2018年10月10日水曜日

次期大統領専用ヘリコプターVH-92開発の最新状況

リムジン車両に続き、今度はヘリコプターです。大統領専用機材は固定翼機も回転翼機も数十年に渡りかどうするため多額の予算で考えられるすべての改装をしつつ保守管理していくのですね。その両方にトランプの個人趣向が内装で働くとしたら今後30年間荷渡影響力を与える大統領になります。今後の新大統領が気に入らず全部入れ替えさせれば話は別ですが。(ホワイトハウスでは内装を変更することはまれではないようです)


Sikorsky's VH-92 Marches Towards Its Goal Of Flying The President As 'Marine One' in 2020シコースキーVH-92が次期「マリーンワン」稼働開始2020年の目標に向かい順調に進展中

Hurdles still lie ahead, but the program seems to be making progress towards its goal of replacing all 11 VH-3Ds and 8 VH-60Ns by 2023.

ハードルはまだ残るものの現行VH-3D(11機)、VH-60N(8機)の更新を2023年までに実現する目標に向かい順調に推移しているようだ

SIKORSKY VIDEO SCREENCAP

こにきてVH-92大統領専用ヘリコプター開発の現況について問い合わせが多数入っている。次期「マリーンワン」の初飛行をお知らせしてほぼ一年が経過したが、その後の開発は一部リスクの懸念があるものの極めて順調に推移している。
シコースキーがVH-92のテスト映像を公開しており、初めて同機の仕様が判明した。
VH-92の外観は普通のS-92ヘリバスと大差がないように見える。最大の相違点はAN/AAQ-24 Nemesisを原型とした指向性赤外線対抗装置Directional Infrared Countermeasures (DIRCM) の腹部フェアリング三枚だ。レーザーを使った赤外線誘導ミサイルを作動不全にする装備はエアフォースワンやマリーンワンの防御装備の中心で、米国や同盟国の軍用機で広く使われている。
シコースキーではVH-92実証機と呼ぶ機体を飛行させており、下にノースロップ・グラマンのイベントに登場した同機の写真を乗せる。同機がVH-92最終仕様とどこまで同じか不明だが、大統領専用機材を運営するHMX-1部隊と同様の塗色を施してあり、衛星通信装備を搭載しているようで、機体後部に視認できる
NORTHROP GRUMMAN

ただしVH-92の機内の様子は不明だ。HMX-1が運用中のVH-3D11機とVH-60N8機で内部は公開されており、VH-92も同様になるのではないか。S-92はVIP仕様に改装の余地が大きい。客室は広く、長く、高いため長距離ジェット機同様の乗り心地を提供し、通常ヘリコプターの窮屈な感じとは別物だ。レイアウトは多数あり、座席配置は各種可能だ。

S-92では空間的な贅沢が可能であり、通常のヘリコプターと異なる。この要素こそVH-3D後継機として決め手となったものだ。ただしVH-3Dでもそれなりに広いキャビンを実現している。
Kp3-Dの3Dデザイナー、キース・ピータースはシコースキー向けにVH-92機内のレンダリングを作成した。最終的なVH-92の客室とどこまで同じか不明だが、ドナルド・トランプの個人保有ボーイング757の客室の様子に似ている。
トランプはヘリコプターを熟知しており、ヘリコプター運行会社を経営したが、今もS-76数機を保有し個人及び社用輸送に使っている。このことを念頭にすればトランプが意匠になんらかの示唆を与えていても驚くにあたらない。これは今後登場するエアフォースワン後継機でも同様だ。

2018年4月、海軍航空システムズ本部(NAVAIR)からVH-92開発段階の完了が近づいたとの発表があった。開発は2014年に始まり、2019年中頃までの予定だった。その後、量産検討があり、まず6機が生産される。海軍はバラク・オバマ大統領がロバート・ゲイツ国防長官(当時)にVH-71事業の中止を命じたため別事業を開始したのだった。VH-71は費用増加のため批判を受けた。
海軍には12億ドルが与えられVH-92A開発がはじまり、別に9億ドル近くが2019年度予算に認められている。245百万ドル近くで開発を継続しながら残りの予算で低率生産による機材を調達する。
AP

VH-3Dは長年に渡り供用されているが、耐用年数が終わりに近づいている。とはいえシーキングヘリコプターがVVIP用途にここまで有効に活用できているのは驚くばかりだ。同機の初飛行は1960年代初期で、ホワイトハウスの有名な写真で何度となく登場している。水陸両用の性能も緊急時に役立つ。だがVH-92はそれをうわまわる機材になる。
現時点で米海軍はVH-92Aを23機調達する予定で、うち21機が海兵隊の第一ヘリコプター飛行隊 (HMX-1)に配備予定で「ホワイトトップ」塗色の現行VH-3D、VH-60N各機と交代する。この内一機が「マリーンワン」となり大統領が搭乗する他、その家族、閣僚顧問を国内外で搬送する。また四機は訓練用に使う。
NAVAIRは二機を引き続きテスト用とし、装備の更新に役立て、通信装備や防御機能の向上を目指す。
「開発期間中は変更を行わないが、全機そろったところで陳腐化対策や新規性能のため変更が生じる」と米海兵隊エリック・ロペラ大佐(VH-92A事業主幹)がRotor and Wing International誌(2018年4月号)で語っている。「その例として安全・状況認識機能の回収でMFD(多機能画面)をコックピットに導入することがあります。現行のS-92ではこれが4つあり、パイロット、コパイロット用に2つずつありますが、これはコックピット中央に追加するものです」
NAVAIR

ただし同月に米会計検査院(GAO)が公表した報告書ではVH-92A事業の進展に懸念が表明されていた。新規経費積算見積もりで海軍が123百万ドル節減する方策を見つけたが、まだ機体設計で変更の懸念があるというのだ。
「これまでの設計変更は最小限の改修しか必要でなかった」とGAO報告書にある。「改修には編隊飛行用照明、無線アンテナ、無線装置の変更などがあった」
事業推進室も前部扉の形状変更で乗降時の視界向上を検討し、安全確保を目指した。NAVAIRとシコースキー(現ロッキード・マーティン傘下の事業部)はローターブレイドから生じる風でホワイトハウスの差芝生ほか植生の損傷を防ぐ方法を見つけていない。
GAO報告書ではこの点にも触れている。
「発着場所は規模で制約があり、ホワイトハウス敷地内の損傷がは最小限にする必要がある。ただし、現時点で同事業では基本要求内容を実現できておらず、同機の発着場所で損傷発生は免れない」
もっと大事なのは核爆発で発生する電磁パルスへの強化策が未完成な点だ。また推進系でも問題が残っており、このことから低めの経費積算見積もりが正しいのか疑問が生まれている。
「GAOが引用した事項は解決済み、ないしシコースキーが取り組んでいるものであり今後の完全版VH-92Aヘリコプターの顧客向け納入に影響は生まれない」とロッキード・マーティンは2018年5月に声明を発表している。「シコースキーによる設計はすべての要求に応えるもので当社は前倒し日程で作業を進めている」
すべて予定通りなら海兵隊はHMX-1にVH-92Aへの機種転換を2019年開始させ2022年末までに転換を完了させると海兵隊による2018年航空運用計画にある。海兵隊は初期作戦能力獲得を2020年と見ている。
この機種転換を進めるべく、NAVAIRは民間企業PHI, Inc.に委託し、民生用S-92A一機でパイロット・乗員の訓練をパタクセントリバー海軍航空基地で2018年2月に開始している。同機の様子をスポッター各氏が目撃しており同社の黒黄色の塗装を施した同機がワシントンDC付近から海兵隊クアンティコ基地付近を飛ぶ様子が見られている。同基地にHMX-1が常駐している。
USMC

海軍による同機借り上げは一年続き、毎月約30時間で合計360時間にわたり飛行する。5ヶ月延長する予定もある。PHIとは米政府向けに謎のS-92機材を運用する企業の親会社である。
これで大統領専用ヘリコプターの更新事業の現況がおわかりと思うが、米海兵隊とホワイトハウスから新型ヘリコプター機材の情報開示が新型専用リムジン車両と同様にあるとよい。
リムジン車両は入れ替わりがあるが、マリーンワン・ヘリコプターは数十年で一回しか切り替えがなく、VH-92は大統領を安全に搬送してきたVH-3の50年の実績の影を拝することになる。S-92では世界最大の権力者を搬送するVH-92のみならず、米軍での稼働が始まることとなり、今後その他用途での受注も拡大していくだろう。■
Contact the author: Tyler@thedrive.com

2018年10月9日火曜日

★★フランスと交渉難航するオーストラリアはやはり日本潜水艦技術を求めてくるのか

うーん、これはどうなんでしょう。いかにも虫の良い主張であり、完全にオーストラリアの視線の記事ですが、日本としても遺恨よりも前向きに未来を展望したほうがいいのかとも思えます。そもそも日本の産業界が輸出なり現地建造に積極的だったのかわかりませんが、かねてから主張しているように政府主導の輸出振興は最初の段階はともかく、成約までフォローすることに無理があり、プロの総合商社に任せたほうがいいと考えています。ただし、死の商人のイメージを恐れる既存企業では無理なら第三セクターの防衛装備国際普及機構を作ればいいのではないでしょうか。ともあれ、オーストラリアから再び甘言が来そうですね。



Aussies At Impasse With France Over New Sub; Japan May Win オーストリア次期潜水艦交渉でフランスと難航、日本に受注の可能性か



By ROBBIN LAIRD and HARALD MALMGRENon October 05, 2018 at 9:53 AM



JS Hakuryu (SS-503) arrives Pearl Harbor in 2013
そうりゅう級ディーゼル電気推進攻撃型潜水艦
ランスとオーストラリアの関係では英海軍が到達する数日前にフランス人がオーストラリアに来ていた事実は意外に知られていない。オーストラリア大陸探検は大部分をフランスが行っている。そのフランスとオーストラリアの関係は新型攻撃潜水艦ショートフィン・バラキューダを巡る戦略的提携関係が締結されれば密接になる。だがその可能性が日増しに薄れる中で両国で事業へ疑問が強まっている。では代替策はあるのか。
フランスとオーストラリアは豪海軍向け新型潜水艦建造を巡る意見の相違点を埋める必要があるが、来年に予定されるオーストラリア新政権発足の前に解決が求められ、最も有望な代替策が日本だ。
2016年新型潜水艦をフランスと共同建造するとの発表がオーストラリア政府から出た。老朽化してきたコリンズ級潜水艦6隻にかわり新型艦は航続距離を延長し「地域内で右に出るもののない潜水艦」(豪政府)を12隻建造する構想だ。
新型潜水艦はフランス技術を採用するが、建造はオーストラリア国内で行い、オーストラリア国内雇用を確保し2020年代中の運用開始を目指す。
ただしフランス、オーストラリアの間で建造をめぐり意見が食い違ったままなのが問題だ。信頼・信義を巡る問題であり、フランス、オーストラリア共に協力関係を強める動きを示していない。
直近の報道から合意達成は困難なようだ。オーストラリア-フランス合作のショートフィン・バラキューダ潜水艦事業は設計段階が始まっているがフランスで新政権が発足し、国防相、調達部門DGAの長がともに交代した。オーストラリアとの基本合意が知的財産権ほかで未解決のままだ。
オーストラリアで鍵となる問題は建造と知財(IP)の他、そもそも新型潜水艦を連続建造する能力が国内にあるのかとの疑問だ。二国間で新型潜水艦を共同開発するため技術移転が双方向で必要であり脅威関係が急速に変化する中で潜水艦開発は長期になる。
オーストラリアの目指すショートフィン・バラキューダ新型潜水艦はフランス設計、オーストラリア建造で米製戦闘システムを搭載する構想だ
フランスで新政権が生まれたが、オーストラリアでも政権交代がありそうだ。議会選挙は来春の前に行われる。現在の国防相クリストファー・パインChristopher Pyneは潜水艦建造に当初から関与している。選挙区は南オーストラリア州で建造場所となる予定だ。また前国防産業相としてパインは政権変更前に合意達成をなんとしても実現したいところだろう。だが同事業をめぐり政界のコンセンサスが腰砕けになっているとオーストラリア放送協会ABCが報じている。
「南オーストラリア州選出無所属上院議員四名が構想を批判し、フランス企業ネイバルグループを使い12隻建造する同案では別の国際企業なら数十億ドルの費用節減が生まれるとしている」(ABC報道)
ではフランスとの共同建造案が放棄されればどうなるのか。フランス案以外の選択肢はあるのか。
内部事情に詳しい筋によればオーストラリアにはフランス以外の選択肢はないとフランス側が高をくくっているのは明白でフランスとしては展開を待っていれば、オーストラリア現政権あるいは新政権が折れて従来型技術の移転に落ち着くはずと見ているが、オーストラリア側は広範囲の共同開発で次世代にふさわしい潜水艦の実現を目指している。
オーストラリアが求めているのは第一線級の機能を有する潜水艦で米国や日本の海軍部隊と共同作戦能力のある艦だ。オーストラリア-日本-米国による対中国ASW包囲網の実現が最大の課題だけにこのことは理解できる。
フランス案がつぶれた場合に一番の選択肢が日本との共同開発であるのは明白だ。
日本の造船産業界は本件の受注失敗から共同開発とオーストラリア国内建造に真剣に対応すべきだったとの教訓を得たはずだ。
防衛体制の強化で日本への関心が高まる中で、オーストラリアは国内防衛産業基盤の再建も必要なため、完璧な提携国になる。両国は米国とも密接な関係がある。両国は米国の政治状況が急変した場合の担保が必要な点でも共通する。また両国は国防産業力の強化を目指す点も共通だ。技術面でのねらい、対米関係の強化でともに全く新しい産業力がオーストラリアに生まれる可能性につながる。
日本にとっても柔軟度を高める効果が期待できる。オーストラリアはコリンズ級の近代化改装に取り組んでおり、次期潜水艦導入までの耐用年数延長を狙っている。新型艦は大型かつ性能が大幅向上でき、オーストラリア国内で建造され、日本も一部の建造艦を購入する合意が可能だろう。日本も次期潜水艦を調達でき、日本列島の防衛に特化した艦として導入できるのだ。
両国が協力して潜水艦建造に乗り出せばこれ以外の防衛装備でも同様の動きに発展する可能性がある。日本では新型装備の試験場確保が国内で制約となっているが、オーストラリア内部の広大な地域が理想的な試験場となる。
フランス政府が事業に残る意向であれば、太平洋の環境が急変している事実を直視し、オーストラリアが軍事・産業双方で主要勢力になる野望を持っていることを理解するのが賢明だろう

安倍政権は米国のみとの安全保障関係を見直す検討をしており、国内産業能力は米国やオーストラリアと提携させたほうが効果が高いと考えている。日本の対オーストラリア経済関係は通商と直接投資が伝統的に中心だが今や新しい段階にあり、新型防衛装備の共同開発が両国に望ましい効果を生む。協力関係によりオーストラリアは武器輸入国の位置づけを脱し、世界の工業開発面のトップに踊り出せる。

2018年10月8日月曜日

JSかが・JSいなずま がインド海軍と共同演習を開始

Bilateral maritime exercise between India, Japan begins インド日本両国の海上演習が始まった

PTI|
Oct 07, 2018, 07.17 PM IST

India-and-Japan-BCCL


ンドと日本の共同海軍訓練JIMEX-18が10月7日、インド東海岸のヴィシャーカパトナムで始まった。

海上自衛隊(JMSDF)からはいずも級ヘリコプター駆逐艦かがと誘導ミサイル駆逐艦いなずまが現地に到着した。

JMSDF艦船は第四護衛隊群司令深田達也海将補が指揮し、三回目のJIMIEXに加わっている。

インド海軍からは国産艦船三隻と艦隊補給艦が参加。すなわちI多用途ステルスフリゲートNSサトゥプラ、対潜コルベット艦INSカドマット、ミサイルコルベット艦、補給艦INSシャクティである。

さらにインド海軍から潜水艦一隻、P8I長距離洋上哨戒機、国産ヘリコプター隊が演習に加わる。

9日に渡る演習の狙いは相互運用体制の向上、相互のベストプラクティス理解と習得にあるとインド海軍は発表している。なお洋上訓練はこのうち4日間だ。

海上自衛隊はインドと米国間で始まったマラバール演習にも参加している。■

米空軍F-15がウクライナに初の展開:変わる欧州の安全保障地図

ロシアにとって神経を逆なでされる展開ですね。しかしもともとこうした冷戦後最大規模の軍事プレゼンス強化さらに旧東欧諸国まで敵に回してしまったのはもともとロシア自身の失敗です。今後こうした展開がどこまでの事態に発展するのか注目ですし、NATOがどこまで拡大するのか、(かつて日本もNATO加盟を提案されていませんでしたっけ)目が話せません。ロシア、中国、北朝鮮、イランといよいよ悪役の国の位置づけになってきましたね。

 

U.S. Air Force F-15C Jets Have Just Started Historic First Deployment To Ukraine 米空軍F-15C部隊がウクライナへ歴史初の展開を開始

By David Cenciotti

Oct 06 2018 -

カリフォーニア州軍のF-15Cが「クリア・スカイ2018」に参加する



2018年10月6日、米空軍のF-15Cイーグル部隊が歴史上初めてウクライナの地に着陸した。機体はカリフォーニア州フレズノに駐留するカリフォーニア州軍航空隊(ANG)の第144戦闘航空団隷下の第194戦闘飛行中隊のもの。

展開したのは首都キエフ西のストロコスティアンティニフで第7戦術航空旅団のSu-24Mフェンサー部隊が配備されている基地だ。

F-15各機はウクライナ、ポーランドにまたがり9カ国による多国間演習クリア・スカイ2018に加わる。

ウクライナでタキシー中のF-15C

演習は空対地攻撃シナリオでAI(航空阻止)及びCAS(近接航空支援)任務のほか、航空機動運用、医療搬送空輸、サイバー防衛、人員回収を中心とする。

Air Force TimesによればカリフォーニアANG所属のF-15部隊はウクライナ戦闘機とストロコスティアンティニフ基地から展開し、カリフォーニアANGのC-130部隊とウクライナ輸送機部隊がヴィニツィア基地から、さらに別途ウクライナ戦闘機部隊がイヴァノ-フランキフスク基地から参加する。空中給油はイリノイANG所属のKC-135部隊がポーランドのパウイッツ基地から支援する。またミルデンホール英空軍基地からもKC-135が飛来する。非武装のMQ-9リーパー無人機がポーランドから運用を開始しており演習にも加わる。さらにペンシルヴェイニアANG、英国、ポーランド、ベルギー、オランダ各国のJTACが演習を支援する。JTACは joint terminal attack controlの略で地上から近接航空支援を統制する機能がある。

ウクライナはNATO加盟国ではないが、1994年以来NATOと関係を維持しており、2014年のロシアによるクリミア併合のあと、ロシア支援を受ける軍事勢力と低度武力衝突を開始しており、結果としてNATOとの協力を深めている。

ウクライナにはKC-135給油機がルヴィフ・ダニロ・ハリツキ国際空港に6月に展開しており、さらにRQ-4グローバルホークがドンバス上空に定期的に飛来しているが、クリア・スカイ2018演習をきっかけに戦術機が初めて展開する。米国・NATOが同地域にプレゼンスを増やす象徴となる。広報資料では「欧州の同盟各国を防衛しながら東欧の安全保障を強化し、同盟各国と提携各国間の軍事理解度を引き上げる狙いがある」と述べている。■


米イーグルがウクライナ「スタロ」航空基地にタッチダウンした (All images: USAF)

2018年10月5日金曜日

★★日本をファイブアイズに加盟させるべき、という主張をが主要シンクタンから発表されました......ク

ファイブアイズに日本も加われるのか、小泉元首相時代にも要望があったと覚えておりますが却下されていましたね。それから日本の体制や考え方に変化が着実に起こっており、今回は期待できそうですね。ただし旧民主党のように米国の信頼を自ら損ねるような自殺行為が今後発生しなければの話ですが。お金だけ払って肝心な情報はもらえないという屈辱的な立場は過去のものとなるでしょうか。


New Report Suggests Closer Integration With Japan, Including Addition to ‘5 Eyes’ Intel Sharing新規報告書が今以上に緊密な日本との関係を提言し、「ファイブアイズ」情報共有体制への加入も認めるべきと主張

By: John Grady

October 3, 2018 3:02 PM


米海軍のP-8Aポセイドン(哨戒飛行隊(VP)5所属)が最新の日本製哨戒機川崎P-1と並んで姿を見せた。2014年11月。VP-5は前方配備として第7艦隊隷下にあり、広域対潜戦や海上自衛隊との共同作戦の実施体制向上にあたっている。US Navy photo.


本を「ファイブアイズ」情報共有ネットワークに参加させるべきとの報告書が発表された。その他提言とともに米国と最も近い関係の同盟国のひとつとして日本を組み入れるべきとする。


国際戦略研究所Center for International and Strategic Studiesにおいて10月3日、リチャード・アーミテージ Richard Armitage大使が作成者の一人として「両国はかなり進展している」と米日間での情報共有の現状を語った。【ファイブアイズ」とは米国、英国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドを指し、対潜戦、宇宙画像、ミサイル防衛などで最大度の機密情報を共有している。


アーミテージによれば日本は「米国同盟国の中で最も有能」であり「世界で最重要な地域の中」に位置する。自衛隊はここ数年装備を大きく拡充して独自の情報収集・指揮統制機能を向上させているが、緊密な体制を組む各国に新規加盟国を加えるのは大きな一歩となるとし、「今回発表した報告書(“More Than Ever”)で前進しないと遅れを取るだけ、と指摘した」と述べた。


また安全保障、経済関連の提言では米国がTPPから脱退したが開かれた貿易体制など「前向きな」内容になっているとも紹介。


また安全保障分野ではザック・クーパーZack Cooper(アメリカンエンタープライズ研究所主任研究員)が「賢明な支出が必要」と述べ、その例として共同基地運営をあげ、三沢空軍基地を航空自衛隊と米空軍が使用している事例を上げた。この考えで港湾施設や航空基地の無駄を省き、より柔軟かつ共同運用できる体制とすべきと述べた。沖縄県民含む一般国民にとって基地施設集中による「負担軽減につながる」とする。
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報告書では共同運用により基地費用を節約でき、二国間に「摩擦を生みそうな問題」が減ると主張。


アーミテージは日本が在日米軍経費の75%を負担している現状を指摘しており、共著者のジョセフ・ナイJoseph Nye教授(ハーバード大)も「負担共有の点で米日両国は素晴らしい状態にある」と述べた。


「摩擦要因」となる可能性が沖縄ほどはっきり目に入る場所はない。この度の知事選挙で玉城デニーが当選し、現地では米軍基地の閉鎖を訴える声が強まる。対外関係評議会Council for Foreign Relations主任研究員のシーラ・スミスSheila Smithによれば今回の選挙結果で日米両政府は将来の同盟関係に関する沖縄県民の「感情を理解する」必要が生まれたと指摘する。


スミスはさらに玉城の当選で日本に新世代政治リーダーが生まれと指摘した。「投票結果は大差での勝利で玉城は新勢力となった」


クーパーからは提言として西太平洋地区での合同二国間任務部隊の創設で「インド太平洋地区の米軍司令官の負担を一部引き継ぎ」としてワシントンに司令部を置きながらその他同盟国の韓国やオーストラリア等との連絡も維持する構想を紹介。


この任務部隊は訓練演習も行いながら東シナ海で「圧力が最大限に達して」中国が事態をエスカレーションした場合に「迅速対応する能力」を備えるものとするとクーパーは説明。圧力とは尖閣諸島に中国が領有権を主張し、海空の哨戒を強めること、台湾に対し激しい軍事活動を展開することなどがある。


CSISは2000年にも報告書を公表し、米日同盟について「今後警戒すべき緊急事態」として東シナ海を初めて指摘していた。だが今回の報告書では「もっと早く進む必要」ならびに「中国を上回る戦力の実現」を強調し、そのため二国間同盟を強化する必要があると訴えている。またオーストラリア、韓国との同盟関係が別個の条約になっているがインド洋から太平洋につながる広大な地域で共同対処できる仕組みに変える必要があると提言している。


最も深刻な問題が北朝鮮の核兵器・ミサイルだが、ヴィクター・チャ Victor Cha CSIS上級顧問は「これから向かう方向が見えない」と南北朝鮮ならびにトランプ大統領と金正恩会談の今後に懸念を示した。にもかかわらず韓国と日本にとって「脅威は本当かつ現実に迫って」おりかつ緊急のものだという。


北朝鮮がミサイル技術で進展を見せ高性能火砲を軍事境界線付近に配備していることから「日韓でもっと調整が必要となる以外に米国も含めた三カ国」の防衛ニーズによりよく対応する必要があると説明。その事例としてミサイル防衛や大量破壊兵器の拡散防止を三カ国の共通課題に上げた。


その他の多国間協力構想としてクーパーから報告書では日本にはオーストラリア事例から学ぶものがあると指摘し、オーストラリアが創設した共同作戦司令部で訓練、即応体制、長期間に渡る技術革新を実現した事例のことである。


「このような司令部機能」を日本の伝統と歴史風土に適応しつつ現実の予算環境の中で実施した場合、自衛隊の共同運用体制のニーズに適合し自衛隊は同盟国部隊と今以上に円滑に作戦を展開できるようになる。
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つまるところ日米の強固な軍事関係が「日米同盟の中核部分」だとグリーンは述べ、これにより経済は成長を続けると説明。■

2018年10月4日木曜日

★南シナ海で米駆逐艦に危険操艦をした中国駆逐艦の意図は何だったのか

中国には国際社会の常識は通用しないようです。上層部に注目されようと中国艦艦長がスタンドプレイをしたのか、貿易問題で劣勢な中国が打開策を求め一介の艦長に無謀な挑戦を命じたのかわかりませんが、米側から開示される情報が増えれば中国は不利になるばかりでしょう


U.S. Navy Releases Images Of Chinese Warship's Dangerous Maneuvers Near Its Destroyer米海軍から中国艦の危険な操艦事実を示す画像が公表された

The series of pictures gives a good sense of just how close the two ships came to hitting each other.一連の写真から両艦が衝突寸前だったとわかる

BY JOSEPH TREVITHICKOCTOBER 2, 2018
USN
海軍公表の写真数点から南シナ海で発生したアーレイ・バーク級駆逐艦USSデケイターと中国人民解放軍海軍の052C型旅洋II級駆逐艦蘭州の異常接近の様子がわかる。中国艦が危険なまで接近する操艦をしており一歩誤れば大事故になっていた。
画像をまっさきに入手したのはgCaptainで蘭州がデケイター前方に接近してから両艦が距離を取る操艦をしているのがわかる。画像は米艦搭載のMH-60Rシーホークヘリコプターのセンサータレットから、あるいは無人機インスティテュが撮影したものだろう。米海軍公式発表では事件は9月30日のことで「旅洋」級とだけあり、米艦から45ヤードまで接近したとある。
USN VIA GCAPTAIN
.蘭州(右)がUSSデケイター(左)の45ヤード先を航行しているのがわかる


こう書くと十分な距離があったように聞こえるが、排水量数千トンの艦の操艦は緩慢なので、安心できる距離ではない。なお、45フィートと言うとデケイターの全長の三分の一にすぎない。2017年にはアーレイ・バーク級駆逐艦二隻が西太平洋でそれぞれ衝突事故で大損傷し乗員数名が命を失っている。
USN VIA GCAPTAIN
両艦が距離を取り始める


USN
デケイターが蘭州から距離をさらにとろうとしている


米海軍が南シナ海の事件を公表するや中国外務省が早速対応しデゲイターは物議を醸している南シナ海ゲイヴン礁付近で中国の「明白な主権」を犯したと発表。「米国には直ちに是正措置をとり、このような挑発行為を猛省し中米関係さらには域内の平和安定を損なう事態の回避を求めたい」(中国外務省声明文)
画像を見ると蘭州こそ「挑発行為」をとっているのがわかる。米海軍は中国が実効支配する人工島から12カイリの距離を保ち航行したと発表している。デケイターは航行の自由作戦(FONOP)の一環として同地を航行し、米国は南シナ海広域で中国が主張する領有権に真っ向から挑戦している。
米政府は国際社会の大部分とともに中国の主張を認めず、より詳細な情報が開示されるかが注目される。
本件は詳細情報を入手し次第、続報をお送りする。
Contact the author: jtrevithickpr@gmail.com

2018年10月3日水曜日

★★ロシア機迎撃に投入して露呈したF-22の弱点とは---F-22は迎撃機には不適なのか

米軍もF-22をわざわざロシア機の眼の前に見せることの愚かさはわかっているのですが、機材が不足しているのでしょう。迎撃機としてF-22が決して使いやすい装備ではないことは明らかで、これは現在企画中のPCAと呼ばれる第六世代機でも同じことでしょう。つまり迎撃機と敵地侵攻機は異なるということですね。では日本はなぜF-22に未だに憧れるのか不思議と言えましょう。

 

US F-22s came face-to-face with Russia's top fighter near Alaska and were at a major disadvantage アラスカ付近まで進出したロシア最精鋭戦闘機と遭遇した米F-22が痛感した不利な立場とは



Sep. 13, 2018, 12:41 PM
  • 米ロの精鋭戦闘機がアラスカ近辺で接近遭遇したが、本当の開戦ならロシアが優位性を享受していたはずだ
  • 米F-22は兵装を搭載せずステルスだけが武器で、ロシアの高性能戦闘機とまともに対決していたら不利な立場に追いやられていただろう
  • 交戦規則の制約で米側が第一撃を受けやすい弱点がある

ラスカに接近してきたロシアTu-95核運用爆撃機とSu-35戦闘機の編隊を米F-22編隊が9月25日に迎撃したが、あらためて米精鋭戦闘機の弱みを露呈した格好となった。
F-22は驚くほどのアクロバット性能を空で発揮し、全アスペクトのステルス性能により敵も遠距離で探知が難しく米軍で最大の威力を誇る戦闘機であることに変わりはない。
F-35は空のクォータバックとしてドッグファイト、地上空爆、情報収集、偵察まで一機でこなすが、F-22は一つの仕事だけに特化している。空対空戦だ。
迎撃では領空侵犯機の横に付き、無線交信で「引き返せ、さもないと大変なことになるぞ」と伝える。
この際に主翼を傾け主翼下の満載のミサイルを領空侵犯機に視認させるのが通常だ。だがF-22はこれができない。ステルス機能のためF-22はミサイル、爆弾は全部機内に搭載するためだ。
米領空あるいは米軍が守る領空に侵入するパイロットはF-22が武装しているかわからない。ロシアのSu-35はF-22を上回るミサイルを搭載し誰が見てもわかるように見せびらかす。
通常の迎撃行動がエスカレートし本当の機動飛行になればF-22は大きく不利なまま戦闘を開始することになる。

ステルスの特性をわざわざ殺すのか

Sukhoi su-35Su-35が2013年パリ航空ショーで見せたアクロバティック操縦の合成写真。パイロットはセルゲイ・ボグダン。M0tty via Wikimedia Commons
もし今回のような迎撃行動中に本当の戦闘が始まれば、ロシア機パイロットはF-22を視野に入れた状態で大いに有利になる。さらにSu-35の操縦性能はF-22を上回る。
デイヴィッド・「チップ」・バーク中佐(退役)は米海兵隊でF-22とF-35両機の操縦経験がある唯一ノパいいロットで、F-22では敵側機と「戦闘に入るのが目的ではない」とし、F-22が本来持つステルス性能でドッグファイトそのものを回避することが狙いとBusienss Insiderに語っていた。
Su-35の旋回性能が優れミサイル搭載本数が多いからと言ってもそのままドッグファイトの勝利が保証されているわけではない。F-22の性能と空軍トップレベルのパイロットの技量が空戦で勝利をおさめるのは確実だろう。
王立合同軍事研究所で空軍力の専門家、ジャスティン・ブロンクはF-22含む第5世代戦闘機は兵装が機内搭載でステルスに頼り、F-35は迎撃には「必要ではない」とし「その他の安価な迎撃機に仕事をさせるべき」とBusiness Insiderに語っていた。

本当のリスクとは

米側が米領空付近まで進出するロシア機を迎撃する機会が増えており、安全かつプロとして取り扱うのが通例だ。米国とロシアは相違点が多々ありウクライナ、シリアを巡る対立から緊張が増えてきているが、世界の二大核大国が直接軍事衝突するとなれば軽々しく決断できない。
シリアでは米ロ軍用機がそれぞれ近接空域で飛行しており、両国は対立回避用に通信回線で他方に自軍機の接近を事前に教えるて戦闘を回避している。
米空軍がF-22にそもそも期待したのは的に探知されずに長距離から敵を抹殺する性能であり、わざわざ姿を相手に見せる迎撃に投入すれば不利になるのは当然と言える。

ブロンクはBusiness Insider にこのためF-15の方が迎撃に適すると語っている。