2022年4月28日木曜日

F-15EX調達は80機へ大幅削減。将来の戦闘機戦力構造で米空軍上層部は大胆な構想をねっているのだろうか。それとも......

 The Air Force two F-15EX test jets fly together.

F-15EX調達が80機に縮小され、現行のF-15部隊の後継機が無人機になる、あるいは交替機材がなくなる事態が生まれかねないと空軍上層部は見ている。

日、空軍の最高幹部は議会で、F-15EXイーグルII戦闘機の購入について最低144機とした当初案から80機に削減されると確認した。

 F-15C/Dイーグル多数を新規生産分のF-15EXで置き換える案は放棄しており、F-15C/Dイーグルの退役後の最終的な戦力構成では無人プラットフォームが鍵となる、現在運用中の一部の部隊が最終的に飛行任務から外れる可能性があるとも述べた。

 フランク・ケンドール空軍長官とチャールズ・Q・ブラウン空軍参謀総長は、本日の下院軍事委員会での2023年度予算案に関する公聴会で、F-15EXの将来と関連事項について、他の話題とあわせて語った。予算要求では、イーグル IIの総発注数を80機に削減すると示されていたが、これまで完全に明らかにされていなかった。この件に関しては、多くの疑問が呈されていた。

 「F-15EXの調達を加速し、早期に完了させる」とケンドール長官は、空軍が2023会計年度予算案で予想より多くの同型戦闘機の購入を求めながら、総購入数を80機に抑えた理由について質問され、こう説明した。「調達規模を大幅に減らしている」。

 空軍長官は、これまで同様に、F-15EXプログラムの全面的な中止を検討したかどうかについて肯定も否定もしなかった。また、イーグルIIの運命を決定する際に、空軍がどの選択肢を検討したのかについても詳しく説明しなかった。

 F-15EXは、The War Zoneが最初に報じて2018年に浮上した。空軍は2020年に最初のイーグルIIを発注し、昨年、最初の試験用二機を引き渡した。

 ケンドール、ブラウン両名は、購入総数が減少しても、F-15EXは空軍が将来の戦闘機ミックスで重要な存在であることに変わりはないと議員に語った。公聴会でブラウンは、イーグルIIの大きな積載量について、特にステルス戦闘機F-35Aとの比較で、空軍当局が新型機の重要な能力として認識していると強調した。

 F-15EXは、2027年に運用開始が予定される極超音速攻撃巡航ミサイル(HACM)を搭載する最初の空軍機となる予定と、ブラウン大将は公聴会で明らかにした。空軍はこれまでも、イーグルIIが極超音速ミサイルなど大型兵器を搭載できるようになると話してきたが、具体的な内容は明らかにしていない。

 ケンドールとブラウン両名は、空軍は現在80機のF-15EXしか購入したくないとし、そして空軍が購入する同型機は今後も戦力構造の重要要素となると明らかにしたが、発言は多くの疑問を残していた。中でも最大に重要なのは、現行のF-15C/Dイーグルの将来だ。ケンドール長官は、「ある時点で退役させなければならなくなる」と率直に語った。約200機のF-15C/Dが現役で、州軍飛行隊五個航空団が大部分を運用し、さらに2つの飛行隊が現役で飛行している。3つ目の飛行隊は、ヨーロッパでの任務を終え、F-35Aに移行する予定だ。フロリダ州軍の第125戦闘航空団だけがF-35Aへ移行する。

 空軍の当初の計画では、少なくとも144機のF-15EXを購入し、現在州軍航空団5個に配備されているイーグルを1対1で交換し、さらに1個飛行隊をF-15EX過程の訓練用に使用し、試験と開発のため十分な機数を残すのが理論的に可能だった。80機では、1隊がF-35に移行するのを考慮しても、これは不可能になる。また、沖縄・嘉手納基地の第18戦闘航空団のF-15C/D2個飛行隊の行方は以前から不明だった。

 F-15EXを導入しないF-15C/D部隊については、F-35A飛行隊への転換が最も可能性の高い選択肢と考えられてきた。すでにイギリスのレイケンヒース空軍飛行場では、イーグルに代わってJSFが導入されている。また、フロリダ州軍の第125戦闘航空団もF-15C/DをF-35Aと交換する方針が決まっており、F-15EX計画の変更を示唆するものだったのか。

 だがブラウン、ケンドール両名は、F-15C/Dを装備中の飛行隊は、代替機として従来型戦闘機を手に入れられず、無人機材を運用することになるかもしれない、と指摘した。

 ブラウン大将は、空軍が戦闘機隊62個をまだ必要としているのかという質問に対して、「私が考えてきたのは、62個戦闘機隊と同等の能力だ」と答えた。「そして、私が考えているのは、有人機による現在の戦闘機中隊と、長官と我々が作戦上の必要性から取り組んでいる、有人機と無人機の組み合わせによる作戦上の比較である」。

 またブラウン大将は、次世代航空優勢(NGAD)プログラムで開発中の第6世代戦闘機とB-21レイダー・ステルス爆撃機をサポートする、有人型とネットワークで連動動作する半自律プラットフォーム、いわゆる「忠実なるウィングマン」無人機の開発で作業が進んでいることを強調した。

 「しかし、有人-無人機のチーム編成は、軍全体に適用できると思います。有人機と無人機の数はどうなるのか、そして無人機が増えれば、戦闘機の能力を拡大するのがずっと簡単になりますし、能力だけでなく、容量も拡大します」(ブラウン大将)。

 これは、空軍が少なくとも、戦闘機飛行隊を62個以下にするものの、有人戦闘機部隊の能力と容量を大幅強化するため無人機を使用する可能性を検討していることを示唆しているためのようだ。ここ数カ月、空軍の高官は、将来の作戦、特に中国のような互角の戦力を有する敵国とのハイエンド紛争において、有人・無人のチーム編成がいかに重要かをアピールしてきた。2021年12月、ケンドール自身は、人工知能(AI)主導のスカイボーグの取り組みなど、空軍の先進的な無人化プロジェクトや、すでに機密領域で行われている他の関連作業に加え、新たに機密扱いの2つのドローン計画の計画があると明らかにしていた。

 今日の公聴会で、ケンドールはブラウン発言からさらに一歩踏み込んで、現在F-15C/Dを飛ばす部隊が最終的に飛行任務から外れる可能性もあるとした。

 現行のF-15C/D飛行隊の隊員が今後どうなるかとの質問に対して、「戦闘機ミックスの話をしたが、他の任務、例えばサイバー任務や情報戦も話している」とケンドールは語った。ケンドールは「1対1の交換が必要だと考えるのは正しくない......。戦闘機と戦闘機の交換と考えるのではなく、もっと大きな方程式があります」。

 空軍が計画中の将来の戦力構成について、さらに疑問が投げかけられるはずだ。F-15C/Dの直接代替が必要でないと説明すれば、戦闘機の大部分が重要な国土防衛任務に就いていることを考慮すると、実に不思議な話である。

 もちろん、F-15EXの調達や戦力構成計画に関して、最終的に議会が決定するのを忘れてはならない。今日の公聴会では、議員たちが多くの疑問をすでに感じていることが明らかになった。

 ケンドール、ブラウンら空軍関係者は、2023年度予算要求が意図する行動計画を正当化する必要があり、詳細がさらに明らかになるだろう。■


F-15C Units May Not Get A Replacement Fighter At All | The Drive

BY

JOSEPH TREVITHICK

APR 27, 2022 9:40 PM

THE WAR ZONE


サイバーセキュリティ。民間防衛産業の機微情報防衛にNSAが真剣に対応している。

 

 



 

  • 米国の防衛関連企業の機密情報は、敵の標的となる。

  • NSAは、サイバーセキュリティ・コラボレーション・センターを中心に、各企業と連携しサイバー脅威に対抗している。

  • 著者モーガン・アダムスキーMorgan Adamskiは、NSAのサイバーセキュリティ・コラボレーション・センターのディレクターを務めている。



は、米国の重要インフラ事業者、特に防衛産業基盤(DIB)事業者のコンピュータネットワークを常に探っている。


 ロシア情報機関やモスクワの代理勢力、中華人民共和国政府などは、地政学的な対立の場合、米国の機密情報を盗み、防衛力を低下させようとしている。これに対するこちら側の努力はこれまで十分ではなかった。

 国家安全保障局(NSA)は、米国の防衛に不可欠なシステムを研究、生産、維持する各企業を保護することに専念している。著者は、NSAでサイバーセキュリティ・コラボレーション・センターを運営している。その使命は、防衛産業の企業や厳選されたサービスと緊密なパートナーシップを通じ、サイバーセキュリティの脅威と戦うことにある。

 各パートナーが肩を並べ、包括的な脅威のイメージを構築し、外国の敵対勢力が米国の重要なネットワーク、特に DIBにアクセスを狙う攻撃的な試みを阻止するために対応している。


NSA

NSA本部内の脅威対応センター、January 25, 2006. REUTERS/Jason Reed


 連邦政府全体のサイバーセキュリティへの取り組みでは、各機関が別々の権限と能力で戦いに臨んでいる。NSAは広範なデータソースにアクセスできるが、ユニークな外国情報にもアクセスでき、敵の能力と意図を明らかにすることで国防総省のグローバルネットワークを守っている。

 NSA は、DHS のサイバーセキュリティおよびインフラセキュリティ局(CISA)、FBI、国防省サイバー犯罪センターなど、連邦政府全体のパートナーと一緒に、敵が米国のネットワークの悪用を試みる方法で深い洞察を得ている。相手の試みの証拠を見つけた場合は、サイバーセキュリティ・コミュニティと協力して、脆弱性を解消する。

 サイバーセキュリティにおける官民パートナーシップは目新しいものではなく、こちら側の成功に不可欠なものであることに変わりはないが、近年、民間企業との連携方法は大幅に進化している。脅威が進化しており、大企業多数が自社のデータとネットワークを守るためサイバーセキュリティ専門家を抱えている。

 このため「情報共有」のパートナーシップというビジョン以上に、脅威を防ぐため、リアルタイムでオープンな対話の必要がある。このため、NSAは 外部に新しいサイバーセキュリティ・コラボレーション・センターを創設し、活動できるようにした。

 対話を促進するため、パートナーと活動できるようにする必要があった。この努力の一環として、情報共有の枠を超え、国家安全保障のエコシステム全体で防衛当事者を支援する本格的な協業体制へと、防衛業務を変えてきた。


An undated aerial handout photo shows the National Security Agency (NSA) headquarters building in Fort Meade, Maryland. REUTERS/NSA/Handout via Reuters

NSA 本部. Thomson Reuters


 多くの場合、NSAのアナリストと産業界のパートナーは、同一の問題を異なる視点から見ている。だが共通の優先課題に取り組むことで、専門知識を共有し、全体像の理解ができると学んだ。これは単なる共有ではなく、業務上の連携だ。これが、悪意あるサイバー活動に対抗する際に、決定的な利点となる。

 連携を効果的にするため双方向とする必要がある。オペレーションセンターから役員室まであらゆるレベルで連携が行われ、直面する脅威に対する全体的な理解に基づく。この連携には、サイバーインシデントの進展における技術データを双方向で共有することもある。

 また、サイバーセキュリティ専門家を集め、各種データソースから悪意あるサイバー行為者を特定、追跡、阻止する方法を特定できる。また、次世代のテクノロジーを設計上安全にする方法について、詳しく話し合うこともある。

 このような新しいビジネスのやり方は、NSA内で大規模な組織文化の転換を必要とした。ワシントンの古いジョークでは、NSAは秘密主義そのもので、頭文字をとって "No Such Agency" と呼ばれていたものだ。

 ある企業と共有する情報があれば、その企業の代表が高いセキュリティクリアランスを持っていればフォートミードに招き、共有できた。しかし、敵が商用ネットワークの劣化と活用を積極的に進めている今、このモデルは有効でなくなった。

 サイバーセキュリティ・コラボレーション・センターでは、サイバーセキュリティ・コミュニティの進化の一環として、NSAの組織文化の変化を促進している。筆者含むアナリストは、脅威情報を可能な限り低い分類レベルへ下げて、協力企業と早期に共有できるよう努めている。の目標は、実用的でユニーク、かつタイムリーな情報にすることだ。

 NSAではパートナーがいる場所で、市販のコラボレーションツールを使い遠隔地からリアルタイムでコミュニケーションをとる必要性を理解している。つまり、NSAの仕事の多くは、機密性のないプラットフォームやスペースで行われる。

 また、COVIDの件数が多いときや悪天候のとき、あるいは悪意ある行為者が好む週末の休日に危機が訪れたとき、NSAのチームは自宅から仕事ができるようになった。こうした変更により、NSAは防衛産業の基盤を24時間365日保護できる。

 筆者は、これまで行ってきた仕事とあわせ、新たに取り組む仕事を非常に誇りに思う。筆者の部門は企業100社以上と積極的に協業しているが、まだまだ先は長い。

 来年には、パートナーシップの拡大に加え、マルウェアやランサムウェアがネットワークに侵入する最も一般的な方法から、企業(特に、十分なセキュリティ・プログラムを持たない中小企業)を保護する低コストのサイバーセキュリティ製品で防衛産業基盤への支援を拡大するNSAサイバー脅威情報による新しい Protective Domain Name Service のようなものだ。

 NSA長官ポール・M・ナカソネ大将 Gen. Paul M. Nakasoneが指摘するように、「サイバーセキュリティとは国家安全保障そのもの」であり、NSAは常に新しい方法を見出すことで、役割を果たしてきた。常に、障壁を取り除き、新しい方法を見つけ出している。共にボトルネックを回避し、集団防衛を強化していこう。われわれは今後も成長し、進化し続ける必要がある。敵は止まってくれないが、こちらも止まらない。■

 

The NSA is going beyond information-sharing to defend US companies against growing threats from Russia and China

Morgan Adamski


Ms. Morgan Adamski is the director of the Cybersecurity Collaboration Center for NSA Cybersecurity, where she leads the agency's open private sector relationships to secure the defense industrial base and its service providers. This work is meant to augment and amplify NSA's ability to prevent and eradicate cyber threats.


ロシアの攻撃ヘリKa-52がウクライナで苦戦し、またもやロシア作戦の誤算となっている

 Ukraine

Ka-52アリゲーター攻撃ヘリコプター。Image Credit: Creative Commons.

クライナの戦場で、ロシアの強力なガンシップヘリコプターの脅威は無力化されたのだろうか。アメリカの「アパッチ」ガンシップに対するロシアの回答が、攻撃型ヘリコプター「Ka-52アリゲーター」で、Ka-52は強力な敵だが、ウクライナは怯んでいない。ウクライナは開戦初期にアリゲーター少なくとも4機を撃墜したと主張している。

Ka-52をウクライナの重要空港への電撃作戦に投入

侵攻開始の当初、ロシアはウクライナの首都を奪う計画だった。空挺部隊とスペツナズ特殊部隊を使い、ゴストメルGostomelにあるアントノフ空港を電撃攻撃の対象とした。そして、同空港を拠点に、後続部隊とハードウェアを投入する作戦だった。2月24日の朝、ウクライナの防衛隊を圧倒する期待をかけられたアリゲーター攻撃ヘリに護衛され34機のヘリコプターが移動した。

ウクライナは怯まない

だが計画通りにはいかず、ウクライナ側はアリゲーターに熱探知ミサイルで代償を払わせ、激しい戦闘の末に攻撃を撃退した。ロシア側はレーダー制御の地対空ミサイルを排除しようとしたが、ウクライナ側がソ連時代のストレラスやイグラスといった肩撃ちの対空システムを効果的に使うとは想定していなかった。

計画倒れ

最初の敗北はあってはならないことだった。アリゲーターは、空襲作戦で友軍ヘリコプターが兵員を輸送できるように、敵を制圧する射撃を行う設計だ。アリゲーターは高速飛行用のダブルローター、側面に取り付けた30ミリ砲、翼に取り付ける12基のアタカ対戦車誘導弾を備えている。武装はこれだけにとどまらない。Air Force Technologyによれば、「VIKHR対戦車誘導弾(ATGM)と80mm無誘導S-8ロケット弾用のB8V-20ロケットランチャーを搭載できるハードポイントを備えている」。

先進的なヘリコプターには先進的な照準がある

アリゲーターは1997年に初飛行し、2008年に製造開始された。2011年には、Ka-52がロシア空軍に就役した。ロシア軍には約70機が配備されている。乗員は2人並んで座る。ヘルメット型ディスプレイと、前面ガラスに設置されたヘッドアップディスプレイで、兵器の照準と伝達を行う。

精鋭のアリゲーター対策

ウクライナのミサイル防衛に直面してもKa-52の高度な電子対策装置で軽減されるはずだった。妨害ポッド、レーダー警告、レーザー検出を備える。アリゲーターは、チャフやフレアを放ち、熱探知ミサイルを追い払うはずだった。だがパイロットはMANPAD(携帯型防空システム)ミサイル攻撃を受け、驚いたことだろう。

高速で機敏なチョッパー

ロシア側は、Ka-52が戦闘空域で機動するためのスピードと機動性を備えていると見ている。双発ターボシャフトエンジンで最高速度は時速192マイル。装甲は対空砲火に耐える設計だ。

ウクライナ軍の防空砲火によってケルソンで墜落し炎上したKa-52を撮影したビデオが出ている。それに負けじと、ロシア側もアリゲーターの攻撃を見せるビデオを発表している。

ロシアは頭を抱えている

Ka-52の実績は、ロシア側にとって謎であり、不満の種に違いない。世界トップクラスのガンシップが、肩撃ち式ミサイルに倒れる。ソ連時代のアフガニスタン戦争で、スティンガーミサイルに苦戦したつらい思い出がよみがえる。

ロシアは戦術を調整し、アリゲーターを高く飛行させ、パイロットにフレアをもっと放出させ、熱探知ミサイルを欺く必要があるかもしれない。これもまた、圧倒的な火力での衝撃と畏怖でウクライナを威嚇するはずだった航空機を、ウクライナ人が無力化した例となっている。しかし、防衛側は恐れを知らず、アリゲーターパイロットに祖国を守るウクライナ人を攻撃する意味をよく考える必要があるようだ。■

 

We Think We Know Why Russia's Attack Helicopters Keep Dying in Ukraine - 19FortyFive

ByBrent M. EastwoodPublishedMarch 17, 2022

 

Now serving as 1945’s Defense and National Security Editor, Brent M. Eastwood, PhD, is the author of Humans, Machines, and Data: Future Trends in Warfare. He is an Emerging Threats expert and former U.S. Army Infantry officer. You can follow him on Twitter @BMEastwood


2022年4月27日水曜日

F-35のアップグレードが想定以上に上昇しており、ブロック4の実現は2029年に。プロジェクト管理の最大の失敗例として記憶されるのでは。

  

A U.S. Air Force F-35A Lightning II aircraft assigned to the 34th Fighter Squadron receives fuel from a KC-10 Extender aircraft over Poland, Feb. 24, 2022. The F-35A aircraft affords NATO leaders the flexibility to project power and assert air dominance in highly contested environments. (Senior Airman Joseph Barron/Air Force)ポーランド上空で米空軍第34戦闘飛行隊のF-35AがKC-10給油機から燃料補給を受けた。Feb. 24, 2022. (Senior Airman Joseph Barron/Air Force)

 

 

米国会計検査院がF-35の近代化改修コスト上昇とテストの遅れに懸念を表明している。



F-35戦闘機の改修コストは上昇し続けており、シミュレーションテストや本格生産の決定が繰り返し遅れているため、国防総省は対応が必要となったままの不完全な機体を購入するリスクが高まっていると、米会計検査院(GAO)の報告書が指摘している。



 GAO報告書では、F-35のブロック4近代化改修コストは2021年に151億ドルに増加し、2020年の推定コストより7億4100万ドル増えるとある。

 これは、F-35のハードウェアとソフトウェアのアップグレードで、処理能力、ディスプレイユニット、メモリ増加を図る。 Tech Refresh 3の開発は予想以上に複雑と判明し、価格を押し上げていると関係者はGAOに語っている。

 また、兵器開発を支える試験機の近代化、その他の試験や研究所のアップグレードによるコスト増が3億1200万ドル相当だと報告書から判明した。運用試験・評価担当者はGAOに対し、兵器統合を含むいくつかのブロック4機能が適切に機能するのを確認するために、飛行試験能力がさらに必要であると語った。

 ソフトウェアでの複数の問題、2021年にソフトウェア開発を8カ月間停止させた資金問題、新機能の追加などで、ブロック4の最終機能の提供は当初予定より3年遅れの2029年になることも判明している。

 F-35を製造するロッキード・マーティンとプログラム関係者は、ソフトウェア開発を改善するために、ソフトウェアのラボテストの増加、ソフトウェア開発のモニタリングの改善と一貫性の向上、2022年からブロック4のソフトウェア「ドロップ」の開発スケジュールを6ヶ月から12ヶ月に延長するなどの措置をとった。

 このようにソフトウェア開発日程が長くなれば、バグの修正や作業スケジュールの管理が容易になり、6カ月スケジュールの下で発生したテストの滞留が緩和されると、プログラム関係者はGAOに語っている。

 しかしGAOは、これらの変更でブロック4のロールアウト方法が改善されるかどうかはまだわからないと述べている。

 報告書では、1年間のソフトウェア開発期間は、長い開発期間の後、大量の変更を一度に投下するのではなく、アップグレードを塊で提供する「アジャイル」のソフトウェア開発プロセスから離れていると指摘している。

 また、政府のテスト部門はGAOに対し、12ヶ月のソフトウェア投下スケジュールにシフトしても、推進室が不意打ちで変更を加え続けるなら、納期遅れ問題は解決しないと語っています。GAOによれば、ソフトウェアアップグレードの間隔が長くなれば、現場で発見されたバグに対応するパッチの提供にも時間がかかる可能性があるという。


テストの大幅な遅れ

GAOはまた、F-35の初期運用テストと評価プロセスを終了し、本格生産の決定ができない統合シミュレーション環境テストの継続的な遅延へ懸念を提起している。

 空軍、海軍、海兵隊が毎年最大152機のF-35を取得しており、GAOはこれがほぼフル生産であると指摘し、2023年には1,115機の戦闘機を納入する予定とした。GAOによれば、同年に本格生産の決定がなされれば、購入予定のF-35のうち約3分の1が、運用試験の完了前に引き渡されることになるという。

 このため、大量の戦闘機が実戦部隊投入の後で性能問題が確認された場合、プログラムがさらにコスト超過に陥る危険性があるとGAOは指摘する。

 また、COVID-19により、サプライチェーン問題が悪化し、混乱を引き起こし、F-35の納入の遅れにつながったと報告書は述べている。事業推進室と契約企業は2021年9月、COVID-19の打撃を吸収するため、2023年までの納入スケジュールを調整する決定をした。これにより、2020年に納入された120機のうち35機は、納期遅れとみなされることはなくなった。

 しかし報告書は、エンジン契約企業のプラット&ホイットニーが2021年に「ほぼすべての」エンジン納品が遅れたとも非難している。報告書によると、同社納入の152基のうち、予定通りだったのはわずか6基で、ここ5年間で最低の水準だったという。

 これは品質問題(一部の原材料が誤って製造された、など)によるもので、2021年2月以降はCOVID関連の問題ではない。■


One-third of F-35s could be delivered before operational testing is complete

By Stephen Losey

 Apr 26, 07:15 AM


About Stephen Losey

Stephen Losey is the air warfare reporter at Defense News. He previously reported for Military.com, covering the Pentagon, special operations and air warfare. Before that, he covered U.S. Air Force leadership, personnel and operations for Air Force Times.


主張 バイデン政権にはウクライナ対応で状況反応ではなく戦略的思考が必要だ

 

アメリカの国家安全保障を確保し、核戦争を回避することが、ウクライナにおけるバイデンの最優先課題である 

西側諸国はロシア侵攻を阻止するために必要な武器のウクライナ向け緊急提供に注目しているが、同時にホワイトハウスは、将来にわたり、米国の安全保障を確保するため必要な長期的な戦略目標を速やかに決定する必要がある。

 そのような目標設定は、効率的かつ成功をもたらす政策の形成に不可欠だが、残念ながら、ワシントンでは戦略的思考が希薄になっている。例えば、ブッシュ政権からトランプ政権に至るまで、アフガニスタン戦争で戦略目標を特定できず、ましてや達成もできなかったことが、現地での失敗の大きな原因となり、米国に大きな損害を与えた。

 ブッシュ大統領は2001年の初回攻撃で達成可能な任務を軍に与えたが、その後、任務を無定形の「国家建設」目的に変更してしまった。その結果、その後の各政権も含め、アフガニスタン戦で達成可能な最終状態を明確にできなかった。最終状態が明確に定義されないと、政策の成否を政権が判断する客観的な指標も存在しない。

 こうして指標がないまま、アフガニスタンでは各政権、各司令官が独自に成功を定義し、前任者と一致することはほとんどなく、しばしば真っ向から対立することになった。このように泥沼化した曖昧な政策が何をもたらしたのか。20年にわたるフラストレーションと究極の戦略的失策が、昨年8月の不名誉な撤退とタリバンのカブール再入城で幕を閉じたのである。

 アフガニスタンでは、2万2千人もの兵士が犠牲になり、何兆ドルを無駄にしたものの、国家の存続にほとんど影響を与えなかった。ウクライナ政策についていえば、論理的かつ達成可能な戦略目標を設定できなければ、結果として、ロシアとの直接的な軍事衝突に巻き込まれ、核対決にエスカレートする可能性がある。

現在のウクライナ政策

昨年2月のプーチンのウクライナ侵攻以来、米国は欧州で行動の先頭に立っている。バイデンは、モスクワに対し、かつてない厳しい制裁を何度も科し、プーチンを公に悪者扱いし、ウクライナ軍に何十億ドルもの武器を提供し続けている。しかし、バイデンは、こうした行動の意図、あるいはどのような結果を望んでいるかを明らかにしていない。

 政権の意図について、様々なリーダーやオピニオン・メーカーが意見を寄せている。ひとつは、ウクライナがロシア軍の侵攻を食い止め、最終的にウクライナ領内からロシアを追い出すために、米国がウクライナに武器を提供するべきというものである。これは魅力的に見えるが、米国が直接現地に乗り込まないかぎり成功の可能性は非常に低い。ロシア軍を追い出すのに十分な規模と威力を持つ部隊をウクライナに生み出すには、何年も何百億ドルもかかるだろうし、それさえも成功の可能性は極めて低い。

 ワシントンでは、プーチンを追放するためモスクワの政権交代と、プーチン勢力を長期的に弱めるためウクライナの戦争を対露代理戦争に利用するとの2案が浮上している。プーチンが失脚する可能性は今のところなく(プーチンに続く者がより良くなる見込みもない)、モスクワを干上がらせようとすれば、必然的にウクライナの都市破壊が劇的に進み、死者が急増する(ロシアが攻勢を強め、軍事勝利を収めることもありうる)。

 さらに厄介なのは、バイデン政権に何の戦略もなく、ただロシアの動きに呼応して行動しており、プーチンを苦しめること以外は特に成果を求めないという可能性である。このような政策の大きな問題は、一貫し論理的な戦略目標がなければ、各政策が米国に有益な結果を生む可能性は低く、むしろ逆効果となって状況を悪化させる可能性さえある点だ

米国がとるべき政策

 ウクライナ戦争への米国の政策全般の指針として、現政権は米国の国家安全保障の維持と国民の繁栄の確保を2つの優先目標に設定すべきである。すべての行動、政策は、この2つの目標を支援し、促進するものでなければならない。それをサポートしないもの、あるいはそれに逆行するものは、すべて避けるべきだ。

 以下の政策は、上記2つの目標の達成を促進し、支え合う。第1に、米国は欧州同盟国と協調して、ウクライナに自衛用の武器・弾薬を提供する現在の施策を継続すべきである。これによりロシアがさらに進出すれば流血と装備両面で高くつくので、双方を交渉による和平へ導くのを目的とするものである。

 西側諸国は、ロシアが敗北し、ウクライナから追い出されるのを望んでいるが、ウクライナ国内の戦争被害を劇的に増大させずに、ロシアを追い返すことができるだけの攻撃的な軍隊を作るチャンスはほとんどない(ウクライナ都市部の物理的破壊が大幅に増え、民間人の犠牲者が劇的に増加するが、それでも最終的に軍事的成功は望めないだろう)。

 第二に、キーウに自衛用武器を提供するのと同時に、ワシントンは外交力を総動員し、ウクライナ政府高官や欧州各国政府、さらに水面下でモスクワとも協力し、当事者が戦争終結に向けて合意できる道を見つけるよう支援する必要がある。

 筆者は、交渉による解決を求めることは、戦争で発生中の深刻な殺戮と戦争犯罪の可能性のため、受け入れられない選択肢であると十分に理解している。しかし、この結果を追求することを拒否した場合、最も可能性が高いのは、戦争の延長、ウクライナでの死と破壊の増加、和解条件がウクライナにさらに不利になる可能性だ。アメリカにとっては、戦争が長引けば長引くほど、誤解や誤算、事故で、戦争がエスカレートする可能性が高まる。

 最後に、バイデンは、いかなる攻撃からも米国を守り、NATO条約第5条の義務を果たすとのレッドラインを貫くべきである。すでにバルカン半島のほとんどの国が国防費を増やし、軍事力を拡大させると宣言している。ドイツも同様に、軍備強化に1000億ドルを投入すると発表した。米国は、NATOへの攻撃があった場合に決定的な軍事的支援を提供するとの確固たる責任を強化する一方で、欧州諸国が自国の安全保障へ責任を強化する姿勢を称賛すべきだ。

ワシントンの最後の一線とは

 プーチンがウクライナで行っている戦争は、不道徳的かつ不必要であることに疑いの余地はない。世界はロシアに当然ながら反発しており、モスクワに厳しい罰則を科すのは適切である。しかし、ワシントンが確実に実行すべきは、まず米国の国家安全保障と米国の繁栄を保つことである。早期の戦争終結に向け努力し、ウクライナの国境を越えた紛争拡大を防ぐことは、上記2つの目的を促進することとなり、不可欠である。

 バイデンは、ロシアに十分な罰を与えつつも、ロシアとNATOの直接衝突を招きかねない行き過ぎた行動を避けるよう、西側の対応をリードすべきだ。過激な行動は制御不能に陥り、核兵器の応酬にエスカレートする可能性があまりにも高い。核戦争が起これば、米国は壊滅的な打撃を受け、米国民何百万人が死ぬ可能性がある。そのような事態に絶対に陥らないようにすることこそ、大統領の第一の責務である。■

What Does Joe Biden Hope to Achieve in Ukraine? - 19FortyFive


ByDaniel Davis

Now a 1945 Contributing Editor, Daniel L. Davis is a Senior Fellow for Defense Priorities and a former Lt. Col. in the U.S. Army who deployed into combat zones four times. He is the author of “The Eleventh Hour in 2020 America.” Follow him @DanielLDavis


米空軍がAWACS E-3セントリー後継機にE-7ウェッジテイル導入を決定。

  

 

ボーイング社製のオーストラリア向けE-7Aウェッジテイル航空早期警戒管制機。2014年撮影。空軍は、老朽化したE-3セントリー機の後継機としてウェッジテイルを選択した。(Melina Young/Royal Australian Air Force via Getty Images)

 

空軍は4月26日、E-3セントリー(空中警戒管制システム)の一部をボーイングE-7ウェッジテイルに交代させると発表した。

 空軍発表では、ウェッジテイルの採用は市場調査に基づいた決定で、戦術的戦闘管理、指揮統制、目標追跡に関する国防総省の要求全点を満たすのが可能な「唯一のプラットフォーム」で、1970年代まで遡る老朽化してきたE-3との交替に間に合うとある。

 米空軍は2023年度にボーイング社に発注する。ウェッジテイルはもともとオーストラリア空軍向けにボーイングが開発した機材。

 空軍の2023年度予算案では、オクラホマ州のティンカー空軍基地のE-3を15機(保有機数の約半分)を退役させるとある。代替用に、227百万ドルの研究開発・試験・評価資金を計上する。最初の迅速プロトタイプ仕様E-7は2027年度に納入される。

 空軍は、2024年度に迅速試作2機目に資金を投入する計画で、その翌年よりウェッジテールの実戦配備を目指すと述べている。

 ただし、今回の発表では、空軍がウェッジテイルを何機購入するかの言及はない。

 AWACSはボーイング707を大改造し、機体上部に30フィートの回転式レーダードームをつけ、指揮統制と情報、監視、偵察能力を提供し、レーダーの有効範囲は250マイル以上である。イラクやアフガニスタンなど数多くの紛争に投入され、現在はウクライナ紛争を監視中だ。

 しかし、同機は平均使用期間が43年を超えており、任務遂行率の低下や保守維持が厳しくなってきたことから、空軍は後継機の必要性を繰り返し強調してきた。

 先月、フランク・ケンドール空軍長官は記者団に対し、ウェッジテイルが「明らかに最有力候補」だが、適正な手続きでの検討が必要と述べていた。■

 

It’s the Wedgetail: Air Force to buy E-7 to replace AWACS

By Stephen Losey

 Apr 27, 06:27 AM

https://www.defensenews.com/air/2022/04/26/its-the-wedgetail-air-force-to-buy-e-7-to-replace-awacs/


行間を読め。中国初の国産空母山東が就役2年で大規模補修工事を受ける理由。

  

   

The picture shows aircraft carrier Shandong berths at a naval port in Sanya. China's first domestically-made aircraft carrier Shandong (Hull 17) was officially commissioned to the PLA Navy at a military port in Sanya, South China's Hainan Province, on the afternoon of December 17, 2019, making China one of the few countries in the world that have multiple carriers. Chinese President Xi Jinping attended the commissioning ceremony for the new aircraft carrier, which was named after China's eastern province of Shandong, and handed military flag to Senior Captain Lai Yijun, commander of the ship. Photo:China Military

三亜軍港に接岸する空母山東(艦番号17)は中国初の国産空母で2019年12月17日PLA海軍に正式就役し、中国は世界でも数少ない複数空母を保有する国となった。写真:中国海軍

 

 

ご注意 この記事は中国共産党の意向を強く受ける環球時報英語版を極力そのままお伝えするものであり、当ブログの意見や評価をお伝えするものではありません。

 

国で2番めの空母であり、初の国産建造となった山東は、2年以上の現役期間を経て、使い勝手を向上させるべく、最初の定期補修と改修を開始した。作業内容には、新種の滑り止め塗装や、サブシステム数点の修理やアップグレードが含まれる可能性があり、数ヶ月後にさらに協力になり復帰すると、観測筋は日曜日に述べた。

 

 

香港のニュースサイトwenweipo.comは中国人民解放軍(PLA)海軍の73回目創設記念日の4月23日に、中国東北部遼寧省の大連造船所のバースに停泊中の山東が、飛行甲板に新しい滑り止め塗装を受けていることを報じた。

 

wenweipo.comによると、同艦が2019年12月に海南省三亜でPLA海軍に就役して以降、初めての造船所整備となり、造船所作業員は臨時勤務をしている。

 

大連造船所の主ドックに山東はまだドック入りしていない。

 

ロイター通信は、台湾島の国防当局と匿名の情報源を引用して、3月18日、山東は飛行甲板に航空機を乗せず台湾海峡を南から北へ航行したと報じた。アナリストは、同艦が母港三亜から大連造船所に定期整備に移動する途中の可能性が高いと指摘していた。

 

作業には飛行甲板の滑り止めコーティングのリフレッシュに加えて、メンテナンスはまた、着艦時の拘束ギア、電力システム、パイプライン、電子システムなど、消耗されやすいサブシステムの改修、修理、アップグレードがあるかもしれないと、匿名軍事専門家は日曜日に環球時報に語った。

 

空母の総合的な検査が行われ、問題が発生した部分や過去2年間の経験に基づき最適化できる部分については、アップグレードやオーバーホールが行われる可能性があると専門家は述べた。

 

専門家は、空母が今回のような定期メンテナンスを受けるのは普通のことであり、作業には数ヶ月かかると述べ、山東は改修後、より強力で戦闘可能な艦になると指摘した。

 

報道によると、中国初の空母である遼寧の改修には、同じく大連造船所で2018年7月から約半年を要したという。■

 

China's home-built aircraft carrier Shandong starts 1st maintenance, refurbishment: media reports - Global Times

By Liu Xuanzun

Published: Apr 24, 2022 07:02 PM Updated: Apr 24, 2022 11:22 PM