2月に行われた合同演習「ノーブルフュージョン」で、前方展開水陸両用強襲揚陸艦「アメリカ」に乗り込む第7遠征打撃群司令官クリス・エングダール少将。(MC3 Matthew Cavenaile/Navy)
米海軍と海兵隊は、インド太平洋地域における水陸両用部隊と危機対応部隊の指揮統制の合理化で協力し、新しい海上コンセプトと技術の実験のため任務部隊を創設した。
タスクフォース76/3は、太平洋における将来の海軍作戦がどうあるべきかの理解をめざす1年以上の活動に先立ち、海軍遠征打撃群7と第3海兵遠征旅団の幕僚を融合させた。
この動きは、2016年に米中央軍に統合スタッフが誕生し、今春、欧州の水陸両用作戦と偵察・対偵察演習のためにブルーグリーン部隊を統合するタスクフォース61海軍水陸両用軍ヨーロッパ/第2海兵師団が発足したのと同様だ。
「両軍の幕僚を統合することは、理にかなっている」と海軍のニュースリリースで、タスクフォース 76/3 の司令官デレク・トリンク Derek Trinque 少将は、「この地域に適したアイデアです」と述べた。「海軍=海兵隊チームの司令部は、インド太平洋の重要な海洋地形において、最も有能かつ最も準備の整った部隊を司令官に提供できます」。
トリンクとタスクフォース76/3副司令官のフリドリック・フリドリクソン海兵隊准将Marine Corps Brig. Gen. Fridrik Fridrikssonによると、タスクフォース76/3の目的は、人道的・災害対応から高強度紛争まで、あらゆる作戦に対応できるよう部隊を準備することにある。
「艦船から海岸へ、そして再び海岸へ、航空機の監視など、あらゆることを迅速に行うことができる」と、フリドリクソンは月曜日に記者団に語った。「これが私たちに期待されている実験です」。
これまで第7遠征打撃群と第3海兵遠征旅団は、海上では一緒に展開するものの、作戦立案担当、情報部門、兵站部門、通信・IT部門など、独自の幕僚を持っていた。
これがLスタッフ(沿岸作戦のL)として統合され、各軍の最高の人材で実践されることになった。
トリンク少将は記者団に、「これまでは別々の視点で物事を捉え、別々の指揮系統に報告書を送っていたが、これからは才能をプールし、情報をよりよく活用する」と述べた。
太平洋地域の海兵隊指導部は、「通信システム、兵站システム、作戦、あらゆる新兵器や技術など、あらゆるものを検討し、統合任務部隊の力を十分に発揮し、どのように活用するか」を確認したかったと、フリドリクソン准将は述べている。
タスクフォースは10月1日、ノーブルフュージョン22.2演習の一環として、統合コンセプトを初めて試す機会を得る。さらに、第3海兵師団を支援し、10月3日にフィリピン近海でカマンダグ演習に参加するほか、今秋はその他演習や実戦的な作戦を展開する。
トリンク少将は記者団に対し、「演習は多くのことを予見し、計画することができる場所だ」と語った。しかし、「確かに、実戦的な作戦となれば、別々に物事に当たるつもりはない。今回の活動の間、ずっと一緒にいるつもりだ。最終的には、より統合された海軍力が実現します」。
タスクフォースの試行期間は、2023年夏までとされている。その後、海軍、海兵隊、国防総省の幹部が、得られた教訓と今後の進め方についてフィードバックを受けることになる。
タスクフォースの設置は、時事問題に対応したものではなく、カルロス・デル・トロ海軍長官とマイケル・ギルデー海軍作戦部長からの海軍と海兵隊の即応性と統合を促進するよう指示に沿ったものだと、トリンクとフリドリクソン両名は述べている。
「海軍と海兵隊のチームは、多様な能力を持っている」とトリンク少将は記者団に語った。「人道支援や災害対応から大規模戦闘に至るまで、能力を発揮するまで長いタイムラグが生じるのは許されない。必要となるときに備えて、準備をしておくのがわれわれの責任です」。
この観点から、チームは陸上での指揮統制の拠点として統合沿岸戦センター(Integrated Littoral Warfare Center)を立ち上げた。トリンク、フリドリクソン両名と幕僚は、そこで指揮統制と通信システムを確立し、地域を監視し、必要に応じ戦力投入することになる。
日本に拠点を置く第7遠征打撃群は、沖縄のホワイトビーチと佐世保にスタッフがおり、第7艦隊旗艦である揚陸指揮統制艦ブルーリッジと、水陸両用飛行隊11を含む。
第3海兵遠征旅団は、沖縄のキャンプ・コートニーに本部を置き、太平洋における危機対応を行う空と陸の部隊で構成されている。■
Navy, Marine Corps test new naval integration concepts in 7th Fleet
By Diana Stancy Correll and Megan Eckstein
Sep 28, 06:51 AM
Megan Eckstein is the naval warfare reporter at Defense News. She has covered military news since 2009, with a focus on U.S. Navy and Marine Corps operations, acquisition programs and budgets. She has reported from four geographic fleets and is happiest when she’s filing stories from a ship. Megan is a University of Maryland alumna.
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