2017年10月15日日曜日

日曜特集 野戦糧食に加えたい全米ローカルメニュー11選


MRE Meal Ready-to-Eatは全米の食習慣を反映しそれなりに改良されているのでしょうが、meal, ready, to eat で三つのウソだと決して評判がよくないとも聞きますが各地の戦闘を支える重要な要素であることも事実でしょう。今回はそのMREのメニューに加えてみてはどうかという各地のメニューですが、さすがにアメリカは広いですね。中には食べてみたいものもありますが、いかがなものかと思えるものもありますね。

11 regional American foods we'd like to see in MREs

By Blake StilwellOct. 12, 01:10 PM

MREには展開中の兵員に故郷の味をわずかながら思い起こさせるものがある。どこまでMREの成功を期待するのか、過去の功績はどうだったのか、さらにどこまで美味になっていたかの議論は開かれている。
過去数十年で献立多数が現れては消えた。懐かしく思える味もあった一方で消えてよかったと思えるものがある。
アメリカは広大だ。MREを作るものに期待したい故郷の味がある。ではお国自慢となる故郷の味をながめてみよう。

1. バッファローチキンの改良

鶏の手羽にバターと辛いソースをかけたらどうなるか。こたえは「大した味ではない」だが、MRE専門家は調理方法を「引っ張る」方向に変えたところオレンジ色のねばねば状の塊になった。
MREs we'd like to see
アメリカの味、ドロドロ料理(glop)
肉はバーガーやフランクフルトソーセージになっており、どうして本当の手羽肉あるいは骨なし肉を使わないのか理解できない。

2.ボルティモア蟹ケーキ

軍の料理に蟹を頼むのは大変だと知っているが、ぜひMREにとりれてほしい。またオールドベイOld Bayのソースを辛味調味料の代わりに同封してもらいたい。
MREs we'd like to see
蟹クラッカーはみたことないな

3. 南部風ビスケットとグレイビー

野戦食に向かないといわれそうだが、腰を下ろして食べる時間があれば受けること間違いない。Elfのスナックパンがあればいうことない。MRE関係者はバターミルク味のスナックパンを野戦用にはグレイビーかけで提供してもらいたいものだ。
MRE flavors we'd like to see
これがあれば戦闘勝利は確実だね
上の写真のようにはならないだろうが試してみたいものだ。民間人向け非常食には採用されており、意外においしい。それはさておき、MRE関係者には食感を採用してもらいたい。

4. サウスダコタ風チスリック

Chislicチスリックは簡単にできる。肉を焼いたりフライにするだけだ。子羊肉や野生動物の肉を使うが、牛肉でもよいがガーリックソルトあえがよい。爪楊枝で食べたり、クラッカーを添える。シシカバブに似ている。
MREs we'd like to see
サウスダコタ州ピエールのバーで
このMREなら中東の同盟国の兵士も一緒に食べられるだろう。MREではクラッカーや肉塊はよく使われる。これは人気がでそうだ。

5. ハワイ風スパムむすび

スパムには悪い評判が多いが、このハワイ風おつまみは美味だ。ハワイではスパムはグルメ扱い。むすびはフライ揚げあるいはグリルしてもいいが米飯の上にスパムを乗せて海苔で巻く。
MRE flavors we'd like to see
MREらしくない外観だ
スパムむすびのいいところは冷めても暖めてもおいしいことで口に入れてそのまま走れることだ。

6. ローカントリー風エビとグリッツ

ジョージア、サウスカロライナ両州の沿岸地区とくにチャールストンは食事メニューの天国だ。グリッツはトウモロコシをひきわりしてゆでたもの。調理方法より素材の作り方が重要だ。チャールストンで食べた朝食ではグリッツを別の方法で調理しており、チーズの他、ブドウゼリーを入れたり、えび、トマト、ソーセージ、ピーマン、ベーコン、スパイスと多数ある。
MRE meals we'd like to see
グリッツについてご意見はあろうが、これはおいしいよ

7. ウェストヴァージニア風ペパローニロール

Just like it sounds, the Pepperoni Roll is a bready roll baked with pepperoni in the middle. The idea is to heat the bread and let the pepperoni oils soak into it as the entire thing gets softer. It can also be eaten cold, which is a boon to troops on the move.
名前の通りだ。ペパローニロールはパン生地をロールにして中にペパローニソーセージを入れて焼き上げたもの。パンを温めればペパロニの油がしみだして全体が柔らかくなる。冷たいままでもいけるので、移動中の兵員もありがたく思うだろう。
MRE flavors we'd like to see
炭鉱夫に受けるのなら兵員にも好評だろう
アパラチア地方に栄養料理が本当にあるのかと問われる向きには戦場で食べる食事を真剣に考えればそもそもMREなど必要はないとだけ答えておこう。

8. ニューメキシコ風グリーンチリシチュー

長い間MREを食べていると皆同じ味に思えないだろうか。ではグリーンチリ入りの別の味にしたらどうか。
MREs we'd like to see

ベジタリアン向けのメニューにもなるグリーンチリシチューがMREになれば別のMREの上からかけることができるところがいい。最悪の献立も食べられる味になる。鶏肉のかたまりや野菜片が無残に捨てられることはなくなるぞ!

9.  NY北部ユーチカ・グリーン

MREへの不満でいつも見られるのは野菜が少ないというものだ。そこで全米各地の諸君にニューヨーク州は広くNYCとバッファロー以外にもメニューがあると知らせてはいかがだろうか。
MREs we'd like to see
「グリーン」の名前に騙されてはいけない。決してヘルシーではない。

ユーチカグリーンはチキンブロスでソテーした葉でパン粉、チーズ、プロシュート、唐辛子を添える。MRE関係者にはパン粉は別途準備してもらいたい。ユーチカクラブビールと一緒だと理想的だ。

10. アラスカ風アクタック

「エスキモーアイスクリーム」とも呼ばれるアクタックAkutuqはイヌイット族のメニューで獣脂のまわりを肉や果肉で覆う。デザート扱いだったが、改良されてセイボリー香辛料をつかうものもできた。
MREs we'd like to see
家庭料理の観が強い
固い獣脂と薄い肉片(通常は野生動物の肉)を使うので高蛋白質で高脂肪のMRE食として栄養を求める兵員にぴったりだ。

11. シンシナティ・チリ

シンシーチリには細かくした肉を薄いソースに入れ、ソースはココア粉とシナモンを入れる。さらにオニオン、キドニービーンのいずれかあるいは両方を入れる。スパゲッティの上からかけて、さらにチーズを盛りつけると皿全体がチーズだらけに見える。
MREs we'd like to see
これはチーズが足りない。.
オハイオ-ケンタッキー外ではシンシナティチリに異議を唱える向きもあり、シカゴではトマトスープをボウル入りパンの上からかけてピザと呼んでおり、カリフォーニアではイネアウトIn-n-Outがバーガーの極致と考えている。全く多様性の国である。
筆者とて全米各地をすべて回ったわけではなく、どこの郷土料理がおいしいMREにつながるかご意見あれば blake.stilwell@wearethemighty.comまでご一報願いたい。レシピでも提供しているレストランでもいいから教えてもらいたい。■

SR-72観測記事のまとめ ミッション、性能は?

ここにきて目だつSR-72関連記事ですが、比較的まとまっているのでご紹介します。実際に機体が完成しており、飛行しているとしたらなぜ縮小機が飛ぶのでしょうか。あるいは全く別のプロジェクトなのか。こういう謎の機材の登場にはわくわくさせられますね。

The Enigmatic SR-72 And the Palmdale Sightings: What Do They Tell Us About America’s Secret Hypersonic Program?

謎のSR-72とのパームデール目撃談:米国は極超音速機を秘密裏に開発しているのか。

The Media is Full of Speculation, But What Do We Know and What Can We Predict?

観測記事が続くが、何が分かっているのか、何が期待できるのか。

By Tom Demerly
Oct 12 2017 - 1 Comment


2017年最大の航空宇宙関連ニュースは米空軍第42製造飛行テスト施設(カリフォーニア州パームデール)で謎の新型機が着陸する様子が「複数の目撃例」が報告されたことだ。正体は何だったのか。
Aviation Weekのガイ・ノリスがまずスクープした。2017年9月27日にノリスはこう伝えていた。「Aviation Weekが得た情報では無人小型実証機が米空軍第42工場があるカリフォーニア州パームデールで目撃され、同機は数時間にわたる飛行を終えて7月末日付不明の早朝に着陸しT-38が二機随行していたという。同地にはスカンクワークスが本拠地を置いている。ロッキード・マーティンは目撃情報へコメントを拒否している」
カリフォニア州パームデールの米空軍の第42製造テストフライト施設、初期の様子 (Photo: USAF)

ノリスを受けて現れた記事はほぼ全数が目撃された無人機は新型全地球対応極超音速の遠隔操縦機(RPA)とみており、情報収集監視偵察機(ISR)開発に関連し、小型版から有人実寸大機体に発展するとみている。今回の目撃から完全版有人機へは飛躍があるが、ロッキード・マーティンが沈黙を保っていることから目撃談が余分な憶測につながるのを防ごうとしているのが分かる。
だがこれまでも話題に上っている新型有人機、多くのメディアが「SR-72」と呼んでいる機体についてはとんでもない誇張ではないはうで、マッハ6超で世界規模の航続距離を有し、低視認性機体で攻撃能力も有するといわれる。これらはSR-71後継機に求められる性能内容でもある。
米空軍の第42製造テストフライト施設はカリフォーニア州パームデールにあり、SR-71とF-117が屋外展示されている。 (Photo: USAF)
新型戦略偵察機の役割を考えると有人無人操縦を問わず、高速偵察飛行(攻撃も含む)のミッションをこなすため以下四つの性能が備わって戦略ISR/グローバル攻撃ミッションを実現するはずだ。
1. 高度の低視認性。敵側が偵察されていると悟れば収集情報の意味や内容が低下してしまう。ステルス超高速情報収集機で攻撃も行えれば情報を集め、画像情報も各種集めつつ探知を逃れられる。
2. タイミング。マッハ6超と伝えられる超高速機が偵察対象地区上空を飛行するのは一瞬で地上にすぐ帰還すれば収集情報の解析に役立つ。
3. 探知されても迎撃が困難。SR-71の最大の防御能力はマッハ3超の速力と高高度飛行能力だった。ミサイルのほとんどより高速かつ高高度を飛行し迎撃機も追いつけない。ただし探知能力、戦術、機材、兵装、地対空ミサイルも進歩しており、間もなく配備されるといわれるビーム兵器が中国にあることから一層高速かつ高高度飛行性能が求められている。
4. 有人機設定なら機内で意思決定が可能だ。有人機では乗員のリスクもある一方でミッション途中で柔軟な決定も可能だ。ISRではこのことは重要で戦略攻撃でも同様だ。ICBMや巡航ミサイルでは再攻撃や攻撃途中での中止は困難だが、有人機なら超高速、超長距離性能を維持しながら人間の力で意思決定が可能だ。この事は経験則ならびに戦意の双方で重要だ。
では上記四点の性能がわかったところで想定される「SR-72」機が投入される対象地と役割は何だろうか。現時点近未来の戦略状況をにらむと以下四つのミッションがSR-72に想定される。
1. 北朝鮮。危機は開戦寸前まで高まっているが、平壌がミサイル核開発を続けており論調も好戦的だ。北朝鮮のテストを正確かつタイムリーに監視できれば危機発生時の対応に重要だ。戦略偵察機でステルス、高速飛行可能ならば第一撃効果も事態の急速な変化があっても十分効果を上げられる。
2. イラン。米政策で方針転換がありそうでイランも核開発を断念する動きがない中でリアルタイム情報収集は必須だ。イランを取り巻く政治状況と外交選択が変更する中でイランの核開発の最新状況の情報収集、画像収集を秘密裏かつタイムリーに行う必要がある。監視衛星も視覚赤外線さらに電子情報等全域にわたる情報収集が可能だが、大気中での情報収集は不可能で、これが核実験の探知に不可欠なのだ。スパイ衛星の軌道を変更させるより高速低視認性大気圏飛行偵察機材が望ましいのは明らかだ。
3. シリア。シリア内戦をめぐりロシアとの関係は微妙なまま今日に至っている。だが事故の発生危険は残る。リアルタイム準リアルタイムでシリア、ロシア両軍の活動情報を収集することで各国との利害が調整でき同士討ちのリスクやその他偶発事故の発生を防げる。また情報が米国に独占的に入れば戦略情報優位性が確立される。
4. 今後発生する世界各地の危険。米国はアジア、アフリカ、中東の紛争と地理的に隔絶されている。だが戦闘地区から距離があることから機先を制した対応が世界規模での紛争に必要だ。このため長距離超高速飛行でタイムリーな情報収集が必要で新型低視認性ISR/攻撃機材が必要だ。この状況は今後も変わることはないだろう。
世界各地で紛争が発生し、米国にはステルス長距離高速性能の戦略偵察機の必要が今後も続く。 (Photo: Center for Preventative Action)

開発中の新型戦略偵察攻撃機は実戦化まで数年かかる段階なのかあるいはすでに就役している可能性もある。F-117ナイトホークは1981年に初飛行したが公式発表は1988年であったのを思い出してもらいたい。7年間もの間秘密のままだった。現在は秘密保持が従来より困難な時代だが公式発表の内容より実態がずっと先に進展している可能性は十分ある。
F-117の小型試作機は「ハブブルー」と呼ばれパームデールを秘密裏に富んでいたが目撃情報は出なかった。(Photo: USAF)

1985年の時点で国防予算に85百万ドルが「オーロラ」の呼称のプロジェクトに計上されていた。1987年までに23億ドルに増えている。一部報道では米空軍はSR-71後継機に1988年段階で着手していたとある。
その後の報道では Jane’s DefenseやAviation Week & Space Technologyといった信頼性の高いメディアが正体不明の機体がネリス試験場で飛行しているのを聞いた、見たとの報告を伝えている。
有名な目撃体験が北海で1991年に発生している。スコットランドの石油技師クリス・ギブソンが「完全な二等辺三角形」機体がKC-135ストラトタンカー給油機、F-111の二機と飛ぶのを目撃した。ギブソンは英軍監視部隊に勤務し経験豊かな航空機スポッターだ。ギブソンの目撃談には別の目撃者もあるがいまだに説明がついていない。

クリス・ギブソンが1991年に北海で目撃した機体からはSR-71後継機の初期の目的事例のようだがいまだに説明がつかない。(Photo: Chris Gibson)

各種目撃談や判明している情報をまとめてみたが、全地球範囲で求められる情報収集機材で必要となる性能との差が大きい。となると実際のプロジェクト内容が判明し公開されれば世紀の国防航空記事になるのは必至だろう。■
Top image: Distributed briefing slide showing conceptual image of SR-72 with SR-71. (Photo: USAF)

https://theaviationist.com/2017/10/12/the-enigmatic-sr-72-and-the-palmdale-sightings-what-do-they-tell-us-about-americas-secret-hypersonic-program/#iB2yLvjFkXEUMe7f.99 で詳細を読む


2017年10月14日土曜日

☆SM-3でICBM迎撃は可能なのか、SM-6はどうか



ミサイル防衛にこれまで費やしてきた投資が真価を発揮する場面が本当にやってくるのか、興味津々というところですが、脅威は北朝鮮だけではないので、迎撃ミサイルも進化させていかねばなりません。日米の共同開発というのもこの国の皆さんはほとんど知らない話ではありませんか。米陸軍は今後ミサイル軍に変化していくのではないでしょうか

Aviation Week & Space Technology

Could SM-3 Interceptor Take On Intercontinental Ballistic Missiles?

SM-3迎撃ミサイルはICBMに有効に対応できるのか
As Pentagon adds dollars for missile defense, Raytheon pitches SM-3s as ICBM killers
ペンタゴンが追加予算をミサイル防衛に振り向ける中、レイセオンのICBMキラーとしてのSM-3売り込みに力が入る
Oct 10, 2017James Drew and Jen DiMascio | Aviation Week & Space Technology

  1. 北朝鮮が相次いで弾道ミサイルを発射し、ドナルド・トランプ大統領は8月にミサイル防衛に「数十億ドル」を投入すると述べた。
  2. 年末までに弾道ミサイル防衛体制の点検を完成する予定のペンタゴンは短期間で強化策の検討を求められている。大統領の力の入れ方による結果の第一段が姿を現しはじめている。議会は367百万ドルを他事業からかき集めミサイル防衛に投入する予算執行を承認した。
  3. この予算で移動式ミサイルへの対抗策を求めていく。とくに発射前に対応が肝要だ。このため戦闘機からのミサイル発射、艦船発射兵器または特殊部隊による攻撃まで検討する。またアラスカ州グリーリーにミサイル防衛サイロ20基を新設し、海上配備Xバンドレーダー改修やSM-3ブロック2A迎撃ミサイルの追加発射も行う。.
  4. このうちレイセオンがSM-3ミサイルの最新のブロック2Aバージョンに力を入れている。同ミサイルは日米共同開発で中距離・長距離弾道ミサイルを宇宙空間で破壊するのが目的で長距離ミサイル対応にも投入可能だ。
  5. 直径を21インチに拡大した同ミサイルは速力、射程距離、高高度性能が十分にあり、ICBM対応を狙う。ブロック2Aでは直撃破壊する運動性弾頭部分が大型化されており、光学シーカーは再設計迎撃体(RKV)の中心だ。2022年以降にアラスカの地上配備迎撃ミサイル(GBI)の旧型ミサイルと交代する。
  6. RKVを開発するのはボーイング中心のコンソーシアムでロッキード・マーティンやレイセオンもここに加わる。レイセオンによればソフトウェア修正をRKVに加えればSM-3ブロック2Aは十分にICBMに対応できる。
  7. 「RKVではアルゴリズムでセンサー性能の向上をめざしており、ソフトウェア、ファームウェアの問題にすぎません」とロンデル・ウィルソン(レイセオンの航空ミサイル防衛装備の主任エンジニア)は語る。「SM-3ブロック2Aでこれを実現し、ICBMキラーになります」
  8. SM-3ブロック2Aは米国が来年ポーランドで稼働開始するイージスアショアの中心装備となるレイセオンは同様の陸上施設がハワイの他米国本土の東西両海岸にも設けられミサイル攻撃に対する防衛の冗長性を実現するとみている
  9. SM-3ブロック2Aはテスト中ですでに初期生産に入っているレイセオンに対する主要サプライヤーが三菱重工業で第二段第三段ブースターとノーズコーンを生産している
  10. 同ミサイルは二回の飛翔試験に成功しており、2月には初の弾道ミサイル迎撃に成功した。だが二回目の迎撃テストは6月で失敗したのはUSSジョン・ポール・ジョーンズの乗員が誤ったボタンを押しミサイルが自爆したためだ。「ミサイルが原因でなかったと判明しています」(ウィルソン)
  11. レイセオンは大気圏内脅威にSM-6の活用を米陸軍に提案している。同ミサイルは米国で最長の飛翔距離を有する防空装備となり、イージス誘導ミサイル駆逐艦でも運用できるようになる。
  12. ディーン・ゲア(レイセオン陸上配備スタンダードミサイル事業部長)によればSM-6は対航空機、巡航ミサイルさらに艦船も標的にできるという。大気圏再突入ミサイルの弾頭部分も標的にでき、おとりが燃え尽きるのを待ってじっくりと本体を狙えるという。
  13. 「SM-3とSM-6には大いなる性能があり、陸上運用すればよいのではないかと考えるが自然でしょう。すでにイージスアショアとして存在しますが陸軍の既存装備との統合を実現すれば多層にわたる防衛体制が実現します」(ゲア)
  14. レイセオンはSM-6用発射装置で各種提案が出ており、M1120 HEMTT装備はロッキード・マーティンの高高度防空(Thaad)ミサイル防衛と共有できる。米陸軍の火器管制装備にはノースロップ・グラマンの統合ミサイル防衛戦闘指揮統制システムを採用している。
  15. レイセオンとしてはペンタゴンに同社の長距離レーダー装備も採用してもらいたいところで、ThaadシステムにはXバンドTPY-2、海軍向けに開発中のSPY-6対空対ミサイル防衛レーダーはSバンドを用いる。■

2017年10月13日金曜日

この謎の新型機はアヴェンジャーと関連があるのか


コメント:アヴァンジャーと似ているとは思えないのですけどね。別の意図があるのではないでしょうか。新しい機体が登場してくるのは航空業界の活性化につながりいいことですね。


Check Out Scaled Composites' New Exotic And Stealthy Test Aircraft

スケイルドコンポジッツから新型ステルス試験機が登場

A pair of the aircraft is destined for a undisclosed customer but the design sure looks a lot like a General Atomics' Avenger unmanned aircraft.

社名不明の顧客向けだが機体設計はジェネラルアトミックスのアヴェンジャー無人機に酷似
SCALED COMPOSITES
BY TYLER ROGOWAYOCTOBER 11, 2017

「開発最先端企業」と呼ばれる特化航空機設計企業すスケイルドコンポジッツScaled Compositesノースロップ・グラマン子会社)から新型有人テスト機が突如発表され、呼称はモデル401と控えめだ。
以下同社発表の報道資料から
「スケイルドコンポジッツが最新の実験機モデル401のロールアウトと初飛行をお知らせします。当社は顧客とともに二機を製作し、高性能低価格生産技術の実証に用い、機体を飛行技術調査用で業界並びに米国政府に提供します。二機は内容は同じ柄でプラット&ホイットニーJTD-15D-5Dエンジン推力3,045ポンドを一基搭載します。
「最高速度マッハ0.6で実用高度限界30千フィートで翼幅38フィート、全長も38フィートです。空虚重量40千ポンド最大離陸重量は8千ポンドで、最大三時間飛行が可能です。主任技術者アーロン・カセビアは『興奮している。スケイルドは実験機の最前線にあり今回その開発にたずさわれて幸運です。テストは今後も続けていきます』と語っており初飛行は一号機のテスト飛行開始を飾り、当社チームは今後も同機の性能限界を探っていきます。二号機も初飛行の準備中です」
機体はジェネラルアトミックスのアヴェンジャー/プレデターC無人戦闘航空機に酷似しているが機体寸法は半分に近い。そうなると同社が述べた顧客とはジェネラルアトミックスと思われるが確実なことはわからない。
GENERAL ATOMICS
Predator C/Avenger.

アヴェンジャーは国際商談があと一歩で制約しそうだ。インドが調達に前向きなためだ。同社はステルス性を一部省いて海軍の求める無人空母搭載給油機の競作に提案しているところだ。
有人機版を代理でテストに使えば無人機の実用性能を早く把握でき有利だ。言い換えれば有人機利用でテストを迅速に進め無人機だけの場合より早く技術開発できる。そうなるとジェネラルアトミックスはアヴェンジャー小型版をつくろうとしているのか。そのための有人代理機材なのか。
いいかえれば同機は低視認性機のテスト用なのかステルス性の中高度中程度滞空(MAME)の複製機でたまたまアヴェンジャーに似ているだけなのか。その他同社の機体がこれまでも同様にテスト用に投入されている。超小型のエアリーズと高高度飛行用のプロテウスだ。
同機の情報は入手次第公開していく。■
Contact the author: Tyler@thedrive.com
エアリーズ http://aviationintel.com/rutans-ares-emerges-from-paul-allens-hangar-at-kbfi/
プロテウスhttps://en.wikipedia.org/wiki/Scaled_Composites_Proteus

オーストラリアでF-35等の情報がハッキングされた


盗まれた企業の管理体制がずさんとはいえ、これだけ広範な情報をを系統的に盗むには国家支援が背後にあったと思わざるをえません。潜水艦技術をオーストラリアに渡さずに済んでよかったですね。


Top secret information about Australia’s military hacked

オーストラリア軍事情報がハッキングされた

AN INVESTIGATION into an Australian Defence Force hack has revealed almost anybody could have penetrated its securtiy due to a simple password fail.
オーストラリア国防軍関連のハッキング事件の捜査でパスワードの不備で誰でも侵入できる状態だったと判明
The F-35 Lightning, the Joint Strike Fighter.
The F-35 Lightning, the Joint Strike Fighter.Source:Supplied
Lisa Martin
OCTOBER 12, 20178:51AM

新型戦闘機、海軍艦艇、偵察機のトップシークレット情報がオーストラリア防衛契約企業から盗まれた。

サイバーセキュリティ担当国務相ダン・テハンが10月10日企業名不詳の契約企業がハッキングされたと認めた。

ハッカー集団は数か月にわたり機微情報をダウンロードし、オーストラリア軍用機、艦船、爆弾装備の情報を盗んでいた。

オーストラリア当局は該当企業の態勢を「ゆるすぎる」とし、事実以上誰でも社内ネットワークに侵入できたと評している。

ハッカー集団はまず同社のITヘルプデスクから12か月にわたり弱点を探ろうとしたが結局フロントドアから侵入している。

オーストラリア通信局(ASD)による捜査で同社がパスワードを変更していなかったと判明した。同社のウェブポータルに入る際の社内パスワードは「admin」でゲストのパスワードは「guest」のままだったという。

ASDは反攻の背後に外国の存在があったかを明らかにしていないが、テレビのメロドラマHome and Awayの登場人物にちなんでハッカーを「ALF」と呼んでいる。

ASDの緊急事態対応責任者ミッチェル・クラークは11日、ハッカー集団は航空宇宙技術の小規模企業、従業員50名程度を昨年7月に狙ったと述べている。同社は防衛契約では四次下請け企業だったという。

「侵入は広範囲かつ熾烈だった」とクラークは述べている。「F-35共用打撃戦闘機、C-130輸送機、P-8ポセイドン哨戒機、共用直接攻撃弾(JDAMスマート爆弾)他海軍艦艇数種が対象」クラークによれば漏えいした情報には新型海軍艦艇も含まれ、図面では艦長のすわる指令室の椅子もズームでわかり、航海図から1メートルの位置にあることもわかるという。

クラークは今回の漏えいは「ずさんな管理体制」が原因と述べる。同社にはIT担当は一名しかおらず、しかもその職務に短期間しかついていなかった。

オーストラリアサイバーセキュリティセンターの広報係からはASD職員が明らかにした情報の内容は民間経済上は機微性があるが機密情報ではないと述べている。「同社は国家安全保障ともむすびついた契約企業で今回漏えいした情報は民間では機微情報だが、極秘扱いではない」との声明を発表している。■

2017年10月12日木曜日

中国軍の装備開発状況をまとめた米調査委員会報告の抜粋


タイトルが内容とかい離していますが、米議会の調査部門はいい仕事をしていますね。議員がばらばらに調べるよりもプロのアナリスト部隊を抱えた方が効率がいいに決まっています。中国については米国も経験のしたことのない事態(ハイテク、サイバー、宇宙等)での対立を想定せねばならず決して楽しい仕事ではないのですが、避けて通れないでしょうね。一方で冷戦時の映画Red Dawn(ソ連が米国占領)のリメークをPLAを悪役にしたところ「自主的に」北朝鮮が米国を占領したとのプロットに変えた事例もあり、米国の自由を活用する中国の動きにはこれまで以上に厳しい目が寄せられていくでしょう。

 


World War III Deathmatch: China vs. America's Military (Who Wins?)


October 9, 2017


米中経済安全保障検討委員会U.S.-China Economic and Security Review Commissionが中国の高性能兵器開発に関する報告書をまとめている。
報告書は公開型式でオープンソースを使った評価を中国の特定兵器システムや技術分野に行うのが目的で、以下を重視しているようだ。
1.極超音速滑空体や超音速燃料ラムジェット搭載機も含む制御可能再突入体
2.高出力高周波兵器、高出力レーザー、粒子ビームによる衛星妨害を含む指向性エネルギー兵器
3.電磁レイルガン
4.対衛星兵器に加え宇宙空間での電子戦能力
5.無人装備、人工知能搭載兵器

報告書では中国の高性能兵器が米国にどんな意味を持つかさらに検討すべく、米国も対抗策や兵器開発の重要分野における対抗策で優位性を維持できるかを検討すべきとする。
米中軍事力整備競争
作業は議会関係者や政策立案部門に対し急速に進展中の中国の軍事近代化の内容を伝えることを使命とし、中国の次世代兵器体系整備の進展度に米国が懸念をいだいていることの裏返しでもある。一部報道では中国が極超音速兵器を開発中といわれ、実現すれば脅威の定義をひっくり返す効果が米水上艦艇など多方面に現れる。
中国が極超音速兵器の実験を行っていることは知られている。米空軍主任科学者ジェフリー・ザカリアス US Air Force Chief Scientist, Geoffrey ZachariasはScout Warriorに米国が極超音速兵器開発を加速化する必要について語っているのは中国の進展とペースを合わせる必要があると認識しているからだ。ザカリアスの説明では米側の努力は「階段を一段ずつ昇る」ようなもので極超音速飛行を実現してから極超音速兵器、極超音速無人機、最終的に再利用可能な極超音速機の開発を目指していると述べる。米国の目標は極超音速兵器の実用化を2020年代中頃、極超音速無人機を2030年代、再利用可能極超音速無人機は2040年代と目標を置いている。
さらに中国が対衛星兵器ASATのテストをしているへ国際社会の関心が高まっており、ペンタゴンや米空軍に衛星防護の戦略作りを急がせる圧力が増えて、センサー機能の冗長性やサイバー被害に対する強靭度を高めた指揮統制機能などで機能の維持が求められている。
中国の無人機開発、サイバー侵入行動さらに空母国産建造も米議会がこの報告書に関心を寄せざるを得ない背景理由だ。
さらに新型駆逐艦、揚陸艦、ステルス戦闘機、長距離兵器で中国の開発が進むのも米国には脅威と映るし、世界規模の作戦展開能力を整備しているのも同様だと同委員会はこれまでの報告書を通じ指摘している。
2016年版の委員会指摘内容は
2016年度版の米中経済安全保障検討委員会報告では中国が兵力投射能力を世界各地に展開する演習を行っていると指摘している。
報告書では中国が活発な軍事行動を示した例を列挙している。
- 2016年5月、人民解放軍空軍戦闘機編隊が危険な迎撃飛行を米軍EP-3にしかけてきたためEP-3は急降下し空中衝突を避けた
-  2013年、PLA海軍艦船が米誘導ミサイル巡洋艦カウペンスの進行方向を横切る操艦をしあっため巡洋艦は慌てて進路変更で衝突を避けた
- 2009年米海軍所属インペッカブルが海上民兵の小舟艇多数に南シナ海でいやがらせをうけた
- 2001年、PLA海軍戦闘機が米海軍EP-3偵察機と南シナ海上空で空中衝突した
さらに南シナ海の島しょ部に地対空ミサイルや戦闘機を配備したことと「航空排他圏」を一方的に宣言しているのも中国の挑発の近年の例だ。これに対し米軍はB-52爆撃機に上空飛行させ誇示したが、改めて中国の強硬な態度を浮き上がらせた。また中国の「陸地造成」と領有権主張が南シナ海で進み、米国も「航行の自由演習」で中国の主張に対抗している。
地球規模で兵力を展開することで中国が影響力を行使することに対して議会報告書は世界各地での中国演習の実施状況をまとめている。
- 2012年、中国は初の国連平和維持部隊として実戦部隊を南スーダンに送りPLA工兵隊医務部隊を護衛した。
- インド洋での展開として2014年初頭に中国水上艦艇が遠征訓練を行い、途中南シナ海を通過し、インド洋東端に到着してフィリピン海経由で帰国した。23日間の展開でPLA海軍は対潜、対空、電子の各戦闘訓練とともに補給活動を試した。
- アデン湾で海賊対策を続ける一方で中国は情報収集艦をインド洋に2012年派遣し、潜水艦四型式(原子力、通常動力双方)もインド洋に展開した。
2016年度版報告には中国の軍事近代化をとくに述べた章があり、艦船、兵器、航空機の改良や新造に頁を割いている。
米軍の世界的展開力に匹敵するだけの実力を中国が手に入れるには今後数年にわたる努力を怠れないとの指摘もある。
「各種作戦の支援、継続、防御のためPLAには大型揚陸艦、大型輸送機、兵站支援能力の整備に加え指揮統制能力の向上が欠かせない」
中国海軍
中国海軍の技術水準は米艦船より劣るものの、今後数十年以内に差は埋まるとみられる。中国が次世代ハイテク艦船や兵器等海軍装備の整備に向かっているためだ。
中国海軍の戦闘艦は2020年に351隻にする計画があり、地球規模での攻撃能力の整備を目指している、というのが報告書の指摘だ。
2014年度版報告では議会への提言として米海軍が建艦数を増やし太平洋地区でのプレゼンスを確保するのが望ましいとしたが、米海軍はすでにこの方向で作業を開始している。
ただしこの戦略への反対者は米海軍に空母11隻があるが中国の唯一の空母は空母運用航空戦力が劣ると指摘していている。それでも中国は国産空母の連続建造を開始しているが。
今後を展望すると2016年度版報告では「将来の中国空母は米空母と同様の艦容となりPLA海軍は艦載機に重装備を積み対艦、対地攻撃を行うだろう。DODは中国は15年以内に空母を5隻建造し、全6隻体制にするとみている」
委員会では中国が開発中の艦および兵装システムで米空母・水上部隊の活動で戦略構図が変わるとしている。
そこに加わるのが旅洋III級新型駆逐艦で今年就航するとみられる。同級は垂直発射式長距離対艦巡航ミサイルを運用し、HHQ-9対艦ミサイルは長距離射程が特徴だと委員会は指摘している。
同級は多用途駆逐艦として空母護衛にあたると見られ、米海軍が空母打撃群に駆逐艦を随行させているのと同じだ。
「排水量8千トンの旅洋III級はフェイズドアレイレーダーと長距離SAMで地域大の防空能力を実現する」と2016年度版報告が指摘する。
中国は空母運用に新型戦闘機をJ-15の名称で開発中だ。
揚陸強襲艦として中国は玉昭YUZHAO級LPDの建造を続けており、各艦800名ヘリコプター4機さらに装甲車両20台までを運送できる。
「玉昭級はエアクッション揚陸艇4隻も運用でき兵員を長距離展開できることからDODは中国海軍がこれまでより遠距離へ作戦展開する能力が実現したことに注目している」
さらに野心的な次世代揚陸強襲艦の建造を狙っている。「玉昭級を上回る規模の揚陸強襲艦の建造を目指し、飛行甲板でヘリコプター運用を狙う。081型は4隻から6隻の建造となり、兵員500名をヘリコプターで運ぶ強襲作戦用だ」とあるが米海軍の最新鋭ハイテク艦アメリカ級揚陸強襲艦の実力には及ばないと見る向きもある。
055型巡洋艦は対地攻撃ミサイル、レーザー、レイルガンを搭載すると報告書は指摘。
水上艦艇を補完するのが少なくとも60隻あるといわれるHOBEI紅稗型誘導ミサイル艇であり今後就役するJIANGDAO江島級軽フリゲート艦だ。
委員会は中国の軍事近代化で攻撃型潜水艦、核ミサイル潜水艦SSBNにも注意を喚起している。中国のSSBNはJL-2核ミサイルを搭載した哨戒に出ており、射程は4,500カイリに及ぶ。さらに長距離のJL-3の搭載をめざしていると報告書は指摘。
委員会が中国の軍事支出の総額を把握するのは困難と認めているが、2014年時点で1,310億ドルと見られ、対前年比12.2%増だった。この規模は米国防予算のほぼ六分の一だ。中国国防予算は1989年以来二けた増を続けており、2008年比で二倍になっている。
米議会には前下院軍事委員会シーパワー・兵力投射小委員会委員長だったランディ・フォーブス議員(共、ヴァージニア)のように米海軍拡張とともに中国に厳しい態度に出るべきと主張する向きがある。
中国空軍
米空軍の中国に対する航空優勢は急速に減少しており、中国の空軍力の近代化がそれだけ早いことを意味する。戦闘機、ミサイル、空対空装備、輸送機、ステルス機が目立つとペンタゴンはじめ関係者が見ている。
2014年版報告書の提言は外部審議会を設け米中軍事バランスの評価とともに米軍事構想と予算規模に関する提言を募れというものだった。2014年の時点であるが、報告書は詳細かつ洞察力に富んだ指摘を中国空軍の技術水準、進展、開発ぶりにあてていた。
委員会は報告書作成にあたり各種証言、他の報告書、分析内容の他各種オープンソース情報を活用した。
報告書によれば人民解放軍に配備されている作戦機は2,200機でうち600機が新鋭機材とされる。
「1990年代初頭の中国にはPLA空軍を短距離防空専用の存在から多用途部隊として兵力投射用の航空戦力に変貌させる構想があった」と報告書は述べている。
ステルス機について報告書はJ-20試作機の飛行について述べ、同機はアジア太平洋地区でずば抜けた高性能機と評している。中国はJ-31のテストも続けているが、その用途は依然不明だとしている。
瀋陽J-31ステルス戦闘機が珠海航空ショーに展示されたのは2014年であるが、同機が米F-35に匹敵する性能を秘めていると断言できる専門家は多い。
それでも米技術の優位性は急速に失われつつあると指摘し例として報告書では米中の戦闘機を比較した専門家の所見を引用し、20年前と今日を比較している。
1995年のハイテク米戦闘機F-15、F-16やF/A-18の優位性は中国のJ-6に対して圧倒的だった。しかし今日ではJ-10やJ-11はほぼF-15に匹敵する実力があると報告書は指摘。
しかもJ-10、J-11にとどまらず、中国にはロシア製Su-27やSu-35があり、さらに新型Su-35もロシアから購入する一歩手前だとする。
「Su-35は強力で高性能機で航続距離、燃料消費で大きな進歩を遂げている。これで中国は台湾海峡での航空優勢を確保しながらリバースエンジニアリングで同機の部品装備を自分のものにするだろう。とくに高性能レーダーとエンジンがねらいのはずで、今後の中国国産機に流用するはずだ」
ステルス技術、ハイテク機、高性能エイビオニクスに加え中国は空対空ミサイル技術でもこの15年で飛躍的な進歩を遂げたと報告書は指摘。
「2000年時点で中国戦闘機はすべて有視界範囲でしかミサイル運用できなかった。それが15年で高性能短距離中距離空対空ミサイルを実用化し、精密誘導弾は全天候衛星誘導方式で放射線追尾型ミサイルもあり、レーザー誘導爆弾も加わった。さらに長距離高性能航空機発射式対地攻撃巡航ミサイル、対艦巡航ミサイルもある」
報告書が注目するのはY-20新型戦略輸送機だ。テスト中だが米空軍のC-130の三倍の空輸能力を誇る。空中給油機に改装すれば空軍機の活動範囲が飛躍的に伸び、空中兵力投射能力がさらに遠距離で実現する。
現時点での中国には近代的な給油機はそろっておらず、機材も空中給油能力を前提にしていないものが多い。到達距離に限定が生まれている。
「PLA海軍の初の空母航空戦力が実戦化するまでに空中給油機で中国本土から離れた地点での運用能力確保が必要だ。現在は給油機として1950年代のH-6U給油機が12機あるに過ぎない。これでは作戦支援の継続は無理だ」
報告書ではロシア報道を引用しロシアが新型S-400地対空ミサイルの中国向け売却を承認したと指摘している。
「売却交渉は2012年以降続いていた。S-400で中国の防空範囲は現行の125から250マイルが倍増し、台湾全土もカバーできるほか、尖閣諸島や南シナ海一部も同様だ」
報告書ではカタログ情報だが中国の核兵器、長距離大陸間弾道ミサイルで運用中のDF-31、DF-31Aに加えDF-41の開発が始まっていると指摘。
道路移動式ICBMも運用中だが、DF-41は再突入体を10個搭載すると専門家はみている。■
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米海軍向け無人給油機MQ-25の競争提案仕様が各社に開示された模様


これも無人機の話題です。(当ブログではドローンという言い方はしていません。もともとドローンを多用したのは当方が嫌うヒラリー・クリントンでしたので)ジェネラルアトミックスはプレデターのジェット化アヴェンジャーを原型に迅速に実現できる案を考えているようですね。ところで前回の記事にでX-47Bが旧称MQ-25aだったとのキャプションがありましたが本当なのでしょうか。海軍でも混乱があったのでしょうか。それにしてもスーパーホーネットの相当数を給油機に使って飛行時間を消費するのは本当にもったいないですね。


Navy Releases Final MQ-25 Stingray RFP; General Atomics Bid Revealed

米海軍がMQ-25スティングレイ最終仕様書を交付開始、ジェネラルアトミックス提案内容が公開されています


Artist’s Concept of the General Atomics MQ-25 Stingray. GA Image used with permission

 By: Sam LaGrone
October 10, 2017 5:51 PM


  1. 米海軍航空システムズ本部(NAVAIR)がこっそりと無人機MQ-25スティングレイ給油機の仕様を業界に伝えていたことをUSNI Newsがつかんだ。
  2. 海軍は先週にRFPをロッキード・マーティンボーイングノースロップ・グラマンジェネラルアトミックスの四社に渡し来年9月予定の契約交付に備えた対応をはじめたとNAVAIR広報官がUSNI Newsに伝えてくれた。
  3. 海軍はF/A-18E/Fスーパーホーネットに給油機の役割も与えて飛行時間を使っているが負担軽減のためにも無人給油機の早期投入を急ぎたいところだ。スーパーホーネットの二割から三割が空中給油ミッションに投入されている。
  4. 海軍はまだ新型無人機の最終目標を明らかにしていないが、基本要求では空母から500カイリ地点まで進出し15千ポンドの燃料補給を想定している。
  5. 「MQ-25は航空部隊の飛行距離を300から400マイル延長する。これで遠距離で相当の機数を展開できる」とエアボスのマイク・シューメーカー中将Air Boss Vice Adm. Mike Shoemakerは9月号のproceedings誌上で語っている。
  6. 現在のスーパーホーネットの有効戦闘半径は450マイルほどだがMQ-25はこれを700マイルに延長する。
  7. 先の四社のうち、ジェネラルアトミックスがまっさきに構想案を発表している。
MQ-25 model. USNI News Photo

  1. 同社の構想は主翼胴体尾翼で構成され同社のアヴェンジャーの特徴を共有しターボファンエンジン一基でV字型尾翼が特徴だ。同社からUSNI Newsが入手した構想図ではD-704標準型バディタンク給油システムを採用しているのがわかる。
  2. 同社もまだ手の内を明かしたくなく詳細は触れていないがGA案の特徴については別だ。同機には電気光学式ボールが同社のMQ-1プレデター、MQ-9リーパーUAVと同様に搭載されており、降着装置は機内に格納されるのはまるで懐かしいS-3ヴァイキング対潜哨戒機を思い起こすものがある。また飛行甲板上の取り回しを考え、飛行要員が示すジェスチャーを認識させる機能を考えていると現在はジェネラルアトミックス(GA)で働く退役少将テリー・クラフトretired Rear Adm. Terry KraftがUSNI Newsに説明してくれた。
  3. 空母運用に特化した機能以外にGAは将来の拡張性も確保している。
  4. 「将来の武装搭載案もあり、ISR能力の搭載も想定していますよ。海軍からレーダー搭載の可能性で打診もありましたが、レーダーは論理的な選択でしょうね。UAVはつまるところトラックなんですから」とクラフトは語っている。■