団砲兵小隊に派遣されたイザベル・クルシュディアンとカミラ・フラブチュクは、同隊の152mm榴弾砲はかつて連日20~30発以上の砲弾を発射していたと報告した。今は3発未満に減少している。

NATOの155mm口径砲を装備した部隊は、ワルシャワ条約時代の砲より不足に直面していないと報告されている。匿名ウクライナ軍関係者の話を引用した報告書は、ウクライナはまだ1日7,700発の砲弾を撃っていると主張した。ロシアの砲撃はこの数字を凌駕しているという。ウクライナの驚異的な大砲の消費量は、西側の生産ラインが供給を維持するのに苦労しているため、NATOにとって依然として懸念材料である。

戦争研究所(@TheStudyOfWar)は、ウクライナの戦争に関する機密情報報告書多数が流出して以来、ロシアの軍事ブロガーからの懸念は高まる一方だと指摘した。

ウクライナの地盤がぬかるんだ雪解け後に固まる日々は、反攻を身近に感じさせる。バフムートの戦いが続く中でも、ウクライナとロシアは次の大きな交戦を見据えた最新の兆候である。また、Foreign Policy Research Instituteのシニアフェロー、ロブ・リー(@RALee85)が指摘するように、モスクワは9月のハリコフ戦当時より準備を整えたいと考えているようだ。

最新情報

英国国防省が土曜日に発表した情報アップデートでは、ウクライナのエナジーインフラへのロシアの冬季作戦は 「失敗した可能性が高い」と評価している。ミサイルやイラン製神風ドローンを使った攻撃の波は、10月に送電網を狙い始めた。しかし、3月上旬以降、こうした大規模な攻撃はまれになっていた。

ウクライナは、損傷したインフラの代替部品を調達し続けており、100トンの変圧器を全国に移動させるのが物流上の大きな頭痛の種となっている。しかし、気温の上昇により、ウクライナの電力網への負荷は軽減されるだろう。

先週流出した機密文書の一部には、ウクライナのソ連時代の中・長距離地対空ミサイルの在庫が減少しており、今後数カ月で枯渇する可能性が特に懸念されていると報じられている。また、IRIS-TミサイルやNASAMSが使用するミサイルの在庫への懸念も指摘されており、枯渇した防衛力では、インフラ、人口集中地区、前線部隊に対するロシアの攻撃継続を防げないと考えられている。

しかし、前述のように、ロシアの空襲のペースは鈍化している。これらの文書やそこに書かれている評価が本物かどうかだけでなく、NASAMSに関する主張が怪しいのは、そのシステムが主にAIM-120 AMRAAMを使用しており、NATO内だけでも何千もの在庫があるためだ。AIM-120は、最近の米国からの軍事援助移転でも、米国から供給され続けている。

バフムートでの戦闘は、同市の鉄道駅に接近しており、ウクライナ軍にとって状況の悪化を示している。数ヶ月にわたる残酷な戦闘により、道路や建物は廃墟と化し、都市部以外では泥沼の塹壕戦が続いている。

包囲された都市と近くのChasiv Yarを結ぶウクライナ軍の補給路は、トラック、ハンビー、M113の焼け跡が示すように、ますます危険にさらされている。

ウクライナ砲兵は、バクムート郊外のBMP-1歩兵戦闘車への攻撃のように、前方監視員やドローンが発見したロシア軍を狩り続けている。また、チェコが供与そたvz.77「DANA」152mm自走榴弾砲や、ウクライナで使用されているL119 105mm牽引榴弾砲のクリップもある。

一方、ロシアのZALAランセットは、ウクライナの最新鋭の砲兵システムに脅威となっていり。ウクライナのM109自走榴弾砲へのランセットによる攻撃と、その後の火災と炊き出しの様子を写す動画が出ている。

ウクライナ車両に対するランセットによる攻撃は、ロシアのSSO(特殊作戦部隊)からの攻撃や、ウクライナの船舶を妨害するダイバーチームと称されるものの一部だ。

ドローンの話題では、5月9日の戦勝記念日にモスクワの赤の広場に着陸するドローンを開発・配備するウクライナのコンテストが行われている。このコンテストで優勝すると、開発者は2000万ウクライナフリヴニャ(50万ドル強)を手にすることができる。

このコンテストは、戦勝記念日を祝うロシアの注目度の高さとモスクワ上空の防空体制の強化が要因だが、招かれざる客が赤の広場を訪れるのは初めてのことではない。1987年5月、当時19歳のドイツ人パイロット、マティアス・ルストがセスナ172Pでフィンランドのヘルシンキから赤の広場まで飛行した事件を思い出すだろう。

ルストは、ソ連のボイスカPVO防空部隊のSAM砲台やミグ迎撃機を回避し、聖ワシリイ大聖堂近くのボリショイ・モスクボレツキー橋に着陸し、赤の広場にタキシングした。

写真は、ウクライナ第36旅団で使用されているリトアニアのEDM4S対UASシステムだ。このシステムはカモフラージュ塗装が施されているだけでなく、黒いホログラフィックサイトも装備されている。また、無音化されたデザートテックSRS-A1スナイパーライフルもある。

タイムズは、10月に行われたウクライナ特殊部隊によるザポリツィア原子力発電所奪還作戦の失敗について、注目すべきレポートを掲載した。600人とされる部隊は、ドニプロ川を渡るボートから攻撃を開始したが、失敗に終わったという。

ポーランド企業がウクライナのT-64の改修とさらなる近代化を支援し、レオパード2の運用も支援する予定であるとの報告もある。

米国が供給するストライカー装甲車の工兵型が、地雷対抗装置を装備してウクライナのサービスに登場した。M1132工兵隊車両(ESV)と後続のM1126歩兵輸送車(ICV)は、機関銃を覆った状態でロールバックしている。また、ウクライナで活躍するMk19グレネードランチャーを搭載したオーストラリアのブッシュマスターMRAPの写真もある。

最後に、ウクライナ軍で活躍するフランケンシュタインのような車両を紹介しよう。BRDM-2/BTR-60PBの砲塔を搭載したロシアのTigr-Mと思われる鹵獲車だ。■


Ukraine Situation Report: Both Sides Rationing Shells Ahead Of Kyiv’s Counteroffensive

BYSTETSON PAYNE|PUBLISHED APR 8, 2023 5:57 PM EDT

THE WAR ZONE



2023年4月8日土曜日

フィンランドがNATO加盟し、ロシアは頭を抱える。こんなはずではなかったのに... 更にスウェーデンが控える。ロシアは露骨な妨害を試みるか。

 フィンランドのNATO加盟でいよいよ窮地に陥るロシアの今後を1945が解説しています。



ロシアは、征服地を保持するという最低限の意味では、まだ勝利する可能性を残している(それすらも疑わしいが)。しかし、その他重要な側面すべてにおいて、この戦争は大失敗で、さらに悪化している


シアのプーチン大統領がウクライナ侵攻で大失態を犯したことは、今や広く理解されている。プーチンは、ウクライナ侵攻を既成事実化する電撃戦として計画した。1週間か2週間ですべてが終わるだろう。プーチンは一挙にソ連後の空間を再編成するつもりだった。NATOは不意を突かれ、ロシアのさらなる動きに怯える。中国はプーチンの大胆さに感心し、両国間の不均衡な経済関係を相殺するのに役立つ。世界は再び、戦略家プーチンに感銘を受けるだろう。

 それどころか、戦争は高価で、恥ずかしく、衰弱した災難に化した。ロシアは、征服した領土を保持するという最低限の意味ではまだ勝てるかもしれない(それさえも疑わしいが)。しかし、他のあらゆる重要な側面において、この戦争は大失敗であり、良くなるどころか、悪化している。

 戦争でGDPが激減している。政治的には、ロシアはほとんど孤独だ。中国とインドは制裁を支持しないものの、それ以外は距離を置いている。軍事的には、戦争は膠着状態に陥り、ウクライナ側にゆっくりと傾いている。ロシアはこの1年間、新たな領土を獲得していない。ウクライナはその後、攻勢に2回成功し、この春の終わりにはもう1回の攻勢が予想されている。そして今度は、戦略でロシアはまたもや逆境に立たされた。フィンランドがNATOに加盟したのだ。


フィンランドの加盟でロシア包囲網は続く

プーチンと彼の様々な擁護者たちは、NATO拡大がその周辺部でロシアの修正主義を強制していると何年も主張してきた。NATOが拡大していなければ、プーチンはクリミア、ジョージア、ベラルーシなどでゴタゴタしていなかったはずだ。

 しかし、これは因果関係の論理を逆転させるものである。NATOは西欧の帝国主義から発展したのであって、東欧諸国が必死に加盟を望んだから発展したのである。そして、加盟の動機は、ロシア外交政策に対する不安という極めて明白なものであった。ロシアには、近隣諸国の多くを征服し、支配してきた長い歴史がある。旧ロシア帝国にはポーランドとフィンランドが含まれていた。東欧で帝国を築いたソ連は、1990年代にNATOに加盟した国々を支配していた。

 ロシアが国境内で快適に暮らすことができ、「ロシア世界」の防衛といっ。た壮大な文明的使命にこだわらなければ、近隣諸国と平和に暮らせるかもしれない。しかし、ロシアの外交政策では、そのようなことは比較的まれだ。むしろ、ロシアの支配欲が、近隣諸国をロシアのパワーとのバランスに向かわせてきた。1990年代に脱出できたヨーロッパ諸国は、早期にNATOに駆け込んだ。フィンランドはプーチンに十分な脅威を感じ、長年の中立政策を断念した。スウェーデンもNATOに加盟予定で、ウクライナも加盟を望んでいる。

 この戦争がもたらす広範な戦略的帰結は、さらに多くの国家をNATOに向かわせる。戦争は、ロシアが西側諸国から包囲されるのを緩和するのではなく、むしろ悪化させている。


フィンランドはNATOにとって資産となる

フィンランドが加われば、NATOは強化されるどころか弱体化するという懸念もある。フィンランドは、NATOの伝統的な西ヨーロッパの中心地から遠く離れている。ロシアとの長い国境がある。1939年から40年にかけて、ソビエト連邦と戦争をし、大敗を喫した。西側諸国がフィンランドを助けるという考えは、距離と天候のため鈍った。フィンランドは冷戦期にはソ連を刺激しないためNATOを避け、ここ30年はロシアを刺激しないため避けてきた。「フィンランド化」という言葉も、この中立的な姿勢を特徴づけるため生まれた。

 このような懸念は、2つの理由で過大評価されている。第一に、フィンランドは、一般的な西ヨーロッパの軍よりもはるかに有能な軍隊を有している。実際、フィンランド政府はNATOに対し、より多くの予算を投じ、ロシアの脅威をより深刻に受け止めるよう働きかけている。ドイツやイタリアのような同盟国との関係を悩ませるタダ乗りの懸念は、当てはまらない。フィンランドは1940年の敗戦以来、必要ならばロシアと再び戦う体制を整えてきた。

第二に、ロシア軍は現時点で強力な通常軍を脅かす状態にない。ロシア軍は、ウクライナの泥沼でひどく疲弊している。ウクライナに勝てないのであれば、NATOに支援されたフィンランドに勝てる可能性はさらに低くなる。フィンランドを通常兵器で脅かすには、ウクライナから撤退し、ロシア軍を大規模に再建する必要がある。そして注目すべきは、ウクライナ侵攻前の10年間に行われたロシア軍の近代化が失敗したことだ。今日の軍隊がその結果として生まれた。フィンランドへのロシアの通常兵器による脅威は、少なくとも10年先のことになる。

 要するに、フィンランドのNATO加盟は、ロシアにとって、またしても予期せぬ打撃となる。ロシアはウクライナで泥沼にはまり込んでおり、これに対抗できない。また、加盟は、世界の最先端経済圏からのロシアの孤立を悪化させる。さらに、スウェーデンが次に控えている。■


Finland Joins NATO: That Means Russia Has Truly Lost the Ukraine War - 19FortyFive

By

Robert Kelly


Dr. Robert E. Kelly (@Robert_E_Kelly; RobertEdwinKelly.com) is a professor in the Department of Political Science at Pusan National University and 19FortyFive Contributing Editor.


2023年4月7日金曜日

B-52エンジン換装機の制式名称がB-52Jに決定。2020年代末までに実戦運用を目指す

 

B-52H型全機はエンジン換装だけでなく電子装備なども同時にアップグレードされ、「100年爆撃機」になりそうですね。Air & Space Forces Magazine記事からのご紹介です。

空軍の2024年度予算案によると、新しいロールスロイスF130エンジンを搭載したB-52HはB-52Jの制式名となる。



 今回の決定は、B-52H型の61年の耐用年数で最も重要な改良を受けるにあたり、数年間議論されてきた問題を解決する。

 「新しい民生エンジンと関連するサブシステムで改造したB-52H機は、B-52Jと制定される」と、空軍は2024年予算要求文書で述べている。

 というのも、B-52は新エンジンに加え、新しいレーダー、新しい通信・航法装置、武器など、2050年代まで信頼性と能力を維持することを目的とした改良を受けるため、空軍は改良型ストラトフォートレスでさまざまな呼称を検討していた。

 このように変更点が多いため、グローバル・ストライク・コマンドは暫定的な呼称を使用することを検討していた。

 B-52の改良兵器の1つは極超音速のAGM-183 Air-Launched Rapid Response Weapon(ARRW)とされていたが、2024年予算で空軍は、あと数回のテスト後に同プログラムを「終了」させ、極超音速攻撃巡航ミサイル(HACM)に重点を移すと発表している。

 B-52エンジン換装プロジェクトの名称も、Commercial Engine Replacement Program(CERP)からRapid Virtual PrototypingのCERP RVPへ進化したと、空軍は予算要求で述べている。

 エンジン換装の取り組みは、時間を節約し、より早く能力を得るためて開始された。このプログラムは、RVPの取り組みが終了した時点で、Major Capability Acquisitionとなると空軍は述べている。

 アップグレードはまた、その他変更への扉を開くと空軍は指摘している。

「B-52 CERPでB-52にさらなる能力をもたらすにつれて、新たなセキュリティ/認証要件(核硬化、サイバーセキュリティ、プログラム保護など)にも対処の必要がある。B-52 CERPの期間中、アップグレードが同時に行われるため、仮設施設や施設のアップグレード/修正が必要になる可能性があります」。

 空軍は、将来数年の防衛計画全体で30億ドル近いB-52調達を求めており、2024年の6,582万ドルという控えめな金額から始まり、2027年と2028年には各11億ドル以上まで膨れ上がる。

 このうち、レーダー近代化プログラムだけで8億4590万ドル、27年には2億7195万ドルとピークに達する。調達勘定には含まれないが、レーダー近代化プログラムに関連する研究、開発、試験、評価は3億7100万ドルで、2026年に終了するよう要求だ。RMPの調達資金で、74のレーダーキット、3つの訓練システムキット、2つの技術・製造開発キットを調達する。

 新レーダーは、海軍のF/A-18スーパーホーネット戦闘機に使用されているアクティブ電子走査アレイ(AESA)レーダー、レイセオンAN/APG-79の亜種。このレーダーは、APG-166に代わるもので、空軍によると、「ベンダーがなくなる」深刻な問題や部品の問題で、2030年までに「サポート不可能」になるとしている。

 AESAは保守性を飛躍的に向上させるだけでなく、捜索、地形図作成、電子戦において重要な新機能を追加する。また、新型レーダーの物理的な設置面積は、現行システムよりもはるかに小さく、航空機の前部で成長能力が生まれる。B-52の機首に取り付けられている電気光学ブリスターは取り外され、新しいレーダーと新型レドームが設置される。

 再エンジン化プログラムは、RDT&E予算で25億6000万ドル、2025年に6億5000万ドルのピークを迎える。このプログラムでは、元の装備であるプラット&ホイットニー TF33エンジンをロールスロイスF130に置き換えるのが目的だ。F130はB-52に搭載される期間を通じオーバーホールの必要がないため、燃費が30%向上し、最終的にこの変更は元が取れると予想されている。

 「新エンジンとともに、CERPはエンジンストラットやナセル、発電システム、コックピットディスプレイなどの関連サブシステムを交換する」と空軍は述べている。「新しいエンジンと関連するサブシステムの開発、製造、設置は、76機あるB-52Hのレガシー機器と交換される」。

 これまでに支出された分を含め、B-52 CERP Middle Tier of Acquisitionの取り組みの総費用は、RDT&E含め13億2000万ドルと空軍は述べている。

 空軍は、新エンジンと新レーダーの両方を搭載したB-52Jが、2020年代末までに運用可能になることを期待している。■


It’s Official: The Re-Engined B-52 Will be the B-52J

April 5, 2023 | By John A. Tirpak





2023年4月6日木曜日

SLBM部隊への通信を担当する米海軍の次期TACAMO機は現行の四発ジェット機からC-130ベース機に交代する。空軍ICBM部隊向け通信機能は搭載せず。

 

Howard Altman


米海軍は、新型C-130ベースのE-XXで空軍向けのICBMの空中指揮統制任務を削除する


界関係者は、アメリカの弾道ミサイル潜水艦の空中戦略指揮統制支援を行う将来のE-XXが、空軍の大陸間弾道ミサイル(ICBM)および爆撃機ユニットとの通信能力を持たないことを確認した。

 現行の海軍E-6Bマーキュリー「ドゥームズデイプレーン」に代わるC-130J改修機は、当初はTACAMO(Take Charge And Move Out)弾道弾潜水艦通信ミッションのみを実行するとしていたが、、新しいハーキュリーズベースのプラットフォームも長期的にこの機能に限定されることがわかった。このことは、「ルッキング・グラス」ICBM通信の役割を果たす、生存可能な空中通信機と司令塔機での空軍のニーズの将来について大きな疑問を残す。現在、E-6Bはこの2つの機能と、国内有事のための二次的な緊急指揮所と通信の役割を担っている。


TACAMOミッションなどをこなしているのは米海軍のE-6Bマーキュリー「ドゥームズデイ・プレーン」だ U.S. Navy photo by Erik Hildebrandt U.S. Navy photo by Erik Hildebrandt

 

この開示は、昨日ワシントンD.C.郊外で開催された海軍連盟の海空宇宙シンポジウムで、E-XXの提供を競う下請け企業のチームのひとつを発表するイベントで行われた。ノースロップグラマンが率いるチームに、ロッキードマーチンのスカンクワークス、レイセオンクレセントシステムズ、ロングウェーブが参加する。

 ノースロップのグローバルサーベイランス部門の副社長兼ゼネラルマネージャー、ジェーン・ビショップは、メディアに対して、「当社は、米国海軍のE-XX TACAMOウェポンシステムを実現するために編成した優れたチームを発表する機会を得て、非常に興奮しています。E-XXのTACAMOは、C-130J-30をベースとし、生存性、信頼性、耐久性のあるコマンド、コントロール、および通信を提供します」。

 「航空機とミッションシステムの統合に関する当社の豊富な経験と、原子力事業を支援するための運用可能なソリューションの作成に関する当社の専門知識を合わせると、ノースロップグラマンは海軍のE-XX TACAMOウェポンシステムを提供する最適なパートナーになります」と、ノースロップのマルチドメイン指揮統制プログラム担当副社長のジャニス・ジルヒは、同社のメディアリリースで述べている。「海軍のE-2プログラムで実証したように、当社は海軍の運用要件を満たすのを支援する長年のパートナーである」。

 一方、Sea Air Spaceシンポジウムでジェーン・ビショップは、E-XXの任務が「核兵器を搭載した...弾道潜水艦との交信 」であると改めて強調した。しかし、それは現在のE-6Bの任務の一部に過ぎない。


オクラホマ州ティンカー空軍基地で、戦略通信第1飛行隊が飛行するE-6Bマーキュリーをマーシャリングするグランドクルー。U.S. Air Force photo/Margo Wright


 「海軍は、TACAMO任務に特化することが最良と判断した」と、ノースロップのマルチドメインコマンド&コントロールキャプチャープログラムのディレクター、ヘンリー・シアーは説明する。

 決定の一部は、海軍がE-6Bの代替案としてC-130Jプラットフォームを選択したことに基づいているようだ。

 「代替案分析でC-130が選ばれたのは、新しいミッション装備に適したサイズのためだ」とシアーは付け加えた。「C-130は高翼機で、航空力学上で、優れた効率と能力を発揮することができる」。


ジョージア州マリエッタのロッキード・マーチン・エアロノーティクス社で、アメリカ空軍への納入前に滑走路を走行するC-130J-30のタキシング。U.S. Air Force/Courtesy photo by David Key



 昨年、海軍航空戦センター航空機部門の空中戦略指揮統制通信プログラムオフィス(PMA-271)の広報担当クリストファー・ハードは、代替案分析で 「TACAMO再編成には4発国産機が最適だと示した」とThe War Zoneに確認している。この決定で、他のプラットフォームの選択肢は事実上排除された。

 4発エンジンのE-6Bに代わってターボプロップのC-130Jが選ばれたことは意外だった。確かに、貨物輸送に特化した機体は、エイビオニクスや装備品を搭載するのに十分な容量を備えるが、双発のP-8ポセイドン海上警備機やKC-46ペガサスタンカーの派生型がより可能性が高いと思われていた。

 海軍は、E-XXをC-130Jをベースにすると定めただけでなく、同機の超低周波(VLF)通信システムの提供でコリンズ・エアロスペースを選定ずみだ。

 VLFシステムは、アンテナケーブルを機体後方に伸ばし、TACAMOミッションの中核をなす。核戦闘環境下でも、潜水艦との通信を可能にする。そのため、飛行士は低速で機体を急旋回させ、アンテナをできるだけ垂直に近づけ、通信効果を最大にする。

 ロッキードのC-130Jとコリンズ・エアロスペースのVLFシステム以外に、海軍はE-XXに必要な残りの機器をどの業界チームが提供するかを決めていない。昨日発表されたノースロップ主導のチームだけでなく、コリンズ・エアロスペースもこの契約のため競争する。Breaking Defenseによると、コリンズはSierra Nevada Corporationとチームを組むそうだ。

 プログラムのスケジュールは、E-6BからE-XXへの移行をかなり早く行うという海軍の要求を反映し、かなりタイトだ。ノースロップのシアーは、「予算書が定義した短期間で実戦投入可能な既存の能力を、迅速に移行することを意図している」と述べている。

 シアーはまた、E-XXプログラムの範囲と、現在E-6Bが使用している技術との比較について、興味深い詳細点を提供した。

 「様々な理由のため元の機体から単純に何かを取り出して移行することはできない」「技術は進歩し、無線はより小さく、コンピュータシステムはより小さく、より速く、より高性能になっています。しかし、基本的にTACAMOミッションは不変で、変わりません」。

 シアーはまた、技術の進歩により、TACAMOのミッション機器を、小型機に搭載することが可能になると指摘している。しかし、E-6Bの幅広いミッションポートフォリオの範囲を縮小することがここでも役割を果たす。

 「めざすのは、本質的に安価なシステムです」とシアーは続けた。「C-130では、サイズ、重量、パワーを考慮する必要があるため、小型の航空機に移行し、より小さなミッションセットとすることで、サイズ、重量、パワーの懸念に対処する機会として利用できます」。

 E-6BのTACAMOミッション機器がC-130Jベースのプラットフォームに「そのまま移行」するわけではない重要な理由の1つとして、シアーはサイバーセキュリティを挙げ、「E-6Bが生まれたたときよりはるかに重要となっている」と指摘した。実際、「サイバーセキュリティ要件だけで、新しいシステムになる」とシアーは付け加えた。

 E-6Bを置き換えることは、ますます緊急の課題となっている。同機は707の派生機としては最も若いものの、30年以上にわたり酷使され、VLFアンテナを展開するため繰り返される旋回など、独特のストレスやひずみを受けている。その一方で、継続的なアップグレードと、来年から専用の訓練機が導入され、重要な国家安全保障資産である同機の寿命を延ばすことができるようになる。

 その後、ノースロップとコリンズの両チームは、海軍の要求を満たすための最善の方法を検討し、2024年または2025年に予定される研究、開発、テスト、エンジニアリング段階に入る。

 海軍の2024年度予算要求では、E-XXの調達は2027年開始され、技術・製造開発機3機、翌年には生産機6機となる予定です。契約締結は、25会計年度の第1四半期、つまり2024年の10月から12月の間のどこかに指定されている。最終的に、ノースロップは、TACAMOの最終的な規模が9機よりも大きくなることを期待していますが、16機あるE-6Bと1対1で置き換わるかどうかは不明だ。

 しかし、海軍がE-XXのミッションエイビオニクスに関してどんな選択をしても、E-6Bと対照的に、新型航空機がTACAMOミッションに特化されるということは非常に重要な変化だ。そのため、ICBMや爆撃機部隊との通信を維持する米空軍のABNCP(Airborne Command Post)任務が宙ぶらりん状態になる。

 海軍は、TACAMO任務が冷戦時代のEC-130Qという初期のハーキュリーズで飛行されていた頃に時計の針を戻すことになる。



ハーキュリーズをベースにした初代TACAMO機、EC-130Q U.S. Navy


 海軍が第一世代のTACAMOプラットフォームとしてEC-130Qを運用していた頃、空軍は弾道ミサイル支援ミッションにEC-135ルッキンググラスを使用していた。E-6Bの登場により、2つの戦略通信が統合された。

EC-135Cルッキンググラス。Via Minutemanmissile.com


したがって、E-6Bが最終的に退役した後、空軍がこのミッションで何をするかは未知数だ。ルッキング・グラスのミッションを復活させる必要があるが、選択肢として、SAOC(Survivable Airborne Operations Center)に戻すことが考えられる。SAOCは、主に空軍のE-4Bナイトウォッチ機(National Airborne Operations Center(NAOC)とも呼ばれる)の代替機として開発される。


 現時点では、SAOCはE-4B後継機として想定されているようだ。747ベースのプラットフォームとなる予想があるが、現在E-4Bは4機しか運用されておらず、ABNCP任務も同型機でカバーすれば、高価なプラットフォームが必要となる。生存可能な空中指揮統制機が以前のような役割を果たせなくなることで、ミッションセットはまったく異なるものになる可能性もある。

 海軍は空軍の空中指揮統制任務を放棄する決定を下したため、E-6Bに代わる能力をどう運用するかは、空軍の判断に委ねられる。■


Navy Drops Air Force’s Mission From Its Next ‘Doomsday Plane’

BYTHOMAS NEWDICK|PUBLISHED APR 4, 2023 1:33 PM EDT

THE WAR ZONE


ウクライナ戦の電子戦の教訓は台湾に活用でき、防御強化につながるはずだ

 

THITIMA THONGKHAM


ワシントンは台北と協力し、ネットワーク攻撃からの台湾防御を強化すべきだ


クライナ戦争は、驚くほど有能な劣等生が鈍重な侵略者の前進に抵抗する生々しい映像で世界を埋め尽くした。サイバースペースでも同じことが起きている。ウクライナ防衛隊は、ロシアのサイバー攻撃の猛威を阻止した。この成功は、ウクライナ人の回復力、粘り強さ、プロ意識に負うところが大きいが、アメリカのサイバー能力向上への取り組みにも重要な役割を果たし、中国のサイバー攻撃から台湾を守る教訓となっている。

 米国とウクライナのサイバー協力には、長い実績がある。2015年と2016年にロシア側ハッカーがウクライナ都市の電気を止めた後、キーウは防御を強化するため記念すべき取り組みを開始した。米国とのパートナーシップは、ロシアからのサイバー脅威の増大を背景に、2017年に初の米・ウクライナ二国間サイバー対話で本格的に始まった。最も重要なのは、対話で国防総省、エナジー省、財務省といった米国機関がウクライナのカウンターパートと結ばれ、防衛力を強化したことだ。

 ウクライナ電力網への攻撃からの修復を支援した米国エナジー省はウクライナ政府と協力し、ウクライナのエナジー部門の回復力と国家対応計画を強化した。2014年以降、米国政府はウクライナのエナジー安全保障に1億6,000万ドル以上の技術支援を行ってきた。ロシアがマルウェアでなく巡航ミサイルやドローンで電力システムを狙うようになってきたのは、ウクライナインフラのサイバーレジリエンスの高さを証明している。

 2020年3月、米国国際開発庁(USAID)は、「サイバーセキュリティ環境の強化、ウクライナのサイバーセキュリティ人材の育成、強靭なサイバーセキュリティ産業の構築」を目的とした3800万ドルのプログラムを開始した。この取り組みの重要な部分として、USAIDはウクライナのサイバー防御を強化するソフトウェアとハードウェアのツールを提供した。

一方、財務省は、ソフトウェア工学研究所を通じウクライナ国立銀行と協力し、サイバーセキュリティに関する情報共有を改善しました。その結果、戦前の攻撃にもかかわらず、ウクライナの各銀行は今のところ、ロシアの攻撃を乗り切っている。

 FBIは、ウクライナのパートナーと緊密に連携し、ロシアの悪質なサイバー活動に関する脅威情報を共有し、偽情報キャンペーンを混乱させている。また、7月には米国国土安全保障省のサイバーセキュリティおよびインフラストラクチャ・セキュリティ局が、キーウと情報・技術交流を拡大した。

 そして、米・ウクライナのサイバー協力は、資金、ツール、情報以上のものを伴う。戦争が始まるまでの3カ月間、米サイバー軍は「ハント・フォワード」と呼ばれる防御的なサイバー作戦でチームをウクライナに派遣した。ウクライナのカウンターパートや他のヨーロッパのパートナーと協力し、米国オペレーターはウクライナのネットワーク上で悪意のあるサイバー活動を発見した。ハントフォワードで主要ネットワークへのロシアの侵入を特定し、破壊的なサイバー攻撃を防げた。

 ウクライナでの苦労が報われ、米国政府も効果に注目している。DHSの戦略・政策・計画担当次官ロブ・シルヴァースは、最近のインタビューで、同省は現在、「サイバー協力について大きく考えている」と述べ、「国際協力の機会を、全面的かつ集中的に探すべきだ」と述べている。本誌も同感だ。

 先月、米国が台湾の駐留軍を拡大すると発表したことで、台湾のサイバー防衛能力向上プログラムを開始する絶好のタイミングとなった。CISAディレクターのジェン・イースタリーは最近、中国は台湾に対する軍事行動に伴い、台湾だけでなく、米国やその他パートナーにもサイバー攻撃を仕掛けてくる可能性が高いと警告した。ウクライで準備した取り組みを台湾で繰り返せば、中国に台湾のインフラを麻痺させる能力を再評価させることにつながり、開戦回避の助けになるかもしれない。

 ウクライナで成功したプログラムを台湾で再現するだけでなく、サイバー犯罪に対抗する法執行機関向けのトレーニング・プログラムを台湾のサイバー能力強化策に含めるべきだ。   CISAもFBIともにトレーニングに必要な経験を有している。

12月、年次国防法案の一部で、議会は国防総省に対し、台湾との合同軍事演習を増やすよう指示した。演習にサイバー作戦演習を含めるべきだ。米国とイスラエルのサイバードームVII演習が共同訓練と演習で有用なテンプレートとして機能するはずだ。

 ウクライナは、サイバースペースでの最善の防御は実は単純に有効な防御だと示した。ワシントンは台北と協力し、台湾の防御的なサイバー能力を構築し、攻撃を緩和・阻止することができる。それで、台湾と米国は中国に対抗し、両国の利益を守るため、より良いポジションを確保することができる。■


Ukraine’s Cyber Defense Offers Lessons for Taiwan

By LT. COL. JAMES HESSON and ANNIE FIXLER

MARCH 16, 2023



U.S. Air Force Lt. Col. James Hesson is a visiting military analyst at the Foundation for Defense of Democracies (FDD), where Annie Fixler serves as the Director for the Center on Cyber and Technology Innovation and as an FDD Research Fellow. Follow Annie on Twitter @afixler. The views expressed in this commentary do not necessarily represent the views of the U.S. Defense Department nor the U.S. Air Force.