2022年10月8日土曜日

北朝鮮に対抗し発射直後に爆発した南朝鮮のヒョンムミサイル(10月4日)。情報開示が遅れ地元に不安が広がっていた

 

Via Twitter

 

爆発は、北朝鮮ミサイルに対抗し発射されたヒョンムー2号弾道ミサイルで発生した

 

 

NKニュースによると、南朝鮮合同参謀本部は、10月4日深夜、東海岸の江陵基地で、ヒョンムー2短距離弾道ミサイルの発射に失敗したと確認した。南朝鮮軍は、大規模な火災を引き起こしたこの事故で死傷者はいなかったと発表した。

 NKニュースによると、「発射に失敗したのは、火曜日以前に北朝鮮が日本上空で行った中距離弾道ミサイル実験に対応する米韓合同地対地ミサイル訓練の最中だった」と、公式には大韓民国(ROK)合同参謀本部と呼ばれる同組織の声明は述べている。「米国と南朝鮮がそれぞれ2発のATACMS(陸軍戦術ミサイルシステム短距離弾道ミサイル)を海上標的に向けて発射することに成功した」。

 聯合ニュースは、「ヒョンムーミサイルの異常落下で死傷者なし」と、出典を示さず報じた。

 今回の訓練は、北朝鮮が5年ぶりに日本上空を通過する弾道ミサイルを発射したことを受けて行われた。2017年に日本上空で北朝鮮のミサイルが同様に挑発的に発射された後、米軍はATACMS、南朝鮮軍はヒョンムー2Aミサイル1発をそれぞれ発射していた。ATACMSは500ポンド弾頭を約186マイル先の目標に運ぶことができる。南朝鮮は正確な能力について口を閉ざしているが、ヒョンムー2Aは同様の仕様であるといわれる。同じランチャー車両で、射程の長い-2Bと-2Cも発射できる。どのタイプが爆発したかは不明。

 

 

2022年10月4日、北朝鮮が日本上空にIRBMを発射したことを受け、発射された南朝鮮の短距離弾道ミサイル。 (South Korean Government)

 

 

同日未明、南朝鮮空軍(ROKAF)の江陵基地で火災または爆発が発生したと思われる動画がソーシャルメディアに掲載された。同基地はF-5E/FタイガーIIを装備する南朝鮮空軍第18戦闘航空団の本拠地で、北朝鮮国境から約60マイルに位置する。同基地は海に面し、弾道ミサイルの発射に適した広い空間がある。

 

 

江陵航空基地は北朝鮮国境から60マイルしか離れていない. (Google Earth)

 

 

南朝鮮が開発・製造するKF-21戦闘機が10年後に江陵基地で運用開始される予定だ。

 

午後11時15分(米国東部時間)更新。

AP通信は、「南朝鮮の弾道ミサイルが米国との実弾演習中に誤作動し、地面に墜落した」と確認し、負傷者は出なかったと伝えた。

 しかし、誤作動とそれに伴う爆発は、「ライバル国北朝鮮がますます挑発的な兵器実験を行っていることに不安を感じている沿岸都市の住民」をパニックに陥れた。

 爆発音を聞き、火災を見た江陵住民多数は、「北朝鮮の攻撃」と思った。軍と政府関係者が爆発について何時間も説明しなかったため、緊張が高まった。

 「軍は、南朝鮮の対北先制・報復攻撃戦略で重要な武器である同ミサイルの『異常飛翔』の原因を調査中であると述べた」。

 

更新: 10:27 AM EST 10月5日

ジョン・サプル報道官John Suppleは、国防総省がミサイル誤射を知ったのはいつかとのThe War Zoneの質問に対し、基本的に発生の時点だったと答えた。

「米軍隊員が(近くに)いた(関与していないが)ので、いつ知らされたかという点では、基本的にリアルタイム」と、彼は水曜日の朝、The War Zoneに電子メールで語った。「現時点では南朝鮮軍が調査中であり、調査を先取りするようなことは何も言わない」と述べた。

 何人の隊員が、どの部隊から、なぜそこにいたのかという追加的な詳細について尋ねられ、サプルは南朝鮮米軍司令部にコメントをまかせた。本誌は司令部に連絡し、追加の詳細があれば、記事を更新する。■

 

Ballistic Missile Failure Caused Explosion At South Korean Airbase (Updated)

BYHOWARD ALTMAN| PUBLISHED OCT 4, 2022 8:52 PM

THE WAR ZONE

 

 


ウクライナ無人機がロシア国内の空軍基地を自爆攻撃。ロシアは否定。事実ならウクライナ戦は新局面へ。

Google Earth




ウクライナ無人機が、ロシア国内のTu-22M爆撃機基地を攻撃し、ウクライナ戦は新しい段階に入った

 

 

クライナの自爆無人機がロシア国内の空軍基地で爆発し、爆撃機2機を破壊したと、ウクライナの情報筋2人がThe War Zoneに伝えてきた。

 攻撃は、ウクライナ国境の北約140マイル、モスクワの南西約170マイルにあるカルーガ州のシェイコフカ空軍基地 Shaykovka Air Baseが標的となった。

 同基地には、ロシア第52重爆撃機航空連隊のTu-22Mバックファイア爆撃機が配備されている。

 ある情報筋は、「2機の爆撃機が修理不可能だ」とThe War Zoneに語っている。

 ウクライナのLB.uaニュースの以前の報道では、「カミカゼ無人機による攻撃で、カルーガ地方のシェイコフカ軍飛行場で爆発が起こった」とあり、LB.uaは、ウラジスラフ・シャプシャ州知事の言葉を引用し、無人機はウクライナの「国境から飛来した」と伝えた。

 ロシアのTGチャンネルによると、爆発はUAVが滑走路上に飛行して起こったという。

 しかし、無人機攻撃による被害はなかったと、シャプシャは自身のテレグラムチャンネルで述べている。

 「死傷者は出なかった」とし「飛行場のインフラや設備に損傷はない。業務に支障もない。調査グループが現地で事故原因や状況を究明している」。

 ロシアのRIAニュースのテレグラムチャンネルによると、ロシアメディアも「カルーガ近郊で爆発が起こった」のを確認している。

 「無人機が落下し、負傷者はいなかった」とRIAはシャプシャを引用して報じた。

 

 

2022年6月に衛星から見たカルーガ州のシェイコフカ空軍基地。(Google Earth photo)

 

 

ロシアのメディア「レドフカ」は、無人機が損害を与える前に撃墜されたと伝えている。

 「UAVはカルーガ地方の軍事部隊の滑走路の上で撃墜された」とレドフカはテレグラムチャンネルで報告した。「無人機は大きな戦果を与えられず、空中で撃墜された」。

 

 

シェイコバ空軍基地は、ウクライナ国境から北約140マイル、モスクワの南西約170マイルに位置する。(Google Earth photo)

 

オープンソースの情報アカウントOryxspioenkopは、ロシアのテレグラムチャンネルが、無人機がダメージを与える前に撃墜されたとする「証明」画像をTwitterに投稿した。

 しかし、Oryxspioenkopが報じた画像は、実際には「2020年のナゴルノ・カラブフク戦争で撃墜されたアゼルバイジャンのTB2無人機」だった。

 Tu-22Mバックファイア爆撃機は、ロシアのウクライナ全面戦争で重要な役割を担っている。

 同機は4月14日に作戦に参加し、当初は通常爆弾のみ使用していた。ロシア国防省は同日、同爆撃機が包囲中のマリウポリのアゾフスタル工場り爆撃に投入されたと発表した。マリウポリ爆撃は5月中旬まで、連日続いた。Tu-22M3がマリウポリを自由落下式爆弾の一斉投下で覆えたのは、同市がすでにロシア軍に包囲されており、爆撃機がウクライナの防空体制を心配する必要がなかったからだった。

 

 

Tu-22Mバックファイア爆撃機。 (Wikipedia photo)

 

ウクライナ奥地の目標に対して、Tu-22M3は大型ミサイルKh-22や新型Kh-32超音速対艦ミサイルで攻撃した。5月11日、ロシアの全面侵攻が始まってから初めて、Tu-22M3のコックピットから撮影されたミサイル発射の映像がSNSに登場した。ロシアが精密巡航ミサイルや弾道陸上攻撃ミサイルの在庫を減らし、Tu-22の対艦ミサイルを高精度とはいえない陸上攻撃モードで使用するようになると、こうした攻撃はより一般的になった。また、民間人への無差別攻撃も行っている。そのため、ウクライナが同基地を最重要ターゲットと見なすのも無理はない。これまでの衛星写真では、ミサイルは爆撃機近くに置かれていた。もし、このような形で、燃料を入れた状態だった場合、非常に不安定かつ破壊的なターゲットとなる。

 シェイコフカ空軍基地への攻撃は、この紛争における重要な変節点となり、ウクライナ軍がこれまでの攻撃で最もロシア内部の場所となった。

 ウクライナはこれまでにも、国境を越えベルゴロドの標的を攻撃していた。8月には弾薬庫が攻撃された報告があった。4月には、製油所をウクライナ軍ヘリコプターが空襲していた。

 ウクライナはロシアの奥深くまで攻撃できることを証明した。ウクライナの手にあるスタンドオフ兵器として知られているのは、即席の「アリババ」自爆無人機(改造の原型が中国で購入できる)だけで、6月に国境を越えたノヴォシャフチンスクのロシア製油所を攻撃した際に初めて登場した。同型機はクリミアの黒海艦隊司令部への攻撃にも使用された。その数日前には、クリミアのサキ空軍基地が攻撃され、ロシア軍機数機が破壊された。クリミアとロシアの両方で、同様の攻撃が発生しており、少なくとも部分的には、即席の同自爆無人機の仕業と思われる。爆撃機基地攻撃は、同機の理論的な射程内にあると考えられる。ロシアはこのため、国境付近の空軍基地で防空を強化してきた。

 ウクライナ軍がロシアとの戦いで成果を上げ続ける中、プーチン大統領が戦術核攻撃の可能性について発言ている。

 本誌では攻撃地の衛星画像を入手し、情報の追加を試みている。また、国防総省にも情報を求めており、最新情報をお知らせする。

 

午後2時54分(米国東部標準時)更新

カルーガ州のウラジスラフ・シャプシャ知事は、シャイコフカ空軍基地にある2機のTu-22Mバックファイア爆撃機やその他のものが損害を受けたという主張に反論している。

 「以前報告されたように、今日、カルーガ州のシャイコフカ軍事飛行場に無人機が墜落した」と知事は自分のテレグラムチャンネルで言った。「代理が直ちに現地に赴き、状況を明らかにした。死傷者がないことが確認された。飛行インフラや設備に被害はなかった。航空機が破損したとの報告は、全くの捏造だ」。

 国防総省は、この事件に関する質問をウクライナ当局にそのまま転送した。

午後3時30分(米国東部標準時)更新

ロシアのシェイコフカ空軍基地の大部分に損傷がないことを示す新しい衛星画像を入手した。この画像は部分的に不明瞭であるため、基地が本当に攻撃されたかどうかを決定的に言うためには、もう一回撮影する必要があります。詳しくは次のツイートスレッドをご覧いただきたい。

 

Ukrainian Kamikaze Drone Attacks Bomber Base Deep In Russia (Updated)

BYHOWARD ALTMAN, TYLER ROGOWAY| PUBLISHED OCT 7, 2022 12:21 PM

THE WAR ZONE

 


台湾へ海兵隊の剰余AV-8の売却を。台湾防衛で想定してきた前提が崩れつつある。海兵隊は数年でAV-8を全廃する。

 

The Time For Taiwan To Adopt Surplus AV-8B Harriers Is Now

U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 2nd Class Jason T. Poplin

脅威に直面する台湾にはAV-8Bハリアーが今すぐ必要だ

 

湾がAV-8ハリアーを取得する構想は前からある。象徴的な「ジャンプ・ジェット」を台湾軍が取得する噂が絶えなかったし、それを反映した記事もたくさんあった。しかし、状況が変わり、台湾のハリアー装備に反対する根拠が大きく崩れてきた。ハリアーの性能とアップグレードの可能性が変化した。取得をとりまく状況も変わった。さらに重要なこととして、台湾の安全保障状況は変化し、著しく悪い方向に向かっている。

中国は急速に軍事大国に成長し、威嚇や武力によって台湾の支配権を取り戻そうとしている。人民解放軍の戦力がいかに急速に進化しているかについては、何千もの言葉を費やすことができる。このサイトを毎日ご覧になっている方なら、具体的にどのようなものか、よくお分かりだろう。中国が台湾を包囲し、船舶や航空機が台湾に到着する前に、弾道ミサイルと巡航ミサイル、そして神風ドローンを大量に投下する可能性は、厳然たる事実として存在する。

 

人民解放軍空軍の長距離戦力投射能力は、この10年で大きく変化した。 PLAAF

大陸による大規模な攻撃に対し安全な避難場所と考えられていた台湾島の東側は、中国の海軍、長距離航空、ミサイルの能力の進歩で、大きな危機に瀕している。台湾の防空網がこの猛攻撃の一部を鈍らせる期待があるが、それも危険になっている。計算は台湾に不利であり、しかも日を追うごとに悪化している。中国の最重要ターゲットは、防空施設、早期警戒レーダーサイト、指揮統制ノード、港湾施設、そしてもちろん滑走路だろう。

 

中国軍でも海軍が最も急成長している部門であり、台湾を西と東から持続的な攻撃で危険にさらするのを狙っている。 (PLAN)

台湾空軍には地上滑走路の制約がついてまわる。分散作戦に対応するため建設された高速道路があるが、位置は既知で、簡単に標的となる。

台湾には、固定翼戦術機が猛攻に耐えられる施設があるが、最も必要とされるときに実際に出撃させることはできない。幸運にも地上に降り立った航空機に、帰る場所があるのかという疑問は、ますます現実のものとなってきた。中国軍の介入作戦の開始直後の重要時期に、既存の滑走路や誘導路、長く伸びた特別設計の高速道路が枯渇しないはずはない。

 

台湾東海岸の空軍基地にある「ジェットケイブ」内で、ハープンを搭載する台湾のF-16V。 (ROCAF)

その結果、台湾の貴重な航空戦力は、準備の整った作戦区域に依存し、無力化されなくても、著しく縮小される。台湾が戦略とする東側の堅固な防護施設と道路運用への投資は、10年前なら適切だったかもしれないが、今日では非常に疑問だ。

 

中国は弾道ミサイルを大々的に整備しており、台湾の飛行場にとって大きな問題だ。DF-15が発射されている。 (PLA)

短距離離陸・垂直着陸機といえば、台湾はF-35B戦闘機を望んでいると指摘する向きがある。理解できるが、台湾がF-35Bを、あるいはF-35を手に入れることは、多くの理由で現時点では不可能だ。中華民国空軍の旧式F-16A/Bを更新し、最終的に新造F-16を販売するだけでも、大規模かつ拷問に等しい試練だった。また、台湾にF-35を配備させると、技術的に大きなリスクが生まれる。したがって、台湾が共用打撃戦闘機をすぐ手に入れることはないだろう。しかし、それが最終的な目標であったとしても、ハリアーが長い滑走路に依存しない戦術ジェット機能力を10年ほど提供できれば、そのころまでにはF-35Bが現実的な選択肢となり、無人装備も成熟している可能性がある。

 

巡航ミサイルと通信用のデータリンクポッドを搭載した中国のH-6爆撃機に迎撃する台湾のF-16。 (ROCAF)

F-35Bは高価格かつ複雑な支援インフラに依存する。台湾が攻撃を受ける間に出撃できる能力は、平時でさえ準備とサプライチェーンの問題に悩まされている同機では理想的とは言えないかもしれない。ハリアーは、はるかにシンプルな機体で、ロジスティック・フットプリントも小さく、技術リスクもほとんどない。しかも、無料だ。米海兵隊は同型機を完全退役させ、部隊を約58機にまで絞り込む(2022年晩冬時点)。約半年で、完全になくなってしまう。しかも各機はアップグレードが施されており、最終的に現役を退くまで、さらにアップグレードが続けられる。現在、最前線のAV-8Bはすべてレーダー搭載のAV-8B+で、このレーダーは台湾にとって絶対的に重要な要素だ。

既存の52機のAV-8Bの平均機齢は23年。2022年海兵隊航空運行計画より

AV-8B+には、F/A-18A/Bホーネットから移植されたAN/APG-65レーダーが搭載されている。海兵隊のレーダー搭載機はイギリスのシーハリアーFA2に続いて、AIM-120 AMRAAMを搭載し飛行するようになった。現在のハリアーは、可視距離超えの空対空能力をしっかり備えた、真のマルチロール戦術機となっている。

 

2012年8月14日、フロリダの空で初めて運用されるAIM-120高性能中距離空対空ミサイルを撃つ海兵隊攻撃飛行隊214のAV-8Bハリアー(USMC)

しかし、AN/APG-65が就役して、レーダー技術は大きく進歩し、ハリアーに中古で購入した。現在は、AN/APG-65など一般的なレーダーを搭載する航空機向けに、プラグアンドプレイのAESA(Active Electronically Scanned Array)レーダー・ソリューションが提供されている。これには、レガシーホーネット用のAN/APG-79(V)4も含まれる。

 

 

USSマキンアイランドに搭載のAV-8Bハリアーで、AN/APG-65レーダーを前方に引き出し露出させているのが見える。 (USMC)

スーパーホーネットのAESAを少しスケールダウンしたものだが、AN/APG-79ファミリーの一員であり、常にアップグレードと強化が行われている。重要なことは、既存製品であるということだ。

ということで、何を言おうとしているのか、おわかりいただけると思う。

 

左:AMRAAMとサイドワインダーを搭載したAV-8B+。右:シー・ハリアーFA2。4連装のAMRAAMを搭載したシーハリアーFA2。 (Public Domain/RN)

航空機とサポートインフラの導入にかかる費用と、1機あたりレーダーのアップグレードにかかる数百万ドルで、台湾は、狭い土地で運用できる実績ある短距離離陸・垂直着陸機(STOVL)を手に入れ、最先端の空対空ミサイルを運用できるのだ。AESAレーダーは、より広い範囲、忠実度、高速スキャン、優れた信頼性、電子飽和の戦闘環境での優れた性能を提供し、電子攻撃や高速通信システムとしても機能できる。何よりも、AESAは巡航ミサイル、ドローン、ステルス機など、低空飛行でレーダー断面積の小さい標的の探知がはるかに優れている。そのため、防衛を任務とする米国の戦闘機部隊にはAESAレーダーが搭載され、その取り組みは現在、米空軍全体に広がっている。

巡航ミサイルによる台湾への脅威は、ドローンやステルス性の高い有人・無人航空機による脅威と同様、非常に大きい。AESA搭載のハリアーは、台湾の防空ニーズへ非常によく調整された能力を提供する。遠隔地への展開による生存能力があり、迅速に給油、再武装し、前方給油・給油ポイント(FARPs)から台湾の防衛に戻ることができる。

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海兵隊F/A-18Cに搭載されるAN/APG-79(V)4 AESA。 Raytheon

AESAレーダーは、ハリアー+のAN/APG-65レーダーセットの射程を超え、「ネットワーク化」されている新型AIM-120の利用もでき、第三者によるターゲティングなどあらゆる戦術を可能にする。小型の空対空ミサイルやレーザー誘導ロケットも開発中で、AESAレーダーならではの巡航ミサイルやドローンへの対抗能力を拡大できる。

レーダーの技術的なリスクはどうか?AESAレーダーは台湾のF-16Vにも搭載されおり、台湾向けの新造Block70にも搭載される予定なので、問題ないだろう。

AV-8Bは、対艦ミサイル、誘導爆弾、スタンドオフ兵器、各種近接航空支援兵器など、各種兵器を搭載でき、必要に応じ新型兵器を搭載することも可能だ。台湾の領空を守るのと同様に、水上軍艦、ひいては水陸両用攻撃からの防衛でも貴重な存在となり得る。台湾はAGM-84ハープーン対艦ミサイルで重武装しており、さらに多くのミサイルを搭載する予定だが、大型滑走路に依存する航空機は、戦闘が始まるとせいぜい1回以上配備できるかどうかだろう。

それは非常に疑問の残る提案だ。

 

レーザーおよびGPS誘導爆弾とLITENING照準ポッドを搭載した米海兵隊AV-8B+。 (U.S. Marine Corps photo by Lance Cpl. Becky Calhoun/Released)

一方、ハリアーは、短い滑走路や損傷を受けた飛行場でも活動可能だ。これで台湾が支配する離島を含む分散基地を活用したり、台湾の主要な空軍基地が損傷しても、強化された「ジェット洞窟」から運用を継続する場合に特に有効だ。

つまり、同機は中国へのワイルドカードとなる。ハリアーによって、台湾の固定翼機の作戦区域が閉鎖されても、中国は台湾の高速ジェット戦術航空戦力を消滅させることはできない。

AV-8Bは信頼性に欠け、老朽化しているとの指摘もある。現在の米軍AV-8Bハリアーは新しくないが、米軍の戦術機の基準からすると比較的若く、平均機齢は23年だ。それだけに、比較的信頼性の低い機体ではないことは確かだ。同機の任務遂行能力は、多くの戦術ジェット機、特にF-35Bを完全に凌駕している

 

USSペリリュー(LHA-5)の格納庫でAV-8Bハリアーの整備を行う海兵隊員。 (USMC)

2022年4月現在、ミッション対応ハリアーの稼働率は83%という驚異的な数字になっている。メンテナンスが必要なメカニカルスキャンアンテナがない新型AESAレーダーや、その他の古い部品があれば、数字はさらに上昇する可能性がある。すべてが台湾に利益をもたらす。

AIM-9MとAIM-120Bの捕獲訓練弾を搭載し、出撃準備をする米海兵隊のAV-8B+。 (U.S. Marine Corps photo by Cpl. Cody Rowe)

多くのハリアーが急速に退役し、さらに米国は英国のGR7/GR9ハリアー全機を予備として少額で手に入れているため、台湾は今後何年も同機を運用できるはずだ。しかし、台湾には優れた航空産業があり、ボーイングの協力を得て、維持問題を解決できる。そうすれば、台湾にとって産業面で非常に有益になる。また、台湾は米国のハリアーを無料で、あるいはほぼ名目だけの金額で手に入れることになる。台湾が負担しなければならないのは、アップグレード費用と、AV-8Bプログラムを確立する費用だけとなる。

最大の障害は、訓練だろう。台湾のハリアー乗組員を訓練するのは誰だろうか。

一定期間後は台湾で訓練できるはずだ。しかし、それは簡単ではないだろう。ハリアーは操縦が難しいことで有名だが、あるハリアーの教官パイロットによると、その他機材のパイロットを採用することで、訓練が容易になるという。スペインはハリアー運用を継続しており、台湾が何機購入するかによって、米国の余剰機が他の顧客に渡る可能性は大いにある。また、イタリアの機体もどこかに渡る可能性があり、ハリアーに関する国際協力がさらに進む可能性がある。実際、米国のハリアーは退役後に注目の的となると予想されており、トルコなどが興味を示している。

AV-8Bの亜音速性能と驚異的とは言えないドッグファイト能力は、非常に重要な注意点があるとはいえ、中国に対し不利になる場合もある。トレードオフは常にあるが、ヘルメット装着型キューイングシステム/ヘルメット装着型ディスプレイ、高オフボアサイト短距離空対空ミサイル、真のビヨンドレンジミサイル能力があれば、これは問題でなくなる。また、最高の状況認識を可能にするLink 16も拡張され、本格的に優位に立てるだろう。AV-8Bは退役するまでに、AIM-9XブロックIIサイドワインダーミサイルの発射能力とLink 16接続のアップグレードを受ける予定だ。ヘルメット装着型ディスプレイは台湾が注文しなければならないアップグレードだが、既製ソリューションもあり、強化されたLink 16と組み合わせれば、状況認識が格段に向上する。

F-16Vは高性能でとくに空対空戦で威力を発揮する。しかし、ハリアーが同じAESAレーダーを搭載することで、その優位性は狭まる。また、洞窟に閉じ込められ、出撃後に着陸できず、脆弱な滑走路で破壊されるなら、その能力にどんな意味があるのだろうか。

台湾が中国共産党に対抗するために、より高度な戦闘機を手に入れることは素晴らしいが、台湾の航空基地に対する脅威は、防空設備の強化以外何ら改善されていない。これは数字のゲームであり、中国はその計算方法を熟知している。北京が台湾の防空網を多方面から圧倒することは間違いない。

台湾は、滑走路に依存しない戦術ジェット機の必要性を否定しているようだが、中国はその見落としを利用し、その周辺にプレイブックを構築している。この方程式にハリアーを導入すれば、北京の戦争計画を複雑にし、戦術的な前提を覆すことになる。■

 

 

 

 

 

最新の地図ではないが、中国が台湾の航空兵力を無力化するために直面する目標が限定的なことを一般的に示している。台湾には飛行場がある離島もあり、中国のミサイル部隊の主要なターゲットとなる (Globalsecurity.org)

多かれ少なかれ、戦闘機と付随するすべてを台湾に提供し、訓練と後方支援によって部隊を立ち上げることには、米国に質的な限界があるかもしれないが、中国軍にとって侵略ができるだけ高くつくように、できることはすべて行うという強いメッセージを北京に送ることになる。また、ハリアーのアップグレードがいかに強力であろうと、中国が大規模エスカレーションを主張するのは難しくなろう。台湾の既存のF-16A/Bをアップグレードし、最終的にブロック70のF-16を購入する際にも、同じような外交的な枠組みが使われた。

 

揚陸強襲揚陸艦 USS キアサージ(LHD 3)艦内で、メンテナンス作業でAV-8B ハリアーからエンジンを吊り上げる海兵攻撃飛行隊(VMA)542 の隊員。 (U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 2nd Class Tom Gagnier/RELEASED)



台湾が戦術ジェット部隊を拡大する必要性は明らかであり、能力が不足し、サポートが非常に困難になった旧型ジェット機を処分する必要性も明らかだ。台湾に残る約25機の前線用F-5と45機のミラージュ2000-5が、最も顕著な例だ。こうした機体をハリアーに置き換えることで、台湾多様な能力を持つことになる。


少なくとも、ハリアーが米海兵隊運用で最終局面を迎えている今、台湾に最高の状態の機体を配備する考えを、慎重に検討すべきだろう。各機が入手可能であること、レーダーの大幅なアップグレードが容易であること、台湾の高速ジェット機の運用地域があらゆる方向からのPLAの猛攻に耐える可能性が極めて低いという厳しい現実と相まって、非常に魅力的なオプションとして真剣に検討されるべきだ。米海兵隊のハリアー完全廃止までまだ数年残っている。■


The Time For Taiwan To Adopt Surplus AV-8B Harriers Is Now

BYTYLER ROGOWAY| PUBLISHED OCT 6, 2022 3:19 PM

THE WAR ZONE


2022年10月7日金曜日

F-35でJ-20と遭遇した米空軍は同機をこのように評価している

 




 アメリカのF-35戦闘機は今年3月に太平洋上空で中国の第5世代機J-20と少なくとも1回接近遭遇したが、空軍関係者の反応はやや複雑だ。


太平洋空軍司令官は、戦闘機そのものは「眠れなくなるほどのものではない」としながらも、中国初のステルス機の運用について肯定的な見解を示した。

 太平洋空軍司令のケネス・ウィルスバック大将Gen. Kenneth Wilsbach は、ミッチェル航空宇宙研究所が3月にアップロードしたビデオで、「向こうがJ-20で何をするつもりなのかを語るのはやや時期尚早だ。

「しかし、向こうがかなりうまく操縦していることに気づいている。最近、東シナ海でF-35がJ-20も比較的接近し、交戦ではないものの、J-20に関連する指揮統制に比較的感銘を受けた事案が発生した」と述べた。


J-20 Mighty Dragon (Wikimedia Commons)


 2010年にロシアのSu-57フェロンが中国のJ-20を打ち負かしたにもかかわらず、ロシアの限られた防衛予算と苦しい経済のために、ステルス機プログラムの進展は遅く、何度も挫折している。その結果、2011年に初飛行した中国の成都J-20マイティドラゴンは、2017年にSu-57を3年の差で破り就航に成功した。それ以来、中国は150機ものステルス戦闘機を生産し、ロシアのSu-57の生産量を急速に追い越し、世界のステルス戦闘機で中国は堂々2位につけている。

 J-20のルーツは、1990年代後半に始まった中国のJ-XX計画にさかのぼる。F-22ラプターの初飛行から約11年後の2008年に、成都のプロジェクト718が、中国初のステルス戦闘機の基礎として前進することが決定された。ここで選ばれた設計は、2014年に大幅修正を経て、2017年に「戦闘準備完了」と宣言され、生産が開始されることになる。


F-35 (top), J-20 (bottom)


 中国製航空機多数と同様に、J-20はゼロから設計されたわけではない証拠がある。具体的には、アメリカのF-35とF-22プログラム、そして今は亡きロシアのMiG1.44である。しかし、MiGとの比較が主にデザインの類似性に基づいているのに対し、アメリカ製戦闘機との比較は、中国が両プログラムの大量の設計文書にアクセスしたことに基づいている。

 2014年8月、カナダ在住の中国人、スー・ビン(スティーブン・スーともよく名乗っていた)は、中国政府のためボーイングロッキード・マーチンといった米航空企業から63万点以上のファイルを盗むハッキング活動で逮捕されたが、証拠として提出された本人のメールによると「(中国は)アメリカのレベルに急速に追いつける...(そして)巨人の肩の上に容易に立てる」とあり、F-22とF-35の「青写真」などが、このハッキング活動により盗まれた。


Chengdu J-20 (Wikimedia Commons)


単座双発の中国の戦闘機は、F-22の44インチに少し及ばない42フィート以上の翼幅と、F-22の62インチよりかなり長い69フィート7インチの全長を持っている。中国は、WS-15と呼ばれる第5世代エンジンの整備に苦労している。このエンジンは、1基あたり推力約44,000ポンドを生み出すと予想されている。その結果、現在のJ-20の多くは、ロシア製のAL-31(推力33,000ポンド)か、より最近では、中国独自のWS-10Cを搭載し飛行している。


A pair of Chengdu J-20 Mighty Dragons (Wikimedia Commons)


 最高速度マッハ2、航続距離は1,100海里、航続可能距離は6万6,000フィートである。中・長距離ミサイルを4発搭載できるほか、胴体の左右にある小型の二次ベイに短距離空対空ミサイルを2発追加搭載できる。

 J-20はしばしばアメリカの制空戦闘機F-22ラプターと比較されるが、技術的に言えば、異なる役割を果たす設計だ。ラプターは常に空戦の支配すを目的としているが、J-20は敵地の奥深くまで飛び、F-35のような対地攻撃をめざしている。

 ウィルスバック大将は今月初め、報道陣に「心配するほどのことではない」と語った。「我々は彼らを注意深く観察し、彼らがどう感じ、どう運用するかを見ている」。


J-20 Mighty Dragon (Wikimedia Commons)


 中国は、F-22の空戦能力との差を埋めるため多大なエネルギーと資源を投入し、推力ベクトル制御などの新システムを組み込んで、よりダイナミックなドッグファイターに仕上げている。最近、J-20は空対空戦の役割を強調する演習で活用されている。中国は、同機をF-22やF-35のア米ステルス戦闘機への対抗手段として見なしているからだ。

 ウィルスバック大将によれば、「我々は比較的専門的に見ているが、あちらが(J-20で)何を意図しているかを正確に伝えるにのはまだ早すぎる、多任務をこなすF-35のようになるのか、空対地能力を持つ制空権戦闘機F-22のようになるのか」。

 J-20の空対空能力は、各種兵器システムによって強化されており、特に長距離空対空ミサイルPL-15で強化されている。PL-15はデュアルパルス固体燃料ロケットモーターによりマッハ4以上の速度を出すことができ、航空機、ドローン、巡航ミサイルと120マイルもの距離で交戦させることができると言われる。

 もちろん、その距離から実際に空中の目標に命中させるのは並大抵のことではない。PL-15は、高速移動するターゲットを監視するため、ミッドコースの双方向データリンクを利用し、中国の陜西KJ-500のような付近の指揮統制機からの最新情報で小型アクティブ電子スキャンアレイレーダーシーカーを補強する。

 「長距離空対空ミサイルの一部は、KJ-500によって支援されています。このキルチェーンを中断させることが大きな関心事です」。■


F-35s encountered China's J-20: Here's what the Air Force said about it - Sandboxx


Alex Hollings | October 4, 2022

Alex Hollings

Alex Hollings is a writer, dad, and Marine veteran who specializes in foreign policy and defense technology analysis. He holds a master’s degree in Communications from Southern New Hampshire University, as well as a bachelor’s degree in Corporate and Organizational Communications from Framingham State University.

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