2022年10月20日木曜日

ロシアはなぜ嘘を平気で言うのか。ウクライナを襲うイラン製無人機はロシア製といいはるため、銘板を追加している模様。

 

10月17日キーウ上空で撮影された無人機 SERGEI SUPINSKY/AFP via Getty Images; Insider


  • ロシアは火曜日、ウクライナ攻撃にイラン製自爆ドローンを投入していないと述べた

  • この主張は、写真証拠や米英両国の評価と矛盾する

  • 無人機は、戦場から遠く離れたウクライナ国内で民間人数名を殺害したと当局者は述べた



シアは火曜日、ウクライナ攻撃にイラン製「自爆無人機」を使用していないと疑義を否定した。

 プーチン大統領の報道官、ドミトリ・ペスコフは記者会見で、ロシアがイラン製装備を配備しているとの指摘を否定した。

 ロイター通信によると、ペスコフ報道官は、「ロシアの機器が使用されている」と述べた。「これ以上の質問はすべて国防省にしてほしい」と述べた。

 この主張は、月曜日の空爆の証拠や、アメリカやイギリスの情報機関の評価と食い違う。


ロシア無人機による攻撃中の様子(2022年10月17日、ウクライナ・キーウ)。 REUTERS/Roman Petushkov



キーウ上空の写真には、特徴的なデルタ翼のシャヘド136ドローンが標的に向かう様子が写っていた。前線から遠く離れた標的でもロシアはここ数日、優先的に攻撃している。

 AFP通信配信の印象的な写真では、攻撃する前に地上100フィートを飛ぶドローンが写っており、他の画像ではより遠くの景色が写っている。

A composite photo showing a drone in the sky in Kyiv and the aftermath of it hitting in Kyiv, Ukraine, on October 17, 2022.

ウクライナのキウで上空を飛ぶドローンと、その直撃の余波を示す合成写真(2022年10月17日撮影)。YASUYOSHI CHIBA/AFP via Getty Images; Insider


ホワイトハウスは昨日、使用された無人機はシャヘドShahed-136型であると発表した。また、イランがロシアに兵器を提供したのを否定しようとする努力を退け、イラン当局者が嘘をついていると直接非難した。

 国務省のベダント・パテル報道官は月曜日、ロシアの無人機操縦士はイランで訓練を受けていると述べた。英国国防省も、シャヘッド136ドローンがウクライナで使用されたと述べ、火曜日発表の評価でそのことを明らかにした。

 米情報当局は、イランがロシアに地対地ミサイルや無人機など、より多くの武器を送ることに同意したと、ワシントン・ポスト紙に語った。

 ロイター通信によると、ウクライナで発見された破壊された無人機には、Shahed-136ではなく Geran-2 というロシア名が付いており、ペスコフの「ロシア名」の機器が使用されているという主張を裏付けている。

 Insiderのジェイク・エプスタインが報じたように、無人機はシンプルで射程距離が長く、安価であるため、ロシアに魅力的な兵器だ。

 ただしドローンは低速低空飛行なので、比較的簡単に撃墜できる。

 しかし、ロシアは一度に無人機多数を送り込むことができるため、ウクライナ対応の選択肢は限られる。

 無人機は月曜日、キーウで民間人数名を殺害したという。

 ウクライナ大統領夫人オレナ・ゼレンスカOlena Zelenskaは月曜日、死亡者の1人を直接イラン無人機によるものとし、ヴィカという女性の写真を公表した。夫、胎児とドローン攻撃で死亡したという。

キーウ市長ヴィタリ・クリチコVitali Klitschkoは、月曜日の無人機攻撃で、瓦礫から見つかった高齢女性を含む5人が死亡したと述べている。

 EUはイランの関与を調査し、イラン軍がロシアを支援していると判明すれば、イランを制裁すると発表した。

 デンマークもイラン無人機が使用されたとし、外相は月曜日に次のように述べた。「イラン無人機がキーウの真ん中で攻撃に使われたようだ。これは残虐行為だ」。■


Russia denied using Iranian suicide drones to attack Ukraine, even though there are pictures of it

Kieran Corcoran and Sinéad Baker Oct 18, 2022, 9:56 PM


核兵器を戦場に投入すれば、ならず者国家が得をするだけだ。核兵器を使えない兵器にしておくために何が必要か。

 

Image: Creative Commons/YouTube Screenshot.

 

 

 

ロシアがウクライナで核兵器を使えば、ならず者国家の勝利だ


ウクライナ戦争におけるロシアのプーチン大統領の斜め上の核の脅しで、大きな不安が生じている。西側諸国との核衝突にエスカレートするとの見方が強い。ゼレンスキー大統領でさえ、この可能性は相当なものと考えている節がある。このような攻撃は、核兵器を保有する、あるいは保有を検討している弱小国に大きな影響を与えるだろう。ロシアが戦場での核兵器使用を常態化させれば、通常兵器で大きなハンディキャップを負う弱小国は、競合相手との競争条件を平等にするため、自国の核兵器を使用する機会を見いだすだろう。

 

プーチンが核兵器を使用する可能性は低い


核攻撃の「翌日」についてのシナリオは、将来の紛争にどのような影響を及ぼすかは、主要核保有国が使用にふみきるかにかかっている。ロシアはウクライナでこれに直面することはない。ウクライナで敗北し、プーチンが国家的・個人的屈辱を味わうことは、ロシア国家の完全性に対するウクライナの脅威と同じではない。プーチンが核を投入した場合、地政学的な反動は甚大なものになるだろう。

 また、ウクライナのどの対象が、それだけのリスクを冒すほど大規模で重要なのは不明だ。実際の紛争に影響を与えるには、前線近くの標的を攻撃する必要がある。その場合、ロシア軍自身が危険にさらされる。ウクライナ都市を大規模かつ戦略的に核攻撃することだけが、ウクライナを恐怖に陥れ、降伏させることにつながる。低収量核兵器使用であれば、ゼレンスキーはおそらく戦い続けるだろう。

 核兵器による大量殺戮(さつりく)作戦だけが、ウクライナ人を実際に降伏に追い込むことになるのではないか。

 

大国は核のタブーを好む


しかし、もしロシアがこのステップを踏めば、プーチンの「核のタブー」破りで他国が利益を得ることになる。

 ロシア自身は厳しいペナルティーを受ける。中国、インド、さらに第三世界の中立国は、ロシアから離れていくだろう。  NATOはほぼ間違いなく参戦し、ロシアが都市を核攻撃して何十万人もの市民を殺せば、ロシアと直接地上戦を行う可能性さえある。ロシアは世界経済の大部分から排除され、国民は世界中で社会不適合者になる。孤立は10年以上続くだろう。

 その他大国もタブーが破られて何もいいことはない。米国、中国、欧州の大国、日本など強国は、多くの目的で核兵器を必要としない。実際、核兵器を持つ目的はただ一つ、他国が自分たちに核兵器を使用するのを抑止するためである。(ドイツと日本は米国の「核の傘」の下にあり、米国から抑止力を「借りて」生活している)。このような兵器を保有することに、他の意味はない。

 大国は、その定義からして、強力な存在である。彼らは伝統的な紛争を合理的に戦い、勝利を望める。また、ベトナムやイラクにおけるアメリカの敗北のような事態を生き延び、次に進むことができるほど強力だ。通常型紛争が大国の存亡にかかわることはほとんどない。このため大国は核のタブーに満足している。核は、あらゆる種類の恐ろしいエスカレーションの可能性を傍観し、世界政治でのこれまでの支配を補強するからだ。

 

核のタブーが悪党や弱小国を罰する


対照的に、ロシアの核攻撃から最も恩恵を受けるのは、核兵器を持っている(あるいは持ちたい)脆弱国、具体的には、北朝鮮、パキスタン、イランの各国で、いずれも優位な相手と争いを続けている。

 南朝鮮は経済的にも軍事的にも北朝鮮を上回っており、米国の支援を受けており、国力の差は歴然としている。

 パキスタンはインドという巨大な挑戦者に直面しているパキスタンは軍事的に劣勢であり、政治的に混乱し、経済的に硬直した状態にある。

 イランはスンニ派が大半を占める地域のシーア派国家として、大規模な対抗連合に加え、イスラエルと米国の敵対心に直面している。

 こうした安全保障上のジレンマがある中で、北朝鮮とパキスタンは核兵器を開発し、イランもそれに近い状態にある。これらの強力な兵器は、これまでの不平等を均等化し、さらに相手国からの先制攻撃を抑止するのに役立つ。

 

核兵器の戦場使用でならず者国家が資する


核兵器が通常兵器並に使用できれば、ならず者国家の勝利を助けることにもなる。北朝鮮が南朝鮮の大部分を核攻撃できれば、米国の援軍が到着する前に、米国を戦略的に攻撃することなく、第二次朝鮮戦争に勝利する事態も考えられる。

 核のタブーはならず者国家に害を及ぼす。戦場で核兵器を使用する強力な阻害要因として作用するからだ。翌日に何が起こるか誰にもわからない。ならず者国家は比較的弱く、リスクを負いたくない。しかし、もしロシアが先に使用すれば、ロシアは(想定される大規模の)先発者ペナルティーを受けることになる。ロシアは戦場で核兵器使用を常態化させた国家となり、その状態をならず者国家が悪用する可能性がある。

 プーチンはこんなことは気にしていないのだろう。北朝鮮やイランの核開発計画に協力的でなく、ロシアの戦略的必要性から、ウクライナで核を投入するかどうかの決断を下すだろう。しかし、明後日には世界政治に多くの変化が起こる。その一つは、その他国も核兵器を使用する意志を強めていくことだ。その恩恵を最も受けるのは、世界の弱小核保有国なのだ。■

 

Rogue States Like North Korea Win if Putin Uses Nuclear Weapons in Ukraine - 19FortyFive

ByRobert Kelly

 

 

Expert Biography: Dr. Robert E. Kelly (@Robert_E_Kelly; RoberEdwinKelly.com) is a professor of international relations in the Department of Political Science at Pusan National University and 19FortyFive Contributing Editor.


速報 ウクライナ占領地に戒厳令を出したプーチンの狙いとは。ロシアにとって状況の悪化が止まらない

 

Russian President Putin. Image Credit: Creative Commons.

シアのプーチン大統領は、不法に併合したウクライナの4地方に戒厳令を布告した。対象はザポリージヤ県、ケルソン県、ルハンスクとドネツクのいわゆる「人民共和国」だ。なぜ戒厳令を発したのか、ここに来ての戒厳令は何を意味するのか?

なぜ戒厳令なのか?

最初の質問については、答えは明白だ。ロシアはウクライナとの戦争に負けつつある。2月24日に侵攻開始したが、ロシア軍は占領地から押し戻されている。特に、ドニプロ川西岸のケルソン県の一部では、ウクライナ軍が奪還を目前にしている観がある。ロシア行政官や市民は東岸の安全な場所へ集団避難を始めている。プーチンは、戒厳令を発令することで、ウクライナの進出を止める、あるいは遅らせ、ロシアがまだ占領している地域の支配を維持できると明らかに期待している。

戒厳令はどう役立つか

まず、ロシア軍が一貫して無能さを示してきた戦場の実情には、何の影響も与えないだろう。また、ロシアによるウクライナへの大量虐殺的な砲撃にも影響はない。戒厳令のねらいは、ロシア占領当局がすでに行っていることだ。反対意見や政治活動を取り締まり、戦争努力のため資源を動員し、大量虐殺を追求し、組織的なレイプを可能にする。国内外で違法行為を行うならず者国家では、戒厳令で現在進行中の抑圧的な手段を技術的に合法化しても、ほとんど意味がない。

しかし、戒厳令は当局が次の抑圧的・動員的措置を導入し、強化することを認めている。

1) 「経済的、社会的、文化的に重要な物」は移動可能で、民間人は 「安全な地域 」に再定住させることができる。ロシアは工場やプラントを解体しロシアに輸送し、ウクライナ人をロシアに移住させることで占領地の民族浄化を期待する

2)「市民」は、防衛支援や緊急時の支援などのため労働力として徴用される可能性がある。ロシア当局が路上で一般市民を拉致し、占領地の危険な分野で無報酬で働かせることができる

3)「組織や市民の財産」は、防衛上の必要性から「奪取」できる。占領当局は、手に入れられるものすべてを没収し、盗み、略奪できる。汚職や密輸が盛んになりそうだ

4) 住民は、「必要なときはいつでも」呼び止められ、検査される。民間人への嫌がらせが増加し、それによりロシアへの強制送還に同意する動機が強まると予想される

当然ながら、プーチンは上の評価に反対するだろう。逆に母なるロシアを守るため資源と人民を大量動員することが勝利につながると考えているのだろう。しかし、その可能性は、戦争末期にヒトラーのフォルクスシュトゥルム(老若男女を武装集団に動員した「人民の嵐」)が、東の赤軍と西の連合軍を阻止できたかを考えればよい。

これらの措置は、当局が急成長するウクライナの地下抵抗運動と戦うのに役立つだろうか。現存する抑圧的な手段を合法化する限りにおいてのみ有効、つまり、ノーだ。

最終的に言えば、戒厳令発動は、ウクライナ軍とウクライナ・ゲリラの阻止にほとんど役にも立たないだろう。プーチンの大量虐殺政策に法的な面影を与え、軍や秘密警察の取り巻きを潤すだけだ。その意味で、戒厳令はウクライナにおけるロシア支配の劣化を早める可能性もある。

バイデン大統領の評価が的を得ている。「プーチンは信じられないほど困難な状況に置かれているのだろう。そして、唯一の手段は、ウクライナ市民を残忍に扱い、脅しで屈服させようとすることのようだ。市民は屈しないでしょう」。

プーチンの絶望の高まりを見て、ウクライナ人が降伏を考えるだろうか?戒厳令により、ロシアと占領地への戦略を変更させるだろうか?もちろん、その可能性はない。■

Why Putin Declared Martial Law in Parts of Ukraine: Desperation - 19FortyFive

 

By Alexander Motyl

 

Dr. Alexander Motyl is a professor of political science at Rutgers-Newark. A specialist on Ukraine, Russia, and the USSR, and on nationalism, revolutions, empires, and theory, he is the author of 10 books of nonfiction, including Pidsumky imperii (2009); Puti imperii (2004); Imperial Ends: The Decay, Collapse, and Revival of Empires (2001); Revolutions, Nations, Empires: Conceptual Limits and Theoretical Possibilities (1999); Dilemmas of Independence: Ukraine after Totalitarianism (1993); and The Turn to the Right: The Ideological Origins and Development of Ukrainian Nationalism, 1919–1929 (1980); the editor of 15 volumes, including The Encyclopedia of Nationalism (2000) and The Holodomor Reader (2012); and a contributor of dozens of articles to academic and policy journals, newspaper op-ed pages, and magazines. He also has a weekly blog, “Ukraine’s Orange Blues.”


岸田首相は今週末オーストラリアを公式訪問。日豪防衛協定の改訂版の予想される中身とは。

 「改訂版宣言で新しく登場した2つの側面は、情報共有と相互運用性の向上です。後者はすでに進行中で、問題は何が新しくなったのか?もっと詳細が必要ですね」(日本アナリストのリッキー・カーステンRikki Kirsten)

2022年9月27日、赤坂御用地での会談を前に、オーストラリアのアンソニー・アルバネーゼ首相と写真撮影をする岸田文雄首相。(Hiro Komae - Pool/Getty Images)

田文雄首相は、2018年以来となる日本の首相の公式訪問でオーストラリアに金曜日到着する。岸田首相とオーストラリアのアントニー・アルバネーゼ首相は、地域における中国の侵略に対抗するため、両国関係を強化する新防衛協定に署名すると予想される。

すでに高度なまでに機密化された情報を共有しており、共同軍事作戦に取り組んでいるオーストラリアと日本は、在オーストラリア日本大使が「画期的な」協定と呼ぶ、10年にわたる米同盟としての2国関係を形成する協定を宣言すると予想がある。

しかし、日本の防衛専門家としてオーストラリアでトップの一人であるリッキー・カースティンは、この合意は事実上2007年の共同宣言を更新したものと指摘し、実質的というよりも粉飾に終わるかもしれないと述べた。「山神大使が言及した改訂版は、岸田外相の訪日を成功させるための事実上のアナウンスメントだ。両首相が改訂版の宣言文に署名すれば、見栄えがよくなる」とカーステンはブレイキング・ディフェンスに電子メールで語った。

新協定で実際に両国の防衛関係を前進させるものは何か。「改正版の宣言には、情報共有と相互運用性の向上の2点が新たに盛り込まれています。後者はすでに進行中なので、問題は、実際に何が新しくなったのか、ということだ。もっと詳細が必要」とカーステンは言う。「情報共有も同様で、すでに実施中であり、何が新しいのか?答えを知るためには、文章を見る必要がある」。

岸田首相は、パースで開催される日豪首脳会談のため、オーストラリアに10月22日に到着する。アルバネーゼ首相サイドは、「首脳会談では、防衛・安全保障パートナーシップの強化が検討され、両首脳は、作戦・演習能力を強化する相互アクセス協定の実施で次のステップを検討する」という声明を発表している。

声明では、「日本はオーストラリアにとって最も親しい友人の一つで、地域における重要なパートナーだ。両国の強固な関係は、特別戦略パートナーシップ、共通の価値観、さらに平和で安定し、気候変動に強く、繁栄するインド太平洋への共通の関心に支えられている」と述べている。

1月に両国が署名した特別条約により、両国の軍は互いの基地で訓練を行い、人道的任務で協力できるようになった。日豪協力の見通しは中国を明らかに悩ませている。中国の公式メディアは、地域の緊張を高めるとして、日豪間の緊密な関係を批判する声明をくりかえし発表している。

興味深いことに、アルバネーゼ事務所の声明の多くは、地域の重要課題であり、前政権とは対照的に労働党政権が最優先課題として掲げる気候変動に重点を置いている。スコット・モリソン政権は、安全保障上の問題として気候変動をしばしば無視した。ソロモン諸島が中国と安全保障協定を結んだ際も、そのことが問題になった。地域アナリストは、太平洋島嶼国が存亡の問題とみなす気候変動への対処をモリソン政権が拒否したことが、中国の誘いに乗る扉を開くのに重要な役割を果たしたと述べている。■

Is an ‘epoch-making’ agreement between Australia and Japan in the works?

By   COLIN CLARK

on October 19, 2022 at 3:13 PM

https://breakingdefense.com/2022/10/is-an-epoch-making-agreement-between-australia-and-japan-in-the-works/?_ga=2.16203071.889613123.1666172595-113529927.1666172595


イランがロシア向け弾道ミサイル売却を初めて認めた---ウクライナ戦の最新状況 現地時間10月18日現在

Iran State Media

イランはロシアに短距離弾道ミサイル、ドローンを追加売却する

 

イター通信は、イランの高官の発言を引用し、イラン当局が、数百発の短距離弾道ミサイル(SRBM)とドローンのロシア売却を初めて認めたと報じている。

イランはロシアへのミサイルと無人機売却について、明白な事実があるにもかかわらず、これまで否定してきた。

イラン外相ホセイン・アミラブドラヒアンHossein Amirabdollahianが「イラン・イスラム共和国はウクライナの戦争で使われるいかなる武器も提供しておらず、今後も提供しない」と述べたと、10月16日ワシントンポスト紙は報じた。

この取引は、ポストが最初に伝え、186マイルから435マイルの距離のターゲットを攻撃できるファテFateh-110とゾルファガルZolfaghar SRBMsを含んでいる。

イラン当局者は、短距離弾道ミサイル「Fateh 110」をロシアに売却すると認めた (Photo by Mohsen Shandiz/Corbis via Getty Images)

いずれのSRBMもイランは攻撃に使用した実績がある。

国際戦略研究所の不拡散・核政策ディレクターで元国連兵器査察官マイケル・エレマンMichael Ellemanによると、ゾルファーガルは2020年1月のイラクのアルアサド空軍基地への攻撃で使用された。この攻撃では100人以上の米軍兵士が外傷性脳障害を負った。  Fateh-110は、2022年3月のイラク・エルビルへの攻撃でイランが使用した。ゾルファガルは両方の作戦に先立ち、シリア標的の攻撃にも使用された。ともに高精度で非常に強力な打撃力がある。今月初め、各種弾道ミサイルや軍事用ドローンを製造するイランが、ロシアに弾道ミサイルを売り込むと予測したときに書いたことでもある。

イランで行われた年次軍事パレードで、地対地ミサイルファテ 110をパレードする軍用トラック。 (ATTA KENARE/AFP via Getty Images)

イランの安全保障関係者の1人はロイターに対し、「ロシアは、中距離ミサイルも含め、イランのミサイルを何百発も購入希望し、我々は、彼らの要求するゾルファーガルとファテ110短距離地対地ミサイルなら数百発、すぐに出荷できると伝えた」と述べた。「正確な時期は言えないが、すぐに、非常にすぐに、2~3回に分け出荷される」と述べた。

ロシアは、軍艦や潜水艦から発射できる長距離巡航ミサイル「カリブル」のような弾道ミサイルの在庫が不足しているようで、同じ3M14陸上攻撃ミサイルの派生型も地上発射可能であることから、今回の売却が行われた。ロシアの主力短距離弾道ミサイル「イスカンダルM」は核兵器運用へも転用できるが、侵攻初期に大量使用されたため、在庫が少なくなっているようだ。その戦力ダウンを補うのがイラン製ミサイルだ。

この合意はウクライナから非難を浴び、ドミトロ・クレバ外相は火曜日、イランとの外交関係断絶を求める提案をウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領に提出した。

ロイター通信によると、イランはロシアへのSRBM売却に10月6日に合意した。イランのモハンマド・モクベール第一副大統領First Vice President Mohammad Mokhber、イスラム革命防衛隊(IRGC)の高官2名、最高国家安全保障会議関係者が、月曜日にウクライナの都市に降下したShahed-136無人機の納入についてロシアと話し合うためモスクワを訪れたとき、であった。

「ロシア側は、より多くの無人機と、精度を向上させたイランの弾道ミサイル、特にファテとゾルファガルミサイルを要求していた」と、イラン外交官の一人がロイター通信に語った。

同イラン外交官は、こうした移転は2015年の国連安全保障理事会決議に違反しているという西側当局者の主張を否定した。

「どこで使われるかは、売り手の問題ではない 」と、同外交官はロイターに語った。「我々は西側諸国のようにウクライナ危機を利用していない。我々は外交的手段による危機の終結を望んでいる」。

イランが何を言おうと、イラン製無人機はウクライナの電力インフラ破壊に大きな役割を果たしている。ゼレンスキーによれば、ロシアの全面戦争の初期段階には行われなかった攻撃により電力インフラの約3分の1が損害を受けたという。

CNNは最近、ウクライナ南部で数週間前に捕獲されたイランのモハジャー6型無人機へ独占アクセスを得た。ロシアが「ロシア製兵器とロシア製番号」しか使っていないと主張するのは嘘であると改めて示された。

一方、ニューヨークタイムズによると、クリミアでIRGCの訓練生がすでに活動しているようだ。

最新情報

この24時間、戦場であまり動きがなかったようだ。ロシア国防省はテレグラム・チャンネルで、ハリコフ、ケルソンの両反攻作戦とドネツクでのウクライナ軍前進を阻止したと主張し、ウクライナ国防省はテレグラム・チャンネルで、ハリコフ、ドネツク、ルハンスクでのロシアの前進を阻止したと述べている。

しかし、ウクライナはハリコフで十分な領土を取り戻したので、Mi-8ヘリコプターを飛ばし、この地区の景観を提供できるようになった。

戦争研究所の指摘

戦争研究所は、今回の戦争に関する最新評価で、重要なポイントを数点挙げている。

  • ロシア側情報筋は、スバトベ北西部でのウクライナ反攻作戦の可能性を引き続き議論している

  • ロシア側情報筋は、ウクライナ軍がケルソン州で反攻作戦を展開中と主張し続け ている。

  • ロシア軍はドネツク州で地上攻撃を実施した

  • ウクライナ軍は10月16日と17日、ザポリージャ州のロシア軍の人員と装備の集積地へ攻撃を継続した

  • ロシア当局はザポリジャー原子力発電所(ZNPP)を完全掌握したままだ

  • モスクワ市当局は10月17日、同市内の一部動員の完了を発表した。これは、動員に関する報道に反対するモスクワ市民の批判を抑える措置とみられる

  • ロシアと占領行政当局は、ウクライナ人の強制退去とロシア人の再定住の口実として、ロシア占領地の住民に「休暇」プログラムを推進し続けている

 

ウクライナ、ロシア双方の軍トップの戦況把握にちがい

ウクライナ国防情報局の長官キーロ・ブダノフ少将Maj. Gen. Kyrylo Budanovは、今後の戦況について「大きな勝利が待っている」と大胆な予想をした。

ロシア軍の新司令官セルゲイ・スロヴィキン元帥は、双方にとって重要な戦略拠点であるケルソンの今後について、あまり楽観的でないようだ。

英国防相が急に訪米

プーチン大統領の核兵器使用の脅しを含むウクライナ情勢を受け、ベン・ウォレス英国国防相が急遽訪米した。国防総省は火曜日未明、ロイド・オースティン米国防長官との会談の読み上げを約束しており、それが提供された場合、この記事を更新する。

HIMARS増産へ。エストニアにも供給

ウクライナの戦場での成功の大きな要因に、M142高機動砲ロケットシステム(HIMARS)があり、米国はすでにウクライナに20基と、数量不明の誘導連装ロケット弾(GMLRS:Guided Multiple Launch Rocket System)を供与している。

HIMARSとGMLRS双方を製造するロッキード・マーチンは、HIMARS生産量を年間96個に増やすと10月18日発表した。

「6、7ヶ月前から東ヨーロッパで発生した事態を見て、私は国防総省高官を訪ね、手紙を渡し、HIMARS含む装備品について、生産能力を増強する、と伝えた」と、同社のジム・タイクレットJim TaicletCEOは火曜日の第3四半期決算説明会で投資機関に語った。

「そして多くのことを成し遂げました。特にHIMARSについては、リードタイムが長いサプライチェーン先と会い、年間96個まで増産する計画を立てています」。

タイクレットによると、ロッキード・マーチンは、契約締結前に「製造リードタイムを短縮するため6500万ドルを費やしていた」という。

HIMARSに興味を持つのはウクライナだけではない。

ロッキード・マーチンは生産ラインに「エストニア用の枠があることを確認した」と国防相のハノ・ペブクルHanno PevkurがPOLITICOに語っている。また、エストニアは7月に5億ドルで6システムを発注した。

POLITICOが報じたところによると、同社は米軍から、現在の年間生産量60機のHIMARSを倍増、もしくはそれ以上にする圧力を受けているという。

月産5台のHIMARSを8台に増やすことは大したことではないと思われるかもしれないが、増産は海外顧客が望むよりも時間がかかりそうだと、POLITICOは指摘している。

西側が提供のその他装備品

ウクライナに供給されているか、あるいは今後の供給が約束されている他の兵器システムもある。

スペインは、より近代的なドイツのBMPマーダーIFV40台を受け取った後、ソビエト時代のBMP-1歩兵戦闘車(IFV)40台をウクライナに送ると発表した。

ドイツ製のIRIS-T SLM防空システム4基のうち、最初の1基が10月11日到着して以来、ウクライナで有効に活用されている。

ウクライナのレズニコフ国防大臣は、ドイツのクリスティーヌ・ランブレヒト国防大臣を絶賛した。

フィンランドの軍事援助の一部が戦場に姿を現している。ウクライナ兵器トラッカーOSINTグループは、フィンランド製サーパレカシクラナアッティM50破片手榴弾の画像を表示した。

一方、ウクライナは兵器を国産開発しようとしており、ソフトウェア技術者であるロマン・キリリュクRoman Kyryliukは、同ドローンに自動小銃を搭載する装置の動画を投稿した。彼らは、シャヘッド136型ドローンへの対抗が目的だと主張しているが、これは物理法則の理解に疑問のある善意あるケースかもしれない。つまり、そんなことは不可能だ。

また、ウクライナ戦略通信部が引用したエルサレム・ポスト紙によると、ウクライナは、空中からの脅威の位置を特定するため民間監視人を利用する古い戦術を使っている。

ロシアのミサイルに応戦するウクライナ防空部隊

ロシアのミサイルとウクライナの防空戦は今朝も続き、ウクライナ兵器トラッカーOSINTグループは、ロシアのKh-101空中発射巡航ミサイルと思われるものをウクライナの防空隊が撃墜したとする映像を掲載した。

また、ウクライナはケルソン州のノヴァ・カホフカを攻撃している。

ウクライナ軍は、ピックアップの荷台に設置された40mmベルト式自動擲弾発射機Mk19を使用した。

OSINTグループ「ウクライナ兵器追跡」によると、ウクライナ軍はドネツク州でロシアのT-80BVM戦車をもう1台破壊した。

ロシアはウクライナに武器を提供し続けており、今回は120ミリ砲弾とその他の大量の弾薬を残したまま逃走した。

しかし、ウクライナも大きな損失を被っており、今回はT-72M1戦車とBMP-2 IFVが犠牲になった。

深刻な兵站問題があるものの、ロシア軍にはSteyr-Mannlicher SSG 08スナイパーライフルのような素晴らしい武器を持つものもいる。

しかし、すべてのロシア兵が優れた装備を持っているわけではない。動員予備兵は、明らかに第一次世界大戦の装備で戦場に現れている。

巨大貨物機An-225の全損を招いたアントノフの保安体制

世界最大の貨物機An-225(愛称:Mriya)の破壊は、内部犯行の可能性が出てきた。ウクライナSBUのセキュリティサービスによると、6発エンジン機を所有するアントノフは、ホストメル空港が攻撃された全面侵攻の最初の数日間、同機を救うための「適切な措置をとらなかった」とある。

キエフ・インディペンデント紙によると、ウクライナ保安局は「国営企業アントノフの無名の従業員が、ウクライナ当局による飛行場の対空および地上防御の編成を妨げた」と述べている。「これが2月27日にロシア軍による世界最大の貨物機AN-225 Mriyaの破壊につながった」。■


Ukraine Situation Report: Iranian Officials Admit To Selling Russia Ballistic Missiles

BYHOWARD ALTMAN|PUBLISHED OCT 18, 2022 9:07 PM

THE WAR ZONE


 

2022年10月19日水曜日

ロシア、中国ともにソフトパワーへの関心は低い。ソフトパワーがあれば日本は守れると主張するあれな政党の関係者に読んでもらいたいです。

 China

Image of Chinese JH-6 bombers on the ready. Image Credit: Creative Commons.

 

思議なことだ。今週のForeign Policyで、クリストファー・ウォーカーがロシアと中国が誰にも好かれない理由を説明し、プーチンや習近平が「ソフトパワー」の蓄積に関心を持っているのか疑問を呈している。ソフトパワーとは、名付け親のハーバード大学教授で元国防当局者のジョセフ・S・ナイ・ジュニアによれば、無形の文明的「魅力的な力」の意味だ。ソフトパワーを身につけた国は、その国が望むものを他者に求めさせることができる。その国の指導者は自国が支持する大義に他国を従わせることができる。

 好感を持たれれば、外交で大きな財産になる。

 ナイ教授は、ソフトパワーは「主に源泉三種類から生まれる。文化、民主主義や人権などの政治的価値(それらを支持する場合)、政策(他者の利益を意識して組み立てられているため正当と見なされる場合)」と断言している。もしそうなら、モスクワと北京は薄っぺらな場所に立っていることになる。文化は両国の専制君主制のすべてである。彼らの政治的価値観と政策は、国内では専制、国外では侵略に相当する。今こそ、他人が群がる旗印が必要だ。

 隣国を荒らすと脅すこと、あるいはロシアの場合は実際にそうすることで、同じようなクズと悪党の巣窟を越えてアピールすることはほとんどない。また、大部分が有益な世界秩序を転覆させようとしても、仲間意識が芽生えることはない。

 さらに、文化的な要素も疑わしい。中国やロシアに一定の文化的魅力があることは認めよう。しかし、彼らが享受している魅力は共産主義以前の時代に由来するものであり、最近あるいは現代の業績ではない。このように、遠い過去を引き合いに出すことで、マルクス・レーニン主義がいかに文化的に不毛な2つの由緒ある文明を残したかが浮き彫りになる。ロシア人は、ピョートル大帝やプーシキンなど、不滅の輝きを持つ文化人を呼び出すことができる。ロシアの歴史には、そうした人物はたくさんいる。中国は孔子や明時代の航海者鄭和を思い浮かべることができる。2008年の北京オリンピックで、古代の象徴として取り上げられた二人だ。

 しかし、これらの巨人は大昔の人である。共産主義になってから、両国は何をしたのか?ナイ教授の指標によれば、成果はない。外国人の目になにも映らないのも無理はない。

 また、地位がすぐに向上することもないだろう。海洋国家である中国にこだわると、中共が意識的に海上でのソフトパワーをめざした時代は以前にはなかった。中国政府は、海軍の増強に対する外国の懸念を和らげるために、鄭和Zheng Heを中国の海上権力者の顔にした。そして、その顔は魅力的である。15世紀、この明時代の提督は、世界最大かつ最も技術的に進んだ海軍を率い、東南アジアとインド洋にまたがる一連の「宝の航海」を行った。鄭和の冒険物語に匹敵する歴史的エピソードは皆無だ。

 その結果どうなったか。中国の報道関係者は、鄭和の宝船団は領土征服を行わなかったと指摘するのが常だった。15世紀の歴史から推測して、宝物航海は中国がそのような悪事を働けないと証明していると主張した。鄭の遺産は、海洋国家中国の本質を明らかにし、中国の海洋パワーには寛容さが備わっていることを示すというのが、公式見解だ。そうであれば、現代の中国は必然的に信頼できる大国に成長し、アジアの近隣諸国から領土を奪い取ることは考えられない。

 そのような中国の行動は、かつての略奪的な海洋帝国とは対照的で、歓迎すべきことだという論調だった。このソフトパワーを発揮した北京は、一定の評価を得た。しかし、10年ほど前、共産党の大物たちは、突然、自分たちの物語を捨て去った。ソフトパワーに関する中国の戦略論は、ナイ教授の優美な言葉でソフトパワーを定義することをやめ、武力の誇示で中国の近隣諸国を威圧し、服従させる能力として定義してきた。北京の海洋進出は、支配的な性格を帯びるようになり、賞賛や愛情を抱かせるより、恐怖心を煽ることを目指している。党のトップは、穏やかに話し、大きな棒を持つのではなく、ジャッカス外交を行うように指示した。

 党指導者は本気だった。中国の海上民兵、漁船団、沿岸警備隊は、正規の人民解放軍の海・空軍に支えられて、フィリピンからスカボローショールを奪い、南シナ海に対する中国の「議論の余地のない主権」を行使するキャンペーンを過剰に推進させた。技術部隊は島を拡大・製造し、地域海域を軍事化しないという上層部の厳粛な誓約にもかかわらず、人工島を要塞化した。

 こうした努力は、慎重に練り上げられた中国のストーリーと合致しない。予想通りの結果となった。ナイ教授が指摘するように、ソフトパワーを活用するには、自分自身で設定した基準に自分を合わせる必要がある。自らの名声に気を配ることだ。北京は、高い行動基準を設定することで、海外のオブザーバーに自国の行動を判断する基準を与えた。人々は、北京が基準を満たしていないことに気付き、不正行為を喜んでいるように見えた。彼らは忘れることはない。

 だから、クリストファー・ウォーカーの言うとおりだ。ショックなのは分かる。加害者、特にその加害を誇示する加害者を好きになる人はほとんどいない。しかし、北京とモスクワはもはや気にしていないようだ。■

 

Russia and China Don't Give a Damn About Soft Power - 19FortyFive



DR. JAMES HOLMES: THE NAVAL DIPLOMAT

ByJames Holmes

 

Dr. James Holmes is J. C. Wylie Chair of Maritime Strategy at the Naval War College and a Nonresident Fellow at the University of Georgia School of Public and International Affairs. The views voiced here are his alone.

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