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ロッキードが発表のコンセプトからNGAD有人機版の姿を大胆に推理した

 

Lockheed Martin

新しく発表されたコンセプトアート2点は、次世代航空戦闘機材プログラムNGADの有人版の構成案のようだ

 

ッキード・マーチンは、次世代航空優勢機計画(NGAD)の有人第6世代戦闘機版を示す新しいアートワークを発表した。アートワークでは、ロッキードのLMXTタンカー・コンセプトから給油を受ける無尾翼ステルス機が描かれている。

ロッキード・マーティンは、NGADのコンセプトが空軍が推進する新型タンカーに付随する機体として示し、極秘計画のNGADへの言及を巧みに回避しているようだ。しかし、この無尾翼機が、NGADとしての役割を果たすことを意図していることは間違いない。

 

 

NGAD「システム・オブ・システムズ」の有人戦闘機に給油するLMXTタンカーのイメージ図。 Lockheed Martin

ロッキード・マーティンが描くNGADの有人機は、直線的な前縁と後縁を持つ菱形翼形状だ。主翼は、細長い胴体と密接に調和している。胴体では、一本の顕著なチンラインが、機首に向かって急激に細くなっている。また、無尾翼は、非常に低い観測性(ステルス性)、燃料、武器、センサーの内部容積、高い効率を提供するため、NGADのコンセプトアートに頻繁に登場している。

双発エンジンは胴体に埋設され、機体上面から排気される。これは、地上センサーや側面からの赤外線プルームやレーダー反射排気領域を遮断するため用いられる低観測性設計戦術で、2次元の菱形ノズルを備える。これらは、特に後方から見た機体の写真で明らかで、LMXTから燃料を補給している様子も見られる。また、胴体中央部の左右にはかなり浅い2つの「ふくらみ」があり、推進システムに関係するものと思われる。機体は、光沢のある、あるいは半反射性のコーティングが施されているように描かれていますが、これは最近F-22、F-35、F-117に見られる実験的コーティングと一致しているのか。

Lockheed Martin

エンジンのエアインテークが見えないことから、これまでの第6世代コンセプト同様に、機体下にマウントされているのが示唆される。また、ロッキードのアプローチを隠すため、インテークを完全にアートワークから省いた可能性もある。低視認性航空機のインテークデザインは、最も困難で繊細な特徴のひとつだ。

コックピットのキャノピーはかなり長く、後方視界が制限される。この特徴は、分散型開口システムが登場し、高度なセンサーフュージョンとネットワーキングによって極めて高い状況認識能力が実現した現在では、かつてほど重要ではない。また、NGAD有人型は、伝統的な戦闘機でない。航続距離、ペイロード、低観測性などが機動性より優先されるのは確実だ。

また、今回のレンダリングは、以前ロッキード・マーティンが描いた第6世代有人戦闘機のコンセプトアート(下図)と非常によく似ているのが印象的だ。基本構成が同じであるだけでなく、特定のパネル・ラインを含む細部にまで及んでいるように見える。これは実際に同じコンセプトを示していると簡単に主張できる。

 

ロッキード・マーチンによるこれまでの第6世代戦闘機のコンセプトアート。最新のコンセプトは、非常によく似た構成を持つように見える Lockheed Martin

新しいコンセプトアートに見られる機体のスケールは判断しにくい。おそらく意図的にそうしているのだろう。給油ブームとの比較すると、特に大きな機体ではないが、空軍のNGADについて分かっている限りでは、内部燃料と武器搭載量を増やした、大型有人戦闘機を想定していることがうかがえます。同時に空軍は、インド太平洋地域での作戦に最適化した長距離型と、ヨーロッパ地域向けの短距離型の2種類の航空機の可能性についても言及している。

全体として、このコンセプトは、これまで各社や空軍が発表してきた有人NGADのイメージ図を追ってきた人たちにとって、まったく馴染みのないものではない。また、NGADでは空軍と海軍の2つの独立したプロジェクトがあるが、両プログラムの間にはクロスオーバーも知られているので注意が必要だ。

また、昨年10月には、ロッキード・マーチンの極秘施設であるヘレンデールのレーダー・クロス・セクション(RCS)測定施設で、これまでにない低観測性の航空機試験形状が目撃されている。

ヘレンデールで目撃された低視認性航空機の試験形状の近影。

ヘレンデールの試験形状がNGADと直接関係する確証はないが、NGADコンセプトに関係すると推定されるものを含め、各種次世代戦闘機の設計と大まかな共通点があることに注目すべきだ。また、ロッキードの最新コンセプトアートにある、細長い胴体と単一チャインラインの、ダイヤモンドのような無尾翼の形状を採用しているように見える。

今年初め、The War Zoneは、グルーム湖にある空軍の秘密飛行試験場エリア51の衛星画像から、別の無尾翼のデルタ翼の航空機を発見した。この機体はSu-27フランカーとほぼ同じ大きさで、コンコルドを彷彿とさせる優雅な曲線の卵形前縁で、異なる翼のプランフォームだった。全体的に、ロッキードの最新作に見られるダイヤモンドデルタよりも流麗で、より有機的な外観を持つ主翼で、無尾翼にも見える。しかし、このエリア51の航空機がNGADとどのような関係があるかはわからないが、そのデザインや、NGADデモ機が数年前から秘密裏に飛行していたことを考えれば、その可能性は高い。

 

エリア51の衛星画像を拡大トリミングしたもので、楕円形ウィング・デザインが見える。 PHOTO © 2022 PLANET LABS INC. ALL RIGHTS RESERVED. REPRINTED BY PERMISSION

NGADプログラムはこれまで極秘で進められてきたが、コンセプトアートに極秘プログラムの側面を反映させることは、ロッキード・マーチンのスカンクワークスがステルス航空機開発で長い歴史を持つことから、珍しいことではない。

もちろん、ロッキード・マーチンはNGADに関わる企業のひとつに過ぎず、「システム・ファミリー」として、新しい武器、センサー、ネットワーキング、戦闘管理能力も含まれる。Air Force Magazineによると、6月、フランク・ケンドール空軍長官は、プロジェクト内で「まだ競争がある」と述べたが、詳しくは語らなかった。ロッキードを含め、無人機もNGADの重要な一部だ。その重要性は過大評価できないが、今回紹介するように、有人戦闘機コンポーネントとはかなり異なる道を歩んでいる。

現時点では、NGAD有人ジェット機の最終設計が決定しているのか、複数企業が競合機開発に取り組んでいるのか、あるいは複数企業が1機の設計を構築するため競争しているのかは不明だ。ともあれ、過去に他社から見た多くの先進的な戦闘機のコンセプトも、大まかにはロッキードの最新作と同じように見えていた。

ノースロップ・グラマンが以前発表した第6世代戦闘機の設計コンセプトは、ロッキードのレンダリングと共通点が多くあるように見える。 Northrop Grumman

Northrop Grumman

Northrop Grumman

NGADとは別の話だが、ロッキード・マーチンが次世代適応推進プログラム(NGAP)で空軍の大規模契約を獲得したことも判明している。このプログラムには、ボーイングノースロップグラマンが参加し、ジェネラルエレクトリックプラットアンドホイットニーが推進システム設計を担当する。

ケンドール空軍長官は以前、NGADプログラムの有人型が、2030年以前に運用能力を達成することを目指し、エンジニアリング-製造-開発(EMD)段階に入ったと明らかにしていた。この宣言は現在修正されているようで、プログラムのEMD段階の状況は不明確なままだ。とはいえ、海外との競争にさらされる空軍がその成功に大きく賭けるように、このプログラムは確実に、しかも迅速に進んでいる。

ロッキードや他のメーカーによるNGADコンセプトがどのように進化していくのか、今世紀で最も熱い期待を集めている軍用機の1つであることに疑いの余地はないが、「公開」に近づくにつれ、興味深いものになっていくだろう。■


New Next Generation Air Dominance ‘Fighter’ Renderings From Lockheed

BYTHOMAS NEWDICK, TYLER ROGOWAY|PUBLISHED OCT 26, 2022 4:51 PM

THE WAR ZONE

 


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