2017年7月11日火曜日

北朝鮮の衛星監視体制強化が待ったなしになり民生小型衛星連続打ち上げに期待する米国の安全保障体制



北朝鮮全土を衛星監視しているとは思えなかったのですが、三分の一未満というのはショックですね。全土カバーにざっと50基の衛星が必要ということなので北朝鮮上空を周回中の米衛星は15-16基なのでしょうか。日本の情報収集衛星はじゃあ何をしているのかまったくわかりません。北朝鮮でさえこの状況なら中国が移動式ミサイルを整備したらお手上げですね。これを補うため超高高度にとどまる無人太陽光飛行船多数を運航するのはどうでしょうか。

Graphic: Capella Space

Tiny Satellites From Silicon Valley May Help Track North Korea Missiles

シリコンヴァレー企業の小型衛星で北朝鮮ミサイルの居場所を探知

By DAVID E. SANGER and WILLIAM J. BROAD JULY 6, 2017
  1. 北朝鮮が初の大陸間弾道ミサイルを発射したが、ペンタゴンおよび情報機関は数年間前から警告していた。スパイ衛星で監視していたが北朝鮮の進展ぶりが速いだけでなく、監視対象が局所的過ぎ米国は今回のミサイル発射準備を探知できなかった。
  2. このため米早期警戒体制の補強策が緊急かつ迅速に求められている。発射前に攻撃する能力が同時に必要だ。最も興味を惹かれるのがシリコンヴァレー発の解決策の採用でオバマ政権時代に小型かつ安価な民生衛星を導入し標的場所の駐車場にある自動車の数を把握したり作物の生育具合を監視していた。
  3. ペンタゴンで高度の機密性を有する数十億ドル単位の衛星を多用してきた向きはこの新しい動きに抵抗あがる。だが北朝鮮ミサイル開発がここまで進み、ついに小型衛星群を打ち上げる野心的な構想の計画を立てるに至った。
  4. 衛星多数を同時に打ち上げるが、軌道に留まるのは一年せいぜい二年で新しい軍事緊急対応策「キルチェーン」実行に必要な対象地を監視させる。開戦やむなしとなれば先制攻撃する新戦略の一環として衛星画像で北朝鮮の発射地点、核施設、核製造施設を識別する。
  5. 数分でも事前警告が出せれば在韓米国人数万人、数百万人の韓国、日本国民の生命を救えるかもしれない。
  6. 「金正恩はミサイル実戦能力の整備に突き進んでいる」とロバート・カーディロ国家地球空間情報局長官が述べている。同局は衛星による地図作成を統括する機能があり、長官は北朝鮮のICBM発射前に述べていた。「向こうの加速化に対しこちらも加速している」
  7. 衛星の軌道上運用予定を国防関係者が口にすることはないが事は緊急だ。先週火曜日の北朝鮮ミサイル発射はPang Hyon航空機工場の新規地点から移動式発射台で行われた。ペンタゴン報道官ジェフ・ディヴィス大佐はミサイルは「従来の型と全く違う」と述べた。
  8. 移動式だと夜間悪天候でも有効なレーダーセンサーで探知をめざす衛星でも難題だ。スパイ衛星の監視範囲は北朝鮮全土の三分の一に満たない。
  9. 米情報機関は今回のミサイル発射の兆候を数日前に探知していたと国防情報局広報官ウィリアム・マークス中佐は述べる。とはいえペンタゴンは誤った評価をしていた。米太平洋軍は中距離弾道ミサイルと発表していた。数時間後にレックス・ティラーソン国務長官から北朝鮮が発射したのは大陸間弾道ミサイルでアラスカまで到達可能と発表した。
  10. トランプ政権は民生用レーダーで北朝鮮の脅威に対応しようとしている。前政権から秘密工作も継承し、北のミサイル発射を妨害しようとしているが、効果は一定せずかつ間にあわないことが多い。
  11. ICBMテストの翌日に米韓両国が行ったミサイルテストが新戦略の一部のようだ。ミサイル発射は北朝鮮指導部が暮らす平壌攻撃を想定している。
  12. キルチェーンは先週の米韓共同声明文にも出ており、韓国新大統領文在寅には方向転換となる。これまで文は先制攻撃構想の検討を禁じており、金正恩執行部を除去する米韓勢力の動きの脅迫観念に取りつかれた北朝鮮を資するだけだとしていた。
  13. 文大統領は南北直接対話の復活を公言し、以前の政権で本人が首席補佐官時代に名付けたいわゆる太陽政策に言及していた。
  14. だがトランプ大統領は圧力をかけるため艦船を集結させ、制裁強化やミサイル防衛体制整備に動いた。北が六回目の核実験または米本土到達可能なミサイルの発射に踏み切れば軍事行動のオプションも加わる。
  15. 「脅威は極めて切迫している」とH.R.マクマスター安全保障担当大統領補佐官は新アメリカ安全保障センター主催の会合で発言。「そのため今までと同じ対応はできない。以前失敗した方法はくりかえせない」
  16. そこで衛星では民生技術の活用をめざす。カリフォーニアのグーグル本社を望む国防総省のビルにオフィスを構えるラジ・シャーは国防イノベーション実験部門DIUxの長で民生小型レーダー衛星技術に広く投資中で、今年末または2018年初めにはペンタゴンが利用できるとみている。
  17. 「大変難易度の高い挑戦です」とシャーは語る。イラクでF-16のパイロットだったシャーはシリコンバレーでの経験をアシュトン・カーター国防長官(当時)に売り込み、カリフォーニア事務所に抜擢されたのだ。「利用できる技術を軍用に改修するのがカギです」
  18. シャーの部隊はシリコンヴァレーの新興企業カペラスペースCapella Spaceに投資しており、今年末にレーダー衛星一号を打ち上げる予定だ。衛星多数を打ち上げれば対象地を毎時監視できると同社は述べている。
  19. 「衛星の大きさはバックパック程度です」と同社創設者パヤム・バナザデは語る。イランで生まれ、テキサス大とNASAジェット推進研究所で衛星設計を学び、ミニチュア化が得意だ。軌道上でアンテナと太陽光パネルを伸長する。
  20. 衛星の構成部品は「すべて小型化しています」とし、「次世代の衛星はもっと小さくなります」という。
  21. 国家地球空間情報局もペンタゴンの例を見てシリコンヴァレーの中心地サンホセに連絡事務所を開き、衛星レーダーデータ技術を有する企業の取り込みを狙う。
  22. 政府関係者が北朝鮮の衛星監視偵察機能の不足を認めるのはまれなことだが、ウィリアム・J・ペリー元国防長官がこう発言している。もし北が米国あるいは同盟国を狙いミサイルをくり出してきても「探知できない可能性が高い」
  23. 更に状況を悪くしているのは北朝鮮が固体燃料の利用を昨年から始めたことだ。液体燃料方式のミサイルは燃料充填に数時間から数日かかるが、固体燃料ミサイルは事前警告無しで発射できる。
  24. 打ち上げ準備作業の探知を雲の有無、天候状況に関係なく行い、ミサイル等の軍事装備の移動状況を監視するカギは衛星を常時待機させることだ。宇宙空間にレーダーを配備すると巨額の費用が必要であった。巨大アンテナと大出力の電力も必要だった。
  25. 2007年の議会予算局試算ではレーダー衛星21基を軌道配備すると940億ドルとしていた。一基あたり40億ドルになる。この試算が出たのは北が初の核実験を実施した直後でミサイルや移動発射台の追跡が衛星で可能なのかに話題が集まり、衛星35基から50基があれば偵察が迅速に行えるとしていた。
  26. 新世代の小型かつ安価な衛星ならその目標が実現しやすくなる。カペラはレーダー衛星の今年末の初打ち上げに続き36基を軌道に乗せる予定で議会調査報告の方向に沿う。
  27. カペラ以外の民間企業も新世代レーダー衛星の打ち上げを狙い、アーサスペースシステムズUrsa Space Systems(ニューヨーク州イサカ)、アースキャストUrtheCast(カナダ、ヴァンクーヴァー)、イセエIceye(フィンランド)がある。各社ともシリコンヴァレーと強いつながりがある。
  28. 国家地球空間情報庁の民生技術利用事業ではカナダ、イタリア、ドイツからレーダー衛星を購入し民生新型技術の評価を目指す。
  29. カーディロ長官は新規民間企業との連携で北のミサイル等の監視能力不足を埋めることを期待している。「新規企業でも古手企業でも不足分を埋められるならそれで十分だ」■
Eric Schmitt contributed reporting from Washington.


2017年7月9日日曜日

ISISを1,000キロ地点から巡航ミサイル攻撃<ロシアも長距離精密誘導攻撃能力を手に入れた模様


技術は水の流れのようなもので堰を作って止めた気になっても結局流れを止めることができません。米技術の優位性が揺らいでいます。21世紀に入りアフガニスタン、イラク等の技術格差が大きい相手に有利な戦いを展開してきた米国ですが、その間にロシア、中国さらにイラン等が着実に技術力を引き上げて、今や互角の技術を有する相手との戦いを想定せざるを得なくなっているのは皮肉な歴史の進展です。ただ米国も黙って状況を見ているわけではなく、さらに先を行く技術を実用化していくはずです。

One of Russia's Most Deadly Bombers Now Has a Scary New Capability

ロシア最強の爆撃機に恐るべき新能力が付与されている

July 5, 2017


  1. ツボレフTu-95MSベア戦略爆撃機に機内で目標再設定できる新型巡航ミサイルの導入が始まっている。飛翔中に目標変更も可能でロシア軍に新しい形の戦力が生まれる。
  2. ロシア国防省は本日の発表ではTu-95MS爆撃機隊が最新X-101巡航ミサイルでシリア国内のISISを攻撃したとし、同ミサイルの射程は4,500キロだという。
  3. 「7月5日戦略ミサイル母機Tu-95MSはロシア連邦内エンゲルス飛行場を離陸し、空中給油を受けたあと(シリアアラブ共和国の)ハマおよびホムスのISIS拠点を最新巡航ミサイルH-101で攻撃した」とロシア国防省がフェイスブックで伝えた。
  4. 「この攻撃でアケルバット近郊の武器弾薬庫三棟および指揮命令拠点が破壊された。攻撃は高精度H-101でおよそ1,000キロ地点から実施された」
  5. Tu-95MSはSVPシステムを装備し乗員が飛翔中のミサイルの標的を再設定できるようになる。同装備はまだ広く導入されておらず、何機に搭載したか不明だ。
  6. 「新装備の爆撃機導入が進んでいます」とワシリー・カシン(モスクワ高等経済学研究所内欧州国際総合研究センター主任研究員)がNational Interestに述べている。「巡航ミサイル発射の前に標的設定できます」
  7. さらに発射後にミサイルの標的再設定が可能だ。カシンはX-101の標的再設定能力を伝える複数報道があると指摘するが、実戦化はまだとはいえ開発が着実に進んでいるのは確かだ。
  8. 「米軍に倣い開発中なのだろう」とカシンは述べる。「爆撃機の側が準備できておらず性能をフルに活用できていない」
  9. SVP装備のTu-95MS搭載は、各機が定期整備改修に入るたびに実施されているようだ。
  10. この分野でのロシアの開発成果には目を見張るものがあるが「ロシア軍にとって大きな一歩で作戦の柔軟度や効果を引き上げ、戦闘状況に応じた攻撃が可能になります」とマイク・ガンジンガー(戦略予算評価センターで航空戦力アナリストを務める元B-52パイロット)がNational Interestに語る。
  11. 「発射後に標的の再設定可能な兵器が手に入ると大きな意味があります。向こうはこの能力を実用化するでしょう。さらに将来は兵器間でやり取りすることになれば戦闘の様相は大きく変わります」
  12. 長距離精密兵器は米国の独占分野ではなくなった。■

Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @Davemajumdar.
Image: Creative Commons.

米本土ミサイル防衛のシミュレーションをノースロップ・グラマンが公開



We Ran a Simulated ICBM Attack on the United States to Find Out: Could We Stop One?

米本土へのICBM攻撃シミュレーションを視察して:攻撃阻止は可能なのか


Jul 06 2017
By Tom Demerly

 

  1. ノースロップ・グラマン社の弾道ミサイル防衛技術実証の実情を見る機会を得た。
  2. 将来のいつか、外交手段で解決できなくなったとの想定だ。米海軍艦船が某敵対国家の潜水艦と衝突した。米空軍偵察監視機材が国際空域ぎりぎりの地点で攻撃を受ける。ならず者国家は弾道ミサイルテストを続ける。
  3. 宇宙軍団の監視衛星がミサイル発射を探知したのは現地時間0234時、標準時1734GMT、サンフランシスコは日曜日午前10:34のことだった。
  4. 早期警戒監視の画面が無音で赤く点滅する。赤い円弧が囲む。速度、高度などデータが自動表示される。海上配備レーダーから情報が入る。もっと多くのデータが利用可能となる。軌道、加速度、最高高度、再突入地点、大気圏内減速が判明する。そこからミサイルの推定命中地点を割り出す。
ミサイル発射の瞬間 (credit: Northrop Grumman)

  1. 記者は椅子に座りICBMが米本土西海岸に向かう様子を見ていた。ミサイルは最高地点に達し、攻撃の最終段階に入る。変化が早い。見ていて汗が出た。実にリアルだ。ミサイルが目標に向かい高度を下げると減速するが、それでも相当の高速だ。
  2. 米本土がならず者国家が発射したICBMの攻撃下にある。米本土が攻撃を受けるのは第二次大戦後初の事態となる。迎撃戦が始まった。
  3. 情報機関の分析官は脅威の推定損害規模は中程度だとわかっているが、なすすべがない。弾頭は小さいようで、現在の標準から見て粗削りだ。機能しないかもしれない。誘導システムは精密ではないかもしれない。弾頭が太平洋上に落ちる、あるいはカリフォーニア州の山脈部分に落下するかもしれないし、サンフランシスコのマーケットストリートと六番街の金融地区交差点上空で爆発するかもしれない。放射性物質が市内に拡散するかは爆発高度により変わる。あるいは不発かもしれない。
  4. だがそれが今回の攻撃の主要ポイントではない。大事なのはならず者国家が米政府に意思を明確に伝えていることだ。そちらに到達できるぞ。攻撃の意思があるぞ。もはや安全ではないぞ。
  5. 本誌The Aviationistはノースロップグラマン社の厳重な保安体制施設で米本土の弾道ミサイル防衛の現状と将来の姿を知る機会を得た。そこで見たのはアジア大陸の某所から打ち上げられたICBMを迎撃するという背筋の凍る思いの演習だった。(編集部注 ノースロップ・グラマン社要請で敵性国家の国名を具体的に示さないことで了承した。
  6. ノースロップ・グラマンのケン・トドロフ(グローバル防空ミサイル防衛部長)が本誌に語った。「これは文字通りロケット科学の世界です」
  7. トドロフはICBM発射シミュレーションを統括し、ノースロップ・グラマン製造の弾道ミサイル防衛システムズを使った。同社の地上配備中間軌道防衛(GMD)システムへ新規技術が投入されている。一部はまだ運用が始まっていないが、ICBM防衛には不可欠の技術要素だ。脅威を与えるならず者国家が太平洋地区の国だとすればノースロップ・グラマンの新技術は単に重要だけでなく本国防衛に不可欠だ。
  8. GMDのような装備がなければわが西海岸は歴史上はじめてICBM核攻撃にさらされる。
  9. 各種センサーからのデータが洪水のように入り、ICBMの追尾状況がわかる。部屋全体ほどの幅がある大型画面でミサイルを追尾する。個別画面でも同じ状況がわかる。不気味なほど静かだ。
ICBMによる米西海岸攻撃シミュレーションの画面 (credit: TheAviationist.)

  1. 「地上配備迎撃ミサイル発射。アラスカ、フォート・グリーリーから」とシステム操作員が告げる。上昇中の迎撃ミサイルの軌跡が画面に現れる。弧を描き加速しているのがわかり、飛来するICBMの降下軌道に重なっていく。
  2. 「地上配備迎撃ミサイル発射、カリフォーニア、ヴァンデンバーグ空軍基地」と二番目の軌跡が画面に現れた。米西海岸からの発射だ。米ミサイル二発が今空中にあり、ノースロップ・グラマンの新技術により迎撃データと標的情報が混合され中間段階での迎撃データを出していく。
  3. いろいろな線が音もなく合流し明るい照明の「Y」字形が画面にあらわれる。別の画面ではICBMが下降に入る弧を描き、迎撃ミサイルも弧を作り迎撃に向かう。
  4. 「大気圏外で弾丸に命中させるようなものです」とトドロフが説明する。ミサイル三本の軌跡が巨大画面で合流する。今命中させようとしている発射体は時速1万マイルだが大きさはゴミ箱くらいだ。
  5. ICBMの飛翔には四段階ある。発射打ち上げ段階が迎撃上で一番難しいが、発射地点を探知できる。上昇段階はイージス戦闘システムで探知されやすくRIM-156やRIM-174スタンダードミサイルを艦船あるいは地上施設から発射して対応する。三番目が「中間段階」でICBMを大気圏外でTHAADミサイルあるいは現在開発中の別装備で迎撃する。
  6. 目の前の巨大ディスプレイでいろいろな線が合流してきた。
  7. 太平洋東側のカリフォーニア州上空の大きな「Y」字がはっきりしてきた。音はまったくなく、三本のミサイルを示す記号が消える。迎撃が成功した。ノースロップ・グラマンの新技術を使って太平洋上空でICBMを破壊し、米本土は無傷だった。
ミサイル発射シミュレーションでICBMの追尾の詳細画面 (credit: The Aviationist)

  1. その後、地上配備中間軌道迎撃(GMD)による2017年5月30日の弾道ミサイル迎撃実証実験の成功例の実際の映像を観た。地上配備迎撃ミサイルはヴァンデンバーグ空軍基地(カリフォーニア)から発射され、「対ミサイル」ミサイルは大気圏外命中発射体が搭載されていた。迎撃に成功し、模擬ICBM(太平洋ケジェリン礁から発射)を破壊した。再突入段階の高高度で直撃した。この実証は弾道ミサイル防衛システムの成功例とされている。
  2. ノースロップ・グラマンのミサイル防衛体制への貢献度は大きい。2017年初めにケン・トドロフは報道陣に「議会各位には脅威が増大する中で本土防衛を実現する難題がのしかかっている。国防予算が減少気味の現在、本土を現実の脅威、増大する脅威から守る手段となる『槍先』の整備に最高優先度をつけるのが重要ではないでしょうか」と述べていた。
  3. 現実の見出しから太平洋地区から発射されるICBM脅威は現実になったのがわかる。ミサイル防衛体制の整備は米国の最優先課題と言ってよい。■
Note: The Aviationist.com wishes to thank Lauren A. Green, Manager, Branding and External Communications for Northrop Grumman Mission Systems and the entire team at Northrop Grumman for their kind assistance with this article.

2017年7月8日土曜日

暑さ対策に世界最高の水泳環境の写真をどうぞ



暑いですね。少しでも涼しくなるようせめて写真だけでもお楽しみください。説明抜きで。


21 stunning photos prove the US Navy and US Marine Corps have the best diving boards and swimming pools

米海軍海兵隊の隊員には洋上勤務で休憩時間は少ないが「水泳タイム」に大部分を使う。隊員は艦付近を自由に泳ぐごとが許され、監視員がサメに目を光らす。以下21枚の写真は米海軍海兵隊の隊員諸君が最高の飛び込み台、水泳環境に恵まれていることの証明だ。

A sailor from the USS Mobile Bay jumps into the Pacific Ocean.

A sailor from the USS Mobile Bay jumps into the Pacific Ocean.

Sailors assigned to the Arleigh Burke-class guided-missile destroyer USS Halsey swim in the Philippine Sea.

Sailors assigned to the Arleigh Burke-class guided-missile destroyer USS Halsey swim in the Philippine Sea.

Sailors and Marines aboard the USS Essex run into the Celebes Sea.

Sailors and Marines aboard the USS Essex run into the Celebes Sea.

Plunging into the Mediterranean Sea from the USS Carl Vinson.

Plunging into the Mediterranean Sea from the USS Carl Vinson.

A sailor from the USS Antietam joins his fellow crew in the Indian Ocean.

A sailor from the USS Antietam joins his fellow crew in the Indian Ocean.

A Marine from the USS Kearsarge dives into the waters of Aqaba, Jordan.

A Marine from the USS Kearsarge dives into the waters of Aqaba, Jordan.
US Navy Photo

A sailor jumps from the USS Jason Dunham into the Mediterranean Sea.

A sailor jumps from the USS Jason Dunham into the Mediterranean Sea.

Sailors play football in the well deck of the USS Cleveland off of the coast of Espiritu Santo, Vanuatu.

Sailors play football in the well deck of the USS Cleveland off of the coast of Espiritu Santo, Vanuatu.

Sailors and Marines from the USS Iwo Jima enjoy the Gulf of Aden.

Sailors and Marines from the USS Iwo Jima enjoy the Gulf of Aden.

Sailors jump from the USS Dwight D. Eisenhower into the North Arabian Sea.

Sailors jump from the USS Dwight D. Eisenhower into the North Arabian Sea.

Sailors from US 7th Fleet flagship USS Blue Ridge participate in a swim call after a Crossing the Line ceremony.

Sailors from US 7th Fleet flagship USS Blue Ridge participate in a swim call after a Crossing the Line ceremony.

Sailors and Marines from the USS Mesa Verde swim in the Mediterranean Sea.

Sailors and Marines from the USS Mesa Verde swim in the Mediterranean Sea.

Sailors and Marines aboard the USS Fort McHenry jump off the stern gate into the Mediterranean Sea.

Sailors and Marines aboard the USS Fort McHenry jump off the stern gate into the Mediterranean Sea.

Sailors jump from the aircraft carrier USS Dwight D. Eisenhower in the North Arabian Sea.

Sailors jump from the aircraft carrier USS Dwight D. Eisenhower in the North Arabian Sea.

A sailor jumps off the stern gate of the USS New Orleans during a swim call in the Gulf of Aden.

A sailor jumps off the stern gate of the USS New Orleans during a swim call in the Gulf of Aden.

Sailors during a swim call jump off an aircraft elevator aboard the Nimitz-class aircraft carrier USS Carl Vinson into the Arabian Sea.

Sailors during a swim call jump off an aircraft elevator aboard the Nimitz-class aircraft carrier USS Carl Vinson into the Arabian Sea.

Sailors from the aircraft carrier USS Dwight D. Eisenhower jump into the North Arabian Sea.

Sailors from the aircraft carrier USS Dwight D. Eisenhower jump into the North Arabian Sea.

Sailors and Marines aboard the multipurpose amphibious-assault ship USS Bataan dive off the stern gate during a swim call in the Mediterranean Sea.

Sailors and Marines aboard the multipurpose amphibious-assault ship USS Bataan dive off the stern gate during a swim call in the Mediterranean Sea.

Sailors aboard the USS Thach participate in a swim call during the Crossing the Line ceremony weekend, which commemorates a sailor's first crossing of the equator, in the Pacific Ocean.

Sailors aboard the USS Thach participate in a swim call during the Crossing the Line ceremony weekend, which commemorates a sailor's first crossing of the equator, in the Pacific Ocean.

Sailors assigned to the USS Carl Vinson swim during a swim call in the Arabian Sea.

Sailors assigned to the USS Carl Vinson swim during a swim call in the Arabian Sea.

Military personnel watch as sailors from the USS Cleveland swim near Papua New Guinea.



2017年7月7日金曜日

★★3Dプリンターを戦場に持ち込んだ米海兵隊の利用方法



Commandant of the Marine Corps Gen. Robert B. Neller, right, observes a 3D printer in the Central Command area of operations, June 18, 2017. (U.S. Marine Corps photo by Cpl. Samantha K. Braun)

海兵隊総監ロバート・B・ネラー大将(右)が3Dプリンターの作動状況を見ている。

中央軍任務地にて。 June 18, 2017. (U.S. Marine Corps photo by Cpl. Samantha K. Braun)


Marines Send 3D Printers to Combat Zone to Fix Gear Faster

米海兵隊が戦闘地帯に3Dプリンターを持ち込み装備修理を迅速に進めている

 POSTED BY: HOPE HODGE SECK JULY 5, 2017

  1. 各国共同でイスラム国戦闘員集団と対決する戦闘も三年になり、最前線は厳しい環境に置かれている。イラク、アフガニスタンとはちがい大規模な前線基地や大部隊はともに姿が見当たらない。この環境で米海兵隊が3Dプリンターを現場に持ち込み、新技術で補給活動を加速化し故障した装備を早く現場に戻そうとしている。
  2. 「3Dプリンターを戦闘地帯で使うのは海兵隊が初めてでしょう」とハワード・マロット中佐が述べる。海兵隊で付加製造、3Dプリントの実施で先端を走る中佐がMilitary.com取材に答えている。「特殊部隊ではプリンターを使っていますが、扱ったのは技術専門職でした。海兵隊は海兵隊員がプリンターを使っており、運用しながら訓練も行っています」
  3. 海兵隊関係者はプリンター設置先や設置数については語ってくれないが、マロット中佐は卓上サイズのマシンが中東各地に配備されており、海兵隊危機対応タスクフォースが使っていると紹介してくれた。ただし戦線の背後地に配備しているという。各軍も3Dプリント技術の軍事応用を模索しているが、海兵隊が同技術導入に一番熱心で実戦部隊の一般隊員にまで使用させている。2016年9月の海兵隊内メッセージで各部隊指揮官には運用中装備の修理部品製造で3Dプリント技術利用が認められた。
  4. マロット中佐によればこれまで3-Dプリンター40台が導入されており、需要は伸びる一方で今年秋には60ないし70台に増えると見ている。
  5. 戦闘地帯でプリンターを使うことで重要部品を素早く製造し、本国の集積地あるいは遠隔地にある国防兵站庁の物資集積場からの配送を待たなくてもよくなったとマイケル・デイナ中将(海兵隊物資集積補給副司令官)は述べている。
  6. 「プラスチック部品を使う無線機が故障したとしましょう。今は部品をブリントして無線機に使い機能を復活させています」とデイナ中将はMilitary.comに語ってくれた。「欲しい時に欲しい部品を文字通り数時間で手に入るようになりました。最悪でも数日です。従来は本国に在庫を照会するだけ数日数週間かかり、もっと長い場合もありました。このため新技術には魅力があります」
  7. 無線装置以外に海兵隊は81mm迫撃砲用特殊レンチ、添木など医療部材もプリントしているとマロット中佐は紹介してくれた。さらに可能性が広がりつつある。
  8. 6月には専門誌Defense Systemsが海兵隊が3Dプリンター製造の4軸回転翼式ドローン「ニブラー」を戦闘に投入する準備中と伝えている。
  9. 「いつも海兵隊員から優れた発想が出てきます。いつも革新的です。いままでは現場で製造する能力がなかったのですがね」とマロット中佐は述べた。「今や3Dプリント技術で海兵隊が頭の中の革新性を具体化する手段が生まれたわけです」
  10. 他方で海兵隊は付加製造技術で遠隔地補給処に頼らずに戦闘を続けさせられないか模索している。
  11. 「付加製造、3Dプリント技術はサプライチェーン肥大化を防ぐ効果を生む可能性があります。現在のサプライチェーンでは工場依存になっていますが、工場の場所は遠隔地の米国本国であるのが普通なのです」(ディナ中将)■

★★中国が開発成功したと自称するポンプジェット推進で潜水艦戦が一変する?



ポンプジェットは日本が受注に失敗したオーストラリア案件でも話題に出ましたね。今のところ日本では採用の動きがないようですが、この分野に詳しい方のコメントをお願いします。

Did China Just Create the "Holy Grail" Of Submarine Technologies?

中国は潜水艦技術の「至高の目標」を実現したのか

The National Interest Dave Majumdar
July 6, 2017

  1. 中国人民解放軍海軍(PLAN)が電動ポンプジェット推進方式潜水艦技術の開発に成功したと発表している。事実なら西側の潜水艦より静寂な潜航が実現することになる。
  2. 従来型のプロペラ式推進では機械的に駆動軸で回転力を得ているが、中国が新開発したと主張する縁推進方式では電動モーターを推進器側板に組み込む。
  3. 「縁推進方式ポンプジェットには円形電動モーターを側板内部に取り付ており、弁ローターを回転させてポンプジェットの空洞を作り推進力を得る」とサウスチャイナモーニングスターが報じている。
  4. 駆動軸がない潜水艦は静かになる。その分探知が難しくなる。中国は新型推進方式はキャビテーションを減らし、音響特性で探知されにくいと主張している。
  5. PLANのMa Weiming少将が「研究チームが世界をリードする技術を実現し、次世代原子力潜水艦に搭載する」と同紙で述べている。「我が国の技術は米国を凌駕し、米国より先に同技術を完成させた」と述べたと同紙は伝えた。
  6. 同少将は新型ポンプジェットはPLANの次期原子力潜水艦に搭載するとし、095型攻撃潜水艦、096型弾道ミサイル潜水艦を想定している。しかしながらPLANから新型艦がこの技術を搭載するとの発表はまだ出ていない。
  7. 米海軍はポンプジェット式推進技術をロサンジェルス級、シーウルフ級、ヴァージニア級の攻撃型潜水艦に搭載している。計画中のコロンビア級原子力弾道ミサイル潜水艦にも採用する。コロンビア級では統合発電推進方式で永久磁石により駆動軸を回転させる。
  8. 駆動軸のない推進方式は潜水艦推進力の至高の目標といってよい。米海軍関係者は中国の言い分はそのまま信用できないとする。
  9. 「関連記事は今朝目にしましたが、PLANの宣伝機関がまたやっているかというところですね」と語るのは海軍関連コンサルタント企業フェリーブリッジグループの常務ブライアン・マクグラスだ。
  10. だが事実なら潜水艦を巡る構図が全く変わってくる。「そうですね、本当ならね」とマクグラスは述べる。「現在こちらに有利になっている状況がPLANの新開発で押されているのは事実です。とはいえ米海軍潜水艦より静かな艦が登場するとは思えません」
  11. 中国が縁推進式のポンプジェットを本当に開発し作戦投入しても作動するのなら大きな開発成果になる。PLANが画期的な潜水艦技術を実用化し米国との差を埋めつつあることになる。ただし潜水艦の音響特性改良は推進方式だけで解決するものではなく、長期間にわたる試行錯誤があってこそPLANは米潜水艦の実力に追いつき追い越すことができるはずだ。■
Dave Majumdar is the defense editor of The National Interest. You can follow him on Twitter @DaveMajumdar.


2017年7月6日木曜日

北朝鮮ICBM初発射の分析と浮かび上がった課題



失敗を回避すべく最大限の配慮で初のICBM発射に成功し、責任者は命を失うことはなかったようです。記事が指摘するように初の発射で即兵器運用にはならないとしても、まさしく時間の問題になったようです。北朝鮮は自滅へのスイッチを入れたことになるのか、まだわかりませんが、終わりの始まりであることは明らかです。日本としては中距離弾道ミサイル多数があることに引き続き注意していく必要があります。

(Photo: Rodong Sinmun)

North Korea Finally Tests an ICBM 北朝鮮がついにICBM実験に踏み切った

BY: JOHN SCHILLING JULY 5, 2017
  1. 米国では独立記念日は壮大な花火ショーで祝うことが多いが、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射テストは想定外だ。だが金正恩がそれを実施し独立記念日祝いと言うが心配の種を増やしてくれた。北朝鮮中央通信が発射の映像を公開し、最大高度2,802キロまで達してから933キロ離れた海面に39分後に落下したとする。日米韓各国政府が発射の事実を認め、おおよその性能を確認した。事実なら米本土まで到達するミサイルになる。ここまで早く実現するとは予想していなかった。
  2. ただしこのミサイルが実際に米本土を正確かつ信頼性高く攻撃可能な兵器になるまでは一二年はかかりそうだ。とくに有事の際の発射の想定が必要だ。とりあえずは確実性に欠ける脅威対象だ。だが不確実でも米本土へ脅威が生まれ抑止力になるし、今回の脅威に対応した外交政治上の意味がすぐにでもあらわれるはずだ。
  3. 興味を惹かれるのはロシア国防省が最大高度はわずか510キロだったと発表したことだ。米太平洋軍の第一報では最大高度を2,500キロとしそこから射程距離を5,500キロと推定しICBMに分類した。初期報道で数字に不一致が見られるが、一番正確な数字がどれなのか判断できない。確かなことはいえないが、確実性が不足していることを考慮しても、高度2,500キロ超、飛翔時間37分超は正しいと言える。
  4. 最近の北朝鮮長距離ミサイルテスト同様に今回も「ロフテッド」軌道で近隣国を飛び越す飛翔を防ぎながら、高性能を試したとみられる。データが正しければ、ミサイルをもっと効率の良い軌道で発射すれば、6,700キロから8,000キロ先に到達するだろう。このうち6,700キロ推定を出したデイヴィッド・ライトは自身の推定には地球の自転効果を盛り込んでおらず、ミサイルを東方向に発射すればもっと高い性能の可能性があると述べている。もちろん米国は北朝鮮から東方向に位置する。北朝鮮から発射すれば米本土は無理としてもハワイ、アラスカは十分射程内に入る。
  5. 北朝鮮は火星-14ミサイルと称しているが、2015年末のパレードに現れた液体燃料方式のKN-14ミサイルと類似している。違う点はKN-14は第一段にエンジン複数を搭載しているが、今回のミサイルにはエンジンは一基のみで制御用にバーニヤ四枚がついていることだ。エンジン複数搭載モデルは初期のみで冷戦時のロシア製ハードウェアの数が限られているのだろう。新型の単独エンジンは先月テストされた火星-12(KN-17)のエンジンと酷似している。出現のタイミングを見ると火星-12を原型に火星-14技術を開発し政治的に失敗が許されない北朝鮮ICBMの初発射を確実に行うようにしたのだろう。
(Photo: Rodong Sinmun)

  1. もう一つ相違点がある。二段目と再突入部分形状に手が加えられている。KN-14原型の再突入部分を再設計したか空のペイロードフェアリング内に格納したのだろう。ペイロードフェアリングはミサイルの初期飛翔段階で空力性能の向上効果があり、性能を多少向上させる。ICBMのペイロードフェアリングは内部に複数弾頭あるいはデコイを搭載し、その他攻撃用装備も入れることがあるが、このミサイルは複数弾頭運用は不可能で、デコイも最小限しか搭載できない。
  2. また火星-14は平壌軍事パレードで見られたKN-14用運搬車両で移動されているようだが、発射は車両からではなく発射台からで、車両はミサイルを起立移動してから安全範囲に退避している。このため打ち上げに時間がかかるが、実験失敗の場合、高価かつ台数が限られる発射車両を喪失することがない。有事の際は車両から発射するだろう。同ミサイルが移動式であることにかわりなく、先制攻撃でも破壊は困難だ。
  3. 総合判断すると今回のミサイルは以前に存在が確認されたKN-14の派生型と見るのが妥当で完全新型ミサイルではない。KN-14、KN-17と共通のファミリーだろう。今回のテストは完全成功あるいは部分成功だったと見ている。だが北朝鮮が射程距離を延ばそうとしているのか不明だ。同国のプロパガンダが実際の攻撃計画を反映しても東海岸はもちろんサンディエゴ海軍基地含む地点にも到達不可能だ。
  4. 仮に部分成功だったとしても北朝鮮には課題が残る。ミサイルが予想通りに正確な角度を実現していない場合が想定される。ミサイルは軍港や市街地の攻撃でエンジンを正確に制御して停止させる必要があるので、これを試す必要があるのだ。ミサイルの燃料が想定より数秒早くなくなることはまれだがコースをはずれることはよくある。ICBM開発初期では再突入体の熱遮断性能が想定通りにいかないこともよくある。その場合はテストを繰り返し問題を修正する必要がある。北朝鮮はデコイや防御装備の搭載も想定するはずだが、テストも追加実施することになり、ミサイルの初期投入段階ではデコイ等は使えないかもしれない。
  5. テスト一回でミサイルの信頼性は判断できない。また実証が必要なのは信頼性だけではない。発射要員は短時間でミサイルを正確に発射する能力が必要で、有事の際には米韓のミサイルがくる前に発射する必要があるのだ。ミサイル運搬車両やその他支援装備でも事前に運用訓練をしておく必要があり、とくに危険な推進剤注入に十分慣熟しておく必要もある。ここで成功しても理想的な条件での成功であり、急に開戦したら実施できるとは限らない。
  6. だが北朝鮮がどの程度の信頼性を目指すのか不明だ。例として火星-14を今年末に戦闘投入するとしよう。テストで理想的な条件で作動しても実際にうまくいかないことがありうる。打ち上げに失敗すればミサイルは爆発するか、コースを外れ意味のない地点に命中する。だがそれでも都市破壊には十分であり、機動性があり発射前に排除するのは困難だろう。ただし北朝鮮がまず目指すのが抑止効果なら、これでも十分である。
  7. だが北朝鮮がこのミサイルを正確かつ高信頼度で運用する技術を習得し、必要な改修や性能向上を実現するには一年か二年しかかからないだろう。北朝鮮がICBM能力を獲得するのは2020年代はじめと予測していたが、同国は当方の想定とは別に動いているようだ。戦略、外交、政治の各面で深刻な意味がすぐにあらわれそうだ。例として今日からは米軍司令官は朝鮮半島の戦闘状況がハワイ、アラスカまで拡大することがないとは100%自信が持てなくなった。また米側の同盟国も新状況で域内の安定と防衛で米国が責任を果たさなくなるのではと危惧するはずだ。米国の政治指導層はどう対応すべきか考え出す必要がある。■