2025年12月22日月曜日

ロシアに対抗し、「ドローン防護壁」を東部国境沿いに構築するEUにウクライナの知見が反映されそうだ

 

EUが東側国境にドローン防護壁の建設に着手(National Defense Magazine) ― NATO加盟こそ遠のきましたが、ウクライナは各国に独自に体得した防御技術などを提供できる立場にあり、今後の連携は深まりそうですね

2025年12月17日

スチュ・マグヌソン

iStock イラスト

ノバスコシア州ハリファックス — 欧州連合(EU)は、ロシアと国境を接する加盟国沿いで「ドローン防護壁」の建設を開始する。

EU防衛・宇宙担当委員長アンドリュス・クビリュス(元リトアニア首相)は、「壁」の正式名称は「ドローン防衛イニシアチブ」であると述べた。

「我々には(ドローンを)探知する能力がない、あるいは能力が非常に限られている。レーダーは航空機やミサイルは探知できるが、超低空を飛行するドローンを正確に探知できない」と、ノバスコシア州ハリファックスで開催されたハリファックス国際安全保障フォーラム会場で記者団に語った。

ドローン防衛イニシアチブは、欧州の防衛力を強化する主要取り組みの一部である「東部戦線連合」という大規模なキャンペーンの一部となる。他の取り組みは、攻撃用ドローン、宇宙防衛、防空に焦点を当てている。

クビリュス委員によれば、バルト三国とポーランドを含む東部戦線連合のもう半分は「地上壁」であり、戦車、大砲、その他の地上兵器に対する防衛力の強化を目指している。

ロシアによるウクライナ侵攻では、爆弾を搭載した無人航空機システムが多数使用されており、このイニシアチブはその攻撃がきっかけとなって始まったものである。しかし、最近の領空侵入により、その必要性はさらに高まっているとクビリュス委員は述べた。

9月には、約20機のドローンがポーランド領空に侵入し、うち3、4機はオランダ空軍のF-35の支援で撃墜された。ポーランド当局は、この侵入はロシアから発生したものと述べた。2025年末の数ヶ月間に、他の国々も自国の領空で正体不明のドローンを報告したが、出所は確認されていない。

クビリュスは、ウクライナから得た教訓が技術的解決策として壁を作ることは避けられないと述べ、それを最善の方法で達成する方法について、ウクライナと協議が続けられていると語った。

「ドローンの壁を見たいなら、ウクライナに行くといい。ウクライナには、我々にはない能力がある」。その能力とは、ウクライナ領空に侵入した敵ドローンの信号を捕捉する音響センサー数千の広大なネットワークと、対抗措置が展開されるまでドローンを追跡する効果的な指揮統制アーキテクチャだ。

ドローン防衛イニシアチブには、ドローンを破壊する防衛兵器と指揮統制ネットワークも組み込無必要がある、とクビリュスは語った。

NATO傘下の欧州駐留米軍は「東部戦線抑止ライン」と呼ばれる同様の構想を推進している。これはロシアと国境を接する同盟国全域でロシアの攻撃を阻止する計画である。米陸軍は7月、2025年初頭から始まったロシアのウクライナに対する大規模ドローン攻撃とミサイル能力が、この構想開始の主因だと説明した。

米国はまた、大型ドローンや巡航ミサイルなどの高度な航空脅威から国を守る防空システム「ゴールデンドーム」の開発も進めている。

クビリュスは、オランダがポーランドで行ったように、F-35戦闘機を使用して UASを破壊することは、殺傷コストの比率から見て、長期的な解決策にならないと述べた。比較的安価なドローンを数百万ドルもする武器で撃墜したからだ。

安価な迎撃機、電子戦、機関銃などの通常兵器、そして最終的には技術の準備が整った時点で指向性エナジー兵器などがより現実的な解決策となる、と彼は述べた。

壁の建設費用は、一部が考えるほど高くならないだろうとクビリュスは述べた。予備的な見積もりでは、ポーランド、リトアニア、エストニア、ラトビアでドローン対策の壁を建設するには10億ユーロの費用がかかるとされている。「数十億、数百億ではない」「実現は可能だ」。■


EU Takes First Steps To Create Drone Wall On Eastern Flank

12/17/2025

By Stew Magnuson

https://www.nationaldefensemagazine.org/articles/2025/12/17/eu-takes-first-steps-to-create-drone-wall-on-eastern-flank




中国の「秘密作戦計画」はロシア領極東沿海州の奪取を狙っており、ロシアも警戒死体が、ウクライナ戦で極東のロシア戦力はからっぽになっている―中国のやりくちは世界各国での活動と同じで狡猾だ

 

ウクライナ戦で弱体化したロシアから極東沿海州の奪取を狙うとする「秘密作戦計画」を中国は隠そうともしていない―これが中露の「同盟」関係の実態だ


National Security Journal

ハリー・カジアニス





要点と概要 

中国メディア「網易」は12月14日付記事で、ロシアが分裂した場合に備え北京が「最悪の事態に備える」よう促し、ロシア極東の700万平方キロメートルを「失うべきではない」と主張した。

記事は同地域を中国にとって資源宝庫であり、モスクワにとっては負担であると位置付け、その後「ステルス併合」戦略を提示している:投資を深化させ、人と資金を流入させ、長期契約を締結し、親中派の地元エリートを育成し、人民元を導入し、依存関係につながる融資でインフラ向け資金を調達する。

さらに1858~1860年の「不平等条約」を引用し、領土権主張を復活させるとある。ロシアの安全保障当局者は、中国が領土を密かに侵犯していると警告している。

ロシア分割が中国で公然と議論されている

ロシア国家安全保障戦略家が抱く最大の懸念は、中華人民共和国(PRC)に対するモスクワの脆弱性が増大してきたことだ。この不安が最も顕著なのはロシア極東・太平洋沿岸地域である。

同地域には戦略産業が多数立地しており、特に最先端のスホーイ戦闘機を製造する巨大工場コムソモリスク・ナ・アムーレ航空製造工場が存在する。代表的な機種はSu-35Su-57だ。

中国は既にこれら二機種のうち最初のモデルを購入済みである。後者は北京が欲しい技術と搭載システムを多数備えている。

したがってモスクワにとって「中国の悪夢」とは、ロシア東部の人口減少と経済衰退が相まって、中国が同地域で最も価値ある領域の奪取に着手する可能性だ。今年初めにロシア連邦保安庁(FSB)から流出した機密文書によれば、プーチン大統領でさえ北京が既にこの領域に「侵食を試みている」と恐れている。

ニューヨーク・タイムズに流出した同文書は「ロシアの対中防諜活動に関しこれまでで最も詳細な内部事情」を明らかにしたと評され、「表向き友好関係にある両国間の影で繰り広げられる『緊迫かつ動的に展開する』諜報戦」を描いている。

失ってはならない領土

この悪夢は今や現実味を帯びつつある――非常に悪い白昼夢だ。

12月14日、中国最大級のメディアプラットフォームで公式上場企業であるNetEaseは、ロシアが長年恐れてきた意図を露わにする見出しの記事を掲載した。「中国は最悪の事態に備えるべき:ロシアが崩壊した場合、この700万平方キロの領土は絶対に失ってはならない」が中国語記事のタイトルである。

その主題は言うまでもなくロシア極東地区だ。皮肉なことに、中国こそがプーチンがウクライナ侵攻後の西側制裁を受けて「軸足を移した」国である。

プーチンが西側制裁を回避するため頼りにしていたまさにその国が、彼が支配する最も戦略的に重要な地域の一つを食い尽くし始めていると公然と語っているのだ。

中国の著者は、北京の野心を外交的あるいは婉曲な表現で飾ろうともしない。極東はロシアにとって「鶏の骨」のようなものだと彼らは書く。巨大だが無用の地域だ。なぜなら「開発資金もなく、人口も少なく、西部の戦争が最後の資源を吸い取っている」からだ。

しかし中国にとって、「宝の山」だ。金、ダイヤモンド、石油、ガス、木材が豊富にある。つまり北京が切実に必要とする全てが揃っているのだ。

ここでも中国の長期的な意図を隠そうともせず、「ステルス併合」と呼ぶべき戦略が示されている。

密かな併合戦略

「武力で奪おうとしてはならない。クリミアのように世界的な包囲網を招くだけだ。賢明な手法は、柔軟に対応し、資金と人的資源を継続的に投入し、長期契約を結び、親中勢力を支援することだ。名目上は独立しても、実質的には中国に依存する状態にする」と中国語記事は記す。

ロシア人評論家が指摘するように、この計画は陰謀論や荒唐無稽な推測ではない。中国メディアからの直接引用だ。段階的な手順が明記されている:経済的依存関係を構築し、現地法定通貨として人民元を導入する。インフラを整備し、融資(インフラ建設費に充てられる)で現地住民を北京に縛り付け、「政治情勢の変化」を待つ。

中国はロシアに歴史的不満や被害者カードの手法も教えられる。タッカー・カールソンとのインタビューでのプーチン同様、記事は150年以上遡り、1858年にロシアが弱体化した清帝国からアイルン条約でアムール川北部の60万平方キロを併合したことを読者に想起させる。

その2年後、北京条約でさらに40万平方キロが追加された。この併合にウラジオストクとサハリンが含まれ、総面積は100万平方キロを超えた。北京はこれらロシアの都市や地域を公然と中国名で呼んでおり、これらの領土は歴史的にロシアのものではないと主張している。

中国にとって、これらの地域がロシアの一部となっているのは「不平等条約」の結果だ。北京は19世紀の合意を公式にそう呼んでいる。中国の目には、これらの合意は拘束力を持たず、ロシアは依然としてこの領土を中華人民共和国に「返還する義務」を負っており、その債務は未払いのままだ。

中国の意図は明らかだ。ロシアがウクライナ戦争による負担で崩壊した時、この問題は処理されるだろう。

ウクライナ戦で手薄となった極東沿海州で中国は領土奪取に踏み切るか?

ロシアはこの戦争で足止めを食らっており、現在のGDP規模は「中国の単一省よりも小さい」と著者らは記す。そしてこの戦争のおかげで、ロシアは現在「極東に5万人未満の兵力を残すのみ——実質的に空っぽ」となったと、中国メディアは公然と書いている。■



著者について:ルーベン・F・ジョンソン

ルーベン・F・ジョンソンは、外国の兵器システム、防衛技術、国際的な武器輸出政策の分析と報道において36年の経験を持つ。ジョンソンはカシミール・プワスキ財団の研究部長である。彼はまた、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻の生存者でもある。長年、米国防産業で外国技術アナリストとして勤務し、後に米国防総省、海軍省、空軍省、英国政府、オーストラリア政府のコンサルタントを務めた。2022年から2023年にかけて、防衛関連の報道で2年連続の受賞を果たした。デポー大学で学士号、オハイオ州マイアミ大学でソ連・ロシア研究を専門とする修士号を取得している。現在はワルシャワ在住である。


China Has a ‘Stealth Playbook’ To Carve Up Russia

By

Harry Kazianis

https://www.19fortyfive.com/2025/12/china-has-a-stealth-playbook-to-carve-up-russia/



2025年12月21日日曜日

中国の新空母福建が台湾海峡を通過し上海へ向かった模様

 


空母福建が台湾海峡を通過(USNI News)

ジルハン・マハジール

2025年12月17日 午前11時48分

中国海軍の最新鋭空母「福建」(18)は2025年12月16日、台湾海峡を通過した。台湾国防部

湾国防部によると、中国人民解放軍海軍の最新鋭空母「福建」(18)が火曜日に台湾海峡を通過した。

ソーシャルメディアに投稿された動画では、「福建」が日曜日、玉林海軍基地 Yulin Naval Baseを出港する様子が映っている。台湾国防部は、前日に福建が台湾海峡を通過したのを確認し、水曜日に短い声明を発表した。同省は、中華民国軍が通過を監視し、空の飛行甲板の同空母の写真を入手したと述べた。

水曜日の議会で、台湾の顧衛寧 Wellington Koo 国防相は、福建が上海の長興島Changxing Islandにある造船所に戻り整備を受けるものと推測されると述べた。顧国防相はさらに、現在の観測では福建の通過に軍事的な動きはなかったと付け加えた。台湾国防部は、同空母に護衛艦艇が随伴していたかどうかについて言及しなかった。

火曜日の台湾海峡通過は、同空母が11月5日の就役以来、母港である海南島三亜市の玉林海軍基地から出航した2度目の事例となる。

国有の江南造船所で建造された福建は、9月に長興島を出港し、最終的な就役に向け海南島へ向かった。当時、日本は同艦が台湾海峡に接近するのを追跡したが、台湾国防部が同艦の海峡通過について言及しなかったことから、福建は台湾海峡内の中国領海を通過したとみられている。

福建が中国北東へ向かうのは、おそらく整備のためだが、同艦は渤海湾に向かう可能性もある。渤海湾は中国海軍の空母作戦訓練及び飛行認証区域である。

北京が保有する他の2隻の空母、CNS 遼寧(16)と山東は、いずれも12月の展開任務を終え母港へ帰還した。両空母は今年度、広範な展開任務を遂行しており、6月には両空母打撃群が日本の南西地域周辺で同時に作戦行動を展開した。

2025年12月12日、空母「遼寧」(16)打撃群はフィリピン海から南シナ海へ進入した 統合幕僚監部

山東打撃群は4月に人民解放軍による台湾威嚇演習「海峡雷鳴2025A」の一環で展開した。

遼寧空母打撃群は金曜日、日本の南西諸島周辺での6日間の哨戒を終え、空母は現在山東省青島の母港に戻っている。巡航中、遼寧は搭載戦闘機・ヘリコプターによる計260回の出撃を実施。日本側は、遼寧のJ-15戦闘機が、同艦の行動を監視中の航空自衛隊F-15戦闘機にレーダーを捕捉したことを抗議した。

中国側は、任務群を追尾していた日本の駆逐艦に対し飛行作戦の実施を通知しており、遼寧の戦闘機は捜索レーダーのみを使用したと主張した。北京はまた、日本機が遼寧の戦闘機の訓練空域に侵入し、訓練を妨害したと非難した。

一方、中国共産党の機関紙人民日報は山東空母打撃群は南シナ海で訓練を実施したとXに投稿した山東は今年最後の海上訓練任務を完了し、母港に戻った。中国海軍の公式SNSアカウントも山東の最新訓練映像と称する動画を投稿した。

水曜日は山東の就役6周年であり、人民解放軍の公式SNSアカウント「中国軍号」は記念動画を投稿した。■

ジールハン・マハジール

ジールハン・マハジールはマレーシア・クアラルンプールを拠点とするフリーランスの防衛ジャーナリスト兼アナリストである。1998年以降、彼が執筆した出版物には『ディフェンス・レビュー・アジア』『ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー』『ネイビー・インターナショナル』『インターナショナル・ディフェンス・レビュー』『アジアン・ディフェンス・ジャーナル』『ディフェンス・ヘリコプター』『アジアン・ミリタリー・レビュー』『アジア・パシフィック・ディフェンス・レポーター』が含まれる。

New Chinese Carrier Fujian Sails Through the Taiwan Strait

Dzirhan Mahadzir

December 17, 2025 11:48 AM

https://news.usni.org/2025/12/17/new-chinese-carrier-fujian-sails-through-the-taiwan-strait


ウクライナのロシア攻撃は地中海に拡大。今度はタンカーを「爆撃機ドローン」で攻撃した模様で、公海上の海上交通の今後で心配な事態がこれから発生しそうだ。

 

ウクライナがロシア関連タンカーを「爆撃ドローン」で地中海で攻撃した(TWZ)

ロシアの影の船団に属するタンカーへのウクライナによるドローン攻撃は、黒海以外で初めての事例となった

トーマス・ニュードックハワード・アルトマン

公開日 2025年12月19日 12:20 PM EST

― 和平交渉が進まない間に既成事実として強奪した領土を離さないロシア(盗人猛々しいとはこのこと)に対し、少しでも状況を好転させようとウクライナは知恵を使っています。ロシアが使う「影の船団」をどこまで減らせるかがロシア経済の命運を握っているといってよく、このような事例は今後も出てくるでしょう。

X経由

シアとウクライナの間で黒海で展開されてきた「タンカー戦争」がエスカレートし、ウクライナの航空ドローンが地中海でロシアのいわゆる「影の船団」のタンカーを攻撃した。今回の事件は、報復攻撃が続いた後の出来事であり、今月初めにはロシアのプーチン大統領が、キーウがロシア商船への攻撃を強化したことに応じて「ウクライナを海から切り離す」と警告していた。

ウクライナ政府保安庁(SBU)内部の情報筋は、ウクライナ領土から「2,000キロ以上」(1,243マイル)離れた場所で「前例のない特殊作戦」が実施されたと本誌に語った。

標的はオマーン船籍の原油タンカーQendilで、攻撃時は空荷状態だった。同船は12月1日にインド・ジャムナガル港で荷揚げを終え、同港を出航していた。

「この攻撃は地域の生態系に何ら脅威を与えなかった」(SBU)。

同タンカーは11月4日にロシアの黒海港ノヴォロシースクを出港後、ボスポラス海峡と地中海を経由し、スエズ運河を通過してインドへ向かっていた。2006年建造で載貨重量115,338トンである。

ロイズ・リスト・インテリジェンスの船舶追跡データによれば、攻撃は地中海でマルタとクレタ島の間の海域を西進中に発生した。この位置はウクライナから約930マイル離れている。AISデータによると、同船は深夜直前にUターンし、不明な理由で東進に転じ、目的地をエジプトのポートサイドに変更した。

SBU(ウクライナ保安庁)は、特殊部隊「アルファ」による「多段階作戦」の一環で無人航空機が使用されたと説明した。同部隊は前日、クリミアのベルベク空軍基地に対する無人航空機攻撃も実施した。

SBUはタンカー攻撃の様子を収めたとされる映像を我々に提供した。

映像ではヘキサコプター型ドローンから甲板へ投下される弾薬が確認でき、短距離攻撃を示唆している。おそらく近隣船舶から「爆撃ドローン」が発射されたのだろう。隣国からのドローン発射が可能なのは、標的が沿岸から十数キロメートル以内に位置する場合に限られる。

SBUはタンカーが「致命的な損傷を受け、本来の目的で使用不能となった」と主張している。映像証拠からはタンカー上部構造への損傷が確認できるが、その深刻度は不明だ。

「ロシアは同タンカーを制裁回避に利用し、戦争資金を稼いだ」と同機関は声明で付け加えた。したがって国際法及び戦争法規・慣習の観点から、これは完全に正当な標的である。敵は理解すべきだ――ウクライナは決して手を緩めず、世界中のどこにあろうと攻撃を続けると」

セキュリティ企業ヴァンガードは声明で、この攻撃は「ウクライナがロシアの制裁対象石油輸出ネットワークに関連する海上資産に対し、無人航空システムを著しく拡大して使用していることを示す」と述べた。

EUと英国はQendilを制裁対象としていた。同船は「影の船団」の一部と見なされているためだ。影の船団とは、ロシア(およびイラン、ヴェネズエラ)が偽装工作で制裁の回避に使用する船舶を指す。これには船籍国の変更や複雑な所有権の連鎖が含まれ、ペーパーカンパニーがよく利用される。

この攻撃がプーチン大統領の年次年末記者会見当日に発生したのは偶然ではないかもしれない。会見でプーチン大統領は、ウクライナによる影の船団タンカーへの最近の攻撃にロシアがしかるべき対応をすると述べた。

ウクライナへの全面侵攻開始以来、ロシアは制裁を回避し原油を輸出するために、1000隻以上と推定される影の船団に大きく依存し、必要不可欠な収入を得てきた。

プーチンは本日、ウクライナによる影の船団への攻撃に対し「確実に反撃する」と表明。「結局、期待した結果にはつながらない」と述べ、「供給を妨げることはなく、追加の脅威を生み出すだけだ」と付け加えた。

ウクライナはこれまで、黒海でロシア関連の影のタンカーを標的としたドローン攻撃を実施してきた。

ウクライナは11月下旬から12月上旬にかけて黒海でロシア関連の石油タンカーに対し攻撃を3回実施した。この作戦に対しロシアはシャヘド型ドローンを用いた同種の報復を行っている。

しかし、黒海戦域からこれほど離れた海域でロシア関連船舶に対するウクライナによる初の攻撃が確認されたことは新しい進展だ。イランとイスラエルの間で繰り広げられている秘密の対艦戦争が、この攻撃のモデルとなった可能性が高い。

地中海で短距離ドローンで攻撃を実行できる能力は、欧州海域の他の地域、あるいはそれ以上の海域でも船舶が脅威に晒される可能性があることを示している。さらに将来的には、ウクライナがスターリンク端末を搭載したワンウェイ攻撃ドローン含む、長距離対応システムの使用を開始する可能性もある。

いずれにせよ、今回の進展はロシアの石油輸出を困難にする可能性があるだけでなく、他の商船も増大するリスクを認識し、防護強化策を講じる必要性を意味する。

ケンディルへの攻撃は地中海では初の事例と思われるが、ウクライナによるロシア影の船団に対する作戦が地理的に拡大する可能性は否定できない。■

著者連絡先:thomas@thewarzone.com

トーマス・ニュードック

スタッフライター

トーマスは防衛分野のライター兼編集者であり、軍事航空宇宙分野や紛争に関する取材経験は20年以上である。著書は複数あり、編集手掛けた書籍はさらに多く、世界の主要航空出版物にも多数寄稿している。2020年に『ザ・ウォー・ゾーン』に参加する前は、『エアフォース・マンスリー』の編集長を務めていた。


ハワード・アルトマン

シニアスタッフライター

ハワードは『The War Zone』のシニアスタッフライターであり、『Military Times』の元シニアマネージングエディターである。それ以前は『Tampa Bay Times』のシニアライターとして軍事問題を担当した。ハワードの作品は『Yahoo News』、『RealClearDefense』、『Air Force Times』など様々な出版物に掲載されている。


Ukraine Strikes Russia-Linked Tanker In The Mediterranean With ‘Bomber Drone’

The Ukrainian drone attack on the tanker, part of the Russian shadow fleet, is the first one of its kind outside of the Black Sea.

Thomas Newdick, Howard Altman

Published Dec 19, 2025 12:20 PM EST

https://www.twz.com/news-features/ukraine-strikes-russia-linked-tanker-in-the-mediterranean-with-bomber-drone