2025年5月9日金曜日

「暫定的な」エアフォースワン代替機が登場する可能性(The War Zone)—なぜここまで時間がかかるのか不思議と思われるかもしれませんが、トランプ任期中に登場しないのは確実なようですが、747に執着する理由がわかりません

 WASHINGTON, DC - APRIL 07: U.S. President Donald Trump (R) speaks alongside Israeli Prime Minister Benjamin Netanyahu with a model of Air Force One on the table, during a meeting in the Oval Office of the White House on April 7, 2025 in Washington, DC. President Trump is meeting with Netanyahu to discuss ongoing efforts to release Israeli hostages from Gaza and newly imposed U.S. tariffs. (Photo by Kevin Dietsch/Getty Images)  

ケビン・ディーツ/ゲッティ・イメージズ


ボーイングのVC-25Bの納期遅延が積み重なる中、トランプはカタールの王族専用機747を、簡素なエアフォースワンに改造する計画を検討しているという報道がでてきた  

ナルド・トランプ大統領の代替エアフォースワン探求が新たな展開を迎えたと報じられている。L3ハリスが、カタール王家が所有していたボーイング747-8を改造する計画が浮上してきた。背景には、ボーイングVC-25B大統領専用機2機の製造遅延が長期化している状況がある。既存の2機のVC-25Aは1990年に就役したもので、維持が困難になってきており、代替機が必要だからだ。しかし、通信、セキュリティ、生存性に関する厳格な要件を考慮すると、一時的な「代替機」の実現可能性には大きな疑問が残る。

 ビジネスニュースチャンネルCNBCの報道によると、L3ハリス敵の路地ーずは元カタール航空の747型機の改造作業に着手する。同チャンネルは「件に精通した関係者」の話を引用しているが、この人物はメディアへの発言権限がない。TWZはL3ハリスにコメントを求めているが、回答は得られていない。興味深いことに、先月、同社がトランプの個人用ボーイング757(通称「トランプ・フォース・ワン」)の通信システム改造に関与しているとの報道が浮上してた。


ROME, ITALY - APRIL 25: U.S. Air Force One upon arrival at the at Fiumicino Airport on April 25, 2025 in Rome, Italy. Pope Francis died on Easter Monday, aged 88. His Funeral will be held in St Peter's Square in the Vatican tomorrow morning. (Photo by Marco Mantovani/Getty Images)

2025年4月25日、ローマのフィウミチーノ空港に到着したVC-25A型エアフォースワン。バチカンでのフランシスコ教皇の葬儀に出席するため。写真:マルカオ・マントヴァーニ/ゲッティ・イメージズ


 今年初頭、トランプが次期エアフォースワンの代替案を検討しているとの報道が流れていた。フロリダ州パームビーチ国際空港で元カタール王族のジェット機を視察したとの情報もあった。この2012年製造の機体は当初カタール王族の所有だったが、その後改装され、私有機に移行していた。

 米空軍は現行のエアフォースワン機群(747-200型をベースにした2機のVC-25A)の置き換えを待っている。世界では747-200型はほぼ退役しており、部品調達やメンテナンス支援が年々困難かつ高コスト化している。代替機として指定されているのは、ボーイングが747-8i旅客機から改造中の2機のVC-25Bだ。

 747の生産は2022年12月に完全終了したため、VC-25Bは既存の2次使用機体から改造されている。このプロセスは決して簡単ではない。一部の製造会社が倒産したため、機体部品の調達に問題が生じ、また「進化する潜在的脅威」に対応するため要件変更も影響している。

 最初の飛行試験の予定は2026年3月に昨年夏に延期されており、これで16ヶ月の遅延となった。

 ところが今週初めに、VC-25Bの納入が2029年まで延期される可能性が確認された。これにより、トランプは2期目中に同機を使用する機会を失うことにななる。当初は2024年12月に納入が予定されていた。


ボーイング747-8iジェット機のうち、VC-25B空軍1号機として改造中の1機が、2019年3月にテキサス州へ向けて出発し、改造作業を開始した。マット・ハートマン/ショアローン・フィルムズ


 重なる遅延により、ボーイングは固定価格契約の同プログラムで20億ドルを超える損失を計上している。

 これらの航空機には既に莫大な費用がかかっており、航空機本体だけで約$47億ドルの費用が見込まれている。これほど高額な航空機は過去に例がなく、これ以外にメリーランド州アンドリュース空軍基地に建設予定の約$2億5,000万ドルの巨大新格納庫などの追加費用が発生する。VC-25Bの取扱マニュアルだけでも数千万ドルの費用がかかる。

 新しいエアフォースワンの威信、膨らむコストと遅延、そしてトランプ大統領の豪華航空機への執着と経験が、第45代・第47代大統領がこのプログラムに個人的な関心を示す要因となっている。

 トランプは、ジェット機のコストを削減したと主張しているが、その主張には議論の余地がある。再選後、彼はプログラムを軌道に戻すため、さらに積極的に取り組むようになった。

 今年初めの報道によると、トランプは2機のVC-25Bの納入を加速する方法を検討し、その一環で事業に携わる職員のセキュリティクリアランスの緩和も検討されている。


WASHINGTON, DC - JUNE 20: A model of the proposed paint scheme of the next generation of Air Force One is on display during a meeting between U.S. President Donald Trump and Canadian Prime Minister Justin Trudeau in the Oval Office of the White House June 20, 2019 in Washington, DC. The two leaders are expected to discuss on the trade agreement between the U.S., Canada and Mexico. (Photo by Alex Wong/Getty Images)

トランプ大統領が最初の任期中に選んだ塗装を施したVC-25Bのレンダリング。写真:Alex Wong/Getty Images Alex Wong


 「政府効率化省」(DOGE)の実質的なリーダーとされるイーロン・マスクも招き入れられた。

 ボーイングのCEOケリー・オルトバーグは今年1月、CNBCに対し「イーロンと協力してスケジュールを前倒しする方法を模索している」と述べていた。「イーロン・マスクは要件の整理に非常に協力してくれており、これによりより迅速に大統領に航空機を納入できるよう努めています」。

 こうした努力がVC-25Bプログラムの活性化にどれだけ成功しても、スケジュール内に航空機を就役させることは期待されていない。

 このため一時的な「エアフォースワン」の候補として、元カタール航空の747-8が選ばれたとの報道が出てきた。

 最新の報道によると、L3ハリスは既に、超豪華な747-8iを米国大統領専用機に変換する計画で選定された可能性がある。同社は、この規模と範囲のプロジェクトを遂行できる数少ない企業の1つで、他の主要な請負業者としては、以前747機体をベースにした高度に専門化されたサバイバブル・エアボーン・オペレーションズ・センター(SAOC)機材の納入を請け負ったシエラ・ネバダ・コーポレーション(SNC)がある。


オハイオ州デイトンにあるSNCの新ハンガー内の747-8の内部と外部のレンダリング。SNC


 それでも、この航空機がボーイングが空軍1号機として改造中のVC-25Bより大幅に早く運用開始できるかどうかはわからない。改造された元カタール航空のジェット機の早期導入には、VC-25Bと比べ大幅に仕様を削減した航空機が必要となる。

 昨年12月、マスク氏がテキサス州サンアントニオのボーイング施設を訪問し、VC-25Bの生産加速方法を検討した際、その可能性の一端が示されていた。セキュリティクリアランス問題に加え、マスクはプログラムに組み込まれた飛行試験の期間についても批判的だったと報じられている。

 「軍事装備を大幅に削除し、大統領が商業用機能を備えた新しい機体で飛行できるようにし、最小限の軍事アップグレードを加えるというアイデアでした」と、マスクのサンアントニオ訪問後に匿名元国防総省高官がニューヨーク・タイムズに語った。

 エアフォースワンに類似したジェット機を迅速に導入する方法は存在するが、最終製品が「政府機能の継続」という重要ミッションの厳格な要件を満たすかどうかは極めて疑問だ。これには、核抑止力の基盤となる国家指揮権限(NCA)との即時接続能力や、核戦争を含む極限状況下での運用能力が含まれる。このような航空機には、電磁パルス(EMP)への耐性強化、広範なセキュア通信システム、大規模な発電能力、非常に包括的な自己防衛システムなど、数多くの主要な改修が不可欠だ。

 以前も指摘したように、元カタール航空の747-8はこれらの厳しい要件を満たすのに適さない。そこで空軍が「1年以内に暫定的なジェット機を運用開始する」と述べた点を考慮する必要がある。

 トランプとマスクには他のアイデアがあるかもしれない。その一つは、元カタール機を、大統領の空輸任務の既存要件に適さない基本的な構成で運用することだ。その後、最終的に納入された「フルスペック」のエアフォースワンを運用する可能性がある。しかし、これはホワイトハウス、シークレットサービス、空軍にとって問題を引き起こすだろう。大統領が空中で活動する際の全手順を再構築する必要が生じるためだ。大統領の安全リスクも増加し、既存の要件を満たす能力を持つ航空機がないことを前提に、重大な緊急対応策を構築する必要が生まれる。


現在の機体色を再現したVC-25Bのレンダリング。米国空軍


 次に予算の問題がある。代替機プロジェクトの資金はどのように調達されるのか?機体自体に数百億ドルかかり、通信や防御システムの最小限の改修だけでもさらに莫大な費用がかかる。テストも必要であり、VC-25Bが完成した後は、その機体はどのように扱われるのか?これらすべてを解決する必要がある。また、DOGEの時代に、大統領が数年間新しいジェット機を楽しむだけの暫定的な代替機調達を急ぐことは、多くが「無駄の極み」と批判するだろう。特に、既存のVC-25Aがまだ運用中で、国内旅行ではC-32A機群がエアフォースワン任務を頻繁に遂行している現状では、なおさらだ。

 これらを考慮すると、この計画は相当現実離れしているように思えるが、一つ確かなことは、トランプ大統領がエアフォースワン計画に引き続き強い関心を示している点だ。したがって、さらなる劇的な展開がないとは言い切れない。■


Is An ‘Interim’ Air Force One Replacement Even Feasible?

Reports state that Trump is looking to convert a Qatari royal flight 747 into a less exquisite Air Force One as Boeing's delays on the VC-25Bs stack up.

Thomas Newdick, Tyler Rogoway

Published May 2, 2025 2:39 PM EDT


https://www.twz.com/air/is-an-interim-air-force-one-replacement-even-feasible


トーマス・ニューディック  

スタッフライター  

トーマスは、軍事航空宇宙分野と紛争に関する報道で20年以上の経験を持つ防衛分野のライター兼編集者です。数多くの書籍を執筆し、編集を手がけ、世界有数の航空専門誌に多数寄稿しています。2020年にThe War Zoneに参加する前は、AirForces Monthlyの編集長を務めていました



ロシア国内で将官含む重要人物が相次ぎ暗殺されているのはウクライナの巧妙な工作の結果だ(The National Interest)

 

ロシア国内で相次ぐ暗殺事件がクレムリンを動揺させ、プーチンの不安感を呼び、ウクライナの諜報能力の拡大ぶりを示唆している

ーチン政権にとって、ウクライナからの攻撃は文字通り身近なところにまで及んでいる。

 4月25日、モスクワで自動車爆弾が爆発し、ロシア軍参謀本部作戦本部の副本部長ヤロスラフ・モスカリクが死亡した。モスカリクは単なる幹部ではなく、ロシアの戦争計画の中心人物で、ウクライナの情勢についてプーチンに自ら説明していた。スティーブ・ウィトコフ米特使がモスクワに到着したその日に彼が暗殺されたことは、クレムリンの中枢に強力なシグナルを送った。

 4月26日、フランシスコ法王の葬儀に向かう途中、エアフォース・ワンに乗っていたドナルド・トランプ米大統領は、モスクワでロシア軍将兵が死亡した自動車爆弾テロを知らなかったようだった。

 記者団が大統領に知らせると、大統領は驚きの表情を浮かべた。

 これは孤立した事件ではない。 ウクライナの諜報機関による秘密工作の傾向に従っており、戦線を超えて戦場を拡大している。その翌日、ロシア当局はイグナト・クジンを拘束した。彼はウクライナ保安局(SBU)の諜報員であることを尋問で自白したとされるが、このような自白は拷問によって引き出されることが多い。

 その数日前には、対ドローンシステム「クラスカ」の近代化を担当したロシアを代表する電子戦設計者、エフゲニー・リチコフがブリャンスクで自動車爆弾テロに巻き込まれて死亡した。

 欧州政策分析センターのアンドレイ・ソルダトフ上級研究員は「FSB(ロシア保安機関)は、すでに起きたことを調査するのは得意だが、これから起きることについての情報収集は苦手だ。 これは別のスキルなのです」。

 注目すべきことのひとつは、ロシアの核・生物・化学兵器防衛部隊のトップであるイーゴリ・キリロフ将軍の殺害がある。 禁止された化学兵器の広範囲な使用を監督したとしてSBUが彼を欠席裁判で起訴したわずか1日後、キリロフはモスクワの自動車爆弾テロで死亡した。

 ウクライナ当局は、化学兵器に関わる4,800件以上の事例について彼の責任を認めており、その結果、2,000人以上の兵士が入院し、数人の兵士が死亡した。

 これらの著名な暗殺はどのようなメッセージを送るのか?

 SBUの情報筋は、フィナンシャル・タイムズ紙に、SBUの秘密組織である第5防諜総局が今回の攻撃の背後にいたことを認めた。「このような不名誉な結末が、ウクライナ人を殺したすべての者に待ち受けている」と、この関係者はキリロフを戦争犯罪人と呼んだ。SBUのヴァシル・マリュク長官は、このメッセージをさらに強調した: 「侵略者の犯罪はすべて罰せられなければならない。

 元CIA支局長のダグラス・ロンドンは、暗殺は自分たちはどこへ行っても安全ではないという心理的メッセージをロシアのエリートたちに送っていると述べた。 ただし、ロシアの戦闘能力に影響を与えるかどうかは疑問だという。

 しかし、アレクサンダー・ヴィンドマン退役中佐は、ウクライナはその存立戦争においてあらゆる手段を使って戦い続けるというモスクワとワシントン双方へのメッセージになっていると強調した。

 SBUとウクライナの軍事情報機関HURは、ロシア領土の奥深くまで足跡を広げている。HURのKyrylo BudanovとSBUの副官Oleksandr Pokladの間の内部対立にもかかわらず、両機関は破壊工作と標的暗殺の執拗なキャンペーンを維持している。

 頻繁に行われるようになったとはいえ、こうした攻撃は長年にわたるウクライナの手口の一部だ。ウクライナ諜報機関は、国境外の有名な標的を排除してきた長い実績がある。

 2015年と2016年、HURはドンバスでロシアに支援された主要指揮官の暗殺に関係していた: ミハイル・トルシュティク "ジヴィ "はオフィスでロケット弾に撃たれて死亡し、アルセン・パブロフ "モトローラ "はエレベーターで爆破され、アレクサンドル・ザハルチェンコはレストランで爆破されて死亡した。

 2022年以降、そのテンポは増すばかりで、ウクライナ諜報機関は、ロシア軍関係者、協力者、戦争犯罪者を何十人も組織的に抹殺してきた。 ロシアにおける著名人の暗殺報道はもはや衝撃的ではなく、ある程度予想されるようになっている。

 キリロフ将軍、ヴァレリー・トランコフスキー提督、ミサイルの専門家ミハイル・シャツキーは、ロシアと占領下のウクライナで暗殺された高価値の標的の一部にすぎない。 その他にも、占領体制に加担した裁判官や、オレニフカの虐殺などの戦争犯罪に関連した刑務所職員も含まれている。

 CIAはウクライナによる著名人暗殺を快く思っていない

 2022年8月、プーチンのブレーンとしても知られるクレムリンのイデオローグ、アレクサンドル・ドゥギンの娘ダリア・ドゥギナが暗殺され、ワシントンとの間に緊張が走った。

 モスクワのエリートに対するメッセージと見られる一方で、この殺害はアメリカ政府高官を不安にさせたと伝えられ、ニューヨーク・タイムズ紙はアメリカ政府高官が不満を募らせていると指摘した。

 ドゥギナの暗殺に対する反発は、2016年にブダノフ自身を含むウクライナの軍事情報機関がロシア占領下のクリミアで秘密工作を行い、ロシア連邦保安庁(FSB)の将校を死亡させたのと同じようなエピソードだ。オバマ政権はこの事件に怒り、モスクワとの直接的なエスカレーションを引き起こすことを恐れたと言われている。

 ブダノフはCIAが養成したエリート部隊2245の出身で、やがて同国の軍事情報機関を率いるまでになった。目覚ましい出世により、ブダノフは一目置かれる存在となっている。

 ブダノフは続けて、「彼らは2016年以来、私をテロ容疑で告発しようとしている」と言った。ロシア側はブダノフを殺そうと10回以上試みた。2024年、ロシア当局はブダノフが米国の資金援助を受けてプーチン大統領自身の暗殺を企てたとまで非難した。

 プーチンは今、複数の面で脅威に直面している。


知名度の高い暗殺事件はプーチンに破滅をもたらす

ウクライナ兵がベルゴロドやクルスクのようなロシア国境地帯で活動しているだけでなく、プーチンは復讐のためにロシア領内をいとも簡単に移動するウクライナ情報機関の工作員とも闘っている。

 忠誠を誓うプロパガンダ担当者たちも注目している。ザハール・プリレピンは、和平協定が結ばれた後もウクライナは裏切り者や戦犯を排除し続けると警告した。戦争は「勝利の終わり」まで戦わなければならないと考えている。

 ウクライナ側からのこのような脅しは、今や上層部の決定を形成しているように見える。プーチンは、ウクライナ無人機がもたらす不吉な脅威を知っているため、モスクワでの3日間の停戦に必死だ。

 ロシア・アナリストのマーク・ガレオッティは、「首都への無人機攻撃はますます頻繁になっている」と指摘し、最近のヤロスラフ・モスカリク将軍の暗殺はウクライナがロシア国内での秘密工作に習熟している証だとする。

 ウクライナは標的を絞った暗殺を効果的な戦略と考えており、その過程で戦略的利益と自画自賛の権利を蓄積している。「モサドが国家の敵を抹殺することで有名だというのなら、我々はそれをやっていたし、これからもやるだろう。すでに存在しているのだから、何も創造する必要はない」とブダノフは言う。

 最近のロシアによるキーウの民間人標的への攻撃を受けて、ウクライナの情報長官は報復を誓い、モスクワが「それに値する完全な報復」を受けると約束した。

 プーチンのパラノイアはこの1年増大の一途をたどっており、精神的な打撃はますます大きくなっている。 モスクワ・タイムズ紙は、「特殊部隊がプーチンの生活のあらゆる面を実質的に管理しており、携帯実験室を使ってプーチンのすべての食事に毒が含まれていないか検査するほどだ」と報じた。

 3月にムルマンスクを訪問した際には、プーチンの警備チームが武器を隠し持っていないか、儀仗兵を身体検査する姿が目撃された。大統領専用リムジンの1台がモスクワ連邦保安庁本部の外で不審火に見舞われたのは、その数日後のことだった。


その象徴を見逃すのは難しい。

ウクライナの工作員がモスクワ中心部を攻撃するという、かつては考えられなかったことが、今では日常的になりつつある。クレムリンのエリートたちがたびたび警告する脅威は、もはやロシア国境の向こうの遠い存在ではなく、クレムリンそのものを取り囲んでいる。ウクライナの標的暗殺キャンペーンが驚くほど効果的であることが証明されているという不快な現実に直面せざるを得なくなり、ロシアの最も熟練した宣伝担当者でさえ、目に見える不安の兆候を見せている。

 戦争はまだウクライナの戦場で激化しているかもしれないが、恐怖はモスクワに移りつつある。トランプはやがて、ウクライナにカードがまだたくさんあることに驚くことになるかもしれない。■


Multiple High-Profile Russian Generals Assassinated on Russian Soil

May 5, 2025

By: David Kirichenko


A wave of assassinations deep inside Russia is rattling the Kremlin, eroding Putin’s sense of security, and signaling Ukraine’s expanding intelligence capabilities.

Ukrainian strikes are hitting closer to home for the Putin regime, quite literally. 

https://nationalinterest.org/feature/multiple-high-profile-russian-generals-assassinated-on-russian-soil


著者について デイビッド・キリチェンコ

フリーランス・ジャーナリスト。ロンドンを拠点とするシンクタンク、ヘンリー・ジャクソン・ソサエティのアソシエート・リサーチ・フェロー。研究テーマは自律システム、サイバー戦争、非正規戦、軍事戦略。彼の分析は、アトランティック・カウンシル、欧州政策分析センター、イレギュラー・ウォーフェア・センター、ミリタリー・レビュー、ザ・ヒルなどの機関誌や査読付きジャーナルで広く発表されている。


インドがイスラエル製ハロップ攻撃ドローン数十機を発射したとパキスタンが主張(The War Zone)

 Pakistan claims it downed more than two dozen Israeli-made Harop drones as the conflict with India intensifies.  

IAI.

  • インドがパキスタンの防空体制を攻撃するため長距離滞空弾を投入した可能性が指摘されている

  • 武装した隣国同士の対立がエスカレートする中、パキスタンは、ラホールの防空体制に対する攻撃を含め、インドが発射した20数機のイスラエル製ハロップ無人機を破壊したと主張している。インドはそのシステムを破壊したと主張しているが、ハロップの使用や損失は認めていない。 双方はまた、他方がミサイル攻撃を開始したことを非難している。 

  •  状況は非常に不透明であり、双方から包括的な主張と仮定が氾濫し、ソーシャルメディアが溢れかえっていることに注意しなければならない。そのため、包括的な証拠を得るまでは、主張として扱わなければならない。

  •  パキスタン国防省は声明で、「パキスタン軍はイスラエル製無人機ハロプを25機撃墜した」と主張している。「イスラエル製ハロップ無人機の残骸はパキスタン全土のさまざまな地域で回収した」。

  •  ソーシャルメディア上では、パキスタン軍が回収したハロップ無人機の残骸を映したとする動画が公開された。

  •  さらに、パキスタン軍がエリコンGDF-002 30mmツインオートキャノン短距離防空システム(SHORAD)と思われるものを使用して、これらの無人機を防御したと主張するビデオがXに投稿された。本誌はこうした主張を独自に検証できない。

  •  パキスタン軍は以前、1機のドローンが東部の都市ラホール近郊の軍事目標を攻撃し、損害を与え、兵士を負傷させたと述べたとタイムズ・オブ・イスラエル紙が指摘している。

  •  インドはカラチとラホールの2大都市を含む複数の場所にイスラエルのハロプ無人偵察機を送り込み、その残骸は回収されているとパキスタン軍の報道官アフメド・シャリフ・チョードリーは述べた。

  •  「インド無人機がパキスタン領空に侵入し続けている......(インドは)この赤裸々な侵略行為の大きな代償を払い続けるだろう」と同報道官は述べた。

  •  インド政府関係者は、パキスタンの軍事施設に対する攻撃に対応するため、インド軍が攻撃を行ったと語ったが、どのような武器が使われたのか具体的なことは明らかにしていない。

  •  インド国防省(MoD)は木曜日の声明で、「本日午前、インド軍はパキスタンの多くの場所で防空レーダーとシステムを標的とした。「インドの反応はパキスタンと同じ領域で同じ強度である。 ラホールの防空システムが無力化されたことが確実になった」。

  •  インドはパキスタンの防空システムを攻撃するために何を使用したかは明言しなかったが、 ハロップの投入はある程度理にかなっている。ハロップはイスラエル航空機工業(IAI)製の滞空爆弾で、無線周波数を発する敵の防空センサー能力を狙い撃ちする設計で敵防空システムの制圧/破壊(SEAD/DEAD)兵器システムとしてしばしば使用される。

  •  50ポンドの弾頭を搭載したハロップは、カメラシステムとオペレーターを使って移動目標を追跡して交戦したり、放射線シーカーを使ってレーダーサイトを嗅ぎつけ攻撃する。 両方の任務を同時にこなすことも可能で、レーダーサイトが探知された後にオフラインになった場合、ハロプはその場所まで飛行し、電気光学照準を使ってその位置を特定し、殺害することができる。また、動いているもの、静止しているものなど、他の多くの種類の地上目標も攻撃することができる。 ハロップは、トラックや船に搭載したキャニスターから発射された後、約6時間または約600マイル飛行することができる。いったん空中に飛べば、マンインザループ制御で操作することもできるし、自律的に任務を遂行することもできる。

  •  ハロップは2021年春、アルメニア人との戦闘中にアゼルバイジャン軍が使用し、壊滅的な結果をもたらした。 攻撃ドローンは兵士を乗せたバスを直撃し、6人が死亡、バスは破壊されたとされている。

  •  インドはハロップについて言及しなかったが、ニューデリーの当局者によると、統合防空・対無人航空機システム・グリッドは「水曜日の夜に行動を開始し、パタンコットやスリナガルのIAF基地を含む15の軍事施設を標的としていたパキスタンの武装ドローン数機、浮遊弾、ミサイルを撃墜した」とインドのThePrintニュースは木曜日に報じた。

  •  「パキスタンの軍事行動エスカレート」を阻止するために、インドはロシア製のS-400、国産のアカッシュ、その他いくつかの地対空ミサイルシステム、そして携帯型妨害装置を含む統合型対ドローンシステムを使用した、と同誌は報じた。国防省の声明によれば、「これらの攻撃の残骸は現在、パキスタンの攻撃を証明する多くの場所から回収されている」。

  •  パキスタンのミサイルとドローンの主な標的は「これらの場所のいくつかにおけるインド空軍の基地とレーダー基地であった」とThePrintは情報源を引用して推測した。 「シンドゥール作戦が開始されて以来、防空システムは西側一帯に厳戒態勢を敷いている」。


  • 戦闘の影響がじわじわと民間に広がりつつある


  •  両陣営がドローンやミサイルを撃ち合い、紛争地ジャンムー・カシミール地方の統制線沿いで戦闘が激化しているため、死傷者が増え始めている。

  •  インド軍報道官がCNNに語ったところによると、インド統治下のカシミール地方にあるジャンムー市が木曜日に攻撃を受けたようだ。

  •  「これ以上の詳細はわからない。現時点では、状況を確認中です。 停電が実施されている。「大爆発-爆撃、砲撃、ミサイル攻撃が疑われる」と、ジャンムー・カシミール警察の元長官であるシェシュ・ポール・ヴァイドはXへの投稿で述べ、現在停電中であると付け加えた。

  •  パキスタンのイスラマバードでは空襲警報のサイレンが鳴り響いたが、攻撃があったかどうかは不明である。

  •  パキスタン軍当局者は、インドが『シンドール作戦』と名付けたもので、ニューデリーが『テロリストのインフラ』を標的にしたもので、水曜日に民間人少なくとも31人が死亡したと述べた」とCNNは報じた。 「カシミール地方を分断する事実上の国境のインド側では、国境を越えたパキスタンの砲撃で少なくとも16人が死亡した、とインド国防省は伝えた。

  •  一方、パキスタンは、カシミール地方の事実上の国境沿いで40〜50人のインド兵を殺害したと同ネットワークは報じた。


米国の動き

  •  これまでのところ、米当局はこの紛争についてのコメントを避けている。 木曜日、マルコ・ルビオ国務長官はインドのスブラマンヤム・ジャイシャンカール外務大臣と会談した。

  •  「長官は、即時のデエスカレーションの必要性を強調した」。タミー・ブルース報道官の読み上げによれば、「長官は、インドとパキスタンの直接対話に対する米国の支持を表明し、意思疎通を改善するための継続的な努力を促した。 「長官は、パハルガムでの恐ろしいテロ攻撃に改めて哀悼の意を表し、テロとの闘いにおいてインドと協力するという米国の決意を再確認した」。

  •  インド政府は、今回の空爆は、先月カシミール地方で26人の市民が死亡したパハルガムでのテロ攻撃に対する報復だと述べている。 パキスタンはこの事件への関与を否定している。■

  • Israeli-Made Harop Attack Drones Launched By India By The Dozens, Pakistan Claims

  • Evidence points to the potential use of long-range loitering munitions by India to attack air defenses in Pakistan.

  • Howard Altman

  • Updated May 8, 2025 5:03 PM EDT

  • https://www.twz.com/air/india-launched-dozens-of-israeli-made-harop-attack-drones-pakistan-claims


  • ハワード・アルトマン

  • シニア・スタッフ・ライター

  • ハワードはThe War Zoneのシニア・スタッフ・ライターで、Military Timesの元シニア・マネージング・エディター。 それ以前はTampa Bay Timesのシニアライターとして軍事問題を担当。 Yahoo News、RealClearDefense、Air Force Timesなど様々な出版物に寄稿。

727日間のパトロール: すべてのルールを破った米海軍オハイオ級ミサイル潜水艦(The National Security Magazine)

 Puget Sound Naval Shipyard, Wash. (Aug. 14, 2003) -- Illustration of USS Ohio (SSGN 726) which is undergoing a conversion from a Ballistic Missile Submarine (SSBN) to a Guided Missile Submarine (SSGN) designation. Ohio has been out of service since Oct. 29, 2002 for conversion to SSGN at Puget Sound Naval Shipyard. Four Ohio-class strategic missile submarines, USS Ohio (SSBN 726), USS Michigan (SSBN 727) USS Florida (SSBN 728), and USS Georgia (SSBN 729) have been selected for transformation into a new platform, designated SSGN. The SSGNs will have the capability to support and launch up to 154 Tomahawk missiles, a significant increase in capacity compared to other platforms. The 22 missile tubes also will provide the capability to carry other payloads, such as unmanned underwater vehicles (UUVs), unmanned aerial vehicles (UAVs) and Special Forces equipment. This new platform will also have the capability to carry and support more than 66 Navy SEALs (Sea, Air and Land) and insert them clandestinely into potential conflict areas. U.S. Navy illustration. (RELEASED)


弾道ミサイル潜水艦(SSBN)から誘導ミサイル潜水艦(SSGN)への改装中のUSSオハイオ(SSGN726)のイラスト。オハイオはピュージェット・サウンド海軍造船所でSSGNに改装されている。オハイオ級戦略ミサイル潜水艦4隻、USSオハイオ(SSBN726)、USSミシガン(SSBN727)、USSフロリダ(SSBN728)、USSジョージア(SSBN729)は、SSGNと指定された新しいプラットフォームへの改修された。SSGNは、最大154発のトマホーク・ミサイルを支援・発射する能力を持ち、他のプラットフォームに比べ能力が大幅に向上する。また、22基のミサイル発射管は、無人水中樹(UAV)や無人航空機(UAV)、特殊部隊の装備など、他のペイロードを搭載する能力も提供する。また、66人以上の海軍特殊部隊シールズを搭載し、支援し、潜在的な紛争地域に密かに投入する能力を有する。U.S. Navy illustration. (RELEASED)


海軍のオハイオ級誘導ミサイル潜水艦、USSフロリダ(SSGN-728)は中国、ロシア、イランなどの戦略的ライバルを監視しながら、6万海里をカバーする727日間の異例の世界展開を2024年7月に完了した。

 この2年近い任務は、途中5回の乗組員交代(ブルー/ゴールド各組の乗組員は5ヶ月間勤務)を通じ継続され、SSGNの卓越した耐久性と多用途性を浮き彫りにした。

 もともとは弾道ミサイル潜水艦であったフロリダは、154発のトマホーク巡航ミサイルを搭載し、最大66人のネイビーシールズを配備することができる。

 世界的なテロとの戦いの間、イラクやアフガニスタンの戦闘地域にいる軍人は、兵士、水兵、空兵、海兵隊員は長期間の派遣に従事することが期待された。 その中には1年という長期に及ぶものもあった。


オハイオ級潜水艦に刻まれた歴史

このことは、軍務に携わるすべての人々にとって困難なことであり、友人や家族から離れるこのような長期間を多くのオブザーバーや政治家たちが批判するようになった。

 しかし、潜水艦が2年近くも海に出ていたとしたらどうだろう?

オハイオ級誘導ミサイル潜水艦であるUSSフロリダは、海上で727日間にわたる任務を遂行し帰港した。


USSフロリダは英雄的な潜水艦

2024年7月下旬、USSフロリダは地球を一周し、中国、ロシア、イランの海洋活動を監視する作戦から帰還した。

 このミッションは2022年8月に開始され、潜水艦は60,000海里という驚異的な距離を移動した。 フロリダはジョージア州の海軍潜水艦基地キングス・ベイに入港し、海軍は有頂天になったに違いない。


極めて困難な任務

これほど長い勤務を想像するのは容易ではない。米国最大の潜水艦でさえ、水兵に多大な要求が加わる。潜水艦には狭い宿舎がある。長いシャワーは贅沢だ。艦内にはプライバシーがない。退屈が忍び寄る。食事は不味くなる。乗員は故郷を恋しく思い、新鮮な空気を吸い、愛する人に会える日が待ち遠しくなる。

 乗員にとって幸運だったのは、海軍がこうした問題を念頭に、フロリダの乗組員を5回も入れ替えたことだ。 ブルー・クルーとゴールド・クルーがそれぞれ5カ月単位で勤務した。

 そのため、少なくとも乗組員には休息が与えられ、2年連続で勤務する必要はなかった。とはいえ、潜水艦の配備は神経をすり減らし、体力を消耗するものであることに変わりはない。潜水艦艦長は、長期のパトロールがうまくいったことを喜んでいた。

 「我々は、いつでもどこでも活動できるSSGNプラットフォームの多用途性を実証した」とブルークルーの指揮官であるピーター・フレンチ大佐は語った。「それぞれの海域で活動しました。東海岸の潜水艦が西海岸に配備されるのは非常に珍しいことですが、私たちは任務を完遂するために並外れた仕事をすることができました」とフレンチ大佐は海軍のニュースリリースで語った。

  ギリシャ、グアム、ディエゴ・ガルシア、イギリスに寄港し乗組員たちは自由休暇を得た。


オハイオ級USSフロリダの興味深い歴史

フロリダはオハイオ級潜水艦の一隻で、「ブーマー」核ミサイル搭載艦(SSBN)から通常型誘導ミサイル搭載SSGNに改装された。この改造は、2003年の核燃料補給とメンテナンスの定期オーバーホール中に行われ、2006年に完了した。フロリダは、154発のトマホーク陸上攻撃巡航ミサイルで敵を吹き飛ばし、貴重な情報、監視、偵察データを収集することができる。

 フロリダはまた、66人の米海軍特殊部隊SEALsを配備することができ、その2年間の任務の中で、特殊部隊員が偵察活動のためエキゾチックな場所を訪れたことは間違いない。しかし、シールズの任務はすべて機密扱いとなる。

 フロリダは新しい艦ではない。1981年に進水し、艦隊で最古参の潜水艦である。 長年にわたる配備の間、対潜水艦と対地任務を遂行した。


米国の海中戦は別格の存在

「これまでの作戦から、多くの教訓を得ましたし、私たちが行ったことから学んだすべてのことを詳述した非常に長いメッセージをいくつか伝えました」とフレンチは語る。

 フロリダはニュースメーカーであることが多い。 海軍は浮上を発表したがらない。このオハイオ級潜水艦は2023年に中東に到着し、その年の後半にはノルウェーを訪れた。米軍はイエメンで活動するテロリストやウクライナに侵攻したロシアにメッセージを送っていた。

 つまり、フロリダはアメリカの抑止力の道具なのだ。


アメリカの潜水艦の未来は?

フロリダ艦長が説明したように、アメリカの潜水艦はいつでもどこでも活動できる。アメリカの議員たちはより多くの高速攻撃型潜水艦を望んでおり、それは国防総省とピート・ヘグセスにとって課題でもある。

海軍がヘグセスに、潜水艦が米国の国家安全保障にとっていかに重要であるか、そして新国防長官が海中戦の擁護者になるかは興味深いところだ。

 ヘグセスはより高い殺傷力を求めており、フロリダのような英雄的な活躍をする潜水艦は、トランプ防衛チームにとって最も重要であり、より広範な軍事戦略の一部であるべきだと語っている。■



727 Days On Patrol: A U.S. Navy Ohio-class Missile Sub Broke All the Rules

By

Brent M. Eastwood


https://nationalsecurityjournal.org/727-days-on-patrol-a-u-s-navy-ohio-class-missile-sub-broke-all-the-rules/


著者について ブレント・M・イーストウッド博士

ブレント・M・イーストウッド博士は、『世界に背を向けるな:保守的な外交政策』と『人間、機械、データ』の著者で、2冊の著書がある。 人工知能を使って世界の出来事を予測するハイテク企業の創業者兼CEOでティム・スコット上院議員の立法フェローを務め、国防と外交政策について同議員に助言していた。アメリカン大学、ジョージ・ワシントン大学、ジョージ・メイソン大学で教鞭をとる。元米陸軍歩兵将校。