2023年4月20日木曜日

日英伊共同開発の第六世代機GCAPに期待されること.....日本の新しい抑止力戦略の一端を担う存在になる

 

6th-Generation Fighter. Image Credit. Tempest Program.


日本、イタリア、イギリス3カ国は、各国が運用するF-35の戦力を強化する第6世代ステルス戦闘機「グローバル・エア・コンバット・プログラム(GACP)」を開発する



ステルス戦闘機の共同開発

F-35の顧客としてイタリアと英国に加え、日本が数十億ドル規模の大規模購入を行ったことを考えれば、多国間協力による新型第6世代ステルス戦闘機開発は理にかなっている。その意図は、急成長する各国のF-35フリートとあわせ新型第6世代機を飛行させ、NATOを支援し、中国を抑止し、紛争発生の場合には空戦で勝利する可能性を高めることにある。このビジョンを運用面で実現するため、新しい第6世代機がF-35や第4世代プラットフォームと安全かつ「ネットワーク化」することが必要だ。

 日本の自衛隊は、F-4戦闘機に代わるF-35を数十機取得しているため、第6世代プラットフォームの追加は、中国の定期的な航空挑発行為を減少させ、これに挑戦することが目的だろう。

 GACPに関する昨年の発表後、ペンタゴンと日本防衛省は共同声明を発表し、cnn.comに掲載された。

「米国は、次期戦闘機の開発において、日米両国の緊密なパートナーである英国およびイタリア含む、心ある同盟国やパートナーとの日本の安全保障・防衛協力を支持する」と、日米声明は述べている。


パートナーシップの強さ

GACPが発表時のイタリア、日本、イギリスの声明では、同機がヨーロッパと太平洋の両方をサポートする目的だと明らかになった。また、3カ国声明は相互運用性を強調し、F-35の多機能アドバンスド・データリンク技術により、各国のF-35が互いにリンクされる機能の成功に基づくものであることが明らかだ。第6世代機が統合される可能性が高い。


「米国、NATO、そしてヨーロッパ、インド太平洋、さらに世界各地のパートナーとの相互運用性は、私たちがこのプログラムに選んだ名前に反映されています。このコンセプトが開発の中心になる」と声明は述べている。

 CNN報道では、イタリア、イギリス、日本の多国籍企業による新型戦闘機がコックピットからドローンを操作する可能性も示唆しており、これは米国の第6世代機も実現する予定だ。フランク・ケンドール空軍長官の「作戦上の必須事項」のひとつとされる第6世代航空機計画は、「システム・ファミリー 」と説明されている。


多国籍の第6世代機開発

米空軍はすでに、有人の第6世代戦闘機と一緒に飛行する無人プラットフォーム「コラボレイティブ・コンバット・エアクラフト」を構築している。

 この戦略的コンセプトでは、航空攻撃プラットフォームが戦闘ネットワーク内の「ノード」となり、戦闘関連の戦場データを共有し、攻撃システムとしても動作させるもので、日本、イタリア、英国が活用するのに適した状況を提供する。

 広範なネットワーク、無線技術、電子戦、および戦場での航空電子工学に大きく関連する電子接続は、日本が追求するのに非常に適したものであり、イタリアや英国が知らないものではないことは確かである。

 太平洋地域で新しいステルス戦闘機が登場すれば、日本軍が地域で攻撃的な作戦を必要とする場合に備え、より良い位置を占めることになるだろう。


日本は伝統を打破し軍備増強へ

日本の憲法と、純粋な「防衛」部隊の運用を要求する長年の拘束を考慮すれば、おそらく現在の脅威環境と米国との同盟関係の強化が影響を与えているのだろう。

 明らかに、日本には侵略や攻撃的な攻撃をする可能性はないと思われるし、先進的なシステムは明らかに抑止力と防御の目的に役立つ。しかし、このような方法で戦闘能力を強化することは、興味深い可能性をもたらすように思える。

 日本軍が、憲法上の制限やパラメーターを多少変えたり、少し見直して活動することは、あり得ないことなのか。攻撃的な脅威を提示することが許されれば、抑止力としての日本軍の地位は強化される。結局のところ、対抗力の存在と何らかの攻撃の脅威が、平和を維持するため必要な抑止戦略の重要な基礎になるはずだ。■


Kris Osborn is the Military Affairs Editor of 19FortyFive and President of Warrior Maven – Center for Military Modernization. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Masters Degree in Comparative Literature from Columbia University.


A 6th-Generation Stealth Fighter Is Coming (Not Made in USA) - 19FortyFive

By

Kris Osborn


レイルガン構想はまだ健在。日米で共同開発へ。

 



この技術開発は100年以上前から続く「未来型」技術だ

磁レイルガンは、第一次世界大戦中にフランスで初めて考案された。それ以来、ドイツのナチスから、中国、ロシア、インド、アメリカ軍に至るまで、戦争の様相を変える可能性のある同兵器の実用化を試みている。


米海軍は、駆逐艦用のレイルガン開発に約15年と5億ドルを費やしたが、2021年にこのアイデアを放棄した。


しかし、レイルガンのコンセプトが死んだわけではない。


日本の防衛省は、極超音速兵器に対抗するレイルガンで米国との提携を検討していると、日本政府の高官は最近National Defenseに語っている。


レイルガンは、2本の平行な導体の間を流れる電気で、非爆発性の発射体を高速で長距離に発射する。速度自体が強力な衝撃をもたらし、爆薬を使わず破壊できる。


コンセプトは1世紀以上前からあるに、レイルガンの実戦配備に成功した軍はない。


防衛省技術研究本部副本部長兼最高技術責任者の三島茂徳は、先ごろ開催されたDSEI Japanで、レイルガンを最優先研究開発課題の一つに挙げた。


「防衛省は過去10年間、この技術で基礎研究を行ってきたが、この技術を完成させるため協力が必要だ」と、詳細説明した。


米国の防衛関連企業がこのプログラムに参加する可能性もある、とインタビューで語った。


「誘導装置や電力貯蔵で助けを求めることができる」と「それらはあなた方の得意分野です。私たちは、例えばレール建設など、材料科学に強みがあります」と語った。


三島は、日本の主契約者は日本製鋼所で、その幹部に対して、BAEシステムズジェネラル・アトミックスといった米国契約企業に、プログラムに参加できないか働きかけを勧めていると述べた。


BAEシステムズは、アメリカ海軍がレイルガンを開発した際の主契約者だった。陸軍はジェネラル・アトミクス社と契約し、戦車への搭載や長距離砲撃など、陸上用途を研究してきた。


しかし、海軍は同技術に嫌気がさし、2021年に予算投入を打ち切り、陸軍の契約もほぼ同時期に切れた。


「EMRGプログラムを一時停止する決定は、指向性エナジー、極超音速ミサイル、電子戦システムなど攻撃・防御能力の向上を含む海軍のその他の優先事項を支援するため資源を解放する部門全体の改革イニシアティブと一致している」と海軍は2021年7月にプログラムがキャンセルされた際にMilitary.comに言っていた。


しかし、日本がこの砲の主な用途として考えているのは極超音速防衛だと三島は言う。また、島嶼防衛や対艦防衛のために陸上使用も可能だと彼は付け加えた。極超音速ミサイルや航空機は、機動性が高く、マッハ5以上に達することができる装備で、これはレイルガンで対応が期待される速度だ。


「レイルガンが実証できれば、アメリカはこの技術を見直すかもしれない。それは、誰にとっても有益なことなのです」と彼は言う。


北朝鮮や中国の脅威が顕在化する中で、日本はそれまでの平和主義的な政策を捨てて、今後10年間で防衛予算を倍増させる意向を示し、レイルガンのような先端技術に投資している。最近、イギリス、イタリア政府との間で、ジェット戦闘機「グローバル・コンバット・エアー・プログラム」の製造に向けた3国間提携を発表した。


レイルガン技術に取り組んでいた米国の請負業者二社は、日本の防衛省から連絡を受けたことを認めている。


このうち、BAE Systemsは、Office of Naval Researchと契約している間に、実験室で32メガジュールのレイルガンを達成した。これは、マッハ7.5で220マイルの距離に届く可能性があり、一般的な船舶搭載砲の10倍の距離と同社のプレスリリースに記載がある。

プログラムのフェーズIIでは、実用的なプロトタイプを提供しようとしたが、レイルガンの過熱という技術ハードルを克服できなかったと、当時の報道は述べている。


National Defenseは、海軍がプログラムを終了する前に、レイルガンとプログラムの成熟度についてBAE Systemsに一連の質問をした。


同社広報のティム・ペインターは、電子メールの声明で回答してきた: 「BAEシステムズは、レイルガンとその能力について、日本政府および産業界と話をしてきました。我々は、国際的な同盟国やパートナーを支援し、現在および将来の脅威を抑止するための革新的なソリューションを提供するため、米国国防総省と密接に連携しています」。


ジェネラル・アトミクスは-2000年代に海軍とレイルガン技術に取り組んだ後、陸軍と組み、移動式大砲や戦車の一部となるレイルガンを開発した。


国防総省の装備品技術コンソーシアムは2018年、陸軍軍備研究開発技術司令部を支援するため、レイルガン兵器システムの能力を評価し成熟させる3年契約を同社に交付した。


同社は、陸軍のユタ州ダグウェイ試験場での試験用に、10メガジュール、マルチミッション、中距離レイルガン兵器システムを納入した。このプロトタイプは、60マイル以上の有効射程を目標としていた。


ジェネラル・アトミクスの陸軍向け事業は2021年に終了したが、同社は長年にわたり、自社負担で研究開発費を続けてきたと広報担当者は述べている。


ジェネラル・アトミクスの電磁システムズグループの戦略的コミュニケーション兼マーケティングのディレクターMeghan Ehlkeは、電子メールで、「昨年、ジェネラル・アトミクス電磁システムズは、日本のレイルガン計画について話し合うため防衛装備庁と日本製鉄所の両方と会っています」と述べている。


「レイルガン計画で開発した技術を応用し、当社の武器システムポートフォリオを進化させるため、米国陸軍や他の軍と協力し続けています」とEhlkeは言う。また、このプロジェクトで日本との協力を熱望していると付け加えた。


「この機会を歓迎するだけでなく、ジェネラル・アトミックス・エレクトロマグネティック・システムズ両社は、日米両政府に協力して、日本の防衛力強化に貢献することを楽しみにしています」と語った。


全米防衛産業協会の新興技術研究所所長で、極超音速の専門家マーク・ルイス博士は、極超音速兵器に対抗するレイルガン弾の実現性には疑問があると述べている。


「別のミサイルに向け発射されるミサイルには、標的の約3倍の操縦能力(gで測定)を持っていなければならないという経験則がある。言い換えれば、ミサイルが防衛システムを回避するのは、容易であるということです。そして、機動力のある着弾兵器が、相対的に機動力の低い弾丸を回避する方が、間違いなく簡単なのです」と言う。


従来の発射体は推進剤を使用しており、速度上限はマッハ4程度だ。「レイルガンは電磁力を推進力に使うため、起爆速度の制限がなく、理論的だが極超音速が実現できる」という。


この技術の開発における主な問題は、必要なエナジーと発生する熱の2つであるという。


レイルガンは大電力を必要とし、それが常に利用できるわけではない、とルイスは指摘する。「そして、その電力はどこかで消費されなければならない」。


ニューアメリカシンクタンクの戦略家であり、アリゾナ州立大学の実践教授であるピーター・W・シンガーは、海軍が中止したレイルガンのプロジェクトについて、「あまり成熟していなかったが、様々な結果を示していた」 と述べている。


このプログラムでは、過熱から発射薬に至るまで、様々な分野で重要な課題が確認された。また、海軍は駆逐艦に搭載することを望んでいたため、搭載電力を確保する必要があり、エナジーの問題もあった。


シンガーは、ペイトリオットミサイル用とほぼ同じ大きさの車両に搭載し、対空・対ミサイル・長距離攻撃を可能にする陸上型についても言及した。


「陸軍は近視眼的に興味を示さなかったが、陸上型は、電力問題を解決できたかもしれない」と彼は言う。


三島は、陸戦型レイルガンの場合、地域の電力源を利用できるため、発電の問題がないことにも言及した。ルイスは構造的な問題についても言及した。


「レイルガンは弾丸に極端な電磁力を作用させることで動作しますが、その力はレイルガンの構造そのものに作用します。つまり、レイルガンは自壊しやすいのです」。


「技術問題が解決されれば、明らかな「もし」だが、対ミサイルから攻撃まで、幅広い分野で重要な応用が可能だろう」とシンガーは付け加えた。「いずれは、その日が来るでしょう。重要なのは、スピードと射程距離だけでなく、ミサイルと比較した場合の1発あたりの相対的なコストです」。


従来の弾薬は推進剤を必要とし、製造にコストがかかります。レイルガンは、固体金属片さえあれば、弾丸の質量と速度に依存してダメージを与えることができます。


National Defenseは、海軍の広報室と、研究・技術担当国防次官であるHeidi Shyuに連絡を取ったがコメントを避けた。海軍研究室も問い合わせに応じていない。

2023年4月19日水曜日

秘密無人シャトルX-37Bが宇宙資産の防衛やミサイル防衛に利用される日が来る....宇宙空間の武装化に本腰を入れ始めた米国は先を行くロシア、中国を放置できなくなっている

 




撃型宇宙ドローンというと、スターウォーズに聞こえるが、現実になるかもしれない


(ワシントンD.C.)攻撃型宇宙ドローンというと、スターウォーズに出てくる船のようなイメージがあるが、ボーイングのロボット宇宙船X-37の成功で現実になるかもしれない。

オービタル・テスト・ビークルOTVと呼ばれる同無人宇宙機は、ロケットで宇宙空間に送られ、大気圏に再突入し地上に着陸する。

X-37Bで判明していること

U.S. Space Force Newsによると、直近のテストでは、2022年11月に米宇宙軍のX-37Bが地球周回軌道からの離脱に成功し、ケネディ宇宙センターのNASA施設に着陸した。

2006年の「落下試験」に始まり、軌道試験機は数回にわたり大気圏外にブーストして帰還しており、最近では2020年から2022年までのミッションで連続908日の軌道滞在を達成した。

X-37Bとは

NASAプロジェクトとして始まったOTVは、宇宙飛行の詳細と限界を研究する科学的な探査ミッションだった。しかし、技術の成熟に伴い、軍事利用も視野に入り、国防総省が関与を強めていった。現在、X-37Bは、大気圏外からデータを収集し、監視できる宇宙ドローンとして運用されています。

純粋に科学的な観点からは、研究者はX-37を利用して、太陽エネルギーや、ミサイル迎撃ミサイルよりも幅広いミッションを遂行できる「再利用可能な」宇宙技術の実験を行っている。アメリカ空軍のOTVに関するデータシートによると、X-37はガリウムヒ素太陽電池とリチウムイオンバッテリーを使用している。

X-37Bの殺傷能力

自律性、AIによるデータ収集・分析、マルチドメインネットワーキングの急速な進歩を考えれば、軍事利用に関しては可能性は無限にあると思われる。

無人宇宙機は、大気圏を超えた移動可能な「ノード」として衛星と「メッシュ型」のシステムでネットワーク化し、監視やICBM、極超音速ミサイルの防衛、さらには人間の指示による攻撃を行える日が来るだろう。

X-37Bのテストミッションや軍事能力に関する具体的な内容は、保安上の理由から明らかにされていない。しかし、直近の飛行に成功したことから、潜在的な殺傷能力、軍事的任務能力について考えざるを得ない。

X-37Bと宇宙空間利用の未来

中・低軌道衛星の普及は、スループットを高め、冗長性を持たせ、極超音速ミサイル防衛が、敵の脅威があるレーダー開口部から別の開口部へと素早く移動する際に、「追跡」を継続的に確立できるようにするのが目的だ。特に、各種データリンク、GPS信号、あるいは光通信を利用し、人間の意思決定者にリアルタイムで情報を飛躍的に速く送ることができれば、機動宇宙機はもちろんこの取り組みに計り知れないほどの貢献をすることになる。

進化したX-37Bなら敵のASAT対衛星兵器から衛星資産を守ることができるかもしれない。また、ペンタゴンの「ヒューマン・イン・ザ・ループ」ドクトリン(殺傷力の行使に関する教義)に沿う倫理的な方法で追求すれば、X-37Bは大気圏外から敵の衛星やターゲットを攻撃し破壊できる可能性もある。

米国はこれまで宇宙空間の兵器化に消極的で、宇宙を多国籍の聖域と考えてきた。

しかし、ロシアや中国が宇宙を軍事化しようとしており、米国は遅れを取っている。国防総省は差を縮めようと米国宇宙軍を創設し、将来的に必要であれば宇宙から米国を守る必要があるのだ。■

Could The Pentagon's X-37B Become an Attack Space Drone? - Warrior Maven: Center for Military Modernization

By Kris Osborn, President, Center for Military Modernization

Kris Osborn is the Military Affairs Editor of 19FortyFive and President of Warrior Maven – Center for Military Modernization. Osborn previously served at the Pentagon as a Highly Qualified Expert with the Office of the Assistant Secretary of the Army—Acquisition, Logistics & Technology. Osborn has also worked as an anchor and on-air military specialist at national TV networks. He has appeared as a guest military expert on Fox News, MSNBC, The Military Channel, and The History Channel. He also has a Masters Degree in Comparative Literature from Columbia University.