2022年12月14日水曜日

新規製造砲弾が払底してきたロシアは不安定な経年弾薬備蓄に手を付け始めた。その他ウクライナ戦の最新状況(現地時間12月12日現在)

Russian Ministry of Defense photo

 

新規製造弾薬が不足しているロシアは、40年前製造のロケット弾や砲弾に頼ることが多くなっていると、米国防総省が発表


 

国防総省によると、ロシアは9カ月以上にわたるウクライナ全面戦争で新兵器の在庫が枯渇し、劣化し、場合によっては40年以上前製造の、取り扱いに危険がある砲弾やロケット弾に依存度を高めているを高めているという。

 国防総省が「完全に使用可能」と呼ぶ、あるいは新しい砲弾やロケット弾のロシア在庫は、おそらく来年初めまでもつだろうと、米国防総省高官が月曜日、記者団に語った。

 

 

 しかし、在庫は「急速に減少しており、劣化したと思われる状態の弾薬をますます使用せざるを得なくなっている」と、高官は匿名を条件に語った。「このため、ロシア軍は本質的に、故障率の増加や予測不可能な性能、劣化弾薬に改修が必要かどうかなど、どのようなリスクを受け入れるかを選択しなければならない立場に置かれている。

 ロシアが古い弾薬に依存することで、不発弾、あるいはそれ以上の事態を招いていると、この関係者は言っている。

「弾薬を装填し、指をくわえて、発射されることを祈るだけだ。「どこかに落ちて爆発するように」と。

 

Russia is running out of new munitions the Pentagon said on Monday. (Photo by Leon Klein/Anadolu Agency via Getty Images)

 

 ロシアは「老朽弾薬備蓄を引き出しており、40年以上前製造の古い弾薬を使用する意思を示している」と当局者は述べた。

 その結果、「ロシア軍は、外国の供給業者や国内生産の増加、改修を通じ、使用可能な大砲やロケットの弾薬を補充するのに非常に苦労することになる」という。

 ロシアはイランと北朝鮮に目を向け、「信頼できる弾薬を手に入れようと」していると、当局者は述べた。

 しかし、ロシアはイランに短距離弾道ミサイル(SRBM)の提供を頼ることはできなくなるかもしれない。ウクライナ情報当局によれば、先月に予想されていたことである。

 イランは国際的な反発を恐れ、「ウクライナ戦争でロシアに提供する予定のミサイルの射程距離を制限しようとしている」と、イスラエルの4人の高官が、情報機関の報告を引用してアクシオスAxiosに語っている。

 米国の立場は、イランからロシアへのこのような武器移転は、国連安保理決議2231号に違反するというもので、とりわけイランの核、弾道ミサイル、武器移転は国連の承認が必要としている。

 アクシオスによれば、「イランはロシアに射程300km未満のミサイルのみ提供し、他のミサイルは決議の範囲内に収まるよう修正する計画だ」とイスラエル政府高官は語った。

 これには、射程300kmのFateh-110ミサイルシステムが含まれるが、このレポートによると、「イスラエル当局者によると、イランは、決議に違反しないように修正する」 という。

 イランは射程約435マイルのゾルファガルミサイルもロシアに送ることを検討していたが、アクシオスによると、その予定はなくなったという。

 ミサイルの輸出戦略を変更したという今回の報道が正確であると証明されるのを待つ必要がある。

 一方、英国のベン・ウォレス国防相は月曜日、米国と同盟国が提供するM142高機動砲ロケットシステム(HIMARS)およびM270多連装ロケットシステム(MLRS)用の誘導多連装ロケットシステム(GMLRS)より長距離の弾薬をウクライナに送ることを否定していないと明らかにした。

 これまでのところ、すでに戦場に大きな影響を及ぼしているこれらの発射台は、M30A1およびM31A1 227mm精密誘導ロケットを発射し、それぞれ高度な破片弾と統一高火力弾頭を備えている。両タイプとも最大射程は少なくとも約43.5マイル(約70キロメートル)とされている。

 しかし月曜日、ウォレスは、ロシアがウクライナの民間インフラを攻撃し続けるなら、英国がウクライナに提供するシステムについて「オープンマインド」を保つだろうと述べた。

 このような攻撃は「ジュネーブ条約含むすべての法規範に反する」ものであり、「戦争犯罪であるだけでなく、処罰されずに終わることのないようにしなければならない戦争犯罪である」と述べた。

 「ロシアが民間地域を狙い続け、ジュネーブ条約を破ろうとするならば、私は次にどうするか、心を開くつもりだ」。

 彼が言っていることが具体的に何なのかは明確ではない。空中発射式の高度兵器ストームシャドウと、潜水艦から発射するトマホーク巡航ミサイルだけが、すぐに思い浮かぶ。トマホークは非売品だし、ストームシャドーは何らかの形でウクライナに提供されれば、能力が大きくエスカレートする。

 

最新情報

戦場では、ドンバス地域の近くで「特に激しい戦闘があり、ロシア軍はバフムト市を奪取しようと攻撃的な地上作戦を行っている」と米国防省高官は述べた。戦闘は依然激しく、ロシア軍は少しずつ領土を獲得しているが、ウクライナは戦闘で荒廃したバフムトを保持し続けている。

 「ロシアはここしばらく、同地域に兵力と装備を投入しており、非常に力を入れていた」と同高官は語った。「それは、ハリコフやケルソンで起きているウクライナ反攻と同時進行していた。そこで激しい戦闘が行われていることは、必ずしも新しいことではないが、何らかの理由で、ロシアがこの特定地域を優先しているのを我々は見続けている。先ほど申し上げたように、ロシアは少しずつ領土を獲得しているが、それほど多くはない。しかし、ウクライナは攻撃を受けている都市を守り続けている」。

 バフムト攻撃は高いコストで行われ、「ロシアがこの作戦を遂行する方法」に合致していると、当局者は述べた。「彼らの戦闘方法は、重砲による攻撃と、戦力の投入である。数字で示すことはできないが、かなりの死傷者が出ているという報告が来ている」。

 「一方、ハリコフ、ケルソン地方では、ロシア軍が防衛線を強化する一方で、ウクライナ軍はこれまでの利益を強化し続けている」。と当局者は述べた。

 以下は、Institute for the Study of Warの最新評価から得られた重要な点である。


  • ロシア国防省(MoD)は12月11日、ヴァレリー・ゲラシモフ元帥が参謀総長の職を辞任または解任されたとのうわさを否定した

  • ウクライナとロシアの情報筋によると、ルハンスク州のスバトベ・クレミンナ線とドネツク州のライマン付近で、悪天候の中、戦闘が続いている

  • ロシアのミルブロガーは、ロシア軍がケルソン方面からクピャンスク方面へ200個以上の装備を移送したと主張し、ジオロケーション映像ではルハンスク州でロシアのT-90戦車が西へ向かったという。ウクライナ政府関係者は、より大規模なロシア軍集団は現在脅威ではないと述べている

  • ロシアとウクライナの情報筋によると、ロシア軍はバフムト周辺で戦闘を続けながら、わずかな領土を獲得した。ウクライナ軍東部グループ報道官は、ロシア軍は攻撃行動に大隊戦術グループ(BTG)から、より小規模の攻撃グループに戦術を変更したと述べた

  • ロシアとウクライナの情報筋によると、ウクライナ軍は、ロシアの主要兵站線に沿ったケルソン州のスカドフスク、ホラプリスタン、オレシキー、ノバ・カホフカを攻撃した

  • ウクライナ当局によると、ロシア占領当局は、占領下のウクライナで強制動員措置を強化した

 

 ロシア軍は、2014年から占領中のクリミア半島でも掘削を続けている。最近まで観光客のホットスポットだったクリミアのウォーターフロントでは、最近、ロシア軍による塹壕建設が進んでいる。ウクライナ当局はクリミア奪還の意図を公言しており、最近になってドローンや破壊工作の攻撃が相次いでいる。明らかに、ロシアは海からの襲撃の可能性に備えている。

 ロシアの宣伝マンで戦争犯罪人のイゴール・ガーキンでさえ、ロシアの要塞がウクライナの進撃を食い止めるられるか疑念を抱いている。

 クリミアへの最終攻撃ルートは、東側からザポリジャー州を経由する可能性があり、そこがウクライナの次の反撃の標的になる可能性がある。そのためか、ロシアが占領していた同州のメリトポリが攻撃を受け、破壊された橋の映像が初めてSNSに登場した。

 メリトポリでは、ホテル内のワグネルグループの兵舎がウクライナ軍のHIMARSで攻撃され、死者が出ているようだ。BBCによると、ロシア当局はわずか2名と主張し、ウクライナの元市長は「数十名」と主張している。

HIMARSは依然としてウクライナで恐れられている。

 戦車もまだ戦場で主要な役割を担っている。ウクライナ兵器追跡OSINTグループは、ルハンスク州での戦車対戦車の戦闘を撮影した貴重なビデオを公開し、ウクライナのT-64BV戦車がロシアのT-72B戦車をたった1発で消滅させた。

 また、ウクライナはドローンでロシア軍へ精密打撃を続けている。

 ロシア軍も、ウクライナに寄贈された軍用機器を含め、破壊を引き起こしている。

 英国から供与されたマスティフ装甲車3台が最近の戦闘で損傷または破壊されたのが確認された。

 ウクライナに寄贈されたフィンランド製のシスXA-185装甲兵員輸送車のように、両軍の装備品は引き続き捕獲されている。

 ロシアは、動員された予備兵に最も基本的な物資を供給するのに苦労し続けているようだ。

 そして、ロシア軍が物資を手に入れても、それは必ずしも本当に必要なものではないらしい。

 そして最後に、戦争がようやく終わったら、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は、海岸を訪れてビールを飲みたいと言っている。

 少なくとも、この元コメディアンは別の有名なコメディアンにそう言ったという。

 David Lettermanの「My Next Guest Needs No Introduction」の最新エピソードで、そのすべてを聞くことができる。10月にキーウ地下鉄のホームの地下300フィートで行われたゼレンスキーとのインタビューは、月曜日に放送された。■

 

Ukraine Situation Report: Russia Relying On 'Degraded' Ammo Says Pentagon

 

BYHOWARD ALTMAN|PUBLISHED DEC 12, 2022 10:43 PM

THE WAR ZON


ウクライナ向けペイトリオット迎撃ミサイル供与で進展か。イランはロシアに追加弾道ミサイル提供をする模様。

 

US Army

ロシア向けイラン製弾道ミサイルが話題になる中、米国がウクライナにペイトリオット防空システムを送る計画が進んでいると報じられている

 

政府がペイトリオット地対空ミサイルシステムをウクライナに送る最終調整に近づいていると伝えられている。事実ならば、ウクライナの防空・ミサイル防衛能力に新たな大きなプラスとなる。また、ワシントンと同盟国協力国がウクライナへ提供する軍事援助の範囲が大きく拡大する。

CNNは本日、ペンタゴンや他の米政府関係者の匿名情報として、ウクライナへのペイトリオット供与が決定したと最初に報じ、早ければ今週中に正式発表の可能性があると伝えた。ロイド・オースティン米国防長官とジョー・バイデン大統領の署名がまだ必要だが、承認が期待されると報じられている

ペイトリオット・アドバンスト・ケイパビリティ-3(PAC-3)ミサイルの試射。 Lockheed Martin.

このニュースは、ウクライナ大統領府のトップであるアンドリー・イェルマクが先週末に行った、ウクライナとアメリカの国旗、受話器、ロケットなど絵文字だけで構成された不可解なツイートに続いて行われた。もちろん、これは今後納入される可能性のあるペイトリオットとは全く関係ない可能性もある。

しかし、国防総省は先月、ウクライナへのペイトリオットシステム供与を検討中と公に確認していた。ウクライナ政府は、が2月の全面侵攻前から、防空・ミサイル防衛を強化するためにペイトリオット取得を目指してきた。

実現すれば、ウクライナ軍のペイトリオット関連訓練は、ドイツのグラーフェンヴェール訓練場で行われる見込みだ。アメリカ軍はすでに、高機動砲ロケットシステム(HIMARS)含む他のシステムの使用について、ウクライナ人員をグラフェンヴェアーで訓練している。

しかし、CNN報道によると、ウクライナに提案されているペイトリオットの取引の全規模と範囲は不明としている。典型的なペイトリオット砲台は、AN/MPQ-65多機能フェーズドアレイレーダー、必要な射撃統制、通信、その他の支援機器、および最大8台のトレーラー搭載ランチャーを含む。

典型的なペイトリオット地対空ミサイルシステムの構成部品を示す図 via GlobalSecurity.org

さらに、取引が米国の在庫からペイトリオットを譲渡するのか、それとも第三国からシステムまたは何らかの購入を含む米国政府主導の取り決めなのかは明らかではない。ペイトリオットは、米陸軍内で、非常に需要が高く、比較的密度の低いシステムだ。

10月の記者会見で、統合参謀本部議長マーク・ミリー米陸軍大将は、ウクライナへのペイトリオット派遣の可能性について語り、現在多くの米国の同盟国協力国が同システムの異なるバージョンを運用中と指摘した。ミリー発言は、ウクライナの全国的な防空・ミサイル防衛ネットワークの近代化を長期的に支援する米国主導の取り組みに関する幅広い議論の中で出てきた。

11月にはポーランド政府関係者が、ドイツが保有するペイトリオット一部をポーランドに配備するよりも、ウクライナに直接譲渡した方が良いのではと提案した。ウクライナの地対空ミサイルの誤射でポーランドの農場で2人が死亡したと見られる事態を受け、その可能性が浮上し、現在は計画通りに進んでいるようだ。

米陸軍保有のペイトリオットを限定的に提供し、米国の同盟国協力国からの追加システムと組み合わせることで、ウクライナへの移転規模を拡大できる可能性もある。

いずれにせよ、旧型であってもペイトリオットシステムをウクライナに送ることは、現在弾道ミサイル防衛能力をほとんど持たない同国には大きな恩恵となる。昨日、イランからロシアに数百発の短距離弾道ミサイルを提供する可能性について、新たな報道が出ている。

大量のイラン製短距離弾道ミサイルは、防御力を持たないウクライナに大きな影響を与える可能性がある。ウクライナの送電網などは、ウクライナの防空部隊がこれらの脅威の多くを撃墜しているという主張にもかかわらず、ここ数ヶ月、空と海から発射された巡航ミサイルやイラン製の神風ドローンによるロシア攻撃で大きな被害を受けてきた。

ペイトリオットは最新の長距離地対空ミサイルシステムであり、ロシアの航空機、ドローン、巡航ミサイルに対する防御範囲をウクライナに拡大する。あわせて提供されるレーダーによっては、ウクライナ軍に航空早期警戒能力を追加することができ、既存レーダーともネットワーク化される可能性がある。

もちろん、米国製ペイトリオットの契約がまとまり、システムが納入されるまでにどれほどの時間がかかるか、また、十分な訓練を受けたウクライナ要員が実際に運用開始できる時期は不明である。

いずれにせよ、イラン製弾道ミサイルの攻撃に備え、ペイトリオット供与をめぐる米・ウクライナ当局の話し合いは、新たな局面を迎えているようだ。■

 

Deal To Finally Send Patriot Missiles To Ukraine Imminent: Report

BYJOSEPH TREVITHICK|PUBLISHED DEC 13, 2022 3:09 PM

THE WAR ZONE


2022年12月13日火曜日

B-21の奇妙なウィンドスクリーン形状からうかがえること

 


12月2日、アメリカの新型ステルス爆撃機、B-21レイダーが世界に公開された。なかでも、ひときわ異彩を放つ風防(ウィンドスクリーン)に多くの注目が集まった。



 本誌は、B-21レイダーの発表以来、記事やビデオに寄せられたコメントを追跡し、最も頻繁に寄せられる質問に可能な限り対応するよう努めてきた。B-21がB-2スピリットのアップデート版以上の存在である理由についても述べてきた。今回は、レイダーの奇妙な形のコックピットを取り上げ、そのフロントスクリーンが過去の爆撃機となぜここまで違うのかよりよく理解しよう。


2022年12月2日、カリフォーニア州パームデールで行われた式典で一般公開されたB-21レイダー (U.S. Air Force photo)


B-21レイダーの風防はどうなっているのか?


B-21レイダーの変わったウィンドスクリーン配置は、これまで議論の対象になってきたが、正式な声明はほとんどない。B-21レイダーは、B-2スピリットと同様に4枚の窓ガラスを使用しているが、スピリットの4枚の窓はごく普通のものに見える一方で、B-21のはまさにエキゾチックなものになっている。

 B-21コックピットのような曲面構造では、大きな一枚板のフロントガラスを大量生産することは困難であるため、独立した窓数枚を使うことは非常に理にかなう。


(Close-up of B-21 Raider windscreens from Air Force render)


B-21レイダーの前面2枚のフロントガラスは、真正面と上方の視界を最優先した特異な形状をしているようだ。これは、世界中を飛び回るB-21にとって、飛行中の燃料補給がいかに重要であるかを考えれば、非常に理にかなっている。

 また、窓の形状や配置は、飛行中の視覚的な合図への依存を最小限にし、レーダーに探知されないことを重視したデザインを示唆しているのかもしれない。パイロットが空を飛ぶとき、何もない空を覗き込むことなく、計器だけで飛行することは決して珍しいことではない。B-21のウィンドスクリーンは、主に地上でのタキシングと空中給油の際に重要な役割を果たす。



レーダー・リターンに大きな影響を与えるウィンドスクリーン

B-21レイダーのフロントガラス(アメリカ空軍)

 B-2の開発サイクルでは、フロントガラスを完全に省略することも議論されていたことから、空中給油には目視が必要であることは明らかだが、フロントガラスの残りのデザインは、視認性よりステルス性を優先しているようだ。

 ガラス製のフロントガラスやコックピットは、航空機のレーダーリターンに顕著な影響を与えることがある。これは、空軍がF-16のフロントガラスを改良することで、F-16の観測性を低下させるために行った「Have Glass」作戦の第1段階のような取り組みに最も顕著に表れている。第一段階では、戦闘機キャノピーに酸化インジウム錫の薄層を塗布してレーダーを偏向させ、ガラスを通過させるのではなく、パイロットのヘルメットと射出座席の可視部分からのリターンを反射させるものだった。

 ハヴ・グラスIとII(第2段階では、機体の一部にレーダー吸収材を追加)は、F-16全体のレーダーリターンを15%も減少させることができた。

 現時点では、B-21のフロントガラスがプラットフォーム全体のレーダーリターンへの影響を最小限に抑えるような形状になっているとは言えないものの、当初からステルス性を優先させた爆撃機が、フロントガラスのデザインも含めてあらゆる面でステルス性を考慮していることは十分にあり得る。■


What's the deal with the B-21 Raider's crazy windscreens? - Sandboxx

Alex Hollings | December 12, 2022


Alex Hollings

Alex Hollings is a writer, dad, and Marine veteran who specializes in foreign policy and defense technology analysis. He holds a master’s degree in Communications from Southern New Hampshire University, as well as a bachelor’s degree in Corporate and Organizational Communications from Framingham State University.


今週は日本の安全保障で大きな転回点へ。トマホークミサイル導入の内幕。サイバー対抗能力の拡大など発表が控えています

 


Japanese F-2 fighters conduct a joint military drill with U.S.B-1B bombers and F-16 fighters off Japan's southernmost main island of Kyushu on Nov. 5. (Joint Staff Office of the Defense Ministry of Japan/Reuters)


Updated December 12, 2022 at 9:45 a.m. EST|Published December 12, 2022 at 2:00 a.m. EST



ンド太平洋地域における安全保障上の脅威の増大と戦争のリスクに警鐘を鳴らし、日本は戦後前例のない大規模な防衛強化の一環として、米国製トマホーク巡航ミサイルを購入する。日米当局者が発表した。

 同ミサイル購入は日本の長距離攻撃能力を高め、攻撃的な武器を避けてきた長い伝統との驚くべき決別を意味する。また、中国が軍事的近代化を大規模に行い、北朝鮮が核開発を進める中、日本の通常兵器の抑止力強化につながる。

 日本は今月、新しい国家安全保障・防衛戦略の一環として、トマホーク導入の決定を進める。また、の防衛予算を大幅に引き上げ、NATO基準である国内総生産の2%、つまり世界第3位の規模にする。これらの措置は、日本が長年にわたる平和主義の束縛から脱却しようとしていることを示している。


ロシア侵攻をきっかけに、積極的な外交政策を打ち出す日本

「日本は防衛費を抑え、第二次攻撃力を持たないようにしたかった。しかし、我々を取り巻く状況はそれを許さない」と、藤崎一郎元駐米大使は言う。「多くの人が(戦争は)20世紀の問題だと思っていたが、今またそれを目の当たりにしている」。

 ミサイル取得と増大する防衛予算は、日本を西太平洋における極めて重要なパートナーと見なすバイデン政権の支持を受けている。米国と英国がオーストラリアの原子力潜水艦開発を支援したり、米国が韓国の弾道ミサイル製造の制限を解除するなど、日本との同盟関係の深化は、安全保障を強化する幅広い地域協力戦略の一部であると政府関係者は見ている。


「米国は一方的な措置を取るだけでなく、同盟国協力国に深い意味合いを持たせ、同地域における我々の能力を拡大しようとしている」と、まだ公表されていない計画について匿名を条件に米国政府関係者は言った。

 トマホークを数百発(400~500発)購入する決定は、日本が真剣に自衛を考えていること、そしてこの地域で間違いなく最も重要な軍事力を持つ二国間同盟が、北京と平壌の脅威に直面しより強固になっていることを中国と北朝鮮に知らしめることになると、関係者は述べている。

 日本関係者は、「このシステムの導入は、反撃能力に関する前向きな大変化の象徴だ」と述べた。射程1000マイル以上のトマホークミサイルで、中国本土の軍事目標が射程内に入る。

 日本は自衛的な政策から徐々にシフトしてきたが(2014年の憲法解釈変更で同盟国が攻撃された場合の軍事行動が可能になった)、変化は漸進的なものであった。今までは。



アジア主要国がロシアへの世界的な反発に参加、中国も視野に

ロシアの2月のウクライナ侵攻は、与党自民党が反軍国主義的な国民感情を抑え強力な国家安全保障政策を推進できる政治状況を作り出す上で「絶対に」重要な要因だったと、日本政府高官が述べている。

 世論調査によると、ウクライナ戦争後、日本政府が呼ぶ「反撃能力」に対する国民の支持は、2020年7月の37%から6月には60%以上と明らかに上昇している。

 日本人にとって、ウクライナ戦争は、中国による台湾侵攻の可能性をより一層高め、地域紛争が起きた場合の日本の軍事態勢に対する国民の懸念を深めている。

 8月、ナンシー・ペロシ米下院議長の台北訪問に激怒した北京は、台湾付近へ弾道ミサイルを発射し、日本の排他的経済水域に着弾させるなど積極的な軍事演習を行った。また、北朝鮮はこの1年間、核兵器開発を進め前例のない数の弾道ミサイルの発射実験を行い、日本上空にミサイルを飛ばした。

 ランド研究所で日本の安全保障と外交政策を専門とするジェフリー・ホーナングJeffrey Hornungは、「日本の戦略的思考における重要な進化」と述べた。「過去10年間の中国の行動が、日本に防衛をより真剣に考える軌道に乗せたのです」。

 岸田文雄首相は2月以降、より積極的な外交政策を推し進めている。先月末には、2027年までに防衛予算をGDPの2%にまで伸ばしたいと述べるという異例の行動に出た。もし成功すれば、5年後の日本は、アメリカ、中国に次ぐ世界で3番目の防衛予算を持つことになる。

 日本はトマホークミサイルを、5年ほどで納入できる「つなぎ」兵器と考えている。12式巡航ミサイルの射程を伸ばし、陸上の軍事目標を遠くから攻撃する能力を持たせようと取り組んでいるためだ。しかし、同プロジェクトは10年がかりになりそうだとの専門家指摘がある。

 日本はトマホークを搭載するため、駆逐艦の垂直発射システムを再構成すると、当局者は述べた。トマホークが最有力候補だったのは、「戦闘実績のある長距離発射」だからだと、別の日本側関係者は語った。


日本、そしてアジア全域で、ウクライナへの支援の輪が広がる

トマホーク陸上攻撃ミサイル(TLAM)は、レイセオンが製造している。1991年の湾岸戦争で使用され、遠距離から正確に攻撃できる能力を証明した。現在のミサイルは日本の領土に近い侵略者向けであるが、トマホークは中国や北朝鮮内の基地を攻撃する能力を与える。

 元米軍インド太平洋軍司令官フィル・デビッドソン退役大将は、トマホークを保有することは通常兵器に対する日本の抑止力に「大きな付加価値」をもたらすと語った。昨年退役したデビッドソンは、「ある程度の攻撃力は必要だ」と述べた。 「ワールドカップでは、ゴールを決めなければ勝てない。ディフェンスばかりしていてもダメだ。抑止力を持つには、敵にリスクを感じてさせることだ」。

 戦略国際問題研究所(CIS)の日本担当のクリストファー・B・ジョンストンChristopher B. Johnstoneは、地域のパートナーにも恩恵が及ぶと見る。「日本が自力で反撃できるようになれば、東アジアの抑止力に大きく貢献する」。

 日本とアメリカは軍事技術で緊密に協力している、と元政府関係者は指摘する。日本はF-35戦闘機を飛ばし、イージスミサイル防衛システムを使用している。どちらもロッキード・マーチンが製造している。海上での弾道ミサイル防衛訓練も行っており、先月はハワイ沖で成功を収めた。


米国は同盟国やゼレンスキーに侵略の危険性を納得させるのに苦労していた

日本政府関係者は、この動きは日本の防衛負担を担う意思と能力に対するアメリカの信頼も深めるだろうと言う。

「予算と安全保障戦略で我々の意図を裏付けています」と日本政府関係者は言う。「そしてそれは、日本の能力に対する米国の信頼を高めるはずだ。信頼は同盟にとって重要です」。

 今日までイギリスだけがトマホークを販売されている、とホーナングは指摘する。日本への売却は、「同盟国として本当に信頼できる国のトップクラスというメッセージになる」と彼は言った。

 中国は、日本の変化に憤慨している。今月のブリーフィングで、中国外交部の毛寧Mao Ning報道官は、日本の計画は「非常に危険」な展開だと述べた。

 「日本は侵略の歴史を真剣に反省し、アジアの近隣諸国の安全保障上の懸念を尊重し、軍事安全保障の分野で慎重に行動し、地域の平和と安定に資することをもっと行う必要がある」と毛報道官は言った。

 この問題に詳しい人々によれば、5月に日本の国家安全保障アドバイザーである秋葉剛男がワシントンでホワイトハウスのジェイク・サリバンと会談し、トマホーク購入のアイデアを持ちかけたという。サリバンは快く応じてくれたという。

 サリバンは秋葉に「検討プロセスを開始する」と言ったという。「そして、連絡を取り合う」。

 関係者によれば、東京は兵器購入の正式要請をまだしていないという。

 政府は国内の反戦感情に敏感で、自衛のための武器という枠組みを確固として持っている。「これは防衛的なものであり、攻撃的なものではない」と関係者は言った。「防衛的なものだと考えている」。

 しかし、同関係者は、「今回の(動きは)非常に異常である」と認めた。

 日本はアジアで初めて、西側諸国と共にロシアの侵略を理由に制裁を課し、ロシアは「非友好国」のレッテルを貼り、周辺での軍事活動を強化した。

 日本政府関係者は、ウクライナが長い困難の中で戦う意志を示した後、NATOの支持がどのように高まったかを見ていたと、6月までホワイトハウスの東アジア担当ディレクターだったジョンストーンは言う。「危機の際、米国やその他の国々が自国の味方であることを保証する最善の方法は、自国の防衛に投資し、戦う用意があることを示すことだ、と結論づけたのです。それがウクライナ戦争から日本が得た教訓だ」。

 実際、日本は新しいハードウェアや支出の増加だけでなく、多くの点で防衛態勢に著しい転機を迎えようとしている。今月、防衛省はサイバーセキュリティチームを現在の800人から2027年までに2万人に増員し、サイバーセキュリティ能力の大きなギャップを埋めるため人員を確保すると発表する。

日本はまた、平時から自衛隊が民間の港や空港を利用しやすくすることを検討しており、紛争時をにらんだ準備体制への懸念を反映している。■


Japan to buy Tomahawk missiles in defense buildup amid fears of war

By Michelle Ye Hee Lee and Ellen Nakashima 

https://www.washingtonpost.com/world/2022/12/12/japan-tomahawk-missiles-ukraine-war/?location=alert



Nakashima reported from Washington. Julia Mio Inuma in Tokyo contributed to this report.


2022年12月12日月曜日

米陸軍の次期強襲機材にティルトローター正常進化型V-280選定。ブラックホーク後継機になるのか。選定を巡り米国内で意見多出の模様。シコースキー=ボーイングは異議を申し立てるか

 A Reality Check On The Army Picking V-280 Valor Over SB>1 Defiant

Bell Screencap


米陸軍の将来型長距離強襲機材Future Long-Range Assault Aircraftの選定には意見があるが、決定には学ぶべきことがたくさんある

来型長距離攻撃機構想(FLRAA)のもと、米陸軍のH-60ブラックホーク後継機として、ベルのV-280 Valorがシコースキーとボーイング共同開発のSB>1 Defiantを破ったことへの反応は、控えめに言っても強烈だった。非常に強い意見が飛び交っているが、裏付けとなる実際の情報や逸話的な主張以上の直接的な洞察はほとんどない。むしろ、競合の目的から見て理にかなったものよりも、自分にとって最もクールでエキサイティングに見えるものを応援している向きが多いとさえ言える。実はこのプログラムは、単にブラックホーク後継機を探すというだけでなく、陸軍航空部隊の任務の存続に関わる重要プログラムであり、そのため陸軍は存在意義のあるプログラムとして捉えられているのだ。

陸軍がブラックホーク後継機として性能や能力の面で何を求めていたのか、陸軍は3年前にFLRAA要求事項を非公開ながら発表している。

しかし、いざ決定となると、どちらの機体についても、膨大なデータやコスト分析、開発・生産の見通し、性能指標などを知ることができなかった。だからといって、陸軍が賭けた馬が正しいとも間違っているとも言えないが、決断用の情報は我々よりずっと多くあったはずだ。

The V-280 Valor head-on. (Bell)

どちらの機体も、従来型回転翼機より性能が大きく飛躍していることを考えれば、このような能力を大量に獲得することのリスクは非常に高い。V-280には成熟度があった。これは避けて通れない。ベルは数十年をかけてV-22オスプレイを開発し、地球上で最も過酷な条件下で膨大な運用時間を積み重ねてきた。オスプレイにはまだ問題があるものの、大量の悪評や極端な論争を乗り越え成功を収めている。今日、MV-22とCV-22、CMV-22が毎日世界中で活躍している。これは事実だ。デファイアントのような複合同軸リジッドローターヘリコプターは、現時点で同じようなことをやっていない。

そして奇妙なことに、10年前にノースロップ・グラマンのB-21レイダーが勝利したように、Valorはベルの「ティルトローター2.0」としてオスプレイの欠点を補う設計だ。信頼性、ナセル設計、取得コスト、飛行時間当たりのコスト、搭載量など、あらゆる要素が含まれる。ベルは、半世紀にわたり、あらゆる試験で何百時間も飛行し、その間に動作範囲の可能性を探り、300ノットを超える速度に達した印象的なデモンストレーターを作りあげた。これは、リスクを大幅にさらに引き下げる非常に印象的な偉業であり、陸軍は、紙上の予測だけでなく、実績の裏付けあるハードウェアを購入したと実感するはずだ。

一方、「デファイアント」は「ヴァラー」以上に人々の心を捉えた。真新しく、未来的でありながら、同時にブラックホークに近い印象だ。それは完全に主観的な概念ではあるものの、多くの人にとって、よりタイトなパッケージであり、比較的複雑でないようにさえ見える。ヴァラーにはない「色気」があり、今やティルトローターは軍用機では当たり前の存在になった。同軸複合型リジッドローター構成は、そうではない。

デファイアントの魅力は、一部の目にはヴァラーに勝っていたかもしれないが、機体とその根本的な設計コンセプトはヴァラーよりはるかに未熟だ。現在ロッキード・マーチンの一部門であるシコースキーは、デファイアントとその小型版レイダーXを支える「X2」技術で十分な経験をしていないわけではないものの、世界中で何百機も飛行中の技術の発展型ではない。また、SB>1のデモ機もほとんど飛んでいない。これは事実だ。もちろん、事実は誰が見ても明らかだが、デファイアントは設計が成熟していない。しかし、能力とリスクのバランスを考え、このプログラムがいかに重要であるかを考慮すれば、陸軍の決断に影響を与えることができたはずだ。

A Black Hawk and the SB>1 Defiant side-by-side. (Sikorsky)

One of the stated advantages of the SB>1 is that it has a similar footprint as the Black Hawk it intends to replace. (Sikorsky)

One of the Defiant's claimed advantages is being able to get into tighter landing zones than its competitor. (Sikorsky)

また、コスト面も重要だ。開発費、取得費、維持費など、各チームがどの程度の価格で入札したかはわからない。大型軍用機を受注できるチャンスが少なくなっている今、各社は契約を獲得するため非常にアグレッシブになる。しかし、これは計画通りに物事が進まないと悲惨なことになりかねない。つまり、今勝利しても、その先に経済的な破綻が待っている。今回、低入札価格であったかどうかは分からないが、もしそうであったとしても、前例はない。

また、物流や性能での懸念もある。航続距離、速度、積載量、機動性など、どの機体が期待以上の性能を持ち、どの程度のコストで導入できるのか。どちらがより簡単に展開できるのか?どちらの機体もかなり大きいため、輸送に時間がかかり、規模が大きくなると問題が発生する可能性がある。

ティルトローターはいまだに一部で評判が悪いが、「ヴァラー」はオスプレイではないものの、オスプレイの数十年にわたる開発と運用の上に成り立っている。ヴァラーの緊急時自動回転能力や、より大きなフットプリントによる狭い着陸帯へのアクセスへの懸念は、まったくもって妥当なものといえよう。また、複合剛体ローター設計に見られる振動やクラッチシステムに関する歴史的な懸念でも同じことが言える。しかし、このような飛躍的な性能向上には、トレードオフがつきものだ。そもそも着陸地点に到達することさえできないのであれば、そんなことはどうでもよくなる。

陸軍航空部隊は存亡の危機を迎えている。陸軍航空部隊は、ヨーロッパと、ある程度は中東での短距離戦闘用に作られたのであって、太平洋の広大な土地で戦うためのものではない。戦闘半径が数百マイルになると、同規模の紛争が発生した場合、何千機ものヘリコプターの出番が突然なくなる。UH-60ブラックホークやAH-64アパッチを、ほとんどの作戦で効果を発揮できるほど近くに配備すれば、警戒心の強い敵の照準に真っ向からぶつかることになる。また、敵の反アクセス空間の奥深くで活動することさえ、従来のヘリコプターは非常に危険だ。射程距離とスピードがあれば、陸軍は戦力を取り戻せる。これは簡単なようで難しい。だからといって、これらの要素が陸軍の回転翼機の意義に関する問題をすべて解決するわけではない。生存率は大きな問題だが、将来の紛争でその価値を証明する長い道のりを歩むことになる。

では、より速く、より遠くへ飛ぶ航空機を手に入れるため、米陸軍は望みをあきらめることができるのか?筆者には、その答えは「絶対」だと思える。でなければ、陸軍の航空部隊の規模を、どうやって正当化するのか。こう考えると、航続距離が、多くの人が思う以上にこの決断に大きな影響を与えたのではないか?

このため、「ヴァラー」が狭い着陸帯に入れない、必要な機動性がない、自動回転できない、といった批判は妥当かもしれまないし、妥当でないかもしれない。しかし、将来の紛争で部隊の中核を担う新しい能力を必要とする場合、これらの批判はあまり気にならないかもしれない。

The Valor demonstrator during a test flight. (Bell)

A rendering of Valor flying in high-speed, low-level flight. (Bell)

それ以上に、この問題はまだ終わっていないことに注意しなければなならない。シコースキー=ボーイングは、おそらく今回の決定に抗議するだろう。そうすることを責めることはできないし、正当な理由があれば勝てるかもしれない。同時に、シコースキーのX2技術が、将来の武装偵察ヘリ候補として非常に有力であることも忘れてはならない。一般的なヘリコプター設計であるベルのインビクタス360より高性能であるため、デファイアントより小型で一般的構成を共有するレイダーXがフロントランナーであるとする説もあるほどだ。もしかしたら、ヴァラーとレイダー Xは、陸軍にとってドリームチームなのかもしれない。もし軍がベルのインビクタスを採用すれば、X2技術はレイダーXとして生産に移されることになる。つまり、オスプレイと「Valor」のように、「Raider X」はリスクを減らすことができる。

Raider-X prototype

Sikorsky's Raider X prototype under construction. (Sikorsky)

A notional image of production-representative Defiant X and Raider X aircraft on the ramp. (Sikorsky)

A render of the production-representative Defiant X. (Sikorsky)

また、シコースキーとボーイングがデファイアントをあきらめたとしたら筆者は驚く。国際的なものも含め、ヴァラーよりその能力に適した他の入札の可能性があります。また、米国の特殊作戦部隊は、歴史的に見ても活動領域が狭く、H-60ブラックホークに長く愛着を持っていることを考えれば、いつでも参入できる可能性がある。ですから、仮にヴァラーが今回選定されても、デファイアントには再参入の可能性もある。

もちろん、機体は、H-60後継機として大量購入できる価格であることが前提だ。また、H-60が陸軍で引き続き使用され、コストと能力の問題から、今後数十年の間にこの新しい高速機と並行して調達される可能性さえある。このように、レガシー・プラットフォームの全面代替を約束されながら、それが実現しなかったことが何度あった。F-15やF-22が思い浮かぶが、他にも多くの例がある。また、垂直上昇機に関しては、さらに大きな技術的飛躍が目前に迫っている。

V-280 flying over water. (Bell)

要するに陸軍がどうして今回の決定をしたのか、正確に理解するのに十分な情報がないということだ。あるデザインに特別な思い入れを持ち、それがどのように機能するかを推測することはよく理解できるが、これは現実ではない。

この決定について、近いうちにもっと情報が得られるよう期待している。■

A Reality Check On The Army Picking V-280 Valor Over SB>1 Defiant

BYTYLER ROGOWAY|PUBLISHED DEC 8, 2022 1:56 PM

THE WAR ZONE

 


PRCの危機② コロナの「核の冬」をCCPはもはや食い止める術がない----面子にこだわった末の結末か

  


Image: Screenshot from Chinese State TV.

 

 

国の14億1000万人のうち、おそらく90%がCOVID-19に感染すると、中国疾病管理予防センターの前副主任、馮志堅 Feng Zijianがブルームバーグ・ニュースに語っている。Fengは、第一波で人口の60%が感染すると予測している。

 長く待つ必要はない。北京に速いスピードで波が押し寄せている。

 首都は準備できていなかった。「高熱を出した子供がいるのですが、どこの薬局でもイブプロフェンが切れています」と、北京に住むリンという名の人はフィナンシャル・タイムズ紙に語っている。「あまりに早く来たため、準備の時間がなかったのです」。不足は広範囲に及んでいる。「北京は医薬品が不足している」と同紙は指摘する。

 北京大学のマイケル・ペティスがツイッターで報告している。状況は非常に悪く、北京市民は、公的医療制度が完全に崩壊したときに罹患しないように、今のうちにわざと自分を罹患させようと考えているようだ。

 また、国の工場地帯である南部広東省の省都・広州をはじめ、全国で集団感染が起きている。この全国的な状況を、中国の「核の冬」と呼ぶ人もいる。冬の間、100万人のコロナ死が予測されている。この冬、210万人に達するとの見方もある。

 その結果、共産党はかつてないほど厳しい試練に直面することになる。

 中国共産党という支配組織は、政権を脅かす苦境に立たされても、誰も責める相手がいない。パンデミック発生当初から、中国共産党は疾病管理を自らの正当性の証明とし、コロナウイルスに対処する能力は、中国共産党が一般民主主義、特に米国民主主義より優れている証明であると自慢していた。

 中国の支配者、習近平は自らの主張を証明するために、「ダイナミック・ゼロ・コビット」政策を採用した。おそらく世界で最も厳しい一連の疾病対策である。

例えば、たった一例の感染症で街全体を封鎖する。一日に何度も検査が行われた。

 隔離を重視するあまり、中国中央政府はICUや一般病床を建設する資源を奪われた。しかし、政府は広州に25万床の大規模検疫施設を建設したし、現在も建設中のようだ。

 中国保健当局は国民の大部分にワクチンを接種したが、それは中国開発のワクチンに限られた。中国製品はシノファームとシノバックが製造したが、特に効果があったわけではない。

 北京は、ファイザーとモデナからmRNAワクチンを輸入しないことにした。外国技術が中国より進んでいることを認めたくなかったのだろう。

 そのため、共産党には、万が一、鎖国防衛に失敗した場合のプランBがなかった。しかし、そのやり方は、明らかに持続不可能であった。

 10月末のFoxconn鄭州工場を皮切りに、11月24日のウルムチ火災をきっかけに、中国全土で異常な抗議デモが発生し、中国国民が反旗を翻した。

 さらに、ゼロ・コビッドの費用の大半を負担していた自治体に、もはやその余裕はない。11月の貿易統計や生産者物価統計など、公式数字を見ても明らかなように、ロックダウンは中国経済を深く収縮させた。製造業の混乱は、アップルを含む企業が中国から生産拠点を移す結果を招いた。

 この圧力に対応するため、共産党は11月11日に発表された「最適化」措置を皮切りに、段階的に疾病管理措置を緩和しようとしている。中国の「新段階」では、当局は規則を緩和したが、十分な速度で進まなかった。最終的に、水曜日に国家衛生委員会は10項目の計画を発表し、ほとんどの健康コードの追跡を廃止し、検査を縮小し、自宅隔離を許可し、監禁を制限することで屈服した。この計画は、実質的に習近平の「ゼロ・コビット」の終焉を意味する。

 中央政府当局が隔離措置を解除すると、病気の壁が本質的に無防備な中国国民を襲うことになった。現在、人々は政府に促されることなく、自分自身を隔離している。CNNのセリーナ・ワンが土曜日にツイッターで報告したように、北京の舗道は薬局近くを除いて閑散としている。また、北京の病院は今、絶望的な住民でいっぱいだとも伝えられている。

 中国の資源不足には、ひとつの明白な解決策がある。 ピーターソン国際経済研究所のチャド・バウンは、国際社会は「中国政府が喜んで受け入れるような医療品やその他の援助を積極的に提供する」べきだと主張する。

問題は、習近平が人道的援助を受け入れるかどうかだという。傲慢な中国指導者が受け入れるとは思えない。結局のところ、彼はパンデミックを民主主義に対する武器にし、民主的統治の優位性は到底認めることができないのである。

 このような消極的な姿勢は、中国が数カ月にわたって、国民に病気が蔓延し、不自由な生活を強いられることを意味する。そして、中国が閉鎖的であり続け、経済が衰退し続けると、政権は資源を使い果たすことになる。

 コロナウイルスは、債務不履行の加速、不動産価格の暴落、経済の縮小、食糧不足の深刻化、環境の悪化といった同時多発的な危機に見舞われた中国を荒廃させており、習近平には実行可能な選択肢がない。

 しかし、最も危険な危機は、「信頼」の危機だ。現在、中国国民は「むち打ち症」に苦しんでいる。2年間、政権が病気の強さを誇張し、今は軽いと思わせようとしている。北京に住むエコー・ディンさんはCNNの取材に対し、政権の宣伝路線の変更について「どうしてこんなに早く変わるのだろうか」と尋ねた。「私たちは愚か者のように感じる」。

 共産党は信頼と支持を失った。それでも共産党は強制し、脅迫し、投獄できるが、重要な時期に支配の維持は難しいだろう。■

 

China Is Facing a COVID-19 'Nuclear Winter'. The CCP Can't Stop It - 19FortyFive

ByGordon Chang

 

Gordon G. Chang is the author of The Coming Collapse of China. Follow him on Twitter @GordonGChang. He is a 19FortyFive Contributing Editor. 

In this article:CCP, China, Chinese Economy, COVID-19, featured, Xi Jinping