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ウクライナ戦 ドイツが防空装備IRIS-Tの引き渡しを早めると表明。その他最新状況(10月10日現在)

 

Ukraine Situation Report: German IRIS-T SLM Air Defense System Arriving In Days

Diehl Defense

 

月曜日のロシアのミサイルとドローンによる民間標的への大規模攻撃を受け、ウクライナは、防空システム改善が必要な証明になったと述べている

 

 

クライナ各都市へのミサイルとドローンの大規模連射に反応して、ドイツの防衛大臣は、約束されたIRIS-T SLM地対空ミサイルシステム4基うちの最初のものは、「数日間」以内にウクライナに到着すると述べた。

 「キーウなど都市へのロケット砲撃は、ウクライナに防空システムを迅速に提供することがいかに重要であるか明らかにしている」とドイツのクリスティーヌ・ランブレヒトChristine Lambrecht防衛大臣は声明で述べた。「ロシアのミサイルやドローン攻撃は、民間人を恐怖に陥れるものです。そのため、対空兵器で支援していきます。数日後には、ウクライナ国民を効果的に守るため、最新鋭装備4基のうち最初のものが送付される予定です」。

 製造元のDiehl Defence社によると、システムの中心となる地上発射型IRIS-T SLM誘導弾は、約12マイル以上の高度で最大約25マイル先の標的を攻撃できる。これで、主要な人口密集地のような重要地点の周辺に短中距離防空を提供できる。ウクライナは、ロシアによる航空優勢を防ぐために、ソ連時代の老朽化した防空兵器を効果的に使用しているが、これで必要な能力を追加することができる。

 

ドイツはIRIS-T SLM防空システムを 「数日間」でウクライナに引き渡すと約束した。(Diehl Defence photo).

 

6月、オラフ・ショルツ首相Chancellor Olaf Scholzは、最新の防空システムであるIRIS-T SLMシステムをウクライナに送ることを発表した。

 ドイツのニュースサイトDWによると、ショルツ首相はドイツ議会での演説で、「政府は、ドイツが保有する最新の防空システムIRIS-Tシステムを提供することを決定した」と述べた。「これにより、ウクライナ政府はロシアのミサイル攻撃から都市全体を守ることができるようになる」。

 

ロシアがウクライナ都市にミサイルを大量に発射したことを受け、ドイツは約束していたIRIS-T SLM防空システム4基のうち最初のものを「数日間」以内に納入する。 (Diehl Defence photo)

 

IRIS-T SLミサイルは、AMRAAM-ER(for Extended Range)ミサイルと、NASAMS(National Advanced Surface-to-Air Missile System)の新バージョンでも使用できる。後者は、AIM-120C-7弾頭とシーカーに、レイセオンのRIM-162 Evolved Sea Sparrow Missile(ESSM)のモーターを追加したものだ。NASAMSのベースとなるミサイルは、戦闘機から発射されるのと同じAIM-120 AMRAAM。AMRAAMを選択肢の1つとして持つことで、NATO諸国はじめとする各国が、自国のAIM-120、特に旧型のAIM-120A/Bをウクライナに提供できる可能性を意味する。さらに、NASAMSは短射程AIM-9Xサイドワインダーミサイルを装備できるようになった。いずれにせよ、IRIS-T SLMとNASAMSは巡航ミサイルの脅威に対処する能力を備えているが、限界は残ったままだ。

 ドイツは、ウクライナに十分な量の武器を迅速に提供できていないと批判を受けている。特に、ウクライナへのLeopard 1または2シリーズ戦車の譲渡を承認していなが、それでも相当量の武器を提供していると、Oryx OSINT研究グループは述べている。「一般認識と異なり、ドイツはロシア軍との戦いにおいてウクライナを支援するため、相当量の武器や装備を提供している」とオリックスのスティン・ミッツァーとヨースト・オリーマンが先月の評価で述べている。

 オリックスによれば、ウクライナに提供されたドイツ支援物資には、ゲパルト自走高射砲30門、MARS II多連装ロケットランチャー(M270多連装ロケットシステムのドイツ固有の派生型)3基、155mmPzH 2000自走榴弾砲10門と誘導砲弾、スティンガーとストレラ携帯型防空システム(マンパッド)3200個、パンツァーファウスト3およびRWG 90 MATADOR対歩兵武器1万個近くが含まれている。

 さらに、ドイツはウクライナに「数百台の車両、弾薬約2200万発、28000個のヘルメットやMiG-29フルクラム戦闘機の予備部品を含むその他多数」を提供してきた。これらの納入は、さらに4台のPzH 2000と2台のM270(MARS II)、4台のIRIS-T SLM SAMバッテリー、20台のレーザー誘導ロケットシステム、43台の偵察用UAV、最大20隻の無人船舶に続くものだとオリックスは指摘する。「ベルリンはまた、ウクライナの安全保障能力構築基金に少なくとも20億ユーロ(19億4000万ドル)を拠出し、ウクライナ政府は、ドイツの兵器メーカーKrauss-Maffei Wegmannからさらに100台のPzH 2000と18台のRCH-155 SPGを含む他国提供の兵器を購入することができる」。

 ドイツは、月曜日の攻撃で、さらに動機を得たかもしれない。キーウのドイツ領事館が攻撃されたようだからだ。

 

最新情報 

月曜の朝、キーウへの大規模なミサイルとドローンによる攻撃を受け、プーチンはロシアのテレビに出演し、テロ行為」と呼んだケルチ橋攻撃のような行為をウクライナが今後行えばどうなるかとの警告であり、「。

 ロシア連邦安全保障会議のドミトリー・メドベージェフDmitry Medvedev副議長は、「ロシアに直接的な脅威を与える」ウクライナの政治体制を「完全解体する」必要性を発表した。

 「ナチスの政治体制を持つ現在のウクライナ国家は、ロシアに対して常に、直接かつ明確な脅威を与えている。したがって、国民を守り、国境を守ることに加えて、今後の行動の目標は、ウクライナの政治体制の完全な解体であるべきだ」と、メドベージェフは書いていると、ロシアの国営メディアTASSは伝えている。

 ウクライナ参謀本部は最新の発表で、20箇所以上の都市や町を襲ったロシアのミサイルやドローン攻撃で、未集計の民間人が死亡したと報告した。

 「1日の間に、占領軍は84回以上のミサイル攻撃と空爆を行った。敵は空、海、陸上の巡航ミサイル、弾道ミサイル、対空誘導ミサイル、(イランが設計した)シャヘド136型の偵察・攻撃用無人機を使用した」。

 ウクライナ当局は、このうち約半数を撃墜したと主張しているが、The War Zoneは数字を独自に確認できていない。

 ゼレンスキー大統領は反抗的な態度を崩さず、キーウから今回の攻撃に対処した。

 「現在、国中で復旧作業が進んでている」とゼレンスキー大統領。「本日のロシアのテロ攻撃で損害を受けたすべての物を修復する。時間の問題だ。今日参加した空軍と陸軍の部隊に感謝する。ウクライナは脅迫されることはない」。

 攻撃はウクライナ各地の多くのエネルギー関連施設を襲ったため、政府は住民に節電を呼びかけている。例えば、西部の都市リヴィウの大部分は停電している。

 それでも、大統領同様、リヴィウ住民たちは屈していない。

 プーチン大統領自慢のケルチ橋が炎上したことへの報復だが、ウクライナ首都にある歩行者専用橋は、ミサイルがその下に直撃したにもかかわらず、無傷のままだった--明らかに失敗だ。

 キーウを攻撃した巡航ミサイルを撮影したビデオでは、攻撃の最終段階でミサイルが飛び出し、急降下する様子が映し出されている。https://twitter.com/i/status/1579465601231507457

 

 この攻撃で死者多数が出た一方で、ドニプロの運転手のようにギリギリで大怪我を免れた人もいる。

 幸運といえば、ロシアの巡航ミサイルを撃ち落としたとされる、イグラ型MANPADSとみられるウクライナ兵の射撃は、幸運な一発だったようだ。現在、The War Zoneは、この兵士が実際に何を撃ったのか、出回っている基本的な主張以上のものを確認することはできない。

 今日のロシアの巡航ミサイル乱射は、ジョー・バイデン米国大統領を含む世界の指導者たちに広く非難され、攻撃は「民間人を殺傷し、軍事的目的でない目標を破壊した」と糾弾している。

 これとは別に、ウクライナのオレクシイ・レズニコフ国防相Defense Minister Oleksii Reznikovは、「泥棒、強姦者、殺人者として記憶されるだろう」と述べたロシア軍に降伏を再び促した。

 キーウにいるウクライナの防衛専門家は、ミサイルとドローンの乱射は、ウクライナが防空設備の改善を必要としていることの証しであると語った。ゼレンスキー大統領の顧問であるミハイロ・ポドリャクは、この弾幕の後、新しい防空・ミサイル防衛システムを3つの要求の中に含め、感情を増幅した。

 このため、ゼレンスキー大統領は自身のテレグラム・チャンネルで、バイデンと「生産的な会話」をしたと明かした。「主な話題は防空でした。現在、これが我々の防衛協力の優先順位のナンバー1だ」。

 ホワイトハウス公式発表では、バイデンはウクライナに「先進的な防空システム」を提供すると発言している。発表には、該当システムについて追加的な詳細は言及がない。

 これまでのところ、イスラエルからの援助はなく、このことでキーウ政府が不愉快になっていると伝えられている。エコノミスト誌の記者で作家のアンシェル・ペフェフェルによれば、ウクライナの匿名当局者は、防空システムで世界をリードする同国が、イランの無人機への対抗では助言以上はしてくれないのか疑問に思っているという。

 一方、プーチンがウクライナの民間人や電力インフラに復讐心を燃やすきっかけとなったケルチ橋攻撃で、被害を受けた列車区間の状態は、最良でも不安定なままのようだ。

https://twitter.com/i/status/1579544919794159618

 

 ロシアは、ミサイルとドローンによる攻撃は先週のケルチ橋攻撃に対応するものと言ったが、ウクライナ国防情報総局(GUR)は、ロシアが「10月初めから」ウクライナの首都とインフラへのミサイル攻撃を計画していたと公式テレグラムチャンネルで発表した。

 「ウクライナの軍事情報によると、ロシア占領軍はクレムリンから指示を受け、10月2日と3日にウクライナの民間インフラへの大規模ミサイル攻撃を準備したという。戦略・長距離航空の軍部隊は、大規模ミサイル攻撃の準備をするよう命令を受けた。重要な市民インフラの対象物と人口密度の高いウクライナ都市の中心部が標的に特定された」。

 ウクライナの都市や町への空からの弾幕が注目されているが、猛烈な地上戦も続いている。

ロシアは、「一時的に占領した領土を保持しようと、我が軍の陣地を砲撃し、特定の方向で国防軍の活発な行動を妨害する試みに力を注いでおり、バクムートとアブディフ方向で攻撃行動を実施している」とウクライナ軍参謀本部はテレグラムチャンネルで発表した。

 しかしロシア国防省は、ウクライナ軍がルガンスクのリマン付近の「マケイブカとレイゴロドク付近のゼレベツ川を渡ろうとする試みは失敗した」と発表している。

 戦争研究所Institute for The Study of Warは、最新評価で、ウクライナは前進中と述べ次のような重要なポイントを提示した。

  • ウクライナ軍はオスキル川東側でルハンスク州の方向に前進を続け、ステルマキフカ(スヴァトヴェの西約11マイル)に進入した。ロシア軍は、ハリコフ州とロシア国境のブルダカと、ライマンの北東にあるテルニーで攻撃を開始したが、失敗に終わった。

  • ロシア情報筋によると、ロシア軍はTernovi Pody(ケルソン市の北西約19マイル)の方角で攻撃を試みたという。ウクライナ情報筋によると、ロシア軍は、ケルソン州北部の解放されたばかりの集落を砲兵隊、MLRS、航空隊で狙い続けている。

  • ウクライナ情報筋によると、ウクライナ軍はバフムトとアヴディフカ地区で30回以上の攻撃を撃退した。ロシア軍は、ドネツク市南西で攻撃を開始したものの失敗した。

  • ロシア軍は、ザポリジア市の住宅地を巡航ミサイルで攻撃した。

  • ロシアのミルブロガーは、北オセチアとウラジカフカズが、不注意と地方公務員の個人的な利益のために動員命令を履行しなかったと非難している。

  • ウクライナ情報筋は、ロシア占領当局がケルソン州からクリミアへ、スタロビルスク市からルハンスク市へ家族を移動させていると報じた。

 英国防省は、ウクライナ南部と東部の紛争地域を示し、評価も提示した。

 ロシア軍が地雷を踏んだとされる映像が示すように、戦場からはぞっとするような映像がまだ出てきている。

 また、ドネツク州のバフムートでは、血みどろの戦いが続いている。

 

一方、ウクライナは、比較的珍しいKAMAZ-43269「Vystrel」装甲兵員輸送車のように、鹵獲したロシア製兵器のコレクションを増やし続けている。KAMAZ-43269はBPM-97とも呼ばれ、30mm砲搭載のBM-30D砲塔を備えた希少なバージョンの登場により、先週は核兵器による挑発が近いのではないかとの憶測を呼んでいた。しかし、今のところ、そのような懸念を裏付ける具体的な証拠は何も出てきていない。■

 

Ukraine Situation Report: German IRIS-T SLM Air Defense System Arriving In Days

 

BYHOWARD ALTMAN| PUBLISHED OCT 10, 2022 7:22 PM

THE WAR ZONE

 



コメント

  1. 10年ほど前にIRIS-Tそっくりのドイツ製SAMが最高速度マッハ6出せると書いた本を読んだ覚えがあります。
    あの記事がガチだったのか証明されるのか?

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