2017年12月19日火曜日

★これが第六世代戦闘機の想定内容だ

 毎度、出し惜しみのような内容ですが、それだけ方向性がはっきりしていないのでしょう。そのため何回も同じような内容ですみません。
 もともと第五世代戦闘機とはロッキードが宣伝用に普及させたの表現ですが、F-22やF-35を超えた戦闘機という意味で第六世代なのですね。
 ステルスや兵装等を考えると将来の(有人)戦闘機は現在のコンセプトと変わるはずですが、米海軍は(空母運用もあり)現行サイズの機体を想定のようです。空軍も追随すれば結局同じサイズになりそうですが、まだわかりません。



Air Force Starts Experiments for 6th Gen Fighter

第六世代戦闘機実験を開始した米空軍

The Air Force has begun experimenting and conceptual planning for a 6th

generation fighter aircraft to emerge in coming years as a technological step

beyond the F-35,

空軍が第六世代戦闘機の概念作りを開始した。F-35を超えた技術進展の機体になりそうだ



Kris Osborn - Dec 16, 9:59 AM


  • 米空軍は第六世代戦闘機関連実験を開始しており、F-35を超えた技術進展が今後数年間で登場すると空軍関係者は述べている。
  • 「実験、開発企画、技術投資を開始した」とアーノルド・バンチ中将(空軍副長官(調達)付け軍代表)Gen. Arnold Bunch, Military Deputy, Office of the Assistant Secretary of the Air Force, AcquisitionがScout Warriorに今年はじめに話していた。
  • 第五世代F-35共用打撃戦闘機を超える性能が新型機の狙いで2030年代登場と見られるが、現在は概念構築の初期段階で、空軍は米海軍と共同作業し、必要な性能や技術内容を検討中だ。
  • バンチ中将は検討内容を詳しく述べないが航空優勢2030構想に言及しており、空軍が目指す将来機材に望まれる戦略要素が念頭にあるようだ。
  • 20年後の戦闘機に採用されそうな技術として、新世代ステルス技術、電子戦、高性能コンピュータ処理、自律運行性能、極超音速兵器、いわゆる「スマートスキン」(機体側部にセンサーを埋め込む)があると指摘するのがTeal グループの航空アナリスト、リチャード・アボウラフィア Richard Aboulafiaだ。新技術の一部は昨年のノースロップ・グラマンのスーパーボウルCMに登場している。
  • ノースロップ以外にも新型戦闘機事業競合の参加企業があるはずだが、現段階ではノースロップがコンセプト、技術、初期設計で先行しているといってよい。ボーイングも開発の初期段階にあるとDefense Newsは解説している。
  • 海軍の新型機は2035年までに退役するF/A-18スーパーホーネットの後継機と海軍関係者は2040年における空母航空戦力像を検討しており、現行のF-35CやEA-18Gグラウラーの次の機体を検討中と述べた。表面塗布やステルス、人工知能、機体操縦、センサー性能、通信データリンク等の技術は急速に進歩していると同関係者は指摘している。
  • 海軍は同時に空母運用型の無人機も開発する。ノースロップが歴史を作ったX-47B実証機は空母発着艦に成功した初の無人機だ。
  • アナリストの中には第六世代戦闘機開発ではセンサーデータの最大限共用、超音速巡航や機体そのものを電子センサーにする「スマートスキン」も模索すると見る向きがある。
  • アフターバーナーなしで超音速移動できれば、戦術上も有利になり、対象地点で滞空時間を増やせる。F-22ですでに実用化されている。
  • 最大限の接続性能とは衛星通信中継でのリアルタイム接続を意味する。極超音速兵器の開発ではスクラムジェット方式の効果実証が必要だが、初期試験では成功失敗が入り混じっている。
  • 空軍科学主任ジェフリー・ザカリアス博士Dr. Geoffrey ZachariasはScout Warriorに対し極超音速兵器の実用化は2020年代中に実現し、極超音速無人機は2030年代、再利用可能極超音速無人機の登場は2040年代と見ている。極超音速技術が将来の航空機設計で大きな意味を有しているのは確かなようだ。
  • スマートスキンでは機体にセンサーを埋め込み、機体をセンサーにし、パイロットに各種情報を表示する。一部はF-35でセンサー融合機能として実現しており、各種センサーの戦闘関連情報を収集、統合し、ディスプレイに表示している。さらにF-35ではノースロップの分散開口システムDistributed Aperture Systemで360度の戦闘空間が見られる。同システムのカメラは機体各所につけられ、抗力低減・レーダー探知性の低下で工夫されている
Northrop Grumman

  • スマートスキンに電子装置を分散配置すれば外部に装備搭載が不要となり,機体そのものが統合レンズの役割となる。これも抗力低下に貢献し飛行速度、操縦性が向上しながらセンサー性能を引き上げられる。
  • 第六世代戦闘機のステルス技術は防空性能の向上に対応可能となる。敵側の防空体制ではデジタル処理コンピューターの連携機能で広範な周波数対応が可能となり、ステルス機も遠距離から探知可能になりつつある。
  • 新型第六世代戦闘機にはレーザーや電子攻撃能力も備わるだろう。■



2017年12月18日月曜日

★ロッキードがアエリオンと共同開発する超音速ビジネスジェットは軍用で大きな役割を果たしそう


Lockheed Likely Sees Big Military Applications Potential In

Aerion's Supersonic Bizjet

ロッキードがアエリオンの超音速ビズジェットに軍事転用の可能性を着眼

A jet that can cruise for thousands of miles at mach 1.4 will be just as

enticing to the Pentagon as it is to billionaires


マッハ1.4で遠距離巡航飛行できる同機には裕福層のみならずペンタゴンも注目

.


AERION



  • ロッキード・マーティンアエリオンコーポレーションAerion Corporationと世界初となる超音速ビジネスジェットで共同開発に乗り出すと正式に発表した。実現すれば同社の旅客機製造は30年ぶりとなる。機体はAS2と呼ばれF-104スターファイター戦闘機と727旅客機を混ぜたように見え、プライベート航空運行のみならず商用航空に革命を巻き起こしそうだ。だがまだ話題にのぼっていないが軍用にも転用可能だ。
  • 2017年12月15日、ロッキード・マーティンとアエリオンは共同声明で翌年中に両社提携の大枠を定めると発表し、技術検討と設計作業から試作機製作さらに型式証明取得を目指した製品版までを視野に入れると明らかにした。2017年5月にジェネラルエレクトリックが同様の提携内容を発表しており、同機用エンジン開発中だ。
  • 「提携は超音速時代ルネッサンスに道を開く重大な鍵となる」とアエリオン会長ロバート・バスRobert Bassも報道資料で述べている。「超音速ではロッキード・マーティンの知見が著名であり、伝説とも言える。当社はロッキード・マーティンのめざす高効率民生超音速機の長期開発で一助となりたい」
  • 「当社でアエリオンの空陸特性設計技術を検討し他ところ同社のAS2コンセプトには当社の時間・資金の投資の価値があることがわかった」とオーランド・カルヴァルホOrlando Carvalho(ロッキード・マーティン航空機執行副社長)が声明発表した。「航空宇宙技術の最先端企業として残る決意をしている当社としてもアエリオンとともに航空史の新しい一ページを開くことにわくわくしています」

AERION

  • アエリオンのAS2はエンジン三発で長時間超音速巡航を目指し、目標はマッハ1.4だ。同社は高翼案と低翼案それぞれ発表し、エンジンはそれぞれ後方に配置している。
  • AS2の航続距離はマッハ1.4で4,200カイリ(7,770キロ)の見込み。音速に限りなく近いマッハ0.95では5,400カイリ(1万キロ)となる。
  • 同社は当初はビジネスジェットとして売り込み客室内の意匠もビジネス用途を強く意識していた。客室は小型旅客機にも簡単に転用できる。
  • 2015年にフレックスジェットFlexjetが24億ドルでAS2を20機発注し、機体単価はおよそ120百万ドルとガルフストリーム650のほぼ二倍だった。この価格は上昇するかもしれないが、取得価格は販売の制約になりにくい。というのはこの種の機体では性能と運行コストこそが大切だからだ。
  • ビズジェットを使ったチャーター業界は同機の納入開始を2023年、完全運行開始をその二年後と想定しており、ロッキード・マーティンが正式に加わったことで以前の不安が解消されAS2の開発工程表は十分実現性があると見ている。

AERION

  • 航空業界に民間超音速旅客輸送に対する関心が絶えずあるのは、米空軍の伝説的人物チャック・イエーガーがベルX-1で音速の壁を破った1947年以来のことだ。ただ大きな壁は運行コストであり、騒音問題だ。また超音速飛行によるソニックブームも立ちふさがっている
  • 英仏合作のコンコード超音速旅客機をエールフランスとブリティッシュエアウェイズが1976年から2003年まで運行したが、人口稠密地帯を避けた経路を飛ぶことが多かった。運行には両国政府の補助金が投入されたのが大きい。コンコード以外にはソ連にTu-144があったが、その他の超音速機事業は実現していない。
  • アエリオンは超音速飛行の復活に向け尽力し、2004年には超音速ビジネスジェット(SBJ)構想を発表し、2017年か2018年の飛行開始を想定していた。2014年に発展させたAS2コンセプトを発表したが試作機は製造していない。
  • 同社はNASAと広範な共同研究を行い、その結果をAS2に取り入れた。中でも重要なのは表面上で滑らかかつ連続して気流を流すことで、高速度域では乱気流が発生しやすい環境でもこれは変わらない。
  • 理論上は効率的に飛行しながらソニックブームを緩和する、あるいは消滅させることは可能だ。特に後者が重要で連邦航空局(FAA)は民間超音速機の米本土上空飛行は認めておらず、同様の規制は欧州ほかにもある。

AERION
機内は6フィート2インチ(190センチ)と、高級ビジネスジェット各機より高く軍用装備
搭載にも使えるはずだ。

  • アエリオンによればAS2は複合材を主に使い、マッハ0.95巡航でソニックブームを発生させない。さらにそのままマッハ1.2まで加速可能だが「大気の状況特に気温と風力に大きく影響を受ける」と説明している。
  • この「無ブーム巡航」で超音速飛行は一変すると主張するアエリオンはFAA規制の適用除外を求めているが、道は遠いようだ。
  • アエリオンはエアバス・ディフェンスアンドスペースと機体構造やフライバイワイヤ制御系統を2014年から共同研究してきた。ところがエアバスで汚職が発生しCEOとCOOの辞任につながる事態になり、研究は中止されてしまった。
  • 「エアバスの貢献には感謝しています」とアエリオンの執行会長ブライアン・バレンツBrian Barentsが述べている。「同社がなければ事業はここまで進展できなかっただろう」

AERION


  • GEによればAS2向けエンジンの基本構造が完成したところでこれから基本設計作業を開始するという。FlightGlobalによればGE開発の高圧部をCFM56ターボファンから流用し新設計の低圧部と組み合わせるようだ。
  • 「大きな課題は高高度で稼動する超音速エンジンの取り入れ空気の高温問題です」とGEのビジネス一般航空事業の社長ブラッド・モティエBrad MottierFlightGlobalで説明していた。「簡単に解決できる問題ではなく、できていれば民間超音速飛行はもっと前に実現していたはずだ」
  • そこでロッキード・マーティンが登場する。アエリオンとは別に同社もNASAと共同で静かな超音速技術の実証機を製作しており、QueSSTとして知られる。目標はマッハ1.4、高度55千フィート飛行でソニックブームを地上では「心臓の鼓動」程度にしか聞こえない音にすることだ。

NASA
QueSST

  • NASAはロッキード・マーティンと初期設計案を検討し、機体設計図と風洞試験結果を2017年早々に完成させた。有人実験機として2021年に初飛行する。
  • 超音速飛行に多大な知見を有するロッキード・マーティンにはA-12/SR-71スパイ機、提案に終わったL-2000旅客機、戦闘機各種、極超音速戦闘機材さらに極秘プロジェクト数件もあり、QueSSTの共同事業社として魅力的な企業だ。見返りに同社はで期待したほどの成功が得られなかったL-1011トライスターで1980年代以降放棄してきた民生航空機事業の復活への道をさぐることになる。
  • 両社がAS2を実現させれば、ロッキードには世界初のビジネスジェット機の同社ジェットスター投入時より大きな意味が生まれる。ジェットスターはケリー・ジョンソンの作品のひとつで航空業界に新しい部門を創設することでも似ている。AS2が実現すれば米軍にも魅力あふれる機体になる。

MUSEUMOFAVIATION.ORG
VC-140は民間ジェット移動に新時代を開いたロッキード・ジェットスターの軍用版だ。

  • マッハ1.4で長距離飛行可能なビジネスジェット機が生まれればUSAFに多大な意味が生まれる。長距離移動の時間を大幅に短縮でき、空中給油能力を付与すれば大きな意味が生まれる。
  • VIPや緊急装備など少人数の世界各地展開だけでなく、戦術面で監視偵察や電子戦支援用途にも投入できれば有益だ。AS2にしかできない性能をこうした任務に投入すれば接近阻止領域拒否(A2AD)に直面する米国や同盟国も対応が容易となる。

DOD
ガルフストリームC-37 (GV) とC-20 (GIII/GIV) がペンタゴンの高速庁k慮移動タクシーに使われて
いる。AS2ではより高速な移動手段隣、特殊任務にも有益だろう。

  • 太平洋では主要地点の距離が長く、しかも中国が人工島上の施設整備で米軍の航空機艦船を妨害するなかで難易度が高くなってきた。だがAS2なら高速物資補給や支援用機材として広く活用でき、遠くはなれた地点間を結ぶことは絶対必要なのだ。
  • AS2を電子戦支援に投入しステルス攻撃機の後方を飛行させればスタンドオフジャミング支援やサイバー攻撃用機材として敵防空網の機能を低下できる。最終目標は無害な通行路を作り、脆弱な各機を敵沿岸地方に接近させることにある。
  • 無給油で戦闘半径が2,200マイル(3,500キロ)程度のAS2なら敵防空網の外側から重要な敵の電子情報を吸い上げながら、一体型レーダーで敵領土内部を探知できるだろう。高速ダッシュで進入撤収するため残存性は保証される。
  • つまりF-22ラプターのような超音速準高機能がありながら飛行距離が長大なAS2は戦闘作戦空域を「縮める」効果を生み、戦術・兵站面で新しい可能性を生む。あるいはAS2をもとに「運動性」攻撃手段の母機が生まれる可能性もある。
  • アエリオン公開の画像を見ると機体には機首降着装置から主脚までが兵倉庫にぴったりなようだ。ただし相当小ぶりの兵装扉にするか射出式の兵装搭載にして、時間が貴重な攻撃時の機能を提供するのだろう。小口径爆弾やスタンドオフ兵器一発を搭載すしても迅速攻撃用機材として柔軟かつ容易に運用できるだろう。
  • AS2が生産されれば、ロッキードとアエリオンは販売に苦労することはなさそうだ。裕福なうえに裕福な層や社用族にとって時間が一番貴重な資源であり、アエリオンはタイムマシンを提供するようなものだ。
  • 同機が稼動すればビジネスジェット市場に波乱を呼びそうだ。現在は737改装のボーイングビジネスジェットから757改造はては747-8iまで大型プライベートジェットになっている。確かに潤沢な機内スペースは魅力的だが、目的地に半分の時間で到着できるほうがありがたい。だが軍用用途では時間とは生と死の差でしかない。つまり敵よりわずかでも有利な状況がほしいので、AS2は民間航空同様に軍用用途でも重宝されるはずだ。ここまでを頭に入れた上で、ロッキードのスカンクワークスが軍事転用に関係しても驚かないように。
  • ロッキードとアエリオンがこれまで多くの業者が失敗してきた超音速民間プライベートジェットを市場販売に成功できるかお手並み拝見というところだ。■


Contact the editor: Tyler@thedrive.com

中国の南シナ海既成事実の積み上げに警戒を

  • どうも我々は多方面へ同時に関心を示すことが下手なようです。イラン、イエメン、サウジアラビアと注意が必要な地点は増える一方ですが、北朝鮮はともかく、モリカケだ、お相撲だ、はては有名人のスキャンダルだと騒ぐ一方で見えなくなっていく対象がいかに多いか。中国は既成事実の積み上げに余念がありません。地上設備などミサイルで一掃できると米軍が思っているかもしれませんが、オセロで言えば隅の要所を取られてしまったと思えてなりません。南シナ海を抑えた後は東シナ海、本命は沖縄でしょう。かつて日本企業が長期的に物事を考えているといわれていましたが、中国共産党はもっと長い視野で考えているのではないでしょうか。もっと警戒が必要です

As tensions ease, China keeps building on disputed islands

緊張緩和の一方で中国は引き続き問題の島しょで建設工事を強行中


CSISのアジア海洋透明性確保事業がDigitalGlobe と共同で公開した画像では南シナ海スプラト

リー諸島で中国が2017年になり構築した建築物を区別して表示している。(CSIS Asia Maritime

Transparency Initiative/DigitalGlobe via AP)





WASHINGTON — 南シナ海での中国人工島建設による緊張が鎮静化の観がある
が、中国は建設工事を依然として続けている。
  • 新たに公表された衛星画像では中国がスプラトリー、パラセル両諸島で2017年に構築した建築物は延べ72エーカー(28ha)に及び、海軍空軍基地にしようとしていることがわかる。
  • ワシントンンに本拠を置くアジア海洋透明性確保構想Asia Maritime Transparency Initiativeが南シナ海の動向を逐一追っており、中国他数か国が領有権を巡り対立している様子を監視している。12月14日に同団体から中国による格納庫、地下諸侯施設、ミサイル収納陣地、レーダー施設等の建設の最新状況が発表された。
  • 中国と東南アジア各国とで南シナ海の「行動規範」を形成する交渉が長引く間に中国の活動が進展している。米国と緊張が緩和した観があるが米政府は中国の行動を批判していることに変わりはない
  • スプラトリー諸島では2016年初めに埋立て造成工事が完了し現在は建築物構築工事が続いている。同諸島領有を主張するのはマレーシア、台湾、フィリピン、ヴィエトナム、ブルネイもある。ペンタゴンによれば中国は同地区で合計3,200エーカー(1,248ha)を造成した。
  • パラセル諸島では中国の拡張工事をは停止中のようだと同団体は説明。
  • 米国はじめ各国が中国が同地区を軍事転用していることを非難し、南シナ海各地で地形変更したことも非難の対象だ。中国の言い分はスプラトリーの人工構築物は主に民生用で漁業や海上交通の安全確保用とするが、滑走路や軍事施設が整備されている。
  • 同団体役員のグレッグ・ポーリングGreg Polingによれば中国はフィリピン大統領ロドリゴ・デュテルテ当選の機会をとらえ新大統領の中国への対話路線を利用した一方でトランプ政権が北朝鮮核問題や中国との交易問題に忙殺されているのをいいことに同政権は軽くあしらってきたと解説。
  • 「一面見出しに出なくなりましたが中国が軟化したと誤解してはなりません。中国は目指す目標に向けて建設工事を継続中です」(ポーリング)

This image provided by CSIS Asia Maritime Transparency Initiative/DigitalGlobe shows a satellite image of Woody Island in the Paracel island chain in the South China Sea taken Nov. 15, 2017, and annotated by the source, showing two Chinese Y-8 military transport aircraft. (CSIS Asia Maritime Transparency Initiative/DigitalGlobe via AP)
CSISのアジア海洋透明性確保事業がDigitalGlobeと共同で公開したパラセル諸島のウッディ
島の画像(2017年11月15日)ではY-8軍用輸送機二機が見える。 (CSIS Asia Maritime
Transparency Initiative/DigitalGlobe via AP)


  • スプラトリーで一番目立つのがフィアリークロス礁での建設工事で格納庫群のわきに3千メートル滑走路があり、地下貯蔵庫はおそらく武器等用で、強化掩体壕はミサイル部隊用で他に通信レーダー施設が確認されると同団体は述べる。
  • またパラセル諸島内のウッディ島に新型軍用機が飛来している。10月末に中国軍はJ-11B戦闘機部隊が同島に訓練展開した時の写真を公表した。11月にはY-8輸送機が同島で視認されており電子情報収集活動に従事したのだろう。
  • ペンタゴン報道官クリストファー・ローガン海兵隊少佐Marine Lt. Col. Christopher Loganは12月14日に米側情報解析結果の詳細に触れることはできないが「これ以上の軍事化が進めば緊張が高まり各方面の不信を招くだけ」と述べている。
  • 米国は南シナ海に何ら領有権を主張しないが領有権をめぐる対立は国際法に則り平和的解決を求め航行の自由、上空飛行の自由の保証が欠かせないとの立場だ。中国はアジアの問題に米国が介入するものだとして反発している。■



2017年12月17日日曜日

★★潜水艦が一隻も使えないのはドイツ連邦軍の問題の氷山の一角だ

  • 几帳面がドイツでこうなっているとは意外な気もしますが、国防省の官僚的体質が災いのもとなのでしょうか。ドイツの安全保障に対する価値観にはやはり大戦中のトラウマがあるのでしょうか。日本はこの数年で意識がかわりつつあるのですがね。ドイツ国民に軍事アレルギーや防衛で主導的な立場を忌避する傾向があるのでしょうか。

 

Germany Does Not Have One Working Submarine

ドイツに作戦投入可能な潜水艦が一隻もない事態
December 16, 2017


  • 今年10月15日、ドイツ潜水艦U-35がノルウェー沖で潜航しようとしたところ、x字形の潜航舵が岩礁とぶつかり、損傷が甚大で単独帰港できなくなった。
  • ドイツ国防軍広報官ヨハネス・ドゥムレセ大佐 Capt. Johannes Dumrese はドイツ国内誌でU-35事故で異例の結果が生まれたと語っている。
  • 紙の上ではドイツ海軍に高性能大気非依存型推進式212A型潜水艦6隻が在籍し、各艦は二週間以上超静粛潜航を継続できることになっている。
  • だがドイツ海軍に作戦投入可能な潜水艦が一隻もない。
  • Uボートの大量投入による潜水艦作戦を初めて実用化したのがドイツ海軍で、連合国を二回の大戦で苦しめた。今日のUボート部隊はバルト海の防衛任務が主で規模もに小さい。212A型は水素燃料電池で二週間潜航でき、ディーゼル艦の数日間から飛躍的に伸びた。理論上はドイツ潜水艦はステルス短距離制海任務や情報収集に最適な装備で、コストは米原子力潜水艦の四分の一程度だ。
  • ただし、同型初号艦U-31は2014年から稼働不能のままで修理は2017年12月に完了予定だが再配備に公試数か月が必要だ。
  • U-32は2017年7月にノルウェー回航中にバッテリーが使えなくなった。修理用船台が空かず、U-34が次の順番を待つ中で修理のめどがつかない。
  • U-33は2018年2月まで整備中でその後公試に三四か月かかる。U-35の姉妹艦U-36は2017年10月に就役し、作戦投入可能は2018年5月だ。
  • なぜここまで時間がかかるのか。冷戦終結後のドイツ海軍は経費節減策で予備部品の大量保管を放棄し、部品は都度調達するか、非稼働中の艦から取り外してきた。遅延が重なる結果がここから生まれている。
  • ドイツ国防次官ハンス-ペーター・バルテルス Hans-Peter Bartels は以下発言している。「海軍には大変な災難だ。Uボートは最強戦力手段なのに数か月にわたり一隻も稼働できない状況ははじめて」で潜水艦乗員が運用経験が得られない。
  • 2018年なかごろに三隻が作戦投入可能となり、その後11月に4隻目が加わる予定だ。ただし6隻が稼働可能になっても全艦投入できない。バルテルスによれば訓練を積んだ乗員は三隻分しかない。
  • ドイツ国防軍は2011年から完全志願制に移行し、人員確保に苦労しており、若年層に魅力的に見えるようにフレックス勤務、居住環境の改善や育児施設まで充実してきた。女性隊員がUボート勤務できるとまで宣伝していたが、現状ではその活躍の場はない。
  • U-35とU-36は212A型でも最新設計だがダーシュピーゲルが最初の就航時に半ば悲喜劇ともいえる事態が発生していたとすっぱ抜いた。
  • 建造業者ティッセンクルップが212A型初期の建造で契約問題を引き起こしドイツ海軍は不満を感じている。U-35では海上公試でスクリューが「奇妙な...擦れて削るような音」を立てたのは中央線がずれていたためで、音響静粛性が台無しになった。初回の任務投入ではレーダーが連続故障し、業を煮やし民生用レーダーを取り外してきたほどだ。母港では25トンのクレーンで通信用マストがつぶれた。海上でカリスト通信ブイが繰り返し使用不能となった
  • U-36は2015年就役したが実際は部品多数を一時的に取り付けたで内輪では「臓器提供艦」と呼ばれるのは部品多数をU-35に提供しているからだ。
  • 低稼働率は国防軍の他部門でも悩みだ。ドイツ陸軍のレオパルド2戦車244両で戦闘投入可能なのは96両だけで89両は部品待ち、7両はR&Dに投入中、53両は整備改修が必要な状況だ。A400M輸送機は14機あるが一機も稼働できない状況が発生したこともあり、2017年2月には国防相ウルスラ・フォン・デアレイエン Ursula von der Leyenの搭乗中に故障している。トーネード攻撃機93機中で戦闘投入可能なのは30機しかないと2015年に暴露されている。
  • ドゥムレセ、バルテルス両名は報道陣に予備部品をその都度確保する方針は段階的に解消すると述べている。ティッセンクルップへの新規保守管理契約で予備部品供給の「成熟化」に「数年」かけてU-35やU-36の間違いを繰り返さないという。フォン・デアレイエン国防相も国防装備の即応体制の向上は2014年以来の優先事項と言うが、あきらかに改善は待ったなしだ。
  • ドイツが冷戦終結後に国防予算の比重を減らしたのは第二次大戦のナチドイツ時代の苦い記憶のためだろう。しかし、今や莫大な富を享受できる地位についたドイツはヨーロッパ連合で大きな地位を占め、モスクワが東ヨーロッパに軍事力を使いかねない状況ではヨーロッパ防衛貢献を一層求められている。そのドイツには軍事力拡大の前に予備部品や人員面の拡充が必要であり、航空機、艦船、装甲戦闘車量といった装備品の多数を戦闘投入な状態に維持する必要がある。■

Sébastien Roblin holds a Master’s Degree in Conflict Resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing, and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring.

Image: A submarine at the German shipyard Howaldtswerke-Deutsche Werft GmbH in Kiel. Reuters/Fabian Bimmer.

ボーイング謎の機体の正体を推定する(19日発表が待ちきれず)

Could "Phantom Swift" Be The Aircraft Boeing

Defense Is Set To Reveal Next Week?


ボーイングディフェンスが発表しようとしているのは「ファントムスイフト」なのか

BOEING RENDERING
BY TYLER ROGOWAYDECEMBER 15, 2017

  • ボーイング・ディフェンスがツイッターに思わせぶりに黒布で覆った謎の機体を公開し関心を集めて憶測が飛んでいるが、ここにきてあまり聞きなれない「ファントムスイフト」の名前が浮上してきた。垂直離着陸機(VTOL)の研究開発プロジェクトだ。


Robust? Check
Ready? Check
Changing future air power? Check it out!
See the reveal 12/19! #PhantomWorks

  • ファントムスイフトとはボーイングのファントムワークスの事業で国防高等研究プロジェクト庁(DARPA)向けのVTOL Xプレーンだ。
  • 2013年にボーイングが以下説明していた。
  • 国防高等研究プロジェクト庁(DARPA)の高速飛行が可能で効率よくホバリングしながら大量の貨物を運搬可能な垂直離着陸機の求めに応じて迅速試作技術 rapid prototypingによりボーイングのファントムワークス技術者がフィラデルフィアで飛行可能な縮小モデルを設計製作し、ファントムスイフトと命名しボーイングからのDARPAの要求するXプレーンに提案します
  • 設計案を見ると大型ファン二基が機体に埋め込まれ垂直揚力を得ており、翼端の回転式ファンでホバリング中の機体安定ならびに前方方向の推力を得ている。ジェネラルエレクトリックCT7-8タービン一基ないし二基で各ファンを電動駆動させるらしい。ただし初期試作機は完全なハイブリッド電動駆動方式ではなかった可能性がある。ボーイングはこの方式で通常のヘリコプターより高効率を実現し、DARPA想定の300ノット超の速度と貨物4千ポンドを運ぶ性能を実現するという。完全サイズのファントムスイフトはスーパーキングエアと同じ寸法だという。
  • ボーイングはDARPA選定前から同機開発を政府資金でおこなっており、この構想がオーロラフライトサイエンシズの流麗なライトニングストライク(写真下)になった。同社が実寸大試作機の製造に取り組んだことで以下の記事を筆者は書いている。

  • 「VTOLのXプレーン構想の背後にあるのは製造やミッション投入ではなく新技術のパッケージをはやく熟成させながらリスク低減が目的だろう。技術内容は拡大縮小し可能とのことで、大型機、小型無人機に投入できる。ライトニングストライクの軍用民生用の応用範囲は高速飛行しながらどこにでも離発着できるので大きいだろう」

(ボーイング発表の縮小モデルの映像は下を見てください。)
  • ボーイングはそのオーロラフライトサイエンシズを10月に買収したばかりでオーロラは実寸大のライトニングストライク機をXV-24Aとして製造中だ。だがファントムスイフトが仮にDARPAのXプレーン競合に敗れてもボーイングは自社資金で別途開発を続けるのではないか。
  • ボーイングはX-45CファントムレイUCAVの事例で同じことをしている。その他回転翼内VTOL機でガス電気ハイブリッド推進方式が今後有望な技術といわれており、開発中の機体が画期的な設計になっており、早期に市場の主流を確保すべく各種のコンセプトのリスク低減を図るのではないか。またコンセプトの比較検証も目的だろう。

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Interesting conversation over on our new Boeing Phantom Works aircraft unveil tease post. Got me thinking, could this thing be a full-scale Phantom Swift? Haven't heard much about this thing lately. Pretty exciting if so! Looks pretty close. http://www.thedrive.com/the-war-zone/16984/boeing-defense-teases-mystery-aircraft-unveiling-by-hiding-it-under-a-black-sheet …10:20 AM - Dec 16, 2017
  • 上のツイッター投稿写真で判るようにファントムスイフトの最新版が今回ボーイングが黒布で隠した機体に似ている。機体上部の空気取り入れ口を閉じれば胴体はそっくりで、V字形尾翼もそうだ。同社発表の映像では主翼部分は全くうかがえないが頑健な降着装備はVTOL機として必要なのだろう。
  • 実寸大のファントムスイフトの活躍場面はほぼ無限といってよい。DoDはすでに大金を投入しこの技術を洋上、陸上ともに応用を目指している。
  • だからといってこれがボーイングが発表しようとしている機体と同一であると言いたいのではない。結局全く違う形のコンセプトなのかもしれない。海軍の求めるCBARS無人給油機の可能性もあり、あるいは全く違う可能性もある。
  • ボーイングが自社資金で実寸大のファントムスイフトを開発しながらオーロラフライトサイエンシズを買収したのなら同社は従来型の大型回転翼を使わない形のVTOL機の姿を模索し、従来の制約条件から自由な形の飛行を示そうとしているのか。

ボーイングは謎の機体を12月19日公表する。

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中国の戦略機材となりそうなY-20改装空中給油機の動向に注意


‘Chubby Girl’s’ sister to boost China’s military capability

「太っちょ娘」の姉妹が中国軍の戦力を増強させる

A refueling version of the Y-20 cargo plane will extend

the reach of PLAAF aircraft and pierce the Pacific's

Second Island Chain to threaten US allies

Y-20を元に空中給油機が出現すればPLAAF機材の行動範囲が広がり、
第二列島線まで突破されれば米、同盟国に脅威となる

The Chinese military is developing an aerial-refueling version of its  Y-20. Photo: PLAAF
中国空軍はY-20の給油機型を開発中だ。Photo: PLAAF
By ASIA TIMES STAFF DECEMBER 14, 2017 6:20 PM (UTC+8)
  • 今週初めの「島しょ周回警戒飛行」を台湾対象に戦闘機、爆撃機、偵察機で実施した中国は改めて空中給油機拡充の必要性を痛感した。
  • 人民解放軍空軍(PLAAF)は西太平洋で訓練を増やしており、空中給油が課題だ。
  • 人民日報はPLA北部方面司令部が行う演習で空中給油訓練を重視していると伝えている。しかしこのために中国は給油機そのものを増やす必要がある。
  • PLA海軍将官から軍事評論家になったYin Zhuoは国営CCTVでH-6Kバジャー爆撃機編隊は空中給油があれば第二列島線突破は容易になると指摘している。
  • これは太平洋で中国を戦略的に抑え込む線のことで、小笠原諸島から米領マリアナ諸島までを結ぶものだ。

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エアショーで飛行展示した. Photo: PLAAF
  • Yinの発言から新型輸送機Y-20の改装型が給油機として配備されるとの見方が一気に広まった。Y-20は2013年に貨物機運用がはじまり、「丸ぽちゃ娘」の愛称がつく。
  • 給油機に改装されれば12機残る1950年代製のH-6U給油機の後継機となる。H-6Uでは長距離作戦機の支援に力不足なのだ。
  • 「第一列島線以内と台湾東部で航空優勢を確保していたとして、Y-20による空中給油があればH-6K爆撃機は長距離ミサイルを運用で米国とその仲間の軍は第二列島線以東のアラスカやハワイでも作戦が安全でなくなる」との米太平洋艦隊情報将校の経験があるディビッド・バーの発言をNational Interestが紹介している。
  • Y-20は国営の中国航空宇宙工業が開発し、大型の胴体があるため「太っちょ娘」の愛称がついた。高翼構造で頑丈な降着装置がつく。

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Y-20’の大きさを車両と比較してほしい。Photo: PLAAF
  • 同機の最大離陸重量は242トンでエンジンはD-30KP-2を四基搭載する。給油機にしたばあは燃料110トン搭載でき、J-10戦闘機20機分に相当するとYinが解説していた。

A photo dispatched by the PLAAF shows an H-6K bomber above the Taiwan Strait. Photo: PLA
台湾海峡上空を飛行するH-6K爆撃機  Photo: PLAAF

  • さらにPLAAFはこれまでもH-6K爆撃機の訓練で空中給油も取り上げていた。■


2017年12月16日土曜日

ドイツ制服組はF-35に期待し、国防省はヨーロッパ製品第一を掲げる

ヨーロッパが自信をつけすぎたのか、米国が信用を無くしているのかわかりませんが、
空軍将官の見方と官僚の価値観がことなっているということでしょうか。
EUの頭でっかちな官僚主義(EU指令)を思い起こすものもありますね。
末尾で出てくるB61核爆弾はNATOが共同運用することになっている核抑止力ですね。
実際には米国が運用のカギを握っており、ここも考えると米製装備が圧倒的に有利なはず
なのですが。

U.S. still sees prospects for German fighter jet sales 

ドイツ次期戦闘機選定に期待する米側の思惑

Tornado - RIAT 2009 (3794714860)
By Tim Felce (Airwolfhound) (Tornado – RIAT 2009) [CC BY-SA 2.0], via Wikimedia Commons
http://alert5.com/2017/12/15/americans-still-believe-theres-a-chance-to-replace-german-tornados-with-u-s-fighters/#KZILdzB5XmbT2YHy.99 で詳細を読む

BERLIN, Dec 14 (Reuters) -
  • ドイツ国防省がトーネード(85機)の後継機種にユーロファイター・タイフーンを検討と発表したが米軍関係者は米戦闘機売却の可能性に依然として期待する。
  • 国防省は12月11日に空軍参謀総長カール・ミュルナー中将Air Force Chief of Staff Lieutenant General Karl Muellnerの談話から距離を置いた。参謀総長はステルス性能、長距離攻撃能力からロッキード・マーティンF-35が望ましいと以前発言していた。
  • 同省は参謀総長の見解に合意せず、第一義的にヨーロッパ製装備を検討し、米製戦闘機三機種は二次的な選択肢に過ぎないとした。また総合的な判断で決定すると述べた。
  • ワシントンは来年3月31日までにドイツが発出したF-35、並びにボーイングのF-15、F/A-18E/F各機の情報開示請求への回答を迫られる。なお、ドイツはユーロファイターへも同様の請求をしている。
  • 同省はトーネード後継機候補の評価結果を伝えるとも述べている。トーネードは2030年ごろ退役予定で、「2020年代の調達を前提で提案を募りたい」としている。
  • 米軍関係者の一人は選定手続きは実質上もう始まっていると見ている。「米国は米国製装備が十分競争力ある対象だと自信を持っている」という。
  • 米国法体系により米政府は海外における選定競合では米国製品をすべて平等に扱う義務がある。
  • ロッキードはドイツ国内でロビー活動を大々的に展開しており、F-35シミュレーター体験を国防省関係者や議会関係者にさせているほか、ドイツ空軍の要求内容に同社製品は十分応える「実証済み性能」があると述べている。
  • 同社はまたベルリン上空を飛ぶF-35の合成大判写真を展示している。「当社は開かれて公平な競争を期待します」と同社広報は述べている。「F-35がNATO空軍力に最適の選択であり信頼できる抑止力効果を将来にも実現する」と見ている。ボーイングからはコメントは出ていない。
  • 米政府はドイツ側にボーイング各機の戦闘能力を先月開示し、ロッキード製品については7月に先行実施していた。
  • ドイツでユーロファイターの代理店となるエアバスは書簡についてコメントを拒否している。
  • ユーロファイター事業は英国もBAEシステムズが、イタリアはレオナルドを通じて参加しており、ドイツ軍に機体の更なる開発でどこまで能力を増強できるかの情報を提示済みだという。
  • ドイツがNATO貢献で重視するのがドイツ西方の基地に厳重保管中の米核兵器B61爆弾の運用能力だ。
  • ユーロファイターでは核爆弾運用に改装と運用証明が必要となり、ワシントンが素直に首を振るとは思えない。F-15はすでに証明取得済みで、F-35は2020年代初頭にこの能力を獲得する見込みだ。■