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両軍の砲兵部隊が次の攻勢に備え弾薬を節約している
両陣営の砲兵部隊は、砲撃戦が続いているにもかかわらず、ウクライナの反攻に備え弾薬を節約しようと、射撃回数を減らしていると伝えられている。
ロシアの軍事ブロガー、アレクサンダー・ホダコフスキーは、進行中の攻勢に参加していないロシア軍部隊に弾薬供給が著しく制限されていると主張している。ダコフスキーは、潜在的な攻勢へのる懸念が原因だとした。
一方、『ワシントン・ポスト』の最前線からの記事には、ウクライナ砲兵隊も砲弾を節約していることが紹介されている。ウクライナ第56機動旅団砲兵小隊に派遣されたイザベル・クルシュディアンとカミラ・フラブチュクは、同隊の152mm榴弾砲はかつて連日20~30発以上の砲弾を発射していたと報告した。今は3発未満に減少している。
NATOの155mm口径砲を装備した部隊は、ワルシャワ条約時代の砲より不足に直面していないと報告されている。匿名ウクライナ軍関係者の話を引用した報告書は、ウクライナはまだ1日7,700発の砲弾を撃っていると主張した。ロシアの砲撃はこの数字を凌駕しているという。ウクライナの驚異的な大砲の消費量は、西側の生産ラインが供給を維持するのに苦労しているため、NATOにとって依然として懸念材料である。
戦争研究所(@TheStudyOfWar)は、ウクライナの戦争に関する機密情報報告書多数が流出して以来、ロシアの軍事ブロガーからの懸念は高まる一方だと指摘した。
ウクライナの地盤がぬかるんだ雪解け後に固まる日々は、反攻を身近に感じさせる。バフムートの戦いが続く中でも、ウクライナとロシアは次の大きな交戦を見据えた最新の兆候である。また、Foreign Policy Research Instituteのシニアフェロー、ロブ・リー(@RALee85)が指摘するように、モスクワは9月のハリコフ戦当時より準備を整えたいと考えているようだ。
最新情報
英国国防省が土曜日に発表した情報アップデートでは、ウクライナのエナジーインフラへのロシアの冬季作戦は 「失敗した可能性が高い」と評価している。ミサイルやイラン製神風ドローンを使った攻撃の波は、10月に送電網を狙い始めた。しかし、3月上旬以降、こうした大規模な攻撃はまれになっていた。
ウクライナは、損傷したインフラの代替部品を調達し続けており、100トンの変圧器を全国に移動させるのが物流上の大きな頭痛の種となっている。しかし、気温の上昇により、ウクライナの電力網への負荷は軽減されるだろう。
先週流出した機密文書の一部には、ウクライナのソ連時代の中・長距離地対空ミサイルの在庫が減少しており、今後数カ月で枯渇する可能性が特に懸念されていると報じられている。また、IRIS-TミサイルやNASAMSが使用するミサイルの在庫への懸念も指摘されており、枯渇した防衛力では、インフラ、人口集中地区、前線部隊に対するロシアの攻撃継続を防げないと考えられている。
しかし、前述のように、ロシアの空襲のペースは鈍化している。これらの文書やそこに書かれている評価が本物かどうかだけでなく、NASAMSに関する主張が怪しいのは、そのシステムが主にAIM-120 AMRAAMを使用しており、NATO内だけでも何千もの在庫があるためだ。AIM-120は、最近の米国からの軍事援助移転でも、米国から供給され続けている。
バフムートでの戦闘は、同市の鉄道駅に接近しており、ウクライナ軍にとって状況の悪化を示している。数ヶ月にわたる残酷な戦闘により、道路や建物は廃墟と化し、都市部以外では泥沼の塹壕戦が続いている。
包囲された都市と近くのChasiv Yarを結ぶウクライナ軍の補給路は、トラック、ハンビー、M113の焼け跡が示すように、ますます危険にさらされている。
ウクライナ砲兵は、バクムート郊外のBMP-1歩兵戦闘車への攻撃のように、前方監視員やドローンが発見したロシア軍を狩り続けている。また、チェコが供与そたvz.77「DANA」152mm自走榴弾砲や、ウクライナで使用されているL119 105mm牽引榴弾砲のクリップもある。
一方、ロシアのZALAランセットは、ウクライナの最新鋭の砲兵システムに脅威となっていり。ウクライナのM109自走榴弾砲へのランセットによる攻撃と、その後の火災と炊き出しの様子を写す動画が出ている。
ウクライナ車両に対するランセットによる攻撃は、ロシアのSSO(特殊作戦部隊)からの攻撃や、ウクライナの船舶を妨害するダイバーチームと称されるものの一部だ。
ドローンの話題では、5月9日の戦勝記念日にモスクワの赤の広場に着陸するドローンを開発・配備するウクライナのコンテストが行われている。このコンテストで優勝すると、開発者は2000万ウクライナフリヴニャ(50万ドル強)を手にすることができる。
このコンテストは、戦勝記念日を祝うロシアの注目度の高さとモスクワ上空の防空体制の強化が要因だが、招かれざる客が赤の広場を訪れるのは初めてのことではない。1987年5月、当時19歳のドイツ人パイロット、マティアス・ルストがセスナ172Pでフィンランドのヘルシンキから赤の広場まで飛行した事件を思い出すだろう。
ルストは、ソ連のボイスカPVO防空部隊のSAM砲台やミグ迎撃機を回避し、聖ワシリイ大聖堂近くのボリショイ・モスクボレツキー橋に着陸し、赤の広場にタキシングした。
写真は、ウクライナ第36旅団で使用されているリトアニアのEDM4S対UASシステムだ。このシステムはカモフラージュ塗装が施されているだけでなく、黒いホログラフィックサイトも装備されている。また、無音化されたデザートテックSRS-A1スナイパーライフルもある。
タイムズは、10月に行われたウクライナ特殊部隊によるザポリツィア原子力発電所奪還作戦の失敗について、注目すべきレポートを掲載した。600人とされる部隊は、ドニプロ川を渡るボートから攻撃を開始したが、失敗に終わったという。
ポーランド企業がウクライナのT-64の改修とさらなる近代化を支援し、レオパード2の運用も支援する予定であるとの報告もある。
米国が供給するストライカー装甲車の工兵型が、地雷対抗装置を装備してウクライナのサービスに登場した。M1132工兵隊車両(ESV)と後続のM1126歩兵輸送車(ICV)は、機関銃を覆った状態でロールバックしている。また、ウクライナで活躍するMk19グレネードランチャーを搭載したオーストラリアのブッシュマスターMRAPの写真もある。
最後に、ウクライナ軍で活躍するフランケンシュタインのような車両を紹介しよう。BRDM-2/BTR-60PBの砲塔を搭載したロシアのTigr-Mと思われる鹵獲車だ。■
Ukraine Situation Report: Both Sides Rationing Shells Ahead Of Kyiv’s Counteroffensive
BYSTETSON PAYNE|PUBLISHED APR 8, 2023 5:57 PM EDT
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