2025年4月19日土曜日

フーシ派はこうしてワシントンを出し抜いてきた(The National Interest) ― 猛烈な空爆が続いてもフーシ派は健在。サウジアラビア主導のアラブ軍も長年作戦を展開しても駆逐できなかった

 


イエメンのテロリスト集団は、米海軍を巧みに利用してきた


エメンのフーシ派が相変わらず健在だ。米海軍と同盟国の努力にもかかわらず、反乱勢力のゴロツキ集団は、世界で最も戦略的な水路のひとつである紅海を2年近くも封鎖し続けている。海上交通の大部分は、アフリカの先端で遠回りとなる費用のかかる喜望峰ルートを取らざるを得なくなっている。ワシントンは、世界の重要な海上交通の要衝のひとつで、海洋の自由を維持することに失敗した。

 対艦ミサイルシステムと無人偵察機によってもたらされた海戦の技術革命は、紅海の戦略的なバブ・エル・マンデブ海峡を遮断する能力を小さな反政府勢力に手渡した。膠着状態が続くことは、世界の海洋大国としての米国にとって危険な意味を持つ。

 最初の教訓はテクノロジーだ。ドローンや陸上ミサイルシステムは、沿岸から数百キロ、数千キロ離れた水上軍艦を攻撃できるようになった。フーシの紅海攻撃は、米海軍が置かれている困難な状況を浮き彫りにしている。すでに世界最大の海軍の座からすべりおち、その地位を中国に譲っている米海軍は、ドローンや対艦ミサイルに対処する新たなアプローチを模索している。高価で洗練された有人航空機やミサイルシステムを搭載したレガシー空母やその他の軍艦は、新しい時代の戦争には理想的でないことが証明されている。これらの兵器に対抗する進化は、海軍と議会が何年もかけて開発し、改良していくプロセスである。

 第二の教訓は、海軍は過剰な人員を抱えているということである。 海軍は、軍艦や商船に対するフーシの攻撃を撃退するため、紅海海域に空母戦闘群を2個駐留させている。こうした強力な戦力にもかかわらず、紅海は事実上封鎖されたままだ。一方、世界の他の地域でも、中国を中心とした競合する課題が引き続き海軍の注意を必要としている。 人民解放軍海軍の400隻を超える軍艦と対峙するのは、約200隻からなる米太平洋艦隊である。アメリカ海軍が中国海軍のような規模になれるかどうかは甚だ疑問でアメリカの老朽化した造船所には生産能力がない。とはいえ、太平洋艦隊の中核的任務は、中国とのいかなる紛争においても、米国の条約同盟国であるフィリピン、日本、韓国を防衛することである。太平洋艦隊はまた、防衛条約によるコミットメントがなくても、台湾を防衛する準備を整えておかなければならない。

 中国とフーシのほかに、海軍はイランにも備えなければならない。 今年初め、海軍はイランのミサイルやドローンによる波状攻撃からイスラエルを守るよう要請された。イランの核開発プログラムに対する海軍による大規模な攻撃も間近に迫っているかもしれない。

 このような多様な課題に直面した場合、紅海で1つ以上の米空母戦闘群を拘束し、フーシ派のミサイルやドローンによる攻撃と高価で危険なモグラたたきをする必要性は、コストがかかり、最終的には長期的には実現不可能な命題となる。

 このことを理解しているのか、トランプ政権はフーシ派の作戦をエスカレートさせ、フーシ派を一挙に撃退するため、空軍のB-2を含む航空戦力のリソースをより攻撃的な方向に投入している。航空戦力だけで決定的な勝利が得られるかどうかは、まだわからない。航空戦力の増強だけでは不十分かもしれない。 わずか3週間で10億ドルを超える航空弾薬の支出が報告されているにもかかわらず、フーシの紅海攻撃は執拗に続けられている。航空戦力でフーシ派を永久に黙らせることができなければ、ワシントンは厳しい決断を迫られることになる。

 ひとつの選択肢は、紅海から撤退し、フーシ派への軍事的対処をヨーロッパの同盟国に委ねることだ。結局のところ、西ヨーロッパのほうが米国より紅海経由の輸送ルートへのアクセスに経済的に依存している。  加えて、ワシントンのヨーロッパの同盟国は、合わせて1000隻以上の軍艦を自由に使える状態にしている。ロシアやウクライナに対処するための軍事的能力が低いヨーロッパの陸上での軍事状況とは異なり、紅海では、たとえアメリカ海軍が撤退しても、彼らの海軍は仕事をこなすことができるはずだ。JDヴァンス副大統領が最近、紅海作戦においてヨーロッパ諸国を「フリーローダー」と批評したのは、間違いなくこれを念頭に置いてのことだったのかもしれない。

 しかし、特にアフガニスタンからのアメリカの性急な撤退の後では、この戦いからアメリカを撤退させることは、イランに送るメッセージとして間違っている。米国の戦略的衰退の新たな兆候と解釈されてしまうからだ。 それどころか、トランプ政権がエスカレートする決断を下したことは、たとえアメリカの経済的利益が同盟国よりも影響が少ない状況であっても、アメリカは依然として遠く離れた海の自由を守ることに全力を注いでいることを示すものだ。

 1988年米国のフリゲート艦サミュエル・B・ロバーツがイランの機雷で損傷した後、米国は「カマキリ作戦」でイランに対してまさにそれを行った。米国は、イランの軍艦を攻撃して撃沈し、イランの石油プラットフォームを破壊した。

 フーシ派はまだ米国の軍艦や有人航空機を攻撃したことはないが、挑戦し続けており、航空戦力だけでは脅威を排除できない場合、米国は海軍の隔離や地上からの空襲の可能性も含め、さらなるエスカレーションを検討しなければならないかもしれない。フーシ派は米国を戦略的な箱の中に閉じ込め、良い選択肢を残していない。ワシントンには、膠着した引き分けを続ける余裕はない。これは、米国が解決しなければならない紛争であり、そうでなければ戦略的結果を支払うことになる。 ワシントンがさらにエスカレートするか、今度はフーシ派の手によってアフガニスタンのような後退を余儀なくされるしかない時が来るかもしれない。■


How the Houthis Outsmarted Washington

April 8, 2025

By: Ramon Marks

https://nationalinterest.org/feature/how-the-houthis-outsmarted-washington

ラモン・マークスは引退した国際弁護士で、国家安全保障問題について定期的に執筆している。


日本の試験艦に搭載されたレイルガンに注目(The War Zone)―当ブログでは原語の発音に近いレイルを採用しています。とはいえ、艦艇や地上部隊の電力需要の増大にどう答えるかが課題ですね

 The Japan Self-Defense Forces have offered an official look at the turret-mounted electromagnetic railgun now installed on the test ship JS Asuka.  

JMSDF


米海軍が開発を中止した海軍用電磁レイルガンの開発を日本が推進している


本の自衛隊は、試験艦JSあすかカに搭載された砲塔搭載型電磁レイルガンの公式画像を公開した。防衛装備庁(ATLA)は2010年代半ばからレイルガンの開発を進めており、日本海軍の艦艇で将来の武装として採用される可能性があり、地上配備型としても活用される可能性がある。これは米国海軍が2020年代初頭に開発を凍結した武器のカテゴリーに該当し、当初有望な成果を示したものの、技術的な課題に直面していた。

 JSあすかに搭載されたレイルガンの写真は、4月9日に自衛艦隊司令官大町克士海将が同艦を訪問した際に撮影されたものだ。日本の船舶観測者は、今月早々からJSあすかに搭載された新装備の画像を投稿し始めた。あすかは6,200トンで、戦闘艦のような設計の専用試験艦として、1995年の就役以来、武器や他の海軍システムの開発支援に活用されている。

 「4月9日、海上自衛艦隊司令官(COMSDFLT)の大町克士海将は、海上自衛隊艦隊研究開発司令部(FRDC)所属の『あすか』を訪問し、防衛装備庁(ATLA)で開発中の『レイルガン』の最新の状況を視察しました」と、海上自衛隊は短い声明で述べている。「将来の戦闘に備え、海上自衛隊はATLAはじめとする関係機関と緊密に連携し、海上自衛隊が必要とする装備の研究開発と早期導入を推進するとともに、日本国民と領海を守るための防衛態勢の強化を継続しています」。


JSあすかのストック画像。海上自衛隊


 2023年、ATLAは未公開のプラットフォームからレイルガン原型機の海上試射に成功したと発表し、世界初の成果だと主張した。ATLAが当時公開した画像では、武器はJSあすかに現在搭載されている完全な海軍砲塔ではなく、試験用マウントに設置された状態だった。


2023年に海上試験で発射された日本のレイルガン原型機。ATLA


2023年以降、日本のレイルガンの設計がどのように進化したかは不明だが、現在JSあすかに搭載されている武器の見た目は、ATLAが過去公開した原型機の画像と一致する特徴を示している。ATLAは、過去の試験で5メガジュール(MJ、500万ジュール)の充電エネルギーを使用し、時速約4,988マイル(2,230メートル/秒;マッハ6.5)の速度で弾丸を発射する能力を実証したと報じられている。

JSあすかに搭載されたレイルガンの銃口部と後部の詳細を写した合成画像(上)と、ATLAが過去に公開したプロトタイプレイルガンの画像。JMSDF/ATLA


 Naval Newsによると、口径速度4,473マイル/時(2,000メートル/秒)以上と砲身寿命120発の達成が過去の試験目標の一つだった。また、ATLAは艦内電力要件の削減にも取り組んでいると報じられています。

レイルガンは、化学推進剤ではなく電磁石を使用し弾頭を非常に高い速度で発射するシステムで、技術的な課題が数多く存在する。最も直面する課題は、莫大な電力需要を要することだ。特に、比較的連射可能な能力を付与する場合、システム部品の冷却が必要となり、さらに電力需要が増加する。

 非常に高い速度で弾頭を継続的に発射することは、砲身の摩耗率を増加させる。摩耗した砲身から弾頭を発射すると射程や精度に影響を与えるだけでなく、安全上のリスクも伴う。

 さらに、レイルガンは、大規模なエネルギー貯蔵バッテリーと冷却システムが必要であるため、物理的に非常に大型化しやすい。JSあすかに搭載されたレイルガンは、船尾の飛行甲板に固定され、十分なスペースを確保している。伝統的な配置で戦闘艦に武器を統合する場合、他のコンポーネントを艦内に配置するスペースを確保する必要がある。日本が将来取得する可能性のあるレイルガンをどのように配備するかは、まだ不明確だ。武器を収容する完全な砲塔を建造することは、設計の運用化と一致する。

 昨年イギリスで開催された「Combined Naval Event 2024」展示会でのプレゼンテーションで、海上自衛隊のATLA(航空宇宙技術研究開発機構)海軍システム局長である今吉信一海将は、2030年代に就役開始が予定されている日本の次世代駆逐艦「13DDX」にレイルガンを統合する計画を明らかにした。ATLAは以前、レイルガンを搭載した「まや級」駆逐艦(27DDG級)の概念図を公開していた。


まや級または27DDG級駆逐艦にレイルガンを搭載した想定のグラフィック。日本防衛省


 ATLAは以前、以下のコンピュータ生成動画も公開しており、トラック搭載型レイルガンの使用シーンが示されています。


 実用的な電磁レイルガンは、海上、陸上、さらには空中における広範な目標を迅速に攻撃できる高度な能力と柔軟性を備えた兵器システムとなる。日本は、この能力を超音速脅威からの防衛に活用する意向を表明している。このような兵器は、個々の弾薬の小型化と単価の低さから、従来の地対空・地対地ミサイルと比較して、弾薬庫の容量とコストの両面で優位性を発揮する。

 特に戦闘艦のように物理的スペースが限られ、海上でのミサイル再装填が極めて困難な環境では、大容量弾倉から低コスト弾薬を発射し、広範な目標群を攻撃できる武器システムは明らかな利点となる。

 レイルガンを開発しているのは日本が唯一の国ではなく、過去にも同様の取り組みが行われてきた。特に海上用途での開発は、上述の理由から特に注目されている。2005年から2022年にかけて、米海軍は将来の艦艇に搭載するレイルガン開発を積極的に進めていたが、技術的な課題により中止された。プログラムが終了する段階で、海上試験は何度も延期されていた。

 レイルガン用に開発された超高速弾薬は、従来型の海軍用や地上配備型砲兵システムへの応用を目指して継続されている。興味深い点として、米国陸軍は現在、伝統的な155mm榴弾砲を基にした新たな移動式対空防衛システムにこれらの弾薬を応用する計画を進めている。



米海軍のレイルガンプログラムの失敗に終わったプロジェクトに関するブリーフィングスライド。スライドでは、レイルガン装備艦(および同じ弾薬を使用する従来型砲)が、巡航ミサイルを含む多様な空中脅威や水上目標と交戦する可能性を示している。


 昨年ATLAは、米国海軍との間でこの分野における過去の研究成果を活用する可能性について協議していたと確認した。日本当局は2024年に、フランスとドイツの当局とレイルガン開発協力に関する協定を締結した。

 中国人民解放軍も海軍用レイルガンの開発を進めており、2018年に同国で船上に搭載された砲塔式設計が初めて公開された。この武器や他の中国製レイルガンの開発状況は不明だ。


2018年に公開された中国の海軍用レイルガン。中国インターネット


 日本にとって、レイルガン開発は、新たな超音速ミサイルを含む同国軍の能力拡大と近代化を目的とした広範な努力の一環という位置づけで北朝鮮、中国、ロシアから発する地域的・国際的な安全保障上の課題が深刻化する中で進められている。

 北朝鮮は近年、新型の弾道ミサイルと巡航ミサイル、および超音速能力を主張するタイプのミサイルの開発を加速させている。一部は、日本上空や周辺で試験発射されている。

 日本は中国とロシアとの間で領土紛争を抱えており、自衛隊は近年、周辺諸島における存在感を強化する取り組みを進めている。また、中国が台湾に軍事介入した場合、特に米軍の大量展開が日本にも及ぶ可能性があり、地域での全面的な高強度戦闘において主要な標的となることから、懸念が高まっている。これらの状況を踏まえ、自衛隊は同盟国・パートナー国との連携を強化し、インド太平洋地域における活動を拡大している。特に、中国を念頭に置いた取り組みが進められている。

 「自衛隊は、日本の防衛だけでなく、同盟国や志を同じくする海軍と協力して『自由で開かれたインド太平洋』の実現に貢献するため、インド太平洋地域の平和と安定を維持すべく備えています」と、海上自衛隊は述べている。

 実用的なレイルガンが艦艇や他のプラットフォームに搭載され、日本軍で運用される時期や可能性については、多くの疑問が残ったままだが、JSあすかに設置されたレイルガン搭載砲塔は、日本が電磁兵器の開発を継続している姿を示している。■



Railgun Installed On Japanese Warship Testbed

Japan is now pushing ahead with naval electromagnetic railguns, which the U.S. Navy has shelved.

Joseph Trevithick

Published Apr 18, 2025 1:38 PM EDT

https://www.twz.com/sea/railgun-installed-on-japanese-warship-testbed


B-1B ランサーが三沢基地に到着、新コンセプト爆撃機任務部隊の初の日本展開(The Aviationist /The War Zone) ―実は2機だけですが、米空軍も実証しているのでしょう。しかし日本メディアは意義が理解できていないようです

 

U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Patrick Boyle

B-1Bランサー編隊が三沢空軍基地に到着、爆撃機任務部隊による初の日本展開となった

First Bomber Task Force Japan

2025年4月15日、テキサス州ダイエス空軍基地所属のB-1Bランサーが、日本・三沢空軍基地に着陸し、爆撃機任務部隊25-2の展開を開始した。 (U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Mattison Cole)

キサス州ダイエス空軍基地所属の第9遠征爆撃中隊の航空機と人員が、2025年4月15日に三沢空軍基地に着陸した。米軍の長距離爆撃機が日本に長期間駐留するのは、ベトナム戦争以来初めてだ。

 B-1Bランサー戦略爆撃機部隊が、インド太平洋地域で数週間にわたる共同訓練演習と戦略的抑止任務を実施する日本への初の爆撃任務部隊(BTF)による展開となり、BTF25-2としてベトナム戦争以来、久しぶりに米国戦略爆撃機が同国領土に数日以上にわたり展開する。

 爆撃任務部隊のコンセプトは、空軍は2018年に、これまでの継続的な爆撃機の海外ローテーション配備に代わるものとして導入した。 派遣期間はさまざまで、数週間から数カ月に及ぶ場合もある。これらの派遣は、搭乗員に戦場での慣熟を提供し、世界のさまざまな地域にいる同盟国やパートナーとの航空機統合の機会を提供する。全体として、戦略的航空戦力を前進させるためのより予測不可能で柔軟なアプローチであると空軍は説明している。


 空軍の爆撃機が日本に到着するのはこれまでもあったが、爆撃任務部隊の配備の一部として日本に到着したことはなかった。


 今年2月、グアムへの爆撃機機動部隊配備に参加するB-1が、「ホットピット」給油のために三沢に着陸した。「ホットピット」とは、地上クルーが給油する間、エンジンを作動させておく方法である。クルーが入れ替わることもある。この戦術は、出撃率を高めるだけでなく、戦闘機への迅速な給油、再武装、新しい乗組員の入れ替えを行い、より早く戦闘に復帰させるためにも有効だ。エンジンを停止させると、起動時に重要な機器に不具合が生じる可能性もある。そのため、特に複雑な航空機の場合は、稼動させ続け、すべてのシステムを稼働させておくことで、その資産をより確実に維持することができる、2024年4月、B-52Hが日本の横田基地に着陸したが、その場合は予定外の緊急着陸だった

 第9遠征爆撃中隊の作戦部長であるクリストファー・トラベルステッド大佐は、「BTF25-2は、米国が脅威を阻止し地域安定を維持する決意を示しています」と述べた。

 2月のイギリス・フェアフォード空軍基地へのB-52配備もBTF 25-2と指定された。BTF 25-1の名称が複数回使用された後、太平洋とヨーロッパのBTFは連続した番号体系を共有しないことが明らかになった。欧州への任務は「Bomber Task Force Europe」と明示的に命名されていたが、2024年以降は単に「Bomber Task Force」と称されるようになった。

 「インド太平洋地域でのこれらの任務は、B-1搭乗員が高度な訓練を受け、いつでもどこでも対応できる態勢を整え、米国の利益を防衛し、同盟国を支援し、すべての国がルールに基づく秩序の下で自由に活動できる安定したインド太平洋地域を確保し、グローバルな平和と繁栄を促進するものです」とトラベルステッド大佐は述べた。

2025年4月14日、テキサス州ダイエス空軍基地から、日本・三沢空軍基地の爆撃任務部隊を支援するため、第9爆撃中隊所属のB-1Bランサーが離陸した。(米国空軍写真)

 三沢基地は、日本の最大島である本州の北端近く、東京から約425マイル北に位置する広大な施設で、航空自衛隊および米空軍・米海軍が共同で使用している。配備されている航空機には、F-16 ファイティング・ファルコンの2個中隊に加え、米海軍のP-8A ポセイドン、日本の三菱F-2、F-35 ライトニングII、E-2C ホークアイ、CH-47 チヌークなどがある。

 三沢は、太平洋空軍の責任領域(AOR)に属する。同基地から、空軍は1億平方マイルに渡る兵力投射が期待されている。この広大なエリアをカバーするのは、B-1のような長距離爆撃機があればはるかに簡単な仕事だ。三沢から空軍の部隊が北朝鮮やロシアに向けた任務に就くこともあり得るが、激しく争われている南シナ海や台湾海峡に比較的近いことは、特に関連性が高い。 これは、中国を抑止するための国防総省の広範な計画の一部である。


 B-1B爆撃機はステルスAGM-158C長距離対艦ミサイル(LRASM)の武装が可能になった。同兵器の導入は、B-1爆撃機がキャリアの黄昏時を迎えつつあるが、太平洋における潜在的危機時の作戦に重点を置きつつ、海洋の脅威に対してB-1爆撃機を使用する方向への傾斜の一部である。

 コールサイン「LOFT 11」と「LOFT 12」で飛行したB-1B爆撃機2機が同基地に到着したことが確認されている。過去のBTFで初期展開後に追加機が派遣されるケースがあったため、実際の航空機数は不明だ。。

 爆撃機任務部隊(BTF)の概念は、迅速前方展開を通じ動的部隊運用(DFE)技術の開発を目的とした2018年の取り組みに遡る。米空軍は、この実践を「戦略的には予測可能だが、作戦的には予測不能」と説明している。

 ただし、この概念自体は、RAFフェアフォードやグアムのアンダーセン空軍基地などへの定期的な展開を基盤として発展したものだ。これらの基地はBTF展開の定期的な受け入れ拠点となっている。

テキサス州ダイエス空軍基地に所属するB-1Bランサーが、2025年4月15日に日本・三沢航空基地に着陸後、滑走路に駐機する様子。(米国空軍写真:エアマン1級マットソン・コール)(米国空軍写真:エアマン1級マットソン・コール)

 日本は、米海軍の航空母艦が米国本土以外で母港を置く唯一の基地を含む、数多くの恒久駐留米軍部隊と装備をホストしているが、これまで爆撃機部隊の派遣をホストしたことはない。これまで遣部隊に所属する航空機は一時的に日本を訪れ、日本軍と共同で運用されたが、同国に長期駐留したことはない。

 米軍の駐留は長年、日本社会で議論の的になってきたが、1955年以来6年間を除いて日本の政府を率いてきた自由民主党(LDP)は、同盟の継続に強く同意している。

 北朝鮮からの地域的脅威に加え、中国政権が推進する拡張主義的な政策は、日米同盟をさらに強化している。2024年、駐留米軍を管轄するインド太平洋軍(INDOPACOM)のサブコマンド「在日米軍」が、任務と作戦責任を拡大した「統合部隊司令部」に進化することが発表された。

 当時の米国防長官ロイド・オースティンは「これは在日米軍創設以来最も重要な変更であり、日米軍事関係における70年間で最も強力な改善の一つとなる」と述べた。新政権はこの分野における政策変更は示されていない。

太平洋でのプレゼンス

現在日本駐留中のB-1Bランサーは、インド太平洋地域に展開中の戦略爆撃機部隊をさらに強化する。一方、ディエゴ・ガルシアでの6機のB-2Aスピリットステルス爆撃機の突然の展開も継続中だ。

 今後数週間で、展開中のB-1Bランサーが示す多様な作戦が確認される見込みだ。これには、太平洋諸国の同盟国航空機や現地展開中の米軍部隊との協力任務、米空軍の国際空域での自由な活動権を行使する「航行の自由作戦(FONOPS)」、および地域内の射撃場での不活性または実弾の投下が含まれる可能性がある。

 欧州のBTF展開と同様に、B-1Bは到着飛行中に韓国上空を飛行する出撃を実施した。この任務には、韓国空軍のF-16とF-35、および米空軍のF-16も参加した。

 B-1がいつまで三沢に駐留し、どこでどのような任務を遂行するかは、時間が解決してくれるだろう。しかし、この初めての配備が、インド太平洋地域とこの地域の同盟国の安全保障に対する米国のコミットメントを非常に意図的に示すために計算されたことは明らかだ。■



Lancer Arrivals at Misawa Air Base Mark First Bomber Task Force Deployment to Japan(The Aviationist/The War )

Published on: April 17, 2025 at 10:40 PM Follow Us On Google News

 Kai Greet

https://theaviationist.com/2025/04/17/first-bomber-task-force-japan/


B-1B Bones Make Unprecedented Bomber Task Force Deployment To Japan

U.S. long-range bombers haven’t been stationed in Japan for any extended period since the Vietnam War.

Thomas Newdick

Published Apr 17, 2025 6:53 PM EDT

https://www.twz.com/air/b-1b-bones-make-unprecedented-bomber-task-force-deployment-to-japan




2025年4月18日金曜日

インドネシア空軍基地へロシア爆撃機が駐留するとの報道にオーストラリアが懸念(The War Zone) ―オーストラリアにとって北に構えるインドネシアの動向は常に気になるところで、神経過敏になっているようです

 Australia is pushing back on a report that Russia asked to base its long-range bombers at an Indonesian airbase.  

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オーストラリア政府関係者は、モスクワがインドネシア空軍基地に爆撃機を駐留させるようジャカルタに要請したとの報道に反発している


ーストラリア政府関係者は、ロシアがインドネシアの空軍基地に長距離爆撃機を駐留させようとしているとの報道に反発している。月曜日、ジェーンズは「ジャカルタがモスクワから正式要請を受け、ロシア航空宇宙軍(VKS)の航空機をインドネシア最東端の州にある施設に駐留させる許可を求めている」と書いた。その場所はマヌフア空軍基地で、オーストラリアのダーウィン港の北約850マイルに位置する。

 「インドネシア政府の別の情報筋は、2025年2月にロシア連邦のセルゲイ・ショイグ安全保障理事会長官と会談した後、スジャフリー・スジャムソエディン国防大臣の事務所がこの要請を受けたことをジャネス社に確認した」と同誌は付け加えた。


インドネシアのマヌフア空軍基地とフラン・カイシエポ空港の衛星写真。 (衛星画像 ©2025 Maxar Technologies)


 ジェーンズによれば、ロシアが同基地に駐留させようとしている機体の種類についての詳細は、受け取った情報に含まれていないという。  「しかし、過去数年にわたり、VKSはツポレフTu-95爆撃機とIL-76空輸機を同空軍基地に着陸させるよう、その場しのぎの要求を何度か出してきたとジェーンズは理解している」と同誌は報じている。

 モスクワ、北京、ワシントンが南太平洋での影響力拡大を目指す中、ロシアが長距離爆撃機をオーストラリアの近くに配置したいと考えるのは想像に難くない。アメリカはオーストラリアに軍隊を駐留させており、ティンダルにあるRAAF基地をB-52爆撃機に対応できるように改良中だ。さらに、10年以上にわたって、米海兵隊は訓練のため約2500人の海兵隊員を海兵隊定期交代部隊-ダーウィン海兵航空地上任務部隊に派遣している。


 一方、オーストラリア、米国、英国は、キャンベラに原子力搭載の通常兵器潜水艦を提供するAUKUSとして知られる協定に署名した。中国が今年初め、オーストラリア周辺の国際水域で実弾演習を含む艦艇部隊を航行させるなど、太平洋における緊張の高まりを背景としたものだ。

 今回報道のあったような基地協定が結ばれれば、ロシアは全体として非常に紛争が多く、重要な地域で戦力投射の拠点を得ることになる。この地域は、米国や世界的な影響力を持つ他の大国も、一貫した兵力投射に投資している地域である。 そしてもちろん、この地域は中国の域外権益が非常に大きく立ちはだかる地域でもある。ロシアは中国の重要な同盟国であり、特に軍事的には、爆撃機部隊が太平洋全域を定期的に共同パトロールしている。


インドネシアのマヌフア空軍基地は、オーストラリアのダーウィンの北約850マイル、フィリピンの南東約850マイルに位置する。 (グーグルアース)


 ロシアが何を望んでいるかどうかにかかわらず、インドネシアがロシアの戦略的資産を自国内に置くことに同意する論理はほとんどないように思われる。そうすることは、自国地域の国々や、ロシアと同様にインドネシアに兵器を供給しているアメリカを含む、より遠い海外の同盟国との関係を大きく揺るがすことになる。また、自国軍が残忍な紛争に巻き込まれ、莫大な資源を吸い上げられている最中に、ロシアがそのようなアクセスに対して何を支払うというのだろうか。さらに重要なことは、そのような決定が地政学的な動揺を引き起こしかねないにもかかわらず、インドネシアがその補償を必要とするほど重要だと考える理由があるのだろうか?

 ロイター通信が当時報じたところによると、2020年、インドネシアはP-8ポセイドン海上偵察機の着陸と給油を認めるというアメリカの提案を拒否した。

 ともあれ、ジェーンズ報道はキャンベラに警鐘を鳴らした。 オーストラリア政府は、ロシアと中国が「ダーウィンとノーザン・テリトリーにおける米軍のプレゼンス拡大にますます注目している」と考えている、とABCは推測した。

 オーストラリアのアンソニー・アルバネーゼ首相は火曜日、「われわれは明らかに、この地域でロシアの影響力を見たくない。「我々はウクライナに味方し、ウラジーミル・プーチンを国際法を破り、ウクライナの主権を攻撃している権威主義的指導者とみなしている」。

 オーストラリア政府関係者は、ロシアが爆撃機をマヌフアに駐留させるかどうかについて疑問を投げかけている。

 「インドネシアの国防相は、モスクワがパプアの軍事基地へのアクセスを求めているとアメリカのメディアが報じたことを受け、パプア州にロシア機を駐留させることはないとオーストラリアに確約した」とオーストラリア放送協会(ABC)は火曜日に報じた。

 リチャード・マールズ副首相兼国防長官は、報道機関への声明の中で、「カウンターパートであるスジャフリー・スジャムソエディン国防相と話した』と述べた。

 スジャムソエディンはマールズに対し、ロシアから基地へのアクセス要請は受けていないと語ったものの、「より下級レベルで提起された可能性は排除できない」とABCは指摘している。これに先立ち、ペニー・ウォン外相は記者団に対し、オーストラリア政府関係者が詳しい情報をジャカルタに求めていると述べた。

 一方、ロシアもこの考えを軽視しているようだ。

 「ロシアがインドネシアに航空機の駐留許可を求めたという報道について聞かれたクレムリンは、フェイクニュースが出回っていると答えた」とABCは報じた。

 インドネシアは「長らく戦略的中立を維持してきたが、昨年プラボウォ・スビアント大統領が選出されて以来、ロシアとの安全保障・防衛関係を深めてきた」とポリティコは指摘している。

 その関係強化の一例として、ロシアとインドネシアは11月にジャワ海で海軍訓練を行ったとABCは報じている。

 当時、ロシアのセルゲイ・トルチェノフ駐インドネシア大使は、この演習は「重要な出来事」であり、「両国の海軍は、さまざまな分野で協力するために相互信頼と理解を深める用意がある」と述べた。

 このような絆があるにもかかわらず、ロシアに爆撃機配備の権利を提供するのは、行き過ぎではないか、とあるアナリストは指摘する。「ロシアがインドネシアの空軍基地の使用を提案したとしても、政府がそれを許可するとは思えない」。防衛アナリストで、ジェンデラル・アクマド・ヤニ大学の講師でもあるヨハネス・スライマンは、ガーディアン紙にこう語った。 「インドネシア軍は、インドネシア国内に他国が軍事基地を建設することを非常に嫌っている」。

 しかし、ロシアが基地に駐留した前例はある。ABCは2017年、「100人以上のロシア人職員と数機の航空機が駐留しRAAFダーウィン基地が "短期間 "の厳戒態勢に入った」と報じた。

 5日間の訪問中、2機の核搭載爆撃機Tu-95が「南太平洋上空で史上初のパトロール任務を行い、貴重な情報を収集していたのではないかという懸念が生じた」とABCは当時指摘した。

 ロシア国防省は当時、戦略爆撃機が「8時間以上の飛行で南太平洋の中立海域上空で警戒態勢を敷いた」と主張していた。

 全体として、今回の報道は、ロシアが南米、つまりベネズエラに爆撃機を前方基地に配備しているという同様の主張を彷彿とさせる。そのような報道は何度もあったが、象徴的な訪問にとどまり、そのような合意が実現することはなかった。■



Australia Casts Doubt On Russia Basing Bombers At Indonesian Air Base

Australian officials are pushing back on a report claiming Moscow has asked Jakarta to base bombers at an Indonesian air base about 850 miles from Darwin.

Howard Altman, Tyler Rogoway

Published Apr 15, 2025 1:14 PM EDT



https://www.twz.com/air/australia-casts-doubt-on-russia-basing-bombers-at-indonesian-air-base


GCAPパートナーシップ内での技術共有に英国は「消極的」とイタリア国防相が主張(The Aviationist) ― 早くも不協和音が出てきたのか。プロジェクトの今後は大丈夫か。

 GCAP Technology Sharing

GCAP戦闘機の完成予想図。 (画像出典:BAEシステムズ)



タリアのグイド・クロセット国防相は、GCAPパートナーが他のプログラム・メンバーとの不特定技術の共有を怠っていると非難している。ロイターの取材に応じたクロゼットは、グローバル戦闘航空計画(GCAP)のパートナーシップと、メンバー国イタリア、日本、イギリス間の技術協力について語った。同大臣は「利己主義の壁を取り払う必要がある。イタリアはそれを完全に打ち破り、日本はほぼ完全に打ち破った。 なぜなら、利己主義は国家にとって最大の敵だからだlと語った。

 クロセット国防相は、GCAPパートナーが他のプログラム・メンバーとの不特定技術の共有を怠っていると非難した。


輸出への期待

GCAPは、英国とイタリアのユーロファイター・タイフーン、日本の三菱F-2に代わる次世代戦闘機を生産する共同プロジェクトだ。GCAPはしばしば「第6世代」戦闘機と呼ばれ、人工知能、拡張現実(AR)、システム統合、オープン・システム・アーキテクチャーの進歩を活用した高度なオンボード・コンピューティングに加えて、第5世代戦闘機の全方位ステルス機能を活用する。同機はまた、無人航空機を戦力増強装置として使用し、有人-無人チーム開発の利点を生かすように設計される。

 この航空機は、ボーイングF-47に対するパートナー3カ国の回答となるが、顧客の要求が異なるため、それぞれ独自のニッチを切り開き、直接比較することは難しいかもしれない。 フランス、ドイツ、スペインには独自の未来戦闘航空システム(FCAS)プログラムがあるが、GCAPに比べて開発が遅れているようだ。 GCAPは、2027年までに飛行可能な試作機を完成させ、2035年から運用を開始することを目指している。


GCAP new model

GCAPの新コンセプトモデル。 (画像出典:レオナルド)


クロゼット大臣は、英国が情報を隠していると考えている特定の技術分野は明言しなかった。英国防省(MoD)の回答は、GCAPの協力的な性格を強調し、「我々が開発している技術と我々が共に構築している能力は、科学と工学の最先端にある」と断言している。


輸出への期待

欧州以外では、サウジアラビアが次のGCAP参加国として以前から注目されており、同大臣は中東諸国が「技術的成長を必要としており、私たち3カ国よりも利用可能な資源が多い」と述べ、こうしたプログラムへの参加を強く支持している。

 最近では、オーストラリア空軍(RAAF)がGCAPに関するブリーフィングを受けたことを確認している。 F-47の顧客となる可能性があるとの見方もある一方で、GCAPが明らかに長時間の耐久性に重点を置いていることから、安全な同盟国の空軍基地がほとんどない太平洋地域での作戦に特に有益であろうとの指摘もある。

 このようなブリーフィングを受けることは、新型機の開発時にはよくあることであり、オーストラリアがこのプログラムに参加することに直接関心を示しているわけではない。しかし、英連邦を通じた緊密な関係とともに、AUKUSを通じてオーストラリアとも手を結んでいる英国からは、このアイデアは強い支持を得ているようだ。

 GCAPへの参加は、オーストラリアと日本との関係も強固にする。中国が太平洋地域全体に権益を拡大する中、両国はここ数年、防衛協力を強化してきた。同じタイプの戦闘機を運用することで、相互運用性の向上とロジスティクスの簡素化が可能になる。後者は、サプライチェーンが脆弱な航路を何千マイルも横断する可能性のある太平洋地域では重要な考慮事項である。■



カイ・グリート

カイは航空愛好家であり、イギリスのコーンウォールを拠点とするフリーランスの写真家兼ライター。 ファルマス大学でプレス&エディトリアル写真を専攻。 彼らの写真作品は、国内外で認知された多くの組織やニュース出版物に取り上げられ、2022年にはコーンウォールの歴史に焦点を当てた本を自費出版した。軍事作戦/歴史、国際関係、政治、情報、宇宙とともに、航空のあらゆる側面に情熱を注いでいる。


UK ‘Reluctant’ to Share Technology Within GCAP Partnership, Italian Defense Minister Claims

Published on: April 17, 2025 at 2:51 PM Kai Greet


https://theaviationist.com/2025/04/17/uk-reluctant-to-share-technology-gcap/