2019年4月16日火曜日

アサンジ逮捕を歓迎する


コメントは下にあります。

Assange Should Get What He Deserves 

アサンジには実刑がふさわしい

April 12, 2019  Topic: Security  Region: Americas  Tags: Julian AssangeCrimesConstitutionPressRussia

The First Amendment to the Constitution does not protect someone from shouting “fire” in a crowded theater. Similarly, it does not protect a so-called journalist who maliciously harms the nation’s security, as Assange did.
米国憲法修正第一条は満員の劇場で「火事だ」と叫ぶものを保護してくれない。同様に国家安全保障に害を与える自称ジャーナリストも保護の対象ではない。アサンジはまさしくこの事例だ。
ュリアン・アサンジはジャーナリストと自称している。ロシアから金銭を受け取る工作員なのかもしれない。あるいそうではないかも。だが本人の行ってきたことはまさしくこれと同じだ。ねらいは米国に最大限の損害を与えることだった。チェルシー・マニングという裏切り者の助けを得たアサンジは米外交に損害を与え、米国人の生命も危険にさせた。2016年大統領選挙の結果に影響を与え、クレムリンと結託してのは間違いない。選挙結果を決定づけたわけではないがその流れを助けたのは確実でロシア側の期待を裏切らなかったはずだ。
真のジャーナリストには曲がった信念はない。ペンタゴン文書をリークしたのは米政府が国民に嘘をつき数万名もの米国青年がヴィエトナムの水田で命を落とすのは耐えられないと考えた者の行為だった。ウッドワード、バーンステイン両記者は「大統領の陰謀」を追求したのはホワイトハウスが正義を阻害している事実を発見したためだった。これに対してアサンジの狙いは戦争の継続で人命が失われる背景の真実を追求することでもなく権力の点検と抑制という米国制度を妨害する動きを食い止めることでもなかった。
アサンジは米国への身柄移送に必死に抵抗するはずだ。なぜならアルカイダと何ら変わる存在ではないと本人が一番よくわかっているからだ。ともに目標が同じで米国とその民主制度を破壊できなくても弱体化させようとしている。
アサンジの弁護側がすでに米国への身柄移送と米国裁判制度での実刑判決が避けられないと金切り声を上げており、調査報道が米国初め各国で終焉すると主張している。これはジャーナリストというアサンジ本人と同じくばかげた主張だ。ともに軽蔑に値する主張だ。
ジャーナリストにも一般市民同様に言論の自由に限界がある。米憲法修正第一条は満員の劇場で「火事だ」と叫ぶようなものの保護は意図していない。同様に国家安全保障に損害を与えんとするジャーナリストにも保護は与えない。アサンジが行ったのはまさしくこれだ。これと反対のことを考えるものは米国の敵と言ってよいし、裁判所で刑罰を受けて当然だ。防諜法は成立後95年が経過しているが意味を失ったわけではない。米国の安全保障を意図的に貶めようとするものの訴追根拠となる法律であることに変わりはない。
アサンジの米国への身柄移送は多くが望んでおり、防諜法により裁きを受ければ米国を危機に落とそうと考える他のものにも警鐘となるはずだ。一方で正しい行動をとる調査報道記者には政府の過ちを暴くことに何ら影響は出ない。アサンジについて言えば、残りの人生を刑期として過ごすことになろう。米国納税者の好意により本人が連日三食を楽しみ、スポーツ他活動にいそしみ学位さえ取得すれば心苦しくなる。これが他の国ならたとえばルビヤンカ刑務所ならウィキリークスによる獄中生活はここまで快適ではないはずだ。■
Dov S. Zakheim was an under secretary of defense (2001–2004) and a deputy under secretary of defense (1985–87). He is vice chairman of the Center for the National Interest.

権利を振りかざし自らが正義と錯覚しているジャーナリスト、あるいは取材もしないくせにジャーナリストを自称する向きを見ているとなにかおかしいといわざるをえません。報道機関には責任もあります。今回の逮捕でもさっそくアサンジを英雄扱いし時代の逆行、反動政治、言論圧迫と限りなく飛躍した主張を平気でする向きがありますが、よく考えてもらいたいですね。これは「アベ政治」を倒せば良いとの主張で野党と共闘する偏向したジャーナリストにもあてはまるかもしれません。今まで手を付けられなかったことのほうが異常ですが、アサンジ本人は隠遁生活で老化してしまったようですね。歪んだ精神はそのままでしたが。今後訴追され刑罰を受けることになれば大多数の国民は溜飲が下がる思いになるのではないでしょうか。自由の旗をふりかざしつつ悪辣な意図を有していればこうなるという極めてわかりやすい事例のようですね。ではスノーデンはどうなるのでしょう。

2019年4月15日月曜日

あと20年間はF-15MJの活躍に期待せざるをえない日本はここまで性能を引き上げる



Japan Plans to Sell Off 100 of its Homebrew F-15J Eagles to Pay for More Stealth Jets A good idea or big mistake?

F-15J100機余りの売却でステルス機導入の費用捻出とする日本の目論見の成否は?

April 13, 2019  Topic: Security  Region: Asia  Blog Brand: The Buzz  Tags: MilitaryTechnologyWeaponsWarJapan
国以外でF-15イーグル最大の運用国といえば日本だ。強力な双発エンジンを備えた同機は高速、高性能レーダーと大量の燃料兵装搭載能力を組み合わせ広く伸びる日本列島周辺空域の哨戒に不可欠の存在だ。日本のF-15Jと複座F-15DJ練習機は米国外で生産された唯一の事例だ。1970年代中頃に三菱重工によるF-15Cライセンス生産が決まった。
F-15JとF-15Cは似るが、米側が供与を渋り日本はデータリンク、レーダー受信警告装置J/APR-4、電子対抗装置J/ALQ-8の国内開発を迫られた。また非誘導式Mark 82爆弾の搭載も可能となった。
F-15J初号機の初飛行は1980年で1982年の稼働開始時点で東アジアで最強の機材となった。213機を生産したが半数を占める後期生産型は多段階改良パッケージ対応のF-15MJとなり、強力なコンピューターやデジタル画面、空調機能の向上、J/APQ-1レーダー警告装置の追加、日本製ミサイル運用能力が実現した。後者には短射程熱追尾式AAM-3、レーダー誘導式AAM-4(射程62マイルから75マイル)がある。日本は地表走査用合成開口レーダー搭載のRF-15偵察機開発を企画したが2010年に断念した。
現在の日本のF-15Jおよそ155機、F-15DJの45機は四個航空団の千歳、小松、新田原、那覇の各基地で運用中だ。さらに5機をアグレッサー部隊として訓練投入している。2018年には初の女性戦闘機パイロットも登場した。
ロシア、中国の機材が日本領空に接近してくるため日本のイーグルは多忙な活動を強いられている。2018年に航空自衛隊のスクランブル発進は各四機体制で900回を数え、連日3回近く発生している。特に中国機の動きが活発となっているためF-15Jは機体耐用時間を急速に減らしており、領空接近事例の全数対応を断念せざるを得なくなった。
通常の哨戒飛行や訓練でも危険はつきものだ。1983年から2011年にかけF-15Jの喪失は十数機を数え、うち1988年には2機が空中衝突した。1998年には模擬空戦で僚機が誤射したサイドワインダーミサイルで一機が墜落したがパイロットは無事射出脱出している。
ほぼ半数のF-15MJはばらばらに改修を受け、強力なAPG-63(V)1レーダーへの改装、Link-16で米軍との共同作戦能力が実現し、F100-PW-220ターボファンエンジンにデジタル制御をつけた。
一部機材だが赤外線捜索追尾(IRST) ポッドを機首につけヘルメット搭載視野表示と連結させAAM-5(AIM-9Xサイドワインダーとほぼ同等)を運用する。AAM-5は推力偏向式で急角度飛翔が可能で発射後のロックオンも必要に応じ可能だ。IRSTはレーダーより有効範囲が短いが高精度で中国の新型J-20のようなステルス機に有効だ。
残る半数の初期生産型F-15SJは改修を受けておらず、今でも高速かつ大量搭載能力があるとはいえ、センサーや兵装システム、防御用エイビオニクスを欠くため状況認識能力や有効攻撃射程で中国の最新鋭機材に見劣りがする。例としてF-15SJは旧式AIM-7Fスパローミサイルを発射し標的に命中するまでレーダー照射し続ける必要があるが、AAM-4なら撃ちっぱなしですむ。
航空自衛隊はイーグル機材のうち古い半分を処分してF-35百機超の購入資金捻出を狙うこととした。F-35が現在の任務には最適化された機材といえないとしても。
2018年12月に日本はF-15SJをF-35A、F-35Bの計105機に更新するとの報道が出た。先に発注した42機のF-35はF-4EJファントムの更新用機材の位置づけだった。ただF-35は高価なため旧式F-15SJを米国に買い取らせ、その後「東南アジアの某国」に再販売するとの内容だった。
F-35のステルス性の象徴たるレーダー断面積の小ささと強力なネットワーク型センサーで敵機を先に探知し交戦する能力が実現した。この点でF-15と大きく異なる。ただし、ライトニングは防空任務より攻撃機として敵防空網の突破をねらう機材であり、F-35の飛行半径はF-15の半分でステルスモードではペイロードも限定され、速力も三分の二程度のマッハ1.6にとどまる。このためF-35Aは高性能戦闘機や地対空ミサイルの脅威に生存性は高いもののF-15J後継機として理想的とは言えない。
迎撃任務の課題にさらに問題を投げかける形で日本国内で組み立てたF-35A一号機が4月9日に太平洋洋上で訓練中に墜落した。F-35の機体喪失として二例目だが事故原因は現時点で不明だ。
日本はF-22ラプターのようなステルス制空戦闘機導入を長く希望していたが、報道によればF-22/F-35ハイブリッド機材の検討はあったが中期防衛力整備計画で海外提案は棚上げし、F-3ステルス戦闘機開発を進めるとある。
F-3は予定通りに開発となれば2030年代中頃の供用開始となる。そこで2018年に日本は500百万ドルでF-15MJ改修を発表し、まず89百万ドルで試作型2機で改修を始める。計画ではAAM-5運用能力、Link-16データリンク、IRST以外にも新技術導入を全機に均一に搭載するとある。そのひとつにAPG-63(V)3アクティブ電子スキャンアレイ (AESA) レーダーの導入が考えられ、米空軍のF-15Cと同等になる。AESAレーダーは強力な性能がありながら妨害に強く従来のレーダーより優れる。
F-15は兵装運用能力も強化し、新型四本ミサイルラックで現行の8本が最大18本(四本ミサイルラック4個と短距離ミサイル2本を翼端につける)に増える。これで六対一といわれる中国の数的優位性を覆す。
またF-15MJではAGM-158JASSMステルス巡航ミサイル運用能力も実現すると発表されている。射程230マイルのスタンドオフ兵器で敵防空レーダーにホーミングし破壊する装備だ。JASSM調達で専守防衛から一転して対地攻撃能力が加わり、中国や北朝鮮の弾道ミサイルを狙う意図が見える。日本には有人機より弾道ミサイルの脅威が大きい。そこまで高価でないその他の空対地兵装やジャミングポッドが導入されればF-15Jは真の多用途機になる。.
今後日本運用のF-15機材数は急速に縮小するはずだが、残るF-15MJの改修で能力の幅が広がる。日本のイーグルは今後二十年間にわたり安全保障戦略上で重要な役割を果たすはずだ。■
Sébastien Roblin holds a master’s degree in conflict resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing, and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring.
Image: Wikimedia Commons

2019年4月14日日曜日

開発中と言われる極超音速SR-72は実現すれば無人爆撃機にもなる



The Super Secret SR-72 Spy Plane (That Might Also Be a Stealth Bomber) 

極秘SR-72スパイ機はステルス爆撃機にもなるのか

Could this be the real deal? Will it actually happen? だが実現できるのか
April 8, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: SR-72SR-71MilitaryTechnologyWorldStealth


ッハ5で飛行可能な極超音速兵器が世界の国防産業界のはやり文句になっている。中国、ロシア、米国の各国が開発に注力しており、軍備装備の開発を巡るレースに火を注ぐ効果を生んでいる。
長距離弾道ミサイルでは発射後短時間で極超音速に達するが、かわりに飛翔軌跡が予測可能なため事前に探知され相手側に軍事上政治上で対応策を打つ時間が生まれる。さらに弾道ミサイルの迎撃能力を備えた装備品が増えてきた。
だが2013年にロッキード役員のロバート・ワイスがAviation Weekに極超音速機を開発中と話し波紋を呼んだ。しかも伝説のSR-71ブラックバード・スパイ機を想起させるSR-72の名称に触れたのだ。
ブラックバード並の巡航速度を長時間持続できる有人機はない。SR-71はミサイルが届かないまま北朝鮮や中東で写真偵察を行ってきた。だが最新の地対空ミサイルの前にマッハ3でも生き残りが難しくなっている。だが極超音速機なら再度ミサイルを出し抜くことが可能となる
SR-72はロッキードの説明ではマッハ6の飛行が可能という。ロケット推進方式のX-15テスト機はマッハ6.7まで達したが、B-52母機から切り離され飛翔していた。SR-72は低速での離着陸をめざす。
ワイスは「...技術は成熟しておりDARPAや軍とこの性能を実働部隊に一日も早く提供しようと懸命になっている。大日程や詳細はお話できない。全て機微情報だ....大まかなお話はできるが細かい部分には触れられない」と述べた。
ロッキードはエアロジェット・ロケットダインと複合サイクルエンジンで突破口を開いたと言われ、タービンとスクラムジェットを使い分ける。極超音速飛行時はスクラムジェットを使う。ターボファン、スクラムジェットが空気取り入れ口、排出口を共用する。
ワイスは任意で有人操縦可能な全長60フィート(ジェット戦闘機並の大きさ)単発テスト機の製造に「わずか」10億ドルの予算をつけてもらいたいとの希望を示した。ここから双発で全長100フィート超のSR-72を開発するとしていた。
ワイス発言から6年が経過したが、ロッキードは本来なら一般に紹介できないはず秘密開発案件の割には異常なほど関心を集めようとしている。その一環でSR-72開発用の試験機は完成ずみとも聞こえる発言が出ている。
その例として2018年の科学技術学会で同社副社長ジャック・オバニオンが「(三次元設計技術の)デジタル化がなければ製造は不可能だったろう。五年前の技術では実現できなかった」と述べたが、執行副社長オーランド・カバルホはFlight Globalに「(SR-72は)未完成と断言しておく」としオバニオン発言は「違う文脈から」の引用だというのだ。
ロッキードの極超音速機の大々的宣伝で実機が存在するのかしないのかあえて不明にしているのは追加予算獲得が狙いなのは明らかだ。同社が共同開発に当たる相手の国防高等研究局(DARPA)は画期的技術の開発に特化し空軍の要望に答えるよりも時代の先どりをしすぎる傾向がある事で知られる。
米空軍も極超音速機の運用は長期課題としながら、近い将来に必要となるのはF-35ステルス戦闘機多数(これもロッキード製品だ」と今後登場するB-21レイダーレイダーステルス爆撃機だ。空軍としても希望機材全ての調達はできないと自覚している。その中で非常に高額で先端技術の塊ともいえる構想に予算を確保するのは容易ではない。
ブラックバードの呼称SRは戦略偵察の略で防空体制の整備された空域に進入し地上の状況を迅速に撮影するのが役目だった。だがSR-72の名称には誤解を与える余地が多々ある。
極超音速SR-72が無人航空機UAVとなるのはほぼ確実だ。言い換えれば通常は「Q」の制式名称がつく無人機だ。どこまで人間の介在が必要となるのか、事前プログラミングによる飛行制御と自律飛行の組み合わせなど興味深い点は多い。
さらにSR-72には情報収集監視偵察(ISR)任務以外に事前探知されずに目標を攻撃する能力もつくはずだ。いいかえれば爆撃機だ。時速4千マイルで飛行すれば極超音速爆撃機が米大陸内の基地を離陸すれば太平洋や大西洋の彼方の目標に90分で到達できる。極超音速ミサイルとちがい、基地に戻り次の再搭載し任務投入できる。
ワイスは当初からSR-72に「攻撃能力も念頭にある」と発言していた。SR-72は迅速汎地球攻撃構想から生まれロケット推進式のファルコンHTV-3極厚音速テスト機が開発の原点とされる。
だが極超音速爆撃機兼スパイ機に費用対効果があるのか議論が分かれる。まずステルス性能の欠如は確実で、そもそもこれだけの速度で飛行すれば熱発生は各種センサーに明示され、レーダー波吸収剤も空気摩擦で消失する。敵勢力にも同機の飛来は判明するはずだが、対応時間が限られる。
現時点の防空ミサイルの性能は超えているとはいえSR-72の存在で地対空ミサイルの性能向上にはずみがつき極超音速機対応も生まれるだろう。SR-72爆撃機ではこれだけの高速度で運用可能な新型兵装の開発も必要で高額な予算投入につくだろう。
ブラックバードが引退しても後継機が登場しなかったのはスパイ衛星の性能向上でそのISR機能が微妙になったこと以外に低速ながらステルスの長距離無人機としてRQ-170が登場した事が大きい。ブラックバードは高度防御体制の空域に進入できるが、ステルス無人機ならスピードは遅くても同じ機能を確実にこなし、対象地点上空の滞空時間も長く、リアルタイムで映像を数時間送れる。ペンタゴンが長時間飛行可能な超ステルス機RQ-180の開発をノースロップ・グラマンに発注したのは同機でSR-72の機能を実質的に果たせると考えていることを思わせる。
SR-72推進派には「スピードがステルスの新しい定義だ」との声があり、今後登場するネットワーク化センサー装備でステルス機の生存は不可能となるとの予想がある。機体防御策がふたたび速度になるというのだ。ペンタゴンがあらゆる形の極超音速兵器に関心を寄せていることからロッキードの極超音速UAVに追加予讃措置が付く可能性もある。しかし、ステルスを中心に捉える空軍の価値観からすれば困った状況になりそうだ。■
Sébastien Roblin holds a master’s degree in conflict resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing, and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring.

Image: Lockheed Martin.

2019年4月13日土曜日

航自F-35捜索にU-2も投入

コメントは下にあります。


High-altitude US recon plane joins search for F-35 and missing Japanese pilot 

F-35捜索に米軍が高高度偵察機を投入




U-2 ドラゴンレイディ偵察機がアラブ首長国連邦アル・ダフラ航空基地で発進に備えている。 March 15, 2019.GRACIE I. LEE/U.S. AIR FORCE

By SETH ROBSON AND HANA KUSUMOTO | STARS AND STRIPES
Published: April 12, 2019


YOKOTA AIR BASE, Japan —
4月12日、在日米軍は米空軍所属U-2ドラゴンレイディ戦術偵察機が消息不明の航空自衛隊細見彰里3等空佐操縦のF-35AライトニングII戦闘機を捜索に投入したと発表した。

同機は9日午後7:30ごろ三沢航空基地の東方およそ85マイル地点で墜落した。捜索で機体の左右方向舵を事故発生から二時間後に回収したと航空自衛隊が発表している。

今回の事故はF-35Aで世界初の喪失事故となった。海兵隊所属のF-35Bでは昨年9月にサウスカロライナ州内の海兵隊航空基地近くで墜落事故が発生している。

細見3佐は飛行時間3,200時間のベテランでF-35Aでは60時間飛行していると航空自衛隊が10日に発表している。

米海軍は捜索救難に艦艇一隻と哨戒機一機を派遣した。

「日本政府の要望により米軍は日本主導の捜索活動を支援していく。このためUSSステサム(誘導ミサイル駆逐艦)、P-8Aに加えU-2の支援も提供する」と在日米軍広報官ジョン・ハッチンソン空軍大佐がメールで知らせてきた。

航空自衛隊はUH-60Jヘリコプター、U-125を計11機を投入し、海上自衛隊も艦艇及び航空機による捜索を事故直後から展開している。海上保安庁も艦艇を現場に派遣した。

「在日米軍司令部は第五空軍と連絡調整を密にし日本政府の要請に応え米軍SAR活動を自衛隊と分担しておこなっている」

「在日米軍は防衛省や自衛隊各部隊と連携し捜索救難支援を続け、機体改修も要請あれば対応する」(同大佐)■


一日も早い発見を願わずにいられませんが、これを機に安全保障に無知な向きからためにならない主張が出てこないか心配です。しかし、相変わらずメディアではF35などと平気で記述していますなあ。

2019年4月12日金曜日

難航する新型空母USSジェラルド・フォードの艦隊編入

USS Gerald Ford Delivery Delayed Due to Extensive Nuclear Propulsion, Weapons Elevator Repairs; Carrier Won’t be Ready Until October 

USSジェラルド・フォードの海軍引き渡しは原子力推進系、兵装昇降機の修理でさらに延期のため10月に変更か

March 26, 2019 6:14 PM

AAG装備を用いた初の空母着艦にF/A-18Fパイロット、ジェイミー・R・ストラック少佐がヴァージニア沖合を航行するUSSジェラルド・R・フォード(CVN-78)で成功した。 US Navy Photo


定外の問題がUSSジェラルド・R・フォード(CVN-78)の補修作業で発生し艦隊編入が三ヶ月遅れて10月になると海軍当局が下院軍事委員会で明らかにした。

慣らし運転期間post-shakedown availability (PSA)中に初の海上航行で見つかった問題を解決し乗員も建造中の問題を把握するはずだった。PSAを12ヶ月とし2021年に就航予定としていた。

だが原子力推進関係ならびに高性能兵装昇降機で修理が思ったより時間がかかるためさらに遅れると海軍調達部門トップのジェイムズ・ジューツが下院軍事委員会シーパワー兵力投射小委員会で述べた。

「海上公試中に原子力推進系で問題が見つかり、試運転後調整を全て完了し昇降機を改修すると相当の時間がかかります。ということで10月は今のところすべてうまく行った場合の目標ですがその後乗員の習熟訓練が入ります」

小委員会のロブ・ウィットマン議員(共、ヴァージニア)からは自身でハンティントンインガルス工業のニューポート・ニューズ造船所を訪問し同艦の工事状況を聴取し、7月の予定が困難と聞いたと発言があった。

「現場作業員と話すと工期とくに慣らし運転後の改修に不安を感じているとわかった」(ウィットマン)

昇降機の問題は以前も指摘されており、よく知られている。フォード級では航空機発進回数をニミッツ級より25-30パーセント増やすためにも11基ある昇降機の機能が鍵をにぎる。

昇降機に信頼性上の問題が見つかり、主にソフトウェアの問題とUSNI Newsは理解している。二番目の昇降機が今月初めに納入された。

推進系問題はそれほど知られていない。2基搭載ある原子炉ではなく原子炉で生む蒸気で回す主タービン発電機の問題だ。

修理作業に詳しい筋はタービン発電機2基で修理は想定されていなかったが修理は大規模になると述べている。これは乗員が公試中に見つけた問題だ。

昨年5月、フォードが予定を早め帰港したのはPSA前に技術問題に遭遇したためだった。

「設計変更と関係する問題が推進系で発生し、帰港して海上公試前に調整の必要が生まれた」(ジューツ)

ハンティントンインガルス工業は3月26日にUSNI Newsに「現在海軍とともに空母USSジェラルド・R・フォード(CVN-78)の引き渡し新日程を調整中」と伝えてきた。■

2019年4月11日木曜日

B-21は予想より早く登場する.....?

各種ソースや公開、非公開情報を駆使する米メディアでさえ正体が一向にわからないB-21が突如目の前に現れる日が来そうです。そのときにB-2類似と言われる機体の外観が本当にそのとおりかわかることになりそうです。ステルス機技術が進化しますが、真のステルスはB-21のみになれば、今後は派生型として電子攻撃特化型、特殊作戦用、あるいは「ミサイルトラック」としての「重武装」機として戦闘機の概念を覆す機体も登場してくるかも知れません。

The New B-21 Stealth Bomber: Flying Much Sooner Than Expected? 

新型ステルス爆撃機B-21は予想より早く飛行開始になるのか

April 5, 2019  Topic: Security  Blog Brand: The Buzz  Tags: StealthB-21MilitaryTechnologyWorldB-2

空軍はB-21の重要設計審査を完了したようだ。2020年代中頃に新世代ステルス爆撃機が戦力化される見込みが強まってきた。開発の進展は空軍が目指す調達「加速化」の重要な成果のひとつなのかもしれない。
B-21の調達大日程や詳細面が話題に上ることはないが、空軍の調達年間報告書2018年度版で「爆撃機」とだけ記述のある調達加速化戦略の一例が見つかる。空軍上層部はWarrior Mavenに重要設計審査が進行中と伝えており、空軍長官ヘザー・ウィルソンは2020年代の供用開始に開発は順調と報道陣に述べている。空軍は手続き簡素化による試作製作・開発を目ざしており、新型ステルス爆撃機にも影響が生まれているようだ。
「従来の調達方法では爆撃機から毛布まですべて買ってきた。だがこのやり方では全事業に完璧対応は不可能。このやり方では最前線に肝心の解決策が届かなくなる。厳正な内部点検で事業を見直せば調達業務の無駄を省くことが可能のはずだ。次代の空軍装備はもっと迅速かつ効率よく配備でき、試作、実証含め調達が個別に最適化されていく」との報告がある。
ロシア、中国の防空体制強化で既存機種のB-2では対応が難しくなると見られる中、新規ステルス技術に大きな期待が寄せられている。コンピュータ性能の向上、デジタルネットワーク技術や標的捕捉能力の向上で一部ながらステルス機捕捉が従来より向上してきた。だがB-21ならこの課題を念頭に新世代ステルス機として敵防空体制を突破し今後長期に渡る供用が可能となる技術が盛り込まれる。
ロシアのS-300やS-400対空ミサイルはデジタル技術とネットワーク「ノード」で追尾標的データを交換しつつ広域で効果を発揮する設計だ。新しい防空装備に高性能指揮統制機能が加わり従来より広範囲の周波数での敵機探知が可能となる。このためB-2では対応が難しくなりつつあり、B-21でさえ将来は厳しくなるとの見方さえある。このため開発部門、兵装技術専門家等が同じメッセージを出している。空軍はこれから登場するB-21爆撃機に相当の投資をすべきというものだ。
とはいえB-2も一度に性能の限界を露呈して姿を消すわけではない。同機は改修中で、演算能力は千倍に引き上げ、自機防御管理装備のセンサーで敵防空体制が認識可能になれば今後も運用可能だ。
ミッチェル研究所の論文「ステルスの必須条件」が新世代ステルスの「必須条件」に触れている。
主な内容には空軍高官の発言としてステルス技術はB-21でさらに前進し、「世界いかなる地点をいかなる時にも標的に」捉えることが可能となるとある。
一般的にいえば、改善対象には機体形状の極限化と排熱処理の改良で敵探知から逃れることがあるはずだ。機体端部の処理、排熱の削減、パイロンに兵装を吊るさないこと他でレーダー信号は接近してくる爆撃機の正体を電磁的につかめなくなる。光の速度は既知なので電磁信号の移動時間からコンピュータで敵機の正確な距離を探知する。
ただし、ステルス機の場合は返ってくる信号がまったくない、あるいはいかなる既知機体のものとも異なる。ステルス機は敵レーダーでは鳥あるいは昆虫程度にしか映らない。
「レーダー探知されても追尾追跡があり、データ転送で交戦すべくミサイル発射する際には小型レーダーを使います。迎撃側は低視認技術の影響を免れません」とミッチェル航空中研究所所長デイヴィッド・デプチュラ退役中将は語っていた。
ステルス機迎撃を難しくする要素に電子戦「ジャミング」防衛もあり、悪天候下でも音響信号を引き下げて他のステルス性能劣る機材による攻撃を可能とし敵防空体制の注意を集める効果もある。
EWが突出する理由として新規装備が敵脅威の登場に応じソフトウェアアップブレードが迅速に行える設計になっていることがある。このためB-21のEW能力はミッチェル研究所の論調と同様に周波数多数を駆使する敵防空体制の上を行く技術を盛り込むことになりそうだ。
米空軍発表のB-21想像図では飛行制御用の尾翼がない。尾翼があれば側面からのレーダー反射となり、B-21のRCS(レーダー断面積)は前方後方に加え側方も減るのであらゆる角度からの探知が困難になるとミッチェル研究所も指摘している。
RCSついででいうと「レーダーとレーザー断面積の処理技術」との表題の技術論文がAerospace Research Centralにあり、新しい塗装技術に『レーダー吸収剤と人工メタマテリアル」があるとしている。
IRや熱特徴の削減に向けた新技術はエンジンと排気口の配置とも関連する。エンジンは機体内部に搭載視排気パイプが機体上部につくが排気そのものは大幅に減る。これはB-2と同様と同上論文は指摘している。
こうした新規技術要素からこれからの戦闘での脅威への対応策で共通認識が生まれており、B-21が今後の敵防空網を突破可能な唯一の機材になる可能性が見えてきた。スタンドオフ兵器が敵防空装備を破壊し、ピンポイント攻撃で絶対必要条件となるだろう。だがEW装備ではスタンドオフ兵器運用機材より接近した地点での運用が必要だ。
B-21は技術を常にアップグレード可能の前提にする。このことはソフトウェア、センサー、兵装、コンピューターやエイビオニクスの新型が登場すればすぐ搭載できることになる。■

Kris Osborn is a Senior Fellow at The Lexington Institute. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army - Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He also has a Masters Degree in Comparative Literature from Columbia University.

2019年4月10日水曜日

欧州の安全保障でドイツの現状が要注意

コメントは下にあります。

Why Germany Should Further Boost Defense Spending, and Why It Probably Won’t

国防予算を増やす必要があるのにドイツがおそらく増やさない理由とは
Also: why the Trump administration should shut up about it.

German Army soldiers dismantle a bridge over the Neris river during the NATO military exercise 'Iron Wolf 2017' at the village Stasenai, some 130kms (80 miles) west-north of the capital Vilnius, Lithuania, Tuesday, June 20, 2017.

BY FRANZ-STEFAN GADYREAD BIO
MARCH 19, 2019



ランス大統領エマニュエル・マクロンが3月4日にヨーロッパに挑戦状を突きつけた。新しい「欧州ルネサンス」として国防予算増加とともに防衛安全保障の新しい条約整備を提起したのだ。さっそくドイツから賛同の声があがった。中道右寄りキリスト教民主同盟党首アンネグレート・クランプ=カレンバウアーも提案5点を発表した。「欧州空母」建造や欧州戦略機構の再構築でグローバル規模の安全保障と平和の守り手になるという内容だった。

ただしクランプ=カレンバウアー構想が象徴的以上の存在になる可能性は当面ない。マクロンには悪いニュースで欧州の雄たる仏独両国への支援がないと政治改革も不可能となるからだ。

ドイツにも悪いニュースだ。軍事冒険主義と全体主義国家の過去に未だにとらわれている同国政界は軍事力への慎重な姿勢がなかなか見直せない。だが世界は新段階に入ろうとしており、米中ロ三大国がむきだしの権力抗争に向かう。欧州はその中に挟まれ、ドイツが「世界内政治」と称してきた「軍事力行使を厳しく制限しつつ仲裁には正統な根拠を認める国際間のしくみ」が急速崩壊する可能性が出てきたのだ。

ドイツは簡単に納得しない。2018年9月の世論調査でドイツ国民の43パーセントが国防予算増を支持したが、55%はトイツは国際紛争でこれ以上の外交軍事両面の役割を果たすべきでないと回答した。

ドイツ国民は軍事力に大きな関心を示さない。ドイツの地方レストランで地元民に話してみればいい。戦争とは過去の戦争、第二次大戦のことであり将来ドイツで発生する戦闘は想定していない。

アフガニスタンにドイツ連邦軍が派遣されているが報道に登場することは稀だ。戦争とはどこか別の場所の話で国内の安全と無関係というのだ。

クランプ=カレンバウアーもその他ドイツ政治家同様にフランスが主張する軍事面で強い欧州の主張に加わり各国が「強硬な外交政策を志向」する「戯れ」が発生しない主張を口にするもののこれまでは言行不一致だった。

その好例がドイツ蔵相オラフ・ショルツで国防予算増に反対姿勢をくりかえし示している。だがその姿勢ではNATO加盟国で合意ずみの2024年までに経済規模の1.5パーセント相当を軍事費に計上する約束を実行する意思がドイツにあるのか疑問となる。

ショルツは社会民主党員でCDU、キリスト教社会連盟と連立政権を組んでいる。同党はドイツの国防姿勢・政策の大変更に一貫して反対しており、とくに防衛装備輸出に強く反対している。その例がトーネード戦闘機で85機が2025年から退役するが後継機選定を先送りしている。一部機材はNATO核戦力共有によりドイツが管理する核弾頭を運用する。後継機種が決まらないとNATO核戦力におけるドイツの影響力は消えてしまう。
ドイツの歴史をみれば軍事力行使含めたドイツ外交力の増強と国防予算増が必要な理由が見えてくる。

まず米主導の自由体制の動きが鈍いことで世界はさらに危険な場所となり、安全保障と経済の両面への影響が必至だ。ドイツ経済は輸出に大きく依存している。2018年の財の輸出は1.547兆米ドル。米海軍が海洋支配機能を失えばドイツ海軍では人員装備ともにそのかわりは務められず、ドイツの経済活動に重要な海運の防御はできない。

次にドイツ国内でINF条約終了の議論が不在であったのはドイツ、欧州の安全保障の仕組みに驚くほど理解がないことのあらわれだ。通常戦力核戦力双方による抑止力機能、国防予算の増額、軍事対応力の向上は自動的に戦争につながるものではなく実は敵対勢力が強硬手段に出るのを防ぐ意味があるのに理解されていない。連邦軍の実力が伸びれば大規模戦にドイツが巻き込まれるリスクも減る。

三番目にロシアはじめとする現状変更勢力はドイツの安全に現実の危険となっている。プーチンの外交目標はふたつ、NATOとEUの解体だ。2つともドイツの安全を支える屋台骨である。このためドイツとロシアはパートナーになりえない。軍事面で弱いドイツはバルト海沿岸でロシアを勇気づけてしまう。

四番目にドイツ連邦軍は安定化任務の枠を超え海外戦闘も視野にいれるべきだ。その例としてアフリカや中東で国家破綻の状況が生まれれば危機連鎖を防ぐ、あるいは欧州へ向かう難民に対応する必要があるはずだ。

最後にドイツ政界は通常戦力を充実したドイツ軍によりNATO内でドイツの交渉力が強まる事を忘れてはならない。これにより欧州全体もトランプ政権への交渉力が強まる。(米政府が口出しをやめればドイツはNATO支出目標に向かう。ドイツが2024年までに2パーセント支出目標は達成できない言うのを聞いた米大使が『受け入れがたい』と発言したのは逆効果だった。ドイツで大変不人気なトランプも国防支出を増やしているメルケルが持ち上げたのは逆効果だった。)

それでも現在の地政学的環境で軍事力増強を進める必要性を同国が理解し始めた兆候もある。2018年の世論調査でドイツ人の最大の恐怖としてトランプ大統領と危険度をます世界情勢を70パーセントが上げた。フランスとドイツは次期主力戦車、次世代戦闘機を共同開発中だ。また汎欧州防衛構想の各種仕組みづくりでも協力しており、アーヘン条約で定めた防衛への取り組みをともに再確認した。

ドイツ政界はマクロン提案の機会をとらえ、国防予算を増やし主張できる外交防衛戦略を展開すべきだ。これができないとドイツの安全保障は脆弱となり、ドイツ経済が弱くなるだけでなくこれまで守ってきた欧州の平和が危うくなる。■

一昨年辺りからドイツ軍の窮状が伝えられ、(まともに稼働出来る装備が減少、F-35導入を主張した空軍トップが更迭された等)どうしてこうなるのかと疑問に思ってきましたが、やはり政治が悪いのですね。日本でも現実に目を向けず夢想的な世界観を持った政治家は多いようですが、政権党がこれでは困りますね。しかし政治家を選挙で選んだのは国民なのでつまるところ国民の資質というか意識なんでしょうね。日本も偉そうなことは言えませんが、2010年代に入りこれまでと安全保障面でも現実世界に即した意識に目覚めてきた人が多い気がします。ドイツの動向には今後も注視していきます