2022年11月13日日曜日

ケルソン解放後の見通し。ロシアの報復攻撃は? ウクライナ戦の最新状況 現地時間11月12日現在

 


(Photo by GENYA SAVILOV/AFP via Getty Images


 

ウクライナはケルソン市解放に歓喜しているが、前途は危うい

 

 

クライナ国民は、ケルソン解放に歓喜し、ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は自らのテレグラムページで「歴史的な日」と呼んだ。

 

公式・非公式を問わず、ーシャルメディアアカウント多数が、勝利した軍隊に挨拶する住民の様子を撮影したビデオを投稿している。

 

ウクライナ国防省は、プーチン大統領とその軍隊がケルソンを失ったことを揶揄し、ロシアに「帰れ」と促している。

 

しかし、この重要な港湾都市と周辺で大きな危険が潜んでいる。東部では激しい戦闘があり、侵略者を排除すべき土地も多い。

 

ケルソン評議会副議長セリ・フランSerhii Khlanは、ウクライナ軍がケルソンに入った金曜日、自身のFacebookページで、「侵略者がケルソンに『驚き』を残す可能性がある」と述べている。「例えば、地雷が残っている。したがって、(ケルソン住民は)特に注意し、公式情報を待つ必要がある」。

 

ロシア国防省は、ドニプロ川西岸から約3万人を撤収させたと発表した。問題は、彼らがどうなるかだ。先月、ウクライナ国防情報局(GUR)の責任者キリーロ・ブダノフ少将 Maj. Gen. Kyrylo Budanovは、ケルソン守備部隊はロシアで最も優秀だとThe War Zoneに語っていた。

 

「最も訓練され、最も有能なロシア部隊がケルソンにいる」と彼は語っていた。「大部分は、ロシア連邦の空挺部隊、特殊作戦部隊、海軍の歩兵部隊で、ロシアが有する最も有能な部隊でグループの基幹を形成しています」。

 撤退後、部隊は「一部はザポリージャ方面に移動するが、一部は北上してベラルーシに移動し、そこで脅威となる可能性がある。だから、慎重にならざるを得ない」。

 

金曜日、ウクライナのオレクシイ・レズニコフOleksii Reznikov国防相は、ブダノフ少将のザポリージャ予測を支持し、部隊の一部が同地に移動する可能性があるとロイターに語った。

 

しかし、別の選択肢もある。ロシアはドネツクのバフムト市を奪おうと多大な努力を払っており、ルハンスクでは激しい戦闘が続いており、部隊の一部がそちらに移転する可能性がある。

 

 

ウクライナ方面軍司令官セルゲイ・スロヴィキン大将が、ある元ウクライナ国防相の提唱する避難勧告に応じたのは、そのためだったのかもしれない。

 

「スロヴィキンがプーチンにケルソン撤退のアイデアを現実的に売る唯一の方法は、東部での確実な成功を約束することだった」と、防衛戦略センター会長のアンドリー・ザゴロドヌクは大西洋評議会ブログで書いている。「したがって、ウクライナは今後数週間内にドンバス地方で大規模エスカレーションを覚悟すべきだ。ウクライナの民間インフラ空爆をロシアが拡大し、報復も予想される」。

 

ウクライナはクリミア奪還を視野に入れており、もしウクライナ軍がドニプロ川を渡れれば、すべてが変わるかもしれない。

 

ケルソンとドニプロ川西岸を占領したウクライナのHIMARSはクリミアを射程距離に入れ、2月24日以降に占領したケルソン南東部のウクライナ領のロシア軍大部分も射程距離に入る。

ケルソン市を占領したことで、ウクライナ軍はクリミアから約60マイルまで近づいた (Google Earth image)

 

 

最新情報

他の戦場では、激しい戦闘が続いている。ケルソン州とミコライフ州以外では、大きな領土の獲得や喪失はない。以下は、戦争研究所Institute for the Study of Warによる最新評価で判明した重要な点である。

 

  • ISWは、西側の誤った推測にもかかわらず、ウクライナ戦が冬の天候のため停止したり、膠着状態に陥ったりするとは見ていない

  • ウクライナが主導権を握っており、ケルソンで大きな勝利を収めている。停戦はクレムリンにとって、ロシア軍を再編成するため不可欠な小休止となる

  • ワグネルグループの財務担当者エフゲニー・プリゴジンは、サンクトペテルブルクでのワグナーグループの勧誘拡大で同市当局と紛糾中

  • ウクライナ空軍司令部のユーリー・イグナット報道官は、ロシア軍はウクライナのインフラに対する作戦のペースを落とす可能性が高いと述べた

  • ウクライナ軍は、スヴァトヴ-クレミンナ線での反攻作戦を継続中

  • ロシア軍は、Bakhmut、Avdiivka付近とドネツク西部で攻勢を継続中

  • ロシア軍はクリミアとウクライナ南部で第2要塞線の建設を開始した

  • ロシア市民は、抗議行動、ソーシャルメディア上の反対意見、軍からの脱走などを通じ、ロシアのウクライナでの戦争に反対し続けている

  • ロシアの動員でワグネルグループが人員を得ている

  • ロシア占領当局は、占領地の住民を動員しながら、ウクライナのナショナル・アイデンティティの浸食を続けている


ロシアの本格的な戦争は2月に始まったが、ウクライナとロシアは、モスクワが東部に侵攻し、クリミアを不法に併合した2014年から戦闘を続けている。

 

新しい研究では、「ウクライナの戦争被害地域外に住んでいる人よりも、戦争にさらされた青少年の方が、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、うつ病、不安症になりやすい」と示されている。トゥルク大学児童精神医学研究センターの研究は、「2014年のロシア・ウクライナ戦争が青少年のメンタルヘルスに与えた影響を調べた、標準測定法を用いた最大の疫学研究 」。

 

戦闘が続いても、両陣営は捕虜交換を行っている。今日も45人が自由になった。

 

イスラエルは、宿敵イランからの無人機流入に対抗するため、ウクライナに防空システムを提供しなかったことで多くの非難を浴びているが、ウクライナ兵器追跡OSINTグループは、このGAIA Amir MRAPのようなイスラエル製の軍用車両をケルソン州で初めて目撃したと指摘した。これらの車両がどのようにしてウクライナに持ち込まれたかはまだ分かっていない。

 

ウクライナ軍がケルソンへ反攻を進める中、以前の戦闘で破壊されたように、破壊されたロシアの軍事装備がさらに発見されている。そのひとつが、このTor-M1防空システム用9A331トランスポーターだ。

 

戦争は地獄であるだけでなく、どちらが本当の「ナチス」なのかをめぐるロシアの循環論議のように、奇怪なものとなっている。■

 

Ukraine Situation Report: What Comes Next After Kherson? | The Drive

BYHOWARD ALTMAN|PUBLISHED NOV 11, 2022 9:55 PM

THE WAR ZONE


速報 B-17Gが航空ショーで空中衝突、墜落。テキサス州ダラス

B-17 In Horrific Mid-Air Collision At Dallas Airshow (Updated)

Alan Wilson/Wikicommons

ダラスのオーククリフ地区で空中衝突で墜落事故が発生し地元当局が対応中

B-17フライング・フォートレスが、ダラス・エグゼクティブ空港で開催中の第二次世界大戦航空ショーで空中衝突を起こし、墜落した。

ビデオでは、単発機が飛行場上空を低空で通過した後、B-17の左翼後方から接近している。小型機は左旋回中にB-17の中央部に衝突しているようだ。

B-17は空中分解し、両機は火球のまま地面に激突したようだ。破片は近くのオーククリフ地区のハイウェイ67号線に落ちた。現時点では、両機が何人乗っていたかは分かっていない。

UPDATE

公式な確認ではないが、Evergreen Intelによる飛行追跡データで、2機はB-17 'Texas Raiders'(この記事のバナー画像)とP-63Kingcobraと判明した。

FAAはP-63が墜落に関与したと確認した。死者数は不明。

キングコブラの画像はこちら。

(Alan Wilson/Wikicommons)

 

B-17 In Horrific Mid-Air Collision At Dallas Airshow (Updated)

 

BYSTETSON PAYNE|PUBLISHED NOV 12, 2022 3:54 PM

THE WAR ZONE

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2022年11月12日土曜日

ウクライナがケルソン市街地を奪回。ロシア軍は混乱しながら撤退か。クレムリンは相変わらず偽情報をまき散らしている模様。ウクライナ戦の最新状況 現地時間11月11日時点。

 

via Twitter

 

ロシア占領下に置かれていた大都市ケルソンが、ウクライナ軍に奪還されたようだ

 

 

1918年に西部戦線で銃声が静まり返った「退役軍人の日」(休戦記念日)を記念した日、ウクライナ軍はケルソン市民に歓迎されており、同軍は今朝、市中心部に到達した。一方、ロシア軍は南部の戦略的地域から、夜になっても混乱したまま退却を続けている。クレムリンによると、ロシア軍は現在、同市から完全撤退した。ロシア軍は撤退の際、極めて重要なアントニフスキー橋も破壊し、複数橋脚を水中に落としたようだ。

 

ウクライナ国旗をパルチザンが一晩中ケルソン中心部に掲げ、ソーシャルメディアには、今朝、コラベルニ地区住民に迎えられたウクライナ軍の写真が投稿されている。ウクライナ軍による奪還作戦は、特殊部隊が先導したとの証言もある。

 

地元議会のメンバーがロイターに語ったところによると、正午までにウクライナ軍は市内の大半を制圧した。ウクライナ軍本隊は3方向に前進し、ケルソン市に向かいながら次々と村を解放した。

 

米国防総省のパトリック・S・ライダー報道官は、ケルソンについて次のような声明を発表した。

「報道を目にし、監視を続けている。しかし、ロシアがケルソン市近辺から撤退を続けていることは、ロシアの違法かついわれのない侵略の後、国を守り、主権領土を取り戻すため戦うウクライナ軍の粘り強さ、勇気、イニシアチブを証明している。金曜日の安全保障支援の発表で示したように、当方は同盟国協力国と密接に協力し、ウクライナに国民を守り、戦場での継続的な利益を可能にするため必要な安全保障支援を提供し続けている」。

 

ロシアの公式見解では、モスクワ時間午前5時までにケルソンからの撤退は「完了」し、部隊と装備はドニプロ川東岸に移されたとしている。ウクライナが圧力をかけ続ける中、ドニプロ川にかかる重要な橋や交差点が砲撃の標的になったとの証言もあるが、これは明らかに極めて疑わしい。

 

以前、ドニプロ川の西側とケルソン市周辺には、推定2万人のロシア軍が駐留していた。ウクライナ側の説明によると、木曜日の夕方までに、兵士の約半数が川を渡り避難した。その過程で溺死したロシア兵の報告もある。クレムリン側は、避難中に兵士は一人も死亡しておらず、装備の損失もないと主張している。目撃者の証言や現地の映像から、その可能性は極めて低いと思われる。

 

ウクライナのオレクシイ・レズニコフ国防相はロイターに対し、ケルソン地方のロシア軍の総数は4万人と述べた。さらに、ロシアが完全撤退を主張しているにもかかわらず、一部がまだ市内や周辺に残っていると付け加えた。一方、同市住民は、市内に残るロシア軍の捜索を続ける間は自宅待機を指示されている。

 

レズニコフは、部隊をすべて撤退させるには少なくとも1週間かかると見ており、ロシアが一部を近隣のザポリジャー地方に再配備する可能性を示唆した。

 

破損または破壊された交差点の中には、市とロシア支配の東岸を結ぶ唯一の道路交差点である重要なアントニフスキー橋とその下の橋脚、上流の鉄道橋がある。この橋は、今後ウクライナ軍が南岸に行く際に使用できないように、ロシア工兵が爆破した可能性が高い。

 

数ヶ月にわたるHIMARSの攻撃で、アントニフスキー橋は使用不能になっていたが、ウクライナは奪還後に修理し再び使用できるように、一部分だけ狙っていた。しかし、今回の被害は、そのような修理が不可能であることを意味する。

 

ドニプロ川に架かる鉄道の爆破を示す未確認映像は、ロシアの行為によるものとされるが、確認できていない。

 

同時に、負傷ロシア兵が捕虜になった、あるいは撤退する部隊に取り残されたという報告も多数ある。

 

少なくとも以前は、アントニフスキー橋より下流の橋が撤退ロシア軍によって使用され、歩兵の隊列が橋を渡り移動する映像が残っている。目撃者によると、夜間に大量の車両がドニプロ川を渡り避難したが、重機の撤退を阻止するために橋は使用されなかったようだ。

 

ロシア軍の混乱ぶりは、ある兵士がSNSに投稿した次のような言葉にも表れている。「やあ、みんな、僕は生きているよ」とその兵士は語り始めた。「なんて言ったらいいんだろう。私が言ってきたことはすべて起こってしまった。このことをボロジノ(1812年にナポレオンがロシアに侵攻した際の戦闘)と比較したり、何か正当化しようとする人には、くたばれとでも言っておけばいい。次はうまくいくと考えている人たちには、自分たちがくたばるように言ってください」。

 

「クリミアで要塞を掘っているが、ある部隊では、名前は伏せるが、最後の命令は、民間人の服に着替えて、好きなように失せろというものだった」。

 

テレグラムの親ロシア派のブログ「War Gonzo」は次のような見解を示している。「今更書くのもなんだが、この街を離れることになりそうだ。簡単に言えば、ケルソンは素手では持てないということだ」。「そう、これはロシア軍の歴史に残る黒ページだ。ロシア国家の。悲劇的なページだ」。

 

ロシア軍の他の証言によると、モスクワが水曜日に発表した撤退命令は、パニック状態を生んだようだ。ドニプロ川の東側でも部隊がウクライナの砲火にさらされる可能性がある懸念から、一部で煽られたようだ。

 

にもかかわらず、モスクワはケルソンでの敗北の重要性を軽視する動きを見せている。クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は、モスクワは引き続きケルソン地域全体をロシアの一部とみなしていると記者団に語った。ケルソン地域は9月にロシアに併合され、国際的な非難を浴びたが、その後の運勢にほとんど影響を与えなかったようである。クレムリン当局は、ウクライナ反攻を考慮し撤退を正当化し、自軍への補給と地盤固めのさらなる努力は「無益」と表現している。

 

クレムリンによる最新のレトリックはともかく、今回の撤退はプーチン大統領と約9カ月に及ぶウクライナでのいわゆる「特別軍事作戦」にとって大きな困惑以外の何物でもない。ケルソンはロシア軍が最初に占領した主要都市であり、ロシア軍の支配下にある唯一の地方都市だ。

 

明らかに、ウクライナはケルソン奪還を重要かつ象徴的な勝利とみなしている。ウクライナ国防大臣は、この進展により、次に来る攻撃のため自軍の再編成が可能になるとも述べている。

 

「冬は戦場であらゆる活動が鈍くなる...それはすべての側にとって有益である。休息を取ることができる」とロイター通信に語った。「我々は、再編成、リフレッシュ、ローテーションのたに、この時間を最大限に活用し、十分に準備するつもりだ」。

 

Update, 10:00 AM PST:  Maxar Technologiesの新しい衛星画像により、ドニプロ川に架かる道路橋と鉄道橋の被害状況をより深く理解できる。

 

2022年11月11日、ケルソン近郊にある破損したアントニフスキー橋の概観。. Imagery by Maxar Technologies

損傷したアントニフスキー橋の北側スパンと、その横にある仮設ポンツーン橋の近影。 Imagery by Maxar Technologies

 

アントニフスキー橋の南側スパンの近影。 Imagery by Maxar Technologies

 

ドニプロ川に架かる破壊された鉄道橋の全体像(本日撮影)。Imagery by Maxar Technologies

 

Ukraine Liberates Kherson, Antonivskyi Bridge Knocked Down In Russian Retreat (Updated)

 

BYTHOMAS NEWDICK|PUBLISHED NOV 11, 2022 

THE WAR ZONE

 


F-15Eのベテランパイロットが民間エアラインへ転職して6か月。改めて軍と民間の違いに気づく生の声をお聞きください。

 What It’s Really Like Going From Flying Air Force F-15s To Airline 737s

Jamie Hunter

F-15Eのベテランパイロットが、数十年にわたる戦闘飛行隊生活を離れ、航空会社へ転職してわかった難しさとやりがいについて語っている

 

長いキャリアを積んでから軍を退役するのは、大変だ。軍は生活の一部で、ある程度まで人生を支配する。軍隊でキャリアを積むと、離隊や退役は人生の大きなポイントになる。民間の世界はまったく異なる場所で、独自の新しい課題がある。

空軍で21年間、うち19年間をボーイングF-15Eストライクイーグルに搭乗した空軍の退役軍人にとって、退役のタイミングががまさにその時だった。ビル・ウーテン中佐(退役)は、2022年初頭に米空軍を退役した。ストライクイーグルのコックピットをボーイング737旅客機に替えた。「最も奇妙なことは、自分をビルだと紹介することなんです。20年間、空軍でコールサイン"ワイルド”で知られてきましたので」と彼はThe War Zoneに語っている。

Bill Wooten with F-15

 

第492戦闘航空団司令官時代にF-15Eを操縦したビル・ウーテン。Jamie Hunter

「ストライク・イーグルに19年間搭乗しました。空軍のコミュニティで過ごすには長い期間だった。退役して一番辛かったのは、戦闘機を長く飛ばしたことがある人なら同じだと思うが、飛ぶのが恋しくなったことですね」。

「ストライク・イーグルの操縦はどんな感じだったか、とよく聞かれた。初めての説明で、『最高だよ』とかなんとか言ったと思う。その後、実際に考えてみたので、次に聞かれたときは、実際にF-15を飛ばすとは考えず、どう使うかだけを考えている、と説明した。どうやって目標を定めるか、どうやって目標にたどり着くか、どんな戦術をとるか、そんなことばかり考えている。どうやって離着陸させるか、乱気流があったらどう乗るか、といった話は一切しない。エアラインでは、そのような話ばかりしている。まったく違う哲学なんです」。

ウートンは19年間ストライク・イーグルに乗務し、フロリダやネバダでのテスト飛行も経験した。アメリカ空軍でのキャリアの頂点は、イギリスのレイケンヒース空軍基地で第492戦闘機飛行隊「ボラーズ」を指揮したときだという。「あの仕事は2度、3度やり直したいと思うほどだ。若い人たちにジェット機の使い方や性能を最大限に引き出す方法を教えるのが好きなんです」。

 

492戦闘飛行隊がRAFレイケンヒース基地から帰国の途についた。2020年10月。同飛行隊はOperation Inherent Resolveの支援でイングランドに展開していた。U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Jessi Monte

指揮官と任務を終えたウートンは、ネバダ州ラスベガスのネリス空軍基地にある第53試験評価グループの副長に着任した。これが退役前で最後の仕事となった。ウートンの妻は、現在もアメリカ空軍で上級整備士として働いている。「でも、妻がいなかったら、空軍のイベントなんて聞いてなかったと思います。ウェポンスクールの卒業式が近いことがわかりますし、時期的にもそうなのですが、詳しいことは知りません。でも参加し続けることが大切なのです」。

ウータンは空軍を退役し、すぐ米国の大手航空会社で737パイロットとして働き始めた。「レイケンヒースでの司令部勤務の後、大佐に抜擢された。ワシントンDCかアラバマで1年間大学校に通い、その後2年間は幕僚の仕事をすることになっていただろう。私は、家族のためにもそろそろ引退して動き回るのはやめようと思っていたので、ネリスの副司令官のポストをお願いした。そうすれば、私はネリスで以前から所属していた第422試験評価飛行隊でストライク・イーグルの飛行に戻り、妻はネリスでの多忙な仕事に専念することができる。

「空軍はあなたからできる限りのことを引き出そうとします。航空会社に採用されるのは、応募書類や面接準備など、それだけでフルタイムの仕事になりますから。空軍での最後の数ヶ月は、ネリスで週40時間働き、さらに40時間を求職の準備に費やしていました。『コックピット・トゥ・コックピット』(Marc Himelhoch, USAF (Ret.) 中佐著)という本を読みましたが、そこには軍隊から旅客機のコックピットに移るためのヒントやコツが書かれていました。実際にやってみるまで、読んでいたことが信じられなかったよ!」。

アメリカ空軍は、TAP(Transition Assistance Program)と呼ばれるプログラムを運営している。国防総省が定めたもので、退役前半年から1年前に、退役者はこのプログラムに登録しなければならない。履歴書の書き方や面接の受け方など、民間人としての生活への心構えを学ぶ段階的なプログラムです。「パイロットとして航空会社に応募し、さらに自分でも受講していたので、簡単でした。でも、空軍は退役する人の準備をよくしてくれます。指揮官がTAPコース参加を許可しなければなりませんし、公平を期すため、退役することがわかると仕事のペースが下がる傾向にあります。私にとっては、最後の6カ月はかなり紳士的で、本当によくやってくれました」。

 

737の操縦は、同じ会社のストライク・イーグルと全く違う。Boeing

「ボーイングも素晴らしい会社です。教官をつけてくれて、訓練やシミュレーターで各段階の準備を手伝ってくれるんです。初めて737で着陸したとき、後ろに200人の乗客が座っている中で着陸したのは信じがたいことでした。私の教官は、どうだったかと尋ねてきました。「とても簡単です」と答えました。彼は私を不思議そうな顔で見ていた。私がやっているのは、空を飛ぶことだけです。離陸して、国中を飛び回り、着陸するだけです」と私は答えた。カップホルダーにコーヒーが置いてあるんだ。離陸して上昇し、1万フィートの高さでコーヒーを一口飲めるんだ。戦闘機の操縦とは全然違いますね。していることは、飛行し、最も安全で迅速な方法でA地点からB地点まで乗客を運ぶこと、そしてスムーズな旅を提供することだけを考えているのです。

「737のエイビオニクスについては、学ぶべきことがまだたくさんあります。常に正しいスイッチを押しているか確認し、新しい筋肉記憶を得ます。ストライク・イーグルでは、スロットルとスティックの操作に慣れましたが、どんな機体でも慣れるのに少し時間がかかります。飛行面での最大の変化は、今はただ飛行機を操縦することに集中していることです。

「軍から大企業に移ると、会社の政治や労働組合の要素も出てきます。空軍では、命令された場所に行き、命令された仕事をする。航空会社では、労働組合が『本日は仕事に行かない』と決めれば、それが現実となる。今の私には本当に奇妙なことですが、それが最終的にみんなのためになることは分かっています。ただ、私にとっては初めてのことで、その中で自分の役割を見つけなければならないのです。

 

ボーイング737のコックピット。 Roman Becker/EyeEm

「現在、主要な航空会社では、給与だけでなく、就業規則や報告時間、インセンティブなどに関する契約交渉中です。私は組合に入ったことがありません。しかし、労働組合のおかげで、私たちがいかに大きな声を持って強くなったかを知るために、見て、聞いて、すべてを学んでいます」。

入社して6カ月、ウータンは現在、予備パイロットとして座っている。これは、パイロットが11時間のコールアウトで出勤できることを意味する。この航空会社には、2時間半のコールアウトもあり、これはパイロットが「現場待機」となることを意味する。ウータンは説明する。「11時間のコールアウトを受けると、自宅のあるラスベガスで待機していれば、ロサンゼルス空港に到着するまでに十分な時間が確保できます。11時間出動であれば、ラスベガスの自宅で待機できます。でも、普段は家にいて、子どもたちを学校に送っていけるので、まったく別世界です」。

ウータンの会社のパイロットは、通常、リザーブに留まるか、ラインをキープするかのどちらかだ。後者は、パイロットが社内で上級になり、決まったスケジュールをこなせるようになると、いつ、どこに飛ぶかわかるようになる。しかし、若くてラインを持ち始めたばかりだと、連続フライトや週末勤務など、魅力的とはいえないスケジュールになる傾向がある。

一般的に、航空会社は、仕事で12日に相当する一か月80時間を飛べるパイロットを探しています。リザーブのパイロットは、通常、月あたり18シフトとなる。リザーブは、確実性が少なくなり、家族との生活を計画することが困難になる。しかし、リザーブパイロットは、誕生日や主要な祝日に、リザーブにならないように特定日に入札できる。つまり、誕生日や大型連休など、特定の日はリザーブに入れないようにできる。もし、パイロットがリザーブで電話がかかってこなかったら、スケジューリングシステムで空席を確認し、飛行することもできる。

「今月は、年長者ということもあってか、ラインを持つことができました。入社してまだ半年ですが、すでに1,200人のパイロットが入社しているので、十分な先輩です。でも、今の私にとってラインだと、週末も休日も全部取られてしまうので、不利になる可能性があります。空軍の良さは、家にいるときはだいたい家にいることです。飛行隊長でも、週末はたいてい家にいましたし、米空軍が長い連休になれば、それなりの日数が休みになりました。上級将校になると、30日の休暇を利用して、2週間も家を空けられました。私の休みは、たいてい家族の時間と重なっていました。

 

ウートンの元職場、第492戦闘飛行隊ストライク・イーグルのコックピット。 Jamie Hunter

「今は一週間家にいるので、子供たちを走らせたり、妻をサポートできます。でも、15日前まで自分のスケジュールがわからないんです。家族旅行も、ドライブも、ほとんど不可能ですね。入社1年経てば、休暇を申請できますが、夏休みは航空会社の一番のかき入れ時で、先輩たちはみんな休みを取りたがるので、おそらく全く無理でしょう。ジュニアパイロットが休暇を取るのはとても難しいんです。だから、全体的には家にいることが多くなったが、いつもタイミングがいいとは限らないんです」。

ウータンは自分のキャリアを振り返って、飛行隊での生活が最も懐かしいと言う。「共通の目標に向かう仲間意識が好きだった。ミッション・ブリーフィング、プランニング・テーブル、おしゃべり、ディブリーフィング、そしてそこから学ぶこと、さらにその後にビールを飲んで、飛行隊で一緒に過ごす。航空会社では、このようなことは絶対にありえません。

「あるフライトでは同じ機長と飛ぶが、その人とはその後一度も会わないこともあります。フライトの1時間前に会って、お互いのことを少し知り、興味あることを話し合います。3日間の往復で、一緒に食事することもあるでしょうが、それだけです。短い付き合いです。パイロットの多くは元軍人で、何をしたか、何が最新で最高だったかを話し合うことができますが、同じレベルの仲間意識は得られません」。

「特にテストの世界にいた私にとっては、新技術やジェット機の方向性をいつも話していました。それがとても懐かしいです。若い人たちに教え、その知識を伝え、次の世代に影響を与えること。同じような興味や航空教育を受けてきた人たちと一緒に過ごすこと。

 

南イギリス上空でF-15Eを操縦するウータン。Jamie Hunter

「来年の夏にはネリスから引っ越し、近くに飛行士がいなくなりそうです。銀行員や自動車販売員の隣りに住むことになるので、社交的な会話を大幅に増やさなければならない。でも、ウェポンスクール卒業式やパッチナイトでは、仲の良い友達と連絡を取り合いながら帰ってくる必要があります。その関係を継続させるのは、間違いなく私の役目だと思いますし、私のこれまでの知識で何らかの貢献ができればと思っています。航空会社の友人には、基地の周りで働いたり、さまざまな演習を手伝う副業をしている人がたくさんいます。そうすることで、みんなと仲良くなれると思うんです。

「軍を離れてからは、家族との時間が増え、子供たちと一緒に過ごすのが楽しくなりました。ストレスも減り、体を鍛える時間もたくさんあります。航空会社が与えてくれる新しい機会も、旅行の経験も大好きです...でも、私の心はいつも戦闘飛行隊にあります。■

 

What It's Really Like Going From Flying Air Force F-15s To Airline 737s

BYJAMIE HUNTER|PUBLISHED NOV 10, 2022 3:18 PM

THE WAR ZONE

 


2022年11月11日金曜日

ロシア空軍の戦績不調はISRを織り込んだ作戦、統合作戦に程遠い現状のためか ウクライナ戦

 

2020年10月5日、米中央軍責任地域上空で空中給油を終えた米空軍E-8C統合監視目標攻撃レーダーシステムが米空軍KC-135ストラトタンカーから遠ざかろうとしている。E-8CジョイントSTARSは、空中戦管理、指揮統制、情報、監視、偵察のプラットフォーム。 (U.S. Air Force photo by Senior Airman Duncan C. Bevan)



ウクライナで航空優勢を確保したいロシアだが、ISR支援をうけるべき攻撃で大きく失敗している



NATO高官がロシア航空戦力に厳しい判断を下しており、モスクワは同盟国に比べISR主導の攻撃能力が大幅に劣っており、情報データを活用する標的プロセスが不十分であると主張している。

 NATO連合航空軍副司令官を務める英空軍のジョニー・ストリンガー空軍中将Air Marshal Johnny Stringerは、英国の防衛・安全保障シンクタンク王立連合サービス研究所主催の11月3日講演で、ウクライナ戦争を評価した。

 2月に始まったロシアの不法な侵攻では、モスクワが一貫して航空優勢を達成できず、ウクライナの新たな抵抗がプーチン大統領に懸念を抱かせる兆候が強まり、消耗戦に移行している。

 イランのうろつき弾への新たな依存や、30万人の予備兵を徴兵し、訓練を受けないままの民間人を戦争に参加させる決定は、すべてプーチン側の絶望と軍事戦略の失敗の例として一般に見られている。

 また、オープンソース報告書やソーシャルメディア上で広く共有されているビデオには、ロシアのヘリコプターが至近距離や低高度で撃墜される様子が数々記録されており、ソ連時代の航空機は最新の防御装置を備えておらず、戦闘作戦には適さないことが示唆されている。

 ロシアのヘリコプターやミサイルが撃墜される映像に大衆が魅了されているにもかかわらず、ストリンガー中将はロシアのISR機材の性能不足に焦点を当て、標的の追尾捕捉の問題がここまでの侵攻で最も重要な側面の1つだと示している。

 「過去50年間の米国とNATO航空戦力の変革は、VKS(ロシア空軍)に匹敵するものがなく、ロシアはNATO空軍のISR主導の攻撃能力も、それを活用するためのターゲティングプロセスも持っていない」と述べた。

 さらに、NATOの資産のマルチドメイン統合が「我々の戦い方を支え続ける」とし、ウクライナ支援で同盟国による情報共有が「前例がない」レベルに達していることを示唆した。

 「プーチン軍が(ウクライナの)国境を越えて1時間以内に、NATOの東側フランクを保護し、保証するために、戦闘航空パトロールの計画的展開が送られた」とストリンガー中将は述べている。

 それ以来、NATOの抑止態勢を維持するため、航空パトロールが「調整」されていることを確認した。

 同盟と欧州空軍が考慮すべきその他の「教訓」に話を移すと、中将は、「500ドルの兵器付きドローン」から極超音速滑空機まで、これまでの紛争よりも幅広い「範囲」の脅威から防衛する必要があると話した。

 ストリンガー中将は、「脅威対象には、高性能の戦闘機、地対空ミサイルシステム、地上のレーダー、電子戦能力がある」と説明した。「20年にわたる対反乱戦を通じて、空と宇宙は争いのない安全環境と見なされていた。一時的とはいえ、歓迎すべき状態だったが、もはやそうではない」。

 また、武器がウクライナ軍の手に渡り、ロシアの標的を攻撃するために使用されるまでのスピードが異常に速いことも語った。

 この点について、ストリンガー中将は、米国のAGM-88高速放射線ミサイルがウクライナ空軍のMiG-29およびSu-27戦闘機への搭載を「8週間」で完了したという期間に特に言及した。

 またストリンガー中将は、イーロン・マスクの衛星サービス「スターリンク」の利用や、アプリによるC2およびISR能力を構築する「中小・大技術」の統合など、「集中イノベーション」アプローチが、ロシアに対抗するウクライナ軍の成功に大きく貢献していると述べた。■


Russia's air campaign hampered by poor ISR based strikes and target processing: NATO official - Breaking Defense

By   TIM MARTIN

on November 04, 2022