2024年7月24日水曜日

フォード級空母のEMALSカタパルトとAAGアレスター・ギアの陸上基地への導入構想に注目



  



EMALSとAAGが、陸上での過酷な作戦に新たな可能性を開く可能性が出てきた

対中戦が迫っているとの認識で、滑走路が脆弱担っている中、航空機の前線運用を根本的に変えるかもしれない

  

ェネラル・アトミクスは艦艇用の電磁式航空機発射システム(Electromagnetic Aircraft Launch System)と、先進的復元装置(Advanced Arresting Gear、それぞれEMALSとAAGとして知られる)の陸上使用を検討していると本誌に語った。同社が最初にEMALSとAAGを開発したのは米海軍のフォード級航空母艦のためだったが、陸上での前線作戦への関心の高まりは、従来型の長い滑走路を利用できない航空機の運用方法についての新たな考えを促している。

 本誌の取材に対し、ジェネラル・アトミクスの広報担当C・マーク・ブリンクリーは次のように語っている: 「GA-EMS(ジェネラル・アトミクス電磁システム・グループ)は、遠征用電磁発射・回収システムを研究しており、このコンセプトについて広範な研究を行ってきた」。


 この基本的なコンセプトは、米海兵隊がベトナム戦争中の戦闘活動を支援するために実際に採用したものである。

 米海軍のフォード級空母の能力の中心であるだけでなく、EMALSとAAG設計の派生型はフランスの次世代空母にも採用され、インドの将来のINSヴィシャールにも搭載される可能性が高い。クイーン・エリザベス級空母から運用できる固定翼機の種類を将来的に増やしたいと考えているイギリス海軍にとっても、EMALSやAAG、あるいは同様の技術は選択肢のひとつになるかもしれない。

 特にEMALSは使いこなすのが難しいが、蒸気カタパルトに比べてさまざまな利点がある。最も明らかなのは、大量の蒸気を発生させて移動させるシステムが不要となることだ。

 しかし、それと同じくらい重要なのは、リセット時間の短縮による出撃率の向上である。一方、EMALSとAAGの両方が、打ち上げと回収の際に航空機に与える力をより細かく調整することができるため、小型で壊れやすいタイプを含む、より幅広いタイプの航空機に対応できる。同時に、個々の航空機の損耗も軽減される。

 より小型で軽量な航空機を運用する能力は、ドローンにも及んでおり、ドローンは遠征作戦で大きな意味を有する。

 ドローンでは滑走路からの独立性を高める取り組みの機運が高まっている。

 米陸軍のMQ-1Cグレイ・イーグルから派生したジェネラル・アトミクスのモハーベは、様々な遠征作戦や分散作戦を支援することに重点を置き、短距離離着陸に最適化されている。このコンセプトは、クイーン・エリザベス級空母HMSプリンス・オブ・ウェールズでテストされた。

 ドローンは、将来の遠征戦シナリオでますます注目されているが、短距離作戦中も、ペイロードと航続距離の良好なバランスを確実に維持するという問題が残ったままだ。

 これを反映しているのが、ステルス性のXQ-58バルキリードローンの例である。同機は、必要に応じて完全に滑走路に依存しないモードで使用することができるが、車輪付きトロリーの助けを借りて空中に飛び立つ新しい方法のデモンストレーションも開始している。クレイトス・トロリー・ローンチ・システム(KTLS)により、XQ-58はより多くの燃料やより大きなペイロードを搭載して離陸できる。KTLSは従来型滑走路で実証されているが、この新しい発射方式は直線道路や他の適切な表面からXQ-58を打ち上げるのにも使用できる。

 EMALSとAAGを陸上で発展させることで、有人無人問わず航空機を発進・回収させる別の手段を提供することができるようだ。

 短い滑走路から固定翼機を運用するためにEMALSとAAGを活用する可能性は、前述のベトナムで米海兵隊が使用したShort Airfield for Tactical Support(SATS)システムを思い起こさせる。


U.S. Navy1965年6月1日、チューライでSATSシステムを使った最初の着陸とされるA-4Cスカイホーク。米海軍


 SATSは無軌道カタパルトでジェット機を発進させ、空母スタイルのアレスティングギアで回収する。甲板上の軌道を走る空母のカタパルトとは異なり、トラックレス・バージョンは車輪付きの台車とキャプスタンで駆動されるケーブル・トウをベースにしており、タービン・エンジンを動力源としていた。

 明らかな利点は、長い滑走路を必要とせず、固定翼機を空中に飛ばし、基地に着陸させることができることだった。これはまた、東南アジアの高温多湿な条件からくる性能限界に対処するのにも役立った。

 しかし、SATSは相当のインフラ面積を必要とし、1カ所にしか設置されなかった。最終的に、滑走路は10,000フィートまで延長され、コンクリート路面と隣接する駐車場ランプと誘導路が整備された。

 EMALSとAAGは、従来の蒸気動力のカタパルトやアレスティングギアと比較して、明らかに多くの利点を提供するが、陸上基地、特に遠征基地への適応にどの程度適しているかについては疑問が残る。例えば、EMALSは蒸気を必要としないが、作動にはかなりのエナジーを必要とする。

 本誌はジェネラル・アトミクスに、EMALSとAAGの陸上ベース、遠征バージョンが実際にどのようなフットプリントを伴うことになるのか、より詳細な情報を求めている。

 その一方で、この種の作戦、特にアジア太平洋地域での作戦を可能にすることが、米軍などにとって関心が高まっていることは間違いない。


2019年3月14日、伊江島訓練施設での遠征先進基地作戦のシミュレーション中に、設置された前方武装補給ポイントで補給を行う海兵隊戦闘攻撃飛行隊121のF-35B。米海兵隊撮影:ディラン・ヘス伍長


 ベトナム戦争でのSATSから半世紀以上が経過し、米海兵隊は今再び、戦術的航空戦力を必要とされる場所に投入する実験の最前線に立っている。海兵隊はこのコンセプトを、2019年の海兵隊航空計画に概説されている「遠征前進基地作戦(EABO)」コンセプトとして、次のように説明している:

 より生存性が高く、回復力があり、永続的な前方態勢兵力を構築することで、同業他社の反アクセス/領域拒否能力を緩和する将来の海軍作戦コンセプト」。EABOのコンセプトは、抑止効果を発揮するために必要な戦力の信頼性を再確立するように設計されている。EABOは、近海かつ狭い海域の主要な海域を利用し、意思決定者に威圧的だがエスカレートはしない海上阻止のオプションを提供する」。

 海兵隊は現在、F-35C空母型と短距離離陸・垂直着陸(STOVL)型F-35Bの可能性を探っている。

 EABOのシナリオのひとつは、海兵隊のF-35CがM-31遠征用アレスティングギアを使用し、より小さな滑走路からの運用を可能にすることである。これにより着陸に必要な滑走路の長さは短くなるが、ジェネラル・アトミックスが陸上ベースのEMALSコンセプトで現在注目しているような、未整備滑走路からの離陸には対応できない。また、滑走路から軽装備のジェット機を離陸させるのも一つの手だが、戦闘シナリオで燃料や兵器の搭載量が必要となると、これはより困難な課題となる。


フォーエージャー・フューリーIIの訓練中、テニアンのウエスト・フィールドでM-31遠征アレスティング・ギア・システムで停止させるために滑走路に着陸するF/A-18Dホーネット。訓練は迅速な地上給油と逮捕された着陸作戦で構成され、マリアナ島レンジコンプレックス全体に航空訓練を拡大した。U.S. Marine Photo by Lance Cpl. Antonio Rubio/Released 米海兵隊ホーネットがテニアン島で移動式アレスティングギアシステムを使用し、短距離での回収作業を実施。(米海兵隊撮影:アントニオ・ルビオ伍長/リリース)


 ベトナムで戦術的航空兵力を最前線に近づけたSATSと同様に、より重装備の航空機をオーステラス・ストリップから発進・回収する能力を持つことも、戦闘に近づく可能性があると同時に、こうした遠隔地や紛争地域でさえ運用できない可能性のある空中給油資産への依存を減らす可能性がある。

 国防総省が太平洋戦域への「ピボット」を続ける今、航空基地を迅速に構築する能力は、米軍にとってますます重要な課題となっている。中国との潜在的な紛争の脅威が迫っており、一部の予測によれば、それは遅かれ早かれ起こる可能性があるが、従来の空軍基地を含む確立されたインフラはすぐに破壊される可能性が高いことが認識されている。ヨーロッパにおけるロシアとの潜在的な対立も同様で、遠征基地のコンセプトは、脅威に近い国との紛争に不可欠と見なされている。通常の航空基地の滑走路が敵の行動によって損傷しても、陸上ベースのEMALS/AAGソリューションがあれば、その基地の運用を継続することができる。

 EMALSとAAGを陸上用に適合させることができ、パッケージ全体が必要な場所に素早く設置・撤去できるほど実用的になれば、海兵隊だけでなく、他軍にとっても非常に興味深い選択肢となるだろう。■


Ford Class Carrier’s EMALS Catapults, AAG Arrester Gear Eyed For Land Bases

The potential of the EMALS and AAG to open up new possibilities for austere land-based operations is now being explored.

THOMAS NEWDICK

POSTED ON JUL 23, 2024 4:24 PM EDT

https://www.twz.com/air/ford-class-carriers-emals-catapults-aag-arrester-gear-eyed-for-land-bases


ファーンボロショーにて。国際情勢の悪化を受け、戦闘機需要の高まりにボーイングはF-15EXの国際売り込みに好感触を得ており、電子戦強化型の立ち上げも検討か。(Breaking Defense)

 F-15EX Arrival

Lt. Col. Richard “Tac” Turner, Commander, 40th Flight Test Squadron, and Lt. Col. Jacob “Duke” Lindaman, Commander, 85th Test & Evaluation Squadron, deliver the first F-15EX to its new home station, Eglin AFB, Florida, 11 March, 2021. (U.S. Air Force photo by Tech. Sgt. John Raven)

ボーイングが、F-15EXを電子攻撃機に改造することを検討中

「社内では、グラウラーrに変えることができないかという話題が多い」とボーイングF-15ビジネス開発リードのロブ・ノボトニーは語った

2021年3月11日、フロリダ州エグリン基地に最初のF-15EXを引き渡した第40飛行試験飛行隊司令官リチャード・"タック"・ターナー中佐と第85試験評価飛行隊司令官ジェイコブ・"デューク"・リンダマン中佐。(米空軍撮影:Tech. Sgt. John Raven) 


FARNBOROUGH 2024 - ボーイングは、F-15EX Eagle IIを海軍の電子戦ジェット機であるEA-18Gグラウラーようなプラットフォームにできないか積極的に研究していると、同社幹部が本誌に語った。「Growlerラインは終了した」と、ボーイング社のF-15事業開発責任者であるRob Novotnyは、週末に本誌とのインタビューで語った。グラウラーはF/A-18の改良型で、2027年に生産が終了する。 

「社内では、F-15EXをグラウラーにできないか、という話題で持ちきりです」とノボトニーは電子戦(EW)能力などの機能により可能になるステルスの異なる定義を主張した。ノボトニーは、競合するロッキード・マーチンが現在ステルス戦闘機の生産を独占している、低被視認性コーティングの観点でステルス性能を理解すべきではないと主張した。 「ステルスとは、敵が望まない場所に行き、敵の環境で活動し、目的を達成し、標的にされないことを意味するというのが私の定義です」。 

F-15EXは、BAEが提供するイーグル・パッシブ・アクティブ・ウォーニング・サバイバビリティ・システム(EPAWSS)により、すでにEW能力を備えている。この戦闘機にグラウーラーのような役割を求める場合、ボーイングはおそらく、追加の妨害ポッドやその他の有効なサブシステムのようなツールでEW能力を拡大しようとするだろう。 

F-15の最新バージョンF-15EXは、6月に州軍航空隊に最初の機体が納入され、初期運用能力を達成した。今回のファーンボロー航空ショーでボーイングは、アメリカ空軍版の設計を忠実に再現したカタール版F-15QAを展示している。 

ノボトニーは、ボーイングがサウジアラビアやポーランドといった顧客に売り込んでいるF-15の国際キャンペーンにおける更新型F-15の見通しについて、強気な様子であった。アメリカ空軍の発注は近年やや流動的で、議会の介入や今後の予算変更がない限り、98機の調達規模のプログラムになる。 

「今回得られた大きな収穫は、世界の防衛市場で戦闘機への期待が高まっているということだ。つまり、残念ながら、世界的な出来事によって、制空権や制空権プラットフォームに再び焦点が当てられるようになったということだ」とノボトニーは語った。■

Boeing eyes converting F-15EX into Growler-like electronic attack jet

“There’s a lot of conversation internally, could we turn this into a Growler,” Boeing F-15 business development lead Rob Novotny told Breaking Defense. “So we're looking at some trade work.”

By   MICHAEL MARROW

on July 23, 2024 at 2:22 PM

https://breakingdefense.com/2024/07/boeing-eyes-converting-f-15ex-into-growler-like-electronic-attack-jet/



2024年7月23日火曜日

最新のテンペスト戦闘機コンセプトは航続距離とペイロードを重視、ファーボロ航空ショーで公開(’The War Zone)

  


テンペスト計画の将来にイタリアと日本が懸念を示す中、テンペスト・コンセプトの最新版がフォーボロ航空ショーに登場した


The new Tempest configuration, this time with Japan Air Self-Defense Force markings. BAE Systems


国共同開発の次世代戦闘機「テンペスト」の最新コンセプトが発表された。だが、英国政府が国防費の大幅見直しに着手する構えを見せており、この計画が大きく左右される可能性がある。

 イギリスで開催されたファーンボロー国際航空ショーの初日の展示では、テンペストの1/1スケールの模型が注目を集めた。最新のコンフィギュレーションでは、テンペストは、アラブ首長国連邦に提案されたF-16U(この航空機のオリジナルのブロック70バージョン)に見られるものを強く彷彿とさせる、修正されたデルタ平面形状を持つ大幅に大きな主翼が特徴だ。


Another view of the 1:1 scale model of the Tempest, here in Italian Air Force markings. Leonardo


 新しいテンペストのコンセプトは、拡大された主翼と全体的に印象的なサイズから、設計が長距離と大ペイロードに最適化されていることを示唆している。追加された内部容量は、より多くの燃料と重い武器搭載の両方を収容するためと推測される。これにより、行動半径や滞空時間が大幅に拡大されるとともに、「弾倉」容量にも余裕が生まれ、空中や地上で多数の目標を攻撃できるようになるはずだ。戦闘機が(特に空対空)兵器をより多く搭載する必要性は、物理的に大きい兵器と同様に、近年広く認識されるようになり、特にステルス機の基本要件である、これらのペイロードを内部に搭載する場合には、より大きな機体が要求される。

 米空軍の次世代航空優勢(NGAD)空戦プログラムの中核となる搭乗員付き戦闘機の設計の背景には、こうした種類の考慮も重要な原動力になっていると理解されている。

 テンペストのコンセプトは今日に至るまで、いくつかの異なる反復を経てきた。

 テンペストのコンセプトは中型から大型のものだったが、最新バージョンはこれまでで最大のものになるようだ。

 すべてのコンセプトはステルス構成を基本としているが、主翼の平面形状には大きな変更が加えられた。オリジナルの "ラムダ"翼はその後、矢印のような後縁を持つクロップド・デルタ翼に変更された。新しいコンセプトの後縁は、古典的なデルタに見られるように、ほぼ完全に直線的である。しかし、翼端はF-16Uのように2つのエッジが切り取られている。

 初期のテンペストは特徴的な "ペリカン"ノーズ・プロファイルを採用していたが、その後、F-22ラプターと共通する、よりステルス性の高い前方胴体とエンジン・インテークに変更された。

 以前のテンペストのコンセプトでは、尾翼表面は翼後縁から少し後方に伸びており、YF-23に見られるようなラダーベーターを構成しているように見えた。新コンセプトではその代わりに、よりオーソドックスな垂直安定板が装備され、デルタ翼の後面がピッチ制御の主な源となっている。新型機では主翼が大型化されたため、後縁は尾翼後部を超えている。他の第6世代戦闘機のコンセプトでは垂直尾翼は完全に廃止されている。

 新型テンペストで、双発エンジンとその排気の配置を確認するのは難しいが、エンジンノズルは後部胴体にうまく覆い隠されているように見える。最初のコンセプトモデルでは、エンジンノズルの間にあった突起状の「刺」はすでに取り除かれていた。

 もちろん、この最新モデルはあくまでも次世代テンペスト戦闘機のコンセプトであり、現実にどのような姿になるのか、ひとつの可能性を示唆している。現段階でこのモデルを深読みしないことが重要だが、確かにアップデートされており、それ自体は興味深い。また、日本やイタリアといった他のパートナーがこのプログラムに参加したことで、これらの変更も織り込まれている。

 また、実証機が計画されているという事実もあり、異なるテンペストのコンセプトにおける少なくともいくつかの変更は、この試験機がどのように登場するかに関連している可能性もある。あるいは、飛行技術実証機は、テンペストの全体的な空力構成よりも、むしろテンペストのサブシステムの証明に主眼が置かれる可能性もある。

 新しいテンペストのコンセプトの登場は、プログラムの重要な岐路となるかもしれない。

 まず、テンペスト有人戦闘機が、より広範な英国の空戦構想であるフューチャー・コンバット・エア・システム(FCAS)の一部に過ぎないことを思い出す価値がある。テンペストだけでなく、英国主導のFCASは、無人プラットフォーム、次世代兵器、ネットワーク、データ共有などを含む。

 FCASプログラムの中核をなすテンペスト戦闘機は、イギリス、イタリア、日本の3カ国に航空機を配備し、関連するサポートや訓練を行う国際共同プログラムにも組み込まれている。この取り組みは、グローバル・コンバット・エア・プログラム(GCAP)として知られている。イギリスはこの戦闘機をテンペストと呼んでいるが、イタリアと日本が同じ名前を採用するとは限らない。

 イタリアのレオナルドと日本の三菱重工業(MHI)は現在、イギリスのBAEシステムズとともにGCAPを通じてテンペストに関わっているが、プログラム全体の運命はイギリス政府の決定にかかっている。

 労働党新政権が誕生し、FCASとテンペストは、国防支出の見直しが予定されていることから、精査の対象となっている。

 国防費の優先順位を見直すことで、これらの将来の航空戦力の取り組みに疑問が投げかけられるとの懸念がすでに提起されている。


A rendering of a pair of Tempests of the latest configuration overflying the U.K. coastline. BAE Systems


 先週、ルーク・ポラード国防大臣Minister for the Armed Forces Luke Pollardは、テンペスト・プロジェクトは「重要」だが、新たな防衛見直しが行われるまで、その将来を確約することはできないと認めた。

 「防衛見直しで何が起こるか、私が予断を持つのは正しいことではありません」と、ポラードはこのプログラムについて質問され答えた。

 単純に慎重なのか、そうでないのかは別として、労働党が、2030年までに国防支出をGDPの約2.2%から2.5%に増やすという保守党前政権の計画に同調しようとしないことで、この明らかな不履行はさらに悪化している。しかし労働党は、"資源が可能になり次第"同じ目標を達成することを目指すと述べている。

 もちろん、労働党がFCASとテンペストにコミットし、前政権の国防費増額に固執する可能性はまだある。

 『テレグラフ』紙の報道によれば、こうした懸念は今やイタリアや日本にも及んでおり、FCASとテンペスト、ひいてはGCAPの計画についてイギリス政府にさらなる情報を求めているという。

 以前にも説明したように、このプログラム(より正確には現在織り込まれているプログラム)は非常に野心的だ。

 2018年に開始されたテンペスト計画は、2035年までに新世代の有人戦闘機を就役させることを目指している。テンペストに投入される超音速有人実証機の計画は、2027年までに飛行させるという目標とともに、2022年7月に初めて発表された。

 テンペスト計画に対する英国のコミットメントは大きく、英国ではすでに約3,500人がテンペストに取り組んでおり、この数は今後数年で倍増すると予想されている。英国政府はテンペストのためにこれまでに約20億ポンド(26億ドル)の資金を確保しているが、さらに多くの資金が必要になるだろう。

 それでも、もし次回の英国国防見直しでFCASとテンペストの優先順位が引き下げられた場合、現在のスケジュール(達成可能であればの話だが)に影響が出ることは間違いなく、国際的なパートナー国の一方または両方が、このプログラムへの自国のコミットメントを再考するかもしれない。

 その一方で、近々予定されている国防見直しによって、FCASとテンペストへの資金が増額される可能性もある。

 この見直しを監督するのは、元労働党国防長官でNATO事務総長も務めたポートエレンのロバートソン卿 Lord Robertson of Port Ellenだ。彼はすでに、中国、イラン、北朝鮮、ロシアから発せられる「死の四重奏」と呼ばれる脅威に立ち向かうため、英軍の近代化に重点を置いた見直しになると明言している。

 中国やロシアとの主要な対決には、FCASやテンペストが約束するようなハイエンド航空戦力が必要である。特に、最新のコンセプト・モデルで示唆されているような長距離プラットフォームは、太平洋の広い範囲での将来の不測の事態に対応できるように思われる。日本はもちろん、イタリアもアジア太平洋地域でますます活発になっている。

 一方、今日のファーンボロでは、英国のキア・スターマー首相Sir Keir Starmer がFCASとテンペストの将来に対する懸念を和らげるために動いた。

 ここでも、継続の保証は示さなかったが、労働党にとって「重要」なプログラムであると述べた。「FCASは重要なプログラムであり、会場にいる人々は私がそう言うのを聞きたいだろう。「国防大臣は来週、このプログラムに関する閣僚級会合を開く予定だ」。

 一方、ジョナサン・レイノルズ企業・貿易担当国務大臣Secretary of State for Business and Trade Jonathan Reynoldsは、このプロジェクトの将来について、より安心感を与えるような発言をした。

 「私たちは、防衛上の必要性だけでなく、産業上の必要性からも、このプロジェクトは将来的に不可欠なものだと考えています」とレイノルズは語った。

 第6世代空戦プログラムの将来に対する懸念は、イギリスに限ったことではない。

 米空軍もまた、NGAD構想の中で、搭乗員付き戦闘機エレメントの要件を再検討している。その目的は、1機あたり2億5,000万ドル近くもする戦闘機のコストダウンを図ることである。最終的には、特定の能力を犠牲にすることになるかもしれず、防衛見直し後のテンペスト・プログラムも同様かもしれない。

 航空ショーが今週いっぱい続くので、テンペストとFCASの取り組みについて、さらに多くのニュースが飛び込んでくるだろう。確かに、次回の英国国防見直しが新世代空戦プログラムの成否を左右するとの見方が強まっている今、業界パートナーはこの重要な局面でプログラムの重要性を強化するべくあらゆる努力をしていることだろう。■


Latest Tempest Fighter Concept Prioritizes Range, Payload

The latest iteration of the Tempest concept arrives amid Italian and Japanese concerns over the future of the program.

THOMAS NEWDICK

POSTED ON JUL 22, 2024 6:54 PM EDT

https://www.twz.com/air/latest-tempest-fighter-concept-stresses-range-payload




イエメンの港を壊滅させたイスラエルの長距離攻撃の詳細―同港はイランからの装備品受け渡し場所でも有り、フーシの紅海での活動を封じようとするイスラエルの戦略的な動きだった(The War Zone)




Yemen Port Strike by Israeli Air Force  

UDF/PHOTOS © 2024 PLANET LABS INC. ALL RIGHTS RESERVED. REPRINTED BY PERMISSION


イスラエル戦闘機は、フーシが支配するフダイダ港の大型天井式

ドッククレーンを破壊するため、マンインザループ誘導兵器を使用した。 


スラエル国防軍(IDF)は、テルアビブをドローンで攻撃したイエメンのフーシ派反体制派への報復作戦を撮影した一連のビデオを投稿した。「Outstretched Arm(伸ばした腕)作戦」と名付けられたこの長距離空爆は、紅海に面した西部の沿岸都市フダイダ(ホデイダとも表記される)にある燃料貯蔵所やその他のインフラを破壊することに焦点を当てた。

 イスラエルによれば、イランからフーシ派への武器輸送に直接対処するため、同標的が選ばれたという。Maxarが撮影した高解像度の衛星画像を見ればわかるが、燃料貯蔵エリアの大部分は完全に破壊されている。


SATELLITE IMAGE ©2024 MAXAR TECHNOLOGIES


SATELLITE IMAGE ©2024 MAXAR TECHNOLOGIESこれらは空爆前に撮影されたビフォア画像である。 SATELLITE IMAGE ©2024 MAXAR TECHNOLOGIES SATELLITE IMAGE ©2024 MAXAR TECHNOLOGIES 


 昨日、本誌は主に空爆に関連すると思われる非武装のIAF F-15 Baz戦闘機の画像とビデオを得た。以下の映像は、おそらくデライラ航空発射巡航ミサイルかSPICE2000誘導爆弾と思われるものからのマンインザループ(MITL)制御フィードを描いている。MITLは、スタンドオフの距離も含め、非常に正確な照準を可能にする。イスラエルがこの誘導方式を好んでいることは以前から知られている。このケースでは、複数の兵器が同じ標的(港湾の大型クレーン)に撃ち込まれている。


TWZがPlanet LabsとMaxar経由で入手した攻撃後の衛星画像では、これらのクレーンは2つしかない。 PHOTO © 2024 PLANET LABS INC.All rights reserved.許可を得て転載。SATELLITE IMAGE ©2024 MAXAR TECHNOLOGIES 


 非常に珍しい動きとして、第120「デザート・ジャイアンツ」飛行隊から、F-16Iに給油するIDFの老朽化したKC-707タンカーの1機が見える。KC-707のリモートビジョンシステムを見ることができるのは、F-16Iが翼の下に積んでいる武器やその他の貯蔵品を公開しないようにビデオがトリミングされているという事実と同様に、確かにユニークである。主翼にはAIM-120高性能中距離空対空ミサイル(AMRAAM)が見える。

 また、この"スーファ"が、背骨に沿って設置された拡張衛星通信スイートを装備していることも注目に値する。このシステムはF-16Iにはまだ比較的新しいものだが、F-15A/B/C/DバズやF-15Iラアムには以前から搭載されており、KC-707のような大型機にも搭載されている。衛星端末は、高性能戦術機、特に長距離打撃作戦に使用される場合、重要で安全な見通し外通信を提供することができ、リアルタイムの遠隔指揮統制や状況認識の強化、情報共有などを可能にする。これらのシステムを搭載した航空機は、見通し内のアクティブネットワークを共有するすべての航空機から、遠く離れた司令部や支援機にデータリンクされた情報を送り返す。 IDFはまた、空爆に参加したF-35Iアディールのビデオを掲載した。AIM-120AMRAAMが出撃の最後に停止した後、武器庫を開く様子が映っている。このジェット機は第140「ゴールデン・イーグル」飛行隊のものである。


 フーシ派は、地上での砲撃の様子を撮影した画像を公開した:ANSARULLAH MEDIA CENTRE F-15、F-16、F-35戦闘機やKC-707を含むことが判明している今回の空爆は、米国主導の連合軍がここ数カ月に実施してきた規模をはるかに超えるものだった。これらのミッションは、多目的インフラではなく、フーシの軍事能力、特に海運を脅かす可能性のある兵器の使用に焦点を当てたものだった。イスラエルがフダイダの燃料備蓄を壊滅させ、港のたった2基の大型天井クレーンを破壊したのは、明らかに抑止力のメッセージを送ることに重点を置いていた。 エネルギー備蓄の損失だけでも非常に大きく、クレーンの交換は容易ではない。これはひいては、より広範な影響を及ぼす可能性がある。国連は過去に、イエメンへの全人道支援物資の約80パーセントと外国からの輸入品の大半がこの港を経由していると発表している。 

 タイムズ・オブ・イスラエル紙によると、フーシ派は2023年10月以来、220発以上の長距離兵器をイスラエルに向け発射している。同ニュースはまた、今回の報復作戦の発端となったドローン攻撃は、標的のテルアビブまで間接的なルートを飛行したため、発見と迎撃が困難になったとも報じている。フーシ派が "ヤッファ"(テルアビブの起源となった古代の港湾都市のパレスチナ名)と呼んでいると思われる改良型サマド3は、東地中海上空でフックし、西からテルアビブに接近する前に、エジプトを含む東アフリカ上空をなんと1,600マイルも飛行したと思われる。イスラエルは、異常なベクトルから飛来する低速で小型の目標をより的確に発見するため、レーダーオペレーターの戦力を増強している。しかし、イスラエルの統合防空システムは非常に密度が高く、間違いなく地球上で最高のものである。

 全体として、これはイスラエルにとってこれまでで最も長距離の作戦のひとつであり、自国国境から遠く離れた場所で複雑な航空作戦を実行するイスラエルの調整能力を潜在的な敵に思い起こさせるものとなった。 

 フーシ派はイスラエルに向け弾道ミサイルを発射することで、この攻撃に反応したようだが、イスラエル国防軍のアロー3システムに迎撃された。フーシ派がさらに反撃に出るかが注目される。フーシ派は、海運やイスラエルに対する絶え間ない攻撃から一歩も引く姿勢を見せていない。イスラエルの抑止力が有効だったのかどうか、これからわかる。■


Details Of Israel’s Long-Range Strike That Decimated Yemeni Port Emerge

Israeli fighters used man-in-the-loop guided weapons to destroy the Houthi-controlled port of Hudaydah's only large overhead dock cranes.

TYLER ROGOWAY

POSTED ON JUL 21, 2024 4:17 PM EDT


https://www.twz.com/news-features/details-of-israels-long-range-strike-that-decimated-yemeni-port-emerge


 

NGAD再設計: 空軍長官が仕様の見直しが進行中と認める―米空軍の姿を根本的に変える決断がなかなかできない(Breaking Defense記事より)

 これまでの戦闘機の概念を延長しているところに問題があるのでしょう。戦闘環境の変化についていけなくなってきているのに、伝統の延長と云う概念を捨てきれないまま、すべて詰め込むと価格はとんでもないものになってしまうのでしょう。ステルス万能思想も限界に達してしまったようです。要は思い切った決断が必要なのに組織内でそこまで踏み切れないというのが現時点の姿なのでしょうね。

Lockheed Martin Skunk Works concept art of a sixth-generation fighter

Lockheed Martin Skunk Works concept art of a sixth-generation fighter. (Lockheed Martin)


ケンドール長官は、次世代航空優勢(NGAD)戦闘機の決定は、想定よりもはるかに先になると示唆した

戦に革命が起こる中、米空軍のトップは土曜日に、アメリカの次世代戦闘機にはパイロットが搭乗すると「合理的に確信している」と述べた。「第6世代戦闘機にはパイロットが搭乗すると確信している」。

パイロットが必要かどうか、そしておそらくはパイロットを収容するコックピットが必要かどうか、空軍が確信が持てていないということは、空軍が次世代航空優勢(NGAD)戦闘機の最も基本的な要件まで見直す必要があることを示唆している。変更の可能性についてケンドールは、空軍がNGADの設計と能力要件について、より実質的な分析を行う必要があると結論づけるのが "合理的 "だと述べた。

「何をすべきか、どのように前進するかについて、今話をしている」とケンドールは、NGADのダウンセレクションは2024年に来る可能性が高いという航空戦闘司令部のボス、ケン・ウィルスバック大将の最近のコメントを否定した。「ウィルスバックが言ったことは、そのことに関する最後の言葉ではない」。

ケンドールは最近、NGADに重大な変更が加えられるとの見通しを示しており、以前のインタビューでは、空軍が適切なコンセプトで、しかもリーズナブルな価格でNGADを導入できるよう取り組んでいることを示唆していた。ケンドールは、その考えを拡大し、重要な検討事項は、航空機とエンジンを含む全体的な価格であると述べ、パワープラントは"単なる一部"であり、"それ自体は大きなドライバーではない"と指摘した。

戦闘機の再設計の必要性に関する彼の発言をきっかけに、無人NGADの可能性が浮上したことは、空軍のパイロットの伝統に誇りを持っている空軍の悪名高い "戦闘機マフィア"の間で警鐘を鳴らすかもしれない。しかし、ティール・グループのアナリスト、J.J.ガートラーは、ケンドールが "チームを一方向に追いやる"ことを避けるために、あらゆる選択肢を検討するという真剣なアプローチをとっていることの表れだと言う。

「空軍が)システムの設計を再検討していることは知っていた。優秀なパイロットなら誰でもそうであるように、彼らは飛行に入る前に最終チェックリストを実行している」とガートラーは言った。

というのも、"無人であることを前提に設計されていない現代の戦闘航空システムであれば、オプションで搭乗することもできる "からだ。

例えば、ネットワークやフライ・バイ・ワイヤ制御のような最新技術は、「オペレーターがどこに座っているかは関係ない」。実際、無人プラットフォームにするという決定よりも、有人プラットフォームにするという決定の方が、設計や能力を大きく左右する。だから、現実的な意味では、プラットフォームに人を乗せる理由がない限り、無人状態がデフォルトになる」とガートラーは説明する。

空軍関係者は、NGADが高価になると何年も前から予告しており、ケンドールはすでに高価なF-35統合打撃戦闘機の「何倍もの」コストがかかるという指標を頻繁に使っている。しかし、差し迫った近代化ニーズと他の重要なプログラムのための膨れ上がるコストで、当局者は今、彼らの野望が手頃な価格であるかどうかを公然と疑問視している。

「現在議会に提出されている)5カ年計画で我々が行っていることと、今後数年間の我々の基礎的な勘定を見れば、我々が持続不可能なことをしたのは明らかだ。「その問題も解決しなければならない。だから、5カ年計画の間に、対処しなければならない多くの値ごろ感の問題があった。また、(NGADの)コンセプトが正しかったかどうかも検証しなければならない」。

ケンドールによれば、もうひとつの考慮点は、戦闘機の運用を支える施設である。「F-22クラスの航空機をサポートするために必要なインフラは、脆弱性につながる。例えば滑走路の長さだ」。

ガートラーは、ケンドール長官含む関係者のこれまでのコメントから判断すると、「NGADの中心的な機体コンポーネントに何らかの遅れが生じる可能性があるばかりか、すでに進行中である」と述べた。

「過去には一般的でなかったかもしれないが、プログラムを開始したときの世界や40年後の世界ではなく、現実を含めて設計することに多くの意味がある。「現実の変化に適応できないような調達スケジュールでは、適切なシステムは生まれない」。

脅威の「蓄積」

F-22プログラムの登場以来、制空権を獲得するための空軍のコンセプトは、敵の防空網をすり抜け、発見される前に脅威を排除できるステルス性のセンサーシューターというアイデアが中心だった。

ケンドールによれば、このコンセプトは1990年代初頭、当時国防長官だったディック・チェイニーに、F-22が直面しうる最も深刻な脅威と考えられていた、シリアのソ連防空システムについてのブリーフィングを行ったときからほとんど変わっていないという。

しかし、戦場はその後数十年で変化し、ケンドールによれば、空軍は現在、ますます洗練された防空、高度な対ステルス技術、標的を探知し破壊できる範囲を大幅に拡大するために構築された新しいセンサーや武器を含む中国の脅威のリストを凝視している。

NGADのコンセプトを鈍らせる可能性のある新技術が出現したのかどうかという質問に対し、ケンドールh交換は増大する脅威を "時間の経過による蓄積"と表現した。しかし彼は、別の作戦コンセプトがNGAD要件の変更を促す可能性も示唆した。

「ある世代のものがあれば、その次の世代を購入し、似たような特性、似たような運用コンセプトでも、すでに持っているものより優れていると考えるのは自然なことだ」とケンドール氏。

「その哲学が、NGADの方向性を決定づけた。しかし、我々はもうシリアを相手にしているわけではない。もうソ連が相手ではないのだ。「我々は、主に中国をペース配分の課題としている。そして、我々が正しいことをしていることを確認しなければならない」。

AeroDynamic Advisory社の航空宇宙アナリスト、リチャード・アブラフィアは、NGADの運用要件に対する空軍の困惑について、「真の航空支配と航空優勢はもはや実現不可能なのかもという考えを示している」と指摘した。「殺傷能力が高くなり、脅威が拡散し、相手の防空網を消滅させる可能性が低くなった世界を物語っている」。

結局のところ、アブラフィアは、空軍には乗員付きの第6世代戦闘機が必要だと考えているが、空軍は設計要件と予算における「根本的な矛盾」に直面しており、それが遅延を引き起こす可能性があると述べた。「どちらが(正しい選択肢なのか)私にはわからないし、彼らにもわからない可能性もある」。

ケンドールは、NGADはプラットフォームの能力そのものだけではなく、CCA(コラボレイティブ・コンバット・エアクラフト)と呼ばれるドローンのウィングマン、宇宙機能、そして新たな兵器を同期させるキル・ウェブの芽にどうフィットさせるかが重要だと語った。

「CCAと連携する必要がある。宇宙からの支援や機外からの支援、最新鋭の兵器を使用するアーキテクチャーが必要になる。「だから、最終的なコミットメントをする前に、本当に注意深く、正しい道を歩んでいることを確認する機会にしているのだ」。■

NGAD redesign: Air Force Secretary cracks door for unmanned option (EXCLUSIVE)

By   MICHAEL MARROW and VALERIE INSINNA

on July 22, 2024 at 4:08 AM

https://breakingdefense.com/2024/07/ngad-redesign-air-force-secretary-cracks-door-for-unmanned-option-exclusive/



2024年7月22日月曜日

6月の中国の潜水艦造船所での異様な活動が関心を呼ぶ

Satellite imagery shows curious activity, including a cluster of crane barges, at a prominent shipyard in China over a period of several days in June 2024.  

PHOTOS © 2024 PLANET LABS INC. ALL RIGHTS RESERVED. REPRINTED BY PERMISSION





潜水艦が停泊していた場所に突然4隻のクレーン船が現れたことから、事故の可能性について疑問が上がっている。


2024年6月、中国の著名な造船所で数日間にわたり、クレーン船が集まる不思議な動きが見られた。

  

2024年6月15日に撮影された衛星画像。武昌造船所では、4隻のクレーン船の群れとその他の異常な活動が見られる。PHOTOS © 2024 PLANET LAB INC. 無断転載を禁じます。許可を得て転載


衛星画像は、潜水艦含む艦艇を建造する中国の造船所で、4隻のクレーン付き台船が突然現れた異常な活動を示している。


シンクタンク「新アメリカ安全保障センター(CNAS)」の非常勤上級研究員で、元米海軍潜水艦戦将校のトム・シュガートは、武昌造船所の異変に最初に気づいた。この造船所は国営の中国国家造船公司(CSSC)の一部で、武漢市郊外の長江沿いにある。2021年から2022年にかけて、武漢市内の敷地から現在の場所に全面移転した。


「5月29日に撮影された古い画像では、特に変わった様子は見られない。新しく建造されたと思われる元級潜水艦(039型)が、新しく進水した艦艇が艤装されるいつもの場所にいる。


039A型は、西側では「元級」とも呼ばれ、人民解放軍海軍(PLAN)で最も近代的なディーゼル電気式潜水艦であり、輸出向け仕様も提供されている。武昌は主に039A型の建造に携わっている。同造船所はまた、さまざまな種類の水上軍艦を建造しており、過去には電磁レールガンの試験も行うなど、海軍のその他の開発作業もサポートしている。この造船所では商業船も製造している。



「6月13日、プラネット・ラボの衛星画像を入手した。画像では、潜水艦がいた場所の近くに、クレーン船のようなものが集まっているように見えた。「また、潜水艦が係留されていた浮き桟橋が少しずれているように見えた」。


ウォーゾーンはシュガートに連絡を取り、彼の調査に基づいた記事を書く許可をもらったが、彼は残念ながらXに投稿したこと以外に付け加えることはないと言った。


2022年9月に撮影された衛星画像で、中国武漢郊外にある武昌造船所の現在の位置がわかる。グーグルアース


Planet Labsから入手可能な画像をさらに見直すと、少なくとも6月12日から6月17日まで、4隻のクレーン船が所定の位置にあったことがわかる。5月にバースに入っていた潜水艦は、これらの日付の間不在であるが、それが正確にいつ最後に目撃されたのかは不明。7月の第1週には、バージはなくなり、武昌の活動は通常に戻ったようだ。


クレーンが何を作業しているのかはわからない。シュガート自身は、最初に注意を引いたのはクレーンのひとつが落とした影だったと述べている。その影の下に何かあるのかどうかはわからない。クレーンが作業しているものであるかもしれない、追加の小型ボートかはしけ、あるいは水中の何かが真上に見えている。


いずれにせよ、以前潜水艦がいたのと同じ場所に、突然4隻のクレーン船が整列し、その間に039A型とほぼ同じ長さのスペースがあり、さらにフローティング・ブームが存在するのは異例であり、何らかの事件の可能性を疑わせる。浮体式クレーンは、転覆した船舶やそのおそれのある船舶を安定させたり、瓦礫を移動させたりするために使用される。ブームはしばしば、油やその他の危険流体の漏れを封じ込めるために使用される。


中国の著名な造船所のひとつ、特に新型潜水艦の生産に関わる造船所で事故が起きた可能性は、重大な意味を持つ。中国海軍の造船所では、大型艦や複雑な艦船であっても、安全性や品質管理の慣行について過去に疑問が投げかけられてきた。


カルロス・デル・トロ米海軍長官は昨年の公聴会で、「中国は共産主義国であり、守るべきルールがない。「彼らは船の建造に奴隷労働を使っている」。


このときデル・トロは、米国の造船能力、あるいはその欠如に関する懸念の質問に答えていた。近年、海軍は中国の潜水艦やその他の軍艦の建造能力が米国より飛躍的に高いことに警鐘を鳴らしている。


6月に武昌で起こったかもしれないことについて、さらなる詳細が明らかになるかはまだわからない。中国当局は、重要な国営施設での事故やその他のインシデントについて、地域的あるいは世界的な影響を及ぼす可能性がある場合でも、口が堅いことで有名だ。


クレーン船の存在について、より平凡な説明の可能性も現時点では否定できない。


いずれにせよ、先月の武昌造船所での動きは不思議だ。■


Odd Activity At Chinese Submarine Shipyard Draws Interest

The sudden appearance of four crane barges where a submarine had been parked has prompted questions about the possibility of an accident.

JOSEPH TREVITHICK

POSTED ON JUL 18, 2024 7:38 PM EDT


https://www.twz.com/news-features/odd-activity-at-chinese-submarine-shipyard-draws-interest