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2022年上半期のスクランブル回数増加に空母遼寧の活動が寄与していた。統合幕僚監部発表より。

 


2022年5月20日、中国空母「遼寧」(16)から離陸する人民解放軍海軍の空母戦闘機J-15。Japanese MoD Photo

衛省によると、4月から9月の半年間で、航空自衛隊は中国とロシアからの威嚇機を迎撃するため計446回スクランブルをかけた。

迎撃機の多くは、人民解放軍海軍航空母艦CNS遼寧(16)の航空団に所属機だった。

防衛省統合幕僚監部(JSO)が1日発表した2022年度上半期の航空自衛隊の戦闘機スクランブル回数446回で、これに対し前年同期は390回だった。

スクランブルの大部分は中国機が対象で、全体の76%にあたる340回だった。2022年度上半期の中国機へのスクランブルも、前年同時期の合計281回から59回増加した。

航空自衛隊の迎撃を促した中国とロシアの戦闘機の飛行経路。Japanese MoD Image

浜田靖一防衛大臣は先週の記者会見で、中国機に対するスクランブルの回数は近年と比べ増加し、防衛省は今後も中国機の活動を注意深く監視していくと述べた。

2022年度上半期のスクランブル回数中でロシア機は95回で、2021年度上半期の合計102回から減少、2022年度上半期の残りの11回はその他としてまとめられ、詳細は不明。

リリースの付録では、航空自衛隊の航空機がスクランブルを起こした事象がある具体的な事案を20日分挙げている。そのうち11日は、5月3日から5月15日にかけ遼寧から発進したJ-15戦闘機に対応するスクランブルだった。遼寧空母打撃群はこの時期、日本周辺で訓練を実施し、当時の岸信夫防衛相は、遼寧からの戦闘機やヘリコプターが日本周辺で100回以上発艦したと述べている。同空母は当時、台湾に近い係争中の尖閣諸島付近で主に活動していた。

ロシア事案の掲載は2日間だけだった。うち1日は5月24日で、中国のH-6爆撃機4機とロシアのTu-95爆撃機2機による露中共同爆撃機飛行が日本海から東シナ海を経て太平洋に飛び、同じ経路で戻ってきた。同日、ロシアのIL-20偵察機が日本海上空を飛行した。2回目は6月7日で、推定4機のロシア機が日本海上空を飛行した。残りの7日間は、中国の爆撃機、偵察機、ドローンの飛行が混在していた。

2021年12月配備の中国空母「遼寧」(16)から離陸する人民解放軍海軍のJ-15空母戦闘機 PLAN Photo

JSO発表によると、2022年度上半期の航空自衛隊の航空地区ごとのスクランブルの内訳は、北部航空地区が70件、中部航空地区が9件、西部航空地区が58件、南西部航空地区が309件だった。中国とロシアの航空機の飛行パターンを示した地図では、中国機は主に西南日本周辺、日本が管理する係争中の尖閣諸島付近、宮古海峡を飛行し、ロシア機は日本の北方、日本海沿い、南西、宮古海峡を飛行していることが示された。

ロシアと中国の艦船は先週、日本の海峡を通過し、JSOは宮古島の北105マイルの海域で10月10日にPLANの駆逐艦が南下するのを目撃したとのニュースリリースを発表した。日本はそのPLANの艦船をCNS太原 Taiyuan (131)と確認した。同駆逐艦はその後、宮古海峡を南東に航行し、太平洋に出た。海上自衛隊の駆逐艦「いなづま」(DD-105)、補給艦「おうみ」(AOE-426)、海上自衛隊鹿屋基地所属の第1航空団所属のP-1海上哨戒機、那覇基地第5航空団所属の P-3C オライオンMPAがPLAN艦艇を追尾したと発表された。

金曜日にJSO発表のニュースリリースでは、ロシアのコルベットとゴーリン級タグボートが宗谷岬東 100マイルの海域を西に航行しているのを目撃している。艦番号と画像から、コルベットは RFS MPK-82 (375)と判明した。ロシア艦2隻はその後、宗谷海峡を西進し、海上自衛隊の高速艇「くまたか」(PG-827)と海上自衛隊八戸基地所属の第2航空団のP-3Cオライオンが監視した。■

Chinese Aircraft Carrier Deployment Prompted Record Japanese Fighter Scrambles - USNI News

By: Dzirhan Mahadzir

October 17, 2022 4:33 PM


About Dzirhan Mahadzir

Dzirhan Mahadzir is a freelance defense journalist and analyst based in Kuala Lumpur Malaysia. Among the publications he has written for and currently writes for since 1998 includes Defence Review Asia, Jane’s Defence Weekly, Navy International, International Defence Review, Asian Defence Journal, Defence Helicopter, Asian Military Review and the Asia-Pacific Defence Reporter


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