2022年5月15日日曜日

遼寧空母部隊は南西諸島から台湾東方で引き続き訓練を続けており、日米が監視中。

 Chinese Aircraft Carrier Liaoning Spotted Off Taiwan In Satellite Imagery

空母遼寧を中心とした中国戦隊が日本南方、台湾当方の海域で活動を続けている

国の空母「遼寧」が護衛艦艇と、自衛隊の監視のもと、東シナ海で2週間活動している。

商業衛星の映像では、同戦隊は今週初めに再び宮古海峡を通過し、台湾の東海域に移動したようだ。The War Zoneに寄稿する画像情報アナリストDetresfaことダミアン・サイモンDamien Symon_は、Planet Labs画像で、八重山諸島の南約85カイリ、台湾の東160カイリ、フィリピン海上に空母群を発見した。

Planet Labs

Courtesy of Detresfa_

金曜日、Janesは岸信夫防衛相の発言として、遼寧艦載機が5月3日から5月9日まで訓練で100回以上発艦したと報じた。訓練には、瀋陽J-15戦闘機やヘリコプターによる対潜水艦戦(ASW)作戦も含まれていた。

遼寧空母群は、055型巡洋艦・駆逐艦「南昌」を中心に、052D型駆逐艦3隻、052C型駆逐艦1隻、054A型フリゲート、901型補給艦1隻が加わっている。

遼寧が西太平洋のスポットライトを浴びたり、台湾の北東部にある日本の琉球諸島と八重山諸島を隔てる宮古海峡を通過するのは今回が初めてではない。

12月中国政府は、同空母群が、海峡付近の海域で、日本の空母「いずも」と航行する映像と画像を公開した。

2021年4月、「遼寧」空母群は、緊張が高まる南シナ海の艦艇群に加わり、セオドア・ローズベルト空母打撃群とマキンアイランド水陸両用部隊へ接近航行した。

中国の空母群は、台湾だけでなく、日米の監視対象になっている。西太平洋に中国空母艦隊が来襲した場合の編成、運用を訓練された目で洞察することが可能だ。米空軍のRC-135リベットジョイントが遼寧空母部隊の動向を監視中だ。

Flightradar24

中国のもう一隻の空母山東は大連のドックで補修を受けている。

Planet Labs.

遼寧空母群の動きから、台湾が当方からも危険にさらされていることがわかる。ハイエンド水陸両用能力と固定翼機搭載空母を含む海軍力の急成長で、台湾をねらう中国の大規模作戦は、全方位からの包囲と攻撃を想定している。3隻目の空母も就役する予定で、中国の空母打撃群、特に台湾への脅威が著しく拡大しそうだ。■

 

Chinese Aircraft Carrier Liaoning Spotted Off Taiwan In Satellite Imagery

BY

DETRESFA_,STETSON PAYNE

MAY 14, 2022 1:21 PM

THE WAR ZONE

 


2022年5月14日土曜日

(改訂版)UFO-UAPに関し、来週開催の米議会公開公聴会で証言する米国防高官二名に注目)

DoD UFO Hearing Congress Intel Committee

議会がUFO関連で公開公聴会を開催するのは50年前のプロジェクトブルーブック以来となる。

軍の高官2名が50年以上ぶりに開かれるUFOに関する公開公聴会で来週証言する。

ロナルド・S・モールトリーRonald S. Moultrie国防次官とスコット・W・ブレイScott W. Bray 海軍情報局次長は、5月17日に下院情報テロ対策・防諜・拡散防止小委員会で証言する。

「米国民は、政府と情報機関が、国家安全保障上のリスク、特に我々が完全に理解していないリスクを真剣に評価し対応することを期待している」と、アンドレ・カーソンAndre Carson委員長はメディアリリースで述べている。

公聴会は、米国防総省が「未知の空中現象」UAPと呼ぶものに米当局が懸念を高めていることを受けて開催される。実際には、今回の一連の事案は、2017年末のニューヨーク・タイムズ記事から始まり、UFOを調査した以前の国防総省プログラムと、新しい目撃情報によれば、この問題が未解決のままであるとされていた。

それ以来、5年にわたる新証拠の小出し、ペンタゴンのUFO内部告発者の出現、他の国防総省職員や情報当局によるメディアへの登場、議会での非公開公聴会などがあり、その結果、2021年6月に決定的でとはいいがたい公式報告書が公開された。間もなく、国防総省は、軍事施設や訓練場の上空に飛来する謎の物体についての答えを探すため新組織を創設し、この話題に真剣に取り組むよう求めた議会が、法律として成文化した。

国防総省の情報・安全保障担当次官室に設置された「空中物体識別・管理同期化グループ」が、物体がどこから来たのか、どのような脅威があるのかを調査する。

国防総省は当時、「飛行物体が特別用途空域に侵入すれば、飛行の安全性と作戦の安全性に懸念をもたらし、国家安全保障上の問題を引き起こしかねない」と述べていた。「国防総省は、特定、未特定を問わず、あらゆる飛行物体による侵入報告を真剣に受け止め、一つ一つを調査している」。

しかし、6ヶ月近く経った今、AOIMSGという頭文字の新組織は、人員がそろっていない状態と国防総省のジョン・カービー報道官は10日午後、The War Zoneに語った。

「十分な人員を確保し業務を軌道に載せようとしている」とカービーは述べた。

軍にとって大きな懸念は、物体が、軍で最高機密の訓練地に自由に侵入できる敵の無人機なのかどうかということだ。

カービー報道官は、該当物体が中国やロシアのような敵対国の所属かどうかについて、国防総省は「見解を持っていない」と認めた。

「特に訓練場で目撃例は多く、飛行安全性で正当な懸念がある」とカービー報道官はThe War Zoneに語った。「しかし、現象の正体、意図について結論が出ていない。そのため、組織を立ち上げ、情報の照合をより良く行えるようにした」。

国防総省はこれまで、未確認物体に関する報告に対して「その場しのぎ」アプローチをとってきたとカービーは言う。「報告方法は一貫していなかった。ですから、このグループで、プロセスをまとめようとしているのです」。

そのようなエピソードで厄介なのは、2019年に南カリフォーニア沖で数晩にわたって米海軍艦艇をストーキングした未確認ドローンによる一連の事件だ。海軍は機体や操縦者の特定に苦しんだ。海軍作戦部長マイケル・ギルデー大将は機体が特定されなかったこと、また、各軍、同盟軍で同様の事件が発生していると明らかにした。

The War Zoneは連邦航空局の記録の調査を昨年行い、報告があった事件(軍用機や訓練場に関わる20件近い異常な事件など)を見つけただけでなく、新しい非常に珍しい事件の手がかりも得た。不可解な高空での遭遇から、円筒や円盤と表現されるものまで、多岐にわたる。

来週の公聴会では、AOIMSGに焦点を当て、「国防総省が進行中の作業が、重要な国家安全保障の目標に焦点を当てつつ、作業が米国民が期待する形で、透明性を持って実施されるようにする」と、10日午後、委員会関係者はThe War Zoneに語った。

「UAPに関する下院情報委員会で初の公開公聴会となり、米国民の基本的な疑問に答え、国防総省の監視強化に役立つ」と、関係者は公聴会の性質について匿名を条件に語った。

公聴会の後、小委員会は同じテーマで非公開の機密公聴会を開催する。

前回UFOに関する議会公聴会が開かれたのは、1969年に空軍が『プロジェクト・ブルーブック』を終了させた後だった。

ブルーブックでは、1947年から1969年に目撃があった12,000件以上のUFO事案を調査し、700件以上が未確認のままと判明した。

しかし、プロジェクト・ブルーブックと現在進行中のペンタゴンのレビューには違いがある。

どちらも地球外生命体との関連は少なくとも今のところはない一方で、プロジェクト・ブルーブックfでは、悪意がないことを発見した。

国立公文書館による調査結果の要約によると、「空軍が報告、調査、評価したUFOは、我が国の国家安全保障への脅威を示唆するものはなかった」とある。「未確認」と分類された目撃情報が、現在の知識の範囲を超えた技術開発や原理を表す証拠は、空軍に提出されたことも、発見されたこともない。

同報告書の余波をめぐって、大きな論争が今も続いている。

これらの物体に対する国家安全保障上の懸念が現在存在し、物体の背後にある科学が少なくとも公には不明であることを考え、下院情報委員会のアダム・シフ Adam Schiff委員長(民、カリフォーニア)は国防総省の回答を求めている。

シフ委員長は、「未確認航空現象について、そして国家安全保障にもたらす可能性のある潜在的リスクについて、知るべきことがたくさんある」「しかし、1つ確かなことは、アメリカ国民は完全な透明性を得るべきであり、連邦政府と情報機関は、UAP報告の文脈と分析で重要な役割を担っているということ」と述べた。

カービー報道官はThe War Zoneに、国防総省は、「アメリカ国民や議員に対して、この件に関する我々の見解や、現象を特定するためのプロセス、これまでよりも積極的かつ協調的な情報分析方法を確認するため、何をするのか、できる限り透明性を確保するべく全力を注いでいる」という。また、現象の多くが訓練場や訓練中に目撃されているため、「保安上の問題を軽減するため必要なことを行っています」と述べた。■

 

First Public UFO Hearing In Over 50 Years To Be Held By Congress Next Week

Congress will hold its first open hearings on UFOs since the end of Project Blue Book over five decades ago.

BY

HOWARD ALTMAN

MAY 10, 2022 3:51 PM

THE WAR ZONE


UFO-UAPに関し、来週開催の米議会公開公聴会で証言する米国防高官二名に注目。

DoD UFO Hearing Congress Intel Committee

議会がUFO関連で公開公聴会を開催するのは50年前のプロジェクトブルーブック以来となる。

軍の高官2名が50年以上ぶりに開かれるUFOに関する公開公聴会で来週証言する。

ロナルド・S・モールトリーRonald S. Moultrie国防次官とスコット・W・ブレイScott W. Bray 海軍情報局次長は、5月17日に下院情報テロ対策・防諜・拡散防止小委員会で証言する。

「米国民は、政府と情報機関が、国家安全保障上のリスク、特に我々が完全に理解していないリスクを真剣に評価し対応することを期待している」と、アンドレ・カーソンAndre Carson委員長はメディアリリースで述べている。

公聴会は、米国防総省が「未知の空中現象」UAPと呼ぶものに米当局が懸念を高めていることを受けて開催される。実際には、今回の一連の事案は、2017年末のニューヨーク・タイムズ記事から始まり、UFOを調査した以前の国防総省プログラムと、新しい目撃情報によれば、この問題が未解決のままであるとされていた。

それ以来、5年にわたる新証拠の小出し、ペンタゴンのUFO内部告発者の出現、他の国防総省職員や情報当局によるメディアへの登場、議会での非公開公聴会などがあり、その結果、2021年6月に決定的でとはいいがたい公式報告書が公開された。間もなく、国防総省は、軍事施設や訓練場の上空に飛来する謎の物体についての答えを探すため新組織を創設し、この話題に真剣に取り組むよう求めた議会が、法律として成文化した。

国防総省の情報・安全保障担当次官室に設置された「空中物体識別・管理同期化グループ」が、物体がどこから来たのか、どのような脅威があるのかを調査する。

国防総省は当時、「飛行物体が特別用途空域に侵入すれば、飛行の安全性と作戦の安全性に懸念をもたらし、国家安全保障上の問題を引き起こしかねない」と述べていた。「国防総省は、特定、未特定を問わず、あらゆる飛行物体による侵入報告を真剣に受け止め、一つ一つを調査している」。

しかし、6ヶ月近く経った今、AOIMSGという頭文字の新組織は、人員がそろっていない状態と国防総省のジョン・カービー報道官は10日午後、The War Zoneに語った。

「十分な人員を確保し業務を軌道に載せようとしている」とカービーは述べた。

軍にとって大きな懸念は、物体が、軍で最高機密の訓練地に自由に侵入できる敵の無人機なのかどうかということだ。

カービー報道官は、該当物体が中国やロシアのような敵対国の所属かどうかについて、国防総省は「見解を持っていない」と認めた。

「特に訓練場で目撃例は多く、飛行安全性で正当な懸念がある」とカービー報道官はThe War Zoneに語った。「しかし、現象の正体、意図について結論が出ていない。そのため、組織を立ち上げ、情報の照合をより良く行えるようにした」。

国防総省はこれまで、未確認物体に関する報告に対して「その場しのぎ」アプローチをとってきたとカービーは言う。「報告方法は一貫していなかった。ですから、このグループで、プロセスをまとめようとしているのです」。

そのようなエピソードで厄介なのは、2019年に南カリフォーニア沖で数晩にわたって米海軍艦艇をストーキングした未確認ドローンによる一連の事件だ。海軍は機体や操縦者の特定に苦しんだ。海軍作戦部長マイケル・ギルデー大将は機体が特定されなかったこと、また、各軍、同盟軍で同様の事件が発生していると明らかにした。

The War Zoneは連邦航空局の記録の調査を昨年行い、報告があった事件(軍用機や訓練場に関わる20件近い異常な事件など)を見つけただけでなく、新しい非常に珍しい事件の手がかりも得た。不可解な高空での遭遇から、円筒や円盤と表現されるものまで、多岐にわたる。

来週の公聴会では、AOIMSGに焦点を当て、「国防総省が進行中の作業が、重要な国家安全保障の目標に焦点を当てつつ、作業が米国民が期待する形で、透明性を持って実施されるようにする」と、10日午後、委員会関係者はThe War Zoneに語った。

「UAPに関する下院情報委員会で初の公開公聴会となり、米国民の基本的な疑問に答え、国防総省の監視強化に役立つ」と、関係者は公聴会の性質について匿名を条件に語った。

公聴会の後、小委員会は同じテーマで非公開の機密公聴会を開催する。

前回UFOに関する議会公聴会が開かれたのは、1969年に空軍が『プロジェクト・ブルーブック』を終了させた後だった。

ブルーブックでは、1947年から1969年に目撃があった12,000件以上のUFO事案を調査し、700件以上が未確認のままと判明した。

しかし、プロジェクト・ブルーブックと現在進行中のペンタゴンのレビューには違いがある。

どちらも地球外生命体との関連は少なくとも今のところはない一方で、プロジェクト・ブルーブックfでは、悪意がないことを発見した。

国立公文書館による調査結果の要約によると、「空軍が報告、調査、評価したUFOは、我が国の国家安全保障への脅威を示唆するものはなかった」とある。「未確認」と分類された目撃情報が、現在の知識の範囲を超えた技術開発や原理を表す証拠は、空軍に提出されたことも、発見されたこともない。

同報告書の余波をめぐって、大きな論争が今も続いている。

これらの物体に対する国家安全保障上の懸念が現在存在し、物体の背後にある科学が少なくとも公には不明であることを考え、下院情報委員会のアダム・シフ Adam Schiff委員長(民、カリフォーニア)は国防総省の回答を求めている。

シフ委員長は、「未確認航空現象について、そして国家安全保障にもたらす可能性のある潜在的リスクについて、知るべきことがたくさんある」「しかし、1つ確かなことは、アメリカ国民は完全な透明性を得るべきであり、連邦政府と情報機関は、UAP報告の文脈と分析で重要な役割を担っているということ」と述べた。

カービー報道官はThe War Zoneに、国防総省は、「アメリカ国民や議員に対して、この件に関する我々の見解や、現象を特定するためのプロセス、これまでよりも積極的かつ協調的な情報分析方法を確認するため、何をするのか、できる限り透明性を確保するべく全力を注いでいる」という。また、現象の多くが訓練場や訓練中に目撃されているため、「保安上の問題を軽減するため必要なことを行っています」と述べた。■

 

First Public UFO Hearing In Over 50 Years To Be Held By Congress Next Week

Congress will hold its first open hearings on UFOs since the end of Project Blue Book over five decades ago.

BY

HOWARD ALTMAN

MAY 10, 2022 3:51 PM

THE WAR ZONE

2022年5月13日金曜日

防衛費増強はウクライナ侵攻を見た日本が導いた当然の決断だ

 



平和をどう守るのか、他国の侵攻で自らの意思文化を否定されないようにどうすべきか、国民はウクライナ事例を見てそれなりに考え、次の選挙で意思を表明するでしょう。70年余変更しないままの憲法をどうするのか、外交だけで平和は守れるとの主張に疑いを感じる国民が益々増える中、7月の国政選挙は大きな転回点になりそうですね。


japan flag austin

ロイド・オースティン米国防長官と岸信夫防衛相の二国間会談に先立ち、日米両国の国旗が掲揚された(2021年3月16日火曜日、日本・東京)。(David Mareuil/Anadolu/Bloomberg via Getty Images)


本で政権を握る自民党が、今後5年間で防衛費を倍増させる提案をまとめた。日本では防衛費をGDPの1%未満としてきたが、2%に引き上げることを目標としている。



 同文書では、敵の軍事基地や指揮統制システムを標的とした「反撃」能力の開発を求めている。もし政府与党が同提言に従えば、第二次世界大戦後に軍隊を持つことに消極的だった日本を、自民党が後押しすることになる。自民党がただちに政権を失う可能性は低いようだ。

 自民党の構想が、ドイツが第二次世界大戦後の軍事への消極的な姿勢から脱却しつつ変化している中で出てきたことは無視しがたい。ロシアのウクライナ侵攻から、ベルリンはキーウ向け援助を開始し、国防予算を約1130億ドルへと大幅増額を承認したが、こうした動きは数カ月前には考えられなかった。

 自民党は、同じ理由で日本でも同様のコミットメントをさせようとしているようだ。自国を守ることに重点を置いてきた日本が、集団的自衛権にシフトしている姿を示すものだ。オーストラリア国立大学豪日研究センターのリッキー・カーステンRikki Kersten名誉教授はインタビューで、同文書には、現在のグローバルな地政学的環境では単独で自国を守れる国はないことをウクライナが示したと書いてある、と指摘する。

「特にドイツが、自国の裏庭で起こった緊急事態にどのように対応を迫られたかを見てください。短期間で予算を大幅に増やさなければならなかったのです。緊急事態を想定して、早く行動しないのは無責任と言われても仕方ない」(カーステン)。

「文書で私が目を見張ったのは、政策の劇的な変更の必要性を正当化するためどこまでウクライナが引き合いに出されているかです。つまり、正当化の理由を見てみると、日本が自国地域で前例のない脅威環境に直面しているだけでなく、自由主義的な国際秩序が脅かされていることがわかる」と言う。

 自民党の計画は、支出増の対象として兵器分野の少なくとも1つ、ミサイル防衛、特に極超音速という難しい脅威に対処することを目的としたシステムについて、かなり具体的に述べている、とカーステン教授は言う。

 「ロシアのウクライナ攻撃で明らかになったのは、脅威対応に各種手段を必要とする技術が出現していることです。極超音速兵器であり、また、従来の手段で迎撃できないミサイル技術もあります」と述べた。

 ここから、日本の対米同盟関係にも影響を与えることになる。自民党文書では、ミサイル防衛以外にも、無人機、人工知能、サイバー、ヒューマン・インテリジェンス、宇宙に触れている。

 より広い国家安全保障の観点から、今回の自民党の文書は、日本が12月に発表予定の戦略文書を見越して発表されたと、カーステンは述べた。

 自民党の計画は、来る参議院選挙で批判対象となる可能性があるとカーステンは指摘する。しかし、選挙前に支出増に触れたのは、与党が日本の政治と戦略の大きな転換を国民が支持してくれると確信しているからなのだろう。■



Japan's push to double defense spending ties directly back to Ukraine

"What this document says is, we have to anticipate this (Ukraine) emergency. Don't wait till it's upon us," said Rikki Kersten, honorary professor at the Australian National University.

By   COLIN CLARK

on May 09, 2022 at 7:04 PM

by COLIN CLARK

レイセオンが極超音速機開発を進めるハーマスに投資。民生用とともに国防分野でも効果を発揮するかに注目。

 hermeus

ハーマスコーポレーションが開発中の極超音速機クォーターホースQuarterhorseの造像図 (Hermeus)

民生用極超音速技術の実現をめざす新興企業への投資により国防分野にも恩恵を及ぼす可能性がある。

イセオン・テクノロジーズが立ち上げたベンチャーキャピタル部門は本日、初の投資先を発表し、遠隔操縦による極超音速旅客機の製造に取り組むジョージア州の新興企業、ハーマス・コーポレーションHermeus Corporationに資金援助を行う。

レイセオンのRTXベンチャーズRTX Venturesによる資金提供は、音速の5倍で飛行できる再利用可能機「クォーターホース」を初の極超音速航空機として製造するハーマスを強化する。レイセオンは投資額を明らかにしていない。

RTXベンチャーズの常務取締役ダニエル・アテヤ Daniel Ateya は、「極超音速技術は国家安全保障にとって極めて重要であるため、この分野で大胆な計画とビジョンを持つ企業に初の投資を行いました」と述べた。「ハーマスの技術的アプローチと事業計画は、近い将来をにらんだ国防用途と長期的な商業的願望のバランスをとっており、当社の顧客として極超音速技術の可能性を再び実現するのに役立つでしょう」。

レイセオンはDARPAの極超音速空気呼吸兵器コンセプト(HAWC)のような開発型極超音速兵器に取り組んでいるが、同社のグレッグ・ヘイズGreg Hayes CEOは昨年、ブルームバーグに対し、

「極超音速兵器を実際に運用した中国から少なくとも数年遅れている」と語っていた。

極超音速技術を商業的に検討しているハーマスのような新興企業への投資で、防衛用途に利益をもたらす飛躍的なアプローチにつながる可能性がある。

ただし、ハーマスに投資しているのはレイセオンだけではない。7月には、空軍が60百万ドルの「共同出資」契約を同社に結び、極超音速推進システムのテストやクォーターホース試作機の飛行など、多くの目的を設定している。

ハーマスのウェブサイトによると、クオーターホース初飛行は2023年に予定されている。

ハーマスのCEOAJ・ピプリカAJ Piplicaは、「極超音速機は、空の旅を劇的にまで加速させ、米国の国家安全保障上の重要な課題の実現を可能にする」と述べている。「ハーマスにとってスピードが生命線で、RTXベンチャーズとの協力関係を拡大し、より高速の未来に向けた当社のビジョンを加速させ続けられると期待している」。

レイセオンとヘイムスの両社幹部は、2月にペンタゴンでの会議に呼ばれ、ロイド・オースティン国防長官とキャスリーン・ヒックス Kathleen Hicks 副長官が、極超音速兵器開発を加速させる方策について10数社のCEOに探りを入れた。

4月、ヘイズは、レイセオンが今年初めにRTXベンチャーズを立ち上げ、「将来の成長を促進するため革新的技術のパイプラインを加速させる」と述べた。新組織は、安全に接続されたエコシステム、自律性と人工知能技術、電力と推進システム、精密センシングと効果の4分野を重視する。■

Raytheon's venture capital arm makes big bet on commercial hypersonic plane startup - Breaking Defense

By   VALERIE INSINNA

注 これまでHermeusをハーミウスと表記してきましたが、発音でちかいハーマスに今回から変更いたしました。


        

主張「NATO拡大を無条件に歓迎していいのか。ロシアと戦争する覚悟はあるのか。ウクライナを米露代理戦争にしていいのか」

 Javelin

ジャヴェリン対戦車ミサイル Credit: Creative Commons

全保障の強化をめざす国がこれまで同盟に参加してきた。だが米国にとって、同盟は慈善事業になっている。ヨーロッパでは、アメリカは軍事上の小人と同盟を結んでいる。最近では、北マケドニアとモンテネグロをNATOに加盟させた。

慈善のための同盟

両国は軍事的に無力だ。ロシア軍がヨーロッパを制圧しようと押し寄せたとしたら、ポドゴリツァとスコピエでは止められない。しかし、ワシントンは両国が重要のように装っている。

さらに悪いことに、NATOに早くから加盟の各国は、自分たちが不可欠であり、自分たちの助言に耳を傾けるべきだと考えるに至った。このため、NATOが進める加盟政策が危険になっている。

エストニア、ラトビア、リトアニアは、ジョージ・W・ブッシュ時代に加盟した。この三国はアメリカに「もっとくれ」と叫びながら、自分たちはほとんどやらずに数年過ごしてきた。ウクライナは、断固とした領土防衛が侵略の代償を大きくすると実証している。バルト三国は、NATOの2%基準をようやく達成したが、アメリカの防衛にとって重要でないにもかかわらず、自分たちはアメリカの保護を受ける権利があると考え、米軍駐留を求めロビー活動を続けている。

ウクライナ戦争までは、バルト三国の嘆願は煩わしかったが、脅威でもなかった。歴代のアメリカ大統領は、アジアへの「ピボット」または「リバランス」を望み、ヨーロッパでのアメリカの軍事的プレゼンスを高める願望はほとんどなかった。

しかし、残念なことに、状況は変わってしまった。これらの国々には、モスクワとの戦争が迫っている。NATOは各国の声に耳を傾け続けている。

対露戦の覚悟はあるか

ただし、各国の言いぶりは異なる。アメリカを戦争に巻き込もうとするウクライナに続き、バルト諸国も飛行禁止区域を提唱した。アメリカは、有効な空軍を持たないイラクに飛行禁止区域を設定した。しかし、ウクライナをロシアの空襲から守ろうとすれば、ロシア機を撃墜し、ウクライナだけでなくロシア国内の防空網を破壊していく必要がある。モスクワは自国領土を米国に明け渡すことはないだろうから、その結果、戦争になる公算が高い。

バルト諸国はこれを知っている。さらに、この政策を実施した場合も、自国が避けられない戦闘を行うことはないともわかっている。モンテネグロや北マケドニアもそうだし、ドイツやイタリアもそうだろう。ロシアを倒すのはアメリカの仕事であり、核戦争になればなおさらだ。

リトアニアは、戦争を公然と提唱して迫っている。ビリニュスでは間接的な主張がなされている。外務大臣ガブリエリウス・ランズベルギスGabrielius Landsbergisは、モスクワの政権交代を要求し、「領土外で戦争をする体制がロシアにある限り、周辺諸国は危険だ」と主張している。

結論はこうだ。「現政権が消えるまで、周辺諸国は危険にさらされたままだ。プーチンだけでなく、政権全体が危ない。プーチンが変わり、側近が変わっても、別のプーチンがトップの座に就くかもしれない」。

政権交代を推し進めるとどうなるか

原則だけみれば、プーチンを放逐するのが良いように見える。しかし、米国には、ロシアを全面戦争で倒す以外に方法はない。しかも、プーチンを排除しても、誰が後任になるかは誰にも分からない。ロシアにはリベラル派より真正のナショナリストの方が多い。プーチンを追い出せば絶好の機会となる支配エリート、安全保障に関心のあるシロビキは、目的より手段を考え直す可能性が高い。そして、数千発の核兵器を抱えたロシア国家が暴力的に崩壊すれば、世界中がつらい思いをすることになる。

さらに、ロシアのウクライナ戦が、モスクワとワシントン間の戦争に発展すれば、全員にとって危険度が高まる。政権存続がプーチンの最重要目的だ。政権交代を要求すれば、プーチンは話せなくなる。西側諸国が現在の支配的なエリートを翻弄しようとすれば核兵器の応酬の引き金になる。プーチン政権を崩壊させるなら、米国はどこまでのコストとリスクを覚悟しているだろうか。

米国の政策立案者は、核兵器のエスカレーションを恐れるあまり、適切なロシアへの圧力を実施できないと不満を抱く。しかし、最良の政策は、現場の現実を反映したもののはずだ。モスクワにとって最も重要な要素の1つはウクライナで、同国はロシアにとって大きな権益だ。

だがアメリカにとって、ウクライナは周辺的な問題にすぎない。キーウがロシアの犯罪的な侵略を阻止することは素晴らしいからといって、米国が戦争の危険を冒していいわけではない。

欧米がウクライナを支援すればするほど、ロシアには圧力がかかる。プーチンには、負けることは許されない。交渉よりも戦い、妥協よりエスカレートを選ぶかもしれない。ロシアを完全な戦時体制に移行し、核兵器含む火力の優位性を利用する誘惑に駆られるだろう。そして、戦いが本格的な代理戦争となり、ワシントンがウクライナ防衛よりロシア討伐に力を入れれば、モスクワは予測不能な方法で対応し、紛争がさらに拡大するかもしれない。

同盟は無料ではなく、同盟国にはコストがかかることをワシントンは覚えておくべきだ。NATOの第一の目的は、ソビエトを西ヨーロッパから締め出すことだった。ソ連が東ドイツとハンガリーで弾圧したとき、ドワイト・アイゼンハワー大統領でさえ攻撃側に回ることを拒んだ。ジョンソン大統領も、ソ連がチェコスロバキアを制圧したとき、同様に慎重姿勢だった。

しかし、同盟は拡大しそうだ。フィンランドとスウェーデンが次の加盟国となる。ウクライナはどうなるか。米国とヨーロッパ大国は、戦争のラインまで、そしておそらくそれを越えて進んでいく。キーウは中立の代償として、NATO憲章第5条に似た西側の軍事的保証を要求している。欧米の支援が着実に増えて、ウクライナに戦闘を促している。ウクライナがモスクワを打ち負かせば、NATOにウクライナ加盟を認める気運は高まるだろう。ただし、東部でロシアの進撃が遅いながらも続いているため、その可能性は低いが。

同盟加盟国の関係者は、加盟を希望する国はすべて受け入れる義務があるかのように振る舞い続けている。これはナンセンスだ。NATO憲章には、同盟は共通の安全保障を強化すると信じる国々を加盟に招くと記されている。ウクライナは2014年のブカレスト協定以来、ジョージアと同様で、加盟させれば戦争の可能性が高まるため、後回しにされてきた。NATO加盟の扉を単純に閉じなかったことが、ロシアのウクライナ侵攻で引き金になったのだろう。

大統領、あるいは現在米国の政策担当者は、瀬戸際から退くべきだ。ウクライナ戦争が長引けば長引くほど、ウクライナの死と破壊は拡大し、ロシアの孤立と過激化が進み、紛争が西方へ拡大する可能性が高くなる。米国とNATO同盟国には、紛争を拡大させるのではなく、終結させるのが急務のはずだ。■


Are the US and Russia Destined for War over Ukraine? - 19FortyFive

By Doug Bandow

Doug Bandow is a Senior Fellow at the Cato Institute. A former Special Assistant to President Ronald Reagan, he is author of Foreign Follies: America’s New Global Empire.