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ドローンが敵ドローンを破壊するウクライナの映像は、空戦史上初の無人装備同士の戦闘の姿を見せている
今年初めのロシアのウクライナ侵攻とそれに続く戦闘は、ある時は未来の戦争のあり方を示唆し、またある時は前時代の戦争を思い起こさせる、驚くべき映像を提供している。最新の映像には、クアッドコプター無人航空機(UAV)2機が戦う、至近距離での「決闘」が映っている。
わずか16秒のこの映像は、ソーシャルメディア上で広く公開され、多くのコメントを集めている。映像は、ウクライナ軍のUAV、中国製のDJI Mavicタイプのクアッドコプターが撮影したとされているが、映像から機種の詳細は分からない。ドローン搭載のカメラには、ロシア軍(または親ロシア軍)がコントロールするクアッドコプターらしきものが映っており、ウクライナUAVに接近してから衝突するように動き、その結果、少なくとも1枚の回転翼が失われ、地面に落下したようだ。映像は日付は不明だが、ウクライナ東部ドネツク上空で撮影されたものとされる。
この事件を「WW1スタイルの決闘」とか、ウクライナ無人機が「ロシアの相手を破壊した」という表現は、少し空想的すぎる。ロシアまたはウクライナのUAVのオペレーターがどの程度相手を倒そうとしていたかは不明だが、映像から見ると、ロシアのドローンがウクライナ機を倒そうとしていたとは考えにくい。しかも、少なくとも親ロシア側では、ドローン同士の空中戦戦術を開発している証拠もある。2機のドローンが単純に衝突し、たとえ至近距離で飛行していたとしても、偶発的な殺害につながる可能性は、特に今回入手した証拠映像に基づくと、やや低いように思われるが、不可能ではない。
いずれにせよ、空中戦では、敵を破壊するためには、「すべてが重要」だ。ウクライナの無人機オペレーターが意図的であろうとなかろうと、またこの無人機のどちらかが武装していようといまいと、結果は1機の(明らかにロシアの)無人機を破壊したことに変わりはない。
分かっている範囲で、実戦で空中でドローンが別のドローンに破壊される様子を撮影した映像は過去に例がない。史上初の出来事かもしれない。
しかし、空対空戦闘が新しい領域に入るのは、時間の問題だった。というのも、今、世界中でドローンに他のドローンを破壊する手段を与えようとする様々な開発が行われており、UAVとミサイルの定義を曖昧にしつつあるケースもある。ウクライナも、「ファウラー」と呼ばれる「迎撃用UAV」が開発されており、ネットを展開したり単純な衝突で敵ドローンを空中で破壊するのが任務だ。
ウクライナ紛争では、双方が監視と攻撃任務で小型無人機を多用している。多くの場合、これらのUAVに手榴弾や迫撃砲弾を「偽装」して敵軍や車両に投下し、驚くべき精度と壊滅的な結果を達成している。
あらゆるサイズの無人機が、戦場上空に配備されるようになっただけでなく、戦場外でも悪質な行為を行っている。こうした無人機が使用できる武器の選択肢が増えており、無人機はより危険な敵になった。そのため、低レベルのドローン防衛重点が置かれるようになってきた。
この形の脅威が進化し続ける中で、小型ドローンに対する最良の防御手段として、小型ドローンにスポットライトがあたるといわれてきた。そして、ウクライナ発の今回の映像は、予測が現実のものとなりつつあるのを示している。■
This Drone-Versus-Drone Kill In Ukraine Could Be An Air Combat First
BYTHOMAS NEWDICK|PUBLISHED OCT 13, 2022 2:15 PM
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