2023年4月16日日曜日

クリミア半島奪還に向け準備に入ったウクライナ軍の選択肢。ウクライナ戦の最新状況(現地時間4月14日現在)

 



Ukraine Situation Report: Official Hints At New Weapons To Be Unleashed On Crimea

Ukraine MOD



ウクライナ政府高官がキーウが目標とするクリミア解放で「新型」兵器が爆発を引き起こしているた可能性を示唆した



クライナのトップ高官がクリミア攻略では国際法で許可されているあらゆる武器を選択肢に入れると述べ、最近の爆発数回は実験的な武器使用だとほのめかした。

 「クリミアはウクライナの領土であり、我々は領土の解放に役立つ国際法で禁止されていないあらゆる兵器を同地で実験し使用する」と、オレクシィ・ダニロフOleksiy Danilov国家安全保障・防衛評議会長官はツイートした。

 ダニロフは金曜日のウクライナ国営テレビで、以前伝えられたクリミアでの爆発事故数回は「新型」兵器による可能性を示唆した。

 Qirim通信によると、長官は「新型兵器のテストがクリミアで行われる可能性はある。可能性は排除しない」と述べた。

 ダニロフは詳しく説明しなかったが、以前取材したウクライナの防衛当局者は、キーウが解放を望むクリミアを攻撃する上で選択肢は3つあると述べた。2014年以来ロシアに占領されたままの半島の外側の境界線は、ケルソン州のウクライナ軍陣地から約50マイル離れている。


黄色で示したクリミア最北部の国境は、最も近いウクライナ軍から約50マイル離れている。 (Google Earth image)


 まず、無人航空機・水上艇だ。ウクライナは、ロシアの黒海艦隊の司令部があるセヴァストポリにこれらの武器で攻撃を何度か試みたが、機密問題を議論するために匿名を条件に、この当局者は、実行可能な選択肢ではなくなってきていると語った。無人航空機は深刻な被害をもたらす量の爆薬を備えず、ロシアは無人水上艇への対策を見つけたためという。

 もうひとつの攻撃手段は、ウクライナのロケット弾と、米国と同盟国がウクライナに提供したM142高機動砲ロケットシステム(HIMARS)やM270多連装ロケットシステム(MLRS)から発射するGMLRS(誘導多連装ロケットシステム)弾などのスタンドオフ兵器だ。これらの弾薬の射程は最大で約80km(約50マイル)でクリミアの最北端への攻撃に十分な射程距離だ。

 また、米国はに地上発射型小口径爆弾(GLSDB)をウクライナ提供している。GLSDBの射程は約94マイル(約150キロメートル)で、以前攻撃を受けたロシアの飛行場とジャンコイの鉄道路線の攻撃に十分な距離だ。

 ウクライナはまた、全長7.6メートル(25フィート)のソ連製BM-30スメルヒ多連装ロケットシステム(MLRS)砲ロケットを改良した「Vilkha-M」ロケットを開発した。Vilkha-Mは射程距離110キロメートル(68マイル)、485ポンドの弾頭でターゲットを高精度で撃破できる。

 クリミアの標的を攻撃する3つ目の方法は、サボタージュである、と同高官は述べた。

 「サボタージュ集団は最も信頼性が高く、クリミアでの爆発の大半の源」と当局者は述べた。「破壊工作の手段を提供するウクライナ情報機関が扇動し、潜在的な反乱軍反乱集団が多数ある」。

 クリミアとロシアを結ぶウラジーミル・プーチン自慢の建造費40億ドルのケルチ橋が昨年10月に攻撃された。ウクライナはロシア領内で破壊工作を行い、パルチザングループがロシア占領地だけでなく、ロシア国内を攻撃している。

 同上関係者は、ウクライナは、1年前の昨日、ロシア海軍のプロジェクト1164スラヴァ級巡洋艦モスクヴァ撃沈に使われた、国産開発の対艦ミサイル「ネプチューン」の改造にも取り組んでいると付け加えた。

 「ウクライナは、ネプチューン・ミサイルを陸上目標に攻撃できるよう改造に取り組んでいます」と、同関係者は述べ、現時点では、海上の大型金属物を攻撃のみの設計だと付け加えた。「新型誘導・ホーミングシステムが必要で、ウクライナはそれに取り組んでいる」という。

 同上関係者は、現時点で欠けている重要部品は、ウクライナが米国・同盟国から調達を望んでいるマイクロチップだと述べている。

 「入手できれば、ネプチューンは360km(約225マイル)先のターゲットの攻撃ができる」と、同上関係者は語り、「かなり近づいた」。


最新情報

ウクライナ大統領府のアンドリー・イェルマクAndriy Yermak長官によれば、ロシア軍はドネツク州スロビアンスク市を砲撃し、少なくとも1人が死亡、少なくとも6人が負傷した。

 また、ロシアのSu-35「フランカーE」ジェット機がザポリツィア州オリヒフ市を攻撃し、家屋数軒と学校に損害を与えたとウクライナ当局が主張している。しかし、死傷者は報告されていない。

 ロシアに軍事援助を行う可能性を疑う西側の懸念に対して、中国の秦剛Qin Gang外相は金曜日、北京は全面戦争でどちらの側にも武器を販売しないと述べた、とAP通信が報じた。

「秦剛は、ロシアへの武器売却について明確な発言をした中国最高レベルの高官だ。同外相は中国が民生軍事で二重用途を持つ品目の輸出を規制するとも付け加えた」とAP通信は報じた。

 「軍事品目の輸出について、中国は慎重で責任ある態度をとる」と、秦は、訪問中のドイツでのに記者会見で述べた。「中国は紛争の関連当事者に武器を提供せず、法規則に従いデュアルユース品の輸出を管理・統制する」と述べた。

 空軍州兵のジャック・テイシェイラJack Teixeiraが逮捕された翌日、ワシントンポストは、漏洩した機密文書の大量公開によるさらなる影響を明らかにした。

 それによるとロシアの秘密部隊スペツナズは、全面戦争で壊滅的な打撃を受け、再建には数年かかるだろうと、同紙は入手した米国の機密評価を引用し報じた。

 「メッセージングプラットフォームDiscordを通じてオンラインでリークされた機密資料に、これまで報告されていないこの記述がある」とポストは報じた。「ロシア軍司令官が、前線歩兵部隊で特殊部隊に過度に依存していることが原因、と米国当局者は評価している。特殊部隊は、ウクライナ軍同様に、死傷者を大量に出している」。

 オランダは金曜日、ウクライナに提供・約束した装備品のリストを公表した。

  • 戦闘車両 T-72戦車(45両)、YPR装甲車(196両)、Fennek偵察車、Viking追跡車。デンマーク、ドイツと共同でレオパード1戦車(100両)

  • 火力支援システム PzH2000装甲榴弾砲(8基)、120mm迫撃砲。

  • 防空システム ペイトリオットランチャー(2基)とミサイル、MR-2移動式AA砲(100基)、ミサイル、スティンガーなど防空ミサイルシステム。

  • その他兵器 MAG、Minimi、.50などの各種マシンガン、(長距離)ライフル、ピストルなど。

  • 弾薬類 各種武器用の各種小口径弾薬、戦闘車両や銃システム用の重弾薬、LAWやパンツァーファウストなどの対戦車弾薬など。

  • センサー・観測機器 各種ドローンおよび関連機器(143台)、地上センサーなどのレーダー・探知システム、輝度増幅器や赤外線撮影装置などの暗視装置計1,037台。

  • 仮設橋梁 ベイリーブリッジ(15基)、M3ポンツーンシステム(6基)。

  • キッチン (モバイル) フィールドキッチン(31)。

  • 各種車両(441両) 4トントラック、Amarok車、救急車。

  • 地雷除去装置 スキャンジャック地雷除去装置(1)、ボゼナ地雷除去装置(2)、地雷探知機、地雷スパイク、EOD装置。

  • 船舶 (6) アルクマール級掃海艇2

  • 野戦病院 (10) テント (300) アグリゲート (676)

  • スペアパーツ 各種車両・(兵器)システム用。

  • 重機など クレーン(2)、ショベル(10)、フォークリフト(21)など。

  • 個人用装備 衣服、ヘルメット、シャードベストなど。

  • 食料品

  • 救急箱や医薬品など。

  • 燃料

オランダは、ウクライナに提供・約束した軍事援助のリストを公開した。 (Netherlands Defense Ministry)


 ロシアのランセットLancet滞空弾は強力な武器で、ウクライナの79K6ペリカンレーダーシステムが破壊されたと報告が入っている。

https://twitter.com/i/status/1646867528289796096


 全面戦争は、ウクライナの軍隊、民間人、インフラだけでなく、生態系にも大きな打撃を与えている。

 ニューヨーク・タイムズ紙は、紛争で永久に傷ついた自然風景を捉えた「The Beauty Of Ukraine」のスナップショットを掲載した。

 侵攻が始まった時点で、キーウのC.P.出版は、オデーサ出身のイエベン・サムチェンコ Yevhen Samuchenkoの風景写真集に取り組んでいたが、ロシア軍がウクライナの首都付近まで侵攻し、退避を迫られたとタイムズは報じた。

 「この本で紹介されている場所の多くは、戦争で大きなダメージを受けた」とリンダ・ボンダールは序文で書いている。失われたウクライナ人数十万人の命に加え、「自然もこの残忍で無意味な戦争で被害を受けた」。


 ロシアはマッドマックス的な兵器を展開し続けている。この場合、2M-3M25mm海軍砲をATS-59G砲兵トラクターに載せたものである。


 

ドローン映像では、一人のロシア兵が命からがら逃げ出し、胎児のように丸まった状態で写真を撮っている様子が映し出され、今にも破滅しそうな雰囲気で前線での恐怖を示す奇妙な映像だ。■




Ukraine Situation Report: Official Hints At New Weapons To Be Unleashed On Crimea

BYHOWARD ALTMAN|PUBLISHED APR 14, 2023 10:35 PM EDT

THE WAR ZONE


ルイジアナ州に放置されたままだったT-90A戦車の配送先が判明し、同戦車はすでに搬送された模様。

 


Destination Of Russian T-90 Tank Left At Truck Stop Comes Into Focus

Courtesy of Reddit user Mutantlight

ウクライナの戦場から持ち込まれたロシアのT-90A戦車は、アバディーン・テスト・センターに向かうようだ

イジアナ州のトラックストップに放置されたままのロシア製T-90A戦車の主砲銃身に貼られた輸送ラベルのおかげで、Peto's Travel Center and Casinoに放置される前に、どこから来てどこに向かっていたかもわかってきた。

ルイジアナ州在住のジョン・フェルプスの写真にある輸送ラベルには、「多国籍評価フィールドチーム」なる組織から送られたと記されており、出発地はポーランドのグディニア、目的地はテキサス州ボーモントで、西に約90マイル離れた場所にある。ラベルの「最終荷受人」は、アバディーン実験場6850 Lanyard Rd.の358号棟だ。アメリカ陸軍アバディーン・テストセンター(ATC)の本拠地だ。

This shipping label on the barrel of the T-90A tank provides details of where it came from and where it was headed. (Courtesy of John Phelps)

This shows the tank was shipped by something called the Multinational Assessment Field Team. (Courtesy of John Phelps)

This shows the "ultimate consignee" is the Army's Aberdeen Test Center in Maryland. (Courtesy John Phelps)

ウェブサイトによると、ATCの使命は以下の通り:

  • 国防総省内外の政府機関、非政府組織、国内外を含む正規顧客に対し、テスト、テストサポートサービスを提供する

  • 実機およびシミュレーションによる包括的なテストとトレーニングを実施する

  • 新技術を活用する。

  • 最先端の計測機器とテスト手法を開発する

ATCは「陸上戦闘、直接攻撃、実弾射撃の脆弱性テストで国防総省の主要機関」と述べている。「ATCは、多様な能力を持つ多目的テストセンターです。アメリカの戦士に優れた資材と技術を与える、世界クラスの試験、訓練、モデリング、シミュレーション、実験施設です」。

ATCが行うことの例として、2019年に、陸軍が民間航空機の爆発物に対する脆弱性をテストするために、古い747を爆破しようとしていた。

そうしたことを考えると、オープンソース情報調査(OSINT)によると昨年9月にウクライナがロシアから捕獲したT-90AがATCに行き着くのも納得がいく。しかし、同戦車からどれだけ学べるかは不明だ。

Warspotting.netのOSINTグループによれば、フロントフェンダーとリアフェンダーが損傷したT-90Aは、2004年に生産された、ロシア基準ではかなり近代的なものという。しかし、前回お伝えしたように、RedditユーザーのMutantlightとPeto's Travel Center and Casino(ルイジアナ州ロアノーク)の支配人Cody Sellersが共有してくれた写真を見ると、同戦車が明らかに完全装備の状態でないことがわかる。とはいえ砲塔には爆発反応装甲(ERA)コンテナが数個付いている。また、少なくともShtora-1自己防御システムの「ダズラー」はまだ装着されたままだ。各種機関銃は取り外されている。

Closeup view of the T-90A's current. (Courtesy of Reddit user Mutantlight)

(Courtesy of Reddit user Mutantlight)

また、一部のT-90Aが搭載していた欧米の火器管制部品が今回の車両にないことも特徴的だ。

ペンタゴンの陸軍本部に加えATCにも本誌は照会している。同戦車が何に使われるのか、どうやって米国に入ったのか、どこへ向かうのか、戦車の戦歴についての詳細、トラックストップに何日も放置されることでセキュリティ上の懸念はなかったのか、ERAコンテナは不活性なのか爆発物が入ったままなのか、などだ。

金曜日の午後、ATCの広報担当者は陸軍本部に回送し、昨日と今日、本誌が連絡を取った陸軍関係者は何も情報を提供してくれていないままだ。

また、トラックが故障してPeto'sで待機することになった時点で、どの企業が戦車を輸送していたのかも不明だ。昨夜午後8時(現地時間)にトラック運転席に書かれていた会社名はオハイオ州デイトンのAAAロジスティクスで同社関係者は、コメントを求めるメッセージに応じなかった。同上のセラーズ支配人は、運転手の1人が、トラックはメリーランド州に向かうと話していたと語った。アバディーン・テストセンターがある州である。

フェルプスによると、ラベルからアバディーンに向かっているのかとトラック運転手に尋ねたところ、運転手は「ええ、どうしてそれを知っているか」と言い、メリーランド州に向かっていると明かしたという。

オハイオ州デイトンのAAAロジスティクスのトラックが、昨夜、タンクを

運び出した (Courtesy Cody Sellers)

戦車の仕向け先ではある程度の答えは出たものの、多くの疑問が残ったままだ。破壊実験に使われるのか、外国装備に慣れる訓練に使われるのか、あるいは外国物資利用(FME)用途なのか、現時点ではまだ不明だ。

回答が得られ次第、記事を更新したい。■


Destination Of Russian T-90 Tank Left At Truck Stop Comes Into Focus

BYHOWARD ALTMAN, JOSEPH TREVITHICK|PUBLISHED APR 14, 2023 8:11 PM EDT

THE WAR ZONE



2023年4月15日土曜日

PLAの「台湾封鎖」軍事演習の性質を考察する

 China Simulates Attacking Taiwan From All Sides With Help From Its Carrier Force

AFP via Getty Images



北京は海上と空中両面で台湾封鎖作戦の訓練も行った



国の空母「山東」が台湾に対する大規模な演習に参加し、北京は台湾封鎖の訓練やいわゆる「精密攻撃」を行い、暴言の面で顕著なエスカレーションを示した。ロケット部隊も参加し大規模演習が3日間にわたり行われた。

 台湾周辺での訓練が本日終了し、PLAは、戦闘状況下で複数部隊の能力を「包括的にテスト」したと発表。

 コードネーム「Joint Sword」と報じられた人民解放軍の演習は、蔡英文総統がロサンゼルスでのケビン・マッカーシー米下院議長との会談を終え、台北に戻った後の土曜日に開始された。

 PLAの東部戦域司令部は声明で、「隷下部隊は常に戦う準備ができており、いつでも戦うことができ、あらゆる形態の台湾独立分離主義や外国の干渉を断固として粉砕する」と述べた。

 中華人民共和国は、台湾を自国の主権領域内にある反乱省と見なしている。台湾を北京の支配下に置くため武力行使を否定せず、特に近年は、台湾海峡や台湾島周辺での大規模な軍事演習をますます複雑化している。


2023年4月10日、中国南東部の福建省で、中国で最も台湾に近い平潭島北東で実弾演習区域に向け航行するPLANの072A型(Yuting II)級揚陸艦。写真:GREG BAKER/AFP via Getty Images


今回の演習は、PLAの航空活動では、これまでで最大級のものだった。台湾国防部によると、現地時間の本日午後6時現在、台湾周辺に中国軍艦船12隻と91機以上の軍用機が展開したという。その中には、山東から飛来するJ-15空母戦闘機、J-16、Su-30フランカー多機能戦闘機、中国製フランカー電子攻撃派生型J-16D、核兵器運搬が可能とされるH-6爆撃機も含まれていた。



演習の画面キャプチャでは、PLA空軍のJ-16D電子戦機とJ-16マルチロール戦闘機がミサイル搭載のH-6KG爆撃機を護衛している。 via Twitter/CCTV-7


少なくとも1回、中国と台湾の軍艦が接近したことは、両国の公開画像から明らかだ。ロイター報道は、この地域の安全保障状況に詳しい情報源を引用して、PLAが台湾南西部沿岸の海域で「外国の軍事目標」に航空機と軍艦による模擬攻撃を行ったと述べている。

 54機が台湾海峡の中央線を越え、台湾の南西部と南東部の防空識別圏(ADIZ)に入ったという。

 なお、台湾の防空識別圏は、台湾海峡の全域だけでなく、中国本土の一部もカバーしている。中央線は、台湾と大陸の事実上の境界線として機能している。中央線を越えること自体は珍しくないが、PLAによる活動規模はここに来てかなり大きくなっている。

 これまで、1日で台湾海峡に入った航空機の最大数は、昨年8月、ナンシー・ペロシ米下院議長が台湾を訪問した際に実施した訓練時の68機だった。

 台湾の中華民国軍は「状況を監視し、対応するために資産をタスク化した」と述べている。台北は公式声明で、戦闘態勢の強化を「決して緩めない」とし、PLAのミサイル部隊や空母山東の動きを注意深く監視すると述べた。

 今回の演習で、中国は自国軍がどのような活動を行ったかについて、異例なほど詳細なまで内訳を発表した。中国国営放送の本日の報道によると、今回の演習に実弾を搭載したH-6爆撃機が参加した。航空機は、軍艦とともに「多方向から島を包囲する封鎖状況を形成」したという。これは、北京が台湾に攻勢をかけた場合に採用される可能性のある戦略の1つ、すなわち、台湾を窒息させ服従させることを目的とした台湾の航空・海上封鎖を明確に指している。

 東部戦域司令部がWeChatのインスタントメッセージアカウントで公開したビデオでは、H-6爆撃機が台湾北部の空域を飛行する様子が映し出されている。

 「ミサイルの状態は良好です」とナレーターが言っている。次に、「火器管制レーダーを起動し、目標をロックオンせよ」と別の音声が流れ、動画は翼下のミサイルの映像に切り替わる。

 実際のミサイル発射は映し出されないが、パイロットが発射ボタンを押す前に、模擬攻撃の準備をしている様子が映し出されている。

 このような台湾関連の訓練には、これまでにも複数の航空機や軍艦が参加しているが、人民解放軍海軍(PLAN)の空母2隻の1隻が登場したことは注目に値する。

 日本の防衛省によると、山東は日曜日に沖縄諸島に近い海域で航空作戦に積極的に参加した。同じ情報源は、金曜日から日曜日までの間に、ジェット戦闘機とヘリコプターが120回、空母に発進・回収されたと述べている。空母は他の軍艦3隻のと支援艦を伴って、日本の宮古島から約140マイル以内に入った。

 山東が台湾を想定した戦争ゲームに参加したことは、中国の空母航空が一般的に力をつけていることを示唆している。より具体的には、この空母や他の空母が、敵対行為中に台湾の東側から戦闘機による固定翼作戦を開始する可能性がある。空母と長距離爆撃機が東側から台湾に接近すると、台湾防衛はより困難になる。

 中国軍の航空機や艦艇だけでなく、最新の一連の演習では、中国軍のミサイルやロケット部隊もテストされた。日曜日には、中国軍は台湾への精密打撃のシミュレーションを行ったと発表した。

 中国国営テレビは、日曜日に、PLAが「台湾島周辺の攻撃態勢を維持」し続けていると付け加え、「戦域統合作戦司令部の統一指揮の下、複数部隊が台湾島と周辺海域の主要目標への共同精密攻撃のシミュレーションを実施した」と報じた。

 東部戦域司令部がWeChatに投稿した別の動画では、陸、海、空から台湾に向けミサイルを発射し、模擬攻撃のアニメーションが映し出された。ミサイルのうち2発は、目標に命中すると爆発的に炎上する様子が映し出されている。このビデオは技術的に正確なものではなく、一般的向けのもののようだ。


 台湾国防部は、演習ではPLAロケット軍に特に注意を払っていると述べた。

 「中国共産党のロケット部隊の動きについて、台湾軍も共同情報・監視・偵察システムを通じて密接に把握しており、防空部隊は厳戒態勢を維持している」。

 ロイター報道によると、演習に対する台湾側の対応として、台湾の最南端にある屏東県に雄風シリーズ対艦・対地攻撃巡航ミサイルの発射装置が配備されたという。

 今回の訓練は終了したが、米政府関係者の訪台や台湾人関係者の訪米に対して、北京が重大な武力行使を行う可能性が高まっている状況を改めて示した。実際、昨年のペロシ米下院議長の訪台に対する反応を見る限り、これはもはや標準的な反応のように思われる。

 同時に、この種の演習は、将来起こりうる台湾との武力衝突を想定した演習であることが、これまで以上に明確になった。PLAが台湾の封鎖能力を試すだけでなく、中国は台湾に対する精密攻撃の練習をしていると公言している。中国共産党が台湾指導部に対する斬首攻撃を訓練していることはよく知られており、意思決定機能を麻痺させることで迅速な勝利につなげたいと考えると、不吉なことである。

 当面の間、米国および国際社会は、この地域での中国の軍事演習や、実際の軍事作戦の可能性を示すその他指標を注視していくことになるのは間違いない。例えば、台湾に攻勢をかける場合、その前に大規模な演習を行い、その後、本格的な侵攻に転じる可能性が高い。

 一方、台湾は、今後PLAの演習が行われても、紛争を誘発しないよう冷静に対応すると述べている。しかし、北京は明らかに、エスカレーションをあまり懸念していない。これは、台湾を支配下に戻すため武力行使を検討し続ける姿勢と一致している。■


China Simulates Attacking Taiwan From All Sides With Help From Its Carrier Force


BYTHOMAS NEWDICK|PUBLISHED APR 10, 2023 4:37 PM EDT

THE WAR ZONE


2023年4月14日金曜日

おおらかなアメリカ。ルイジアナのトラック駐車場にT-90戦車がトレーラー上に放置されていた。米陸軍は無関係なら、どこの民間人がこの戦車を入手したのか。

 



(Courtesy of Reddit user Mutantlight)

ロシアのT-90A 戦車。昨秋にウクライナが捕獲したものでルイジアナのトラック駐車場に放置されているのが見つかった。牽引トラックが故障したためだ。 (Courtesy of Reddit user Mutantlight)

同戦車は昨年秋にウクライナが捕獲したようだが、ルイジアナに渡った経緯は不明のままだ

ルイジアナ州ロアノークにあるペトズ・トラベル・センター&カジノには、あらゆる種類の車が停車するが、火曜日の夜は別だった

ウクライナが捕獲したロシアのT-90A戦車を運搬したトラックが故障し、米国高速道路10号線からこのトラックストップに入り放置された。同施設の従業員で、この画像をRedditに最初に投稿した人物が、The War Zoneに画像を提供してくれた。

(Courtesy of Reddit user Mutantlight)

(Courtesy of Reddit user Mutantlight)

(Courtesy of Reddit user Mutantlight)

(Courtesy of Reddit user Mutantlight)

(Courtesy of Reddit user Mutantlight)

(Courtesy of Reddit user Mutantlight)

(Courtesy of Reddit user Mutantlight)

(Courtesy of Reddit user Mutantlight)

(Courtesy of Reddit user Mutantlight)

T-90Aは20年前に導入されたロシアでは近代的な装備で、ウクライナの戦場からルイジアナのトラックストップまでの旅には不可解なものがある。

木曜日の朝、副店長ヴァレリー・モットは、「私はここに7年いますが(戦車を)見たのははじめて」 と語った。

店長のコディ・セラーズも、誰がそのタンクを置いていったのか、どこから来たのか、どこへ向かっているのか、知らなかった。「トレーラーを運んでいたトラックのトランスミッションが壊れてしまったんだ」とセラーズは言った。

運転手は、ヒューストンに戻り別のトラックを手に入れる、Peto'sで保管できるか尋ねてきたと、モットは言い、セキュリティについては心配はないと付け加えた「警備員も24時間常駐しています」。

(Cody Sellers photo)

(Cody Sellers photo)

(Cody Sellers photo)

戦車の画像は、水曜日の夕方、「Tank Porn」Redditチャンネルに初めて掲載された。投稿したのは、Mutantlightという名前のユーザーで、画像を共有するために匿名を要求した。

「私は南部に住む男で、コンピュータゲーム『War Thunder』で戦車が好きになり、この美しい戦車を偶然見つけました」と、彼は語っている。彼はPeto'sの近くに住んでいて、車で通りかかり見つけた。

戦車はフロントフェンダーとリアフェンダーが損傷している。

完全な装備ではないことは明らかだが、少なくとも砲塔には爆発反応装甲コンテナが装備されたままだ。また、少なくともShtora-1自己防御システムの「ダズラー」が装着されており。機関銃は取り外されている。また火器管制システムの一部が著しく欠落している。

この戦車がなぜルイジアナにあるのか、どうやってそこにたどり着いたのかはわからないが、ウクライナ戦で使用された軍事装備を追跡するOSINTグループ「オリックス」と「ウォースポッティング・ドットネット」のメンバーで、ツイッターハンドル「ナールシオ」を使う彼は、The War Zoneに「ロシアの第27分離兵運動銃旅団、第1衛兵戦車軍の所属...」という評価を示した。2022年9月25日頃、ハリコフ州クリリフカ(49.660195, 37.699288)に放置されていた。ウクライナ第92分離機械化旅団に捕獲され、ルイジアナ滞在中の戦車には黄色の9が付けられている(これは第92隊のマーキング)。"

米軍は、外国物資開発(FME)プログラムの一環として、この戦車に関心を持っている可能性がある。FMEは、諜報機関が実地調査を通じて外国の装備品に関する情報を得て、リバースエンジニアリングを通じ能力や脆弱性に関する洞察を得るのが目的。また、米軍は、実際の脅威を表現するシステムであるため、これらの資産を使用して訓練を行うことができる。また、戦場で目にする可能性のある装備品を、間近で身近に感じらるため、部隊が使用することもある。

ウクライナ側は、高度な電子戦システムやミサイル部品など、FMEで非常に有用な情報を提供できる兵器システムを数多く捕獲している。ウクライナは、本格戦が始まる前から、米国諜報機関にとってFMEのハードウェアのトップソースとして、すでに長い歴史を誇っていた。捕獲システムを送り返すことは、開戦当初から指摘してきたように、ウクライナと米国の情報筋間で非常に可能性の高い取り決めだ。

戦車に関しては、オリックスによれば、少なくともロシア製戦車549両を鹵獲しているが、画像で確認できるものしか報告がないため、実数のほんの一部だろう。

とはいえ、今回の戦車は展示用である可能性もあり、軍用でなければ、ウクライナからPetoの駐車場までどうやって運んだのか、非常に不可解である。

米軍がこの戦車に興味を持つかもしれないにもかかわらず、トラック駐車場から北に陸軍の統合即応訓練センターがある約60マイル離れたフォートポークの広報担当者は、この戦車が同基地に向かっているようには見えないと述べた。

彼は、米軍はその戦車と何の関係もないのかもしれないと付け加えた。

「このタンクはおそらく民間人か会社の所有だと思います。" "Peto's "のスタッフと話をしました。彼らは、二人男性が火曜日に駐車場にに置いて、別のトラックを得るためにヒューストンに行かなければならないと言ったという。彼らはまだ帰ってきていない。軍がそのようなものを放置しておくとは思えませんね。また何かあったらお知らせします」。

トラックストップから240マイルほど北にあるテキサス州ニューボストンの陸軍レッドリバー基地のスポークスマンも、この戦車が同基地に向かっているとは思えないと述べている。

国防総省は、同戦車で共有できる情報はないと言った。

また、本誌は陸軍とアルコール・タバコ・火器局に連絡を取り、同戦車を国内に持ち込んだのは誰で、どこへ向かうのか、なぜ持ち込んだのかを照会中だ。

情報が提供された場合は、この記事を更新する。■


Russian T-90 Tank From Ukraine Mysteriously Appears At U.S. Truck Stop

BYHOWARD ALTMAN|PUBLISHED APR 13, 2023 3:52 PM EDT

THE WAR ZONE