2025年12月28日日曜日

B-21レイダー爆撃機の海外販売は実現する? ― 劣化版になるにせよ、現状で年間生産が10機未満ではとても海外販売の余裕はありませんが、ライセンス生産は可能でしょうか

 

米空軍のB-21レイダーが海外販売される日が来るか?

年間生産が一ケタではとても需要に応えられませんが。海外生産を認めたとしても劣化版の機材となり共同作戦を実施する際に足かせとなってしまわないでしょうか。LRS-Bとして誕生したB-21をベースに性能価格を下げた派生型を海外に生産させるほうが得策な気がしますよ。センサー指揮統制機能以外にミサイルを大量に運用する「ステルストラック」にするのはいかがでしょうか。

19fortyfive

クリス・オズボーン


B-21レイダーは2022年12月2日、カリフォルニア州パームデールでの式典で一般公開された。将来の高次脅威環境下での運用を想定して設計されたB-21は、米国の持続的な航空戦力能力を確保する上で重要な役割を担う。(米空軍提供写真)

要点と概要

  B-21レイダーが完全な運用態勢に入るのは数年先となる。

 ワシントンは重大な選択に直面している:爆撃機を米国専用とするか、主要同盟国向けにカスタマイズ版を輸出するか。

支持派は、多国籍のB-21フリートが規模拡大・生産加速・単価低減をもたらし、中国のH-20での大量生産・配備に対抗できると主張する。

反対派は、レイダーの独自技術を過度に提供すれば米国のステルス優位性が損なわれると懸念している。

この議論は、次世代の大国間航空戦力での機密性と規模の拡大というトレードオフに帰着する。

米国はB-21レイダーを同盟国に輸出すべきか?

米国が開発中のB-21の輸出型を販売すべきかという問題は、複雑かつ微妙な問題だ。どちらの立場にも説得力のある理由が存在するからだ。

大規模な多国籍同盟軍によるB-21部隊の利点は非常に大きい。

しかし、B-21の独自の技術的特徴を米軍が独占的に保持すべき理由も大きい。結局のところ、米国が独占する理由が、同盟国へのプラットフォーム輸出に伴う多くの利点を上回るかどうかは定かではない。

同爆撃機を販売することが戦略的に意味を持つ理由として、単純明快な「規模」の問題がある。多国籍のB-21部隊は、より広範な戦闘領域をカバーでき、大規模な大国間紛争において優位に立つ可能性を高めて作戦を展開できる。

ブロードバンドステルス技術で複数の標的を精密攻撃するB-21の能力は戦術的優位性を持つが、大規模紛争では敵の防空網を無力化するには50~100機の爆撃機による集中攻撃が必要となるだろう。

テキサス州ダイエス空軍基地の格納庫に展示されたB-21レイダーのコンセプト図(将来の配備基地の一つ)。(ノースロップ・グラマン提供)

B-21レイダー爆撃機の生産

B-21の生産ペースが野心的であっても、ノースロップでの年間製造は4~7機にとどまる。

このため空軍がB-21を相当数配備するのに10年近く、あるいはそれ以上を要する。しかし多国籍規模で生産を拡大し、B-21生産をさらに大規模に「スケールアップ」する能力を獲得できれば、機体単価は低下し、より大規模な機体群をより短期間で配備できる可能性がある。

中国のプラットフォームを大規模かつ迅速に「量産」する能力が知られていることを考慮すれば、この見解には強い根拠がある。

中国が新型H-20爆撃機の大規模部隊を迅速に整備することに成功すれば、大規模紛争で大きな優位性を得る可能性がある。

米国と同盟国による大規模な多国籍生産努力がなければ、米国は急速に台頭するH-20部隊に対抗するのに苦労するかもしれない。

H-20爆撃機。画像提供:Xスクリーンショット。

H-20がB-21と能力面で対抗できるか否かは別として、中国人民解放軍空軍は次世代ステルス爆撃機をはるかに大規模に配備する可能性がある。

米国防総省の年次中国報告書は繰り返しH-20の脅威を指摘しており、特にその広範な戦闘行動半径を問題視している。

現時点で中国のH-20生産は米国のB-21より遅れているように見える。H-20の実機は確認されておらず、遅延している可能性があるからだ。

しかし、人民解放軍が生産能力を柔軟に調整できることは広く知られている。現在約300機規模に達したJ-20第5世代ステルス戦闘機フリートがその証拠だ。

空中のセンサーとしての米空軍B-21

また、B-21が爆撃機以外に、高度で感知・多領域ネットワーク・指揮統制を行う「空中」ノードとして運用されるというコンセプトは、国際販売の主張と合致しているようだ。

レイダーはF-35と同様の共通データリンクを搭載し、その他プラットフォームを接続する見込みだ。これによりB-21は無人機、F-35、第4世代戦闘機、宇宙資産、そして当然ながら地上指揮統制システムとネットワーク化される。

これは、多国籍軍がB-21によ新たなレベルの先進的な空中指揮統制能力をもって、広大な作戦地域を網羅できることを意味する。

B-21での多国籍部隊を支持する議論は、現在18カ国以上で運用中のF-35の成功と並行する。F-35は、戦闘作戦で相互にシームレスに連携が可能だ。

F-35に匹敵する多国籍のB-21爆撃機によるダイナミックな運用は、同爆撃機が米国にもたらす戦略的優位性を大幅に増大させるだろう。■

著者について:クリス・オズボーン

クリス・オズボーンは、Warrior Maven – Center for Military Modernization の社長である。オズボーンは以前、国防総省で、陸軍次官補(調達・兵站・技術担当)室の高資格専門家として勤務していた。オズボーンは全国ネットのテレビ局でアンカーおよび軍事専門家としても活動した。フォックスニュース、MSNBC、ミリタリーチャンネル、ヒストリーチャンネルに軍事専門家ゲストとして出演している。またコロンビア大学で比較文学の修士号を取得している。


The U.S. Air Force’s New B-21 Raider Stealth Bomber: For Sale?

By

Kris Osborn

https://www.19fortyfive.com/2025/12/the-u-s-air-forces-new-b-21-raider-stealth-bomber-for-sale/


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