2016年3月2日水曜日

米陸軍の次期中型垂直離陸機材調達事業

事業名が垂直航空機なのはヘリコプターになるかティルトローターになるか未定のためですね。ともあれ大型調達案件がスタートしそうです。今後も動向に要注目ですね。
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Aerospace Daily & Defense Report

U.S. Army Seeks Ideas On Medium-Lift, Scout/Attack FVL

Feb 24, 2016 Graham Warwick | Aerospace Daily & Defense Report

Boeing/Sikorsky

意表を突く形で米陸軍が高速軽量偵察・多用途および中型攻撃輸送用の回転翼機を検討中。国防総省の進める次世代垂直飛行機(FVL)の「ファミリー整備」構想によるもの。
  1. 米陸軍は2月22日に情報提供要請(RFI)をFVL性能セット1(CS1)とともにFVL中型と呼ぶセット3(CS3)で発出した。まずシコースキーUH-60ブラックホーク後継機を2030年代中ごろに作り、その後ボーイングAH-64アパッチ後継機種づくりをめざす。
  2. 中型FVLの前に位置づけられる共用多用途機(JMR)技術の実証事業でベルヘリコプターとボーイング/シコースキーがそれぞれ輸送用途の高速回転翼機を製作中で2017年末に初飛行の予定だ。
  3. RFIによればCS1は「一番機体が小さいが機動力が最高の機体」というのがFVLファミリーでの位置づけで、使用用途は「偵察、軽攻撃、軽襲撃撤収作戦用」としている。陸軍は「民生用、民生機の転用、軍事用あるいは概念上の機体技術」を広く求める。
  4. 性能要求原案には「地形追随あるいは地形回避で飛行速度200ノット超」で無給油で229カイリの飛行半径としている。この速度要求では通常型のヘリコプターは対応不能だがシコースキーの同軸リジッドローター方式S-97レイダー複合機はここに入る。
  5. S-97の設計速度は220ノットで陸軍の求める武装航空偵察機材の要求に合致し、現行のベルOH-58Dカイオワウォーリアーの後継機になるが、調達は先送りされており、退役が進むOH-58Dの代わりはAH-64Eアパッチ攻撃ヘリを用途追加して対応する。
  6. レイダー試作機は自社費用で二機が作られおり、一機目は2015年5月初飛行のあと性能限界の確認用に投入されている。二号機は顧客向け実証に使う。シコースキーはロッキードの傘下に入りミッションシステム技術の開発に入っている。
  7. もう一方のCS1は6名乗りで機動性に優れ、高度 6,000 ft. 温度95F  ( これを6k/95条件と呼ぶ)で地上ホバリング効果を発揮でき、偵察攻撃ミッションで滞空時間2時間で170カイリを移動し、強襲ミッションでは30分で229カイリとする。空中給油能力と艦載運用も求める。
  8. ただしRFIでは「情報の取得はCS1が調達段階に進むことを保証するものではない」と断っている。「現時点ではCS1をどう進めるかの決定はない」
  9. CS3ではUH-60、HH-60、MH-60、AH-64の各機種が実施中のミッションを想定する。RFIによればCS3では「多方面で活躍できる中型垂直離陸機」をめざし、強襲、攻撃、戦闘捜索救難などを想定任務に挙げる。
  10. CS3のRFIでは2030年供用開始の想定で技術内容を求め、巡航速度は230から310ノットとし既存ヘリコプターで対応不可能だ。ベルのV-280ヴァラーJMR実証機が280ノットのティルトローター機で、ボーイング/シコースキーのSB-1ディファイアントは230ノット同軸リジッドローター複合機の設定だ。
  11. その他の性能想定には無給油飛行半径が229から450カイリ、機動性、6k/95でのホバリング性能、機内に3,500-4,000-lb.または機外に6,000-8,000-lbのペイロード、空中給油能力と艦載運用がある。
  12. CS3のRFIは市場調査の意味もあり、機材開発決定 (MDD) に先立つ位置づけだ。陸軍の2017年度予算要求にはFVL中型機調達予算が計上されている。
  13. 予算案では10.4百万ドルで代替案検討(AOA)を始める。AoAは2018年度まで継続し、マイルストーンA決定で技術開発を開始すべきかを決め、2019年度に提案提出を求める。機体製造の契約交付は2021年度に想定している。■

2016年3月1日火曜日

中国の新型輸送機Y-20は今年中に供用開始か 機体の発展に要注意


開発中のC-2の最大ペイロードが30トンといわれていますので、Y-20は相当大きな搭載量があります。ただし、エンジンが非力なことと航続距離が短いのが欠点です。むしろ空中早期警戒機が派生して来ればそちらのほうが脅威になるかもしれません。
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China's Y-20 transport aircraft may enter service in 2016

Richard D Fisher Jr, Washington, DC - IHS Jane's Defence Weekly
29 February 2016
西安航空機Y-20大型輸送機が機体番号789をつけ、2月6日に初飛行したとの報道がある。Source: Chinese Internet
中国軍事関連ウェブサイトに西安航空機 (XAC) Y-20大型輸送機の試作型5号機が掲載されて人民解放軍空軍(PLAAF) での供用開始が今年中になるとの観測を呼んでいる。
今年2月6日に初飛行したと伝えられる5号機は機体番号789をつけている。4号機は788で中国ウェブサイトでは今年1月23日に登場している。判明している試作機のその他番号は781、783、785だ。
1月27日付の新華社記事ではテストパイロット Xu Yonglingの言として中国航空関係者はY-20の開発は2015年末に完了していると伝えている。Xuは成都航空機のJ-10戦闘機開発にも参加しており、Y-20は2016年にも就役するのではと語っている。
A fourth Y-20 prototype with bort number 788 appeared in January 2016, when there were also suggestions in the Chinese media that the PLA Navy Air Force might acquire the Y-20. (Chinese Internet)Y-20試作型4号機が機体番号788をつけて1月に姿を現した。中国報道では中国海軍が取得する可能性があるという。(Chinese Internet)

本年1月26日付人民日報で人民解放軍空軍統帥大学教授Chen HongはY-20のペイロードを60トンと述べており、ロシアのイリューシンIl-76Dの52トンより大きいことになる。Chenは同時にY-20を原型に空中早期警戒機、電子戦ジャミング機、空中給油機にそれぞれ発展できると指摘している。
同じ人民日報の1月22日付記事ではY-20が人民解放軍海軍に採用されると報じている。Y-20が加われば中国海軍は南シナ海に広がる各拠点の支援、防衛の実効性が高まるだろう。■


★米海軍研究部門が明かした新技術開発の最新状況



大脳生理学、学習機能、認知科学と来ましたか。電子技術と医学が融合していくようです。その先には全く違う戦争の在り方が待っているのでしょうか。指向性エネルギー兵器は相当の進展を示していることがうかがえますが、人工知能も同様のようですね。やはり軍用技術が民生技術をリードする形になるのか、民生と軍用の境目がなくなるのか、今後も注目です。
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ONR Winter to Congress: Navy Making Progress on Developing High-Energy Laser Weapons

By: John Grady
February 25, 2016 9:33 AM

高エネルギーレーザー兵器が「大きく進展を示している」と海軍研究部門トップが下院軍事委員会新規脅威対応戦力整備小委員会で2月24日に証言している。

  1. マシアス・ウィンター少将は各軍と国防総省が緊密に連携し効率よく作業が進展していると述べた。ただし、海中での指向性エネルギー利用など海軍特有の課題があると認めた。
  2. 冒頭声明で少将は「技術、戦術を戦略に結び付けることが必須」と海軍での研究内容の性格を述べた。高エネルギーレーザー兵器の例では30キロワット級を150キロワットに拡大する作業が海軍と海兵隊向けに進行中と紹介している。
  3. 海軍は国防高等研究プロジェクト庁と共同で無人水中艇、水上艇を開発中でこれが委員会の関心を呼んだ。DARPA長官アラティ・プラバカーが概要を紹介し、ウィンター少将は無人水中艇をサンディエゴからサンフランシスコまで今年中に試験航行させると述べている。
  4. 国防次官補スティーブン・ウェルビー(研究技術開発担当)は一連の作業をペンタゴンが進める「第三相殺」戦略の一部と述べ、米国の優位性を維持するのが目的と説明した。第三相殺戦略は米国の将来の戦闘能力の「目標」であり、「米国が優位性を維持していく」ことだと述べた。
  5. ウェルビーはこれからの20年間を展望すると「まだよちよち歩きだが根本的な変化」が無人装備の自律運用能力で実現すると発言。
  6. ウィンター少将は自律運用に関し、「今はまだ初歩段階」と述べたが、「大脳生理学に基づく学習機能のモデル化」に期待し、認知人工知能の実用化が近づいていると述べた。
  7. プラバカール長官は「社会行動への理解が根本的に変わる」と予見し、武力紛争の認識自体が変わると述べた。
  8. ウェルビーは「生物学を技術に応用し」製造方法や無限のエネルギー供給など国防総省が「波を乗りこなす」努力を目指していると語った。■


2016年2月29日月曜日

★海軍無人機CBARSあらためRAQ-25、さらにスティングレイの名称? 



海軍無人機の用兵構想がいまだに混乱しているようです。RAQという呼称なら偵察攻撃用ではないでしょうか。給油用という説明に合致していないのですが。何でもできる機体は何にもできない機体になりかねず、議論百出で結果が出なければ時間の空費に終わります。本当にブラック機体の開発があるのならいいのですが、ここは一つ一つ着実な無人機開発をお願いしたいところです。
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 Navy Pushing New Name for Unmanned Aerial Tanker: RAQ-25 Stingray

By: Sam LaGrone
February 27, 2016 10:39 AM

An X-47B Unmanned Combat Air System (UCAS) demonstrator sits on an aircraft elevator of the aircraft carrier USS George H.W. Bush (CVN-77) on May 6, 2013. US Navy Photo
X-47B 無人戦闘航空機Unmanned Combat Air System (UCAS) の実証機が空母USSジョージ・H・W・ブッシュ (CVN-77)の昇降機で搬送されている。 2013年5月6日撮影。 US Navy Photo

艦載無人空中給油機にペンタゴンがつけたRAQ-25の制式名称を米海軍は独自の名称スティングレイを加えたいとしている。
  1. 海軍省案予算の審議に先立ち提出された草稿ではRAQ-25スティングレイの名称が頻繁に出ている。
  2. 名称変更は予想外でもない。海軍関係者はUSNI NewsにCBARS艦載空中給油機の名称では今一身が入らないと今月初めに述べていた。
  3. 「CBARSよりいい名前がほしい」とジョン・リチャードソン作戦部長も2月12日に発言していた。
  4. 新名称スティングレイの前にCBARS、UCLASS、N-UCAS、J-UCASの呼称があり、三か月で三度の名称変更はNAVAIR海軍航空システムズ本部の混乱ぶりを示している。
  5. 国防長官官房が中心に進めた各軍のUAV各機の評価でRAQ-25では攻撃およびISRの高性能部分はいったん保留し、ボーイング F-18E/F スーパーホーネットを給油機にしている現状を緩和するほうが先だと結論付けた。
  6. 「ハイエンド部分は一部落としても生存性を増やし、将来の発展にかける」とジョセフ・マロイ中将(海軍作戦副部長)がUSNI Newsに今月初めに話していた。「空中給油を重視し、ISRは限定的に、兵装は後日装備とし、まずは空のトラック機能を重視する」
  7. 見直しの象徴としてCBARSが昨年12月に2017年度予算案の発表前にペンタゴン上層部により選ばれたとマロイ中将は説明。NAVAIRはUSNI Newsの照会に対してまだコメントを返していない。
  8. 海軍長官レイ・メイバスの報道官は名称変更を確認していない。長官が海軍装備の名称を取り仕切っている。
  9. スティングレイの名称でメイバス長官も関与したかは不明だ。長官は無人機推進派として知られ、F-35ライトニングIIが海軍が調達する最後の有人戦術戦闘機になると述べている。
  10. 海軍で名称を巡る微妙な駆け引きは今に始まったことではない。
  11. 海軍は合同要求性能検討評議会で新型スティングレイの要求性能のプレゼンテーションをすべく準備中で、提案要求(RfP)原案を今年中に出し、RAQ-25はジェネラルアトミックス、ボーイング、ロッキード・マーティン、ノースロップ・グラマンの四社が競合する見込みだ。■


2016年2月28日日曜日

★主張:次期主力戦闘機の姿はこうあるべき




Aviation Week & Space Technology

Opinion: Defining The Next Fighter

It’s the process, stupid
Feb 25, 2016 Bill Sweetman | Aviation Week & Space Technology

第六世代戦闘機でまっさきにすべきことは第六世代戦闘機の呼称をやめることだ。ロッキード・マーティンが「第五世代」の呼び方を一昔前にロシアから借りてきて以来、この呼称が論争の種となっている。「高帯域ステルスにこそ資金投入すべきでその他機種は陳腐化する」と言ってきたが実証されていない。
  1. 名称はともあれ、F-35共用打撃戦闘機(JSF)の後継機種の話題が盛り上がりつつある。特に米海軍は切迫している。なぜならF-35CはF/A-18A型からD型のクラシック・ホーネットの後継機種であり、スーパーホーネットが残るからだ。空軍が想定する1,763機のF-35調達は2040年代まで続くが、その間にF-22ラプターの供用期間途中の改修 (MLU) あるいは新型機への交代が避けて通れなくなる。
  2. 超音速巡航、長距離運用が可能で俊敏な機体に全方位広帯域ステルス性能を与え、可変サイクルエンジンを搭載すると考えると興奮してくるが、既存のメーカーしか手がけられない事業になる。他社の参入は不可能で高水準の利益が期待できる。問題は長距離打撃爆撃機(LRS-B)より少ない予算で驚異の機体が実現できるのかという点だ。
  3. 開発開始が2020年代となるとJSFからほぼ30年後になるが、JSF自体が高性能戦術戦闘機・高性能戦術攻撃機構想(F-22と取り消しになったA-12アヴェンジャーIIにつながった)の10年後に立ち上がっている。第四世代戦闘機も依然として活躍しているはずで、SaabのJAS38Eが供用開始、ラファールとタイフーンがMLUの検討対象になっているだろう。
  4. 新型機開発では過去の過ちから教訓を得るべきだ。機動性、ステルス、超音速巡航の要求からF-22は大型尾翼、推力方向変更式エンジンノズルとともに期待を下回る飛行距離の機体になった。1995年には短距離離陸垂直着陸型のJSFの制約条件が他型に影響を与えないと楽観的な見方が主流であった。現実は違っている。
  5. 新型有人戦闘機の仕様が決まる時点で無人航空機(UAV)が普通に運用され、無人戦闘機(UCAV)が実用化されているはずだ。UCAVが有人機にとってかわることはないが、次期戦闘機の設計に影響を及ぼすのは必至で、実際に一部のミッションは無人機が肩代わりしているだろう。敵防空網の制圧・破壊や接近電子攻撃などだ。海軍のRAQ-25艦載空中給油無人機構想で議論となるのは戦闘攻撃機の有効飛行距離と威力を拡大するかどうかだ。
  6. 指向性エネルギー兵器は現実のものになるだろう。技術革新はすぐそこまできている。もっと可能性があるのは大型機でミサイル防御など実現しやすい装備が実用化されれば一気に新しい応用がひろがるだろうし、技術改良や生産面での進歩は1990年代末の照準ポッド開発の事例と似た様相を示すはずだ。
  7. 投下後は自律飛行する小型精密誘導爆弾では現実になっている。将来の戦闘機が一個2,000-lb.の大型爆弾二発しか搭載せずに小型兵器多数を運用する可能性は高い。搭載兵装の見直しもありうる。JSFの兵装庫はMk. 84爆弾(1946年設計の低抗力外部搭載兵器でだれももう覚えていないダグラスA2Dスカイシャーク用に想定された)の運用が前提で設計されている。
  8. LRS-B経費を青天井にしないため空軍は偵察攻撃能力もひとつにまとめた。新型戦闘機でも同様になるだろう。より多くの機能を与え、UAV各機と連携させ、長距離攻撃が可能でジャミングに強い兵器を運用させれば、自機のセンサーを使わず生存性も高くなる。自律運用も可能となるだろうが、運用の中心モードににはならないだろう。
  9. そして適応力がなんといっても大事だ。JSFが登場した二十年前の中国の軍装備は1950年代ソ連製が中心で、携帯電話は大都市限定で、イラクのフセイン大統領の封じ込めは面倒な仕事だとみられていた。業界ではデジタル機能搭載戦闘機第一世代のMLU構想を練り始めたところで、「陳腐化」という語句は深刻ではなかった。
  10. 2036年の世界は想像できないので、適応するしか方法がない。オープンアーキテクチャのみを使い、電子装置のハードウェア・ソフトウェアを迅速にアップグレードし、新しい生産方式の採用で機体を変更していくのだ。
  11. 実施は容易ではない。何十年も事業を継続できるチャンスはもう生まれないが基本的に良いことだ。また業界を活性化するのもいいことだ。■

この記事の著者ビル・スィートマンは40年にわたり航空宇宙、防衛分野のジャーナリストをつとめ、当時はうさん臭かったヨーロッパのエアバスの可能性に初めて着目し、ボーイングの7J7やソニッククルーザーは名ばかりの存在と見抜いた。またRQ-170やRQ-180といったUAVやオサマ・ビン・ラディン殺害の際に投入されたステルスヘリコプターの存在を初めて伝えている。またステルス技術にも明るくJSFでもそのコメントが都度注目を集めている。


2016年2月27日土曜日

やはりすごい。Darpa研究に注目を。 極超音速、新型エンジン、超小型無人機、自動運転他



意外に各案件の予算要求が慎ましい規模になのがわかります。つまり概念設計や実証がこの程度でできる基礎技術力があるということなのでしょう。逆に運用を想定した開発ではF-35のように超大規模な予算が必要になるのはどうしたものでしょうか。
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Aerospace Daily & Defense Report

Hypersonics Stay High On Darpa’s List For 2017

Feb 22, 2016 Graham Warwick | Aerospace Daily & Defense Report

Tern: Darpa
Darpa国防高等プロジェクト庁の2017年度予算要求を見ると大型実証案件とともに継続案件がわかる。
  1. 新規事業に高性能全範囲作動エンジンAdvanced Full-Range Engine (AFRE) がある。ターボジェットからラムジェットへ切り替え可能なタービン・コンバインドサイクル (TBCC) 式エンジンだ。Darpaは初期設計に9百万ドルを要求。
  2. TBCCは将来の極超音速長距離攻撃用手段、高速偵察用再利用可能宇宙往復機の実現のカギを握り、AFREでは既存のタービンエンジンを使用し運転切り替えの地上試験を行う。
  3. AFREは打ち切りになったモード切替プロジェクトMoTrを引き継ぐようだ。MoTrの前にはFacetコンバインドサイクルエンジン開発事業があり、炭化水素燃料でマッハ3から6のラムジェット・スクラムジェット推進を狙っていた。
  4. 超高速分野では極超音速空気取り入れ式兵器構想 Hypersonic Air-breathing Weapon Concept (HAWC) の初期設計審査があり、空中発射式長距離攻撃ミサイルの開発を2016年第一四半期中に目指す。
  5. Darpaは49.5百万ドルでこれの実証飛翔体で重要設計審査critical design review (CDR) を2017年第二四半期に行い、実寸大自由噴流地上テストで炭化水素燃料スクラムジェットエンジンの開発を目指す。
  6. また22.8百万ドルで戦術推進滑空体 Tactical Boost Glide (TBG) の飛行テストを行う。これは空中発射式のロケット推進極超音速滑空兵器の想定でCDRは2016年第四四半期、飛行実証を2017年とする。TBGは既存の空軍機から空中発射するもので、海軍の垂直ミサイル発射装置と互換性を持たせる。
  7. HAWCおよびTBGはDarpaと米空軍の共同事業で、空軍研究所が進めてきたボーイングX-51ウェイヴライダー・スクラムジェットエンジン実証事業を引き継ぐ。ボーイング、ロッキード・マーティンレイセオン各社が競作中だがDarpaは参入希望企業を拒まない姿勢だ。
  8. 別の飛行実証事業ではXS-1実験宇宙機事業に50.5百万ドルを要求する。この予算でCDRを完了し、小型再利用可能な打ち上げ機の製作をめざす。目標は打ち上げ10回を10日以内に実現することだ。
  9. さらに52百万ドルで垂直離陸着陸(VTOL)方式のXプレーン事業をめざし、高性能のホバリング、水平飛行を高速かつ実用的なペイロードで実現する。本四半期中に調達先選定をすませ、機体製作は2017年度に行う。
  10. 新規事業には無人機対抗防御装備Counter Unmanned Air  Systems and Force Protection (CFP) もあり9百万ドルを2017年に要求している。CFPでは小型UASやロケット推進手りゅう弾、対戦車兵器他に対抗できる探知、追尾、迎撃手段を研究する。
  11. 継続案件ではノースロップ・グラマンの全翼機VTOL型UASのTern(アジサシ)事業のCDRと機体組立てに12百万ドルを要求。プレデターとほぼ同寸の機体で駆逐艦など小型艦艇で運用する構想だ。
  12. グレムリン事業には36百万ドルを要求する。空中で発進・回収し再利用可能な小型UAV多数を輸送機から一斉発進させる構想だ。2017年度予算でPDRを完了し実証機材の製作に向かう。
  13. その他継続事業に対潜戦連続無人試験艇 Anti-Submarine Warfare Continuous Trial Unmanned Vessel (Actuv)があり、全長132フィートの実艇を海軍研究所に2017年に引き渡す。
  14. エイリアス事業は乗員による任務を自動化する構想で飛行実証を2016年度に行う。一部技術内容の応用は2017年末の予定。■


ご参考)これが米空軍が2月26日に発表したB-21を紹介する声明文



Air Force reveals B-21 Long Range Strike Bomber

By Mike Martin, Secretary of the Air Force Public Affairs / Published February 26, 2016

(U.S. Air Force graphic)

(U.S. Air Force graphic)

WASHINGTON (AFNS) -- 空軍長官デボラ・リー・ジェイムズが2月26日空軍協会主催のシンポジウム(フロリダ州オーランド)で長距離打撃爆撃機の完成予想図を初公開し、制式名称はB-21と公表した。

「この機体は将来の空軍力の象徴であり、空軍隊員の声を重視する。愛称案を隊員から広く募集し、秋の空軍協会行事で名称を発表する」


現時点で試作機は存在しないが、完成予想図は初期設計検討案をもとにしている。B-21の名称は21世紀で最初に生まれる爆撃機を意味する。

今回の発表はジェイムズ長官が空軍参謀総長マーク・A・ウェルシュ三世大将とともに2017年度予算案を上院に提出した数週間後に行われ、機材の更新が空軍にとって最優先事項であることを改めて強調している。

「これまで50年間米国を偉大な国にしてきた機材や装備があり、次の50年間でも新装備が米国を偉大にする」とウェルシュ参謀総長は議会公聴会で2月10日に証言している。「この他の装備でも性能改修または新規開発で現今並びに将来の脅威に対応する必要があり...このため旧式装備は処分し新型装備に切り替えるのが唯一の方策だ」

ジェイムズ長官はB-21は将来の高度脅威内容にも対応可能で、空軍に米本土から発進して世界中のいかなる地点を空爆できると発表。またB-2の外観と類似しているのは「B-21は要求性能水準から構想されており、実用化済みで成熟した技術の利用を前提にしています」ためと説明。

同機事業は技術および生産の開発段階に入っており、初期作戦能力獲得は2020年代中頃の想定。

空軍関係者は、現役隊員、州軍隊員、予備役、民間人問わず AF.mil ならびに空軍ソーシャルメディアで愛称案の提出方法など情報提供に注意願いたい。■



★速報 LRS-B制式名は B-21、 米空軍が発表



US Air Force Unveils New B-21 Bomber

By Lara Seligman, Defense News9:57 a.m. EST February 26, 2016
635920764844302418-B21-hires.png(Photo: Courtesy of Ann Stefanek, US Air Force Pentagon)
ORLANDO, Fla. — 米空軍長官が新型長距離打撃爆撃機の完成予想図を初公開し、制式名称はB-21だと発表した。
  1. 2月26日、空軍協会主催の航空戦シンポジウムの席上でデボラ・りー・ジェイムズ長官が次世代爆撃機予想図を披露し制式名称がB-21だと発表した。
  2. ただし愛称は未定で、長官は空軍隊員に提案を求めた。
  3. 「これが機体の完成予想図で制式名も決まりましたがまだ名称がありません」とジェイムズは紹介し、「空軍隊員の皆さんにB-21の一番ぴったりする愛称案を提案してもらいたい」と述べた。「試作機も完成しておらず、本日公開した完成想像図は初期設計概念図を基にしている」と空軍は声明を発表。制式名の由来はLRS-Bが21世紀で初めての爆撃機になるためと声明で解説している。
  4. ジェイムズ長官はB-21が同じノースロップが製造したB-2に酷似している理由にも触れている。
  5. 「B-21の設計は要求性能の実現のため最初から既存かつ成熟した技術内容を活用することに主眼を置いていた」
  6. ジェイムズ長官発表を受けてノースロップ・グラマンの広報はB-21爆撃機が与える将来への意義を強調し。
  7. 「ノースロップ・グラマンは誇りをもってB-21爆撃機製造の主契約企業を務めます。米空軍と連携し、我が国の安全保障で死活的な性能の実現に努めます。ご質問は空軍あてにお願いします」
  8. 米空軍はB-21に関し技術開発、製造準備、開発業務での契約をノースロップへ昨年10月27日付で交付していた。配備開始は2020年代中頃と見込んでいる。■


オーストラリア国防白書を発表、潜水艦調達など海洋国防力整備を重視



オーストラリアの求める潜水艦は大型かつ長距離運航を前提としていますので、日本の三菱-川崎共同提案はかなり有利なはずなのですが、どうなりますやら。どちらにせよオーストラリアは日本にとっても重要な同盟国であるのは明らかです。
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New Australian Long Range Defense Plan Has Maritime Emphasis

By: Mike Yeo
February 25, 2016 10:30 AM


オーストラリアが2016年度国防白書を発表し、海軍力整備に大きな重点をおいている。中国の存在がインド太平洋地区に大きな影響を与え域内安定度も左右しかねない中、オーストラリアの国防予算は拡大している。

  1. 25日発表の白書では初めて国防統合支出計画 Defence Integrated Investment Program (DIIP) も含み、今後10年間で国防力整備に必要な支出規模を明示した。
  2. DIIPでは10年間でおよそ1,950億オーストラリアドル(1,396億ドル)を国防力整備にあて、従来予測より299億オーストラリアドル(214億ドル)上回り、GDP比2パーセントとしてきた支出規模を2020年に突破させる。
  3. 海洋国家としてのオーストラリアを考えれば、海軍装備に重点が来るのは驚くにはあたらない。
  4. 白書では「オーストラリアはインド太平洋国家として経済的に大きく変容しようとしている」とし、域内が平和で安定している状況は米国のプレゼンスがこれまで70年間裏付けてきたが、「近隣が不安定化すればオーストラリアにも戦略的な影響が生じる」とし、域内最高の装備による軍事優越性が必要と主張する。
  5. 白書の大きな論点がコリンズ級潜水艦の後継艦調達事業だ。白書では「域内で優越性を発揮でき、米国と高い水準の相互運用性のある潜水艦」を12隻取得し、供用開始を2030年代に設定している。
Royal Australian Navy Collins-class submarine HMAS Sheean (SSG-77) near the Sydney Opera House. RAN Photo
オーストラリア海軍のコリンズ級潜水艦HMASシーアン (SSG-77) RAN Photo

  1. 12隻を整備するとオーストラリア潜水艦部隊は一気に倍増となるが、既存艦と順次交代させて戦力ギャップが生じないよう配慮する。さらに2050年代にその後に整備すべき潜水艦を開発する。この時点で12隻の建造が終わっている前提だ。12隻のうち何隻をオーストラリア国内で建造するか方針は未定だが、今年後半の選定結果発表時に公表するとみられる。
  2. 現時点でディーゼル電気推進式潜水艦三案が検討対象で日本のそうりゅう級、フランスからDCNS-タレス連合のショートフィン・バラクーダブロック1A案、ティッセン・クルップマリタイムシステムズ(ドイツ)の216型がある。相互運用能力でジェネラルダイナミクスのAN/BYG-1戦闘システムおよびマーク48 Mod 7魚雷(米豪共同開発中)が搭載される見込み。
  3. 白書ではロッキード・マーティンP-3C哨戒機の後継機にも触れており、現在8機調達予定のボーイングP-8Aポセイドンを2020年代末までに15機に拡充する。オーストラリアの捜索救難水面は世界最大規模でP-8の滞空時間、航続距離が長大な利点が生かせる。また敵潜水艦、水上艦にも十分な攻撃能力を発揮できる。
  4. またノースロップ-グラマンMQ-4Cトライトン高高度長時間飛行UAVを7機2020年代初頭から導入する。P-8と共同運用し、トライトンは連続海上哨戒飛行や情報収集監視偵察(ISR)任務に投入する。これまでトライトンの取得方針は掲げられていたが、機数・導入時期の明示は今回初めてだ。
MQ-4C Triton unmanned aircraft system completes its inaugural cross-country ferry flight at Naval Air Station Patuxent River, Md. on Sept. 18, 2014. US Navy Photo
MQ-4Cトライトン無人機が米海軍パタクセントリヴァー海軍航空基地から初の米本土横断飛行を実施した。Sept. 18, 2014. US Navy Photo

  1. P-8の追加調達とトライトン導入もオーストラリアが海洋面を重視するあらわれだ。国際戦略研究所アジアのティム・ハックスレー博士はUSNI Newsに対し「P-8を15機、2020年代末までに整備するのはオーストラリアが海洋での安全保障を重視しているあらわれであり、MQ-4Cの7機導入も同様」と解説した。「両機種の導入で従来を上回る海洋哨戒警戒能力が実現する」
  2. 白書ではISR能力も取り上げている。2015年末にオーストラリアはガルフストリーム550を2機、有償海外援助制度で調達しており、空中情報収集監視偵察および電子戦 (ISREW) 機材として運用する。白書では同型機は最終的に5機に増勢し、2020年代初頭から戦力化すると説明。各機は電子戦で支援を各部隊に提供し、ここでも米軍との共同作戦能力がカギとなる。
  3. 米国の主要同盟国としてオーストラリアは安全保障上の利害を共有しつつ強力な装備を維持しており、域内の安全の上で根幹的存在だ。今回の国防白書を関係各方面は好意的に受け止めており、これまで国内政治が不安定で予算上の制約のため明確にしていなかった国防政策の方向性を明示されている。■


2016年2月26日金曜日

ボーイングが軍用機部門のトップ人事交代を発表




Boeing Installs New Head of Defense Unit

By Andrew Clevenger, Defense News6:15 p.m. EST February 24, 2016

635919330151021114-caret-leanne-bio-pic-400x300.jpg(Photo: Courtesy of Boeing)
WASHINGTON — ボーイングは防衛宇宙セキュリティ事業のトップ人事を発表し、リアン・キャレット Leanne Caret がクリス・チャドウィックと3月1日付で交代する。
キャレットは49歳で、現職はボーイング防衛部門のグローバルサービス背支援部門長。ボーイングには在職28年で、防衛部門のCFOやボーイングミリタリーエアクラフトのヘリコプター部門の副社長を歴任。
「リアンは成果を出す人物で顧客に徹底的に焦点をあわせて、当社の防衛宇宙安全保障事業の今日を作ってきた人物であり、将来に向けて成長させる人物でもある」とボーイング会長兼社長兼CEOデニス・ムレンバーグが声明を発表。「同時に経験豊かなリーダーであり、当社の事業をあらゆる面で理解し、『ワン・ボーイング』の視点で事業を推進する人物であり、投射従業員や外部関係者の信頼と尊敬を集める人物である」
チャドウィックは55歳で2013年から同社の防衛宇宙セキュリティ部門を統括してきた。チャドウィックは社歴34年でボーイングミリタリーエアクラフトの社長等を歴任。ムレンバーグはチャドウィックの貢献をたたえた。
ボーイング防衛部門は近年数々の困難に直面しているが、とくに長距離打撃爆撃機の受注失敗、KC-46給油機の費用超過問題が大きい。
レキシントン研究所でアナリストを務めボーイングにも国防コンサルタントとして近い関係のローレン・トンプソンは24日にチャドウィック退陣をLRS-B受注失敗のためと受け止める向きが多いだろうが、ボーイングがキャレットを経営上層部候補として育ててきたのは明らかと指摘している。
「キャレットの課題はボーイング防衛宇宙部門の収益を拡大することであり、民間旅客機が軟調でペンタゴン予算に上限がつく中で重責である」(トンプソン)■


★米戦略軍司令官の見る世界情勢:ロシア、中国、北朝鮮、大量破壊兵器拡散防止、THAAD....



STRATCOM Haney Concerned About Russian Surveillance Flights Over U.S.

By: John Grady
February 24, 2016 6:51 PM


ロシア偵察機の性能が向上しており、米国領空を通過飛行していることが議会で問題となり、米戦略軍トップも懸念を表明した。
  1. セシル・ヘイニー海軍大将は下院軍事委員会戦略兵力小委員会で2002年のオープンスカイズ条約で飛行中の機体の向かう方向や飛行情報は即座に共有されているものの条約が認めている光学技術の利用で「相手国に我が国や他国の詳細な偵察能力が生まれている」と述べこの能力でロシアが比較的弱い衛星偵察機能を補完していると指摘した。
  2. 核戦略、弾道ミサイル含め全方位でロシアは米国に挑戦していると国防次官代理ブライアン・マッケオンは述べている。その例として「核兵器を使うと無謀な発言している」のはロシア式の「緊張を上げることで緊張を下げる」危機対応の考え方の反映だとする。
  3. ロシアが「交戦的そのものの言い回し」を繰り返していること、中距離弾道ミサイル協定の違反、ウクライナ東部での行動に対し米国は「これまでより広範なロシアからの挑戦」に軍事的に対応する準備を進め同盟各国の不安を取り除こうとしているとマッケオンは発言。
  4. ヘイニー大将からはこれ以上予算が削減されれば「新規リスクへの対応は不可能」になると発言があった。核兵器三本柱がぎりぎりの状態になっているという。
  5. 戦略兵力の維持、向上は引き続き国家安全保障の最優先事項だとマッケオンも発言。「次期会期の議会および新政権には課題」となるのは近代化予算の確保で皮切りはオハイオ級ミサイル原潜の後継艦建造(2021年)になる。
  6. ヘイニーは戦略軍の予算配分は現在の3%が2020年代には5%に増加すると予測している。
  7. ロシア以外にマッケオンは冒頭の声明文で中国が「質的な向上」を戦略軍、通常兵力双方で見せていること、北朝鮮が核兵器・ミサイルの開発を継続していること、またイランについては核兵器開発を本当に中止しているか警戒を怠らないことを言及した。
  8. またテロ集団が大量破壊兵器を入手しないことが「絶対必要」だとし、リビアと国境を接するチュニジアへの支援で化学兵器の流出を防止する米国の動きを紹介。同様にヨルダン、ウクライナへも援助し大量破壊兵器の拡散を防止していると述べた。
  9. ヘイニー大将はイージス・アショアミサイル防衛は予定通りルーマニアとポーランドで2018年に運用開始と述べている。
  10. 北朝鮮の脅威についてマッケオンは来週にも米韓協議をソウルで開催し、最終段階高高度防空ミサイル(THAAD)の配備を検討すると述べた。韓国が配備に同意すれば、「最重要課題の解決の展望が開ける」としている。■


2016年2月25日木曜日

MH17便を撃墜したミサイル発射地点が今年夏までに判明か


いよいよロシアには年貢の納め時が来るのか、それともこのまま知らぬ存ぜずで突っぱねるのか、ウクライナ東部はロシアが好き放題にしてきましたが、国際社会の非難は必至ですね。ミサイル発射をしたロシア軍兵員はその際はウクライナ独立派に所属していたとか好き放題いうのでしょうね。
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Aerospace Daily & Defense Report

MH17 Shootdown Probe Seeks Buk Missile Launch Site

Feb 19, 2016 Tony Osborne | Aerospace Daily & Defense Report
Buk missile system: Yuriy Lapitskiy

LONDON – オランダ検察当局はマレーシア航空MH17便を2014年7月に撃墜し乗員乗客298名の生命を奪ったブク地対空ミサイルの発射地点を今夏までに特定したいとする。
  1. オランダ国家検察局は事故犠牲者の遺族へミサイル発射地点を特定し、実行犯を特定すると説明した。また兵器の種類も特定すると告げている。
  2. 当局は遺族に送付した文書を公開できないとしているが、オランダの報道機関が文書を明らかにしており、主任捜査官が事故当日の写真、衛星画像はともに存在しないと伝えている。また捜査当局はロシアに当日のレーダー画像の提供を求めているという。
  3. 文書では電話音声記録や現地証言などほかの手段も使っていると知らせている。
  4. オランダ安全委員会による最終報告書では同機はブク発射装置からの9M38ミサイルで撃墜されたと結論付けている。調査チームは発射地点はウクライナ東部の反乱勢力が支配する320平方キロのどこかから発射されたと述べている。キエフの専門機関は発射地点を縦横4キロの農耕地でスニズネ近郊の場所まで狭めている。この場所は報道陣とならんで研究者が画像などオープンソースの情報を駆使して突き止めた場所と一致する。
  5. オランダ側はこれまで意図的にミサイルの型式をあいまいにしていたが、墜落地点で見つかった部品から捜査が進んでいた。■