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米中もし戦わば----米海軍は中国空母をこうやって無力化する....

 



中国の空母は、アメリカ海軍との交戦で非常に脆弱になる可能性が高い


(ワシントンD.C.) 中国の空母艦隊は、米軍との対戦で生き残れるのだろうか?

中国空母は、いくつかの理由から、米海軍との交戦において非常に脆弱である可能性が高い。ここでは、中国の空母が米海軍によって危険にさらされる可能性があるすべての方法を概観したい。


ズムウォルトと極超音速ミサイル

中国の空母が直面する米海軍の脅威は、近い将来あるいは直近のものだけでなく、今後数年間に増大する。

例えば、米海軍が2025年までにズムウォルト級駆逐艦に極超音速ミサイルを搭載することに成功し、艦載レーザー兵器の成熟と運用化が急速に進めば、中国の空母を破壊する能力は今後数年間で計り知れないほど拡大する。


F-35とF-22

より直接的に、中国空母を撃破する可能性の高い米海軍の武器・戦術として、現在または近い将来、具体的に3つが思い浮かぶ。

 最も重要なのは、米海軍が前方配置した第5世代の海上航空戦力を大量に運用し、中国の空母防御を圧倒できることだ。アメリカ級の水陸両用強襲揚陸艦は13~15機のF-35Bを配備でき、空母航空団はF-35Cを出撃できる。

 この脅威の方程式に、日本が最近数十億円規模のF-35を購入し、まもなく大規模な第5世代攻撃編隊を投射できる立場になるのが加わる。

 これと異なるのは、中国の航空戦力だ。中国は第5世代の空母艦載機J-31を開発中だが、どの程度進んでいるかは不明で、海上運用の第5世代機として、さらに日米への対抗手段として、すぐに信頼できる手段にはならないかもしれない。また、中国は第4世代にアップグレードされたJ-10を何百機も保有しているが、PLA空軍はJ-20第5世代機を大規模でインパクトのある存在にはしていないようである。J-20は陸上発進で、海上へ戦力投射はできず、F-35にどの程度対抗できるのか、明確な示唆は得られていない。


ミサイル

中国空母に対するもう一つの脅威は、米海軍の駆逐艦や巡洋艦が発射するトマホークミサイル新型で、ほとんどの艦載レーダーのカーブや開口部をかいくぐり900マイル移動できる。

 最新のトマホークであるタクティカルトマホークは、移動目標に適応し、船舶を破壊するハイテク能力を備えている。米海軍の駆逐艦や巡洋艦から垂直発射システムで大量に発射される誘導式トマホークミサイルは、中国の空母を破壊するのに適している。


ヴァージニア級潜水艦

最後に、中国空母に対する最大の、そしておそらく最も認識されていない脅威は、水中ドローンと米海軍の攻撃型潜水艦だ。

 特にブロックIIIとブロックVのヴァージニア級攻撃型潜水艦は、新型静音化技術、高度なソナー、海中監視ドローンの発射・回収能力により、脅威の高いエリアの近くで活動できるため、極秘ISR(情報・監視・偵察)任務への投入が考えられている。

 攻撃型潜水艦は、観測しやすい水上艦や航空機よりもはるかに探知されにくいため、魚雷や海中発射されるトマホークミサイルの大群で中国の水上艦を発見し攻撃できる可能性がある。

 米海軍の攻撃型潜水艦の強化技術に関する詳細や具体的な内容は、安全保障上の理由から明らかにされていないが、海軍上層部は、ブロックIII以降のヴァージニア級攻撃型潜水艦には、艦の音響シグネチャーを下げる新しい静粛アプリケーション、コーティング材料、感知用アンテナなどが採用されていると語っている。

 ブロックIII各艦はまた、水上艦を発見し攻撃することができる、より大きく効果的な大口径船首ソナーシステムを搭載する。また、有人潜水艦が被害を受けにくいスタンドオフレンジで敵のターゲットを発見、追跡、爆発させることを可能にするミサイルチューブ発射型の海底ドローンが搭載され、ブロックIIIバージニア潜水艦はより生存しやすくなっている。これはまた、敵の水上戦艦を発見することができる重要な前方作戦と検出の少ない海中「センサー」ノードを提供する。ヴァージニア潜水艦は、アップグレードされた大型魚雷と超軽量魚雷を搭載し、侵入してくる脅威を迎撃すできる。


ボトムライン

中国は、造船所を増設し、055型駆逐艦、77型揚陸艦、さらに米国のグローバルパワーに対抗することを目的とした空母艦隊の早期建造を目指し、造船事業を大幅に加速させようとしている。

 人民解放軍海軍は、米国が行った直後に、南シナ海付近で二隻の空母による作戦を実施したが、より高い出撃率を実現できるUSSフォードに似た新型スーパーキャリアがすでに前進している。中国の第3の空母「福建」は、「海上試験」の準備を進めており、運用開始が近づいている。福建はまた、USSフォードのような電磁カタパルトを使用していると報じられているが、これは中国がよく知られた米国の軍事技術を「パクる」努力の結果かもしれない。

 中国の空母3隻は、アメリカ海軍の11隻に匹敵する強力な戦力ではないが、多くのオブザーバーや専門家は、中国の産業能力は予想より早くその差を縮めるのに十分強固であるという見解を示している。

 もちろん、北京はこのすべてにおいて一票を投じている。中国空母に対する米海軍の攻撃力は、あまり知られていない中国の艦船防御に大きく左右される。中国の空母は、米海軍の潜水艦や水上艦が発射するトマホークミサイルに対抗するために、高度なソナーや迎撃兵器で武装した空母打撃群という種類の駆逐艦で防衛されているのだろうか。

 中国空母の脆弱性の真偽は、中国が飛来する兵器の電子誘導システムを妨害することができる電子戦防御を備えているかどうかといった重要な問題にも関係している。また、攻撃してくるドローンや飛行機、水上艦船を焼いたり無力化したりする迎撃ミサイルやレーザー兵器の効果も考慮する必要があるだろう。■


Can The US Navy Destroy Chinese Aircraft Carriers? How?

By Kris Osborn, President, Center for Military Modernization



Kris Osborn is the Military Affairs Editor of 19FortyFive and President of Warrior Maven – Center for Military Modernization. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Masters Degree in Comparative Literature from Columbia University.



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