2021年9月17日金曜日

ヘッドラインニュース9月17日

 

中国海軍遠征部隊が本国帰還

海上自衛隊はPLAN部隊艦艇4隻は055型駆逐艦南昌、052D型駆逐艦貴陽、903A型補給艦、情報収集艦で大隅海峡を通過するところを9月11日に捕捉していた。部隊は日本からアラスカまで遠洋航海を行い、東シナ海に帰還した。PLANが遠隔地でも作戦運用する能力を示した。


中国がドイツ艦の上海寄港を拒否

フリゲート艦バイエルン(4,000トン)の上海寄港を中国が拒否した。ドイツ外務省が発表した。ドイツは寄港により両国間の軍事緊張を解こうとしていたため出鼻をくじかれた格好だ。ドイツでは二週間後に選挙を控え、新政権が中国にどのような姿勢を取るのか不明だ。


C-130Jがワイオミングでハイウェイに着陸

9月13日、in the Rockies 2021演習の皮切りにC-130Jがワイオミング州ローリングス近郊のハイウェイに着陸した。同演習は米空軍予備役隊員向けに一週間に渡り展開する。


MQ-25がF-35Cへの空中給油テストに成功

9月13日ボーイングMQ-25スティングレイがF-35Cへの空中給油にイリノイ上空で成功した。これでF/A-18スーパーホーネット、E-2Dにつぎ三機種への空中旧を実施した。次は空母艦上での運用の実証が控える。

PLAN艦艇が米アリューシャン列島付近へ出没

米沿岸警備隊は中国艦船4隻が8月にアリューシャン列島の排他的経済水域に現れ、追尾したと発表した。今回の発表は中国共産党の影響が強い環球時報主筆が今後は米国領海に中国艦船を定期的に派遣すると強弁したのを受けてのこと。写真は8月29日、30日にかけて撮影されていた。055型大型駆逐艦1、052D型駆逐艦2、093型補給艦1に093型情報収集艦1が加わった。


2021年9月16日木曜日

主張 ミリー統合参謀本部議長を即刻解任せよ。米国の文官優位の原則をなし崩しにした。放置すれば米国でクーデターが発生する。

 日本の報道ではトランプの不安定度を憂慮して自ら動いた将軍を賛辞しかねない空気がありましたが、さすがに文民統制の原則を堅固に守る価値観が前面に出ています。記事に踊らされることなく、本質を考える必要が感じられますね。

 



統合参謀本部議長マーク・A・ミリー大将 (DoD photo by Lisa Ferdinando)

 

シントンポストの暴露記事で統合参謀本部議長マーク・ミリー大将がわが国最大の敵対国である中国に接触し、米軍が中国に向け行動を起こす際は事前通知すると伝えていたことが明らかになった。記事内容を見るとミリーが宣誓内容に違反したとはいいがたいものの、大統領が本人を直ちに解任するのには十分なものだ。

 

ポスト記事はこれから発刊となる「Peril」(ボブ・ウッドワード、ロバート・コスタ共著)の抜粋で、トランプ大統領の最終段階からバイデン政権誕生後の六カ月を記録したものだ。一番衝撃的なのはミリー大将が中国軍司令官にホワイトハウスを通さずに連絡したことだ。

 

ウッドワード=コスタによればミリーは中国がトランプが中国攻撃を命令する事態を恐れていた。大統領に懸念を伝えず中国の懸念を払しょくさせる提言をミリーがとり、自身で対処した。

 

本人は大統領や国務長官が知らないまま人民解放軍司令官へ電話した。ウッドワード=コストによればミリーは「李将軍、貴官とは5年間の知己であり、貴国攻撃の際はまっさきに貴官に伝える。奇襲攻撃はしない」と語ったとされる。

 

トランプに反感を持つ向きにはミリーが英雄に写り、米国を救ったと評価するかもしれない。ただし、これは近視眼的見方で、将官が権力行使する真の危険を無視している。まず、トランプが対中開戦を狙った証拠はない。ミリーが懸念していただけだ。そうなると統合参謀本部議長は実際にはなかった事態をめぐり主敵と話したことになる。

 

二番目に、将官あるいは政府高官が大統領への背信行為を行う前例ができてしまえば、あともどりできなくなる。台湾問題のシナリオを考え欲しい。

 

米軍や外交部門には強硬に統一を図る中国に関し二つの見方がある。一つはワシントンは台北に安全保障上の保証を与え、いかなる代償を伴っても台湾を中国の攻撃から守るべきとする。もう一つは台湾をめぐり中国と戦うこと自体が愚かで、中国本土近くで米軍に勝利の見込みはない、また最悪のシナリオでは核戦争に発展し米国人数百万人が死亡する事態になりかねないとする。中国が実際に攻撃してきた場合、バイデン政権は恐るべきジレンマに直面する。

 

台湾防衛の約束を守り、核戦争のリスクを冒すのか、それとも台湾を占拠する中国を放置し米国の弱体ぶりを示すのか。バイデンがどちらの選択に走っても、ペンタゴン内部に強い反対意見が生まれるのは避けられない。

 

ウッドワード=コスタはミリーが行動に走ったのは「善意に基づく事前警告」で「中国との偶発戦争を避け、核兵器の投入はない」と伝えるためだったとする。バイデンが対中戦を決意した場合、軍高官がミリー同様に強い信念から対中戦を予防しようと大統領決定をなし崩しにしていいのだろうか。恐ろしいのはもっと悪い事態が生まれることだ。

 

米国では一貫して軍事クーデターは起こらないとされ、真剣にその可能性を考えてきた向きは皆無に近い。だが今回のミリー大将の動きは今後のペンタゴン関係者に参考となりかねない危険一歩手前の行動だった。疑う余地なく国益に一番良いと考えての行動だったのだろうが、大統領を権力の座から追いだす結果になりかねないところだった。

 

米国では起こるはずがないと考えれば間違いだ。選挙で選ばれた最高指導者の命令へ軍トップが公然と従わない事態となれば、政府機能が危機時にマヒしたり、本当のクーデターに発展しかねない。この恐れがあるからこそ、今の段階でこの動きを封じるべきなのである。

 

ミリーを解任すべきである。即刻。■

 

General Mark Milley Must Be Relieved of Duty

ByDaniel Davis

 

Daniel L. Davis, now a 1945 Contributing Editor, is a Senior Fellow for Defense Priorities and a former Lt. Col. in the U.S. Army who deployed into combat zones four times. He is the author of “The Eleventh Hour in 2020 America.” Follow him @DanielLDavis1.


速報)オーストラリアの原子力潜水艦取得を後押しする米英両国。ANKUSと呼ばれる三か国の安全保障協力関係はさらに緊密となり、中国への対抗を目指す。

 

おや、ナヴァルグループによる通常型潜水艦建造は断念して一気に原子力潜水艦調達にオーストラリアは向かうのでしょうか。米英豪の強いつながりを感じさせます。韓国がこれで原子力潜水艦調達が現実に近づいたと考えれば大きな勘違いでしょうね。


ンド太平洋の各国が中国への備えを強める中、米国は域内のトップ同盟国へ原子力推進技術を供与する。

AUKUSすなわち米英豪三か国は安全保障取り決めをこの度形成し英米両国がオーストラリアのめざす原子力推進潜水艦実現を支援することになった。

南シナ海での中国との対決では原子力潜水艦の生存性が一番高いといわれる。原子力潜水艦は長距離移動でき、通常型潜水艦より長期間潜航が可能なため、広大なインド太平洋で理想的な装備となる。

「AUKUSとしてオーストラリアが望む原子力潜水艦調達を支援し、三か国共同作業を18カ月続ける。その中で技術分野、戦略、海軍関係の専門チームを組織し、実現に最適な方法を模索する」とバイデン政権高官が報道陣に語り、米国が同技術を供与した例は英国だけで1958年のことだったと解説した。

「オーストラリアは協力関係を深化させ、原子力推進潜水艦取得の方法を模索する。これによりオーストラリアに長期間配備能力が生まれることを強調したい」と同上高官は説明した。「静粛度が高く高性能だ。インド太平洋の抑止力整備に役立つ。そのため原子力技術のベストプラクティスで共同作業を進める。三か国の海軍部隊が共同作戦を展開し、原子力インフラを共有すれば各国間協力はさらに密接になる」

オーストラリアへの技術供与で同国の原子力潜水艦調達は現実に一歩近づく。オーストラリア国内の建造施設は原子力推進艦艇にも対応可能だが、国産建造となるのか、英米いずれかからの調達になるかは不明だ。

米海軍で潜水艦を専門としたある退役提督は原子力推進技術をオーストラリアと共有すれば米国の対オーストラリア関係が大きく変わるとUSNI Newsに述べた。

「オーストラリア海軍が原子力推進を採用すれば西太平洋での対応能力は確実に整備される」「中国へのメッセージだ。中国は経済面でオーストラリアに懲罰を与えており、今回の動きが回答だ」

また、今回の合意でオーストラリアが原子力潜水艦を調達し、米海軍攻撃型潜水艦がオーストラリアで整備を受けることも可能となれば米国のプレゼンスが同地域で拡大すると同提督は指摘する。

「合意内容にプレゼンス拡大につながる要素がある。これまで艦の整備が配備期間を制約してきた」

AUKUS新合意では広範囲の技術共有も盛り込まれており、防衛外交対話も続けると上記高官が述べている。

取り決めでは「新規分野での協力強化としてサイバー、AI特に応用AI、量子技術、および水中運用技術を対象とする。情報共有も深化させ、安全保障・防衛関連の科学技術や産業基盤、サプライチェーンで統合効果がこれから出てくる」「これを維持して各国の機能をくっつけ三か国関係をさらに拡大していく」と同高官は語った。

今回の発表はバイデン政権がインド太平洋特に中国に焦点を当てる中でで出てきた。バイデン大統領はアフガニスタン撤収を正当化するためこの説明を使っている。

「今回の動きはより大規模な対応の一部だ。従来からの安全保障提携国日本、南朝鮮、タイランド、フィリピンに加え、新規相手のインド、ヴィエトナムとも二か国関係を強化しつつ、新しい仕組みを作っていく。クアッドはその例だ」と同高官は今回の安全保障合意の背景を説明している。

2016年にフランス企業が王立オーストラリア海軍のコリンズ級潜水艦の後継艦をフランスの原子力潜水艦バラクーダ級を通常動力に変更し建造する契約交付を受けた。だが、事業は打ち切りとなり、オーストラリアは原子力潜水艦取得に問題なく進められる、とオーストラリア放送協会は本日報道した。■

Australia to Pursue Nuclear Attack Subs in New Agreement with U.S., U.K.

By: Mallory Shelbourne and Sam LaGrone

September 15, 2021 5:04 PM

https://news.usni.org/2021/09/15/australia-to-pursue-nuclear-attack-subs-in-new-agreement-with-u-s-u-k

2021年9月15日水曜日

C-130とスカンクワークスの関係とは。輸送機に攻撃手段、センサーを搭載する分散戦術のねらいとは。

こういう柔軟な思考ができるのであれば米空軍の将来を悲観しなくてもよいでしょう。問題はその通りに実施する力であり、相手となる中国の動きに対しこの構想が有効なのかを実地で試す機会が生まれるかでしょう。米海軍でも輸送艦等も武装を施す分散武装の構想がありましたね。




ッキード・マーティンで有名なスカンクワークス部門はU-2スパイ機、F-22戦闘機や初のステルス機F-117ナイトホーク等の実現で有名だが、特殊部隊向けにC-130輸送機でも大きな役割を演じていることは意外に知られていない。


C-130とスカンクワークスの接点


C-130は半世紀以上前に登場し、以後一貫して性能を向上しつつ各種の改修を受けてきた。


空軍は既存航空機材の役割を見直し、ミッション範囲を拡大しようとしており、同機もその対象となっている、そのため新技術やソフトウェア改修を投入している。


ここにC-130とロッキードのスカンクワークスの接点がある。特に重要なのが他機との強い接続性を実現し、戦闘ニーズ、脅威情報、作戦要求を満たしながら、新技術の登場を待ち迅速に導入することだ。


「C-130も元々はスカンクワークスが手がけており、今日に至るまでスカンクワークスが新機能の統合で支援しており、第一線のニーズに焦点を合わせつつ、活用方法を全く新しく考えている」とスカンクワークス®の統合システム部長レネー・パスマンがNational Interestに語っている。


C-130が長期間供用されており、数々の改修を受けた機材であること、また空軍がミッション範囲の見直しをここ最近展開していることから、同機がスカンクワークスによる改修の対象になった。


スカンクワークスは1950年代設計の同機供用期間を80年

超とすべく同機に関与を続けており、改修内容は以下を含む。


  • 新型プロペラ

  • 通信装置

  • グラスコックピット、タッチスクリーン画面

  • デジタル式エイビオニクス

  • 衝突回避装置

  • 「ウィングボックス」強化型


C-130改修と相当基準時間の関係


C-130供用を続ける中で同機の改修がどこまで必要なのか見極めるべく、空軍は「相当基準時間」equivalent baseline hoursを指標として使う。


C-130機体の疲労、亀裂は機体ごとに異なり、さらにミッション内容でも大きな差が出てくるし、投入環境の地形や天候条件でも違いが生まれると空軍は説明する。



重要な補給物資、兵器、兵員の空中投下をミッションを過酷でハイリスク地で展開するC-130は低高度運用可能で滑走路が未整備の場所でも運用されることが多い。


空軍はC-130のエイビオニクス近代化事業を実施し、8.33無線機、コックピットにボイスレコーダー、デジタルデータレコーダーを追加した。


だが改修は搭載済み装備品にとどまらず、武装の搭載やミッション範囲の拡大を目指した内容にまで広がっている。


その例としてC-130から爆発物搭載のミニ無人機多数を展開し、一帯を圧倒する数で偵察や攻撃を加えたり、パレット貨物投下式の爆弾兵器を運用する構想がある。


輸送機が攻撃手段になる


空軍では戦闘機材の定義を更新しようと、輸送機にも爆弾、機関銃、ミサイル、攻撃用無人機運用を導入し、ミッション範囲をこれまでの輸送用支援機から拡げようとしている。


「従来型兵装品をこれまでと違う形で運用し、機動性機材の新しい任務を実現する。これまで通りの考え方を脱却し、高度な機動部隊に変身させる」と航空機動軍団司令ジャクリン・ヴァン・オヴォスト大将がミッチェル研究所のインタビューで語っている。


輸送機を武装化すれば敵の攻撃になるとの疑問に、ヴァン・オヴォスト大将は「今でも標的になっている。敵は給油機や輸送機を狙い、補給線を寸断しようとする」と答えている。DARPAのグレムリン構想ではC-130で無人機多数を発進させ、空中回収するが、ヴァン・オヴォスト大将は輸送機がスタンドオフ発射地点に留まれば攻撃機として機能でき、重度防御地点への攻撃が実現すると指摘した。


同様に大型でステルス性がなく、本来なら脆弱なC-130が「運動性脅威の有効射程外からスタンドオフ攻撃で無人機多数を運用しながら空中指揮統制機となる。


空軍ではパレットによる爆弾投下をC-130で試行しているが、ヴァン・オヴォスト大将の発言に新しい意味が含まれる。輸送機からミサイルを発射し対地攻撃ができるのではないか。


「SOCOM(特殊作戦司令部)のモデルに注目しており、JASSMを機体後部から投下する。いったん空中に放出してから点火し、標的を狙う」(ヴァン・オヴォスト大将)


C-130はフレア他対抗手段も装備しており、地対空ミサイル攻撃をかわし、前線基地での運用を想定する。では、爆弾投下や攻撃型無人機の指揮統制、さらに空中ミサイル発射機能を付与すればどうなるか。


センサー、攻撃用兵器


なかなか優れた発想だ、とヴァン・オヴォスト大将も認め、輸送機多用途機は今後も高度技術を駆使する大国相手の戦闘を想定し改良していくと述べた。


あらゆる機材が武装軍用機となり、センサー、EW兵器、耐以降手段や攻撃手段を搭載できる。ミッチェル研究所で、ヴァン・オヴォスト大将は航空機動軍団はこれからも輸送機、多用途機の共同マルチドメイン戦への活用を目指し改良を続けると述べた。


「考え方を変える必要がある。今は中心をハイエンド戦に移す段階にある。機動力だけの実現では不十分で、共同部隊の戦力を充実させるべきだ。体制を整え、将来に備える。従来の枠組みを超えた考え方が必要だ」


例としてヴァン・オヴォスト大将は空対地兵器を輸送機に搭載する、攻撃型無人機をC-130やC-17に搭載し、爆弾投下する案に触れ、空中指揮統制機能を持たせるとも発言。


「C-17の各種アンテナを使える。機体の大きさ、重量、出力ともに有効活用できる。ポッドにC2機能を任せ、データ処理し発信する」という。


スカンクワークスは将来を見据えた基本研究や技術革新で有名だが、同時に既存装備に新技術を搭載し、機能を向上させる対策も展開している。ここから空軍がC-130武装化に大きく踏み出している理由がわかり、空対空、空対地ミサイルの運用も同機で実現しそうだ。■


Skunk Works Keeps C-130 War Ready: Here's How

The Lockheed Martin Skunk Works team created the U-2 Spy Plane, F-22 and C-130

KRIS OSBORN, WARRIOR MAVEN

UPDATED:SEP 9, 2021ORIGINAL:SEP 9, 2021




 

(再出)西太平洋第一列島線で大型原子力潜水艦の代わりに小型ディーゼル艦を多数建造すべきか。ヴァージニア級の延長戦のフルスペック原子力潜水艦構想に一石を投じる

 







米海軍はフルスペックの大型艦を次期攻撃型潜水艦として想定しているようだが....

 

 

海軍はヴァージニア級の後継となる攻撃型潜水艦の企画を開始した。

 

SSN(X)の呼称で2030年代初頭の建造開始を想定し、既存艦の延長ではなく画期的な新型艦とすべきとジェイムズ・ホームズ(米海軍大学校教授)が解説している。

 

新型艦は小型になる可能性がある。無人潜航艇と共同作戦を展開する可能性もある。原子力推進にならない可能性もある。米海軍がディーゼル電気推進型艦を導入するとこれまでにない戦略戦術の可能性が開く。

 

ホームズは「超長距離精密攻撃手段、無人航空・水上・水中装備の登場で海軍力に大きな変革が進みつつある。さらに地上部隊が対艦攻撃能力を獲得したことも変化の要因だ。潜水艦戦も革命的な変貌から例外ではない」

 

 

米海軍は現在65隻の潜水艦を保有する。すべて原子力推進だ。うち14隻のオハイオ級弾道ミサイル潜水艦「ブーマーズ」は新鋭コロンビア級12隻に交代する。

 

オハイオ級では最古参4隻が巡航ミサイル潜水艦に改装されており、2030年代以降に「大ペイロード潜水艦」と交代する。

 

その他には1980年代建造のロサンジェルス級下攻撃型潜水艦35隻、1990年代のシーウルフ級攻撃型潜水艦3隻、ヴァージニア級攻撃型潜水艦13隻がある。2017年時点で米海軍はヴァージニア級の設計変更をしたうえで2040年代末まで同級の建造を続けるとしていた。

 

だが2019年版の米海軍30年建艦計画ではこれが修正されており、ヴァージニア級の改良ではなく完全新型艦SSN(X)を建造するとある。新型艦の就役開始を2034年とし、シーウルフ級、初期ヴァージニア級と交代する。その時点でロサンジェルス級は全艦退役している。

 

SSN(X)はヴァージニア級(8,000トン)より大型になると言われ、9,000トンのシーウルフに近い艦容とされる。「海軍は次世代攻撃型潜水艦を高速、ステルスに優れ、ヴァージニア級を上回る魚雷本数を搭載すると説明している」と議会予算局資料(2018年10月)にある。

 

だが、これはまずい考え方だとホームズは指摘する。「今ちゃんと動いているものを改良するほうがよい。ヴァージニア級、シーウルフ級はともに攻撃型潜水艦として性能は実証ずみだ。そのためSSN(X)は現行艦の改良型になる。だが新型艦は米国の海洋戦略に適合すべきであり、特に作戦環境に最適化すべきだ」とし、以下述べている。

 

 SSN(X) は海軍がこれからの戦場と位置付ける「限界海域」marginal seasでの作戦を想定する。つまり、ユーラシア大陸外縁部であり、新型潜水艦はこうした海域での作戦遂行を求められる。

 

米軍事戦略として第一列島線で「チェーンの締め上げ」つまり中国の動きを抑止し、圧力を加える事態を想定しよう。米国・同盟国所属の潜水艦部隊がこの戦略の先鋒となる。中国の水上艦潜水艦の航行を阻止する手段として、魚雷、ミサイルを搭載した潜水艦が列島線を遊弋する潜水艦以上の選択肢はない。

 

そうなると潜水艦の設計では任務で必要となる機能を問い直す必要がある。不必要な性能はこの際無視すべきだ。

 

列島線海域で運用する潜水艦は小型でよい。ヴァージニア級は大きすぎる。シーウルフは論外だ。あるいはディーゼル電気推進式でもよい。または原子力推進でもコストを下げる必要がある。日本あるいはフィリピンに配備する潜水艦は常時潜航する必要はない。短期間で基地に戻れる。

 

新方式の推進力を既存艦に搭載する国もある。発注元の意図があれば米国内建造所もその実現を図るのは間違いないだろう。米潜水艦部隊が全隻原子力推進でいいのかを真剣に問うべき時期に来ている。

 

小型通常型推進方式の潜水艦を導入すれば副次効果が期待できる。大型原子力推進艦より建造費が低くなることだ。

 

ヴァージニア級建造は年二隻のペースで進められ、攻撃型潜水艦の減少を食い止めようとしている。2016年12月に海軍は攻撃型潜水艦66隻が必要と試算していた。だが攻撃型潜水艦部隊はこのままでは2028年に42隻に減少する。

 

「減少分を補う新型艦の建造が間に合わない」と米海軍作戦副部長だったビル・メッツ中将は上院でこう発言していた。

 

米海軍が小型艦による戦術構想を完成させ、利点を活用できれば、戦力が縮小しても水中戦で優位性を維持する道が開ける。ディーゼル電気推進方式艦の建造費は原子力艦よりはるかに安価ながら短期間で多数の建造が可能となる。

 

新型小型艦部隊が水中ロボット装備とともに展開すれば中国の西太平洋での野望を食い止める有望な手段となろう。

 

ホームズは「SSN(X)をそのまま今後も活用する見込みは暗い。では水中戦の主力を現行の潜水艦のままとするのか、新しい状況に合わせた新規の水中部隊を編成するのかが問われる。SSNsが無人装備と連携運用されれば、単独で行動する現在の運用効果と全く違う結果が期待されよう」と述べている。■

 

 

Smaller Submarines Might be the Answer the the Navy's Problems

by David Axe 

September 14, 2021  Topic: Submarines  Blog Brand: The Reboot  Tags: U.S. NavyMilitaryTechnologyNavySubmarines

 

                Image: Flikr.

西太平洋第一列島線で大型原子力潜水艦の代わりに小型ディーゼル艦を多数建造すべきか。ヴァージニア級の延長戦のフルスペック原子力潜水艦構想に一石を投じる


米海軍はフルスペックの大型艦を次期攻撃型潜水艦として想定しているようだが....

 

 

海軍はヴァージニア級の後継となる攻撃型潜水艦の企画を開始した。

 

SSN(X)の呼称で2030年代初頭の建造開始を想定し、既存艦の延長ではなく画期的な新型艦とすべきとジェイムズ・ホームズ(米海軍大学校教授)が解説している。

 

新型艦は小型になる可能性がある。無人潜航艇と共同作戦を展開する可能性もある。原子力推進にならない可能性もある。米海軍がディーゼル電気推進型艦を導入するとこれまでにない戦略戦術の可能性が開く。

 

ホームズは「超長距離精密攻撃手段、無人航空・水上・水中装備の登場で海軍力に大きな変革が進みつつある。さらに地上部隊が対艦攻撃能力を獲得したことも変化の要因だ。潜水艦戦も革命的な変貌から例外ではない」

 


 

米海軍は現在65隻の潜水艦を保有する。すべて原子力推進だ。うち14隻のオハイオ級弾道ミサイル潜水艦「ブーマーズ」は新鋭コロンビア級12隻に交代する。

 

オハイオ級では最古参4隻が巡航ミサイル潜水艦に改装されており、2030年代以降に「大ペイロード潜水艦」と交代する。

 

その他には1980年代建造のロサンジェルス級下攻撃型潜水艦35隻、1990年代のシーウルフ級攻撃型潜水艦3隻、ヴァージニア級攻撃型潜水艦13隻がある。2017年時点で米海軍はヴァージニア級の設計変更をしたうえで2040年代末まで同級の建造を続けるとしていた。

 

だが2019年版の米海軍30年建艦計画ではこれが修正されており、ヴァージニア級の改良ではなく完全新型艦SSN(X)を建造するとある。新型艦の就役開始を2034年とし、シーウルフ級、初期ヴァージニア級と交代する。その時点でロサンジェルス級は全艦退役している。

 

SSN(X)はヴァージニア級(8,000トン)より大型になると言われ、9,000トンのシーウルフに近い艦容とされる。「海軍は次世代攻撃型潜水艦を高速、ステルスに優れ、ヴァージニア級を上回る魚雷本数を搭載すると説明している」と議会予算局資料(2018年10月)にある。

 

だが、これはまずい考え方だとホームズは指摘する。「今ちゃんと動いているものを改良するほうがよい。ヴァージニア級、シーウルフ級はともに攻撃型潜水艦として性能は実証ずみだ。そのためSSN(X)は現行艦の改良型になる。だが新型艦は米国の海洋戦略に適合すべきであり、特に作戦環境に最適化すべきだ」とし、以下述べている。

 

 SSN(X) は海軍がこれからの戦場と位置付ける「限界海域」marginal seasでの作戦を想定する。つまり、ユーラシア大陸外縁部であり、新型潜水艦はこうした海域での作戦遂行を求められる。

 

米軍事戦略として第一列島線で「チェーンの締め上げ」つまり中国の動きを抑止し、圧力を加える事態を想定しよう。米国・同盟国所属の潜水艦部隊がこの戦略の先鋒となる。中国の水上艦潜水艦の航行を阻止する手段として、魚雷、ミサイルを搭載した潜水艦が列島線を遊弋する潜水艦以上の選択肢はない。

 

そうなると潜水艦の設計では任務で必要となる機能を問い直す必要がある。不必要な性能はこの際無視すべきだ。

 

列島線海域で運用する潜水艦は小型でよい。ヴァージニア級は大きすぎる。シーウルフは論外だ。あるいはディーゼル電気推進式でもよい。または原子力推進でもコストを下げる必要がある。日本あるいはフィリピンに配備する潜水艦は常時潜航する必要はない。短期間で基地に戻れる。

 

新方式の推進力を既存艦に搭載する国もある。発注元の意図があれば米国内建造所もその実現を図るのは間違いないだろう。米潜水艦部隊が全隻原子力推進でいいのかを真剣に問うべき時期に来ている。

 

小型通常型推進方式の潜水艦を導入すれば副次効果が期待できる。大型原子力推進艦より建造費が低くなることだ。

 

ヴァージニア級建造は年二隻のペースで進められ、攻撃型潜水艦の減少を食い止めようとしている。2016年12月に海軍は攻撃型潜水艦66隻が必要と試算していた。だが攻撃型潜水艦部隊はこのままでは2028年に42隻に減少する。

 

「減少分を補う新型艦の建造が間に合わない」と米海軍作戦副部長だったビル・メッツ中将は上院でこう発言していた。

 

米海軍が小型艦による戦術構想を完成させ、利点を活用できれば、戦力が縮小しても水中戦で優位性を維持する道が開ける。ディーゼル電気推進方式艦の建造費は原子力艦よりはるかに安価ながら短期間で多数の建造が可能となる。

 

新型小型艦部隊が水中ロボット装備とともに展開すれば中国の西太平洋での野望を食い止める有望な手段となろう。

 

ホームズは「SSN(X)をそのまま今後も活用する見込みは暗い。では水中戦の主力を現行の潜水艦のままとするのか、新しい状況に合わせた新規の水中部隊を編成するのかが問われる。SSNsが無人装備と連携運用されれば、単独で行動する現在の運用効果と全く違う結果が期待されよう」と述べている。■

 

 

Smaller Submarines Might be the Answer the the Navy's Problems

by David Axe 

September 14, 2021  Topic: Submarines  Blog Brand: The Reboot  Tags: U.S. NavyMilitaryTechnologyNavySubmarines