Fury UASは、AdAir-UXプログラムでAI操縦機への文化的抵抗感の打破を試みる
Credit: Blue Force Technologies
現在および将来の米空軍戦闘機と一緒に飛行する選択肢として、人工知能によって操縦される3種の機体が浮上してきた。候補には、消耗品から精巧なシステムまであり、自動車産業からヒントを得たモジュール設計機能を活用した消耗品扱いの機体も考えられる。
各コンセプトは米空軍の創設75周年を記念した空軍協会の年次会議「Air, Space and Cyber Conference」で展示された。
ノースロップ・グラマンのブースでは、SG-101のコンセプトモデルが展示され、同社の最新鋭機を紹介していた。ロッキード・マーチンは、スカンク・ワークスの「スピード・レーサー」コンセプトを展示した。これは消耗品波の安価な無人航空機システム(UAS)で、F-35と組み合わせた「プロジェクト・カレラ」というデモンストレーションが予定されている。
GA-ASI、クレイトス両社の幹部は、空軍長官フランク・ケンドールが構想するコラボレーティブ・コンバット・エアクラフト(CCA)への提案を初めて発表した。GA-ASIのガンビットGambitとクレイトスのデミゴルゴンDemigorgonは、キール、着陸装置、動力システム、ミッションコンピュータ、エイビオニクスを共有し、ミッションに応じ別の機体、翼、インレット、エンジン、積載物を統合する1万ポンドクラスのUASファミリーになる。
ボーイングブースでは、オーストラリア製MQ-28ゴーストバット Ghost Bat UASを画像展示した。MQ-28は、ミッションに応じて異なるペイロードに対応するために、機首に取り付けられたレドームを交換する。最後に、ノースカロライナ州の小企業であるBlue Force Technologiesは、人工知能(AI)操縦の敵航空プラットフォームとして実証するため製造中のFury UASを初めて展示した。フューリーは機首部分が取り外し可能で、各種ペイロードを搭載する。
各コンセプトは、空軍がCCAに何を求めるものを具体的に説明するには及ばないことから、宣伝されている。空軍は2024年度予算でCCAプログラムを開始する準備中だが、空軍上層部は、2030年代初めと期待する実戦配備までにAI操縦のCCAにどんな能力が可能になるか、全体機数または飛行隊あたり何機必要になるか正確に把握できていない。
こうした不確実性の中、ACC航空戦闘軍団(Air Combat Command)のトップ、マーク・ケリー大将Gen. Mark Kellyは、柔軟性を最大限に高める設計哲学の採用を業界関係者に助言している。
GA-ASIは10,000ポンド級のガンビットUASファミリーのスケッチを発表し、ミッションごとに異なるバリエーションが「コア」ハードウェアとアビオニクス・アーキテクチャを共有する。General Atomics Aeronautical Systems Inc.
Xバンドレーダーで飛行した次の日はジャマー任務で飛行できるCCAが望ましいとケリー大将は言う。また、積載量や航続距離で、より多くの能力を「ボルトオン」できる機体がほしいという。
「他に何もできないセンサーや、他に何もできないジャマーに縛り付けられたくない」とケリー大将は述べ、「『この大きさでなければならない、この距離でなければならない、この仕事をしなければならない、この価格でなければならない』といった条件で自分自身を縛り付けたまま、ゴールまで競争すれば、間違いに気付くかもしれない」。
その代わりに、空軍はCCA開発で反復アプローチを好み、AI操縦システムの能力が理解され、急速に進化し続ける中で適応できる航空機設計を重要視する。
空軍指導部は、CCAプログラムのビジネスケースを開発中で、要求が航空機タイプ一機種なのか、複数機からなるファミリーなのかも決定していない。
空軍省の取得・技術・兵站担当次官補アンドリュー・ハンターAndrew Hunter, assistant secretary of the Air Force for acquisition, technology and logisticは、会議席上で記者団に対し、「時間をかけて解明していく」と述べた。
一方、空軍は、有人戦闘機とのチームとして任務を遂行するなど、CCAを実戦配備する際の非技術的障害への対処が必要とも理解している。空軍はGA-ASIのMQ-9AとノースロップのRQ-4B UASを数十年にわたり運用しているが、ほとんどは単独で運用されている。だがCCAは戦闘時に有人戦闘機や爆撃機と直接リンクする。
「無人航空機に関しては、文化的な障壁を克服するため、強力なリーダーシップのサポートが必要と言えるでしょう」と、ハンターは言う。
ACCは、AI操縦機をまず敵航空(ADAIR)プラットフォームとして導入することで、文化的な問題に対処する。2021年3月、Blue Force Technologiesは、バンディットプログラムとも呼ばれるADAIR--Unmanned Experimental(ADAIR-UX)デモンストレーション用に4機のフューリーの製造が決まった。実証実験が成功すれば、後続の生産プログラムもあり得る。
ADAIR-UXの目標は、空軍パイロットが比較的安全な環境で、同じ空域でAI操縦機と快適に操作できるようにすることだ。例えば、ネバダ州ネリス空軍基地での敵航空ミッションは、高度なまで制限された空域内で行われ、航空機は指定された空域のブロック内で目視範囲外での迎撃でーゲット」の役割を担う。人間のパイロットがAI操縦のUASの挙動や能力に慣れてくれば、共同チームとして戦闘訓練ミッションを実施できるようになるかもしれない。
ADAIR-UXのコンセプトをACCに提案したBlue Force Technologiesは、中小企業向けイノベーション研究プロジェクトの一環として、生産プログラム競争に参加するが、おそらくはるかに大きな企業との競争に直面することになるだろう。
GA-ASIの先進プログラム担当テクニカル・ディレクターであるマイケル・アトウッドMichael Atwoodは、Aviation Weekに対し、同社はGambitシリーズの新型UASでADAIR-UXの生産受注に「非常に興味がある」と語った。Kratos Unmanned Systems Division社長スティーブ・フェンドレイSteve Fendleyは、同社が 10,000 ポンド級の Demigorgon UAS を同プログラムに投入すると Aviation Week に語った。■
AI-Piloted Concepts Emerge As U.S. Air Force Ponders Options | Aviation Week Network
Steve Trimble September 23, 2022
Steve covers military aviation, missiles and space for the Aviation Week Network, based in Washington DC.
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