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B-21レイダーのロールアウトは12月に決まった模様。初飛行は2023年。外観はB-2似でも搭載した技術は大きく進歩している模様。

 

極秘開発されてきた米空軍の新型ステルス爆撃機B-21が姿を現す時が近づいてきた

 新型ステルス爆撃機B-21は、12月にロールアウトし、未来の戦争にむけ大きな一歩を踏み出す。

B-21について正確に何が言えるかというと...答えは「何もない」である。同機の開発は、理解できる理由のためスタート以来、大部分が機密、または完全に「ブラック」だった。同機の任務の重要性と機密性を考えれば、空軍が敵対者に設計・技術の詳細を知られたくないのは確かだ。とはいえ、空軍幹部は、議会の監視や予算編成、生産に関する決定を可能にするために、非機密扱いにできるものは議会と協議していると述べている。安全性を損なわず、わずかでも開示することは可能かもしれない。

パラダイムを一変する、あるいは「ブレイクスルー」レベルのステルス技術とコンピュータ技術がB-21に含まれている可能性が高いということだ。数年前にさかのぼると、空軍取得担当の元軍代表官アーノルド・バンチ中将は、B-21は世界の「どこでも」「どんな目標」も危険にさらすことができると本誌に語っている。それ以来、空軍高官連は、同機の技術と予想性能に、高いレベルの信頼を寄せていry。空軍はまた、B-21の製造・設計を担当するノースロップ・グラマンが最先端技術を開拓し、新型爆撃機のコストとスケジュールを守った能力を高く評価している。

興味深いことに、ノースロップ・グラマンは、今年末のロールアウトと2023年の初飛行に向けステルス爆撃機に関連する進行中の作業と手続きについて一般的な声明を発表している。

「地上試験段階と並行し、機体のパワーアップ、サブシステムのテスト、コーティングと塗装の適用を行う。次のステップでは、エンジンの運転、低速および高速の走行試験を実施し、その後初飛行に移ります」とノースロップ・グラマンの声明は述べている。

ノースロップグラマンの声明では、開発がB-21の地上システムで次の段階へ移行したともわかる。

「実証には、B-21の運用・維持をサポートするB-21デジタルツインを含む、データの開発、展開、テストが含まれ、このテストの成功により、地上システムの設置面積を主要な作戦基地や配備パッケージで大幅削減できることが証明されました」と、ノースロップの声明にある。

新型ステルス爆撃機は近年、カリフォーニア州エドワーズ空軍基地で設計評価、試験の準備を経ており、開発部門は同機の初飛行を成功させようと努力している。

洗練された外観の次世代ステルス爆撃機B-21レイダーは、2022年12月の正式「ロールアウト」後に、来年に進空する。

ノースロップ・グラマンと空軍は現在、来年に予定する初飛行に向けた初期段階として、B-21を6機製造している。B-21レイダーは、2022年12月にカリフォーニア州パームデールで、空軍と共同でお披露目する予定だ。

「生産仕様機」の安全な初飛行に焦点を当てる。ノースロップ・グラマンの声明では、「生産と試験の各種段階にある6機で、ノースロップ・グラマンは、初飛行に先立ち、リスク低減、製造プロセスの改良、試験機材の成熟を続けながら、目標に向かって前進しています」と述べている。

長年にわたり、B-21プログラムは空軍上層部から、ステルス技術を低観測性の新時代に押し上げる一方で、時間コスト共に非常に生産的な事業と評価されてきた。空軍とノースロップ・グラマンの開発部門は、この理由の1つとして「デジタル・エンジニアリング」技術の成功を上げている。デジタルエンジニアリングにより、開発者はコンピュータシミュレーションを通じ装備の主要な性能パラメータを再現すでき、「金属を曲げ」て実機を製造せず、技術の改良、評価、開発が可能になった。これにより、開発プロセスが合理化され、サプライチェーンと調達プロセスが改善され、航空機の製造プロセスにおけるリスクが低減された。

空軍が想定するB-21調達数は変動しているが、空軍が調達規模と範囲を拡大しようとしているのは明らかだ。空軍は新世代の航空支配に軸足を移すため、150機以上のB-21を取得するとしている。

B-21の生産と技術面の詳細のほとんどは、明らかに保安上の理由で入手不可能だが、空軍の上級幹部には、この新型機がいかに画期的でパラダイムを変えるレベルのステルス技術を組み込んでいるかについて広く議論が進んでいる。ロシアや中国の防空技術の急速な進歩を考えると、非常に重要である。

ロシアのメディアは、新型のS-400とS-500地対空ミサイルは「ステルス」プラットフォームでも追跡して撃墜できると主張しているが、この主張は、実質的な検証や裏付けがないようだ。しかし、わかっているのは、ロシア製の新しい防空ミサイルはネットワーク化され、より高速のコンピューター処理で、より遠くの目標を捕捉でき、より広い周波数帯で動作できるようになるという。

だからといって、B-21を「命中」させたり、交戦できるわけではない。レーダーや防空システムは、低周波の監視レーダーを使い、何かが「そこにある」、あるいは一般的な作戦範囲内にあると判断はできるかもしれないが、移動中のステルス爆撃機の目標追尾を確立し、ステルスプラットフォームを「破壊」できる意味ではない。そのためには、さらに高いレベルの精度、追跡ループ射撃制御、画像忠実度が必要で、B-21には「未公開」ステルス特性が多数組み込まれているようだ。

同機の外観を見ると、胴体は丸みを帯びた一体型飛行翼で、「見える」排気口がない。B-2に排気口をついているのと異なり、B-21には何もないようだ。これは、エンジン排熱を逃がす新方法を発見したか、あるいは単に機体後方から放射される熱シグネチャを調節できたことを示唆しているのか。ステルス技術の重要目的は、航空機本体と周囲の気流をできるだけ付近の大気と同じ温度に保ち、敵の熱センサーに感知される熱の差を少なくすることなので、これは非常に重要なことだ。■

Air Force Builds 6 B-21 New Stealth Bombers, Preps Rollout & First Flight - Warrior Maven: Center for Military Modernization

KRIS OSBORN, WARRIOR MAVEN - CENTER FOR MILITARY MODERNIZATION

SEP 23, 2022Kris Osborn is the defense editor for the National Interest. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Master’s Degree in Comparative Literature from Columbia University.


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