2025年4月27日日曜日

F-35C 海軍統合打撃戦闘機がフーシ派のドローンを撃墜(The War Zone)―カール・ヴィンソンCSGが現地で展開を開始しました。また、実戦から教訓を得られるところも米軍の強みになってますね。


U.S. carrier-based F-35C Joint Strike Fighters have been shooting down Houthi drones in the course of recent operations over and around the Red Sea, in addition to striking targets in Yemen, according to a U.S. official.

DOD提供(X経由)

F-35Cはイエメンの標的を攻撃しており、フーシ派の防空脅威が注目される中、そのステルス性能が重要な役割を果たしている。一方、低価格のドローン標的を高価な装備で撃破することの経済的な矛盾と搭載兵装量の不足が現地で痛感され、次の作戦に向けフィードバックされている模様だ

海軍の空母搭載型F-35C ジョイント・ストライク・ファイターは、最近の紅海周辺での作戦でフーシ派のドローンを撃墜したほか、イエメンの標的を攻撃したと、米当局者が明らかにした。この情報は本誌が取り上げたように、イエメンの武装勢力の防空能力が脅威としてますます顕著になっている中、米国の中東地域における空軍作戦の進化で明らかになりました。

本誌は、ペンタゴンが以下の動画で、超大型空母USSカール・ヴィンソンに搭載されたF-35Cが右翼に実戦配備されたAIM-9Xサイドワインダーミサイルを搭載した様子を公開した後、F-35Cがフーシ派のドローンに対抗して使用される可能性を問い合わせた。

米当局者は本誌に対し、空母打撃群に配備されたF-35Cが、超大型空母カール・ヴィンソンが中東海域に到着した今月初めから、フーシ派のドローンを撃墜していると述べた。カール・ヴィンソンに搭載されている航空団には、打撃戦闘機飛行隊97(VFA-97)「ウォーハークス」のF-35C部隊が含まれる。2隻目の空母、USS ハリー・S・トルーマンも同地域で活動中だが、その航空団にはF-35Cは含まれていない。

2025年4月、USS カール・ヴィンソン艦上でAIM-9Xミサイルを装備したF-35C。USN/3等兵 Nathan Jordan

昨年、紅海周辺に展開していたUSSエイブラハム・リンカンに配備されていた海兵隊のF-35Cがドローンを撃墜したかどうかは不明であり、本誌は追加情報を求めて再連絡を取っている。当時公表された画像には、海兵隊戦闘攻撃飛行隊314(VMFA-314)「ブラック・ナイト」所属のF-35Cが、AIM-9X用の翼下発射レールを装着した状態で戦闘任務を遂行している様子が確認されていたが、ミサイルは搭載されていなかった。決定的な証拠ではないが、これは海兵隊が対空任務に参加した可能性を示す手がかりとなるかもしれない。

VMFA-314のF-35CがAIM-9X用の翼下パイロンを装着しているが、ミサイルは搭載されていない状態で、2024年5月にUSSエイブラハム・リンカン艦上で確認された。USN

F-35Cは、他のすべてのジョイント・ストライク・ファイター変種と同様、内部兵装庫にAIM-120 Advanced Medium-Range Air-to-Air Missiles(AMRAAM)および各種空対地弾薬を搭載可能だ。F-35CとF-35Bは、単一の4連装25mmガトリング式GAU-22/A機関砲を搭載したガンポッドを装備でき、空中目標および地上目標に使用可能だ。F-35AはGAU-22/Aを内蔵するが、この構成は長年重大な問題を抱えたままだ。

米国当局者はまた、空母搭載型F-35Cがイエメンのフーシ派目標に対する攻撃に参加していることを再確認した。

F-35Cがフーシ派のドローンを撃墜したことが、米国製ジョイント・ストライク・ファイター(JSF)のどの機種においても初の空中戦勝利に該当するかどうかは不明。イスラエルのF-35Iは、既に数年前にドローンを撃墜しており、巡航ミサイルも撃墜している。

海軍所属の空母搭載型F/A-18E/F スーパーホーネットEA-18G グロウラー 空軍のF-16Cヴァイパーは、陸上基地から出撃し、フーシ派に対する継続的な作戦においてドローンや巡航ミサイルを撃墜している。海軍の戦闘機は対空任務を遂行するよう命じられることがある。

米F-35Cが紅海で戦闘任務に定期的に投入されている事実は、同機にとって重要なマイルストーンとなる。F-35CはJSFのうち、2019年と最後に初期作戦能力を達成した機種で2021年に初めて海軍の空母に配備された

また、F-35CおよびA型で、内部に6発のAIM-120ミサイルを搭載できるようにする「Sidekick」と呼ばれる搭載作業が進行中である点も注目すべきだ。残念ながら、このシステムはF-35B型機の内部ベイには対応しない。コクピット後部の大型リフトファンによりベイが小型化されているためだ。これは、短距離離陸・垂直着陸能力を有するジェット機特有の事情だ。

過去には、すべてのバージョンのジョイントストライクファイターで翼下パイロンにAIM-120を追加搭載する計画が策定されていたが、現在それが運用上のオプションとして採用されているかは不明だ。翼下に装備を搭載したF-35は、ジェットの低可視性(ステルス性)の一部を犠牲にする。

F-35Cが翼下パイロン(機内搭載型を含む)にAIM-9Xを搭載した状態でテスト中に撮影された写真。Lockheed Martin

フーシ派への継続的な作戦、および昨年発生したイランの大規模ミサイルとドローン攻撃に対するイスラエルの防衛作戦への米軍の参加は、追加の弾薬容量の重要性を浮き彫りにした。少なくとも1機の空軍F-15Eストライクイーグルは、2024年4月のイランからのミサイルとドローンの集中攻撃に対応中にミサイルを打ち尽くし、銃火器に切り替えたものの、何も撃墜できなかった。

昨年から、米空軍F-16Cヴァイパーは、紅海周辺での任務で、70mmレーザー誘導型高度精密殺傷兵器システムII(APKWS II)ロケットを使用してドローンを撃墜する運用を実施している。この情報は、本誌が最初に報じたものだ。また、同地域でヴァイパーがパイロンに2基の7発装填70mmロケットポッドを搭載した状態で飛行する姿も確認された。これにより、単一出撃における機体の総交戦機会が3倍以上増加する。

2025年2月11日、中東某所で空対空装備を搭載した米空軍F-16の2機が飛行した。後方のヴァイパーは右翼下に2基の7発装填70mmロケットポッドを装備している。USAF

このうちAPKWS IIロケットは、構成により単価が数万ドル台と低コストとなり、ドローンや巡航ミサイルなど動的でない目標への攻撃に有効な低コストオプションとなっている。現行世代のAIM-9XとAIM-120の単価はそれぞれ約45万ドルと$100万ドル。APKWS IIは現在、F-35のいずれのバリエーションにも使用が承認されておらず、外部翼下パイロンからの搭載も不可だ。海軍がスーパーホーネットへの統合を検討しているかどうかは不明。

APKWS IIの新型デュアルモードバージョン(追加の赤外線シーカーを搭載)が現在開発中で、特に空対空任務における能力をさらに拡大する見込みだ。ドローンの脅威を背景に、米軍全体で低コストの対空弾薬の需要が拡大してきた。

F-35Cがフーシ派のドローンを撃墜した件は、ドナルド・トランプ政権が先月開始したイエメン武装勢力に対する空爆キャンペーンの拡大に伴い報じられた。このキャンペーンは、イエメンの武装勢力が保有する防空能力がもたらす現実的な脅威を浮き彫りにしている。米国は現在までにフーシ派により少なくとも18機のMQ-9リーパーを失ったとされ、さらに多くの機体が失われた可能性があり、そのうち7機は3月初め以降に撃墜された。

フーシ派の防空システムは「米国の作戦の『第2段階』への移行を妨げている」と、CNNの報道で、匿名の上級米当局者が述べている。「米当局者は、イエメン上空での制空権を30日以内に確立し、フーシ派の防空システムを弱体化させて、上級指導部の標的化と殺害を目的とした新たな段階に移行するため、情報収集、偵察、監視を強化する計画だった」と当局者は述べた。

イエメンの標的に対するスタンドオフ弾薬の使用増加や、F-35やB-2爆撃機のようなステルス機の使用は、フーシ派の防空能力が広く認識されているよりも大きな課題となっていることを示している。米軍中央軍司令部(CENTCOM)が月曜日に公開した動画は、米海軍のEA-18G グラウラーが珍しく4発のAGM-88対レーダーミサイルを装備している様子を示し、イエメン武装勢力の対空資産を抑制・破壊する継続的な努力を浮き彫りにしていた。

F-35Cは、海軍の現行空母航空団の中でも独自の生存能力を有するため、現在の作戦において特に価値を発揮しそうだ。海軍のJSTは、通常はスタンドオフ弾薬の使用を要する地域での直接攻撃に活用できる可能性がある。一方で、防衛が強化された地域にF-35を派遣することは、特に機体が何らかの理由で墜落した場合、異なるリスクを伴う可能性がある。そのシナリオでパイロット救出を目的とした戦闘捜索救助任務を実施するには、激しい環境に多大な資源を投入する必要がある。

いずれにせよ、米当局は、CNNとFox Newsによると、フーシ派に対する作戦は、同グループのドローンやミサイル攻撃能力を大幅に低下させることに成功しており、紅海周辺を航行する商業船や軍艦に対する攻撃も含まれると主張している。

「イランが支援するフーシ派テロリストに対する作戦開始以来、USCENTCOMは800箇所を超える目標を攻撃しました。これらの攻撃により、指揮統制施設、対空防衛システム、高度な武器製造施設、高度な武器貯蔵施設が破壊され、数百人のフーシ戦闘員と多数のフーシ指導者が殺害されました」と、同司令部の報道官デイブ・イーストバーンはFox Newsに述べた。「信頼できる公開情報によると、現在までにフーシの死者数は650人を超えています。さらに、フーシ派の弾道ミサイル発射は87%減少し、一方、彼らの片道ドローンによる攻撃は作戦開始以来65%減少しています」。

一方、ジョセフ・クンケル空軍少将Maj. Gen. Joseph Kunkel は、昨日開催された空軍・宇宙軍協会(AFA)主催のオンライン講演で、同部隊はフーシ派に対する空爆作戦から重要な教訓を得ていると述べた。クンケル少将は現在、国防総省の空軍未来担当副参謀長室内で、部隊設計、統合、戦争ゲームを担当するディレクターを務めている。

 「現在のイエメンでの戦闘は、空爆作戦です」とクンケル少将は強調した。「その空爆作戦で遮断任務、対空任務、対IADS任務の能力を組み合わせる方法について、別の視点で考える必要があります」。

ここで言及されるIADSとは、国家武装勢力と関連付けられることが通常の統合防空システムを指し、フーシのような非国家主体とは異なる。

海軍はまた、フーシ派に対する作戦から、特に海上作戦に関する重要な教訓を学んだと明確にしています。これは、本誌が1年以上前に予測していた通りだ。現在の作戦で浮き彫りになった問題、特に弾薬搭載量や対空防衛脅威に関する問題は、中国のような互角戦力を有する敵対国との将来の高強度戦闘でさらに顕著になるだろう

少なくとも、現在の対フーシ派作戦において、空母搭載型F-35Cの役割が、ドローン撃墜に加え、地上資産を標的とする任務に拡大されたことが明らかになったといえる。■


F-35C Naval Joint Strike Fighters Have Been Shooting Down Houthi Drones

F-35Cs are also striking targets in Yemen, with their stealth being of unique importance as the Houthi air defense threat comes into the spotlight.

Joseph Trevithick

Published Apr 25, 2025 2:23 PM EDT


https://www.twz.com/air/f-35c-naval-joint-strike-fighters-have-been-shooting-down-houthi-drones


ジェネラル・アトミクスがドローン攻撃用に空対空レーザーを開発中(Naval News)

 General Atomics Confirms Drone-Killing Air-to-Air Laser is in Development

米軍のMQ-9用に開発中のジェネラル・アトミクスの空対空レーザーのクローズアップ画像。 写真提供:筆者 // 転載禁止


ェネラル・アトミクスは、米軍のMQ-9ドローン用に開発中の新しい空中レーザープログラムの存在を確認した。

 今月初めにSea Air Space 2025で新しい空中レーザーのプロトタイプを本誌が初めて見た後、ジェネラル・アトミクスは現在米空軍と米海兵隊に配備されているMQ-9艦隊に空中レーザー兵器を提供する国防総省との共同プログラムの存在を確認した。

 本誌は、この件に詳しい同社の広報担当から確認を得た。同スポークスマンは、MQ-9ファミリーに新たな空対空レーザー兵器を追加しようとしているプログラムの存在を確認したそれは、対無人航空機手段(C-UAS)として空中レーザーを提供する共同プログラムの一部である。

 「当社は、共同プログラムで空中レーザーを開発中です。その開発は、大気等の環境条件、およびターゲットがMQ-9より動きが遅いために、MQ-9機上の空中レーザーポッドが理想的な[対UAS]ソリューションになる事実に触発されました」(同社広報)。


MQ-9B Shown with Airborne Laser at Sea Air Space 2025

ドローン撃墜に使用される空中レーザーを搭載したMQ-9B。ジェネラル・アトミクスのイメージ


 ジェネラル・アトミクスによると、将来のレーザーポッドのコアコンポーネントは、すでに空中プラットフォームでテスト中だ。飛行レーザーによる完全なテストは完了していないが、すべてのコンポーネントは地上でテストされている。ジェネラル・アトミクスは、空中テストの開始時期について言及していない。

 広報担当者はまた、レーザーの出力レベルが25キロワットであることを認めた。レーザー開発で使用されたオーバーヘッド技術は300キロワット(kW)まで拡張可能だが、MQ-9のサイズの制約により、小出力に制限されている。両翼に搭載されたバッテリーパックは、レーザーに長時間電力を供給でき、搭載された電力とレーザー自体の間のバッファとして機能する。


「予想される出力レベルは25kWクラスのレーザーです。基本的なレーザー技術は300kWクラスまで拡張可能ですが、MQ-9の場合はペイロード容量に制限があります。バッテリーパックは航空機のパワーとレーザーの間のバッファとして使用される。別のポッドに追加のバッテリーパックを搭載すれば、レーザーの稼働時間を延長できます」(同社広報)。

 ジェネラルアトミックスによると、MQ-9は空中レーザーポッドを装備することで、24時間365日の情報、監視、偵察(ISR)を提供すると同時に、ターゲットにC-UASミッションを実行することができる。   同社は、Sea Air Space 2025の同社ブースで、このようなミッションセットの例を第一列島線で展開できると強調した。



General Atomics Confirms Drone-Killing Air-to-Air Laser is in Development

Sea Air Space 2025でのGeneral Atomicsのブースで、第1列島線でのMQ-9の運用を描いたグラフィック。 写真提供:筆者


General Atomics Confirms Drone-Killing Air-to-Air Laser is in Development

  • Published on 25/04/2025

  • By Carter Johnston

https://www.navalnews.com/naval-news/2025/04/general-atomics-confirms-drone-killing-air-to-air-laser-is-in-development/



カーター・ジョンストン

カーター・ジョンストンはジョージ・ワシントン大学エリオット国際大学院の2028年度新入生。 拠点はワシントンD.C.とイリノイ州シカゴ。 米国内の造船所インフラ、米海軍と海兵隊の進行中の近代化努力、国内外での成功につながる政治などに関心を持つ。



2025年4月26日土曜日

「F-35D」:ロッキード・マーティンが夢見るスーパーチャージF-35戦闘機(19fortyfive) ―F-47/GCAPが途中で挫折した場合に代替機として需要が生まれると言うのが同社の計算ですが、商魂たくましいですね

 F-35 Fighter

2022年8月20日、オレゴン州マクミンビルで開催されたオレゴン・インターナショナル・エアショーでのデモンストレーションで飛行するF-35AライトニングIIデモチーム隊長のクリスティン・"BEO"・ウルフ米空軍大尉。 F-35デモ・チームは、最先端の第5世代戦闘機を紹介するため、米国内および世界中を飛び回っている。. (U.S. Air National Guard photo by Master Sgt. John Winn)


ボーイングが2025年3月にF-47次世代航空優勢(NGAD)契約を獲得した後、ロッキード・マーティンはアップグレード版の「F-35D」を提案した


  • 「第5世代プラス」戦闘機と呼ばれる同機は、ロッキードのNGAD入札で提案した技術を既存のF-35機体に統合することをめざし、F-47の能力の80%を50%のコストで実現することが目標だ

  • 主に内部のアップグレードだが、空対空性能の強化や新システムの追加が行われる可能性がある

  • F-35Dは、F-47が問題に直面した場合の代替策として、あるいはGCAPの代替案として機能する可能性があるが、その市場受容性はまだ不透明だ


F-35Dが登場するかもしれない

防衛大手のロッキード・マーティンは、F-35ライトニングII戦闘機の新型を提案している。この名称未定の戦闘機は、すでに成功を収めているF-35プラットフォームと、次期F-47戦闘機の能力の一部を組み合わせたものである。

 この "新型 "戦闘機が、米空軍を含む既存の空軍にどうフィットするかは、まだわからない。


ロッキード・マーティン、"スーパーチャージF-35 "を提案

2025年3月、アメリカ空軍は防衛請負会社のボーイングが次世代航空優勢戦闘機契約を獲得したと発表した。 ボーイングは、ロッキード・マーティンとノースロップ・グラマンを抑え、F-47と名付けられた新型戦闘機の開発・製造を受注した。 F-47はボーイングにとって数十年ぶりの新型戦闘機となる。競争相手のロッキード・マーティンは、プログラム要件を満たしていないという理由で空軍から三つ巴の競争から脱落したが、その決定には異議を唱えないとしている。

 その代わりにロッキード・マーティンは、F-35の将来バージョンとNGADのために設計された技術を既存機体に組み込んだ「第5世代プラス」バージョンを開発すると発表した。ブレイキング・ディフェンスによると、ロッキードのジム・タイクレット最高経営責任者(CEO)は四半期決算説明会で報道陣に対し、「当社は(F-35の)シャシーをフェラーリに変える。「いわばNASCARのアップグレードのようなもので、F-35にNGADとF-35プログラムの両方から技術一部を適用する」。

 タイクレットによれば、目標はF-47の80%の能力を50%の価格となるF-35のバージョンを開発することだという。ロッキード・マーティンは、NGADの試作機をテスト飛行させたが、失格になった。

 同CEOは、「素材」「形状」「ステルス対策」「新しい武器と追跡システム」に触れた。さらに同CEOは、同社エンジニアたちがF-35のステロイド機というビジョンを実現可能だと確信しているとも語った。

 F-35は進化するプログラムであり、すでに数十年にわたるアップグレードが世界中の戦闘機隊に計画されている。最新のアップグレードであるブロック4は、コンピューター・ハードウェアとソフトウェアのアップグレードであるテック・リフレッシュ3と組み合わされる。世界中の空軍に導入されるブロック4には、F-35の電子戦システムのアップデート、センサーのアップグレード、より多くの新兵器の搭載、高度なネットワーク機能、未知の機密機能など、3つのバージョンすべてに対して「75以上の主要アップグレード」が含まれる。ロッキード・マーティンのNGADプロトタイプが飛行を開始する前から、ブロック4に設定された機能は数年前から導入されており、ブロック4にはない新技術がNGADに採用された可能性も残されている。


F-35Dの特徴

この "新型 "機(暫定的にF-35Dと呼ぶことにする)は、おそらく90%が内部の変更となる。 F-35のステルス性は、その形状によるところが大きい。 タイクレット自身は、F-35のシャーシを "フェラーリに変える "と述べたとき、外見上のデザインにほとんど変更がないことを示唆した。 些細な変更であっても、航空機のレーダーシグネチャーに大きな影響を与える可能性がある。

 言い換えれば、ほとんどすべての新技術は、航空機の内部に収める必要がある。 F-35はすでに多くの新技術が詰め込まれているため、ほとんどの新技術は既存の装備を置き換えることになる。 ほとんどの場合、それは既存の能力を向上させるものだろう。 新しいレーザー兵器は、-A型の胴体に内蔵され、-Bおよび-C型では外部ポッドに搭載される25mm GAU-22/Aガトリング砲システムに取って代わるかもしれない。ガトリング砲を他のものに置き換えることで、新たな機能を搭載するスペースを確保するために、既存の機能をダウングレードまたは廃止することを意味するかもしれない。

 これらすべては、F-35Dが米空軍や他の同盟空軍の戦闘機計画にどのように適合するのかという疑問につながる。ブロック4の後、世界中のF-35フリートは最終的にブロック5を導入し、さらに戦闘機をアップデートし、おそらくブロック6も導入することになるだろう。

一部はF-35、一部はNGAD

 このバリエーションには、NGAD技術を導入する機会が多く含まれ、F-35はそれ自体で「第5世代プラス」の戦闘機へ成熟する。このことは、F-35Dが、空対空と空対地の両方の任務をこなす現在の基準より空対空を重視した、異なるコースを描くことを示唆している。 F-35Dの一例としては、-C型をベースに、射程距離を伸ばし、ポッド式燃料タンクで燃料容量を増やし、ポッド式銃に置き換えたものが考えられる。

 F-35Dは、新型戦闘機が遅延やコスト超過に見舞われた場合、F-47の代替機として提供される可能性のあるスポイラー機として位置づけられているようだ。もしそうなら、ロッキード・マーティンがF-35Dの製造に乗り出すかもしれない。 ボーイングは、半世紀前のF-15にF-35と同等の多くの最新センサー、エイビオニクス、兵器を搭載した新バージョンであるF-15EXイーグルIIで同じアプローチをとった。F-15EXが導入されたのは、F-35プログラムの混乱が長引いた時期だった。

 F-15EXは実績のある"新しい"航空機として直接的な代替にはならなかったものの、好意的な注目を集めた。空軍は98機から144機のF-15EXを購入する予定だが、この決定は防衛ウォッチャーを驚かせ、F-35調達に水を差したのは間違いない。イギリス、イタリア、日本のグローバル戦闘航空計画、略してGCAPが航空機を生産できなかった場合、F-35Dは3カ国すべてにとって代替となる可能性がある。


このステルス戦闘機は飛ぶのか?

 海軍と空軍がそれぞれNGAD計画に集中している以上、F-35Dが受注を積み上げる保証はない。輸出に関しては、トランプ政権が同盟国をバッシングし、安定したパートナーとしてのアメリカの評判を落としているため、メイド・イン・USAブランドは海外で深刻な打撃を受けている。

 しかし、ロッキード・マーティンがリスクを取るデメリットはほとんどないように思われる。特に少なくとも2050年代まではアメリカの新しい戦闘機が登場する可能性は低いからだ。

 F-35Dの出番は今はなくても、5年後にはあるかもしれない。■


F-35D: Lockheed Martin’s Dream for a Supercharged F-35 Fighter

By

Kyle Mizokami

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著者について カイル 溝上

19FortyFiveの寄稿編集者であるカイル・ミゾカミは、サンフランシスコを拠点とする防衛・国家安全保障ライターである。 Popular Mechanics』『Esquire』『The National Interest』『Car and Driver』『Men's Health』などに寄稿。 ブログ「Japan Security Watch」「Asia Security Watch」「War Is Boring」の創設者兼編集者。

防衛, F-35, F-35D, F-47, 特集, 軍事, NGAD


教皇葬儀に参集する各国首脳を護衛する航空防衛体制でイタリアは厳戒態勢中(The Aviationist)


Pope's funeral security plan

教皇フランシスコの葬儀が行われるサンピエトロ広場。(画像提供:イタリア警察) インセット:イタリア空軍のF-35 ライトニング II(上)とF-2000 タイフーン(下)。(画像提供:イタリア空軍)  


皇フランシスコの葬儀を主催するにあたり、イタリアは参加者の安全を確保するべく、大規模なセキュリティ計画を起動中だ。

 2025年4月26日、ローマは厳重な警備下にある。バチカンでフランシスコ教皇の葬儀が執り行われるためだ。この機会に、約50人の国家元首と10人の君主を含む160の国際代表団がローマに到着し、20万人を超える人々がイベントに参加する。  


 イタリアの警察当局と軍は、ローマ上空に飛行禁止区域を設定し、屋上に狙撃手、地上に4,000人の警官、対UASチーム、沿岸に防空ミサイル駆逐艦を配備するなど、イベントの安全確保に当たっている。ここまでの大規模な作戦はイタリア民事保護省と緊密に連携して実施されており、国家安全保障部隊がすべて動員されている。イタリア警察、カラビニエリ、財務警察(グアルディア・ディ・フィナンツァ)、陸軍、海軍、空軍が協力し、首都上空に保護的なセキュリティ「ドーム」を構築している。


空中監視セキュリティ計画

フランシスコ教皇の葬儀期間中、ローマ周辺で実施される空域制限は、4月25日12:00 UTCから4月26日20:00 UTC(推定)まで有効とし、多層防御システムの一部となる。このセキュリティシステムの第一段階は、ローマ市中心部を基準点とする半径75海里の防空識別区域(ADIZ)の設置だ。このゾーンは主要なフィルターとして機能し、当局が接近する航空機を監視・識別する。

 この広範な周辺区域内では、ローマ上空を半径35海里の円形区域に設定し、VFR(視界飛行規則)航空機およびドローンの飛行が禁止される。最も厳格な制限は、ローマ上空に半径6.5海里の飛行禁止区域で制限を執行するための巡回航空機用に専用区域も設定されている。

 これらの措置は、G7首脳会議のような高レベルのイベントで実施される厳格な航空保安措置と類似している。リアルタイムの空域監視を実施するため、イタリア空軍は潜在的な脅威に迅速に対応可能な高度な航空資産を配備している。


教皇フランシスコの葬儀に伴うローマ上空の空域制限措置。(画像提供:Desk Aeronautico


ローマ上空の空域保安を確保する戦闘機

式典中の潜在的な航空脅威に迅速に対応するため、イタリア空軍の戦闘機は、NOTAM(航空機操縦者向け通知)で設定された専用空域内で、首都近郊で戦闘空中哨戒(CAP)任務を実施する。投入される航空資産は、既に活動中の日常的な迅速反応警戒部隊を強化し、空域侵犯が発生した場合、数分以内に応答可能だ。

 この任務に割り当てられた機体は、イタリア空軍の最先端プラットフォームであるユーロファイター F-2000 タイフーンと F-35A ライトニング II だ。各機は、全国に展開する主要な作戦基地から展開される。このうち最も関与する可能性の高い基地はアメンドラ、ジョイア・デル・コレ、グロッセトで、プラティカ・ディ・マーレが前線基地または代替基地として関与する可能性がある。迎撃はCAP任務中の航空機が行うが、必要に応じて他の航空機が緊急発進する準備が整っている。

 作戦に参加する戦闘機はすべて、短距離・中距離の空対空ミサイルを含む実弾を装備している。この配置により、パイロットは潜在的な脅威に効果的に対応できる。さらに、大規模な群衆と多数の要人が集まる高度に敏感な国際イベントにおいて、武装した戦闘機の存在は、潜在的な敵対的または不正な行動に対する有効で具体的な抑止力となる。


イタリア空軍の主力機F-35とF-2000。(画像提供:イタリア空軍)

低速機への迎撃任務

上記の戦闘機資産は、軽飛行機やヘリコプターなどの低速機に非常に有効だが、イタリア空軍はローマ周辺の制限空域に侵入を試みる「低速機」脅威に対抗するため、第二の防御層として専用設計のシステムを配備する。イタリア空軍のCSAR(戦闘捜索救難)中隊は、プラティカ・ディ・マーレにHH-139ヘリコプターを配備し、作戦を支援する。

 同ヘリコプターは「低速機迎撃」任務に割り当てられ、指定されたセキュリティ・ペリメーター内での低速航空機の監視と迎撃を実施する。同ヘリコプターは、無線で連絡が取れない場合でも、迎撃した航空機と非言語的な連絡を確立するための視覚通信パネルを装備している。


HH-139Aが低速機迎撃訓練飛行を実施中。(画像提供:ステファノ・ドルソ)

 状況がさらに悪化した場合、HH-139は「低速機迎撃オペレーター」と呼ばれる専門要員を乗せ、空中戦闘能力を発揮でき、オペレーターは、低速脅威を無力化する精密兵器の使用で特別訓練を受けている。

 飛行中の航空機を低速でも移動するプラットフォームからスナイパーライフルで狙うことは容易な任務ではないが、オペレーターは航空機のエンジンなど指定された目標を撃破し、緊急着陸を強制する訓練を受けている。目標は脅威を安全に無力化し、地上人員のリスクを最小限に抑えることだ。


訓練で武器を構えるSlow Mover Interceptor Operator。(画像提供:イタリア空軍)


監視網

プラティカ・ディ・マーレ空軍基地の第71飛行隊に所属するG-550 CAEW(コンフォーマル・エアボーン・アーリー・ウォーニング)は、監視能力を活用して空域を厳重に監視する。必要に応じて、CRC(管制報告センター)と連携し、CAEWは「ゾンビ」(戦闘機用語で迎撃対象の呼称)や首都に向かう確認済みの脅威に対する迎撃作戦において、戦闘機を誘導する。

 リアルタイムの状況を把握し、地上部隊の動向を拡大監視するため、イタリア空軍はMQ-9AプレデターB(イタリア空軍は「リーパー」の名称を採用していない)遠隔操縦航空機(RPA)を配備している。NOTAM(航空機操縦者向け通知)で公表された飛行経路に従い、プレデターは第28飛行隊が駐留するアメンドラ基地で運用され、イベントを厳重に監視するセキュリティ体制を支援するため、リアルタイムの情報を収集する。


プラティカ・ディ・マーレ空軍基地に着陸するG-550 CAEW。(画像提供:デビッド・チェンチオッティ)


 イタリア空軍に加え、警察、国家憲兵隊カラビニエリ、税関所属のヘリコプターが群衆の状況を一貫して監視し、最高レベルのセキュリティを確保する。教皇の死去以来、参列者が安全にサンピエトロ大聖堂に到着できるよう、地域のすべての動きをヘリコプターが監視してきた。

 高度センサーを搭載したヘリコプターは、緊急時において地上要員への誘導支援を行う能力を有している。また、GIS(イタリア・カラビニエリの特殊部隊)やNOCS(イタリア警察の特殊部隊)などの特殊部隊要員を、地上での潜在的脅威への対応のため、目標地点へ輸送する任務も担う。

カラビニエリのUH-139Dが監視任務中にコロッセオ上空を飛行する。(画像提供:カラビニエリ)

 4,000人を超える警察官と2,500人の市民保護ボランティアが、イベントに参加する人々を監視し支援する。サン・ピエトロ大聖堂への流を管理し、危険な状況を回避するため、特別なルートが用意されている。

 さらに、イタリア海軍は監視とミサイル防衛任務にカオ・デュイリオ級ミサイル駆逐艦を配備している。Nave Duilioカイオ・デュイリオ級ミサイル駆逐艦。(画像提供:イタリア海軍)


次世代の脅威 – 対無人航空システム(C-UAS)作戦

 小型無人航空システム(UAS)など、新興の脅威に対抗する保護任務は、イタリア空軍の専門部隊である第16航空団「フチリエリ・デッラ・リア」とイタリア陸軍に割り当てられている。オペレーターは、レーダー探知システム、電光センサー、電子妨害装置を駆使し、ドローンの飛行を阻止するC-UAS(対無人航空システム)任務を遂行する専門資格を有している。

 これらの高度資産は、ローマとバチカン市内に戦略的に展開され、敏感な地域における最高レベルのセキュリティを確保している。ドローンの脅威は、その小型化により探知を回避する能力が生まれていることから、大規模な混乱で中心的要因となっている。例えば、近年、ヒースロー空港で小型ドローンが数時間にわたり航空交通を遮断する事件が発生した。

 技術的には「携帯型電磁妨害システム」と呼ばれるこれらの装置は、ドローンの制御に用いられる同じ周波数帯で高強度電磁パルスを放射し、パイロットの制御装置との接続を断ち切る。これにより、ドローンは緊急モードを起動し、出発地点に戻すか、現在の位置に着陸させることで安全に無力化される。


フランシスコ教皇の葬儀に各国首脳が到着

ローマの空は、世界的な航空交通の異例の集中を目撃している。ほぼ

すべての大陸を代表する国家・外交機が連続して到着し、世界各国の首脳、君主、要人が最後の別れを告げるために集まっている。

 これらの高官の到着に伴う例外的な規模とセキュリティ要件に対応するため、イタリア当局はローマ・チャンプイノ空港、ローマ・フィウミチーノ空港、プラティカ・ディ・マーレ空軍基地を国家代表団の公式到着ポイントに指定した。これらの施設は、このような大規模な高官の到着に伴う複雑な物流作業に対応できるよう特別に整備されている。

 現在、該当する航空機約64機がフライト追跡サイトで確認されており、ローマへ向かっている。式典には合計160の代表団が参加する見込みで、国際的な参加の規模を反映している。■


Everything You Need to Know About the Air Defenses Protecting World Leaders at the Pope’s Funeral

Published on: April 26, 2025 at 1:22 AM

 Elia Silvestris

 Stefano D'Urso

https://theaviationist.com/2025/04/26/popes-funeral-security-plan/



2025年4月25日金曜日

貿易と関税をめぐる2025年の米中戦争が始まる可能性(19fortyfive)

 


Gemini



中国が貿易でアメリカに不満を募らせ、戦争を始める可能性はあるのか? - アメリカへの経済的フラストレーションが、最終的に中国を戦争に追い込む可能性はあるのだろうか?


米のアナリストにとって、この考えはまだあまりに空想的で、まじめに考えるには、現実離れしているか、中国の戦略的忍耐力とあまりにかけ離れているように聞こえる。しかし、近年私たちが学んだことがあるとすれば、世界はもはや円滑で平和的なグローバリゼーションの法則には従わないということだ。 歴史が戻ってきた。そして、今日の状況は1941年当時と大きく異なるが、貿易や技術規制の激化に呼応して北京がいつか暴挙に出るかもしれないと考えることは、決して「クレイジー」なことではない。実際、その可能性について真剣に考えない方がどうかしている。

2025年の米中戦争はどのように始まるか1930年代後半の大日本帝国と今日の中華人民共和国の間に不気味に響くものがある。アメリカの経済制裁、1941年の石油禁輸措置に直面して日本が感じた経済的包囲網は、単に日本経済への挑戦というだけでなく、大国を目指す日本の国家存続を脅かした。アメリカが日本の重要な戦略物資へのアクセスを断ち切ったことが最後の一撃であり、東京はこれを遅滞としてではなく、帝国の野望に対する死刑宣告として解釈した。

 その結果が真珠湾攻撃だった。

 もちろん、今日の北京は1941年の東京ではない。 より裕福で、グローバル市場に統合され、はるかに大きな国内経済を指揮している。しかし、自暴自棄の戦略的論理は、近代になって廃れたわけではない。バイデン政権とトランプ政権は、それぞれのやり方で、貿易制限、輸出規制、技術禁止を通じて中国への圧力を着実に強めてきた。国家安全保障と「リスク回避」の名の下に、西側諸国は中国がかつて急成長を支えたハイエンドの半導体、ツール、金融の流れへのアクセスを徐々に狭めている。明確な出口はない。エスカレーション、デカップリング、対立の論理が、両党の米国政策を牽引し続けている。

 では、中国の指導者がアメリカの経済戦争を実存的なものと解釈し始めたらどうなるのか。

 これは、戦争が避けられない、あるいは近いうちに起こりうるということを言いたいのではなく、われわれはもはや、絶対的な経済的相互依存と合理的選択の中庸の世界にはいないということを言いたいのだ。中国共産党は、核兵器を持つ技術主義的なコンサルタント会社ではない。 歴史的不満、民族主義的野心、国内の不安定化への深い恐怖を抱えたレーニン主義政権なのだ。真珠湾攻撃以前の日本のように、中国は自国に大国の地位があると信じている。欧米に屈辱を受けた中国は、ようやくアジアのヒエラルキーの頂点に返り咲こうとしているのだ。そして、米国の経済行動を孤立した政策決定としてではなく、その復帰を封じ込め、遅らせ、場合によっては機能不全に陥れようとする協調的な努力の一環と見なしている。

 聞き覚えがないだろうか?

 習近平は、この戦略的アナロジーが成り立つために、文字通りの封鎖を想像する必要はない。スローモーションな技術的な締め付けは、同じように効果的で、同じように挑発的であることが証明されるかもしれない。ワシントンのファーウェイ戦争、先進的なAI・チップ企業のブラックリスト入り、リソグラフィ・ツールの輸出規制強化は、直ちに中国経済を崩壊させることはできないかもしれないが、中国の長期的な地政学的ビジョンの核心を突いている。中国は、まずコンピューティング、AI、航空宇宙で追いつくことなしに、米軍と肩を並べることはできないとわかっている。アメリカもそれを知っている。それこそが、ハイテク戦争がこれほど積極的に行われている理由なのだ。

 つまり、アメリカはすでに経済戦線を開いているのだ。中国が運動的な戦線で応戦すると決めたらどうなるのか?


 現実主義者の答えは明快だ。国家が不作為のコストを戦争のリスクよりも大きいと認識した場合、彼らはしばしば戦争を選択する。これは特に、対立する連合に囲い込まれた修正主義的な大国にとって真実で、遅延は自分たちの立場を悪化させるだけだと恐れる。中国の指導者たちは、公の場では忍耐強く自信に満ちているように聞こえるかもしれないが、舞台裏で不安が高まっている兆候がある。若者の失業率は急上昇している。 不動産市場は崩壊しつつある。 民間投資は逃げている。 国家はイデオロギー統制を強化している。中国には "Roaring Twenties "に相当するものはない。あるのは停滞であり、台湾や地域の覇権といった戦略的目標を達成するための窓が閉ざされつつあるのではないかという不安が高まっている。

 米国は、制裁、技術禁止、関税が、中国を無期限に「管理」するコストのかからない手段であるかのように考えてはならない。また、経済戦争は軍事戦争よりも道徳的で、管理しやすく、エスカレートしないという考えにもとらわれるべきではない。「詭弁」という言葉が歴史的に封鎖や禁輸を含んできたのには理由がある。経済的強制は、特にそれが恒久的なものであると感じられる場合、対立を実存的な紛争に変える方法がある。

 もしあなたが今日、中南海に座っているとしたら、何が見えるだろうか?最先端技術へのアクセスを拒否できる、依然として強大なアメリカ。党のプロパガンダに依存する不安定な国内経済。AUKUS、クアッド、NATOとアジアの対話など、地域的な同盟関係の縄が、周辺をぐるぐると取り囲んでいる。このようなシナリオでは、忍耐強く待つことは緩慢な死のように見え始める。主導権を握ること、例えば、台湾の防衛が完全に固まる前に台湾を素早く攻撃すること、あるいは南シナ海に断固とした姿勢で攻め入ることが、包囲網を打ち破る唯一の方法と思えるかもしれない。

 ただ、安定と穏健という思い込みを、まったく異なる制約や文明観のもとで活動する体制に投影してはならない。西側の政策立案者にとって、経済的封じ込めは戦略である。北京にとっては、それはすぐに体制存続への脅威と解釈されるかもしれない。

 宥和を求めているのではない。現実主義を求めるものだ。そして現実主義には、現在の技術経済戦争の道筋が、はるかに危険な反応を引き起こすことなく、永遠に維持できるものではない可能性があることを認める必要がある。1941年当時のアメリカの政策立案者たちが、追い詰められた日本がどこまでやるか見くびっていたように、われわれは今、中国が追い詰められていると感じている度合を見くびっているのかもしれない。

 問題は、中国が関税ひとつや貿易禁止令ひとつで戦争を始めるかどうかではない。問題は、米国主導の秩序が他のすべての選択肢を閉ざしていると判断するかどうかだ。その場合、計算方法が変わる。そして歴史は、最終的な手段は予想以上に早く噴出することを示している。

 私たちは、収束どころか、脱統合の時代に入っているのだ。貿易はもはや平和を保証しない。経済兵器に頼れば頼るほど、予期せぬ運動的対応に備えなければならない。もし本当に戦争を避けたいのであれば、ワシントンは戦術的思考だけでなく、戦略的思考を始めなければならない。なぜなら、あなたが半導体輸出禁止を「エスカレート的」だと思ったかどうかなど歴史は気にしていないからだ。

 歴史が繰り返すからではなく、地政学的対立がいまだに古代の論理に従っているからだ。その行き着く先を理解することなく経済戦争を続ければ、予想もしていなかったが、非常に挑発的な紛争に巻き込まれることになるかもしれない。■


The U.S.-China War of 2025 Could Begin over Trade and Tariffs

By

Andrew Latham

https://www.19fortyfive.com/2025/04/the-u-s-china-war-of-2025-could-begin-over-trade-and-tariffs/


アンドリュー・レイサム

19FortyFiveの日刊コラムニストであるアンドリュー・レーサムは、国際紛争と安全保障の政治学を専門とするマカレスター大学の国際関係学教授である。 国際安全保障、中国の外交政策、中東における戦争と平和、インド太平洋地域における地域安全保障、世界大戦に関する講義を担当。