2019年3月17日日曜日

主張 米海軍は日本とSSK部隊を共同運用すべきだ。日本から調達してもよい

ホームズ教授のいう第二次大戦式の大量建造は夢にすぎませんが、平時から戦力を着実に増強することには賛成です。16隻だった潜水艦部隊を今後日本は増やして20隻超にもっていきますが、同数の米通常型潜水艦が加わり30隻-40隻になればその三分の一程度つまり10隻強が日本近海のどこかにあるわけで相当の抑止力になります。日米合同潜水艦運用体制の整備には軽く20年かかりますから実施するなら早いほうがいいですね。空母、原子力潜水艦共に米海軍で確立された価値観なのでこれを打破するのは大変な負担になります。

Pay Attention: These Are the Submarines the U.S. Navy Needs

この潜水艦が米海軍に必要だ
Go silent, go diesel.
March 15, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: SubmarinesMilitaryTechnologyWorldSSKSSNChinaJapan
March 15, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: SubmarinesMilitaryTechnologyWorldSSKSSNChinaJapan

海軍がディーゼル電気推進潜水艦部隊を導入すべき理由は十分すぎるほどある。まずSSK部隊は西太平洋で抑止力になる。抑止力は艦の性能とともに明確な決意から生まれる。さらに大国として残ることになる。相手能力を打ち負かすのが困難とわかれば戦火を開いて敵は青ざめる。端的に言えば弾性を有する側が抑止力を発揮する。開戦となれば巧みに配置したディーゼル潜水艦が米国並びに同盟国、特に日本の立場を有利にするはずだ。
通常動力潜水艦の調達を再開すべきだ:SSK部隊は連合軍部隊の中核となる。艦体を海上自衛隊(JMSDF)と共通化し合同潜水艦部隊を編成し、問題海域に常駐させれば同盟国の防衛に米国がリスクを恐れていないと日本へ示せる。日本は常駐潜水艦部隊で米国への信頼を高め同盟関係が強化される。
言い方を変えれば米国が日本部隊と共同展開することで日本は孤立する恐れを抱かなり、太平洋で不穏な事態があっても米国が常にそばにいてくれるとわかるはずだ。同盟国友邦国を信頼する意味は米国にとって大きい。米国はアジアに領土がなく、戦略的足場がない。米海軍部隊の一部を多国籍部隊に編入すれば団結を強める効果が生まれ、米海軍は関係国の港湾アクセスが保証される。
戦略状況に適した潜水艦になる。各国の海軍戦略は中国やロシアの艦船活動を第一列島線内で抑えることが目的だ。原子力潜水艦推進派はディーゼル艦は海峡封鎖や狭い海域専用だとし、SSNの優位性を列挙してくるだろう。たとえば無制限の潜行や高速巡航性能だ。はい、証明終わりというわけだ。
だが実は違う。SSKでSSNと同じ性能を発揮する必要はなく、仕事を着実にこなし調達価格が安ければ良い。原子力潜水艦推進派にはディーゼル潜水艦が長く果たしてきた効果を低く見る傾向がある。米海軍太平洋艦隊の潜水艦部隊が第二次大戦中に日本帝国海軍を大いに苦しめたのがまさしく第一列島線が舞台だった。JMSDFも同様の戦術をソ連、中国相手に冷戦中に展開した。両国の海軍は列島線戦略で高い効果を上げ、しかも当時のディーゼル潜水艦は現在よりずっと初歩的な艦だった。史実を否定したSSK反対論には説得力がない。
連合軍潜水艦部隊にSSNの高速性能、無期限潜行能力は列島線防衛で不要だ。SSNが優れた性能を発揮するのは外洋での戦闘だが防御任務では過剰性能となり運用経費が高くつく。米日合同戦隊の潜水艦は水上艦と協調し封鎖線を引く。島しょ部にはミサイル装備の陸上部隊、上空は航空機が飛び、機雷敷設も計画的に行う。哨戒潜水艦はその中で静かに潜み、列島線沿いに姿を探知されずに攻撃の機会を待つ。
ディーゼル艦で上記全部がこなせる。連合軍に十分な数の哨戒艦があれば定期ローテーションで常時警戒待機できる。哨戒中の喪失艦の補充用に予備艦も必要だろう。米日合同部隊の潜水艦部隊に琉球諸島まで定期的配備できる隻数が必要だ。JMSDFは19隻に拡充する予定だが、本当はもっとほしいところだ。さらに十数隻の米国艦を加え合同布陣をしけば予備艦も含め十分な規模の潜水艦部隊が生まれ攻勢に転じても運用でき黄海や東シナ海、オホーツク海での水上艦攻撃を想定する。
当面はこれが整備できれば適正規模であり、SSNと比べてはるかに安価に整備できる。単価の違いは隻数が増えれば高くなる。日本が建造した最大規模のディーセル艦そうりゅう級の単価はは米海軍の最新鋭ヴァージニア級SSNの五分の一、すなわち6.31億ドル対32億ドルである。ただし米海軍が議会と建艦にからむと価格の差は1対4になるだろう。つまり米海軍はヴァージニア級3隻分の予算で12隻のディーゼル艦部隊が整備できる。
あるいはSSKの建造でSSNを削るより沿海域戦闘艦がSSK相手に意味のある攻撃力を発揮できないので一対一で取替てもよい。最新のLCSは単価6.46億ドルでそうりゅうの6.31億ドルに近い。LCSを断念しても(今年の国防予算要求では3隻を計上している)海軍に悪い話にならないはずだ。
ディーゼル艦配備には同盟国との政治、戦略地図、予算執行での効果も期待できる。戦闘では戦闘力の迅速回復が戦勝につながる可能性が最も高い。海洋戦略の師アルフレッド・セイヤー・マハンやJ・C・ワイリーも同じ意見だ。両名は米国が大国間戦闘の開戦時に甚大な被害を受けてもその後逆転すると予言した。これはトランプ時代のペンタゴンが想定する戦闘の推移と同じだ。
その結果どうなるか。軍と国防産業部門は開戦直後の中国やロシアの猛烈な第一撃を乗り切れる量の装備を準備する必要がある。ノックアウトされては元も子もない。その後戦力を再整備し、しかも迅速に進める必要がある。これで米軍は反抗を展開できる。では米海軍の潜水艦部隊が緒戦で損耗したら補充できるのか。米海軍が潜水艦戦闘力を確保するには潜水艦の大量建造が必要だ。
ただし原子炉や格納用の船体は短期建造できず経費も高い。ヴァージニア級を年間二隻建造するだけで造船所に負担となっているのは旧式オハイオ級弾道ミサイル原潜の建造も進行中のためだ。その結果、SSNの隻数は増えず戦時喪失分の補充など期待できない。平時に建造規模の維持に精一杯ならSSNの戦時喪失が現実のものとなった場合、建造能力に余裕はない。
このため通常動力SSKにも外洋での戦闘任務を与える可能性がある。米海軍も新造通常動力潜水艦を短期間かつ大量配備する方法を模索せざるを得なくなる。米国内ではディーゼル艦建造は1950年代以降行っていない。したがって海軍当局は日本との交渉でが同国で建造した艦の調達を検討すべきで、そうりゅう級で完成の域に達した艦設計、熟練した建造施設を活用すべきだ。米国内でディーゼル艦を日本企業の参画で建造する選択肢もある。あるいは両方実施しても良い。米国第一を主張する大統領と議会を言いくるめ従来と違う方向にもっていくにはすぐれた交渉術が必要だ。説得を始めよう。
抑止力と切迫する情勢からも必要だ。米海軍および政治指導部は必要な戦力整備を継続ししかも迅速に進める必要がある。戦闘力整備を遅々としたペースで展開すると敗北は必至となる。第二次大戦時の教訓が役立つ。枢軸国打倒に必要な物量のため米海軍艦艇の設計はあらゆる点で最高性能を求めなかった。米国には普通の戦力でも大量かつ迅速に艦艇が必要だった。
つまり適度な性能で設計は簡素であればよく、多彩な業者を生産に巻き込んだ。デトロイトの自動車工場がB-24爆撃機を毎時間一機完成させていた。米海軍も戦時喪失分を早く補うことを最優先し、一部に目をつぶった。当時の議会とフランクリン・ロウズベルト政権の指導力に助けられ、新造艦艇や航空機生産が真珠湾攻撃前から始まっていた。1940年の両洋艦隊法案が後押しした。
事前に戦力補充分の整備を進めることを今後の米海軍で合言葉にすべきだ。これにより予備戦力整備が生まれるのが利点で、艦隊指揮官は開戦の諸端から兵力を積極投入できる。損耗を心配して中途半端な運用をしなくてもよい。補充艦艇や機材がやってくるとわかれば指揮官はリスクをいとわなくなる。チェスター・ニミッツ大将が真珠湾攻撃の残余艦で1942年に空母強襲作戦を展開したのは1943年になれば新造艦が来るとわかっていたからだ。予備戦力があれば今ある装備を活用して勝利をおさめる確率が高くなる。
ということでディーゼル潜水艦の調達が既存原子力艦部隊の補強になることが外交、戦略、予算、作戦、戦術面からおわかりになったはずだ。是非実現しようではないか。■
James Holmes is J. C. Wylie Chair of Maritime Strategy at the Naval War College and coauthor of Red Star over the Pacific .

日曜特集 米陸軍、海兵隊の歩兵部隊で違う点がわかりますか

当方が陸上戦にうといため今回の訳出には間違いがあるかもしれません。soldierが陸軍兵でmarineが海兵なのですね。一般のアメリカ国民向けの記事と思いますが参考になる点もあります。陸上自衛隊では歩兵の言葉は使わず普通科と言っているようですが高校みたいですね。


5 differences between Army and Marine Corps infantry

米陸軍と海兵隊の歩兵部隊での違い5点
Jun. 15, 2015 01:54PM EST

陸軍、海兵隊の歩兵部隊を見ると相違点より類似点のほうが目に入りがちだが、実際はそれぞれ特徴がある。以下海兵隊と陸軍の歩兵部隊の違いを5つ見てみよう。


注 比較のため、陸軍編集の「歩兵ライフル小隊向け実戦マニュアル」と海兵隊の「ライフル小隊運用序論」、「海兵ライフル小隊」を参照した。実際には教本通りに部隊は運用されないことがある。各歩兵部隊でユニークな特徴があり隊ごとに実戦対応が微妙に異なる。
 


1. 小隊編成

Photo: US Marine Corps Cpl. Artur Shvartsberg


陸軍、海兵隊のライフル小隊には共通項が多い。ともに上位組織に編入され、小隊に火器支援チームがあり、中心はライフル兵である。陸軍小隊には無線通信兵、衛生兵medicがあり、海兵隊にも無線通信担当と衛生兵corpsmanがある。


海兵ライフル小隊にはライフル分隊三個があり軍曹が指揮し、伍長が補佐する。火力支援チームはM203グレネードランチャーをM16の下につけることが多い。さらに自動ライフル担当、自動ライフル補佐、ライフル兵が続く。


陸軍小隊の分隊は規模が小さい。ライフル分隊は軍曹あるいは二等軍曹が指揮し、火器チーム四名がつく。火器チームは自動小銃、グレネード発射兵、ライフル兵一名ずつで構成する。陸軍分隊にはグレネード発射専門の隊員があり自動小銃兵補佐がないのが特徴だ。各分隊のライフル兵は狙撃手となり特別訓練を受ける。また陸軍小隊に歩兵武器分隊が付属する。この分隊はM240B機関銃やジャヴェリンミサイルの運用を任務とする。


海兵隊、陸軍ともに歩兵部隊は中隊、大隊の指揮下で動き、必要に応じロケット砲、迫撃砲を追加する。

2.装備品

Photo: US Navy Mass Communications Petty Officer 2nd Class Kim Smith

陸軍のほうが新兵器配備で海兵隊の先をゆくことが多い。M4では海兵隊が先行したが光学視野装置、レーザー、ハンドグリップなど陸軍への配備が早かった。海兵隊も使える装備追加は全部入手するものの数年遅れることが通例だ。


陸軍がロケット発射を必要とすればSMAW、AT-4、ジェヴェリンを選択するだろう。海兵隊ではSMAWが一般的でジャヴェリンやTOWは兵器中隊が扱う。


陸軍ではグレネードランチャーにM320を早期導入したが海兵隊ではM203をまだ使っている。M320はスタンドアローン兵器として使える。M320、M203ともにM16あるいはM4に装着できる。

3. 火力支援

Photo: US Marine Corps


歩兵部隊は戦場で単独で活躍できない。海兵隊、陸軍のライフル部隊が戦闘で釘付けとなれば他部隊の支援を求める。両軍の中隊に迫撃砲、重機関銃、ロケット装備の支援部隊があり大隊の支援も可能だ。より強力な野砲や近接航空支援では事情が異なる。


海兵遠征部隊は空陸任務部隊の2,200名編成で野砲、航空部隊、海軍艦艇と運用する。連隊戦闘チームは野砲支援があるが、空軍及び海軍からの支援は別途要請する。陸軍が海軍に火力支援を求めることは少ない。

4.専門性の違い

Photo: US Navy Phan Shannon Garcia


海兵隊員は揚陸戦を訓練するが陸軍で皆無に近い。陸軍部隊は平地、空中降下、レンジャー、山岳地、機械化歩兵と専門が別れる。この中でレンジャー資格が最も過酷で取得後はレンジャー連隊に配属される。


海兵隊では歩兵を運用装備と戦術で分類し、専門性の考え方が違う。海兵隊ではまずライフル兵(0311)で入隊し、機関銃手(0331)、迫撃砲(0341)、強襲要員(0351)、対戦車ミサイル要員(0352)に分かれる。陸軍はまず普通歩兵隊員(11-B)あるいは間接火力支援歩兵(迫撃砲11-C)として入隊する。

5. エリート部隊

アフガニスタンで任務につく陸軍レンジャー部隊 (Photo: US Army)

海兵隊で普通歩兵の先となると偵察狙撃手、偵察兵、戦闘偵察兵という選択があり、歩兵部隊の支援任務をこなす。偵察兵と戦闘偵察兵は敵の所在をつきとめ位置、兵力、状況を指揮官に伝える。戦闘偵察兵は敵地奥深く潜入する点で一般偵察兵と異なり、石油施設制圧や海賊対策など直接戦闘任務もこなす。


陸軍でさらに高い目標にむかう隊員には選択肢が広がる。エリート隊員の入り口が空挺部隊で三週間のパラシュート落下訓練を終了する。その先にレンジャー連隊があり、レンジャー学校を終了またはレンジャー適性選抜制度に合格する必要がある。さらに特殊部隊への選抜がある。えん堤されれば歩兵隊から離れ、武器取扱軍曹や医療軍曹など特殊部隊内の任務を選ぶ。選抜されれば狙撃兵となる道もあり、狙撃兵学校の修了が条件となる。■

2019年3月16日土曜日

米海軍は2020年度予算案で大型ミサイル無人艦建造を進める


シーハンターの試験航海の話題(「進展する無人艦システムで今度は米西海岸ハワイ往復航海に成功!」)がありましたがやはりこれは布石で米海軍は大型無人艦の建造に踏み出そうとしています。空でも海でも有人装備と無人装備の組み合わせがこれからは普通になりますね。


Navy's Budget Requests Two Huge Missile-Laden Drone Ships That Displace 2,000 Tons 海軍予算要求に2,000トン級ミサイル搭載大型艦建造が盛り込まれた

The service wants to get the first two unmanned ships quickly to help refine its requirements and craft plans for employing them in actual combat.

米海軍は無人艦二隻の実戦投入案を作成



BY JOSEPH TREVITHICKMARCH 12, 2019


NAVAL NEWS CAPTURE
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海軍は大排水量無人水上艦艇Large Displacement Unmanned Surface Vessels,LDUSV最大10隻を今後五年間に約27億ドルで整備したいとする。各艦は全長300メートル、排水量2千トンで海軍が進める無人水上艦部隊整備で大きな一歩となる。
海軍は2020年度国防予算の一部として同構想を3月12日発表した。予算案では4億ドルでまず二隻建造する。今後毎年2隻建造を要求し、10隻を整備する。
各艦は「センサー母艦兼攻撃手段として使う」とランディ・B・クリテス少将(予算担当海軍次官補代理)が同日解説し、「通常艦より小型...消耗品扱いかつ低価格」と述べている。.
海軍は同艦の要求性能や作戦構想(CONOPS)をまとめ終わっていないが、クリテス少将は全長200から300フィート、排水量約2千トンの規模で構想を検討中と述べている。おおざっぱにコルベット艦の大きさだ。
海軍はこれまでLDUSVは「重武装艦」としてスタンドオフミサイルを搭載し水上艦部隊火力を増強する存在と言っていた。クリテス少将によればLDUSVでは垂直発射能力も想定していると述べた。
クリテスは新型艦は、各種センサーを搭載する「センサー」艦にもなるとし、部隊指揮官に広範囲の状況認識度を高く提供するのがねらいだ。
海軍の無人水上艦整備案は小型、中型、大型の区分を想定し、以前は中型艦は無人偵察機能で水上行動部隊本隊から離れて独自に航行すると海軍は説明していた。無人艦はネットワーク連結し、有人艦や同盟国部隊とも結ばれる。海軍は準自律的運用を想定する。
これを念頭にすると各艦の仕様は多彩になる。一部のLDUSVはセンサー連結点として標的データでミサイル多数を運用し、無人艦だけで独立任務部隊を編成することも可能だ。
海軍はまず4億ドルでLDUSV整備をめざすが、当初予算は研究開発の要素が強いが2024年度までに本格事業にしたいとする。
ここにシーハンター無人水上艇開発の知見が反映されている。しーハンターは国防高等研究開発プロジェクト庁(DARPA)事業として始まり、その後海軍研究本部に2018年移管された。海軍では現在同艇をもとに中規模排水量無人水上艦艇(MDUSV)を実現しその知見をLDUSVに反映したいとする。
DARPA
米海軍のシーハンター無人水上艇


シーハンターは現在一隻のみだが、海軍は長時間稼働可能な無人艦の要求内容とCONOPSの作成に活用しており、対潜用に潜水艦を長時間追尾する構想だ。シーハンター二号艇取得で研究開発を加速させたいとする。2020年度予算要求にはMDUSV事業の追加支出も含む。
「作戦構想、指揮統制機能の詳細を詰め、分散配備環境での運用を想定する」とクリテス少将はLDUSVの今後を説明している。「テスト艦で実際に機能するか早く見てみたい」
2019年1月に海軍は試験的に水上艦部隊を編成し有人・無人艦部隊の作戦構想の完成を目指す可能性を提示している。ここにLDUSV他小型艦艇が配備されるのだろう。
海軍の2020年度予算案には議会承認が必要で大型無人艦の整備規模が変わる可能性もあり、調達大日程も変更がありうる。海軍はニミッツ級空母USSハリー・S・トルーマンの早期退役で無人水上艦整備の予算を捻出したいとするが、議会がそのまま認めるとは思えず、LDUSV調達の日程にも影響が出そうだ。
とはいえ海軍が思い描く将来の姿には無人水上艦艇の規模、活動範囲を大幅に増やす姿勢が見え、作戦の進め方が大きく変わる可能性が秘められている。■
Contact the author: jtrevithickpr@gmail.com

2020年度予算にF-15Xが正式に盛り込まれた。その他F-5の22機調達が目を引く


8 F-15Xs For USAF And 22 F-5s For Navy In 2020 Budget Request

2020年予算にF-15Xの8機と海軍用F-5の22機の要求

The F-15X is officially real and the Navy and Marines are set to get a fresh influx of badly needed aggressor airframes.

F-15Xが公式に実現し、海軍海兵隊には必要だったアグレッサー機材調達が実現

BY TYLER ROGOWAYMARCH 12, 2019
ンタゴンが次年度予算案を本日公開し、大枠だけがわかった。重要な内容はF-15X調達が公式になったこと、F-5E/Fの22機調達の2つだ。
F-15X調達は予想通りでその存在を昨年7月に初めて報じていた。今回は初回調達規模が明らかになり、F-15EX(単座型)8機を2020年中に概算11.174億ドルで導入する。予算には初期導入8機分以外にイーグル輸出仕様にない装備の統合開発経費の他、調達業務立ち上げと予備部品サポート分も含む。
同機の単価はUSAFがボーイングと確定契約を結ぶまで不明で上記金額は変更の余地がある。
USAF
整備場でF-15Cの主翼を取り外している。F-15C/D部隊の老朽化が進んでおり、今後も飛行可能に保つためには相当の予算が必要となる。

F-15X調達の追加はF-35のみを導入するとしてきたUSAF関係者の従来の言い分と異なる。その意味は明白だ。「F-35のみ」としてきたDoD路線は終わった。価格面ならびに各種機種を組み合わせた戦力構造で即応体制を引き上げると空軍は公言している。
これでバランスの取れた戦力構造に向けた調達が生まれる余地ができた。
USAF幹部が現実対応として考えてきた内容が二十年近く採用されないまま戦闘機調達と部隊編成されてきた。USAFは2020年にF-35を48機調達し、戦術戦闘機の柱として今後もその地位を守る。
F-15XとF-35の同時調達を企画する空軍だがF-15C/Dを運用中の部隊にF-35の導入予定はなく、予算案は議会承認が必要だ。F-35に特殊利権を有する議員がすんなりと承認しないのではないか。すでにF-15Xの小規模導入に反対の意向を示す議員も現れている。
話題を海軍に移すと、今回の予算要求に22機のF-5E/FタイガーIIがあるのが目を引く。機体はスイス空軍から購入し、敵機役を演じる支援任務にあてる。F-5N/F44機が海軍二個飛行隊、海兵隊一個飛行隊で供用中だがこれもスイス空軍の余剰機材だった。それも十年近く前のことで現有機材は老朽化が進む一方で需要は増加している。
USN
F-5N

一部需要は民間業者委託で埋めてきたが、海軍は現有F-5の全機退役は将来避けられないと機材補強を迫られてきた。F-5はアグレッサーとして運航経費とともに実績を実証ずみなので別機種に交替すれば経費は大きく増加してしまう。
このためペンタゴンがF-5を新たに22機スイス空軍から入手し、ノースロップ・グラマンのセントオーガスティン施設で再整備し今後もアグレッサー任務の継続を図るのはしごく当然のことだ。
民間業者TacAirが海軍の「第四世代」敵機契約を改修型F-5で獲得していることからF-5が民間企業でも引っ張りだこになるのは間違いない。
言い換えれば海軍はスイスのタイガーII機材が入手できるうちに手を付けたことになる。
再整備後の機材を海軍がどう運用するか不明だが、既存F-5部隊を補強し、飛行時間の節約効果をで供用期間を伸ばす狙いがあるのか、新規のアグレッサー部隊を編成するのだろう。以下の予算説明でこれ以上のことはわからない。
海軍省はF-5E/F機材をスイス政府より調達しUSNおよびUSMCの訓練用敵機機能をサポートする。F-5は敏捷かつ高度の操縦性があり信頼性の高い超音速戦闘機で高度の空力特性とエンジン性能、低運航経費を特徴とする。
海兵隊は先にF-5を20機余り追加し米国各地の訓練基地に分散配備することで空対空訓練需要の増加に対応したいとしていた。
USN

これまでハリヤーが空対空防御戦でこの任務についており、AV-8B+はAIM-120AMRAAMの運用が可能となっていた。海兵隊の旧型ホーネット部隊は対テログローバル戦争で対地ミッションにに酷使され、老朽化したホーネットでは空対空戦能力は見劣りがしていた。
F-35B/Cには高性能センサー融合とステルス能力がつくが、パイロット訓練に敵役の機材がどうしても必要だ。USMCに残る後期型ホーネットには高性能のアクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダーが搭載され空対空戦訓練では敵機役機材に需要が増えている。その背景にはペンタゴンが大国間武力衝突に再び焦点を当てており、空対空戦訓練に以前より高い優先順位がついていることがある。このため供用中機材とあわせ委託業者の機体で対応する。
以上を念頭にスイス空軍の余剰F-5の調達は予算上で合理的選択となる。
今回対象の機材に予備部品等をつけても総額は39百万ドルとF-35C一機の三分の一以下だ。機体単価は1.8百万ドルということだ。ただし米本国に回送するとそれなりの費用がかかる。前回のスイスF-5各機は海軍海兵隊のKC-130Tに搭載され大西洋横断した。
各機がエイビオニクスの大幅改修を受け構造補強も施されるかは興味深い点だ。海軍はTacAirと同様に既成品を使うオープン・アーキテクチャアを採用し新型センサーやレーダーを搭載するのではないか。海軍のアグレッサーF-5部隊が新型レーダーやIRSTを搭載しており、ヘルメット搭載画像装置をつけ今後も長く供用に耐えるはずだ。
以上の調達について今後詳しく見ていく。ペンタゴンの2020年度希望リストは未公開だが今後お伝えする内容は続々と出てくるはずだ。■
Contact the author: Tyler@thedrive.com

2019年3月15日金曜日

ヨーロッパ共同で空母保有、国連安保理でEUを常任理事国へ ドイツ次期首相候補のとんでもない構想

こんなヒトがEUの雄ドイツの首相になっていいのか疑問です。(意外にまともなヒトだったらごめんなさい)
精神鑑定を受けたほうがいいかもしれません。ヨーロッパというところは日本から見れば非常に面倒なところで、現EUに集う秀才たちが次々に出すEU指令に産業界もさんざん振り回された苦い思い出がありますが、そのくせ日本製自動車など歴史がないとまともに相手にしてくれませんでした。EPAでどこまで変わるのかが見ものですが、ヨーロッパの狡猾な考え方には十分警戒すべきですし、意見がまとまらない点も日米からすればうまく利用したほうがいいです。しかし最大のペテンはユーロ通貨でしょうね。な是裏付けのないユーロ、通貨政策は各国任せの体制で生まれたユーロがドルより高いのか理解に苦しみます。

Angela Merkel backs plan for EU aircraft carrier

メルケル首相がEU共同運用空母構想を支持




CDU党首アンネグレート・クランプ-カレンバウアーAnnegret Kramp-Karrenbauerが提唱のEU構想にアンゲラ・メルケルが支持の声を出した。提言にはヨーロッパで共同保有する空母や国連安保理常任理事国ににEUが就任することが含まれる。
   
EU flags placed outside European Commission headquarters (picture-alliance/AP Photo/F. Seco)
German Chancellor Angela Merkel on Monday endorsed some of the key European reform ideas put forward by her successor to the Christian Democratic Union leadership Annegret Kramp-Karrenbauer, including a joint EU aircraft carrier.

クランプ-カレンバウアーはCDU党首の座を2018年12月にメルケルより引き継いでおり、今週末にフランス大統領エマニュエル・マクロンのEU改革提案に答える形で自身の構想を発表した。
マクロン構想にはEU国境警備部隊の強化、ヨーロッパ全体の気候条約、銀行業の市場共同化もある。

ヨーロッパ空母の共同運用
クランプ-カレンバウアーはドイツ、フランスがすでに次世代ヨーロッパ向け戦闘航空機開発を開始しており、「次のステップはシンボルとなるヨーロッパ空母の建造だろう」としEUのグローバル規模での安全保障上の役割に触れている。
メルケルは拡大欧州防衛協力構想に前向きな発言をしており、共同運航空母構想は将来必要となるが現時点のEUには「優先順位の高い仕事を抱えている」と指摘。
「そんな装備がヨーロッパに生まれればすばらしい。喜んで実現させたい」(メルケル)
CDU chairwoman Kramp-Karrenbauer stands next to German Chancellor Angela Merkel (Reuters/K. Pfaffenbach)

ANNEGRET KRAMP-KARRENBAUER'S PATH TO THE TOP OF THE CDU

Merkel's successor, but not a copy


CDUキリスト教民主党が党首に選出したのは同党書記長、前ザールランド州首相を務めたアンネグレート・クランプ-カレンバウアーで元首相アンゲラ・メルケルの後任となる。ドイツ報道界で「ミニメルケル」と揶揄されることもあるが、クランプ-カレンバウアー(AKKとしても知られる)はより保守的な政策で現首相と一線を画している
国連安保理に欧州を常任理事国扱いに

メルケルはクランプ-カレンバウアー提唱の国連安保理常任理事国の一角にヨーロッパを加える構想にも賛同している。「将来に有益な考え方」で「ヨーロッパの声を一つにまとめられる」からだという。
ドイツはこれまで常任理事国への昇格を安保理で第二次大戦の戦勝国である米国、ロシア、中国、英国、フランスに訴えてきた。
「ヨーロッパがUNに存在を刻むことにフランスが懐疑的なのはよく知られている」(メルケル)

ドイツ保守派はマクロンのUN改革案に冷ややか
マクロンと意見相違

クランプ-カレンバウアーからはマクロン構想への対案も出ている。欧州議会はブリュッセルのみに設置し、フランス北部ストラスブールにある第二会議場は廃止すべきとする内容だ。
またマクロン提案のヨーロッパ共通最低賃金制度の導入には反対意見で、「社会事業と最低賃金のヨーロッパ化は間違っている」とする。

メルケル首相の報道官シュテフェン・シーベールは記者会見の席上でクランプ-カレンバウアー構想は「首相個人の考えと一致している」と強調した。■

ブロック4でのF-35の作戦能力予想....核爆弾運用も可能になる



The F-35 Stealth 'Atomic' Fighter?: Now Able to Strike with a Nuclear Weapon?   F-35は「原子」戦闘機になるのか。核攻撃が可能となるのか。

New upgrades are coming.最新の性能改修が始まる
March 11, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: MilitaryTechnologyWeaponsWarJetsF-35

年に渡り多額の開発費用をかけたブロックIIIF仕様F-35が2019年に供用を開始する。ペンタゴンは次のブロック4でさらに性能向上を検討を始めており、この改修になんと160億ドルの予算を確保している。
F-35のセンサー、通信装置、推進関係でのソフトウェア、ハードウェア双方の改良点については他の記事が解説しており、ブロック4開発の難航も伝えている。今回はブロック4で運用可能となる兵装に焦点をあててどこまでF-35の性能が伸びるかを見てみよう。
今後搭載可能となる主要兵装にGBU-54/Bストームブレイカー別名小口径爆弾 SDB II がある。GPS誘導方式のGBU-39 SDBI がすでにF-35で運用されているが、これも同様にF-35機内に8発まで搭載できる。ステルスを捨てれば一度に16発搭載可能だ。
SDB IIは最大45マイル射程で移動目標を全天候下で飛翔コースを調整して捕捉出来る。これは非冷却式赤外線シーカー、ミリ波アクティブレーダー、レーザー誘導の三方式を採用した誘導装置の恩恵だ。またデータリンクをF-35と双方向通信し微調整のみならず投下後の攻撃中止もできる。ストームブレイカーの弾頭は105ポンド火薬で平均誤差1メートルで目標に命中する。人員殺傷力のみならず、小舟艇、地上車両に有効で戦車でも上部装甲が薄く撃破可能だ。
ペンタゴンはストームブレイカーをF-35の高性能電子光学式目標補足能力と合成開口レーダーで運用すれば友軍地上車両が進入できない地区でも制圧効果が生まれると期待する。
だがストームブレイカーは単価$115,000と低価格兵装ではない。ブロック4では短距離用GBU-54レーザーJDAMも運用する。500ポンドのレーザー・GPS併用誘導爆弾は一発わずか $20,000だが移動目標に十分対応できる。
さらに期待されるのがAGM-154 JSOW-C1 千ポンド飛翔式爆弾の搭載でこれもデータリンクを備え赤外線シーカーで最終誘導し航行中の水上目標を貫通し破壊する。高高度から発射すれば射程は70マイルに達する。海軍のF-35Cで有益な対艦攻撃能力となるだろう。
もと高額で長距離対応となるとJASSM-ERと長距離対艦ミサイルがあるがブロック5ないし6までF-35で運用はできない。ライトニングなら重防御目標に接近できるので長距離兵器の搭載には高優先順位はついていない。逆に非ステルスの第四世代機や爆撃機への搭載が効果をあげるだろ
空対空戦能力ではF-35BでAIM-9X短距離ミサイル運用ができるブロックIIと互換性が生まれ、パイロットはヘルメットで見ればミサイル発射できるようになる。ブロックIIでは発射後ロック機能によりロックせずに機内兵装庫からミサイル発射しF-35のデータリンクで誘導し180度方向転換し標的に向かう。これをヘルメット画像でレーダーあるいは光学的に誘導し、最終段階は熱シーカーでホーミングする。
ヘルメット搭載画像システムのカメラ複数でパイロットは自機を「見通し」ながら振り向かずに後方の敵機を「見る」ことができる。
兵装庫にミサイル用レール二本があり射程が長いAIM-120空対空ミサイルを6本まで搭載できる。数の上で優勢な敵勢力の脅威を緩和できる。
ブロック4では海外運用国の独自装備の運用も可能となり、英国のSPEAR巡航ミサイルやメテオ対空ミサイル(供用中としては最強の長距離対空ミサイルとされる)、トルコのSOM巡航ミサイル、ノルウェイではコンブスバーグ共用打撃ミサイル(対地対艦用500ポンド弾頭を装備し、射程170マイル)が運用可能となる。ノルウェイ機材には特殊ドラッグシュートもつきスカンジナビアの氷結滑走路に対応する。
ブロック4機材ではエンジン改良で発電容量が増える。これで機内搭載レーザー兵器を運用し敵の空対空ミサイルからの防御、飛翔段階の弾道ミサイル攻撃、さらに敵戦闘機攻撃に使う。米空軍は戦闘機や爆撃機で機内レーザーの運用テストを2020年代はじめ開始の予定、つまりあと三年後なのでF-35ではブロック4以降でレーザー兵器搭載が実現することになる。
だがブロック4で一番恐ろしい兵器はB61 Mod 12落下式核爆弾で、テールフィンで飛翔を調整しGPSで標的の30メートル以内に落下する。B61は出力を3キロトンから50キロトンに調整可能で地下施設貫通能力もある。精密で貫通力が組み合わさり敵指導層、指揮命令所、強化型ミサイル発射施設を攻撃できる。NATOとの協定で米国のB61はNATOのF-35機にも搭載される。
敵防空網を突破し戦術核兵器を運用する能力がF-35で今後実現すれば敵としても考慮せざるを得なくなる。
戦術核の使用決定が下れば、小規模といえども核兵器を前線の敵に投下することとなり、当然ながら核武装F-35へ反動も覚悟せねばならない。最悪の場合、F-35基地が核先制攻撃を受けないとも言えない。また敵の低帯域レーダーではF-35はゴーストにしか見えず、通常兵器、核兵器のどちらを搭載しているか不明で本格的な核戦争を早めてしまうかもしれない。
このようにブロック4性能改修はF-35の性能を各種標的に対応させる狙いがあり、海外のF-35パートナー各国にも自国開発兵器の運用が可能となる。だが国防総省が必要資金を入手できるかどうか、無理のある大日程が予定どおりに進むかでブロック4が遅延なく予算内におさまるはずだが、まだわからない。■

Sébastien Roblin holds a master’s degree in conflict resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing, and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring