2025年2月3日月曜日

ロシア・中国が連携し、敵対国にサイバー攻撃を展開しているとマイクロソフトが指摘(The Hill)

 



シア、中国、イランが、サイバー犯罪ネットワークで連携して米国を含む敵対国にさまざまな攻撃を仕掛けていると、マイクロソフトは火曜日の報告書で述べた。

身代金を要求する不正プログラムからフィッシングまで、さまざまな攻撃は「スパイ行為、破壊、影響力」を目的としており、これらの国々と連携するサイバー犯罪集団がハッキングのツールや戦術を共有しているとマイクロソフトは新しいデジタル防衛レポートで述べている。火曜日に発表されたこのレポートは、2023年7月から2024年6月までのサイバー脅威を調査したものである。

影響操作では、イスラム革命防衛隊(IRGC)が昨年からサイバー上で別人になりすまし、盗んだイスラエルの出会い系ウェブサイトのデータを販売していたことがマイクロソフトの調査で判明した。

また別のケースでは、ロシアの脅威行為者が新しいマルウェアを使用し、サイバースパイ活動のを犯罪グループに委託しているように見えたと報告書は述べている。昨年6月には、少なくとも50台のウクライナ軍のデバイスが侵害され、ロシア政府の情報にアクセスしようとしたとみられる。

マイクロソフトは、これらのサイバー攻撃には11月の米国大統領選挙に影響を与える試みも含まれていたと発表した。ロシアは民主的機関への信頼を損なうことを目的としたさまざまな活動を継続しており、一方でイランと中国は過去1年間で影響力拡大キャンペーンをエスカレートさせてきた。

マイクロソフトによると、イランは、米国の有権者グループと関わるために、ニュース発信元を装ったウェブサイトネットワークを運営していた可能性が高い。これらのウェブサイトでは、米国の大統領候補者、イスラエルとハマスの戦争、LGBTQの権利に関する「極端なメッセージ」が掲載されていた。これらのサイトは、米国の実際の出版物の内容をコピーするために人工知能ツールを使用していたと報告書は述べている。

このテクノロジー企業は、不和を生み出し大統領選に影響を与えるために、中国が「秘密のソーシャルメディアネットワーク」を使用していると指摘した。ある事例では、イスラエル・ハマス戦争に関連した大学キャンパスでの抗議活動が増加する中、中国共産党とつながりのある人物がソーシャルメディア上で影響力を行使するキャンペーンを実施した。

実行犯は、抗議デモに関与している学生や保護者を装い、テレグラムに複数のアカウントを開設したとみられ、おそらくは抗議デモに関する対立を煽る意図があったとマイクロソフトは述べた。

ロシアに関しては、同国の影響工作は過去の選挙時よりも「遅いペース」であったものの、試みは依然として観察されたとマイクロソフトは指摘した。

「2024年を通して国家による活動が収束し、並行して行われたことは、敵対的な国家が米国の選挙や結果に影響を及ぼそうとする試みがいかに根強いものであるかを浮き彫りにしている」と報告書は述べている。「このまま放置すれば、米国の国家安全保障と民主主義の回復力にとって重大な課題となるだろう」

議員やテクノロジー業界は、外国による選挙干渉の試みについて繰り返し警鐘を鳴らしており、マイクロソフトの副会長兼社長であるブラッド・スミスもその一人だ。スミスは先月、2024年の選挙に影響を与えようとする外国勢力の「現実的かつ深刻な」脅威について証言しました。

「ドナルド・トランプとカマラ・ハリスによる大統領選が行われていることは周知の事実ですが、これは同時にイラン対トランプ、ロシア対ハリスの選挙でもあります」と、スミス氏は先月、外国による選挙干渉に関する上院情報特別委員会の公聴会に先立って発言しました。

司法省は先月、保守系企業テネット・メディアと提携し右派インフルエンサーを雇い、秘密裏に影響力キャンペーンを主導したとして、RTの従業員2名を起訴した。また、同省はロシアが秘密裏にキャンペーンを行うために使用していた30以上のウェブドメインを押収した。

その数日後、FacebookとInstagramの親会社であるMetaは、ロシアの国営メディアが「外国による干渉活動」を行ったことを受け、自社のソーシャルメディアプラットフォームからロシアの国営メディアを追放したと発表した。

今月初め、司法省はロシアの情報機関やその代理人がアメリカ人の情報を盗むために使用していたさらに数十のウェブドメインを押収した。■ 


Russia, China collaborating with criminal networks in cyberattacks against adversaries: Microsoft 

by Miranda Nazzaro - 10/15/24 12:40 PM ET

https://thehill.com/policy/technology/4934393-russia-china-iran-cyberattacks-report/


米海軍、海兵隊、DARPA、USSOCOMの水上機に関する進捗状況の最新情報(Naval News)―太平洋戦線の「距離の暴政」に対応する輸送能力の確保は大きな課題で輸送艦の建造では間に合わないのでこういう発想がでてきたのでしょう

 Progress Update on U.S. Navy, Marines, DARPA, and USSOCOM Seaplanes

オーロラ・フライト・サイエンシズによる「リバティ・リフター」翼付き地上効果水上機プログラムのコンセプト。 グラフィック:DARPA



2024年秋、本誌は、米海軍、海兵隊、DARPA、特殊作戦軍に対し、水上機プログラムの進捗状況に関する最新情報を問い合わせた。回答を得るまで数か月を要したが、米国の軍事機関は本誌に以下の情報を回答した


年にわたり、本誌は、水上での機動性を高める必要性から、水上で離着陸が可能な新型水上機の導入を目指す米国の取り組みを追ってきた。

 中国はすでに世界最大の水陸両用飛行艇を実用化しており、これは民生用であるものの、軍事利用も可能だ。

 米軍の水陸両用飛行艇の利点は明らかであり、現在、世界には日本の新明和US-2やカナダのCL-415などの水陸両用飛行艇がある。日本とカナダの水上機は、兵員や戦闘用ゴムボート(CRRC)を輸送することは可能だが、水陸両用車、ジェットスキー、小型ボート、または大型貨物を収容できるほど大きくはない。理論的には、米海軍が各機を必要とする可能性もある。

 本誌は、これらの水上機の構想やプログラムについて、以前にも取り上げています。

  • MC-130Jフロートプレーン(米国特殊作戦軍(USSOCOM)

  • REGENTシーグライダー(米海兵隊のプログラム

  • 「リバティ・リフター」(国防高等研究計画局(DARPA)

  • 米海軍の水上機プログラム


米国特殊作戦軍MC-130Jフロートプレーン

 米国特殊作戦軍(USSOCOM)のMC-130J「コマンドーII」フロートプレーンのコンセプトは、最もシンプルなアイデアの1つであるように思える。既存のロッキードMC-130J軍用ターボプロップ輸送機にポンツーンを取り付け、水上に浮くようにする。ポンツーン式着陸装置により、MC-130Jは理論上、海岸や滑走路に自力で乗り入れることができる。水上飛行機型には利点がある一方で、設計上の欠点もある。

 2024年10月23日、米特殊作戦軍(USSOCOM)の広報担当は次のようにコメントした。

「過去数年にわたり、米特殊作戦軍は産業界のパートナーと協力し、MC-130J水陸両用能力(MAC)のような先進的な探査エンジニアリングプロジェクトを含め、新技術を運用化する方法に関するデータ主導型のモデルを開発してきました。これは、必要に応じてさらに追求できる能力ですが、他の近代化優先事項に投資するため、当面は取り組みを中断しています。USSOOCOMは、米軍兵士と統合軍の要件をサポートする最善の方法を継続的に検討し、模索しています」。ティモシー・ブロンダー大佐、米太平洋軍固定翼航空プログラム担当プログラム執行責任者


MC-130Jフロートプレーンに関するコメント

Naval Newsは、戦略国際問題研究所(CSIS)の防衛・安全保障部門シニアアドバイザーであるマーク・カンシャンにコメントを求めた。カンシャン氏は2024年12月に電子メールで次のように回答した。「海軍が世界的な飛行場ネットワークを利用できるようになり、水上機は米国の在庫から姿を消した。水上での離着陸に伴うペナルティは、もはや支払う価値がないと判断されたのです。これは今でもほぼ真実です。しかし、3つの任務が、ニッチな能力として水上機を復活させるかもしれません。海兵隊の分散型作戦、長距離の海・空からの救助、特殊部隊の投入です。海兵隊は、沿岸部での分散型作戦を計画しており、そのための後方支援体制の構築に苦慮しています。水上機は、その解決策の一端を担うかもしれません。海軍は、大国間の競争において、1945年以来直面することのなかったような、艦船の大量損失の可能性に直面しています。最後に、SOCOMは、小型ボートやパラシュートよりも、より大規模で装備の整った部隊を長距離にわたって投入する方法を求めている。しかし、そのような航空機が在庫に加わったとしても、他の航空機がより効率的に、より幅広い気象条件下でほとんどの任務を遂行できるため、その数は限定的なものになるだろう。

 米国が、日本の新明和US-2のようなすぐに利用可能な水上機を調達しない理由を尋ねられたカンシアンは、「良い答えは持ち合わせていません。DARPAは、短期的なシステムよりも技術開発に興味を持っているのかもしれません。しかし、海兵隊はすぐにでも何かが必要なのです。C-130Jフロート機は既存のプラットフォームを使用できるという利点がありますが、このシステムは衰退しているようです…」

 ヘリテージ財団のアリソン国防安全保障センターで海軍戦術および先進技術のシニア研究員を務めるブレント・サドラーは、米特殊作戦軍が日本の新明和US-2の購入を見送った理由について次のように述べた。「私の理解では、少なくともUS-2の生産数は限られており、米国の購入による追加需要には対応に時間がかかる可能性がある」

米海兵隊のREGENTシーグライダー

Progress Update on U.S. Navy, Marines, DARPA, and USSOCOM SeaplanesREGENT Seagliderは、12人の海兵隊員と2人の乗組員を輸送できる全電気推進プロペラ式ハイドロフォイル水上飛行機です。画像:REGENT

米国海兵隊(USMC)は、補給物資の再供給任務にREGENT Seagliderを導入する計画であり、2023年10月18日に海兵隊員にSeagliderを実演するために475万ドルの契約を締結した。

REGENT社によると、シーグライダーは、水上翼船で、翼を接地させた状態で航行する水上機だ。シーグライダーは、沿岸域における高速、低コスト、低被探知性、滑走路不要の機動性という米国防総省の認識されているギャップに対応し、兵員および貨物輸送、遠征先での前進基地運用、通信など、さまざまな任務を遂行する。REGENT社のViceroyシーグライダーは、12人の乗客または3500ポンドのペイロードを搭載でき、1回の充電で最大180マイルの航続が可能。

 本誌は、米海兵隊のシーグライダー・プログラムの現状について問い合わせたところ、2024年11月15日に、コミュニケーション戦略・運用、戦闘開発・統合の広報担当者から次のような回答を得た。

「海兵隊戦闘研究所(MCWL)は現在、ウィング・イン・グラウンド(WIG)効果を利用して高速の海上後方支援輸送を実現する海上プロトタイプの予備調査を実施しています。WIG船は、国際海事機関(IMO)が定めた規則や規制により、航空機ではなく船舶として認定される一方で、高速(100ノット以上)を実現するという独自の能力を備えています。MCWLは現在、WIGグランドエフェクトでのみ運用可能で、航空機としての二重認証を受けていないタイプAのWIG航空機のみを検討しています。水上飛行機は航空機プラットフォームに分類され、WIG車両は船舶に分類されます」。 

 24会計年度にMCWLは、REGENTとその他の取引契約(OTA)を締結し、国防および商業用途の両方に向けて開発中の同社の全電気式ハイドロフォイル「シーグライダー」のさらなる調査を行った。約500万ドルの契約で、沿岸地域における医療搬送と補給のための革新的なソリューションを提供するために、ハイドロフォイル付きのシーグライダーの試験を行う予定だ。このプログラムの目標は、船体、フォイル、翼搭載の各動作モードにおけるシーグライダーの能力を検証し、リスク低減と船舶レベルの認証要件を明らかにし、機動および輸送作業を含む軍事作戦における車両の潜在的可能性を理解することにある。実物大のプロトタイプの技術デモンストレーションは、2025年度に実施される予定だ。

 MCWLは現在、軍事補給用の水上機を調査していないが、水上機は歴史上の紛争において非常に重要な役割を果たしており、今後も調査対象として有力な技術であり続けるだろう。


米海兵隊戦闘開発統合部隊の広報担当、2024年11月

DARPAの「リバティ・リフター」ウィング・イン・グラウンド・エフェクト貨物水上機

Naval Newsは、国防高等研究計画局(DARPA)の「リバティ・リフター」について、こちらで取り上げた。本誌は2022年6月に、「「リバティ・リフター」のDARPA Xプレーン要件の1つは、総重量67,500ポンド(30,617キログラム)または33.75トンである米海兵隊の装甲水陸両用戦闘車両(ACV)2台を輸送することである」と述べていた。 「リバティ・リフター」が2台のACVを運搬するの要件により、車両の貨物重量は合計で約67.5トンとなる。この運搬重量は、DARPAのWIG貨物機が当初評価した100トン超よりも小さいものの、C-17の貨物重量約72.6トン(16万ポンド)とほぼ同じだ。

 本誌は「Liberty Lifter」の最新情報を得るためにDARPAに問い合わせ、DARPAから回答があった。2024年10月10日、DARPAの「Liberty Lifter」プログラムマネージャーであるクリストファー・ケント博士は、以下の回答を寄せた。

Naval News:米国防総省および国防高等研究計画局(DARPA)は、水上飛行機の導入を真剣に検討しているのでしょうか?その理由は何ですか?

DARPA:「国防総省が現在および近い将来に抱える任務を考慮すると、水上飛行機が適している任務は数多くあります。 沿岸地域における人員および物資の高速輸送、捜索救助などがその例です。

 DARPAの観点から言えば、この技術の実証と実用化に真剣に取り組んでいる。リバティ・リフターは、潜在的な費用対効果の高い生産と実用化を実現する技術を活用し、C-130型機程度のXプレーンを設計、製造、浮揚、飛行させるための戦略的投資を行っている。

 リバティ・リフターのような長距離、滑走路、港湾インフラに依存しない装備品は、紛争が発生した場合の太平洋沿岸での作戦を成功させるために不可欠だ。西太平洋の多くの島々では、遠隔地であること、滑走路がないこと、港湾がないことなどから、従来の物流支援はほぼ不可能だ。たとえ適した港湾があっても、時間的制約のある環境では、太平洋を越えて物資を輸送するのにかかる時間は容認できない。

 リバティ・リフターの大きな貨物積載能力と柔軟な運用性は、人道支援/災害救援ミッションや海上での多数の負傷者への対応に最適な設計となっています。現在、迅速に現場に到着し、広大な海洋で多数の人員を救助できるプラットフォームは存在しない。

Naval News: 2024年秋時点で、水上飛行機に対する資金提供やプログラム要件はありますか? ある場合、その理由は何ですか?

DARPA: 「DARPAリバティ・リフターのデモンストレーション・プログラムは、完了まで資金提供されます。実際のプログラム要件については、この役割はDARPAにはありませんが、DARPAは国防総省の関係者と協力し、潜在的な水上飛行機のプログラム・オブ・レコード(記録)に必要なミッションのニーズと能力を定義するための研究を行っています。DARPAの見解では、リバティー・リフターをベースとしたプラットフォームは、海上での多数の死傷者への対応、人員回収、遠征環境における後方支援、滑走路に依存しない航空機など、国防総省の複数の能力ギャップに対処する可能性を秘めています。

Naval News:新型水上機に関して、DARPAや他の軍部隊で進展はありましたか?

DARPA:「DARPAは、詳細設計と実証計画を含む、2015会計年度におけるプログラムの次のフェーズへの移行を目標としています。

Naval News: 日本の新明和US-2のような外国製水上機を購入しないのはなぜですか?

DARPA:「US-2のような既存の水上機は、海上での捜索救助能力をある程度提供できるギャップフィラーとして役立つ可能性がある。しかし、航続距離、貨物搭載能力、取得および運用コストにおける現在の水上機の限界は、リバティー・リフターのような大型で、目的に特化したプラットフォームによって対処できる、重大な課題である。

Naval News: DARPAの新型水上飛行機はいつごろ就役し、どのような形態になるのでしょうか?

DARPA: 「DARPAの『リバティー・リフター』Xプレーン実証機は、2029会計年度に飛行する予定です。DARPAの実証プログラムが完了した後、Xプレーンは後続の実証プログラム用に軍に提供されます。デモンストレーションキャンペーンが成功すれば、リバティ・リフターのコンセプトの軍事的有用性を評価することが可能となり、リバティ・リフター・プログラムから得られた教訓は、国防総省の要件開発と、潜在的な後続のプログラム・オブ・レコード(記録上のプログラム)のための取得戦略に役立つでしょう。


米海軍の水上機プログラム

水上機に関する多くの宣伝やプログラムがあるが、表向きには、顧客は米海軍となる。Naval Newsは、水上機のプログラムに関する最新情報を得るために米海軍に問い合わせた。海軍航空システム司令部(NAVAIR)にメールで問い合わせたところ、2024年9月16日、米海軍のNAVAIR報道官は電話で「水上機の要件はない」と述べた。これは、米海軍が水上機のプログラムに積極的に関与していないことを意味する。

 ヘリテージ財団の上級研究員であるブレント・サドラーは、2024年12月9日付の『Naval News』に対し、水上機について次のように述べている。

「水上機に関する考えをいくつか述べたい。

1. 紛争や自然災害により、遠隔地や損傷した飛行場へのアクセスが困難な場合、水上機は現代の軍や沿岸警備隊にとって価値ある選択肢となる。

2. 環境やコストの問題により、小規模な島嶼コミュニティを世界貿易や危機対応に接続することが困難な場合、水上飛行機は理想的な選択肢となる。

3. 日本はさまざまな用途で水上飛行機を運用しており、私は横須賀を拠点とする第7艦隊の少尉およびスタッフとして、その多くを直接目にした。米国は、まず太平洋諸島で、そして太平洋諸島の中でこの能力を活用するために投資すべき時が来た。


Progress Update on U.S. Navy, Marines, DARPA, and USSOCOM Seaplanes

Peter Ong  14 Jan 2025

https://www.navalnews.com/event-news/sna-2025/2025/01/progress-update-on-u-s-navy-marines-darpa-and-ussocom-seaplanes/


「犠牲者が大量に出る」:戦争に備えるパナマ(POLITICO)―トランプの発言の表層ばかりとりあげるメディアも真意は理解できていません。地政学上の課題から中国のプレゼンスを排除したい米国はパナマ共和国の立て直しをサポートすべきではないでしょうか

 


パナマ運河を通過する中国コンテナ船の船員が中国・パナマ両国の国旗を手にしていた Dec. 3, 2018. | Luis Acosta/AFP via Getty Images



マルコ・ルビオ国務長官の初外遊を前に、現地パナマシティで取材しパナマの声を拾った


ルコ・ルビオの週末のパナマ訪問は、差し迫った問題のヒントとなるだろう。それは、今後4年間の米政策が、帝国主義的な征服に近づくのか、それとも不動産取引のような交渉に近づくのか、という問題だ。

 現地では、国内の政治エリートたちが、どちらにも備えている。先月、パナマ運河を巡る緊張が高まる中、パナマのエルネスト・ペレス・バラダレス前大統領は銀行ビルの10階にある自室で、最悪のシナリオ、つまり米国による侵攻を想定していた。「我々の側には多くの犠牲者が出るだろう。そして米国に対する国際的な非難が起こるだろう」。

 一方、ドナルド・トランプ大統領にラテンアメリカ特使に任命されたマウリシオ・クレイバー・カローンは、パナマ当局との協議で、現実的なメッセージをすでに発信していると、協議参加者は述べた。同参加者は匿名を条件に、次のように述べた。「トランプ大統領の特使は、パナマ当局がまず、米海軍と沿岸警備隊の船舶の運河通過を無償で許可するよう提案した」。

 トランプ政権の国務長官として初の海外訪問を控えたルビオへのインタビュー、およびパナマ市での4日間にわたる現地取材の結果、パナマ運河の管理権をめぐる論争を回避しつつ、米国の優位性を再確認し、中国の存在感を後退させる合意を結ぶ余地が残されていることが示唆された。また、トランプ大統領の攻撃的な姿勢がパナマのエリート層を刺激し、誤解やエスカレートのリスクが高まる可能性も指摘している。

 バラダレスは、氷入りのコーヒーを飲みながら、多極化が進む世界において、トランプ大統領はやり過ぎだと主張した。現職のホセ・ラウル・ムリーノ大統領と大統領官邸で協議したばかりのバラダレスは、話し合われた具体的な対応策は国連への訴えだけだったと明らかにした。

 しかし、バルダレスは、追い詰められれば、パナマは別の重要な流れである、コロンビアから北に向かう南米からの移民の流れで報復する可能性があると示唆した。

 「状況が悪化したら、我々が取る可能性は、ただゲートを開くことです」とバルダレスは述べた。


緊迫したやりとり

 ルビオ長官の訪問は、昨年末にトランプ大統領がソーシャルメディア上で脅迫めいた発言をしたことから始まった危機(通行料に対する不満や、中国軍が運河を運営しているという主張など)を、直接的なハイレベル外交で収拾できるかどうかを試すものとなる。

 パナマは中国軍の存在に関するトランプ大統領の主張には事実上の根拠がないと抗議し、通航料は法律で定められていると指摘し、多国間機関による関与を訴えてきた。

 トランプの下で働いた経験があり、パナマに詳しい人物は、聞き覚えのある見解を提示した。ムリーノ政権は、トランプの好戦的な不満を文字通りに受け止めているが、根底にあるメッセージ、すなわち「運河を建設し、守っているのは米国である」という点を真剣に受け止めるべきである。

 外交関係者によると、初期の外交的やり取りでは、解決策は全く見だせなかったという。クラバー=カローネとパナマ政府高官(閣僚や駐米大使ホセ・ヒーリーを含む)との協議は、バイデン政権の末期に開始されたと、この関係者は述べた。

 やり取りの中で、パナマ政府高官はトランプ大統領の主張を事実に基づいて検証し、西半球における国連に相当する米州機構の事務局長ルイス・アルマグロを引き合いに出した。アルマグロは12月、自身のTwitterに「両国間で署名、承認、発効された協定について、最大限かつ無制限の順守を期待する」と投稿していた。

 上記トランプの下で働いた経験があり、パナマ側の反応を知る人物は、次のように述べる。ホセ・ラウル・ムリーノ政権は、トランプの好戦的な不満を文字通り受け止めている。

 クラバー・カローネからのメッセージは、「米州機構(OAS)事務総長が何を言おうと、コラムニストが何を言おうと、私は気にしない。... そんなことを気にすると思うか?」というものだったと、その人物は語った。

 在ワシントン・パナマ大使館のシリア・ミランダ報道官は、この説明を裏付けることはできないと述べた。国務省報道官室にコメントを求めたが、回答はなかった。

 これまで1つの譲歩が提示された。トランプ大統領の就任式当日、パナマ政府の監査官が、香港に拠点を置く複合企業CKハッチソン・ホールディングスの子会社が運営する運河両端に位置する2つの港に降り立った。しかし、同社の港湾譲許契約の順守状況を監査するために監査官を派遣しただけでは、危機を回避できなかった。

 同日、就任演説を行ったトランプは、1999年に米国がパナマに引き渡した運河を「取り戻す」と宣言した。これに対し、ムリーノ大統領は国際法に基づくパナマの権利を引用して国連安全保障理事会に苦情を申し立てた。今週、パナマ大統領は運河の管理権は交渉の対象ではないという立場を繰り返した。

 しかし、ルビオ到着に先立ち、トランプ政権がアプローチを和らげる用意がある兆候が見られた。

 「これは関係を発展させるための問題であることは明らかだ」と、火曜日にタミー・ブルース国務省報道官はFox Businessに語った。「他国を支配するのではなく、米国とのパートナーシップは信頼できるものであり、良好な関係とあわせ利益をもたらすと明確にするということだ」


「中国はいたるところに存在していた」

トランプ大統領の威嚇の有無にかかわらず、ここ10年以上にわたって中国がラテンアメリカに大きく進出してきたことで、中国の存在は米パナマ関係における難題に浮上した。

 米国大統領の過激な発言に反発する米国の批評家多数は、米国は中南米における中国の侵食を阻止するために、もっとできるはずだとの見解で一致している。

 一方でパナマのエリート層は、利益をもたらす貿易パートナーから手を引くことを嫌っている。

 パナマの中国人コミュニティは人口450万人の約4%を占める小規模なもので、その起源は19世紀にさかのぼり、鉄道建設、そして地峡を横断する運河建設を手伝う労働者たちがやってきたのが出発点だ。今日でも、中国文化は目立たないながらも首都で存在感を示している。

 1月、ジミー・カーター大統領(当時)との間で運河の引き渡し交渉を行った独裁者故オマール・トーリホスの名を冠した公園は、間近に迫った中国の旧正月を祝う装飾で彩られた。外交危機が街を揺るがす中、家族連れが伝統的な装飾が施された門をくぐり、ティーカップに浸かってくつろぐ漫画のようなパンダの前を通り過ぎていった。

 中国によるこの地域の浸食に対するアメリカの懸念は少なくとも1990年代まで遡ったもので、運河の港湾運営を香港を拠点とするハッチソン・ワンポアに委託する契約が結ばれた。ヴァージニア州のベクテル社が入札したにもかかわらず、ハッチソンがその権利を獲得した。

 その後、米国の保守派は、ハッチソンを通じて「赤い中国」が運河の管理権を握ると警鐘を鳴らし始めたが、パナマは札結果に対する負け惜しみと受け止めた。

 中国が次に大きな進展を見せたのは、フアン・カルロス・バレラ大統領時代の2017年にパナマは台湾との国交を断絶し、北京を承認した。その後、一連の外交および投資契約が素早く締結された。

 中国の影響力拡大で最も顕著な兆候のひとつとして、太平洋に突き出たアマドール半島に新しい中国大使館を建設する計画が浮上したことだった。この計画が実現すれば、運河入り口を見下ろす高台に中国国旗が掲げられることになっていただろう。

 「突然、パナマのいたるところに中国が現れたかのようでした」と、米国陸軍大学校のラテンアメリカ研究教授ロバート・エヴァン・エリスは言う。

 中国の進展は、当時の駐パナマ大使魏強により円滑化された。魏大使は首都での生活に溶け込み、目に見える存在となっていた。流暢なスペイン語を話し、アルマーニスーツなど高級衣類を好み、一部では「パナマの仕立て屋」というあだ名で呼ばれていた。

 魏がパナマで魅力を振りまいていた間、彼に匹敵するアメリカ人はほとんどいなかった。2018年にトランプ大統領との相容れない相違を理由に辞任したジョン・フィーリー米国大使の後任は4年以上も決まらなかった。

 しかし、米国の圧力と国内の熱意の低下で中国の進展は鈍化した。

 2018年には米国の反発により新大使館建設計画が中止となり、2019年にバレラ大統領が退任した後は、中国とパナマの関係の勢いは逆転したように見えた。

 パナマ市から北部の都市ダビッドまで高速鉄道を建設する中国企業の提案は、バレラ大統領の後任ロレンティーノ・コルティソ政権下で頓挫した。同政権は、中国企業が与えられていた港湾利権も取り消した。

 昨年3月、中国政府はスペイン語が堪能ではなく、前任者よりも外交的ではない徐学遠を新たな駐パナマ大使に任命した。

 エリス教授は、今回の人事異動は「中国がパナマとの関係を格下げし、パナマへの期待を格下げした」と見ている。


「典型的なニューヨーカー・ブル」

コルティソ政権下で中国の影響力が後退していることは、パナマの指導層がトランプ大統領に裏切られたと感じる理由のひとつに過ぎない。

 もう一つの理由は、現職のパナマ大統領ムリーノが、昨年夏に就任した際、北に向かう途中でパナマを経由する移民の流れを食い止めるために米国と協力する姿勢を見せていたことだ。

 運河の運営が成功していることが同国の誇りであり、問題を抱える機関が数多くある地域で優れた統治の模範とみなされているため、特に敏感な対象となっている。

 「もし本当に、小さいながら非常に親米的な国を攻撃したいのであれば、彼はその方法を見つけたのです」と、インタビューでフィーリー大使は語った。「運河について話されるのは痛いところを突かれたようなものです」。

 運河当局の広報担当オクタビオ・コリンドレスは、インタビューの要請を断った。

 しかし、先週日曜日に活気あふれるダウンタウン・オバルリオ地区でブランチを食べながら、2012年から2019年まで運河の管理者、実質的には最高経営責任者(CEO)を務めたホルヘ・キハーノは、トランプ大統領の苦言を一蹴した。

 彼は、北京が運河に危険な影響力を及ぼしているという考えに異議を唱えた。「私は7年間それを運営してきましたが、中国人から指示を受けたことは一度もありません」とキハーノは断言した。

 「パナマ運河の運営に中国政府の影響は一切ない」と、アリスティデス・ロヨ元大統領は述べた。

 Wホテルのロビーでのインタビューで、1978年から1982年までパナマ大統領を務めたアリスティデス・ロヨは、トランプ大統領の非難に同様に抗議した。同氏は最近まで運河大臣を務めており、運河管理者とは独立した閣僚職である。「まったくありません」。

 ロヨは、他のパナマ人と同様にトランプの苦情を、ハッチソンが初めて港湾利権を獲得した1990年代に巻き起こった騒動に例えた。彼らから見ると、ビジネス上のライバルを貶める不誠実な策略である。

 トランプの1期目政権時に国家安全保障会議の西半球問題担当上級顧問を務めたフアン・クルスは、港湾運営者が変わっていなくても、状況は変わっていると主張する。彼は、ハッチソンの本拠地である香港は1997年当時はまだ英国の一部であったと指摘した。クルスはまた、近年、中国の国家安全保障法が改正され、中国企業は国の安全保障に協力することが義務付けられたと述べた。同氏は、これにより「海外における中国企業の状況は変化した」と述べた。

 パナマの独立系新聞『ラ・プレサ』の創設者ロベルト・アイゼンマンは、パナマの指導層はトランプ大統領の苦情に困惑しているふりをしているわけではないと述べた。

 市内の目抜き通りから離れた住宅街に、同紙の本社はひっそりと建っている。これは、パナマ政府との衝突の歴史を45年にわたって刻んできた同紙の遺産である。かつて、故マヌエル・ノリエガ元独裁者の支持者たちが同紙の印刷機を破壊したことがあり、また1982年には、同紙のオフィスに対する武装攻撃の責任を問う記事を書いた編集者が実刑判決を受けたこともあった。

 同紙は現在のパナマ政府の応援者でもない。 しかし、オフィスで紛争について熟考したアイゼンマンは、この場合、パナマ指導者層がトランプの不満を威嚇として退けるのは正しいと述べた。

 「ニューヨークに友人がいるのですが、私にこう言うんです。『ボビー、これは値引きを狙うときの典型的なニューヨーカーの戯言だ』とね」とアイゼンマンは語った。


「ヤンキース出て行け」

現代のパナマでの国家アイデンティティは、米国依存からの脱却という願望の間の緊張関係から形作られてきた。

 19世紀の大半、この地峡はコロンビアの一部であったが、1903年、コロンビア上院は50マイルの運河を建設するフランスの失敗に終わった計画を完成させようというアメリカの計画を阻止した。

 数ヶ月後、パナマの分離独立派が、米国の軍事および外交支援を受けて反乱を起こした。パナマは独立国家として誕生し、ただちに米国に運河の建設と周辺地域の永久的な管理権を認めた。

 1914年に運河は完成し、20世紀を通じてアメリカは地峡に軍事施設を設置した。

 戦後、世界中で反植民地運動が巻き起こる中、パナマ国民の一部はアメリカに反発し、運河地帯の主権を主張した。

 1964年には、運河地帯におけるパナマとアメリカの国旗の掲揚をめぐる対立が表面化し、パナマ支持派の学生によるデモが発生した。その後、デモ隊と運河地帯警察および米軍との間で激しい衝突が起こり、パナマ人約24名と米国人4名が死亡した。

 カーター大統領は、パナマへの運河管理権移譲を外交政策の最優先事項とし、1976年の合意で実現した。当時、この合意は保守派から非難されていた。

 パナマ運河条約によりパナマにおけるアメリカの存在感が後退したものの、1989年のジョージ・H・W・ブッシュによるノリエガ追放の侵攻作戦に示されたように、米国は依然として他のどの外国よりも大きな影響力を持ち続けている。

 米軍は撤退したものの、海軍は条約により運河防衛を義務付けられており、また、パナマ経済にとって米国市場は依然として重要なままだ。米国商務省によると、運河収入年間50億ドルのうち、米国籍船舶が支払うのはごく一部に過ぎないが、運河を通過する貨物の約70パーセントは米国との間を往来している。

 威勢が良いかどうかは別として、パナマはトランプ大統領の脅しを無視できる立場にはない。

 米大統領が就任前記者会見で運河奪還のため軍事力行使を排除しないと発言した2日後、1964年の衝突で命を落としたパナマ国民を称える祝日殉教者の日を祝うため、パナマの多くの場所でシャッターが閉じられた。しかし、この祝日が象徴する反米の団結に亀裂が生じ始めていた。

 そしてここでも、米国と同様に、トランプが過小評価されている要因から利益を得る可能性がある兆候が見られる。それは、パナマ国民の間で自国が誤った方向に進んでいるという感覚が生まれていることだ。

 インフレ、汚職、干ばつが近年すべて大きな打撃となり、大規模な抗議運動が勃発し、政治的不安定が続いている。昨年の選挙では、ムリーノは得票数の3分の1未満で当選した。当初は副大統領候補であったムリーノは、副大統領候補であったリカルド・マルティネリ前大統領が汚職有罪判決で失格となったため、急遽トップに昇格した。

 マルティネリは現在、ニカラグア大使館の安全な場所に引きこもり刑務所行きを逃れている。

 このような騒動がトランプに対抗したいパナマの指導者の地位を損なっている。

 パナマ国民の運河への感情は複雑で、今日の運河はコネのある層に利益をもたらしているという見解を国民多数が共有している。

 殉教者の日の翌日、元自動車整備工のリカルド・ゴメスはパナマ市のビジネス街の歩道で、ツアーオペレーターの宣伝資料を配りながら仕事に戻っていた。

 70歳のゴメスは、1964年にアメリカ兵に石を投げていた学生の一人だったが、考えが変わったと語った。パナマの少数のエリート層が、自分たちの利益のために一般のパナマ国民を米国に敵対させたと結論づけている。「パナマの富裕層は、夢を売っている。彼らはアメリカは良くないと言う。」とゴメスは語った。

 ゴメスは、運河建設時にアメリカ人が実施した黄熱病とマラリアの根絶を称賛し、21世紀に入り米軍基地が撤収した際には、良い仕事もに消えたと述べた。

 「ヤンキーは帰れだって?」と彼は言い、地峡全体に響き渡った反米の叫び声を思い起こさせた。「ヤンキーはまた戻ってくるさ」。■


‘There will be many casualties’: Panama girds for war as Rubio opens talks

On the ground in Panama City ahead of Marco Rubio’s first trip as secretary of State.

By Ben Schreckinger

02/01/2025 07:00 AM EST

https://www.politico.com/news/2025/02/01/panama-trump-confrontation-war-00201759



エストニア外相による寄稿 ウクライナの勝利は重要鉱物の安全保障につながる(National Interest)―ウクライナにあるレアメタルなど鉱物資源についてこれまで誰も指摘していないので新鮮な視点です。

 

画像 Dmytro Sheremeta / Shutterstock.c


欧米支援が頓挫すれば、ウクライナが埋蔵する希土類鉱物はロシアと中国のなすがままになる


界経済は、技術進歩やエネルギー転換、さらに軍事力に不可欠な重要鉱物に依存度を高めている。 ウクライナにはこうした鉱物の膨大な埋蔵量がある。米国と同盟国は、ウクライナが重要鉱物の膨大な埋蔵量を保持し続けるのを助けるか、それともモスクワ、北京、テヘラン、平壌の手に渡ってしまう危険を冒すか決断を迫られている。

 ウクライナ、ひいては西側の安全保障構造に対するロシアの戦争は多次元的である。軍事的な戦場、サイバースペース、情報操作、プロパガンダから、貿易ルートやサプライチェーンの混乱、さらにはその先にまで広がっている。 鉱物資源もここに含まれる。

 レアアースや、チタン、リチウム、ガリウム、黒鉛など重要な原材料は、ハイテク電子機器、風力タービン、電気自動車用バッテリーの生産に不可欠だ。 また、航空宇宙・防衛産業でも広く使用されている。

 これらの鉱物に対する世界的な需要は、クリーンエネルギーへのシフト、デジタル技術の成長、そして現在進行中の世界大国間の軍拡競争によって急増中だ。 鉱物安全保障パートナーシップなどのイニシアチブを含む米国とエストニアの協力関係は、サプライチェーンの多様化の重要性を強調している。採択されたばかりのEU重要原材料法は、技術革新をさらに促進し、戦略的投資を誘致し、環境保護基準の維持に役立つ。

 こうした貴重な資源はウクライナに豊富にある。 例えば、ウクライナは米国へのチタンとマンガンの主要輸出国のひとつで、これらは米国の航空宇宙、鉄鋼、自動車産業で使用されている。 しかし、ウクライナの重要鉱物は現在の最前線に極めて近いところにある。仮にこれらの地域がロシアの手に渡れば、モスクワとパートナーは、防衛やエネルギーなどの主要産業で力を強化し、莫大な資源を手にし地政学的野心を推進することになる。

 しかも、ロシアが地域住民や環境を顧ず、これらの埋蔵資源を略奪することは間違いない。 同時に、世界市場、特に重要鉱物の輸入に大きく依存しているヨーロッパやアメリカ経済へのこれらの鉱物の供給を制限することになる。

 中国はすでにレアアース鉱物の生産と加工において世界のリーダーである。 中国企業のサプライチェーンを確保し、主要産業における北京の優位性を固めることで、西側諸国の脆弱性を作り出している。その結果、サプライチェーンを多様化しようとする努力が損なわれ、かえって中国が世界の経済力と軍事力を長期的に支配することになる。

 軍事力を拡大するため非合法活動と外部との提携を併用してきた北朝鮮も脅威となる可能性がある。 平壌政権はロシアや中国と戦略的な同盟関係を結んでいるため、これらの資産に対する長期的な支配の恩恵を受ける可能性がある。 ウクライナにおけるロシアの軍事的プレゼンスと中国の経済力の組み合わせは、世界の安全保障とグローバル・パワー・ダイナミクスに甚大な影響を及ぼす鉱物資源を開発する機会を3つの大国に与えることになる。 もしウクライナの鉱物資源がロシア、中国、イラン、北朝鮮の手に渡れば、世界のパワーに変化が生じるだろう。 権威主義政権は、自由民主主義の価値観に挑戦する新たなレベルの影響力を得ることになるだろう。

 したがって、ウクライナの領土だけでなく、資源に対する主権を確保することが西側諸国に不可欠である。 これは、ウクライナの軍事的勝利を確保することを意味する。

 ウクライナが資源を保持すれば、ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領が自ら提案したように、資源は西側諸国の経済のために使われることになる。米国は指定されたパートナーとともに、ウクライナの重要資源を共同で保護しの経済的潜在力を共同で投資・活用する特別協定を結ぶことができる。

 ウクライナがその広大な重要鉱物の支配権を確保できるように支援することは、米国とそのパートナーにとって直接的な利益となる。もし我々がウクライナを敗北させ、鉱物資源が権威主義勢力に使用されるようなことがあれば、その結果は壊滅的となり、今後数十年にわたりウクライナ国境をはるかに越えたところへ及ぶだろう。■


Margus Tsahkna is the Minister of Foreign Affairs for the Republic of Estonia. Follow him on X: @Tsahkna.

Editor’s Note: Links have been added to this article for reference purposes.


Ukraine’s Victory Will Ensure Critical Mineral Security

January 31, 2025

By: Margus Tsahkna

https://nationalinterest.org/feature/ukraine-critical-mineral-security/