2022年11月15日火曜日

最強の水上艦艇は日本周辺に集中している

 The Top 10 Warships in the World

世界の軍艦トップ10には、韓国の世宗大王(KDX-III)級駆逐艦、アメリカのアーレイ・バーク級駆逐艦、あたご級駆逐艦、こんごう級駆逐艦、中国の052D型別名ウェストルーヤンIII級駆逐艦が含まれる。

Wikipedia

and advanced gas turbine propulsion systems.[iii]

世界の軍艦トップ10を正確にランキングするには、センサー統合とレーダー能力という目に見えない性能を測定する必要がある。

4隻のトップ艦で共通する戦闘システム

兵器システムとデザインの面で、数隻が際立っている。韓国の世宗大王(KDX-Ⅲ)級駆逐艦は、長距離巡航ミサイルを含む 128 発のミサイルを搭載する[i] 。 [あたご級駆逐艦やこんごう級を含む日本の艦艇は、3連装魚雷発射装置と先進的ガスタービン推進システムを備えていることが特徴だ[iii]。

JS Atago

JS Atago

Wikipedia

 

最も重要なことは、世宗大王級駆逐艦、アーレイ・バーク級駆逐艦、あたご級駆逐艦、こんごう級駆逐艦のすべてが多機能フェーズドアレイレーダー、統合射撃統制システム、次世代電子戦能力を備えていることだ。世界で最も先進的な4隻は、すべてイージス戦闘システムを採用している。

開発元のロッキード・マーチンによると、イージス戦闘システムは自動指揮統制(C2)システムである。主な機能は、弾道ミサイル防衛(BMD)、MK41垂直発射システム(VLS)、AN/SPY-1パッシブレーダー技術である[iv]。また、水上電子戦改善プログラム(SEWIP)の次世代電子戦(EW)機能も統合している。

各システムは個別に、艦艇の作戦能力を向上させる。イージス戦闘戦闘システムは、ネットワークと統合C2システム上でそれらを結合し、さらに効果的な艦艇を実現している。

Aegis Weapon System

Aegis Weapon System

Military.com

 

例えば、イージス艦のシステムの一部として、BMDシステムはAN/SPY-1レーダー、MH60Rヘリコプターをネットワークで結ぶぶ。レーダーシステムとヘリコプターは、感覚的・戦術的データを収集し、EW技術の迎撃能力と連携し、包括的な戦域画像を作成する。画像は、コマンド・ステーションと、対水上水上および対弾道ミサイル SM-3および SM-6を発射可能な MK 41 VLS 統合射撃統制システムで評価できる[v]。

AN/SPY-1レーダーは、それ自体が重要技術だ。このレーダーはパッシブフェーズドアレイレーダーで、集中送信機または固定アンテナで構成されている。送信機は、300MHzから300GHzの高周波信号を発生・増幅する管状真空管であるハイパワー・マイクロウェーブ・チューブで構成されている。これがビーム放射素子の電力を発生させる。各放射素子は電子制御のフェライトやダイオードの移相器により一定角度に移動できる[vi]。

このプロセスにより、アーレイ・バーク級駆逐艦に搭載のAN/SPY-1Dレーダーは、複数の方向に電磁ビームを投射でき、同時にターゲット数百個を追跡できると報告されている[vii]。

イージス統合EWシステムは、敵対的なレーダーや誘導ミサイルの信号検出と対策の両方を行う設計だ。世宗大王級駆逐艦は、SLQ-200K Sonata EW スイートを搭載し、広帯域信号、デジタル受信機と分析・識別機能を使い敵対活動を検出し、全方向妨害技術で対抗する[viii]。

上位4隻が重要な戦闘システム能力を共有していることを考えれば、ランク付けはどうなるだろうか?

1つの答えは、各艦がイージス戦闘システムを独自に変更していると思われる。しかし、技術面の詳細は機密事項だ。

電子情報システムが4隻で一定だと仮定すれば、火力はタイブレークになる可能性がある。

第3位は、あたご級駆逐艦だ。Mark 45 5インチ/62口径砲1門、対艦ミサイルSSM-1B対応のMark-141ミサイルランチャー2基、短距離ミサイルを無力化するMark-15ファランクス近接武器システム(CIWS)2基を搭載している。ただし、ヘリコプター格納庫は1つ、発射システムセルは96個しかない[ix]。

Arleigh-Burke South China Sea

Arleigh-Burke South China Sea

US Navy/Samuel Hardgrove / AFP - Getty Images

 

一方、2位のアーレイ・バーク級駆逐艦は、バージョンにより飛行甲板と格納庫のどちらかを装備することができる。またPhalanx CIWSを2基、Mark-141ミサイルランチャーを2基搭載する。ただし、ランチャーが発射するのはrGM-84ハープーンSSMミサイルで、日本の対艦ミサイルSSM-1Bより若干性能が劣ると言われる。

世宗大王はミサイル128基を搭載し、火力でトップである。CIWSは1基のみだが、RIM116ローリング・エアフレーム・ミサイル(RAM)、SSM-700K対艦ミサイル16基、格納庫スペース付きのヘリコプター2機を搭載できる[x]

052D型/ウェストルーヤンIII級駆逐艦。アクティブ・アレイ・レーダー技術

第5位は、中国の052D型またはウェストルーヤンIII型駆逐艦である。この艦の地対空、対艦、対潜、巡航ミサイルは32セルVLSから発射され、競合艦に比べ武装が小さい。しかし、この艦には高度戦闘システムも搭載されている。同艦の火力制限を克服するほど高度なものである可能性もある。

Type 052D destroyer

Type 052D destroyer

thaimilitaryandasianregion

052D型駆逐艦の戦闘システムは、H/LJG-346AドラゴンアイAESAレーダー、フェイズドアレイ火器管制、ハルマウントソナー、H/RJZ-726電子カウンターメジャーを統合したものである。また、他の艦艇とのネットワーク通信を可能にする中国のデータリンクシステム最新版も搭載していると考えられている。

AESAはその名の通り、アクティブレーダー技術で、アクティブレーダーは、パッシブアレイの最終段階である開口部のT/Rモジュールで送受信を行う技術である。アクティブレーダーは、電力損失の低減とともに、海上の小型移動目標をよりよく探知できる[xi]。

John Hopkins Applied Technical Digest に掲載された Ashok Agrawalらの調査結果によれば、アクティブレーダー技術の使用は、「波形の柔軟性が増すため、探知、追跡、目標識別、殺傷評価、ミサイル通信の複数の機能をより良く実行できる」[xii]とのことである。

有効ではあるが、イージス戦闘システムで使用されるパッシブレーダー技術は、大量のエネルギー損失をもたらす可能性がある送信ステップを経る。また、マイクロ波管はかなりの量のメンテナンスが必要になる。その結果、052D型駆逐艦は、能動レーダー技術のため、リストの第5位にはあまり長くなれないだろう。

あきづき級駆逐艦 イージスシステムに代わるもう一つの選択肢

日本のあきづき級駆逐艦は、052D型と同様の兵装を搭載している。ヘリ空母の護衛艦として設計され、地対空、対潜だけでなく、RIMシースパローミサイルに対応した32セルVLSを搭載している。特筆すべきは、巡航ミサイルが、あたご級が搭載しているものと同じ最新型のSSM-1Bミサイルであることだ[xiii]。

JS Akizuki (DD 115)

JS Akizuki (DD 115)

seaforces.org

あきづき級は、あたご級と異なり、イージス戦闘システムではなく、先進技術コマンドシステム(ATECS)を採用した。ATECSは複数の制御ユニットとサブシステムで構成され、3-FCS-3火器管制システム、統合対潜システム(AWSCS)、デジタル化されたNOLQ-3D ECM/ESM統合EWシステムなどの兵器システムからの情報を総合している[xiv]。

興味深いことに、中国の先進的なデータリンク技術は、052D型駆逐艦と他の艦艇を接続すると報告されているが、あきづき級は、Link 16(NATOデータリンク)とSATCOM端末を介しスーパーバード衛星にリンクする能力を含む分散データリンクとコンピューティングシステムがあると報告されている[xv]。

残る3隻 速度と遠距離レーダー

レースでは、イギリスのデアリング級/45型駆逐艦」が確実に勝つだろう。先進の統合電子推進(IEP)技術により、最高速度は時速50km程度。

 

 

Daring (Type 45) class Guided Missile Destroyer

Daring (Type 45) class Guided Missile Destroyer

thaimilitaryandasianregion.wordpress.com

中国の055型駆逐艦は、時速30kmと遠く及ばない。しかし、中国の346B型ドラゴンアイAESAレーダーシステムは、デアリング級駆逐艦のシーバイパー防空システムよりもずっと前に、水平線上を移動する敵対的な物体を検知できるだろう。

Type 055 guided-missile destroyer Nanchang

Type 055 guided-missile destroyer Nanchang

Twitter

一方、デアリング級駆逐艦のサンプソンまたは S1850M レーダーは、フランスのホライズン級のセレックス ES EMPAR フェーズドアレイ G バンド多目的レーダーより先に物体を探知するとされる。しかし、デアリング級が対艦ミサイル「ハープーン」を搭載するのに対し、ホライゾン級はフランスの次世代ミサイル「MM40エグゾセ」に対応し、セレックスの射撃指揮レーダーと互換性のある自動射撃管制システムを搭載している[xvi]。

あきづき級と同様に、デアリング級は他の艦艇と同様に人工衛星とのデータリンクを確立することができる。しかし、055型駆逐艦のHHQ 9地対空ミサイルの互換性は、ウォリアーが以前報告した中国の全体的な質的近代化努力の一部である先進のHHQ-16ミサイルもすぐに搭載できることを意味している[xvii]。

軍艦の未来は電子パワーか火力か

答えは簡単で、両方である。リストの上位にある軍艦は、高度な戦闘システムと大容量の兵器庫を備えている。イージス艦やドラゴンアイなどの戦闘システムは、電子的に統合されたフェーズドアレイレーダー、トーデッドアレイレーダー、ソナー、火器管制システムなどを備えている。さらなる技術的進歩は、おそらくドラゴンアイ・システムのアクティブ・レーダー技術に類似し、複数の海軍および非海軍プラットフォームにわたって安全なデータリンクを統合することになる。

しかし、EWシステムが、おそらく明日の軍艦にとって最も重要な技術であろう。ネットワーク統合が進めば進むほど、電子攻撃に対する脆弱性は増していく。敵対的な電子的活動を検知し、防御することがますます重要になるため、海戦は電波の世界へと移行していくだろう。■

The Top 10 Warships in the World - Warrior 

KATHERINE OWENS - WARRIOR MAVEN FELLOW

NOV 4, 2022

 

Katherine Owens is an Editorial Fellow at Warrior Maven. She previously wrote for Defense Systems and holds a B.A. in International Affairs from the George Washington University, where she studied security policy and specialized in arms control and nuclear deterrence. Katherine has received an M.A. in Political Science and International Relations from Columbia University's Graduate School of Arts and Sciences.

By Katherine Owens -- Warrior Maven Editorial Fellow

By Katherine Owens -- Warrior Maven Editorial Fellow

 

[i] “Most Powerful Warship in the World.” Spotlight. October 29, 2021.

[ii] “Most Powerful Warship in the World.” October 29, 2021.

[iii] “Most Powerful Warship in the World.” October 29, 2021.

[iv] “Aegis: The Shield and the Spear of the Fleet.” Lockheed Martin. 2022. https://www.lockheedmartin.com/en-us/products/aegis-combat-system.html.

[v] “Aegis: The Shield and the Spear of the Fleet.” 2022.

[vi] Agrawal, Ashok K., Kopp, Bruce A., Luesse Mark H., O’Haver Kenneth W. “Active Phased Array Antenna Development for Modern Shipboard Radar Systems.” Johns Hopkins APL Technical Digest. 22, 4. 2001.

[vii] “Top 10 Destroyers.” Military Today. Accessed August 13, 2022. http://www.military-today.com/navy/top_10_destroyers.htm.

[viii] “Electronic Warfare.” LIG Nex 1. Accessed August 13, 2022. https://www.lignex1.com/web/eng/product/product.do?category=05&part=01&model=02.

[ix] “King Sejong the Great class (KDX-III Guided Missile Destroyer.” Seaforces Naval Information. https://www.seaforces.org/marint/Republic-Korea-Navy/Destroyer/Sejong-the-Great-class.htm.

[x] “Top 10 Destroyers.” Accessed August 13, 2022

[xi] Agrawal, Ashok K., et. al. 2001.

[xii] Agrawal, Ashok K., et. al. 2001.

[xiii] “Most Powerful Warship in the World.” October 29, 2021.

[xiv] “Advanced Technology Command System (ATECS).” Nihonkoku Shoukan Wiki. https://nihonkoku-shoukan.fandom.com/wiki/Advanced_Technology_Command_System_(ATECS).

[xv] “Advanced Technology Command System (ATECS).”

[xvi] “Exocet MM40 Block 3.” MBDA Missile Systesm. Accessed August 13, 2022. https://www.mbda-systems.com/product/exocet-mm40-block3/.

[xvii] Osborn, Kris. “China Modernizes its Destroyers with Missile Systems & Radar Technologies.” Warrior Maven. https://warriormaven.com/china/china-navy-destroyers-missile-systems-radar-technologies-sovremenny-class-destroyer


中国の「ステルス」H-20は誇大宣伝? B-21登場に合わせ公開してもおかしくないが、戦略バランス変更が一夜で生まれるわけではない。

 

H-20 Stealth Bomber. Image Credit: Artist Rendering Chinese Internet.

 

防総省高官は、中国の新型ステルス爆撃機H-20が「まもなく」発表される可能性があるのか懐疑的だ。サウスチャイナ・モーニングポストが「軍事関係者」を引用して報じたところによると、近いうちに米軍に脅威になるという。実際、米国防総省当局者は、長期的に同爆撃機が懸念対象になると対象になると見ているが、少なくとも19FortyFiveに語った米国防当局者は、中国の新しいステルス爆撃機で今後数年間のアジアの戦略的バランスが変わることはないと主張している。

 

 

H-20ステルス爆撃機へのペンタゴンの意見

我々は、中国がテスト、デビュー、再びテストし、これまでの主要「ステルス」航空ハードウェアで生産するのに時間がどれだけかかった忘れがちだ。J-20ステルス戦闘機の例をあげあげ、米国防総省高官は、説明している。「そう、中国は、何年も前から話題になっているH-20ステルス爆撃機を一般にまもなく公開する可能性は大いにある。しかし、戦闘配備を整えるのはまた別の話だ。それは何年も先の話だ」。

 別の国防総省高官も同じ考えだ。「中国はステルス技術の開発と配備に関して、米国とロシアを真似る夢を持っている。ステルス爆撃機があれば、空軍はより強力になるので、彼らはステルス爆撃機を持つと思う。しかし、アジアでの現状を変えるにはかなりの年月がかかるため、誇大宣伝には慎重であるべきだ」。

 

中国の言い分

最近の報道では、来月公開デビューするB-21レイダー・ステルス爆撃機への対抗策されるH-20ステルス爆撃機が、「まもなく登場する」と主張している。サウスチャイナ・モーニングポストの報道は、一人の「軍関係者」に基づいており、奇妙なことに、他の識別情報は引用されていない。この謎の関係者は、「同機は導入の準備ができており、適切なタイミングを選ぶだけの問題だ」と説明している。

 

専門家:H-20には疑問が多い

19FortyFiveがH-20についてコメントを求めた専門家は、国防総省報告書に引用された5,200マイルの航続距離と、通常攻撃と核精密攻撃に使用できること以上に、このステルス爆撃機についてほとんどわかっていることはないという事実を指摘している。「現時点では、H-20について経験に基づき推測はできる。しかし、我々が知りたいのは、中国が爆撃機を何機作るつもりなのか、アメリカとの同盟国がアジア全域で運用する探知能力に対してステルス性があるのか、古いB-2スピリッツや新しいB-21と比べどれだけ進歩しているのかということだ」と、19FortyFiveに日本の情報部員が説明してくれた。「これらの重要な詳細が判明するまで、我々は推測を続けることになるだろう。しかし、いくつかの答えを得るでしょう - 多分かなり近いうちに」。

 

中国のH-20ステルス爆撃機のアーティスト・レンダリング。画像出典:中国のインターネット。

 

B-21発表への反動か?

一部専門家は、米空軍が12月2日に新型ステルス爆撃機B-21レイダーを発表するのを指摘し、中国はH-20を活用して、自国軍が空において技術的にアメリカに追いつき、追い越すことができるというシナリオを維持したいと考えているという。日本の防衛省幹部は、「中国のメディアで何年も噂されていたH-20が突然デビューする準備が整ったという報道は、かなり奇妙です。出遅れたくないというのが私の直感だ」と説明する。「12月2日以前のある朝、中国がH-20を見せてきても、驚かないだろう。少しもショックを受けないだろう」。■

 

China's H-20 Stealth Bomber "Years" Away From Becoming Threat: U.S. Defense Officials - 19FortyFive

ByHarry KazianisPublished8 hours ago

 

WRITTEN BYHarry Kazianis

Harry J. Kazianis (@Grecianformula) serves as President and CEO of Rogue States Project, a bipartisan national security think tank. He has held senior positions at the Center for the National Interest, the Heritage Foundation, the Potomac Foundation, and many other think tanks and academic institutions focused on defense issues. He served on the Russia task force for U.S. Presidental Candidate Senator Ted Cruz, and in a similar task force in the John Hay Initiative. His ideas have been published in the New York Times, Washington Post, Wall Street Journal, Newsweek, CNN, CNBC, and many other outlets across the political spectrum. He holds a graduate degree focusing on International Relations from Harvard University and is the author of the book The Tao of A2/AD, a study of Chinese military modernization. Kazianis also has a background in defense journalism, having served as Editor-In-Chief at The Diplomat and Executive Editor for the National Interest.


2022年11月14日月曜日

極秘無人宇宙機X-37Bが908日ぶりに地上へ帰還した。

 

NASAケネディ宇宙センターのシャトル着陸施設に帰還したX-37B (Space Force)

(Space Force)

 

 

OTV-6の着陸は、一連のソニックブームを生んだ

 

 

宙軍のハイテク無人宇宙機が地上に帰ってきた。X-37Bは今朝、東部時間午前5時22分過ぎにNASAのケネディ宇宙センター・シャトル着陸施設に帰還し、908日間に及ぶ軌道上での飛行記録を終了した。

 

スペース・フォースが公式に帰還を発表する前、フロリダ州全域で朝からソニックブームが連続したため、空を見ていた人々は同機が地球に戻ってきたと推測していた。宇宙軍公開の写真には、防護服を着た要員が全長30フィートの機体を点検し、移動させている様子が写っている。これは、X-37Bの宇宙ミッションの6番目であり、Orbital Test Vehicle-6またはOTV6と呼ばれている。

 

このミッションは2020年5月17日にアトラスVロケットで打ち上げられた。軌道上で780日間を過ごした、これまでの記録的なOTV-5よりも4カ月近く長かった。再利用型宇宙機の正確な目的は、各ミッションの予定期間と同様に伏せられているが、フライトのたびに軌道滞在期間が前回を上回っている。

 

また、このミッションでは、宇宙へ持ち込んだ機器の最多記録を更新した。6回目のミッションで注目すべきはサービスモジュールで、X-37Bの性能を拡大した。宇宙軍は、OTV-6に搭載された実験や機器の全リストを公開していないが、各種素材への放射線の影響や、宇宙が種子に与える影響などの2つのテストが含まれていた。また、OTV-6は、米空軍士官学校が作成した衛星FalconSat-8を軌道に投入した。

 

空軍省のX-37Bプログラム・ディレクター、ジョセフ・フリッチェン中佐Lt. Col. Joseph Fritschenは、「X-37Bは、政府および業界の精鋭チームが裏方となり、実験の限界を押し広げ続けている」と声明で述べた。「軌道上で実験を行い、それを安全に持ち帰り地上で詳細な分析を行う能力は、空軍と科学界にとって貴重であることが証明されています。OTV-6ではサービスモジュールが追加され、これまで以上に多くの実験を実施できるようになりました」。

 

そのサービスモジュールは、機体が意図したとおりに再突入するために、再突入前にX-37Bから切り離された。宇宙軍によると、これは今後数週間のうちに「廃棄」される予定です。フランク・ケンドール空軍長官は、このミッションに関するコメントで、中国のロケットデブリに関する政策を批判したようだ。

 

ケンドール長官は声明で、「サービスモジュールの廃棄を含め、(軌道上での)作業を慎重に行うことは、安全で責任ある宇宙活動への米国のコミットメントを示すものであり、増加しつつある軌道上の破片の問題は世界の宇宙活動に影響を及ぼす恐れがある」と述べた。

 

中国の長征5Bロケットは、ブースターなどの破片が、人口密集地から遠ざける措置を取らず地球に落下している。まだ負傷者は出ていないが、破片はマレーシアやフィリピンを直撃している。NASAのビル・ネルソン長官は、軌道データを共有しない中国が「不必要なリスク」を冒していると述べた。

 

2019年末に結成され、空軍からX-37Bプログラムを引き継いだ宇宙軍は、宇宙機の7回目ミッションの予定をまだ立てていない。■

 

 

 

Space Force's secretive space plane is back on Earth after a record 908 days in orbit

BY NICHOLAS SLAYTON | PUBLISHED NOV 12, 2022 


イラン核武装を絶対容認できないイスラエルが次にとる行動とは。イスラエルの戦略文化とは。

F-35I Adir Israel

F-35I Adir. Image Credit: IDF Air Force.

 略的文化の枠組みは、厳しい議論を経て、いまも健在である。グレイの戦略的文化を文脈として採用すれば、イラン核協定の可能性に向けた現在のイスラエルのアプローチが生きた適用例となる。イスラエルのヤイール・ラピドYair Lapid首相が最近の国連総会で述べた声明に示されている。「核兵器を持てば、イランはそれを使うだろう...わが国はわれわれを滅ぼそうとする勢力に対し手ぶらではいられない。今日のユダヤ人には国家がある」。

この発言はイスラエルの戦略文化の特徴を反映している。すなわち、脅威の具体化を防ぐこと、脅威評価において敵の能力と意図を収束させること、ホロコーストを念頭に置き「二度と起こさせない」アプローチ、すべて失敗した場合の独自の軍事行動への依存、例外主義などだ。

米国はイスラエルと同様、イラン核武装を阻止することをめざしている。しかし、そのための手段については、イスラエルと考えが異なる。これは安全保障上の利害の違いであると同時に、戦略文化の衝突でもある。

イスラエルの戦略文化を理解することが、イスラエルの政策、戦略、作戦を理解する上で非常に重要なのだ。

核協定とイスラエルの戦略文化

イスラエルはイランとの新たな核合意に署名することを思いとどまるよう、主に欧米諸国に質の高い情報に裏打ちされた公開キャンペーンを展開している。首相、国防相、モサド長官、国家安全保障顧問など、イスラエル高官は最近、このキャンペーン推進のため相次いで訪米している。

また、イスラエルは米国との協力関係を強化し、万が一協定が結ばれても、イランに対する行動の自由を保持すると強調している。イランへの秘密行動もイスラエルによるものとされている。さらに、イスラエルはイランに包括的に関与しようと、イランの悪意ある活動を公にし続けており、イランの地域的影響力に対抗した「影の戦争」を展開しているとされる。

イスラエル首相は、先ほどの国連総会での演説で、「イラン政権が核兵器を持てば、それを使うだろう」と主張した。これは、敵対国の能力と意図を収斂させようとするイスラエルの傾向を反映している。この傾向は、1979 年の時点でブースが述べており、民族中心主義が脅威評価における能力の過大 評価を招く可能性があると主張している。

その意味で、イスラエルはイランの戦略や意思決定だけでなく、イランの文化も理解していると考える傾向がある(例えば、イスラエルは1979年イスラム革命に至る社会の激変を西側諸国より認識していた)。このようなイスラエルの目に映る内容は、西側諸国にはないものだ。イスラエル首相が最近、国連加盟国を非難したのが一例だ。「何を恐れているのだ?人類の歴史の中で、沈黙が暴力を止めたという前例があっただろうか」。

このイスラエルの論理によれば、予防が必須だ。国際的な支援の有無と無関係に。たとえ大きなリスクを伴うとしてもだ。これもイスラエルの戦略文化の典型的な特徴である。1981年にイラク核施設を攻撃し、2007年にシリア核施設を攻撃した際に行使された「ベギン・ドクトリン」がこれを端的に示している。

歴史をさかのぼれば、1967年の六日間戦争におけるイスラエルの先制攻撃も、予防論理と行動の自由を守る主張が根底にあったのかもしれない。例えば、2010年代初頭から行われているイスラエルの「戦間キャンペーン」は、当初はレバノンのヒズボラへの最新兵器の移送を阻止するのが目的だったが、イランの影響力を制限するキャンペーンに発展している。

ホロコーストへの言及は、イスラエルの戦略的文化のもう一つの側面であり、イランへのアプローチにも現れている。ラピド首相は国連演説で、次のよう述べた。「今回、われわれは、われわれを滅ぼそうとする者たちに対して、手ぶらで立ち向かうのではない。ユダヤ人は今日、国家を持っている。軍隊もある。必要なことは何でもする。イランが核兵器を持つことはない」。「二度とさせない」という論理がはっきり浮かび上がっている。さらに、イスラエル国防軍参謀総長は最近、イランに核兵器を持たせてはならないとほのめかした。発言は、アウシュビッツ強制収容所を訪問時のもので、このような訪問はここ数十年、日常化している。

イスラエルの戦略文化の最後の特徴は、イスラエルが例外的手段で対処せざるをえないユニークかつ特異な脅威に直面しているとする例外主義、国際的支援に対する懐疑心に支えられた自己信頼、すなわち孤独の認識である。イスラエルは常に国際的な支持と正当性を求める一方で、外交政策はしばしば世界を軽視し、イスラエルが信頼できるのは自分自身だけであると想定してきた。後者のアプローチは、ユダヤ教聖書の伝統に根ざしており、イスラエル国民は「一人で住む」者として描かれている。現在のイランに対するアプローチと、それに呼応するイランへの圧力の国際社会への要請において、イスラエルは例外主義と孤独の認識の双方を示している。

F-16I Sufa

F-16I Sufa. Image Credit: Creative Commons.

イラン問題は、イスラエル指導部が述べるように、国連加盟国(イラン)が他の加盟国(イスラエル)を破壊すると公然と脅し、イランがホロコーストに公然と疑問を呈しているという珍しいケースであるからだ。それゆえ、イスラエルは独自行動すべき時が来ると理解している。

政治的・軍事的アプローチは異なっても、戦略文化は似ている

イスラエルでは、イランに対するアプローチとそれに関連する米国との相互作用について、内部で議論が行われている。例えば、イスラエル現政権を批判するネタニヤフ元首相は、より攻撃的なアプローチを米国や国際社会へ提唱している。ネタニヤフ自身、首相時代の2015年、オバマ政権の不満をよそに、目前に迫ったイランとの協定に反対する演説を米議会で行っていた。また、2018年にはモサド作戦を公に利用し、トランプ政権に圧力をかけ協定を撤回させた。これらの動きはいずれも、当時のイスラエルで内部論争を巻き起こした。

イスラエルの国家安全保障機構の内部でも、意見が異なる。モサド長官が協定に最も極端に反対する人物として目立ち、(公には発言していないが)米国の政策を批判する発言さえしている。一方、イスラエル国防情報局長は、交渉の不在よりもイランとの「悪い合意」を好み、イスラエルに軍事的オプションを準備する時間を与えるとしている(公の発言ではない)。

イスラエルは過去にも同様の内部議論に直面したことがある。例えば、2010~2012年頃にイランの核開発計画に対する軍事攻撃を検討した際、イスラエルの政治指導部は攻撃に賛成していたが、国家安全保障部門は、深刻な結果を招く可能性やイランの核開発計画を十分に損ねる可能性は低いと考え攻撃に反対した。

このような視点の違いは、やはりイランへの基本認識、つまり戦略文化が似ていることを反映しているように思われる。さらに、2021年にイスラエルで行われた世論調査では、ユダヤ系住民の大半がイランを実存的脅威とみなし、イスラエルによるイラン攻撃を支持していた。このようなイスラエルの信念は、政治的なスタンスや軍事的なドクトリンとはほとんど無関係に見える。

イスラエルの戦略文化に変化が起きているのかを理解するには時間がかかるが、イスラエルで疑念が生まれつつあるのかもしれない。モサド元長官であるパルドとハレビは、イランが核兵器保有してもイスラエルの滅亡を意味するものではない、と示唆している。コメンテーターや国防専門家も同様の考えを示している。バラク元首相兼国防相は、イスラエルはイランの核武装という新たな局面に備える必要があると主張した。

イスラエルと米国間の戦略文化の衝突

米国はイスラエルと同様、イランの核兵器保有を阻止することにコミットしている。しかし、目標に到達する方法に関する政策や戦略がイスラエルと異なる。具体的には、ネタニヤフ首相がオバマ政権と衝突した2015年、米国がイランへの単独軍事攻撃を警告した2011年、そして2007年に発表された米国の国家情報評価(NIE)がイスラエルで厳しい批判を浴びた後、イランに関し、米=イスラエル戦略パートナーの対立は何度も起こっている。

こうした不一致は、国家安全保障の視点の違いだけでなく、戦略文化の衝突を反映したものだ。イランの核問題をめぐる米国の戦略文化は、軍事的解決は最終手段であり、外交に楽観的で、問題解決の姿勢を持ち、イランの悪質な活動には関与せず、一度に一つの問題の解決をめざしている。さらに、米国はイランを存亡の危機と考えていない。国家安全保障上、もっと差し迫った問題が他にあるからだ。

結論

イラン問題の文脈でイスラエルの戦略文化を認識することは、イスラエルの政策、戦略、作戦の理解を深めることになる。また、イスラエルがイランに関与する際に、どのようなリスクを負うことを望んでいるのかの背景を理解できる。このような理解は、たとえ安全保障上の利害が異なっていても、パートナー間の信頼醸成を可能にする。したがって、戦略文化の枠組みは、戦略の実践に役立つ。■

Israeli Strategic Culture And The Quest to Ensure Iran Never Gets Nuclear Weapons - 19FortyFive

ByItai Shapira

Itai Shapira is retired colonel from the Israeli Defense Intelligence (IDI), with more than 25 years of experience as an intelligence analyst and manager on the tactical, operational, and strategic levels. Itai has published articles about Israeli strategic and intelligence cultures and about broader issues of intelligence in Intelligence and National Security, War on the Rocks, Defense One, Small Wars Journal, and RUSI. He is currently a PhD candidate at the University of Leicester.

In this article:featured, Iran, Iran Nuclear Deal, Israel, Nuclear, Yair Lapid

NGADを極秘裏に開発中の米国は、さらに第七世代機の開発に向かうだろう

 

Image Credit: Lockheed Martin.

 

 

メリカ空軍は、第6世代戦闘機を極秘裏に開発中だ。F-22やF-35の第5世代戦闘機は、今も世界をリードする最先端機材だが、アメリカはロシアや、特に中国などライバル国の戦闘機技術の進歩を警戒している。

 

NGADは本当に必要なのか?

アメリカに第6世代戦闘機が必要なのかでは議論の余地がある。アメリカは航空宇宙装備では、今も世界をリードしている。質的にも量的にも、アメリカは他の追随を許さない。中国は国内での航空機製造能力を積極的に拡大中だが、ロシアとアメリカの両方の設計とDNAを共有する第5世代戦闘機成都J-20をすでに200機以上製造している。また、中国は独自の第6世代戦闘機の開発にも取り組んでいる。米国の主要なライバルは中国で、もうひとつの超大国になりそうな唯一の存在であるため、米国は戦闘機技術に関し中国に優位性を持たせることはできない。したがって、米国は、必要となる資源と無関係に、第6世代戦闘機を追求することになる。

 

NGADとは?

米国の第6世代プロジェクト、すなわち次世代航空優勢(NGAD)プロジェクトは、予備設計段階であり、エンジニアリング-製造-開発段階に入っていない。米空軍は、2020年代末までにNGADを実戦配備する意向を表明している。2022年も終わろうとしているのに、設計段階にあることを考えれば、米空軍のタイムラインが実現可能なのかどうか、疑問に思う人もあるだろう。

米空軍は当然ながら、NGADプログラムを秘密にしている。しかし6月、フランク・ケンドール空軍長官は、米空軍がNGADを設計していること、そしてNGADが「マイルストーンB」審査プロセスを通過していないことを認めた。マイルストーンBは 「プログラムの技術成熟段階の完了と買収プログラムの正式な開始を意味する」とDefense Newsは報告した。「軍が予備設計を採択し、生産に先立ちシステム統合、製造工程、その他の詳細に焦点を当てる段階」だ という。

 

新型ステルス戦闘機のタイムライン

外部では、NGADプログラムが2020年代末までに飛行開始すると確信していない。ヘリテージ財団のフェローで元米空軍パイロットのジョン・ヴェナブルJohn Venableは、Defense Newsに「(2030年までに)実現する可能性はあるが、そうならない確率が高い」と述べた。同じく元アメリカ空軍のパイロットで、現在ミッチェル航空宇宙研究所研究員のヘザー・ペニーHeather Penneyも同意見だ。「私は、NGADが2020年代末までに本格生産に達するか懐疑的です「2030年代に入ってからと考えるのが現実的でしょう。空軍がこれが間違いだと証明してくれることを期待します」。

 それでも、すべての議論は、NGADがいつ運用されるのか、そして運用されたとき、実際に何が可能になるのかに集中している。そもそもNGADが必要なのかという問題には、誰もあまり関心がないようだ。より新しく、より優れた軍事技術の開発に邁進する近視眼的な焦点は、航空宇宙の分野でいつもある。米国は、第二次世界大戦以来、航空宇宙の設計を新しく改良することに関して、「ペダルを踏み続け」てきた。

 米国の軍事指導層は、空中で競合相手より優位に立つことに固執している。ソ連崩壊以来、30年ぶりに米国の一極集中に挑戦する大国が出現した今、それが変わるとは思えない。

 アメリカの航空宇宙産業複合体には休む暇はない。NGADが運用開始されれば、アメリカは第7世代戦闘機の設計にシームレスに移行し、休む暇もないだろう。■

 

The World Reacts: Can the Air Force's NGAD Become the Best Fighter Ever? - 19FortyFive

ByHarrison Kass

November 12, 2022

 

Harrison Kass is the Senior Defense Editor at 19FortyFive. An attorney, pilot, guitarist, and minor pro hockey player, he joined the US Air Force as a Pilot Trainee but was medically discharged. Harrison holds a BA from Lake Forest College, a JD from the University of Oregon, and an MA from New York University. He lives in Oregon and listens to Dokken. 

In this article:Next-Generation Air Dominance, NGAD, Sixth-Generation Fighter, U.S. Air Force, U.S. Military


2022年11月13日日曜日

韓国が北朝鮮ミサイルの残骸を海中回収。北朝鮮には回収の意欲も能力もないが、残骸からの調査評価の効果は大きい。

 

North Korean state media

 

挑発的な実験に使われた北朝鮮の短距離弾道ミサイルの残骸が、黄海から引き上げられ研究の対象となる

 

 

国は先週、事実上の海上国境を越え発射された北朝鮮のミサイルの残骸を回収した。今回の公開は、平壌が最新の発射作戦(およそ20発のミサイルと100発以上の砲弾を含む)は、韓国と米同盟国への攻撃を模擬することを意図していたと発表したのをうけたもの。

 

韓国の合同参謀本部(JCS)関係者は11月7日、黄海上の海上境界線である北方限界線(NLL)を越え発射された北朝鮮の短距離弾道ミサイル(SRBM)の一部と思われる破片を韓国の艦名不詳の船舶が回収したと発表した。NLLは国連が設定したが、北朝鮮は承認していない。朝鮮半島の非武装地帯(DMZ)を事実上半島両側の海域に拡張したもので、長い間緊張の焦点となってきた。

 

ロイター通信によると、回収した船は韓国海軍(ROKN)所属で、「水中探査機」を使いミサイルの部品を回収し、現在調査中という。ROKNは、海底から物体を回収できる船舶を複数運航している。

 

特に清海鎮(チョンヘジン)級1隻は、潜水艦救助や、水中調査・地図作成支援、沈没船の実回収などを行う装備を持つ補助潜水艦救助艦(ARS)である。4,300トンの同艦には、水深1,600フィートまで潜航可能な深海救助艇(DSRV)が搭載されている。

 

 

2014年4月に発生したフェリーMVセウォル号沈没事故の現場で、捜索・救助活動中の補助潜水艦救助船「清海鎮」がUH-60ヘリコプターと連携している様子。 Republic of Korea Armed Forces

 

より近代的なARSである5,600トンの「江華島」は昨年10月進水し、同様の装備が施されていると思われる。あらゆる気象条件下での潜水艦救助に最適化されていると報告されている。

 

また、ミサイルの部品を回収できる可能性があるのは、3,500トンの統営型救難艦「ATS」2隻があり、主に被災した水上艦の救助に当たっている。ダイバー用の減圧室や、ロボットアームや切断装置を搭載した遠隔操作水中ロボット(ROV)も装備している。

 

NLL南方に着弾したSRBMについて公にはほとんど知られていないが、北朝鮮はこのクラスで複数型を開発しており、2016年末以降、実験活動が顕著になっている。同時に、ソ連のスカッドを原型に開発された既存の初期型に改良を加え続けている。

 

一方、より近代的なKN-23は、ロシアのイスカンダルSRBMの影響を強く受けているようで、昨年9月以降、鉄道車両から発射されいる。

 

今年初めにも、北朝鮮は金正恩委員長の立ち会いのもと、型式不詳SRBMを2発試射している。「新型戦術誘導兵器システムは...前線の長距離砲兵隊の火力を飛躍的に向上させ、戦術核の運用効率を高める上で大きな意味を持つ」と当時、同国の国営通信は伝えていた。このことは、このミサイルが戦術核兵器の運搬システムとして意図された新型のSRBMを示唆しているのだろう。

 

北朝鮮は、1日に最大数のミサイルを発射した先週の実験で使用されたミサイルの種類の詳細について公表を控えている。しかし、平壌は「分散弾頭を搭載した戦術弾道ミサイル」2発の発射に言及し、ある種の子弾性能を示唆するとともに、「敵の作戦指揮系統を麻痺させる特殊機能弾頭」の実験にも言及した。このどちらかのタイプが、NLLを越えた兵器だったかは不明である。

 

当初、国営メディアは写真を提供しなかった。現在は公式画像が公開されているが、そのうち数点は、詳細を隠すため加工され、あるいは能力に関する偽情報を提供しているようだ。

 

また、今回の実験の画像は、今年初めに行われた実験に由来するものである。写真に写っているミサイルの大きさから、今回発射されたミサイルは新しいタイプの大陸間弾道ミサイル(ICBM)との憶測もある。さらに、ノーズコーンが大きいことから、独立標的型再突入弾道ミサイル(MIRV)を含む新しい弾頭部をテストするために発射されたのではないかという指摘もある。

 

このような混乱があるため、韓国にはできる限り残骸を回収することが重要となっている。北朝鮮のミサイル開発を研究する上で、これは目新しいことではない。長年にわたり、韓国が回収したミサイルの残骸から、これらの兵器に関する重要な情報が得られている。

 

「北朝鮮は私たちが知る限り、決して破片を回収しようとしない」。ワシントンのシンクタンク、科学国際安全保障研究所Institute for Science and International Securityの社長兼創設者のデビッド・オルブライトDavid Albrightは2017年、CNBCに語っていた。「彼らは海上回収能力を持っておらず、韓国海軍を出し抜いて破片にたどり着くのは難しい」。

 

これまでの北朝鮮のミサイル実験の多くは日本海に落下したが、今回は韓国の海岸線にかなり近いところに残骸を残しており、ソウルの回収作業ははるかに容易であっただろう。報道によると、SRBMは韓国沿岸から37マイル(約40キロ)以内に落下した。

 

今回、韓国が部品を回収したミサイルが何であれ、北朝鮮のミサイルプログラムの進展に関する貴重なデータをもたらす可能性がある。北朝鮮のミサイル発射実験では、今年に入って少なくとも48発の弾道ミサイルが発射され、新記録を樹立しており、狂おしいほど速い。

 

今回のミサイルは弾頭が装着されていないが、SRBMとその構成部品の破片でも、推進剤、材料科学、誘導システムなどに関する重要な情報が得られる。こうした情報は、射程距離や精度、北朝鮮のミサイル開発の方向性などの推定に役立つ。

 

より一般的に言えば、今回のSRBMの意義は、その種類が何であれ、北朝鮮の弾道ミサイルが初めてNLLの南側に着弾したことにある。

 

これは大きな進展だが、NLL周辺は長い間、北朝鮮と韓国間で砲撃が行われてきた場所である。2010年11月には、北朝鮮がNLLのすぐ南にある影平島(ヨンピョンド)を砲撃するなど、過去に大事件があった。同島には韓国海兵隊が駐屯し、北朝鮮の砲弾とロケット弾が数十発命中した。韓国兵2人が死亡し、10数人が負傷した。

 

2010年は、北朝鮮による砲弾が国境の南側に落下したほか、韓国のコルベット「天安」が白ニョン島付近で沈没し、乗員46人が死亡するなど、NLLを取り巻く緊張が特に高まった年であった。この沈没事故の原因については、北朝鮮の潜水艦が関与したのを示唆する証拠があるものの、依然として論争が続いている。

 

平壌がこの海域にミサイルを打ち込むのを決めた事実は、先週水曜日の実験が南と米国に対する実際の攻撃のリハーサルだったとの主張と合わせると、特に憂慮すべきことである。

 

このような大規模なミサイルと大砲の発射を決定したのは、米韓合同演習「ヴィジラント・ストーム」が引き金と思われる。約240機が参加した同演習を、北朝鮮は「非常に攻撃的な性質を持つ危険な戦争訓練」と表現している。

 

北朝鮮のミサイル乱射が、現実の対南攻撃を反映するという意味があったのか、大いに議論の余地があるが、レトリックは議論の余地がない。

 

北朝鮮軍によると、今回のミサイル訓練は空軍基地や航空機、韓国の主要都市への攻撃をシミュレートし、「敵の持続的な戦争ヒステリーを打ち砕く」ことを目的としていたという。

 

興味深いことに、北朝鮮は11月2日の訓練で2発の「戦略」巡航ミサイルが韓国の沿岸都市蔚山沖に落下したと主張しているが、ソウルの当局者は否定している。

 

ミサイル訓練に続き行われた大規模な航空演習では、北朝鮮は180機を動員したと主張しているが、これも確認できず、誇張の可能性が高い。

 

全体として、先週の「ビジラント・ストーム」と先週の大規模な北朝鮮演習の影響は大きい。当然ながら、米韓演習をきっかけに平壌の立場は強まるばかりで、今後「持続的、断固とした、圧倒的な実践的軍事措置」をとると脅している。

 

今後の米韓演習で北が同様に強力なミサイル発射作戦に出ても不思議はない。さらに、今回の動きは、北朝鮮をめぐる状況が、トランプ時代の激動を経て、現状に戻ったことも示唆している。大規模演習、戦略的なシグナリング、そしてミサイル実験が行われる事態に戻った。■

 

Ballistic Missile Wreckage From North Korean Test Recovered

BYTHOMAS NEWDICK|PUBLISHED NOV 7, 2022 3:05 PM

THE WAR ZONE