トランプ大統領がフェンタニルを大量破壊兵器(WMD)に指定(POLITICO)
中国に対する米国の政策や、西半球におけるトランプ政権の軍事力増強に広範な影響を与える可能性がある
コメント WMDにはWMDで対抗するのが米国の方針ですから、これで米国は中国を核攻撃する口実ができたことになります
2025年12月15日、ワシントン、ホワイトハウス大統領執務室で、メキシコ国境防衛勲章の授与式で演説するドナルド・トランプ大統領。| アレックス・ブランドン/AP
エリック・バザイル=エイミル、ジャック・デッチ
2025年12月15日 午後5時32分(米国東部時間)
ドナルド・トランプ大統領は12月15日月曜日、フェンタニルを大量破壊兵器に分類する大統領令に署名し、合成薬物の違法取引と闘う米国政府の法的手段を強化した。
大統領令は、同薬物の致死性、毎年何万人ものアメリカ人を死に至らしめている事実、そしてトランプ政権が外国テロ組織に指定した国際犯罪組織が、米国の国家安全保障を損なう活動資金源としてフェンタニルの販売を利用している事実を引用している。
大統領は、大統領執務室で署名しながら、海路で米国に流入する麻薬の量は 94% 減少したと述べた(フェンタニルを含むほとんどの麻薬は、陸路の入国地点から米国に流入している)。トランプ大統領は、麻薬の流入は「米国に対する直接的な軍事的脅威」だと付け加えた。
政権はメキシコ国境の警備強化策の一環で、フェンタニル対策に多大な資源を投入してきた。政府高官は、トランプの厳しい移民制限と国境警備措置が国内のフェンタニル消費減少につながったと主張している。
「国境が安全になれば、毎日人命が救われ、性的人身売買は激減し、フェンタニルも激減する」とホワイトハウスの国境問題担当責任者トム・ホーマンは月曜日に述べた。
麻薬を大量破壊兵器に分類する大統領の行動は前例がないが、フェンタニルをそのように位置付けることについては以前から公の議論があった。バイデン政権は以前、超党派の司法長官グループからフェンタニルを大量破壊兵器に分類するよう圧力を受けていた。そしてフェンタニルは、ごく微量でも、過剰摂取となり短時間で人間を死に至らしめる威力を持つ。
この合成薬物は限定的な合法的な薬理学的用途があるものの、主にメキシコ経由で米国に流入している。メキシコでは麻薬カルテルが中国から輸入した「前駆体化学物質」 “precursor chemicals” を用いてフェンタニルを製造している。フェンタニル生産は東南アジアのゴールデントライアングル地域(ラオス、ミャンマー、タイを含む)でも急増している。フェンタニルは簡易な実験室で容易に製造できるため、生産根絶の課題を増大させている。
一方で米政府はカリブ海で麻薬密輸とされる船舶への武力行使を正当化するため、ヴェネズエラで活動するカルテルがフェンタニルを米国へ密輸していると非難している。ヴェネズエラはコカイン密輸の拠点と見なされているが、世界的なフェンタニル密輸の主要な供給源とは見なされていない。
この指定のタイミングは注目に値する。米国がヴェネズエラのニコラス・マドゥロ大統領に対する圧力キャンペーンの一環として、ヴェネズエラ領内の麻薬密輸容疑目標に対する地上攻撃を実施するとの憶測が高まっているからだ。フェンタニルを大量破壊兵器と宣言することは、米国がヴェネズエラに対して軍事力を行使する追加的な法的根拠を与えることになる。
イラクが大量破壊兵器を保有しているという主張は、ジョージ・W・ブッシュ政権下で中東国家への侵攻と当時の指導者サダム・フセインの打倒を正当化する法的根拠として用いられた。
米国は以前からコロンビアやメキシコの麻薬カルテルに対する軍事攻撃を示唆しており、ヴェネズエラのあとはこれらの国々の組織による脅威へ焦点を移すとの予想があった。■
Trump declares fentanyl a weapon of mass destruction
The designation could have sweeping impacts on U.S. policy toward China as well as the Trump administration’s military buildup in the Western Hemisphere.
https://www.politico.com/news/2025/12/15/trump-fentanyl-weapon-mass-destruction-00691742
フェンタニル問題は、この記事のように大量破壊兵器として扱われることにより、米国の対処方法が大きく変わることになるのだろう。
返信削除フェンタニル原料は、CCP中国で製造され、輸出され、メキシコ等の犯罪組織がフェンタニルを製造し、米国に密輸され、蔓延し、多くの死者を生み出してきた。
トランプが外国テロ組織に指定した国際犯罪組織は、あくまで米州内の組織だ。一見するとコカインやモルヒネと同じような世界的犯罪組織による麻薬流通と同等の行為のように見えるが、大きく異なる部分がある。
それは、第一にフェンタニル原料が、中国の正規の化学製薬会社が製造していること。第二に輸出過程は、多くが犯罪組織が担っていない。そして密輸組織の背後に中国人の存在がある。すなわち、これらを統率できるCCP中国系国家組織の関与を疑うべきである。
実際、中国国内でのフェンタニル流通を恐れるCCPは、厳格な国家機関である国家安全部に管理させていると言われている。最近暴露された貿易会社の日本を経由する密輸組織の形態と運用は、犯罪組織のものでなく、しかも抜け目がない。
米国が中国に強く対応するようになって、記事のようにフェンタニル、及び原料製造は東南アジアの中国系犯罪組織に移行させているようだ。もちろんこれらの犯罪組織は、CCPの影響下にあり、引き続き国家安全部が統制していると推定する。
これらの推定から導き出せる結論は、CCPは、国家組織を利用し、麻薬販売などで大きな利益を得るとともに、国際的犯罪組織を使いこなしているということである。そしてこれは、CCPの国家戦略の一端であり、また、国際的犯罪のごく一部かもしれない。