2022年5月17日火曜日

NGADの姿を大胆に推理する-----Air Force Magazineより

NGAD artist concept from Northrop Grumman.

次世代航空優勢(NGAD)のシステムファミリーは、高度機密扱いのままだが、一部とはいえ詳細が明らかになってきた。

空権は空軍の最大のコアコンピテンシーだが、戦闘機材の老朽化に伴い、将来的に任務を遂行する能力がますます疑問視されている。空軍は2030年までに、F-22ラプターが空域で生存できなくなり、統合部隊が空からの攻撃に脆弱になる可能性を予想している。中国のJ-20をはじめとする敵機に加え世界で高度化する地上防空網の先を行くには、新しい制空戦闘機が緊急に必要だ。

米空軍は2018年以降、後継機となる次世代航空優勢(NGAD)システムの開発に25億ドル以上を投資してきた。2025年までに、90億ドルに膨れ上がると見られる。まだ高度に機密化されているものの、空軍は徐々にNGADに関する詳細を限られた形とは言え明らかにし始め、航空優勢を共同で獲得する「システムファミリー」と表現している。NGADファミリーは、少なくとも1機の有人機と未公表の数の無人機を含み、オプションで有人プラットフォーム、ミサイル、ポッド、オフボード機能(一部は宇宙から操作可能)を含む技術も含まれる予定である。護衛機の中には、センサーや複数の武器を搭載するものもあれば、電子攻撃や地上攻撃を専門に行うものもあり、NGADは敵の防衛力を突破し戦域内のあらゆる目標を危険にさらす能力をめざす。

1年前、空軍首脳が2020年代後半から2030年代の戦闘機部隊に関する「4+1」計画を発表し、多くの人がF-22の段階的廃止を要求していると知り唖然とした。計画の第一の要素は、「F-22からNGADへの移行」だった。

米空軍の未来(旧戦略、統合、要件)担当副参謀長S.クリントン・ハイノート中将Lt. Gen. S. Clinton Hinoteは、昨年5月にAir Force Magazineに、F-22は運用開始から20年になろうとしており、部品の陳腐化と「近代化で解決不能の限界」があると語った。

敵の側にある高度なセンサーが、F-22のステルス特性を克服し始めている。1990年代、あるいは1980年代後半の設計のラプターを新素材やアクティブな手段で改修しても、拡張に限界がある。2023年度に344百万ドルを投入する新型センサーは、NGADへの橋渡しになる。 ハイノートも「リスクを前提にできる分野ではありません」と言う。

2023年度予算でNGADへの「大きな...コミットメント」が迫るため、空軍は昨年からNGADについて話す機会が増えている。2022年度のNGADの予算要求は15億2500万ドルで、2023年度には16億5800万ドルに増加する。その資金調達のため、空軍は来年、最も古いF-22を含む既存の戦力構成を犠牲にすることを覚悟している。

NGADは2018年予算で2億9500万ドルの項目として初登場し、翌年には「Air Superiority Family of Systems」に4億3000万ドルを要求していた。

2022年度予算で、空軍はNGADが「ゲームを一変する技術を導入することで将来にわたり航空優勢を維持する保証となる」と述べていた。NGADは「単一のプラットフォームではない。"次世代 "の航空機の実現ではなく、ギャップを緩和する能力の提供に重点を置く」というのが空軍の説明だ。

しかし、NGADファミリーの少なくとも1つは、有人機となり、無人機が随伴することになる。米空軍の元調達担当ウィル・ローパーWill Roperは2020年9月、NGADの「フルスケール飛行実証機」がすでに飛行していると明らかにし、「多くの記録を破った」とおどけた様子で付け加えた。彼は後に記者団に対し、デジタルエンジニアリングの採用が 「現実世界で現物」を実現しつつあることを空軍コミュニティに理解させるため、発表したと語った。

ローパーのNGADコンセプトは、従来の元請け企業に限らず、新興企業も競争に参加させるもので、新型機は、設計企業が作る必要はないとする。ローパー構想では、50〜100機の短期間生産とし、その間に、より高度な機体を次々と開発し、ほぼ5年ごとに新型機を開発するとしていた。この開発頻度は、F-22とF-35プログラムの特徴である「勝者総取り」競争を反復的で迅速な開発サイクルに置き換え、技術更新を数十年単位から数年に短縮するものである。空軍はこのアプローチを放棄しておらず、参謀総長チャールズ・Q・ブラウン・JrGen. Charles Q. Brown Jr..が空軍発した「変化を加速せよ...さもなければ負ける」という勧告に合致している。 

F-22は原設計が1980年代で2005年に運用開始となったが、2020年代末には敵側のセンサー性能の向上に太刀打ちできなくなる。NGADファミリーはこれに対し「数桁上の」ステルス性能を実現する必要がある。 Staff Sgt. Betty Chevalier


ローパーは当時、「今回の発表は、"e-plane"を仮想世界で飛ばしたということではありません」「フルスケールの飛行実証機を作り、現実の世界でそれを飛ばしているのです」と述べていた。

ハイノート中将は、2021年5月のインタビューで、「(NGADが)うまくいっていることに驚いている」と語っている。彼は、招待した連邦議会議員が「感動」して帰っていったと語った。また、NGAD実証機を操縦するテストパイロットからも高い評価を得ているとした。

ハイノート中将はNGADの導入時期は明言しなかったが、システムの一部について、「必要に応じ有人操縦可能」 と言及した。またNGADはF-22を「1対1」で置き換える機材ではない、と述べている。

F-22が185機あることを考えると、ハイノート中将の説明は、最初のNGADを100機以下しか購入しないというローパーの計画と合致する。

ハイノート中将は、2機目のNGADが開発中であることを「肯定も否定もできない」としながらも、高速回転の連続開発により、「大企業が、設計段階で競争状態に入る」と述べている。

ローパーのNGADのビジョンで重要な点の1つは、30〜40年持つ設計ではなく、12〜15年で導入、運用、引退させる短い運用期間を想定していることだ。「このアプローチでは、資金調達の重点を、ウェポンシステムのコストの70%を占める維持管理から、設計と調達に移すことになります」とし、旧モデルでは、ベンダーは航空機を作るよりも、機材を維持することで利益を得られる構造になっている。部品の陳腐化は、今日、空軍のほぼすべてのレガシーシステムを苦しめている。NGADはベンダーロック」を排除するのが目的であるとHinote氏は言う。サステナビリティを管理し、新しいプログラムを作るよりもアップグレードやメンテナンスを永続させることにメーカーがインセンティブを感じるのが現状だ。

これに対し、NGADでは、ハードウェアとソフトウェアの機能拡張を永続的に展開し、それぞれの反復で前のモデルを「飛び越える」のを目指す。ローパーは、世代交代が5〜8年で起こると期待していた。

F-22のように、NGADも対地攻撃機能を備える。2021年6月、空軍参謀長チャールズ・Q・ブラウン・ジュニア大将はNGADは「生き残るため、また航空部門司令官や統合軍にオプションを提供するため、ある程度の空対地能力を持つ」と下院軍事委員会で述べた。

空軍幹部のコメントと一般的な業界情報をもとに、NGADの特徴を絞り込んでみよう。


長距離性能と兵装搭載量を優先すればNGADは従来型戦闘機の形状と異なる可能性がある。特に太平洋方面を考慮すれば操縦性能は二の次となる。上はB-21爆撃機に酷似したNGADに無人護衛機編隊が加わり、運用される構想図。

Mike Tsukamoto/staff; Greg Davis/USAF

飛行性能はどうなる

NGADの主翼は、少なくともF-22と同程度の高度と速度で飛行を想定する。つまり、上空約6万5000〜7万フィート、最高速度はマッハ2.8程度となる。F-22は非常に高い機動性を持つように設計されているが、NGADがドッグファイトを行う必要があるかどうかについて、空軍は明らかにしていない。F-35では後方の戦闘機にミサイルを撃ち込むことができるなど、最新のセンサーやミサイル性能を考えると、NGADは極端な機動性を捨てて、大きな内部燃料タンクと大量の武器搭載量を選ぶかもしれない。

航空戦闘軍団ACCの前司令官ハーバート・"ホーク"・カーライル大将Gen. Herbert “Hawk” Carlisleは2017年、NGADの原型とされる「侵攻型戦闘機」は、太平洋戦域の長距離に対応し大きな翼と大きな燃料タンクを備え、より多くの射撃を可能にする搭載量を持つB-21爆撃機に近くなると推察していた。

予算が明らかになった3月、計画・プログラム担当副参謀長のデイビッド・ネイホム中将Lt. Gen. David S. Nahomは、空軍はこれまでヨーロッパとロシアを中心に戦闘機を開発してきたが、NGADは異なると語った。「これまで太平洋の射程距離を考慮して戦闘機を開発したことはない」と、Air Force Magazineのインタビューで答えている。「だから、これは初めてになる」と。

別の空軍首脳は、NGADに2つバージョンがあり、1つは太平洋戦域の長距離要件に最適化され、もう1つはよりコンパクトなヨーロッパ戦域に最適化されるかもしれないと述べている。     

ステルス 

NGADがどこまでステルスでなければならないかについて、軍関係者は口を閉ざしている。飛行速度が、発見されても防衛側にミサイル対応に十分な時間がなくできるのであれば、速度とステルス性を引き換えにしてもよいという意見もあった。

一方、中国がアメリカの第5世代航空機を探知できるとの警戒感は、ここ数年、各国首脳から強まっている。ACC司令官マーク・D・ケリー大将Gen. Mark D. Kellyは、ステルスは「見えないという意味ではない」「ステルス機はある距離で探知される前提で、防御のため近接電子妨害を必要とする」と発言している。

業界筋によれば、NGADは現在の第5世代戦闘機よりも「桁違い」に探知されにくく、レーダー断面積はBB弾と同じになるという。また、捜索・追跡レーダーの主要な帯域に対して最適化するのではなく、各種帯域でステルス性が高くなる想定だという。

ここ数ヶ月、F-22、F-35、さらにF-117が、機体全体に光沢のある金属製パネルを装着している姿が目撃され、写真に撮られている。空軍はその目的を明らかにしていないが、第5世代戦闘機のアップグレードの可能性、あるいはNGADの新しいステルス処理をテストしているのだろう。

空軍関係者は2010年代半ばに、侵攻型電子攻撃機Penetrating Electronic Attack aircraft(PEA)と呼ばれる次世代戦闘機用の妨害援護機の可能性を公然と語っていた。ジャミング護衛機がNGADの「ファミリー」の1つであるのは間違いない。

センサー類

第5世代戦闘機は、アクティブ電子走査アレイ(AESA)レーダーを使用し、周波数を高速にホップして、電子放射を発見・追跡する時間を短縮している。NGADでは、有人戦闘機にAESAを搭載せず、機能を護衛機に依存することで、有人型機を発見しにくくなる可能性がある。

また、敵のステルス機を熱特徴で識別する赤外線サーチ&トラッキングシステムも搭載されるはずだ。IRSTは、F-22で計画するセンサーアップグレードの一つで、最近、同機の外翼に細長いステルスをねらったポッドをつけて飛行しているのが目撃されている。空軍は、前面が誘電体で透明になっているように見えるこのポッドについて説明していない。

エンジン 

NGADは、敵地の奥深くへ侵入し、タンカーの支援も受けずに活動する。そのためには、大容量の内部燃料タンクと、燃料を効率よく使用する能力の両方が必要だ。2007年以降、空軍は数十億ドルを投じて適応型エンジン移行プログラム(AETP)を実施しており、高推力と高い燃料効率を持つパワープラントを開発してきた。AETPは、「ターン&バーン」運動性能を必要とするミッションや、燃料の節約が必要なミッションに適応する。また、部品の積層造形技術、シール技術、高温セラミック技術により、現在のターボファンより高温でのエンジン作動が可能となる。 

AETPエンジンには、GEエイビエーションのXA100とプラット&ホイットニーのXA101の2種類がある。どちらも昨年秋に試験段階に進み、今後2年間は耐久性など試験を行う。両社とも、航続距離を25〜30%伸ばし、加速を18%向上させる空軍の目標を達成したとしている。また、電子戦システムや指向性エナジー兵器用に、現行の戦闘機用エンジンを上回る電力供給が実現する。 

両社は方法については言及しないが、AETPエンジンで機体をよりステルス化させるとも言っており、おそらく熱特徴を減少させるのだろう。 

空軍と産業界は、AETPプログラムは常にNGADが念頭にあると言う。テストと調整を経て、AETPエンジンは2027年頃に生産可能となる見込みで、最初の量産型NGAD試験機の装備に間に合う。一方、空軍は、同技術をF-35のブロック4バージョンに適用することも考えている。

フランク・ケンドール空軍長官は、2023年度予算要求でAETPがどう扱われたかを尋ねられ、「研究開発は続ける」と答えたが、「新型エンジンの開発費用はかなり大きい。他の軍とのパートナーシップを模索する。F-35統合計画室長エリック・フィック中将Lt. Gen. Eric T. Fickは、多国間F-35パートナーシップのルールでは、空軍がF-35Aに非標準エンジンを搭載したい場合、開発・生産コストを自費負担しなければならないと述べている。空軍は、2023年度のAETPの資金要求を22年度比で3倍の354百万ドルに増やした。

海軍は独自のNGADに準ずるプログラムを持っており、ペンタゴン当局は以前から、空軍が開発中のETPエンジンを使うことはほぼ間違いないと述べている。 

将来型戦闘機のコンセプト図では有人無人機型共に無尾翼としてレーダー断面積をさらに削減させる。米海軍もNGAD技術を共有するものの、F-35のような共通機材にはならない。NGADは50-100機程度の生産とし、5-8年ごとに改良型を登場させる構想だ。空軍はデジタルエンジニアリングの恩恵を活用し、中小メーカーにも参画を働きかけたいとする。Mike Tsukamoto/staff; Boeing

兵装

AIM NGADの主力兵器は、現在ロッキード・マーティンが開発中のAIM-260A Joint Advanced Tactical Missile(JATM)が有力視される。2019年に初めて明らかにされたJATMは、中国の長距離空対空ミサイルPL-15に対抗し、ドッグファイトにおける「ファーストショット・ファーストキル」の独占を米国に回復させる手段となる。 ケリーACC司令官は昨年9月のAFA会議で、米空軍は第5世代機に「第5世代兵器」を必要としていると述べた。

現在の兵器は、ステルスの利点を否定するという。このような状況下で、「ステルス機を誰でも観測可能にすれば、ステルス部隊を持つ意味がなくなる」とケリー大将は述べた。中国のPL-15の射程は約80マイルなので、AIM-260の射程はかなり長くなる可能性がある。JATMは「そこそこ使える」(ケリー大将)という。 

ステルス性を維持するため、F-22はAARAMは内部搭載する必要がある。JATMの外寸はAMRAAMと同程度になるのではないか。

JATMは赤外線とミリ波レーダーの両方を含むマルチモードシーカーを搭載するようだ。AMRAAMは良いミサイルだが、ケリー大将は「できることはほとんどやりつくした」と述べている。空軍はフロリダ州エグリン空軍基地でJATMをテストしているが、飛行機愛好家たちに目撃されたり撮影されたりしていないのは、AMRAAMに酷似しているのを示唆しているのかもしれない。つまり、ロッキード・マーティンは推進剤の追加用部品を小型化することに成功したのか。また、弾頭部分を炸裂した断片で破壊するのではなく、直接標的を攻撃する可能性もある。これも推進剤の収納スペースを確保に役立つ。

MAM 空軍予算書によると、モジュラー式高性能ミサイルModular Advanced Missile, MAMは2023年に戦闘機で運動学的テスト」を受ける予定の高度に機密化されたシステムだ。同兵器では、弾頭とシーカーが交換可能で、空対空または空対地ミサイルとして使用できる。また、射程距離を伸ばすため、「積み重ね可能な」モジュール式の推進剤システムを採用する可能性もある。

LREWLRAAM  レイセオンが開発中の長距離交戦兵器とボーイングで開発中の長距離空対空ミサイルは、どちらもモジュラー式で、ミサイルに推進セグメントを追加して射程距離を伸ばすことができるため、実際はMAMと同じかもしれない。 

ペレグリンクーダ レイセオンが自社資金で開発し、2019年に発表したペレグリンPeregrineは、AMRAAMの半分の大きさだが、より高速で遠くまで飛ぶという。小型でありながらAMRAAMとほぼ同じ能力を持つため、NGAD「ファミリー」システムの護衛機に最適で、NGADで搭載できる武器が増えるかもしれない。ロッキード・マーチンのクーダCudaは、ほぼ同じサイズだが、独自の制御システムを持ち、空軍研究本部の小型先進ミサイル・プロジェクトへのロッキードの回答であった。

これらのミサイルには、NGADやその後継機用に計画されたものもあるかもしれない。ケリー大将は、2021年9月のAFA Air, Space & Cyber Conferenceで、「問題Aに着手しつつ、問題Bを目視もしないわけにはいかない前を向き続けなければならない。」と述べている。ケリー大将は、中国が新型機の実戦投入前から後継装備の開発を始めていることを指摘した。

極超音速 極超音速兵器は、地上の標的を攻撃するためだけのものではない。国防総省高官は、10年以上前から、将来の空対空兵器として、空気取り入れ式の極超音速システムを推進してきました。ケリー大将は、極超音速で発射から標的までの「飛行時間を短縮」できるが、「敵がこちらに接触する能力と同等かそれ以上の距離で接触できるとを確認する必要がある」と述べた。

指向性エナジー 現在、空軍は自己防衛用高出力エナジー・レーザー実証機(SHiELD)プログラムで、集束パワー約150kwを発生できるレーザー・システムが調達可能となっているが、これが最終的な答えではない。業界筋によると、米空軍は、レーザーシステムを将来の空戦システムの一部にするつもりであり、航空機のシーカーの目をくらませたり、飛んでくるミサイルから航空機を防衛することを最低限の目的としている。


その他の技術 

元空軍参謀長デイビッド・ゴールドフェイン退役大将Gen. David L. Goldfeinは2019年、NGADは「5つの主要技術」で構成されると述べ、すべてを「単一のプラットフォームに集まる」ことはなく、すべてが同時に成熟することもないだろう、と語った。同大将は5つの技術要素をその場で列挙しなかったが、後にエンジン、武器、センサー、人工知能、接続性と言及した。

契約企業はどこになるのか

ロッキード・マーティンのジェームス・D・タイクレJames D. TaicletCEOとノースロップ・グラマンのキャシー・J・ウォーデンKathy J. WardenCEOは、過去1年間の決算報告で、NGADに適用可能な技術に取り組んでいることに言及した。ロッキードの航空部門担当上級副社長グレゴリー・M・ウルマーGregory M. Ulmer,は、Air Force Magazine誌に、有人/無人チーム編成において同社の「スカンクワークス」が大きな役割を果たすと考えていると語った。

NGADは、空軍がそれを維持できる限り、高度に機密情報になる可能性が高い。ケンドール長官は、冷戦時代の慣習にならい、将来の戦闘機の形状や機能を共有することに消極的で、敵に対抗策を開発する「先手」を与えかねないと述べている。■

Piecing Together the NGAD Puzzle - Air Force Magazine


Piecing Together the NGAD Puzzle

By John A. Tirpak

April 29, 2022



フィンランドのNATO加盟でロシアを取り巻く構図はこう変わる。すべてロシア自身に原因があるのに報復措置とは....

 

 


Finland

2018年10月31日、NATO演習Trident Juncture 2018の砲撃演習の前に、常備NATO 海洋集団2(SNMG2)の旗艦HNLMS De Ruyter乗員がゴールキーパー近接武器システム(CIWS)を点検している。ゴールキーパーは、高機動ミサイル、航空機、高速機動水上艦から艦船を短距離で防衛するためのシステムです。Trident Juncture 18は、NATO各国軍を訓練し、共に活動でき、全方位の脅威に対応できるようにするため立案された。Trident Juncture 18は、ノルウェーと、アイスランド、フィンランド、スウェーデンの領空を含む北大西洋とバルト海の周辺地域で開催された。31カ国約5万人が参加した同演習は、NATO演習でも最大規模のもの。250機以上の航空機、65隻の艦船、車両1万台以上が演習に参加し、空、陸、海、特殊作戦、水陸両用の訓練を実施・実行した。

フィンランドとロシアの歴史が教えてくれる - 5月12日、フィンランドのサウリ・ニーニストSauli Niinistö大統領とサナ・マリンSanna Marin首相は、NATO加盟を正式に申請すると発表した。フィンランド政府ホームページで発表した声明は、断固たる言葉で以下結んでいる。


「NATO加盟は、フィンランドの安全保障を強化する。NATOに加盟することで、フィンランドは防衛同盟全体を強化できる。フィンランドは遅滞なくNATO加盟を申請しなければならない。この決定を下すために必要な国内措置が、今後数日以内に迅速に取られることを希望する」。

声明は、ロシアのウクライナ侵攻に一切触れていないが、ヘルシンキはここ数カ月、ロシアの侵略で自国が動かされてきたと、はっきりと述べている。5月11日のボリス・ジョンソン英首相との記者会見で、ニーニスト大統領は、フィンランドの決断はロシアのプーチン大統領に責任があると述べた。

予想通り、この発言にクレムリンが素早く反応した。クレムリンは、フィンランドがNATOに加盟すれば、軍事的影響を受けると繰り返し脅してきた。クレムリンのドミトリー・ペスコフDmitry Peskov報道官は記者団に対し、「フィンランドは、EUがわが国に対してとった非友好的な措置に加わった。これには遺憾の意を喚起せずにはおられず、我々の側も相応の反応をさせてもらう」と述べた。

しかし、民主主義世界は反対の見解を示した。英国、フランス、隣国のポーランド、エストニア、リトアニアなどNATO加盟国が、フィンランドの加盟で支持を表明している。ニイニスト大統領は、発表後にウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領と電話会談したとツイートした。「フィンランドがNATO加盟に向け歩みを進めていると伝えたところ、全面的な支持を表明してくれた」とある。

フィンランドのNATO加盟は、同盟の東側における戦略的バランスの地殻変動となる。なぜなら、ロシアはNATOと810マイル(1300キロメートル)の国境を新たに共有することになるからだ。また、サンクトペテルブルク近郊のロシア軍にNATOが近づくことになる。

NATO加盟はまた、フィンランドの歴史において、伝統的な中立姿勢に終止符を打つ点で重要な転機となる。また、フィンランドとロシアとの長年にわたる険悪な関係にも恒久的な変化がもたらされる。これまでフィンランドは、大きな隣国から侵略を受けたり、脅威にさらされてきた。

スウェーデン王国領時代から、ロシアとスウェーデンの戦争で何度もロシアの占領を受け、1809年にロシア帝国に大公国として併合されたのがフィンランドだ。その後、ロシア帝国の崩壊に伴い、1917年に独立宣言するまで、フィンランドはこの地位のままだった。

しかし、新生ソビエト連邦との関係は、友好的なものではなかった。赤軍はフィンランドの一部を頻繁に占領し、再併合は常に脅威であった。こうした緊張は1939年の冬戦争(第一次フィンランド・ソビエト戦争)で頂点に達し、第二次世界大戦が勃発の数カ月前のことであった。フィンランドは領土の一部を割譲されたが、戦車、飛行機、兵力など軍事的に優位のはずの赤軍を撃退し、現在のウクライナにおけるロシアの屈辱とよく似た結果を生んだ。その後、フィンランド政府は、1941年から1944年の継続戦争(第二次フィンランド・ソビエト戦争)において、ナチス・ドイツと同盟しソ連軍を領土から追い出すまでに至った。

5月12日の発表以前から、フィンランドのNATO加盟問題は、同国とロシアの歴史と深く結びついていた。特に2014年にロシアがクリミアを併合してから、今回の案が浮上するたびに、モスクワは現在の声明とほぼ同じ脅しを発し、毎回のようにフィンランド国境に軍隊を近づけるとしてきた。

フィンランドのロシア国境が最新の脅威の中で再び引き合いに出された。ペスコフは、「NATOの拡大は、大陸をより安定、安全にするものではない」と述べ、モスクワの反応は「NATOの拡大プロセスがどう展開されるか、軍事インフラが我方の国境にどこまで近づくか次第だろう」と述べた。

幸いにも、フィンランドはロシアとの長い国境を守るため十分な備えがある。フィンランドの防衛は西ヨーロッパ最大規模の野砲部隊で固められており、ロシアのウクライナ侵攻に先立ち、フィンランドはロッキード・マーチンのステルス戦闘機F-35ライトニングII調達でワシントンと合意し、64機を発注している。

F-35は、東欧におけるNATOの戦略的立場を変える決定的な役割を果たすはずだ。情報収集、監視、偵察能力により、ロシアのレーダーに事実上見えないまま、ロシア軍に関する情報を収集できる。また、同機は、将来の戦争に対し説得力のある抑止力にもなる。フィンランドがNATOに加盟し、同地域にF-35が存在すれば、ロシアはバルト三国への侵攻の前に考え直さざるを得なくなり、NATO同盟国から地理的に孤立した状態が大きく緩和されるだろう.

フィンランドの加盟手続きは加速される見込みで、NATO関係者によれば、2週間弱で終了する可能性があるという。NATO加盟を間もなく発表すると思われるスウェーデンも、加盟が早まるだろう。あるNATO関係者は、「今は尋常な時ではない」と説明している。■

Finland Joining NATO Is a Game Changer (And Russia's Fault) - 19FortyFive

BySarah White

 

Sarah White is a Senior Research Analyst at the Lexington Institute. Prior to joining Lexington, Sarah held internships at the Albright Stonebridge Group and the Woodrow Wilson International Center for Scholars. She earned an M.A. in Latin American Studies in 2019 from Georgetown University’s Walsh School of Foreign Service, and a B.A. in political science and Spanish from Wake Forest University in 2017. Sarah is fluent in Spanish, proficient in Portuguese, and conversational in French. She is a native of McLean, Virginia.

 

 



2022年5月16日月曜日

主張 プーチンとウクライナの交渉は不可能。プーチンの退陣、ロシア軍のウクライナ領撤退があってこそ対話が可能。外交交渉に注力すべきとの主張が間違っている理由。

  

Ukraine Russia

Russian President Putin. Image Credit: Creative Commons.

クライナはロシアと「対話」できるのか?プーチンの目的はウクライナの消滅にあるようだ。

1944年のヨーロッパで、連合国指導者が次のように言ったと想像してほしい。「平和を築くためユダヤ人とドイツ人が同じテーブルで作業を行わなければならない。議論と交渉の終わりは、ユダヤ人とドイツ人が決める。否定することでも、互いを排除することでも、屈辱を与えることであってもならない」。

この提案では失敗する運命にあるとほとんどの人が同意するのではないだろうか。アドルフ・ヒトラーとユダヤ人社会の代表が、どうやって何かを話し合えるというのか。ヒトラーはユダヤ人を絶滅させると決意しており、ユダヤ人は生き延びたいと願っている。このゼロサムコンディションでは、心の交流は不可能だ。

ユダヤ人をウクライナに、ドイツ人をロシアに置き換えれば、5月9日にフランスのマクロン大統領のストラスブール発言になる。ロシアがウクライナで行っている大量虐殺は、ホロコーストほど破壊力はないものの、戦争が始まり3カ月しか経っていない現時点で、交渉の論理は同じである。ユダヤ人がドイツ人と交渉できるのは、ドイツ人が反ユダヤ主義とナチズムを敗北させ、謝罪し、放棄した後であるように、ウクライナもロシアと交渉できるのは、ロシアが反ウクライナ主義とナチズムを敗北させ、謝罪し、放棄した後なのだ。

それが実現しない限り、プーチンのロシアは、ウクライナとウクライナ人を破壊し、ソビエト・ロシアがかつて支配した各国に版図を拡大しようとする、ならず者ファシスト国家のままだろう。モスクワ市議会の副議長が最近述べている。ロシアはエストニア、ラトビア、リトアニア、ポーランド、モルドバ、カザフスタンを「脱ナチス化」しなければならない。

ロシアの政策立案者は、ウクライナは人為的な構築物であり、ウクライナ人は存在しないと繰り返し発言している。ある下院議員は、「ウクライナという概念そのものを存在させてはならない」と宣言している。「ウクライナ人という概念も存在すべきではない」。同議員は自分の意見が「過激」と言うが、実は今日のロシアで主流である。したがって、啓蒙主義の「教育出版社」は、ある編集者の言葉を借りれば、「ウクライナが存在しないかのように見せなければならない」ので、テキストからウクライナやキーウの言及を削除するように従業員に命じている。数週間前だが、ロシアの広報担当者は、ウクライナの国家抹殺の詳細な青写真を提案していた。

ロシア軍は、殺害、強姦、略奪を奔放に行い、その過程で戦争犯罪多数を犯している。同時に、ロシア人はウクライナの文化遺産200近くを破壊し、略奪している。18世紀のウクライナの哲学者フリホリ・スコヴォローダの博物館は5月初旬に砲撃され、数日後、メリトピルの博物館から古代スキタイの金の宝石と芸術品が盗まれた。

マリピルではウクライナ市民数万人が死亡し、その他ウクライナの村、町、都市で数千人が死亡している。何十万人が「民族浄化」され、ロシアに強制送還された。何千人もの子供たちが誘拐された。

今日のロシアの行動は、1930年代初頭にモスクワが行った反ウクライナキャンペーンとなんら変わらないものだ。キャンペーンは、ジェノサイドの言葉を作ったポーランド系ユダヤ人の学者ラファエル・レムキンの定義にあてはまる。当時も今も、モスクワはウクライナを物理的に破壊するだけでなく、「伝統、民間伝承、音楽、国語、文学、民族精神」の破壊を目指している。モスクワの計画が成功すれば、レムキンの言葉を借りれば、「ウクライナは死んだも同然になる。 

プーチンのロシアがウクライナで大量虐殺を目ざしているのを考えれば、ウクライナ人とロシア人が何を話し合えるのだろうか?マクロン大統領や西側諸国はプーチンと何を話し合えるのだろうか?ウクライナ人を何人殺すのかについて?ウクライナの都市に発射するミサイルの数について?大虐殺のペースについて?ゲットーの建設についてだろうか。

ヒトラーと同様に、プーチンが敗北し、ロシアが脱ナチス化されなければ、ロシアとウクライナ、さらに西側の間で合理的な対話など不可能だ。だからといって、外交をやめるわけにはいかない。奇跡は起きるものだ。また、敗北はロシアの崩壊や破滅を意味するものでもない。しかし、最低でもロシア軍のウクライナからの撤退、そして、より重要になるのが、プーチンの退陣が必要だ。

西側諸国は幻想を抱いてはならない。プーチンのロシアは世界平和の脅威であり続け、ウクライナや他の旧ソビエト諸国との新たな戦争は不可避だろう。欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長が「ロシアは今日、世界秩序への最大の直接的な脅威だ」と言ったのは全く正しい。

同委員長は、プーチンが権力を握る限り、今の状態が続くと付け加えていてもおかしくない。あるロシア人論客が言うように、プーチン本人が去った後でないとロシアでは「敗北を認め、和平を締結し、早期の改革に着手する」ことが可能にならない。■

Putin's Russia Has One Goal: To Ensure Ukraine Doesn't Exist - 19FortyFive

ByAlexander Motyl

 

Dr. Alexander Motyl is a professor of political science at Rutgers-Newark. A specialist on Ukraine, Russia, and the USSR, and on nationalism, revolutions, empires, and theory, he is the author of 10 books of nonfiction, including Pidsumky imperii (2009); Puti imperii (2004); Imperial Ends: The Decay, Collapse, and Revival of Empires (2001); Revolutions, Nations, Empires: Conceptual Limits and Theoretical Possibilities (1999); Dilemmas of Independence: Ukraine after Totalitarianism (1993); and The Turn to the Right: The Ideological Origins and Development of Ukrainian Nationalism, 1919–1929 (1980); the editor of 15 volumes, including The Encyclopedia of Nationalism (2000) and The Holodomor Reader (2012); and a contributor of dozens of articles to academic and policy journals, newspaper op-ed pages, and magazines. He also has a weekly blog, “Ukraine’s Orange Blues.”

 


2022年5月15日日曜日

ウクライナ戦 5月13-14日の最新状況 東部戦線の激戦、ウクライナ軍の反撃など

 Ukraine Situation Report: Russia Defeated In Months-Long Battle For Kharkiv

 

ロシアがハルキウ奪取を大目標から外したことが驚くべき進展となった。

 

クライナ軍は、ハルキウ前線で反撃に成功し、ロシア国境に到達したと伝えられている。ウクライナ軍は先週から、包囲中の都市から北と東に押し戻し、都市を守るロシア軍を砲撃範囲外に追いやろうとしてきた。

 

 

 

 ハルキウ前線は、4月上旬のキーウ北部、チェルニヒフ、シュミーにつづき挫折したロシア攻撃軸となった。ウクライナ第二の都市ハルキウは、戦争初日からロシアの主要目標であり、ベルゴロドでロシア軍が国境を越えて進出して以来、ほぼ絶え間なく砲撃、地上攻撃、航空攻撃に耐えてきた。ロシア軍がベルゴロドで国境を越えて進出して以来、ほぼ絶え間なく砲撃、地上、空からの攻撃に耐えてきた。この都市にあらゆる攻撃を加えた後に戦線を崩壊させたのは、見事としか言いようがない。

ウクライナ軍がハルキウの北と東で勝利すれば、ロシア軍がクラマトルスクとスロビャンスク方面に進出しているイジュム稜線での攻撃に集中することができる。

 

最新情報

ミッチ・マコーネル Mitch McConnell上院少数党院内総務と共和党上院議員3名は、土曜日にヴォロディミル・ゼレンスキー大統領とキーウで会談した。残る3名はメイン州のスーザン・コリンズ上院議員Sen. Susan Collins、ワイオミング州のジョン・バラッソ上院議員Sen. John Barrasso、テキサス州のジョン・コーニン上院議員Sen. John Cornyn

 ゼレンスキーはインスタグラムで、この訪問を 「米国議会と米国民によるウクライナへの超党派支援の強力なシグナル 」と呼んだ。

 今回の訪問は、米国政府関係者によるウクライナ訪問の中で最新のもので、1週間前にはジル・バイデン大統領夫人が西部の都市ウゾロドで難民とオレナ・ゼレンスカ大統領夫人に会い、2週間前にはナンシー・ペロシ下院議長が以前の議会代表団を率いてキーウを訪れている。ロイド・オースティン国防長官とアンソニー・ブリンケン国務長官は4月下旬にゼレンスキーと会談している。

 

 英国国防省の最新情報によれば、占領下のケルソンでロシアの支援を受けた当局による住民投票が迫っており、不正操作の可能性が高いと指摘されている。

 住民投票は、ドンバス地方の分離主義政権と2014年のクリミア併合を正当化するロシアの取り組みの一部としての戦術を反映したものだろう。しかし、ケルソンの支配権をめぐる激戦が、住民投票にどのような影響を及ぼすかは不明だ。

 ドネツ川沿いの戦闘は、ロシアが信じられないような損失を出しながら、激しい戦闘に発展している。今週初めに、渡河作戦の失敗について書いた。

 新しいドローン画像では、ロシア軍による高価で混乱した川への撤退らしきものを示しており、戦車多数が砲塔まで水に浸かっているのが見える。

 これほど多くの戦車が川に入った理由は不明だ。敵の攻撃を受けてパニックになった戦車乗組員が水中に退却したのか、あるいは煙の中や暗い中を進む信じられないようなミスマッチで、シュノーケルを装着せずに進入したのか。

 さらに南のマリウポリでは、アゾフスタル製鉄所が数週間の砲撃を受けており、包囲された同製鉄所に立てこもる部隊の避難をめぐり交渉が続いているが、依然包囲されたままだ。

 アゾフ連隊のテレグラムによると、ロシア軍は重砲、戦車、航空攻撃、歩兵大部隊を投入して、製鉄所の守備隊を排除する努力を続けているとある。

 ロイド・オースティン国防長官は金曜日、ロシアのセルゲイ・ショイグ将軍と、ロシアの侵攻前以来初めて会談した。オースティンは、ウクライナでの「即時停戦」と、ロシア=アメリカ間のコミュニケーションラインの改善を訴えたと伝えられている。

 同日にドイツのオラフ・ショルツ首相がロシアのプーチン大統領と会談し、同じように「即時停戦」を求めた。停戦してもロシアが侵攻前のラインまで撤退しなければ、ロシアの領土獲得がより強固になり、間違いなくロシアの利益になると、オブザーバーは指摘している。

そのため、ゼレンスキーは和平交渉とその後の停戦は、ロシア軍がウクライナ領から撤退するのが条件だと主張している。

 また、ロシア予備役がボルトアクションのモシン・ナガント・ライフルを装備している映像も興味深い。狙撃兵や射撃手で有効な選択肢であるが、予備役部隊は標準的な照準器以上の光学機器を備えていない。

 ロシアにはカラシニコフ銃が一生分あるのに、予備役に100年前のライフルを支給するのは、ウクライナ軍が小火器の不足が深刻化しているとはいえ、最新兵器を大量に受け取っている現状ではあまり意味がない。

 最後に、ジョージア軍団は、ELEEK Atom電動バイクを少なくとも1台手に入れたようだ。同軍団のマムカ・マムラシビリMamuka Mamulashvili司令官は、ロシア軍の砲撃を避けながら狙撃チームが素早く移動できるよう、静かでスピーディなバイクが欲しいとかねてから述べていた。静粛性に優れた電動バイクに関する記事は別途ご紹介する予定だ。■

 

Contact the author: stetson.payne@thewarzone.com


Ukraine Situation Report: Russia Defeated In Months-Long Battle For Kharkiv

 

Russia giving up Kharkiv as a major objective is a stunning shift in its now nearly three-month-old invasion.

BY

STETSON PAYNE

MAY 14, 2022 4:33 PM

THE WAR ZONE


ウクライナ戦でインテリジェンス活動はどこまで効果をあげているか 第一部 米英中心の西側諸国の動き

  

 

U2

 

争に突入すると必ずと言っていいほど、情報機関の失態について憶測、非難、反論が出てくる。

 

 

情報機関が批判の的となるのは、物事がうまくいかないときだ。特に政治家は、「情報機関の失態」という言葉の響きを楽しむ傾向がある。この言葉を使えば政治的判断の誤りから注意をそらす効果がある。イラクの大量破壊兵器をめぐりブッシュ政権が言い逃れをして以来、情報機関は情報成果の公開を軽視する傾向が強くなっていた。ウクライナ侵攻の以前、さらに今後も、国際情勢におけるインテリジェンスの政治的・外交的利用で新しい章が開かれる。ここには異なるが、関連した理由が2つある。まず、ロシア軍の侵攻に先立つ1年、誤報で悪名高いインテリジェンスの一分野である戦略警告情報が大成功を収め、示唆に富むものであった。第二に、数十年にわたり情報に関し透明性が高まってきたことと、オープンソース・インテリジェンスの能力と利用可能性が大きく変化したことで、政治家、外交官、国防関係者がロシアの戦争準備と意図を明らかにし、異議を唱え、警告するのが可能になったことがあげられる。

 

今回の記事は第一部で、英国、米国、および欧州一部国の取り組みに注目する。各国が警告情報を効果的に利用したことで、2月24日以前の早い時期から西側諸国がロシアと対峙し、ウクライナ支援が可能になった。警告の成功で、ウクライナ軍の防衛準備を支援し、装備を整え、訓練にリードタイムを生んだ。西側政府は、ロシアの侵略が差し迫っているとの警告を裏付ける情報や評価を機密扱いから外した。また、西側政府や報道機関は、国民や同盟国政府への警告の説得力を高めるため、オープンソース情報を活用した。これにより、ロシアによる否定、欺瞞、前言撤回があっても主導権を維持し、ロシアの試みを事前に打ち消し、信用を失墜させた。侵略は防げなかったが、今回の生きたケーススタディは、「インパクト」のためにインテリジェンスを積極的に活用できる、一歩進んだ事例となった。

 

成功か失敗か?

あらゆる紛争や危機で、「情報の失敗」への非難が自動的に起こる。責任の所在を明らかにするためか、転嫁するためか、戦略的警告は特にその両方の影響を受けやすいようだ。警戒情報には「指標と警告」の手法が用いられ、隠れた意図や能力の足跡を特定しようとする。1982年のアルゼンチンによるフォークランド諸島の占領、2014年にロシアがクリミアの制圧に成功した例が証明するように、完璧なシステムはなく、常に奇襲の危険はつきまとう。

 

しかし、警告は判断材料になる。西側同盟国が示したロシアの活動を探知するずばぬけた能力と、情報を共有する意欲にもかかわらず、すべての同盟国協力国が同じ結論に達したわけではない。また、データと評価をウクライナのカウンターパートと共有したが、後述するように、状況の把握に苦慮した国もあった。当然ながら、モスクワの軍事力増強に関するオープンソース(しかもしばしばリアルタイム)の情報が、評価の基礎となったと言って良い。民間企業や幅広いオープンソースコミュニティーにより、ジャーナリストや一般市民さえもがロシアの軍備増強の様子を観察できる。米国の宇宙技術企業マクサーによる衛星画像や、ソーシャルメディアの投稿から、ロシア軍の増強ぶりが公となり、国家情報機関へアクセスできる者にとっては、状況がより鮮明であったのは間違いない。ロシアの軍備増強は目に見える形で行われたので、警告は明らかであったと結論づけることができるだろう。人員、設備、インフラでの能力の検出は比較的容易であるが、意図の評価はそうではない。侵略の意図があってはじめて敵対国が取る行動を、アナリストは探し出し、認識しなければならない。

 

西側諸国による評価は、2021年のロシアの軍事演習に続き、鋭いものだった。4月、ロシアは米国とNATO同盟国の動きは攻撃的とし、それに呼応して、南と西の前線で「不意の点検」を行い、紛争の可能性への懸念に火をつけた。アントニー・ブリンケン国務長官はNATO本部で、「ウクライナ国境にロシア軍が最大規模で集中している」と述べ、ジョー・バイデン大統領がウクライナへの米国の約束を再確認した。当時、アナリストは、ロシア軍の規模は2014年のクリミア併合時を超え、ウクライナ情報筋は8万人と示唆していた。

 

同演習は、ロシアの4大軍管区を毎年持ち回りで訓練する恒例行事で、アナリスト陣は今回のザバド-21演習でも十分に承知していた。ベラルーシ軍をロシア主導の組織に統合しようというロシアの長期的な目標を示している。演習は、ロシアNATO間の緊張と、2020年8月の民主化運動の失敗を受けベラルーシの安全保障の強化をねらうモスクワの努力を背景に行われた。ザバド-21の参加人数は大幅に誇張され、ロシアは最大20万人の兵士が参加したとしたが、演習は将来の紛争におけるベラルーシの立場でも警告となった。

 

モスクワの最終的な意図は不明だったが、西側情報当局は軍備増強を十分に承知していた。2021年12月にワシントン・ポスト紙が見た情報説明では、ロシアは7万人を配備し、ウクライナ国境沿いに最大17万5000人の兵力を配備し、戦術集団100大隊で、2022年初頭に攻勢をかけられると米当局が考えていた。これだけの軍備増強にもかかわらず、配備は 「意図を難解にし、不確実性を生み出す」ため行われたと、当局者は述べている。この情報図は、コペンハーゲン会談でブリンケン長官がロシアのセルゲイ・ラブロフ外相に、侵略が行われればロシアは「深刻な結果」に直面すると警告する根拠となった。

 

英国政府は、ザバド-21演習に参加した重要部隊や有名部隊が本国に移動せず、大量の弾薬が備蓄のままベラルーシに留まっていたことから、侵攻の可能性が懸念された。衛星写真から、ロシア軍の増強が進み、侵攻に必要な支援部隊の配備が決定的になったとわかった。米国は医療物資の配給に懸念を示し、エストニアの対外情報局(Välisluureamet)は大規模作戦の可能性を指摘した。「当方の評価では、ロシア軍は2月後半からウクライナに本格的な軍事作戦を開始する準備が整っている」と報告書は述べている。「軍事的な準備が整えば、政治判断だけで作戦を開始できる」。エストニアの推定では、ロシアの軍管区全域から15万人以上の兵力が展開されているという。「過去30年間でロシアが行った最大の軍備増強」と当局は結論づけた。

 

とはいえ、NATO加盟国間でも違いはあった。フランスのティエリー・ブルカールThierry Burkhard参謀総長は3月の記者会見で、2021年にロシアの侵攻は「選択肢の一つ」と示唆した。実際、フランス政府関係者は、ロシアが侵攻するとしても「天候が良ければ」延期されるだろうとし、米国や英国との見解の相違を見せた。ブルカールはアメリカはロシアが攻撃すると言うが、ウクライナ攻略は途方もない犠牲を伴うので、ロシアは別の選択肢をめざすはず、とフランス軍は考えていたと述べている。また、フランス軍情報部が、攻撃前夜にNATOから情報を得て攻撃が差し迫っているとの見解に至ったと示唆した。3月には、エリック・ヴィドーGen. Eric Vidaud軍情報部長が、ウクライナに対するロシアの脅威について「不十分な」説明をしたとして、早々に職を退くと報じられた。危険性を過小評価していたのは、フランス政府関係者だけではない。ドイツ情報局(BND)のブルーノ・カールBruno Kahl局長は、侵攻が始まった時点で、会談のためウクライナにいたため、急遽手配した特殊部隊が救出した、と安全保障関係者がシュピーゲル誌に語っている。

 

自分の推理を敵の心理に投影するのは、よくある分析ミスである。実際、今回の侵攻はロシア側にとって、少なくとも現代ヨーロッパの目から見れば「途方もない犠牲」を払った点では、フランスが正しかったと証明されていないのかもしれない。この場合、フランス人は、敵対者が目的を達成するためどのような犠牲を払うつもりなのかを理解できなかったことになる。経済、雇用、貿易、国民の幸福、人気、再選の可能性など、西側諸国の価値観や懸念は、ロシアの難解な戦略計算と関係が希薄だ。プーチンは、権威主義的指導者に共通の特徴として、市民社会と人的コストへの関心が皆無だ。

 

だが、誤算はフランスだけではなかった。ゼレンスキーに近い情報アドバイザーは、英米の評価と部下の評価をもとに、「プーチンはD-Dayまでブラフをかましているだけ」と語っていた。つまり、プーチンは侵攻せず目的を達成できると考えていた。ゼレンスキーの支持率は低く、政情も不安定だ。なぜ、今、ロシアが攻めなければならないのか。なぜ待てないのか?第一の失敗はプーチンが侵攻してくる可能性を躊躇したことだ。パニックを起こさせないとする目標を、ゼレンスキー自身が侵攻前に言っていた。第二の失敗は、キーウが侵攻の意図を示す具体的な指標を「固定」したことだ。指標とは、ロシアの戦術的準備の命令だったが、2月24日まで出ていない。ありがたいことに、この失策でウクライナの防衛戦略が損なわれることはなかった。最悪の事態に備え、最善の策を講じていたのだろう。ウクライナ軍最高司令部がインテリジェンスとプランニングの相互作用について、非常によく理解していることがうかがえる。

 

欧米アナリストは、ウクライナがすぐにも陥落すると予測し、分析の病理に陥っていたのかもしれない。米国当局者がジャーナリストに語ったところによれば、「ロシアの侵攻は比較的早くウクライナ軍を圧倒できるが、モスクワは占領を維持し、潜在的な反乱に対処するのは困難であると考えるかもしれない」としていた。さらに、「ウクライナ軍5000〜25000人、ロシア軍3000〜10000人とともに、25000〜50000人の民間人が死ぬ。また、ポーランドを中心に難民が100万人から500万人発生する可能性がある」としていた。アフガニスタンがタリバンにより急速に崩壊したことが尾を引いていたのか、ウクライナの可能性を楽観視することに抵抗があったかもしれない。

 

しかし、ロンドンとワシントンはともにウクライナの防衛力強化に素早く動き、この支援がウクライナ軍の物的能力と士気双方に大きな効果を生んだ。死傷者と避難民の推定値は、米国当局が提示した誤差の範囲内だ。この場合、ウクライナの抵抗の可能性に関する西側の推定を情報の失敗と言うのでは不当だろう。むしろ、情報警告のパラドックスだ。もしアナリストが悲惨な事態を警告し、それが国家の行動を促し、事態を回避したなら、最初の見積もりが間違っていたといえるだろうか。ウクライナとNATO同盟国の情報評価の違いは、戦略的警告の不安定な性格を浮き彫りにしている。

 

警告

攻撃のタイミングを予測するのはいつも困難だ。情報当局は警告を発するタイミングを常に警戒している。警告のしきい値が低すぎると、以後の警告が聞き入れられなくなる。逆にしきい値が高すぎると、インテリジェンスは実用的でなくなる。一方で、攻撃の最終決定は比較的短時間で可能だ。「部隊が出撃可能な状態になれば、攻撃命令は通常、数時間以内に出す必要がある」とシンシア・グラボCynthia Grabo は書いている。この結論は、1980年代に戦略的警告の検討を依頼された英国の情報当局者ダグラス・ニコル Douglas Nicolによる報告書も裏付けている。ニコルの結論は、「注意すべき本質的な点は、計画、準備、訓練は部隊への最初の準備命令から1年まで続くかもしれないが、軍隊の準備、動員、展開の期間はかなり短くなるかもしれないということである」。

 

問題は常に、国家がいつ攻撃するかの評価であり、プーチンのような独裁的な指導者の意図を理解しようとすれば、問題は複雑になる。プーチンはウクライナと西側諸国に対して外交的な神経戦をを望んでいたのだろうか。モスクワは限定的作戦を実行するのか、それともウクライナ全土を対象に最大限の目標を追求するのか。そして、それはいつ実現するのだろうか。

 

ロシア軍の増強にもかかわらず、米国当局は侵攻の決定がなされたのか、オープンマインドのままだった。12月、CIAのバーンズ長官がモスクワを訪問し、ホワイトハウスのジェイク・サリバン国家安全保障顧問は、アナリストが「ロシア政府はこのような演習を真剣に検討し、作戦計画を立てている」と考えていても、「(プーチンは)まだ決断していない」と繰り返したままで、この見解が1月まで支配的であった。侵攻1週間前に、バイデン大統領が「近いうちに攻撃が行われると確信している」と発言した。プーチンは直前まで決断しないだろうという米情報機関の見立ては確かに正確で、侵攻は一部のNATO同盟国やロシア政府・軍関係者さえも驚かせた。ブリンケン自身も、ロシアが分離主義地域を承認したことを受けて、侵攻の2日前にラブロフと会談を打ち切った。

 

事前情報開示は成功したのか?

警告情報開示の成功が、本質的には1世紀前に作られた手法とテクニックの巧みな応用だとしても、ロシアの偽情報と前言撤回に対抗して展開された「前言撤回」戦略は重要な革新を意味している。信頼に足る反論を行うには、慎重に考えながらも迅速に情報を機密解除し、タイムリーに公表する必要がある。このようなキャンペーンでは、ロシアの軍備増強と軍事作戦に関し、測定可能かつ具体的なデータと分析をメディアに放出するのが目的だ。歴史的には、政府は常に政策決定の裏付けや代替案を提示するため機密扱いを解除してきたが、今回の取り組みの規模とスピードには目を見張るものがある。このキャンペーンは古典的なモデルに従っている。すなわち、真実に基づき、各種角度からテーマを繰り返し、タイミングよく、特定の目的に向けて展開することだ。

 

ウクライナのケースでは、公の場で情報への言及が広く行われたし、今も行われている。今年1月、米国はロシアの破壊工作に関する情報を公開し、ロシアの動きを先取りした。「ロシアはウクライナ政府を乗っ取る準備をするために、現・元ウクライナ政府関係者をリクルートするよう情報機関に指示した」「ウクライナの重要インフラをロシア軍が占領し支配する」とブリンケンが報じ、英国外相リズ・トラス Liz Trussの情報機関主導の声明によりそのメッセージが補強されることになった。

 

ロシアが侵攻する直前、英国国防情報部長のジム・ホッケンハル中将Lt. Gen. Sir Jim Hockenhullは記者団に対し、「ロシアがウクライナ国境から軍を撤退させた証拠はない。その主張とは裏腹に、ロシアはウクライナ付近で軍事力を増強し続けている」と述べた。英国国防省は、国防情報部提供の情報をもとに、可能性のある攻撃経路をツイートしたが、正しかったと証明された。

 

情報公開を過大評価するべきではない。モスクワは情報公開に応じざるを得なかったかもしれないが、政府による情報公開を攻撃の抑止戦略の一環と見なすことは許されないし、ありえない。政府関係者や政策立案者も、複数の理由から、発表内容に注意を払う必要がある。まず、事前開示の手法が成功したのは、予測が現実になったからだ。国内では、イラクの大失態の後、米英の情報機関の評判が回復してきた。しかし、最近の評価は、信頼度が中程度から低めといった程度だ。ある関係者は、「確かな情報である必要はない。それよりも、プーチンが何かする前に、先手を打つことが重要だ」と述べている。事実と異なることと判明するかもしれない発言を公表すれば、慎重に築き上げた信頼を損ないかねず、今後の戦闘前対応策の活用に支障をきたす可能性がある。つまり、ロシアの情報ゲームに付き合うあまり、低信頼度の評価を公表すれば逆効果となり、情報公開がプロパガンダに落ちてしまう。第二に、ロシアの先制攻撃は重要な目標かもしれないが、情報を暴露することは、情報源がいかに偽装されていても、危険になる。情報源の保護は常に最重要課題である。

 

これからどうすべきか?

歴史的に見れば、諜報活動の成功は秘密主義と表裏一体であった。だがロシアのウクライナ侵攻は、それがもはや真実でないと如実に示している。エリック・ダールErik Dahlはインテリジェンスの成功と失敗に関する研究で、インテリジェンスが有用であるためには、正確であると同時に実用的であるべきと述べている。その指摘のように、「奇襲攻撃を防ぐには、正確な戦術的情報と、情報に対する政策立案者の強い受容性が必要」だ。警戒情報に対する世間の認識は、正確さ、実行性、受容性の点で失敗した恐ろしい事例でいっぱいだ。今回の危機は、効果的な警報に必要な3大要件がほぼシームレスにかみ合った点で際立つ。警告の質と適時性は、プーチンのシロビキ同胞を戦争回避のため十分に抑止できなかった。しかし、そのおかげで、軍事的・政治的に各種準備をし、同盟や協力関係を構築する時間が生まれ、ウクライナも西側諸国も、警告があったからこそ武装して今回の危機に臨むことができた。

 

ダールが提示するもう一つ重要な見識は、インテリジェンスの成功から学ぶのと同様に、失敗からも学び、両者を並べて検討することが重要である、ということだ。今回の危機を受け、ウクライナ侵攻への警告の成功は当然で、そうあるべきだといいたくなる誘惑に駆られるかもしれない。実際、今回の警告の成功は、警告の失敗の最悪事案と同様に、次の危機、さらに次の戦争に備える教訓と洞察を与える徹底的かつ啓示的な事後診断となる。危機は遅かれ早かれやってくる。■

 

 

Intelligence and the War in Ukraine: Part 1

NEVEEN SHAABAN ABDALLA, PHILIP H. J. DAVIES, KRISTIAN GUSTAFSON, DAN LOMAS, AND STEVEN WAGNER

MAY 11, 2022

 

Dr. Neveen Shaaban Abdalla is a lecturer in international relations (defense and intelligence) at Brunel University London. Dr. Abdalla specializes in terrorism and counterterrorism and security in the Middle East and North Africa.

Prof. Philip H.J. Davies is the director of the Brunel University Centre for Intelligence and Security Studies. Professor Davies has written extensively on U.K. and U.S. intelligence, joint intelligence doctrine, and counterintelligence.

Dr. Kristian Gustafson is a reader in Intelligence & War. Dr. Gustafson is deputy director of the Brunel Centre for Intelligence & Security Studies and has conducted consultancy and advisory work for the MOD’s Development, Concepts and Doctrine Centre, including an integral role in developing U.K. Joint Intelligence Doctrine.

Dr. Dan Lomas is a lecturer in Intelligence and Security Studies at Brunel University London. He specializes in contemporary U.K. intelligence and is currently co-editing a history of U.K. intelligence reviews for Edinburgh University Press.

Dr. Steven Wagner is a senior lecturer in international security at Brunel University London. Dr. Wagner is a historian of intelligence, security, empire, and the modern Middle East.

Part II of this article will deal with the other side of the equation: the apparent failure of Russian intelligence to assess the likely course of their offensives into Ukraine. As well, it will show how the Russians likely made grave errors in planning their operation, and how intelligence from the Ukrainian government, its citizens, and Western governments has helped tip the balance in Ukraine’s favor. It has also confirmed a change or rebalancing in the locus of intelligence power in war from secret toward open-source intelligence.

Image: Staff Sgt. Jared Denton