2017年11月8日水曜日

2021年に戦闘機搭載レーザー兵器が登場する


レーザー兵器の記事も随分と具体的になってきました。それだけ急ピッチで開発が進んでいるのでしょう。民生部門ではファイバーレーザーはすでに製品化されていますが、軍用は出力がけた違いに大きく、さらに照準の相手が高速飛翔中の対空ミサイルなので制御体系もまったくちがうのでしょう。自機防御が狙いですが、早晩敵機攻撃さらにミサイル撃破にむかうのではないでしょうか。技術的に後れを取った中露が「平和勢力」をけしかけてレーザー兵器の廃止を運動にしてくるかもしれません。その前に機密情報のセキュリティを厳重にしないといけませんね。


Coming in 2021: A laser weapon for fighter jets

戦闘機搭載レーザーが2021年に実現する

Lockheed Martin is helping the U.S. Air Force Research Laboratory develop and mature high-energy laser weapon systems, including the high-energy laser pictured in this rendering. (Courtesy of the Air Force Research Laboratory and Lockheed Martin)

By: Valerie Insinna    3 hours ago
WASHINGTON — ロッキード・マーティンは高出力レーザーを米空軍戦闘機に搭載した実証実験を2021年に行う。
  1. 同社は26.3百万ドル契約を交付され空軍研究本部の自機防御高エネルギーレーザー実証別名SHiELD(Self-protect High Energy Laser Demonstrator)でファイバーレーザーの設計製造を行う。レーザーはサブシステム二つで構成し電力供給と冷却用ポッドとビーム制御装置にわかれる。
  2. 成功すれば画期的だ。空軍は既存手段より安価に地対空、空対空ミサイルの脅威を除去する方法を求めてきた。
  3. 産業界は車両や機内搭載をめざしレーザーの小型化に十年近くてこずってきた。ロッキードのレーザー兵器システム主任研究員ロブ・アフザルRob Afzalが解説している。ただし、ファイバーレーザー技術の改良で小型化しつつ高出力の実現が見えてきた。
  4. 「小型化しつつ高効率で電力を高出力レーザービームに変換できかつビーム性能を高くなりました」(アフザル)「高効率のため電力消費を最小限にし、排熱も同様です」
  5. ではロッキードのレーザーはどのくらいの出力なのか。アフザルは口を閉ざすが、「数万ワット」とだけ教えてくれた。また搭載する戦闘機の種類についても、SHiELDのテスト方法についても明かさず、空軍に聞いてほしいとだけ述べている。
  6. ロッキードはレーザーの地上テストを終了してから空軍実験部門に装置を渡し、その他SHiELDサブシステムと一体化して機種不明の機体でテストするのだという。
  7. ノースロップ・グラマンがビーム制御装置を製造中で略称はSTRAFE(SHiELD Turret Research in Aero Effects)でボーイングがSHiELDシステムを統合しポッドに入れる。
  8. アフザルはロッキードからのレーザー装置引き渡し時期や初期設計審査の終了予定も明かしていない。
  9. ロッキードは高出力戦術レーザー開発で知見を有している。今年初めに同社は60キロワットレーザーを米陸軍に納入し、大型高機動戦術トラックに搭載された。また30キロワットレーザーは実戦で四年間使用中だとアフザルが紹介している。■

中国が空中給油能力を獲得するとこうなる


中国が空中給油能力を獲得すればそれだけ脆弱性が増えて、西側は給油機を狙い撃ちするだけでしょう。数字の上では各地を狙えるはずですが、中国がそこまでの軍事組織を動員する作戦を展開するとは思えません。(今のところ)日本としては尖閣諸島上空にPLAAF戦闘機が滞空時間を延ばす効果を上げるのが困るでしょうね。


This Piece of Chinese Military Hardware Could Change the Balance of Power in Asia

この中国軍用機がアジアの軍事バランスを変えてしまうかもしれない
A Y-20 transport plane of People's Liberation Army Air Force is seen on the tarmac after its arrival for the upcoming China International Aviation & Aerospace Exhibition, in Zhuhai, Guangdong province
November 6, 2017


  1. 2001年10月7日、米軍がタリバン・アルカイダのアフガニスタン国内拠点に空爆を開始し不朽の自由作戦が始まった。爆撃機15機攻撃機25機が巡航ミサイル50発を45拠点に発射した。第一段階が終わった2001年12月23日までに米空軍、海軍、海兵隊は6,500ソーティで17,500発を各種標的に発射している。
  2. 米空軍の発進地点はアフガニスタンから遠い場合で数千マイル離れており「エアブリッジ」が必要となり、米空軍はKC-135やKC-10を動員し海軍はS-3ヴァイキング(現在は全機退役)を動員した。
  3. 中国人民解放軍(PLA)は米軍の砂漠の盾・砂漠の嵐作戦、NATOのバルカン作戦、不朽の自由作戦、イラクの自由作戦を詳しく観察し、近代戦における航空戦力の意義に注目した。PLAに「ショック」だったのはハイテク戦を展開しないと先進的な他国軍に互角に戦えないことがわかったからだ。中国の軍事戦略は大幅に変化し「新時代にむけた軍事戦略ガイドライン」(中国共産党およびPLA、1993年)が発行された。長距離航空攻撃ミッションが不朽の自由作戦・イラクの自由作戦で展開できたのは空中給油があったからで航空兵力投射が実現できた現実を中国軍指導部は厳粛に受け止めた。
背景
  1. 中国の空中給油の出発点はツボレフTu-16K爆撃機のコピー生産が始まった1960年代末だ。生産は1980年代末まで続き、H-6と名称を変えH-6U空中給油の開発原型機となった。ただしH-6Uは1993年の国家軍事改革方針に合致せず、そのためH-6Uは20機未満に過ぎず能力も不足している。これを補うためPLAはイリューシンIL-78ミダス給油機をロシア(ウクライナ)から調達し空中給油能力を獲得したばかりか国産機に使える技術を入手した。
  2. ただし空中給油能力の不足がPLA空軍(PLAAF)およびPLA海軍航空隊(PLANAF)の航空兵力投射能力を制約していると2014年版の米中経済安全保障検討委員会報告が指摘している。「中国には空中給油機が不足し技術も劣るため現行作戦機は空中給油を受けられない。このため進出範囲が限定される。空中給油機材はおよそ12機のH-6Uで大規模長距離航空作戦の継続には圧倒的に不足している」
  3. PLAAFは西安Y-20鲲鹏“Kunpeng” (数千マイル飛行できるといわれる中国の伝説の鳥)大型輸送機の一号機を改装して国産給油機を作成し、初飛行を2013年1月に行っている。同機はその後エンジン研究開発評価に投入された。
  4. 2017年3月にPLAはY-20量産を発表し、同機設計主任Tang Chang Hongは8か月にわたる実用試験を経てPLAAFは同機の性能に満足していると語った。「Y-20を母機に大型かつ重要な機材を開発する」とし、空中早期警戒統制(AEW&C)や空中給油機のことを指しているらしい。
  5. ただし空中給油は長距離航空兵力投射を支える一要素にすぎない。
どう活用するのか
  1. 2007年からH-6K型爆撃機の空中給油能力も含む性能改修が始まった。2015年3月にはPLAAFはH-6で長距離かつ複雑な洋上航空作戦を日本海、フィリピン海、南シナ海で展開しはじめた。作戦は第一列島線を越え西太平洋に宮古海峡、バシー海峡から通過して展開された。2016年にPLAAFは台湾一周飛行や「戦闘哨戒飛行」を南シナ海上空で開始し、飛行には少なくとも6種類の支援機材として情報収集機、早期警戒機、戦闘機、電子戦機が投入された。さらに毎回の飛行はPLAN水上艦艇群と連絡し、中国軍の統合運用の様相を示している。
  2. 戦略的な意味では爆撃機フライトは台湾の蔡総統政権に圧力をかけるだけでなく中台紛争の発生時は米軍に介入を思いとどまららせる効果もある。作戦面ではフライトはPLAAF乗員に長距離飛行の訓練となり気象状況などの変化に対応し、洋上航法や外国機とのやりとりの訓練の他、情報収集効果も期待できる。空中給油は掩護戦闘機が限定的に利用しているがこの場合は制約条件にならない。
作戦上の意味
  1. H-6Kの戦闘行動半径は1,890カイリといわれ、CJ-10あるいはCJ-20空対地巡航ミサイル6発を搭載し、430カイリ、1,080カイリそれぞれを狙える。またはYJ-12対艦ミサイルを搭載し220カイリ先までを戦闘範囲に収める。第一列島線と台湾東で航空優勢を確立した前提ならH-6Kで第二列島線の日本、フィリピン、グアム、パラウさらにオーストラリア北部を攻撃できる。
  2. その場合、Y-20空中給油機とH-6K爆撃機の組み合わせで中国は第二列島線以遠の米軍等を攻撃可能となる。アラスカやハワイがここに該当する。さらに条件次第でロシアや中東さらに紅海までを攻撃範囲におさめるだろう。
  3. さらにPLAAFが多数地点の空中給油態勢によるエアブリッジを確立し空中給油対応の戦闘機のJ-20、J-16、J-31を投入し、PLANの055型Renhai級、052型LuyangIII級ミサイル駆逐艦の援護があれば攻撃範囲委はさらに伸びるだろう。
結論
  1. PLAの空中給油能力整備は着実に進んでいる。Y-20改装給油機は大きな一歩だ。Y-20が完全に実用化されればPLAAFおよびPLANの各種攻撃用機材への給油が可能となり、長距離対地対艦攻撃力が実現する。空中給油対応のH-6K爆撃機の長距離攻撃手段があればPLAは米、同盟国の地上基地に脅威となるほか洋上の打撃群も第二列島線以遠に展開していても脅威を感じるはずだ。その範囲は太平洋軍のみならず中央軍や米欧州軍の範囲にも及ぶかもしれない。中国との対戦を想定する場合にこの脅威は米軍に手ごわい存在になる。■
LCDR David Barr is a career intelligence officer and currently within the Directorate for Intelligence and Information Operations for U.S. Pacific Fleet. His opinions do not represent those of the U.S. Government, Department of Defense or the Department of the Navy.
Image: Reuters

2017年11月7日火曜日

空母7隻が同時展開中の米海軍、第七艦隊で三隻が同時訓練を実施するのは初



UPDATED: 7 U.S. Aircraft Carriers Are Now Simultaneously Underway

米空母7隻が同時展開中

空母7隻の同時展開は久しぶりだ。
上段: USS Ronald Reagan (CVN-76), USS Theodore Roosevelt (CVN-71), USS John C. Stennis (CVN-74)
中段: USS Abraham Lincoln (CVN-72)
下段: USS Carl Vinson (CVN-70), USS Nimitz (CVN-68), USS Gerald R. Ford (CVN-78). USNI News Image

 By: Sam LaGrone
November 6, 2017 1:49 PM • Updated: November 6, 2017 5:56 PM


米空母11隻中7隻がここ数年で初めての同時出動中。海軍関係者からUSNI Newsが11月6日確認した。

  • 西太平洋では航空部隊を完全配備した空母打撃群はUSSロナルド・レーガン(CVN-76)、USSニミッツ(CVN-68)、USSセオドア・ロウズヴェルト(CVN-71)の三個。
  • 残る四隻は正式配備前の訓練段階でUSSカール・ヴィンソン(CVN-70)、USSジョン・C・ステニス(CVN-74)が東太平洋、USSエイブラハム・リンカン(CVN-72)さらに最新空母USSジェラルド・R・フォード(CVN-78)が大西洋で展開中。
  • レーガン、ニミッツ、ロウズヴェルト各打撃群は第七艦隊作戦海域にあり、レーガンは日本海で朝鮮半島近くに、ニミッツはペルシア湾での任務を終え母港キツァップ-ブレマートン(ワシントン州)への移動途中。ロウズヴェルトは10月7日サンディエゴを出港しニミッツと交替し対ISIS作戦につく途中。
  • 各打撃群は第七艦隊で初の三空母同時訓練を行うと国防関係者がUSNI Newsへ伝えた。
  • 「三空母は北朝鮮を特に意識していない」「わが方による同地域への安全保障の責任の通常の印だ」と統合参謀本部議長ジョセフ・ダンフォード大将が先週発言していた。
  • 演習はドナルド・トランプ大統領のアジア歴訪と重なり、米朝間の緊張が高まる背景で行われそうだ。
  • ヴィンソンはF-35C共用打撃戦闘機のフライトテストに供されており、ステニスは修理後の訓練航海でキツァップ-ブレマートンを先週出港した。リンカンは核燃料交換と大規模補修を終えて5月に復帰し各種証明取得中だ。フォードは各種試験中で正式な艦隊編入は2020年代初頭となる。
  • 海軍は展開中空母の数は海軍の対応がうまく行っていることの証明と胸を張る。
  • 2016年には6隻が訓練、出動合わせ展開し、ジョン・リチャードソン作戦部長が「画期的」と述べた。
  • 2004年のSummer Pulse 04 演習では空母打撃群7つを展開し空母部隊の戦力を誇示した。
  • 「ほぼ同時に空母打撃群7つを展開したことで海軍および統合戦闘部隊司令官に訓練機会を実現しつつ世界各地での緊急事態への対応能力を維持できる。地域内安全保障を強化し各国との関係も強めながら戦闘司令官の要望に応えるべく前方配備を通じ同盟各国連合国へ当方のコミットメントを示す効果がある」と海軍は2004年6月に述べていた。■

UAE向けF-35売却検討の解禁は新たな中東の動きの一環になるか


北朝鮮や南シナ海、中国とともすれば我々の関心は近隣国に偏りがちですが(それだけ緊急性が高いのは当然ですが)中東へも関心を維持していく必要があります。その中でイラン包囲網としてアラブ諸国が仇敵のイスラエルと対立ばかりしてられない状況が生まれつつあるのでしょうか。F-35が販売できればロッキードは大喜びでしょうが、日本としても原油供給しか見ていないUAEの躍進ぶりには十分注意を払ってしかるべきでしょう。


Trump could let the UAE buy F-35 jets

トランプはUAEにF-35売却を許すのか

米空軍F-35AライトニングII。トランプ政権はF-35のUAE売却の検討に入る。 (Master Sgt. John R. Nimmo Sr./U.S. Air Force)

WASHINGTON ― アラブ首長国連邦向け拡大戦略協力の一環でトランプ政権はUAEが求めていたF-35共用打撃戦闘機の購入要請を検討することで合意した。
  1. 正式決定ではないが検討に合意したことでUAE向け機微情報ブリーフィングが可能となり、第五世代戦闘機取得の第一歩となればオバマ前政権の政策から大きな変化となる。オバマ政権は同国からのブリーフィング要請を2011年以来拒絶していたからで、その理由をイスラエルのいわゆる質的軍事優位性Qualitative Military Edge(QME)が脅かされるからとしていた。
  2. 湾岸諸国の専門家、産業界幹部へインタビューするとトランプ政権に対して米議会が求めているQME維持の動きを回避するよう望んでいるのが分かった。QMEではイスラエルが望む武器援助を提供して同国防衛の実現を優先して求めている。同時にワシントンは5月発表の米UAE防衛協力を拡大したいとする。
  3. 「トランプ政権は要請を検討することにした。これは『イエス』でないが、状況が落ち着けば実現するのは間違いない」とペンタゴン前高官がDefense Newsに語ってくれた。発言の裏にはUAE、サウジアラビア、バーレインがカタールと紛糾している事態がある。トランプ新戦略でイランの核・非核両面の脅威に対抗する動きを実行に移す前に解決が求められる問題だ。
  4. 専門家の間にはUAEがF-35にアクセスできる背景に同国が1991年湾岸戦争以降の米主導連合軍に唯一参加したアラブ国家であることを指摘する向きがある。同国は米空軍第380遠征航空団の駐留を受け入れた。
  5. まずイスラエルの紅海の都市エイラートから20キロしか離れていないサウジアラビアと異なりUAEはイスラエルと海上陸上いずれも国境線を共有していない。またサウジや他の湾岸協力協議会加盟国と異なり、UAE空軍はイスラエルとの演習に堂々と参加しているし、米空軍のレッドフラッグ演習にも参加している。
  6. イランの脅威で共通していること、ワシントンとの契約交渉のリードタイムを考えるとイスラエルは今後10年間は中東で唯一のF-35運用の座を守れそうだと関係筋は見ている。
  7. イスラエル国防省はF-35販売制限をUAEに解禁する可能性について論評を拒んでいる。ただしイスラエルはUAE限定で他のGCC加盟国になし崩し的に門戸を開かないのであれば反対しないと見る向きがある。
  8. 「両国に同盟関係はなく、友好国でもありませんが、UAEがイスラエル攻撃にF-35を使うなどと主張する人は現実を見ていないことになります」とワシントンに本拠をおくジューイッシュ政策センター専務理事のショシャナ・ブライエンは言う。
  9. 米UAEビジネス協議会を主宰するダニー・セブライトは米政策で技術移転が制約を受けてUAE政府に不満がたまっているという。「我が国の政策はイスラエル対アラブ各国という構図です。だがUAEはイスラエルには悪意はなく、対戦するつもりもありません。そのためアラブ諸国がイスラエルのQMEにどう影響するかという観点だけで決定が棚上げになっている状況ががまんならないのです」
  10. セブライトは米国政府はUAE要望を長期的提携関係の視点で検討し、UAEを域内安定化に貢献させるべきと主張する。新しく生まれた15年間有効の防衛協力合意は包括的でF-35のみならず最新鋭米装備や共同開発研究の実現に道を開いており、特殊作戦でも協力できその他の二国間事業が可能だと指摘する。
  11. 米UAEビジネス協議会が発表した13ページにわたる報告書でセブライトは対テロ作戦からアフガニスタン再建まで多様な分野を一覧にし、UAEが米安全保障に貢献した事実はアラビア湾を超えた範囲に及ぶと指摘。またUAEは米海外軍事販売の主要顧客であり国防支出で世界上位15カ国に入る。
  12. 「米UAE基地協定、共同訓練、武器販売だけが実績ではない。UAEは安全保障関連の消費国だけでなく湾岸地区中東全域で安全保障の提供国になっています」(セブライト)
  13. にもかかわらず米国が課す制約のためUAEは西側以外の供給先に目をむけるとセブライトは警告する。今年初めにUAEはロシアと第五代戦闘機をMiG-29原型から開発する意向書を取り交わし、モスクワはUAEがスホイSu-35調達に関心を示したと発表している。
  14. 「この事態をどう見るか。UAEが米調達プロセスに不満を感じているからでしょう」(セブライト) セブライトはF-35要望がいまだ実現していないのは特異な事例ではないとする。UAEは中国製UAVを導入したがプレデターが入手できなかったためだ。ワシントンは同機の攻撃能力を理由に要望を拒否したのだ。
  15. 「UAEは米安全保障にも貢献している...非西側サプライヤーからの購入を検討しても米国製装備を優先してくれる...米国による訓練支援を含め二国間安全保障協力を強化していくことが極めて重要だ」と報告書はまとめている。
  16. ワシントンインスティテュートの湾岸エネルギー政策研究をまとめるサイモン・ヘンダーソンからはサウジアラビアが米主導の演習に参加してイスラエルに対する同国の態度への懸念を払しょくする可能性を指摘している。
  17. 「米国はサウジがイスラエルへの脅威でないと判断できればF-35売却を検討するだろう。イスラエルへ脅威でないとなればサウジアラビアとイスラエルが同時に航空演習に参加できるようになる」(ヘンダーソン)■

Opall-Rome is Israel bureau chief for Defense News. She has been covering U.S.-Israel strategic cooperation, Mideast security and missile defense since May 1988. She lives north of Tel Aviv. Visit her website at www.opall-rome.com.

米空軍OA-X比較検証の行方---第二段階は実戦投入テスト


そもそも米空軍が目指すOA-XはISISやタリバン等の戦闘員対策以外の各種任務まで想定するなら機体は多様なミッションに耐える余地の大きいスコーピオンかなと思いますが、A-29が実績で一馬身以上先に行っており、どうなるかわかりません。スコーピオンはなかなか空軍の高性能指向では理解が難しいのかもしれませんね。


Air Force Nears Decision-Which Light Attack Plane Goes to Combat

米空軍の軽攻撃機選定が近づく-次段階は実戦テスト

Firing laser-guided rockets at enemy ground locations, dropping precision-guided bombs from thousands of feet up in the air and coordinating closely with ground-attack

レーザー誘導ロケット弾を地上標的に発射し、精密誘導爆弾を低空で投下しながら対地攻撃を連携しながら行う


Scout Warrior - Nov 4, 11:30 AM
By Kris Osborn


米空軍が想定する軽攻撃機構想ではテロ集団戦闘員相手の戦闘で米空軍が航空優勢を確保している前提で多用なシナリオが想定され、機体操縦性を確保しつつ近接航空支援や精密地上攻撃能力が求められる。
Scout Warrorは米空軍関係者から軽攻撃機実証のシナリオ詳細を知ることができた。評価は現在作業中だ。
-基本的対地攻撃---レーザー誘導爆弾、非誘導ロケット弾等の命中率、正確度を試す
-近接航空支援(CAS)---敵目標を捕捉、確定、追尾し照準をあわせて標的想定への攻撃を供用現場攻撃統制官(JTAC)と通信をしながら実施する能力を評価する
-昼間地上強襲部隊 (GAF) ---機体の航続時間、距離、地上部隊との交信能力を秘匿性のある/ない戦術通信で行えるか評価する
-救難隊護衛(RESCORT)----ヘリコプターとの共同作業でのパイロット負担を評価し、対象地区の更新情報を受信できるかを評価しつつレーザー誘導兵装の運用を確認
-夜間CAS----標的の探知、確定、追尾、照準、攻撃にあたりパイロット負担を評価
OA-X軽攻撃機は抵コスト民生技術応用で戦闘にそのまま投入な機体の想定で各種任務を航空優勢が確保されているか低難易度環境での実施が期待される。
一部報道で空軍が民間企業の既成機種の完成度に好印象を受けているとあるが、空軍からはまだコメントが出ていない。
上層部向けに分析比較結果がまもなく手渡され次の段階に進む決定に役立てられると空軍報道官シャロン・エヴァンス大佐がScout Warriorに語ってくれた。
高性能だが運用も高価な戦闘機のミッション時間を節約するのが狙いでISIS向きなど対地攻撃にF-15やF-22を投入する必要を減らす。
実験第一週には空軍パイロットが各機を操縦し基本対地攻撃ミッションをテキストロンエイビエーションのAT-6ウルヴァリンターボプロップ機、シエラネヴァダエンブラエルのA-29スーパーツカーノで行った。
また空軍パイロットはテキストロンエイビエーションのスコーピオンジェットとエアトラクターL3のAT-802Lロングスォード両機で慣熟飛行を行った。
うち一機がISIS戦での実証に送られるとアーノルド・バンチ中将Lt. Gen. Arnold Bunch.(国防次官補付空軍調達担当)は今年早々にScount Warriorに語っていた。
軽攻撃機構想は戦闘状況にすぐ投入可能な機体をめざし、低コストでミッション効果を上げる能力を求めた議会有力議員に呼応したもので空軍上層部も本件に関心を示し実験場ホローマン空軍基地を訪れている。
軽攻撃機は地上近く上空で待機し米軍部隊近くの敵を迅速に変化し続ける戦闘状況の中で攻撃する能力を想定しており、対戦闘員のみならず対等の戦力を有する相手との交戦でも有益となるはずだ。戦闘構想では米空軍が技術的にも進んだ相当の戦力を有する敵との対戦想定でステルス機や第五世代戦闘機が航空優勢を確保している前提だ。
以下有力な各機を見てみよう。
A-29 スーパーツカーノ
米国が訓練したアフガン空軍がタリバンをA-29スーパーツカーノで攻撃を加えている。
A-29はターボプロップ機で20mm機関砲を機体下に搭載し毎分650発を発射し、主翼下に12.7mm機関銃、7.62mmのM134ミニガンを最高4基搭載し毎分3000発の発射が可能。
スーパーツカーノは70mmロケット弾やAIM-9L空対空ミサイル、対地攻撃用にはAGM-65マーヴェリック他精密誘導爆弾を運用できる。またレーザー測距機とレーザー誘導兵器も搭載可能だ。
スーパーツカーノは高い操縦性を誇り、高温過酷環境でも運用可能だ。全長11.38メーターで自重5,400キログラム、戦闘行動半径は300カイリまでで最高速度367mphだ。
テキストロン・スコーピオン
自社制作の同機は高性能精密攻撃兵器システムのロケット弾およびAGM-114Fヘルファイヤの発射をしている。誘導にはまず地上配備のレーザー照準器を使ってから機内のL-3WESCAM製MX-15Diセンサーに切り替える。
テキストロンは高性能版スコーピオンにガーミン製エイビオニクスを搭載する。同社の情報シートではG3000エイビオニクスの名を上げており、大型高精度ディスプレイにHDタッチスクリーン制御画面をつけており、パイロット席から多様なミッションを実施できる。後席に追加航法装置をつけ多様なミッションを行いつつ機体を軽量化している。
スコーピオンでは今後主翼に後退角をつけ水平尾翼を改良して高速性能を実現するほか、降着装置を簡略化し次世代ヘッドアップディスプレイも導入すると同社は解説している。
ホーカービーチクラフトAT-6
AT-6は多用途軽攻撃機で、A-10Cのミッションコンピュータを使い、CMCエスターライン製グラスコックピット、フライトマネジメントすステムにL3 WESCAMのMX-Ha15Di マルチセンサー装置を搭載しIRセンサー、レーザー照準技術を搭載している。■

2017年11月6日月曜日

韓国KF-Xの開発状況、装備品国産開発を狙う


どうも韓国の国産戦闘機開発事業では機体サイズが今後の発展性の脚を引っ張りそうですね。また技術を大量に海外導入する計算がそのままうまく行くか注目ですね。日本ほどではないとしても相当高価な機体になりそうです。ともかくプロジェクトが今後どう進展するか見守りましょう。


Aviation Week & Space Technology

South Korea Tackles Challenging Systems Development In KF-X

Indigenous systems development intensifies KF-X challenge
KF-Xで技術国産化の難題に挑戦する韓国

Oct 26, 2017Bradley Perrett and Kim Minseok | Aviation Week & Space Technology

新規参入国にとって戦闘機開発は海外メーカーが機内装備を提供しても難易度が高い。そのため複雑装備の国内開発は避けることが多い。
  • だが韓国は韓国航空宇宙工業(KAI)のKF-X国産戦闘機でこれに果敢に挑戦している。成功するため技術陣は戦闘機以外の技術、ときには航空業界以外の技術も応用する必要がある。利用可能な外部技術があれば自ら挑戦するのを避けている。
  • 注目されるのが国産レーダー開発でアクティブ電子スキャンアレイ(AESA)を作ろうとする。その他の国産装備で予定されるものにフライトコントロールコンピュータ、油圧系、電子戦装備等がある。韓国技術陣は今は主導的立場をとっている。ただし海外企業多数が参画しているため今後もそのままでいられるか不明だ。
  • 2015年までに国防省の野心的な技術促進部門がKF-X立ち上げを提唱し、当時は海外の先進装備を導入した機材を第一段とし、国内産業は同事業通じ技術的に追いついてから国産装備を後日開発する予定だった。
  • だが米国が技術統合に協力しないと明らかになると韓国は国産化をめざした。だが欧州やイスラエル製の装備より国産開発の方がなぜ望ましいのか説明がない。
  • それはともかく韓国は国防開発庁 Agency for Defense Development (ADD)を発足し難易度の高い事業で韓国民間企業を支援することとした。ハンファHanwhaとLIG Nex1が筆頭だ。KAIは主契約企業として当然深く関与している。
  • ハンファの国防電子事業部門ハンファシステムズがADDと共同で戦闘機用レーダーを開発したのには驚かされた。LIG Nex1はこの分野で知見が豊かだ。事実同社はKF-Xレーダーのコンセプトモデルを本年のソウル航空宇宙防衛展示会(10月16日-22日)に出展したばかりだ。
  • ハンファシステムズは戦闘機の目標捕ポッド開発中でADDの支援を多数得ていることは疑いない。韓国は同種装備は未体験であるものの海軍用赤外線センサー技術がある。課題は小型化だと関係者が認識している。ADDは偵察用ポッド開発の知見がある。
  • ポッドにするのはロッキード・マーティンF-35で機内搭載したのと対照的で装備統合作業の難易度を考慮したことと機内に余裕がないためだろう。ポッド使用のため予定されるステルス版KF-Xで低レーダー反射効果は地対空運用で期待できない。兵装庫にも大型装備は搭載できないだろう。
  • これに対して電子戦(EW)装備はLIG Nex1が開発中で機内装備となる。ALQ-200EWポッドの技術を流用する。同ポッドは韓国でF-16とF-4で実用化している。
  • 同社はフライトコントロールコンピュータ、電波高度計、フライトデータレコーダーも供給する。これらは大韓航空のMUAV偵察無人機用に開発したものを流用する。
  • KF-Xとつながりが一番大きい既存事業がT-50練習機および軽攻撃機の開発事例だ。T-50では通常の油圧3,000 psi (21,000 kPa)を採用したが、KAIは 5,000 psiを採用し重量軽減と小型化を図りたかったが、3,000 psi前提にした技術内容と試験機器があることから結局3,000 psiに落ち着いた。スペインの油圧技術専門会社CESAが開発を助けている。同社は拘束フックの設計も支援している。
  • 比較するとKF-Xは大型で搭載機器も多く、レーダーの容量はT-50より増える。LIG Nex1の消費電力は50%以上増えている。
  • ヘッドアップディスプレイ(HUD)はBAEシステムズのライセンスを得てLIG Nex1が製造する。ただし設計には他のエイビオニクスとの整合性を配慮する必要がある。BAEはT-50でもHUDを提供したが内容はこれより低かった。
  • KAIはHeroux-Devtek、ハンファ両社に降着装置開発をさせることとした。作業の大部分は知見豊かな前者(カナダ企業)が行うだろうが、公式発表はまだない。
  • KF-XのエンジンはジェネラルエレクトリックF414だ。ハンファの推進器事業部ハンファテックウィンがパーツ製造とともに統合化作業と装着にあたる。ここでも海外メーカーが大きな役割を演じることは最初から認められている。■

★中国空母への日本の対抗策は潜水艦だ



潜水艦を抑止力ととらえ、中国にはせいぜい高価な兵器を整備させ作戦上使えなくさせれば旧ソ連のように防衛力が破綻するかもしれませんね。要は日本が中国の上を行く戦略をとればいいのです。相手は数の威力や大きければいいと考えているきらいがありますからね。そうなると潜水艦の整備も重要ですが、それを支援する体制中心に海自が組織されていくかもしれません。沈黙の部隊の隊員の皆さんには頭が上がりませんね。


Here Is How Japan Plans on Killing China's Aircraft Carriers

日本は中国空母をこうして攻撃する

November 5, 2017


  1. 中国が空母を複数運用する日が近づく中、近隣国や米国は対応策を準備しているはずだ。特に中国の伝統ライバルと言ってよい日本で顕著だ。ただ日本には経済効果が高く有効な手段がすでにある。潜水艦部隊だ。
  2. 中国が旧ウクライナ空母を改修し遼寧として就役させたのは2012年のことだ。だが同艦の戦闘能力は限定的で建造中の国産空母の練習用に使っている可能性が高い。国産一番艦は今春進水ずみで、人民解放軍海軍(PLAN)での供用は2020年になりそうだ。国防分野に造詣が深い編集者デイヴィッド・マジュンダーは同艦は遼寧と比較しても大きく変わった点はないと述べている。とくにスキージャンプ式発艦方式が継承されているのが大きい。だが国産二番艦では技術が大幅に進歩し、蒸気カタパルトや最終的に電磁式カタパルトの搭載も予想される。マジュンダーは中国人軍事アナリスト発言を引用し「002号艦は遼寧(001)は001Aと全く異なり、米海軍空母に似た艦容になる」という。
  3. 中国空母は最終的に6隻になると見られ、兵力投射能力が大幅に伸びる。日本含む各国も対抗を迫られる。北京は敵空母打撃群への攻撃手段を開発中で対艦弾道ミサイルのDF-21D「空母キラー」には制御可能再突入体(MARV)があり発射後に飛翔経路を変更し空母の移動分を補正できる。
  4. 理論上では日本も対艦弾道ミサイル(ASBM)の開発能力があり、中国空母に対抗できる。(米国の場合はINF条約により陸上版の配備はできない)だがこれは誤った方法になる。中国がASBM開発に進むのは国内国防産業にミサイル技術の蓄積があるためだ。対照的に日本に攻撃手段の技術蓄積が少ないのは平和憲法のためだ。
  5. 日本の技術水準は高くその気になればミサイルを容易に開発できるはずだ。宇宙打ち上げの実績とミサイル防衛装備でも経験の蓄積がある。とはいえ今からASBM開発に向かっても一定の開発期間が必要でかつ非常に高価になる。中国のDF-21D開発支出は不明だが一番近い比較対象が米パーシングIIミサイルだ。MARV対応の弾道ミサイルのパーシングは冷戦末期に登場し、中国のDF-21D開発の契機となった。INF条約でパーシングは全廃されたが、政府会計検査院(GAO)の算定では247発製造で26億ドルだった。2017年ドル換算では58億ドルに相当する。
  6. ただしこれはミサイル本体価格で空母のような移動目標を攻撃するには「システムのシステム」あるいはキルチェーンとよばれる支援装備が必要だ。ロバート・ファーレイが指摘しているがDF-21Dは「通信装備で各種高性能センサーを統合して情報を発射部隊に伝える」必要があり、言い換えればASBMにはリアルタイム情報がないと移動目標に対応できない。ハリー・カジアニスは「水平線越えレーダー、衛星追跡能力、無人航空機で洋上目標への誘導が必要」と指摘する。日本が中国と同じ方法を採用すればすべての費用が上積みされる。
  7. さらに中国の空母キラーの実力は不明だ。判明している範囲では中国は移動目標に対し一回も試射していない。システムのシステムを整備してもDF-21Dは敵対抗策に脆弱であり、米国は同ミサイルを徹底的に排除する構想だという。仮に対抗策が全部失敗しても空母打撃群には相当のミサイル防衛手段があり最後の手段として有効性を証明するだろう。
  8. そこで日本は中国を模倣するのではなく日本独自の優位性を最大限活用する戦略を模索すればよい。競争戦略構想は実業界で生まれ冷戦末期にペンタゴンが採択した、比較優位性を把握したうえで敵の弱点を探し出す考えだ。中国の接近阻止領域拒否が例で中国の地理条件を活用しながらアクセスを求める米国を狙っている。
  9. 日本にミサイル開発の知見はないが、潜水艦で優秀性を示している。そうりゅう級潜水艦は疑いなく世界最高水準のディーゼル電気推進艦で、ここまで高性能でない潜水艦でさえ空母に脅威となる。ロシアの低性能潜水艦に言及し米関係者は「小型潜水艦一隻が主力艦へ脅威を及ぼす」と述べている。潜水艦は第二次大戦中に空母8隻を沈めている。
  10. 潜水艦は費用対効果も優れる。高価といわれるそうりゅう級でも単価5億ドルほどに過ぎない。パーシングII弾道ミサイルの予算で日本は潜水艦11隻を整備できる。さらに中国の弱点は対潜戦(ASW)能力だ。近年は強化の動きもあるが中心は沿海部での探知能力向上にあてており洋上での能力は依然低い。このため日本が中国の将来の空母群に対応するには潜水艦が、もっとも費用対効果が高いといえよう。■
Zachary Keck (@ZacharyKeck) is a former managing editor of The National Interest.
Image: The Kokuryu submarine of the Japanese Maritime Self-Defense Force (JMSDF) bursts to the surface during a fleet review at Sagami Bay, off Yokosuka, south of Tokyo October 15, 2015. REUTERS/Thomas Peter​


中国の新型超高度飛行無人機により中国軍に有利な状況が生まれる


 まだ今回の成果はペイロードもほとんどない超小型機なのですが今後どのように技術が進展するかわからず、一方で中国が米い衛星群を狙い撃ちする体制に入ろうとしていることを想起すると自軍の情報インフラは守れると感じているようですね。


America Is No Match for China's New Space Drones

中国の半宇宙無人機に米国は追いつけるか


November 4, 2017

中国開発した高高度無人機で有利な軍事的状態が生まれそうだ。
  • 「半宇宙」の海抜12.5マイル上空で運航可能な新型無人機は防空体制の上を飛行し、レーダー探知も逃れたまま情報収集が可能。
  • 高高度運用は困難な課題だ。無人機には「死のゾーン」と呼ばれ揚力を得るのが困難で極低温で電子装置に過酷な環境。
  • 米軍RQ-4グローバルホークが最高高度を飛ぶがそれでも60千フィートにすぎない。中国無人機はこれを上回る82千フィート飛行に成功。
  • 内蒙古省の研究施設で無人機二機が気象観測風船につけられそれぞれ高度30千フィート、82千フィートへ上昇した。コウモリほどの大きさで重量はサッカーボール程度の無人機は電磁パルスのパチンコで時速60マイルで射出。
  • 各無人機は60マイル先の目標に向け自動的に飛行経路を調整しデータを地上局に送ってきた。機体が小さいため飛行中もレーダー追跡は困難。
  • 無人機にはセンサー類がつき、地形図作成デバイスや電磁信号探知機は地上部隊の正確な把握に使える。ただし無人機にはカメラはついておらずアンテナ不要のため空力学特性を犠牲にしない。
  • 主翼と胴体は一体化されており無尾翼形状のため空気の薄い大気圏上層部で浮力を稼げる。さらにエンジンがつかないモデルもありグライダーのように滑空。
  • 「研究目標はこのような無人機を100機単位で発進させることでミツバチのイメージだ」とYang Yanchu教授(中国科学院)が South China Morning Postに語っている。
  • 先進的な軍組織は衛星への依存をますます高めており、情報収集のみならず通信やミサイル誘導までは範囲は広がっているため戦時には最初に狙われる存在になる。防御は困難だ。このため宇宙に近い高度に機体があり情報収集やデータ中継ができれば衛星の代替手段となり価値は計り知れない。
  • だが宇宙空間に近い高度での運用能力はどの国にもなかった。一般の航空機はここまでの高度は飛べず、衛星には低すぎる。
  • 中国はこの分野で新技術を真剣に開発しており、中国科学院が宇宙近接空間科学実験事業として推進中。
  • 今年6月には中国は太陽光動力無人機を65千フィート上空で飛行させた。翼幅130フィートの大型機で彩虹Caihong-T4の目標は最低限の制御で数か月間滞空。
  • これに対しNASAが有する世界記録はヘリオス試作機で太陽光で97千フィートまで上昇。
  • だが試作機や現行の高高度無人機が数百万ドルかかるところを中国の最新高高度無人機の運航は数百元しかからない。
  • これだけ安価でもステルス高高度飛行無人機なら中国が今後宇宙に近い空間で一歩有利になりそうだ。■
Eugene K. Chow writes on foreign policy and military affairs. His work has been published in The Week, Huffington Post, and The Diplomat.
Image: U.S. Air Force

2017年11月5日日曜日

速報 リヤドへ弾道ミサイル攻撃、ペイトリオット迎撃成功



イエメン内戦にサウジアラビア等が介入している様子に日本で関心を持つ向きがどのくらいいるのかわかりませんが、状況はどんどんかわっているようです。弾道ミサイル戦争の様相を帯びてきました。CNNが以下伝えています。

 

Saudi Arabia intercepts ballistic missile over capital

サウジアラビア首都を狙った弾道ミサイル迎撃に成功


  • 11月4日、サウジアラビア首都空港を標的に弾道ミサイル一発がイエメンから発射された。フーシ勢力が支配するイエメン国防省が発表。
  • ミサイルはリヤド北東上空で迎撃されたとサウジ国防省が発表。
  • ミサイル発射は現地時間8:07 p.mで、ペイトリオットミサイル防衛システムが迎撃に成功しミサイルは無人地帯に落下したと連合軍は発表。負傷者は発生していないとのこと。
  • 発射されたのはイエメン開発の長距離ミサイルのブルカンBurqan2Hだという。
  • リヤドのキングハリッド国際空港では何の影響も受けていないと空港当局がツイッターで伝えている。
  • 同日にはイエメン首都サナアが夜間空爆を受けた。
  • イエメンではイランの支援を受けたフーシ反乱勢力が2015年に同国を占拠したためサウジアラビア主導の連合軍が介入している。.
  • サウジ首都のリヤドがミサイル攻撃の標的になったのは今回が初めてだ。
  • イエメン内戦はイランの代理戦争の色彩が強い。サウジ主導連合軍が支援する正当政府は政権の座を追われ現在はアデンに本拠を置く。
  • 国際連合人権高等弁務官事務所はイエメンの死傷者は合計13,829名でうち死亡は5,110名と集計している。
  • サナア空襲では8月に集合住宅二棟を破壊したがサウジ主導連合軍は「意図的ではない事故だ」としていたがその前にはホテルを倒壊させている。
  • フーシ勢力はイエメンを攻撃する国の首都を標的にすると弾道ミサイル投入を公言しており、今回のミサイル攻撃はイエメン一般市民を狙った攻撃の報復だとし、今後もサウジ都市を狙うとする。
By Tim Lister, Ammar Albadran, Hakim Al-Masmari, Sarah El Sirgany and Eric Levenson, CNN
Updated 2348 GMT (0748 HKT) November 4, 2017CNN's Bijan Hosseini contributed to this report.