スキップしてメイン コンテンツに移動

秘密無人シャトルX-37Bが宇宙資産の防衛やミサイル防衛に利用される日が来る....宇宙空間の武装化に本腰を入れ始めた米国は先を行くロシア、中国を放置できなくなっている

 




撃型宇宙ドローンというと、スターウォーズに聞こえるが、現実になるかもしれない


(ワシントンD.C.)攻撃型宇宙ドローンというと、スターウォーズに出てくる船のようなイメージがあるが、ボーイングのロボット宇宙船X-37の成功で現実になるかもしれない。

オービタル・テスト・ビークルOTVと呼ばれる同無人宇宙機は、ロケットで宇宙空間に送られ、大気圏に再突入し地上に着陸する。

X-37Bで判明していること

U.S. Space Force Newsによると、直近のテストでは、2022年11月に米宇宙軍のX-37Bが地球周回軌道からの離脱に成功し、ケネディ宇宙センターのNASA施設に着陸した。

2006年の「落下試験」に始まり、軌道試験機は数回にわたり大気圏外にブーストして帰還しており、最近では2020年から2022年までのミッションで連続908日の軌道滞在を達成した。

X-37Bとは

NASAプロジェクトとして始まったOTVは、宇宙飛行の詳細と限界を研究する科学的な探査ミッションだった。しかし、技術の成熟に伴い、軍事利用も視野に入り、国防総省が関与を強めていった。現在、X-37Bは、大気圏外からデータを収集し、監視できる宇宙ドローンとして運用されています。

純粋に科学的な観点からは、研究者はX-37を利用して、太陽エネルギーや、ミサイル迎撃ミサイルよりも幅広いミッションを遂行できる「再利用可能な」宇宙技術の実験を行っている。アメリカ空軍のOTVに関するデータシートによると、X-37はガリウムヒ素太陽電池とリチウムイオンバッテリーを使用している。

X-37Bの殺傷能力

自律性、AIによるデータ収集・分析、マルチドメインネットワーキングの急速な進歩を考えれば、軍事利用に関しては可能性は無限にあると思われる。

無人宇宙機は、大気圏を超えた移動可能な「ノード」として衛星と「メッシュ型」のシステムでネットワーク化し、監視やICBM、極超音速ミサイルの防衛、さらには人間の指示による攻撃を行える日が来るだろう。

X-37Bのテストミッションや軍事能力に関する具体的な内容は、保安上の理由から明らかにされていない。しかし、直近の飛行に成功したことから、潜在的な殺傷能力、軍事的任務能力について考えざるを得ない。

X-37Bと宇宙空間利用の未来

中・低軌道衛星の普及は、スループットを高め、冗長性を持たせ、極超音速ミサイル防衛が、敵の脅威があるレーダー開口部から別の開口部へと素早く移動する際に、「追跡」を継続的に確立できるようにするのが目的だ。特に、各種データリンク、GPS信号、あるいは光通信を利用し、人間の意思決定者にリアルタイムで情報を飛躍的に速く送ることができれば、機動宇宙機はもちろんこの取り組みに計り知れないほどの貢献をすることになる。

進化したX-37Bなら敵のASAT対衛星兵器から衛星資産を守ることができるかもしれない。また、ペンタゴンの「ヒューマン・イン・ザ・ループ」ドクトリン(殺傷力の行使に関する教義)に沿う倫理的な方法で追求すれば、X-37Bは大気圏外から敵の衛星やターゲットを攻撃し破壊できる可能性もある。

米国はこれまで宇宙空間の兵器化に消極的で、宇宙を多国籍の聖域と考えてきた。

しかし、ロシアや中国が宇宙を軍事化しようとしており、米国は遅れを取っている。国防総省は差を縮めようと米国宇宙軍を創設し、将来的に必要であれば宇宙から米国を守る必要があるのだ。■

Could The Pentagon's X-37B Become an Attack Space Drone? - Warrior Maven: Center for Military Modernization

By Kris Osborn, President, Center for Military Modernization

Kris Osborn is the Military Affairs Editor of 19FortyFive and President of Warrior Maven – Center for Military Modernization. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Masters Degree in Comparative Literature from Columbia University.


コメント

このブログの人気の投稿

漁船で大挙押し寄せる中国海上民兵は第三の海上武力組織で要注意

目的のため手段を択ばない中国の思考がここにもあらわれていますが、非常に厄介な存在になります。下手に武力行使をすれば民間人への攻撃と騒ぐでしょう。放置すれば乱暴狼藉の限りを尽くすので、手に負えません。国際法の遵守と程遠い中国の姿勢がよく表れています。尖閣諸島への上陸など不測の事態に海上保安庁も準備は万端であるとよいですね。 Pentagon reveals covert Chinese fleet disguised as fishing boats  漁船に偽装する中国軍事組織の存在をペンタゴンが暴露   By Ryan Pickrell Daily Caller News Foundation Jun. 7, 3:30 PM http://www.wearethemighty.com/articles/pentagon-reveals-covert-chinese-fleet-disguised-as-fishing-boats ペンタゴンはこのたび発表した報告書で中国が海洋支配を目指し戦力を増強中であることに警鐘を鳴らしている。 中国海上民兵(CMM)は準軍事組織だが漁民に偽装して侵攻を行う組織として長年にわたり活動中だ。人民解放軍海軍が「灰色」、中国海警が「白」の船体で知られるがCMMは「青」船体として中国の三番目の海上兵力の位置づけだ。 CMMが「低密度海上紛争での実力行使」に関与していると国防総省報告書は指摘する。 ペンタゴン報告書では中国が漁船に偽装した部隊で南シナ海の「灰色領域」で騒乱を起こすと指摘。(US Navy photo) 「中国は法執行機関艦船や海上民兵を使った高圧的な戦術をたびたび行使しており、自国の権益のため武力衝突に発展する前にとどめるという計算づくの方法を海上展開している」と同報告書は説明。例としてヘイグの国際仲裁法廷が中国の南シナ海領有主張を昨年7月に退けたが、北京はCMMを中国が支配を望む地帯に派遣している。 「中国は国家管理で漁船団を整備し海上民兵に南シナ海で使わせるつもりだ」(報告書) 中国はCMMはあくまでも民間漁船団と主張する。「誤解のないように、国家により組織し、整備し、管理する部隊であり軍事指揮命令系統の下で活動している」とアンドリュー・エリク...

次期高性能駆逐艦13DDXの概要が明らかになった 今年度に設計開始し、2030年代初頭の就役をめざす

最新の海上安全保障情報が海外メディアを通じて日本国内に入ってくることにイライラしています。今回は新型艦13DDXについての海外会議でのプレゼン内容をNaval Newsが伝えてくれましたが、防衛省防衛装備庁は定期的にブリーフィングを報道機関に開催すべきではないでしょうか。もっとも記事となるかは各社の判断なのですが、普段から防衛問題へのインテリジェンスを上げていく行為が必要でしょう。あわせてこれまでの習慣を捨てて、Destroyerは駆逐艦と呼ぶようにしていったらどうでしょうか。(本ブログでは護衛艦などという間際らしい用語は使っていません) Early rendering of the 13DDX destroyer for the JMSDF. ATLA image. 新型防空駆逐艦13DDXの構想 日本は、2024年度に新型のハイエンド防空駆逐艦13DDXの設計作業を開始する 日 本の防衛省(MoD)高官が最近の会議で語った内容によれば、2030年代初頭に就役開始予定のこの新型艦は、就役中の駆逐艦やフリゲート艦の設計を活用し、変化する脅威に対し重層的な防空を提供するため、異なるコンセプトと能力を統合する予定である。  防衛装備庁(ATLA)の今吉真一海将(海軍システム部長)は、13DDX先進駆逐艦のコンセプトは、「あさひ」/25DD級駆逐艦と「もがみ」/30FFM級フリゲート艦の設計を参考にすると、5月下旬に英国で開催された海軍指導者会議(CNE24)で語った。  この2つの艦級は、それぞれ2018年と2022年に就役を始めている。  13DDX型は、海上自衛隊(JMSDF)が、今吉の言う「新しい戦争方法」を含む、戦略的環境の重大かつ地球規模の変化に対抗できるようにするために必要とされる。防衛省と海上自衛隊は、この戦略的環境を2つの作戦文脈で捉えている。  第一に、中国、北朝鮮、ロシアが、極超音速システムを含むミサイル技術、電子戦(EW)を含むA2/AD能力の強化など、広範な軍事能力を急速に開発している。第二に、ウクライナにおけるロシアの戦争は、弾道ミサイルや巡航ミサイルの大規模な使用、EWやサイバー戦に基づく非対称攻撃、情報空間を含むハイブリッド戦争作戦、無人システムの使用など、新たな作戦実態を露呈したと説明した。  新型駆逐艦は、敵の対接近・領域拒否(A2/A...

海自の次期イージス艦ASEVはここがちがう。中国の055型大型駆逐艦とともに巡洋艦の域に近づく。イージス・アショア導入を阻止した住民の意思がこの新型艦になった。

  Japanese Ministry of Defense 日本が巡洋艦に近いミサイル防衛任務に特化したマルチロール艦を建造する  弾 道ミサイル防衛(BMD)艦2隻を新たに建造する日本の防衛装備整備計画が新たな展開を見せ、関係者はマルチロール指向の巡洋艦に近い設計に焦点を当てている。実現すれば、は第二次世界大戦後で最大の日本の水上戦闘艦となる。 この種の艦船が大型になる傾向は分かっていたが、日本は柔軟性のない、専用BMD艦をこれまで建造しており、今回は船体形状から、揚陸強襲艦とも共通点が多いように見える。 この開示は、本日発表された2024年度最新防衛予算概算要求に含まれている。これはまた、日本の過去最大の529億ドルであり、ライバル、特に中国と歩調を合わせる緊急性を反映している。 防衛予算要求で優先される支出は、イージスシステム搭載艦 ( Aegis system equipped vessel, ASEV) 2隻で、それぞれ26億ドルかかると予想されている。 コンピューター画像では、「まや」級(日本の最新型イージス護衛艦)と全体構成が似ているものの、新型艦はかなり大きくなる。また、レーダーは艦橋上部に格納され、喫水線よりはるか上空に設置されるため、水平線を長く見渡せるようになる。日本は、「まや」、「あたご」、「こんごう」各級のレーダーアレイをできるだけ高い位置に取り付けることを優先してきた。しかし、今回はさらに前進させる大きな特徴となる。 防衛省によると、新型ASEVは全長約620フィート、ビーム82フィート、標準排水量12,000トンになる。これに対し、「まや」クラスの設計は、全長557フィート強、ビーム約73フィート、標準排水量約8,200トンだ。一方、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦は、全長567フィート、ビーム55フィート、標準排水量約9,600トン。 サイズは、タイコンデロガ級が新しいASEV設計に近いが、それでもかなり小さい。Naval News報道によると、新型艦は米海軍アーレイ・バーク級フライトIII駆逐艦の1.7倍の大きさになると指摘している。 武装に関して言えば、新型ASEVは以前の検討よりはるかに幅広い能力を持つように計画されている。 同艦の兵器システムの中心は、さまざまな脅威に対する防空・弾道ミサイル防衛用のSM-3ブロックII...