2022年10月29日土曜日

ウクライナ軍情報局長へインタビュー。戦争終結の見込み、核兵器、プーチン、イラン無人機装備など。

 

Teleconference Screencap


 

The War Zoneのインタビューで、ウクライナのキリーロ・ブダノフ空軍少将Maj. Gen. Kyrylo Budanovは、戦争の行方を語った

 

 

10月28日金曜日、The War Zoneはウクライナの国防情報局長キリーロ・ブダノフ少将にインタビューし、戦争がいつ、どのように終わるのか、ロシアは核兵器を使うのか、ケルソン市奪還の戦いはどうなっているのか、ウクライナはいつクリミアを奪還するかなど、1時間ほど幅広く議論した。

 

質問と回答は、わかりやすくするため若干の編集を加えていることをお断りしておく。

 

 

TWZ:ケルソン市奪還に何年かかるのか。

KB:ケルソン市奪還作戦は来月末まで続くと見ている。

TWZ:ロシア軍は同市を強化し、誰をそこで戦わせているのか?

KB:練度が最高で、最高能力のロシアの部隊が、現在ケルソンにいる。大部分は、空挺部隊、特殊作戦部隊、海軍歩兵部隊であり、ロシアが有する最も有能な部隊だ。各部隊はグループの基幹を形成し、動員された人員も加わっている。

TWZ:現在、ケルソンには何人のロシア軍が駐留しているのか。

KB:戦闘部隊(我が方の作戦に危険を及ぼす可能性のある部隊)は約4万人でグループ化されている。ケルソン(市)はそのグループの中央に位置する。ケルソンの部隊と、西岸(ドニプロ川)の地域だけでなく、西岸の行動を支援する部隊もあるが、東岸にも駐屯部隊がある。

TWZ:死闘になりそうだ。

KB:できる限り軽減しようとしているが、戦闘は回避できないだろう。

TWZ:なぜ同市を包囲し、部隊を孤立させないのか?

KB:まさにそれをやろうとしている。しかし、ロシアは我が方の前進を妨害しようとしている。そして、戦闘は毎日行われている。

TWZ:ロシアがカホフカ水力発電所ダムを爆破すると考えているのか?

KB:我が方の評価では、爆破が決定されても、ダムの上を通る道路を爆破し我が方の車両が使えなくするだけで、ダムの水閘門も爆破するとしても、施設の一部が破壊されるだけと思われる。

 

The Kakhovka Hydroelectric Power Plant Dam in Kherson City. (Ukraine military photo)

 

TWZ:もしロシアが爆破すれば、ケルソン奪還の妨げになるか?

KB:いや。我が方がケルソンを占領し、彼らが撤退すれば、このようなことが起こるかもしれません。西岸から撤退した後、彼らは、東岸への我が方の進出を妨害するため、それを行うようかもしれない。

TWZ:ハリコフとケルソンでの反攻作戦の計画では、米政府関係者と卓上演習を行ったのか。

KB:この質問は、ウクライナ軍司令官と参謀本部への質問で、本官に答える権限がない。

TWZ:ベラルーシに話を移そう。ウクライナは北部国境沿いの部隊を強化したばかりだ。同盟国から送られてくる物資を断つために、キーウではなくウクライナ西部を攻撃しようとするロシアの試みの理由と懸念について、詳しく説明してほしい。

KB:西側からの供給路を断つことは戦略的な目標だ。そして、ロシア連邦の悲願とも言える。ベラルーシにおけるロシア軍事活動について言えば、現在、ベラルーシにおけるロシア軍プレゼンスはそれほど高くない。約4,300人の軍人がいるだけだ。しかも、重火器系に非常に限定されており、集団の約80%-は動員人員である。以上をまとめると、現段階ではベラルーシからの侵攻の脅威はない、と言える。しかし、ロシアがケルソンを失えば、状況が一変する可能性がある。ケルソン撤退後のケルソンの有能な集団は、一部はザポリジャー方面に移転するだろうが、一部は北上しベラルーシから脅威を与えるかもしれない。だから、慎重にならざるを得ない。

TWZ:それを防ぐために、ウクライナは軍隊を国境まで北上させたということか。

KB:もちろんだ。ロシア連邦による可能性のあるあらゆる行動に備える必要がある。

TWZ:ハリコフ州やケルソン州での反撃は、ウクライナにどれほどの負担がかけているのか。

KB:国家防衛のため十分な戦力がある。それ以外に選択肢はなく、他方面でも攻撃作戦を続けている。

TWZ:ケルチ橋は誰が攻撃したのか?

KB:この質問には、その他メディアにもすでに答えた。本官は聞き返した。なぜウクライナだけがそのようなことをし得ると考えたのか?ロシア人が自分たちの建造物やビルを爆破した事例は以前にも複数あり、他のことをするため手を縛るのを解除しただけだ。

 

Explosion causes fire at the Kerch bridge in the Kerch Strait, Crimea on Oct. 8. (Photo by Vera Katkova/Anadolu Agency via Getty Images)

 

TWZ:攻撃へのウクライナの関与は否定するか?

KB:肯定も否定もしない。議論しているだけだ。

TWZ:クリミアのサキ空軍基地攻撃についてはどうか?ウクライナが関係していたのでか、また、関係していたのならどのように実行したのか。

KB:ウクライナには攻撃者に軍事的敗北をもたらす権利がある。私たちは敵への勝利を目指している。勝利は、交戦の過程で得られるものであり、最終段階では、1991年境界線に到達してこの勝利ははじめて可能となる。

TWZ:サキ空軍基地がどのように攻撃されたのか、詳しく教えてほしい。どのような武器が使われたのか?

KB:残念ながら、詳細についてコメントできない。

TWZ: クリミアについて、ウクライナはいつ攻勢をかけるのか、また、クリミア奪回にどれくらいの時間がかかるのか?

KB:これは軍事力によってのみ起こることであり、それは来年に起こるだろう。

TWZ:だいたい来年のいつごろか?

KB:それは遠慮しておく。

TWZ:ロシアのベルゴロド地方で襲撃事件が多発しているがウクライナが行っているのか?

KB:これも返答できない質問だ。

TWZ: ベルゴロドやロシアのその他の場所で、アメリカの供給した兵器を使い攻撃することは考えていないか?

KB:西側から提供された兵器システムは、ウクライナ領土以外での攻撃に使用されたことも、使用中であることも、おそらく使用されることもないと断言できる。これらの兵器システムは、ウクライナ領土を回復するための支援として提供された。そのため、これらの兵器システムはウクライナの領土内だけで使用している。

TWZ:10月10日に開始されたロシアのミサイルとドローン攻撃は、ケルチ橋攻撃の前から計画されていたのか?

KB:ケルチ橋の爆発の前に、彼らはケルチ橋を口実に、ウクライナへの大規模攻撃を正当化するため使用しただけだ。そのずっと前にあらかじめ計画されていた。

 

A Ukrainian man tries to survive in his house destroyed by the missile attack after Russia's latest shelling across Ukraine on Oct.11. (Photo by Metin Aktas/Anadolu Agency via Getty Images)

 

TWZ:攻撃は、主に電力インフラを破壊するため行われた。ロシアがこうした施設を攻撃し続けるなか、ウクライナはどのように電力供給に対処するのか?

KB:最近はエンジニアや電気技師の移動部隊が24時間365日、インフラ復旧に当たっている。多少の被害は出ているが、致命的ではない。

TWZ:訓練を受けず、補給も不十分なロシア部隊が動員され戦闘にどんな影響が出ているか?

KB:大きな影響はない。約22万人もの兵力を動員できたことは評価する。しかし、おっしゃるとおり彼らは訓練も装備も不十分だ。だから、大きな影響力を持たない。

TWZ:足手まといになるわけではないということか。

KB:彼らは大砲の餌になっているだけだが、現代戦では大きな影響と決定的な意味はない。

TWZ:なぜロシアはバフムート攻撃にここまで投資しているのか?

KB:バフムートは、ロシアが8カ月前からめざしている願望にすぎない。軍事的な観点からは、バフムートは、スロビアンスク[北西に約20マイル]、クラマトルスク[スロビアンスクの南に約5マイル]、チャシブヤル[バフムートの南西に約5マイル]といった町へのルートを開くので、非常に有利な位置なのだ。

TWZ:ウクライナ側とロシア側でどれくらいの兵力損失が発生しているのか。

KB:ウクライナ側の損失を計算しておらず、登録する責任もない。国防情報局の機密事項ではない。しかし、敵側については、データを提供できる。人員では6万5765人(戦死者)、戦車2637、装甲戦闘車両537、大砲システムと多連装ロケットシステム2000強、ヘリコプター約250、無人航空機約1400、さらに船やボート約16隻だ。

TWZ:現在の戦闘活動で、泥がどの程度の違いをもたらしているのか?

KB:これは問題だ。ある段階では、こちらに有利に働くこともあったが、不利に働くこともあった。車両装備が通行不能となる。また、雨の直後から数日間は、軌道車両も移動できなくなる。そのため、現状では双方とも積極的な行動がとれない。

TWZ:ハリコフ反攻は減速しているのか?

KB:ハリコフ方面では、実際にロシア連邦国境にとどまっており、ロシア領土内に移動しているわけではない。

TWZ:プーチンは核兵器使用を何度も脅迫している。そして、モスクワからは、ウクライナがダーティーボム(放射性物質を放出する設計の通常爆弾装置)を開発しているという話も出てきている。まず、プーチンはウクライナに核攻撃を命じると思うか?

KB:段階を追って説明しよう。まず、ロシアがこちらに対し核兵器を使用する可能性についてだが、理論的にはあり得る。なぜなら、ロシアは核の棍棒を持つテロ国家だからだ。ただし、あくまで潜在的な可能性で、ウクライナへの核攻撃の準備を観察しているわけではない。ウクライナがダーティーボムを準備しているとのロシア連邦が流した嘘について言えば、ウクライナは歴史上、そのような装置を製造したことはない。そのようなことを計画したことはないし、計画もしないし、するつもりもない。ロシアは先ほど申し上げたようにテロ国家であり、彼らは何でもやりそうだ。

TWZ:では、なぜロシアはウクライナがダーティーボムの使用を準備しているという話を流し続けているのか?

KB:彼らはこちらを和平交渉に追い込みたいのだ。そして、他の諸国を脅すことで、こちらに圧力をかけ、ロシアとの交渉の席に着かせたいのだ。

TWZ:ウクライナ戦線のロシア軍の新司令官Sergei Surovikinで、戦闘に違いが生まれたか?

KB:現在ロシアが置かれている非常に悪い状態、非常に悪い立場を修正できるものはロシアにはないため、今回の人事による変化はない。しかし、それと逆に、ロシアには、彼らが受けている、受けようとしている軍事的敗北すべてに責任を負う人物がいるはずで、ケルソンを失えば、この人物が責任を負うことになるでしょう。

TWZ: 戦場で効果を発揮しているウクライナの兵器の技術革新について教えてほしい。

KB:ウクライナは現在、生産可能な兵器すべてを生産しており、すべて使用している。そのため、非常に幅の広い質問だ。例えば、ウクライナ製無人偵察機は大量にあり、現在前線で使用されている。

TWZ:無人機の能力はどうか?

KB:もちろん、新型装備の話はできない。PD-1やレレカ100など古いシステムはよく知られており、技術的特徴も公開されている。

TWZ:ウクライナは独自の短距離弾道ミサイルシステムの開発に取り組んでいるか。

KB:コメントできない。

TWZ:ロシアが使用するイラン製ドローンは、どれほどの効果をもたらしているのか。また、どのイラン製ドローンが最も大きな影響を及ぼしており、どのように対抗しているのか。

KB:民間インフラや重要インフラ拠点に神風ドローンを大量投入するのは、典型的なテロだ。例えば、エネルギーインフラを狙うつもりが、住宅を直撃し、ビルのエントランス全体と階上数階が崩壊し、女性や子供の死亡につながったケースもある。ドローンの主な種類は、シャヘド136とモハジャー6だ。

TWZ:ロシアから見て、どれが最も効果的なのか?

KB:シャヘードは大量に発射されるため、最終的に70%ほど撃墜しているが、30%が目標に到達している。

TWZ:どのように撃墜しているのか。

KB:現在あるすべての防空システムと、電子戦によってだ。

TWZ:どのような電子戦の手段を用いているのか。

KB:この機会にもう1つ言いたいのは、こうしたシステムが不足しているということだ。今あるシステムと今後導入されるシステムを合わせても、航空目標の数に対抗するには十分ではない。

TWZ:防空システムに関して言えば、ドローンやミサイルに多くの弾薬が費やされていることから、ウクライナは防空システムで弾薬が不足しているのでは。

KB:これらのシステムを大量に使用している。しかし、補給はあり、また、皆さんの国の支援のおかげで、それが実現している。しかし、もう一度強調しておきたいが、私たちはこれらのシステムをもっと必要としている。まず、平和な都市とそこに住む民間人、そしてそれを支えるインフラを守るために、防空や電子戦の軍需品が必要だ。

TWZ:「NASAMS(National Advanced Surface-to-Air Missiles Systems)」は、現在、ウクライナで実際に使用されているのか。

KB: もちろん、同盟国から提供されたシステムはすべて使用している。

TWZ:NASAMSは使用されているのか?

KB:先ほど申し上げたように、受け取ったものはすべてすぐ使っている。

TWZ:ロシアはうろつき弾を独自に開発・生産する能力を持っているのか?

KB:持っている。紛争初期の2月24日などに、ロシアの「クブ」滞空弾が使用された事例が記録されている。また、最近では「ランセット」と呼ぶ別のシステムの作成が検出されたケースもある。しかし、ロシア防衛産業は、これらの兵器システムの生産を十分確保できないため、使用は大規模ではない。

TWZ:イランの短距離弾道ミサイル(SRBM)「ファテ110」と「ゾルファガル」が、186〜435マイルの距離の目標を攻撃できるが、ロシアが持ち込むと懸念しているか。また、それらはいつ届くと考えるか?

KB: 来月には、ロシアが使用すると思う。

TWZ:その脅威について、どのように懸念しているか?

KB:イランのミサイルは、ロシア製とは異なり、非常に高精度で高速で、特性は戦闘で実証済みなので、深刻な脅威と言える。

TWZ:それに対して何ができるのか?

KB:頼れるのは、防空部隊だけだ。同盟国が防空システムをもっと提供してくれると期待している。

TWZ:イランの無人機やミサイルから身を守るために、イスラエルから有益な援助を受けているのか?

KB: その質問には答えられない。

TWZ: ロシアがウクライナ上空を通過する商業衛星を撃墜すると思うか?

KB: ロシアはテロ国家であり、その活動は通常のテロ活動と何ら変わりはない。

TWZ: それは可能だろうか?

KB: 可能だ。

TWZ:ロシアが実行すると思うか?

KB:言ったように、テロリスト国家のことは何でも予想できます。

TWZ: イーロン・マスクのスペースXがロシアの侵攻当初からウクライナに供給しているスペースXスターリンクシステムはどの程度重要なのか?

KB:スターリンクで前線での生活が楽になり、喜んで使っており、感謝している。

TWZ:スターリンクなしで運用できるか?

KB:スターリンク以外の通信システムはある。しかし、スターリンクがあることで、前線にいる部隊は楽に生活できている。

TWZ:スターリンクはウクライナで稼働し続けると見ているか?

KB: 強く望んでおり、停止する理由もないと思う。

TWZ:元アフガン軍兵士がロシアのためウクライナで戦っているのは承知しているか?

KB:アフガニスタン、シリア、その他数カ国からロシアのために戦う傭兵がいる情報は確認しているが、戦略的な影響や意味はない。

TWZ:イランやロシアが元アフガン軍、特に元アフガン特殊作戦部隊(SOF)をさらに採用しようとしていることを懸念していないか?

KB:この状況で、毎日相手にしている敵軍の数を考えれば、100人や200人の傭兵の存在は関係ないことはわかるだろう。

TWZ:数千人規模ならどうか?ロシアとイランは5,000人もの元アフガンSOF部隊を採用しようとしているといわれる。

KB:(ウクライナにいる)ロシア軍の集団は17万人以上の兵力を持ち、さらに22万人を動員している。世界中のどの国も、これに匹敵する数の傭兵を提供できるとは思えない。

TWZ:戦争はどのように終わるのか?ウクライナにとって勝利とはどのようなものか?

KB:非常にシンプルだ。第一段階では、私たちは1991年(ウクライナがロシアから独立した時)の国境に到達し、戦争を終わらせる良いサインであり良い機会と考えるだろう。

TWZ:1991年国境の回復はいつになると考えるか?

KB:来年だ。

TWZ:来年のいつごろか?

KB: 軍事計画には立ち入らないことにしよう。

TWZ: ウラジーミル・プーチンは生き残れるか?誰が彼の代わりを務められるか?

KB:彼が生き残る可能性は低い。そして現在、ロシアでは誰が後継者になるのか活発な議論が行われている。

TWZ: 代わりになりそうな人物の名前を挙げてほしい、プーチンよりも優れているのか?

KB: それはまだ控えさせていただく。

TWZ:昨年11月に初めてお会いした際、ロシアがどのように攻撃してくるか詳しく説明していただいたが、あなたは多くの点で先を行っていた。ロシアが攻撃してくると上層部に納得させるのは困難だったか?

KB:この戦争が始まって9カ月目だが、ウクライナがまだ健在という事実は、私たちがそれを成功させたということだ。

TWZ:この戦争への支持で、ロシア国民の感情はどのようなものだろうか?ロシア国民はいつまでこの戦争を支持するだろうか?また、ロシアに本当の意味での抵抗はあるだろうか?

KB:ロシア連邦の国民は、ロシアが敗北するまで、政府を支持し続けるだろう。ロシアが敗北したとき、彼らは直ちに、自分たちはこれとは何の関係もなく、自分たちの指導者が間違っていたと言い始めるだろう。

TWZ:プーチン打倒の動きが出てくる可能性はあるか?

KB: まだないが、ロシアが敗北すればすぐ起こるだろう。

TWZ:そして、どうなるのか?

KB:ロシア連邦は姿を変えるだろう。

TWZ: プーチンの背後に、ウクライナの将来や西側との将来に関し、より良い人がいると思うか?

KB:小官はロシア人をまったく信じていない。彼の背後に善良な人物がいるとは思わないが、誰が権力を握っても、必ずプーチンのせいにして、すべての悪いことをするはずだ。

TWZ:米国では11月8日に中間選挙が控えている。 共和党が議会を支配した場合、ウクライナ支援の流れが遮断されたり、遅くなる事態を懸念しているか?

KB:アメリカの選挙が終わり、アメリカからウクライナへの支援が一層大きくなることを強く願っている。時間がなくなりここで失礼する。今回のインタビューと、米国、ウクライナへの幅広い世界の支援に感謝したい。■

 

1029-Ukraine’s Intel Chief On How The War Ends, Putin’s Nuclear Threats, Iranian Drones, And More


Ukraine’s Intel Chief On How The War Ends, Putin’s Nuclear Threats, Iranian Drones, And More

BYHOWARD ALTMAN|PUBLISHED OCT 28, 2022 7:30 PM

THE WAR ZONE


ロッキードが発表のコンセプトからNGAD有人機版の姿を大胆に推理した

 

Lockheed Martin

新しく発表されたコンセプトアート2点は、次世代航空戦闘機材プログラムNGADの有人版の構成案のようだ

 

ッキード・マーチンは、次世代航空優勢機計画(NGAD)の有人第6世代戦闘機版を示す新しいアートワークを発表した。アートワークでは、ロッキードのLMXTタンカー・コンセプトから給油を受ける無尾翼ステルス機が描かれている。

ロッキード・マーティンは、NGADのコンセプトが空軍が推進する新型タンカーに付随する機体として示し、極秘計画のNGADへの言及を巧みに回避しているようだ。しかし、この無尾翼機が、NGADとしての役割を果たすことを意図していることは間違いない。

 

 

NGAD「システム・オブ・システムズ」の有人戦闘機に給油するLMXTタンカーのイメージ図。 Lockheed Martin

ロッキード・マーティンが描くNGADの有人機は、直線的な前縁と後縁を持つ菱形翼形状だ。主翼は、細長い胴体と密接に調和している。胴体では、一本の顕著なチンラインが、機首に向かって急激に細くなっている。また、無尾翼は、非常に低い観測性(ステルス性)、燃料、武器、センサーの内部容積、高い効率を提供するため、NGADのコンセプトアートに頻繁に登場している。

双発エンジンは胴体に埋設され、機体上面から排気される。これは、地上センサーや側面からの赤外線プルームやレーダー反射排気領域を遮断するため用いられる低観測性設計戦術で、2次元の菱形ノズルを備える。これらは、特に後方から見た機体の写真で明らかで、LMXTから燃料を補給している様子も見られる。また、胴体中央部の左右にはかなり浅い2つの「ふくらみ」があり、推進システムに関係するものと思われる。機体は、光沢のある、あるいは半反射性のコーティングが施されているように描かれていますが、これは最近F-22、F-35、F-117に見られる実験的コーティングと一致しているのか。

Lockheed Martin

エンジンのエアインテークが見えないことから、これまでの第6世代コンセプト同様に、機体下にマウントされているのが示唆される。また、ロッキードのアプローチを隠すため、インテークを完全にアートワークから省いた可能性もある。低視認性航空機のインテークデザインは、最も困難で繊細な特徴のひとつだ。

コックピットのキャノピーはかなり長く、後方視界が制限される。この特徴は、分散型開口システムが登場し、高度なセンサーフュージョンとネットワーキングによって極めて高い状況認識能力が実現した現在では、かつてほど重要ではない。また、NGAD有人型は、伝統的な戦闘機でない。航続距離、ペイロード、低観測性などが機動性より優先されるのは確実だ。

また、今回のレンダリングは、以前ロッキード・マーティンが描いた第6世代有人戦闘機のコンセプトアート(下図)と非常によく似ているのが印象的だ。基本構成が同じであるだけでなく、特定のパネル・ラインを含む細部にまで及んでいるように見える。これは実際に同じコンセプトを示していると簡単に主張できる。

 

ロッキード・マーチンによるこれまでの第6世代戦闘機のコンセプトアート。最新のコンセプトは、非常によく似た構成を持つように見える Lockheed Martin

新しいコンセプトアートに見られる機体のスケールは判断しにくい。おそらく意図的にそうしているのだろう。給油ブームとの比較すると、特に大きな機体ではないが、空軍のNGADについて分かっている限りでは、内部燃料と武器搭載量を増やした、大型有人戦闘機を想定していることがうかがえます。同時に空軍は、インド太平洋地域での作戦に最適化した長距離型と、ヨーロッパ地域向けの短距離型の2種類の航空機の可能性についても言及している。

全体として、このコンセプトは、これまで各社や空軍が発表してきた有人NGADのイメージ図を追ってきた人たちにとって、まったく馴染みのないものではない。また、NGADでは空軍と海軍の2つの独立したプロジェクトがあるが、両プログラムの間にはクロスオーバーも知られているので注意が必要だ。

また、昨年10月には、ロッキード・マーチンの極秘施設であるヘレンデールのレーダー・クロス・セクション(RCS)測定施設で、これまでにない低観測性の航空機試験形状が目撃されている。

ヘレンデールで目撃された低視認性航空機の試験形状の近影。

ヘレンデールの試験形状がNGADと直接関係する確証はないが、NGADコンセプトに関係すると推定されるものを含め、各種次世代戦闘機の設計と大まかな共通点があることに注目すべきだ。また、ロッキードの最新コンセプトアートにある、細長い胴体と単一チャインラインの、ダイヤモンドのような無尾翼の形状を採用しているように見える。

今年初め、The War Zoneは、グルーム湖にある空軍の秘密飛行試験場エリア51の衛星画像から、別の無尾翼のデルタ翼の航空機を発見した。この機体はSu-27フランカーとほぼ同じ大きさで、コンコルドを彷彿とさせる優雅な曲線の卵形前縁で、異なる翼のプランフォームだった。全体的に、ロッキードの最新作に見られるダイヤモンドデルタよりも流麗で、より有機的な外観を持つ主翼で、無尾翼にも見える。しかし、このエリア51の航空機がNGADとどのような関係があるかはわからないが、そのデザインや、NGADデモ機が数年前から秘密裏に飛行していたことを考えれば、その可能性は高い。

 

エリア51の衛星画像を拡大トリミングしたもので、楕円形ウィング・デザインが見える。 PHOTO © 2022 PLANET LABS INC. ALL RIGHTS RESERVED. REPRINTED BY PERMISSION

NGADプログラムはこれまで極秘で進められてきたが、コンセプトアートに極秘プログラムの側面を反映させることは、ロッキード・マーチンのスカンクワークスがステルス航空機開発で長い歴史を持つことから、珍しいことではない。

もちろん、ロッキード・マーチンはNGADに関わる企業のひとつに過ぎず、「システム・ファミリー」として、新しい武器、センサー、ネットワーキング、戦闘管理能力も含まれる。Air Force Magazineによると、6月、フランク・ケンドール空軍長官は、プロジェクト内で「まだ競争がある」と述べたが、詳しくは語らなかった。ロッキードを含め、無人機もNGADの重要な一部だ。その重要性は過大評価できないが、今回紹介するように、有人戦闘機コンポーネントとはかなり異なる道を歩んでいる。

現時点では、NGAD有人ジェット機の最終設計が決定しているのか、複数企業が競合機開発に取り組んでいるのか、あるいは複数企業が1機の設計を構築するため競争しているのかは不明だ。ともあれ、過去に他社から見た多くの先進的な戦闘機のコンセプトも、大まかにはロッキードの最新作と同じように見えていた。

ノースロップ・グラマンが以前発表した第6世代戦闘機の設計コンセプトは、ロッキードのレンダリングと共通点が多くあるように見える。 Northrop Grumman

Northrop Grumman

Northrop Grumman

NGADとは別の話だが、ロッキード・マーチンが次世代適応推進プログラム(NGAP)で空軍の大規模契約を獲得したことも判明している。このプログラムには、ボーイングノースロップグラマンが参加し、ジェネラルエレクトリックプラットアンドホイットニーが推進システム設計を担当する。

ケンドール空軍長官は以前、NGADプログラムの有人型が、2030年以前に運用能力を達成することを目指し、エンジニアリング-製造-開発(EMD)段階に入ったと明らかにしていた。この宣言は現在修正されているようで、プログラムのEMD段階の状況は不明確なままだ。とはいえ、海外との競争にさらされる空軍がその成功に大きく賭けるように、このプログラムは確実に、しかも迅速に進んでいる。

ロッキードや他のメーカーによるNGADコンセプトがどのように進化していくのか、今世紀で最も熱い期待を集めている軍用機の1つであることに疑いの余地はないが、「公開」に近づくにつれ、興味深いものになっていくだろう。■


New Next Generation Air Dominance ‘Fighter’ Renderings From Lockheed

BYTHOMAS NEWDICK, TYLER ROGOWAY|PUBLISHED OCT 26, 2022 4:51 PM

THE WAR ZONE

 


2022年10月28日金曜日

嘉手納基地のUSAFイーグル飛行隊が撤収へ。以後はローテーション分遣隊が対応。南西シフトを続ける自衛隊にもあらたな展開となるか。中国への抑止力への影響も心配。

  

U.S. F-15s To Leave Okinawa Without Permanent Replacement: Report

Getty Images

 

米空軍が2023年から嘉手納基地の戦闘機部隊をローテーション戦闘機分遣隊に置き換える計画であるとの報道がある

 

ィナンシャル・タイムズ報道によると、沖縄の嘉手納基地にある米空軍唯一の国外配備F-15C/Dイーグル部隊が来年撤収する。この動きは、第18航空団隷下の現在の常設部隊が、ローテーション戦闘機分遣隊に取って代わられることを意味する。当然ながら、このニュースは、中国の軍事力と政治的野心が地域内で拡大しているときに、逆行措置との批判がすでに出ている。

 元太平洋空軍副司令官で、自身も元F-15パイロットであるデビッド・デプテューラは、FTに「中国へのメッセージは、米国は本気で軍事力低下を逆転させようとしていない、ということになる」と語った。「中国の劇的な行動を促すだろう」。

 

嘉手納基地で離陸前の飛行前手順を確認し、パイロットと連絡する米空軍第67航空整備隊のF-15イーグルのクルーチーフ。 U.S. Air Force photo by Senior Airman Maeson L. Elleman/Released

 

 

「状況をよく知る6名」を引用した報告書によると、嘉手納からF-15C/Dを撤去する決定は、各機の機齢が原因のようで、「近代化プログラム」の一部として考えられている。また、F-15EXイーグルII戦闘機の購入計画を、当初予定の少なくとも144機から80機に削減する計画にも関連している可能性が高い。米空軍の「レガシー」イーグルは1979年9月に初めて嘉手納基地に到着し、それ以来、同基地に駐留している。

 

嘉手納基地の衛星画像 GOOGLE EARTH

 

 

嘉手納の2つのF-15C/D搭載飛行隊、第44戦闘飛行隊(FS)"ヴァンパイア "と第67FS "ファイティング・コックス ”の去就は以前から不明だった。

 しかし、嘉手納は太平洋空軍のトップであるケネス・ウィルスバック大将によって、すでにF-15EXの優先受領地として指定されていた。同大将は、嘉手納基地で運用中の2個飛行隊のF-15C/Dに代わりイーグルIIを希望しているという。

 今年3月に行われたミッチェル航空宇宙研究所のイベントで、ウィルスバック大将は「幸運にも代替機を手に入れることができたら、その用途は制空権と長距離兵器能力です」と説明していた。

 

 空軍の当初計画では、少なくとも144機のF-15EXを購入し、空軍州兵飛行隊に配備されているイーグルと1対1で代替し、さらに同機の訓練用飛行隊と試験・開発用の機体も追加するはずだった。嘉手納のイーグルは、フロリダ州部隊のひとつがF-35Aステルス機に変更されるため、その代替も可能だったろう。

 しかし、F-15EXが80機に減らされそうな今、嘉手納にイーグルを持ち込む望みは薄くなってきた。削減は他のF-15C/D部隊にも大きな影響を与え、最終的に飛行運用を停止する部隊も出てくるかもしれない。

 

2021年3月、フロリダ州エグリン空軍基地に到着した米空軍向けF-15EX初号機。 U.S. Air Force photo/1st Lt. Karissa Rodriguez

 

戦闘機飛行隊のローテーション配備は、アジア太平洋地域や欧州戦域、さらに戦闘地帯における空軍の作戦態勢の一部として馴染み深い。

 しかし、ジア太平洋地域に存在する特別な緊張で、沖縄から戦闘機2個飛行隊を撤収させる決定を特に物議をかもすものにしている。

 フィナンシャル・タイムズによると、日本政府と国防総省の一部の関係者は、この動きが「抑止力について中国に危険なシグナルを送りかねない」と懸念している。

 沖縄から米軍戦闘機の常駐を解除することを懸念する人々にとって、同記事に希望となり得る項目がひとつある。それは、「空軍は近いうちに(嘉手納のF-15C/Dを)常駐させるつもりはない」というものだ。これは、後日F-15EXを購入してから、あるいは全く別の機種の戦闘機を常駐させる可能性を残しているように思われる。

嘉手納第18航空団が現在脅威にさらされているという兆候はないが、イーグル飛行隊の撤収に伴い、KC-135R空中給油能力が減少する可能性は十分にある。嘉手納は現在、KC-135R飛行隊のほか、E-3 AWACSレーダー機、RC-135情報収集機、MC-130J特殊作戦輸送機、HH-60G戦闘捜索・救助ヘリコプターの飛行隊を擁している。

 本州の三沢基地にはF-16の2個飛行隊が配備されている。F-15は、バイパーとは異なるハイエンド長距離の制空戦闘機だ。中国軍機が台湾周辺や南シナ海、東シナ海でますます活発になる中、この能力は特に重要である。また、F-15は巡航ミサイル防衛でも重要な役割を担っており、この地域でも大きな課題となっている。AESA(アクティブ・エレクトロニック・スキャン・アレイ)レーダーを持たない三沢のF-16などは、この点での能力がはるかに劣る。

 このことを考えると、嘉手納基地の新計画でF-15が基地を明け渡した後、6カ月間F-22ステルス戦闘機の分遣隊を送ることになっているのは驚くことではない。ラプターは、同じく太平洋空軍隷下のアラスカ州エルメンドルフ空軍基地から派遣される。

 空軍の主要制空戦闘機であるF-22が、沖縄のF-15C/Dに取って代わることは明らかである。しかし、半年間のローテーションの後、何が起こるかはまだ明らかではない。F-22は、空軍全体で不足気味で、世界各地への定期配備や有事の際に需要がある。

 現在、ウクライナをめぐるロシアとの緊張の中、アラスカのF-22は一時的にポーランドに配備中だ。また、F-22の即戦力率は比較的低く、50%程度が完全に任務遂行可能な状態が続いている。F-22が約125機しかなく、他の約55機の多くが完全戦闘能力を持たず、訓練や試験作業に使用されている事実のため悪化している。その上、空軍はアップグレードされていないF-22はすべて退役させたいと考える一方で、議会の一部では巨額費用で前線に対応できるようにアップグレードしたいと考えている。

 

アラスカ州エルメンドルフ・リチャードソン統合基地第3航空団第90戦闘飛行隊に所属するF-22は、2022年7月、ポーランドへのローテーションを前に、立ち寄ったイギリスのレイケンヒース空軍に着陸する U.S. Air Force photo by Airman Seleena Muhammad-Ali

 

F-22の嘉手納ローテーション継続に疑問があるのは明らかだ。しかし、どのような戦闘機であれ、沖縄に長期派遣することは、空軍全体、そしてその任務に関わる航空機や人員に大きな負担をかける。ローテーション分遣隊は、効率的で結束力が高まる利点がある一方で、常設部隊が持つ現地知識はない。現地の常駐部隊は、その地域と脅威を熟知し、各国部隊と広範な訓練を行い、その過程で長期関係を築いている可能性が高い。

 心配なのは、空軍がラプターの初回配備以降、「将来のローテーションは未定」との報道だ。本誌は、この計画について明確にしようと空軍にコンタクトを取った。

 ある飛行隊が嘉手納に到着し、別の飛行隊が出発するという「ヒール・トゥ・トゥ」のローテーションを希望しているようだが、FT紙取材に応じたデプトゥーラは、その実現性に疑念を表明した。

 「嘉手納に到着した戦闘機隊が別の戦闘機隊に交代する。だからローテーションを組んでいるのです。そのギャップを埋めるためF-22をローテーションさせて補うこともできるが、その場合、部隊にストレスがかかってしまう」。

 

 しかし全体的に見れば、嘉手納基地に関する明らかな変更は、ロイド・オースティン国防長官の言葉を借りれば、米国の防衛計画の「ペースメーカー」である中国に、国防総省がより焦点を当てている姿勢と矛盾するように思われる。

 中国の幅広い戦略的野心に関する現在の懸念の中心は、嘉手納の西方約370マイル台湾の状況だ。ナンシー・ペロシ米下院議長の訪問をきっかけに、中国が台湾上空でミサイルを発射するなど大規模軍事演習を行い、日本の防衛省によると、うち5発が日本の排他的経済水域(EEZ)に着弾し、東京が外交的抗議を行う事態に発展したことから、台湾を取り巻く緊張は夏以降特に高まっている。

 一方、ここ数カ月、記録的な数の中国軍機と軍艦が台湾海峡に入った。北京の軍当局は、「米国と台湾が政治的駆け引きを続け、台湾海峡の平和と安定を損なうことへの厳しい抑止力」と表現するように、すべては軍事態勢の一部だ。

 このような背景と、この地域における中国の幅広い軍事活動を考えれば、沖縄から戦闘機常駐部隊を撤収させるのは不可解に思える。しかし、もう一つの要因として考えられるのは、嘉手納の戦闘機が特に人民解放軍の長距離ミサイル攻撃に脆弱であることだ。中国のミサイルによる既設の空軍基地への脅威は、アジア太平洋地域で起こりうる紛争に備える米空軍をすでに変化させており、条件の悪い飛行場からの飛行を含む分散作戦に重点を置くようになっている。

 しかし、分散作戦を中心とした戦闘機の新しい「ヒール・トゥ・トゥ」ローテーション・プランの導入は、少なくとも嘉手納のようにインフラと支援資産が確立ずみの基地に展開する場合と比較して、訓練とロジスティックスの面で新しい需要をもたらすだろう。より広く言えば、この計画に内在する問題は、戦闘機隊がますます縮小する中で空軍が直面する問題が大きくなっていることを反映している。

 また、日本がこの動きにどう反応するかという問題もある。これは、米国が沖縄や九州とその周辺への防空提供について真剣でないことを示すだけでなく、アジア太平洋地域全体への取り組みにも疑問を投げかける可能性がある。日本の戦闘機が、中国やロシアなどの航空機に対応するため、迎撃回数を増やして対応に苦慮している現在、これは特に差し迫った懸念である。

 

 近年、自衛隊は「南西シフト」を行い、東シナ海における中国の脅威に再び焦点を当て、中国軍機に対するスクランブル発進の回数が著しく増加している。この姿勢の変化には、那覇基地にあるF-15J戦闘機の数を増やすことも含まれている。米軍のイーグルが沖縄から撤退することになり、日本は沖縄の航空資産をさらに強化する決定を下すかもしれない。一方、航空自衛隊は民間空港と施設を共有しているため、今でもスペースが限られている。

 嘉手納のイーグルが撤退しても、沖縄とその周辺地域の防空に悪影響が出ないよう、空軍がどれだけ強固なローテーション計画を準備できるか見守る必要がある。■

 

U.S. F-15s To Leave Okinawa Without Permanent Replacement: Report

BYTHOMAS NEWDICK|PUBLISHED OCT 27, 2022 3:58 PM

THE WAR ZONE


日米のF-35運用で太平洋の制空権はこう変わる

 Huge Multi-Billion Japanese F-35 Buy Changes Power Scale in Pacific

Lockheed Martin

 

日米のF-35はネットワーク機能で太平洋での制空権を迅速に実現できるだろうかが問われる

日本のF-35の大規模購入は、中国を抑止し、人民解放軍海軍の台湾侵攻を阻止する課題で非常に大きな意味を持つ展開だ。

日本の大規模調達で、F-35BとF-35Aが台湾近海の攻撃範囲に大量に展開することになる。各機は揚陸艦や空母から発進する前方配置の米F-35と組み合わせて、ネットワーク化し、中国が侵攻を試みられた場合に大きな影響を与える第5世代機の戦力を「大量」投入する効果を生む。

各国のF-35は多機能アドバンスト・データ・リンク(MADL)を通じ、他国のF-35とシームレスで安全かつ相互運用可能な方法で迅速に統合できる設計になっていることを考えると、確かに第5世代機は中国に対する最高の抑止力になりそうだ。したがって、日本のF-35は、あたかも米軍の一部のように即座に運用できるようになる。

米国が岩国海兵隊航空基地にF-35を18機訓練用に前方配置した理由がこれだろう。日米両軍は、中国が台湾に侵攻した場合に備え、大規模な訓練、戦争準備、海上戦闘演習を行う。興味深いことに、空軍のインド太平洋軍報告書では、F-35の配備は「相互安全保障条約下で日本を防衛する米国の義務を果たす準備ができている」ことを示すものと明言している。

空軍インド太平洋軍によると、F-35は、この地域での軍事作戦の基本となる既存の戦術、技術、手順を洗練、強化することを目的とした一連の訓練Agile Combat Employmentに参加している可能性がある。

「ACEは、前方飛行場に敵が攻撃しても、生存能力を高め、戦闘力を発揮し続けるための作戦計画。これらの戦術は、敵の標的を複雑にし、友軍の柔軟性を高める」と空軍報告書は述べている。

空軍のF-35Aは、米海兵隊の艦載機F-35Bと運用されるため、計画中のACE共同訓練は、マルチドメインに焦点を当てる。

「第354AEWは、第3海兵遠征軍所属のF-35BライトニングIIと統合し、パートナーシップを強化し、共同能力を高める」とインド太平洋軍司令部は述べている。

このような空陸の相乗効果は、太平洋における軍事的関与全般において非常に価値がある。アメリカ級揚陸強襲艦がF-35Bを13機運用する一方で、第5世代機の海上プレゼンスを陸上運用のF-35で強化すれば、日米両軍の戦闘力を倍増できることになる。F-35の Multifunction Advanced Data Linkを使えば、日米の空陸のF-35は任務を調整し、リアルタイムでデータを共有し、前例のない相互運用性を攻撃で実現できる。■

Huge Multi-Billion Japanese F-35 Buy Changes Power Scale in Pacific - Warrior Maven: Center for Military Modernization

By Kris Osborn, President, Center for Military Modernization

Kris Osborn is the Defense Editor for the National Interest. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Master's Degree in Comparative Literature from Columbia University