2022年6月11日土曜日

イスラエルがF-35アディールの攻撃半径を拡大。その方法は。イラン攻撃の準備が進んでいるようだ。

 

 


直近の報道では、IAFのF-35が無給油でイラン攻撃可能に強化され、新兵器を搭載したとある。

 

スラエルメディア報道によると、F-35Iアディールの航続距離が延長され、空中給油なしでイランを攻撃できる航続距離を確保したとある。F-35の内部搭載用に新開発された国産スマート爆弾とあわせて発表された。イスラエル空軍の長距離攻撃能力のアップグレードは、イスラエル指導部がテヘランの核開発計画に強硬姿勢を強める一方で、イラン空爆のリハーサルとされる演習を実施する中で行われた。

 昨日付のエルサレム・ポスト紙によると、イスラエル空軍の「新能力」は、7機しかないボーイング707タンカーによる給油なしで、F-35でイラン内陸部を攻撃できるようになったことである。老朽化タンカーへの依存をなくすだけでなく、タンカー支援を必要としないF-35の攻撃パッケージは、柔軟で生存率が高くなったと言える。さらに、紛争空域や周辺部で、給油機の生存能力が懸念されている。イスラエルは現在、近代的なKC-46への交替を加速させている。

 

イスラエル空軍のボーイング707改装タンカーがF-15に空中給油している Yonatan Zalk/Israeli Air Force

 

 ステルス機の航続距離をどのように伸ばしたのかは不明だが、ドロップタンクで外部燃料を追加したのだろう。この場合、レーダーへの影響が大きくなるが、イラン領空に入る前にパイロンと一緒に投棄できる。もう一つの選択肢は、コンフォーマルでフラッシュマウントされた燃料タンクで、ステルス性と性能への影響を軽減できるが、大幅な形状変更や機体改造を伴う可能性もある。この種のタンクの統合とクリアランスは、同機の高度なまでの低観測モールドラインを犠牲にするため、複雑かつ非常に時間のかかるプロセスになる可能性がある。このデータが、同機の生存率の鍵を握る。

 共用打撃戦闘機に外部燃料タンクを統合する構想は、前からある。2019年にThe War Zoneは、ロッキード・マーティンが航続距離延長研究の一環で、主翼の下に600ガロンのドロップタンク2基を追加する検討をしていると報じた。この場合も、ステルス特性に影響を与えるが、総燃料容量は約40パーセント増加する。それ以前にも、480ガロンと460ガロン小型タンク追加の研究があった。

 

480ガロン落下タンクの外形図(左)と460ガロンタンク(右)。ロッキード・マーティンがJSF用に認証を受けようとしたのは右。. AIAA

 

 

 F-35機内にはハードポイントがあり、燃料タンク搭載が可能であり、イスラエル仕様のF-35Iを含め、この機能の導入は難しくない。

 ロッキード・マーティン広報担当は当時、Aviation Week誌に「当社はF-35の各顧客と航続距離延長を以前から話し合ってきた」と述べていた。「航続距離延長はミッションのプロファイルに依存するが、当社の研究では距離と滞空時間、つまりミッションの持続性の両方が大幅に向上することを示している」。

 基本型のF-35A、そしておそらくF-35Iは、現在公表の無給油戦闘半径は650海里強だ。つまり、IAFの戦闘機がイラン国境を越え標的に到達するのは不可能で、しかもこれは最短距離で侵入した場合の話だ。

 

650海里とされるF-35Aの無休油戦闘半径ではイラン国内標的の空爆には不十分だ. Google Earth

 

 注目すべきは、イスラエルが、ロッキード・マーチンでF-35の航続距離延長で重要な推進力になってきたことだ。イスラエル企業は、F-35のドロップタンクやコンフォーマル・タンク開発に携わっており、一部の作業はロッキード・マーチンに頼らず実施できた可能性もある。

 Aviation Week誌によると、イスラエル航空宇宙産業(IAI)とElbit Systemsの子会社Cycloneは、F-35I用コンフォーマルタンクと600ガロンドロップタンクの双方に取り組んできたという。いずれか、または類似のものが、IAFの作戦コンセプトの一部となる可能性がある。

 興味深いことに、アメリカ空軍のF-22のアップグレード案にも「低抗力タンクとパイロン」が含まれており、IAFがF-35で採用したソリューションと共通点がありそうだ。航空機のレーダー断面積にほとんど影響を与えない継手を使用し、パイロンとタンクを一緒に投下させる。

 また、米国海兵隊のMarine Air Plan 2022では、F-35B(およびF-35C)用の外部タンクの開発が提案されている。この構想は、イスラエル用に開発されたタンクと共通するところが多いかもしれない。

 また、ロッキード・マーチンが海外バイヤーと共同でF-35改良型を開発し、数千万ドル相当のエンジニアリング・サポート業務を行うとの謎の発表もあった。カナダ向けの給油プローブ付きF-35Aの可能性があるが、IA向けのの燃料キャリッジ強化もあり得る。

 F-35Iのパワープラント、さらにはソフトウェアの調整も、航続距離延長構想の一部の可能性がある。

 射程距離延長とあわせ、エルサレム・ポスト紙は、イスラエルがF-35に新採用した「1トン爆弾」にも言及している。これは、米国製のレーザー誘導爆弾GBU-24 PavewayやGBU-31 Joint Direct Attack Munitionと同じクラスとなる。GBU-31と同様に、Rafael Advanced Weapons Systemsが開発した新兵器は、F-35のレーダー探知特性に影響を与えないよう内部搭載できる。

 F-35に「最近統合された」とされるこの新兵器は、同紙によれば、「自律的かつ、ジャミングや電子戦システムから保護されている」 とある。しかし、誘導方式、スタンドオフ射程距離を確保できるのかなどは不明だ。また、IAFがこの兵器を最近テストし、結果をベニー・ガンツ Benny Gantz国防大臣と共有したことも紹介されている。

 イスラエルのF-35に搭載される予定の兵器には、ラファエルの精密誘導爆弾SPICEが含まれるが、空対空ミサイルやその他の兵器も含まれそうだ。新兵器は、2000ポンドのSPICE2000を機内搭載用に改良したものである可能性がある。

 

SPICE 2000 を搭載したF-16Cをイスラエルは2021年夏のガザ回廊での戦闘に投入した。Israeli Air Force

 

 イスラエルは2018年5月、同機を攻撃作戦に使用する初のオペレーターとなったと発表し、それ以降、イラン無人機の撃退でも成功を記録している。

 F-35I型への新機能追加については、2020年に同国に到着したステルス戦闘機がユニークな装備の試験型となったことが後押ししている。この単独仕様機は、武器の試験、エイビオニクス統合、機体の改造と試験など、イスラエル固有の装備を搭載する役割を担う。そのため、この機体はラファエル製の新兵器の射程延長改造とクリアランスの両方で重要な役割を果たしたと思われる。

 イスラエルは、特注テスト機だけでなく、F-35Iの基本的なミッション・ソフトウェアに独自の変更や追加を行い、ALIS(Autonomic Logistics Information System)に依存せず機体を運用する特別な取り決めもロッキード・マーチンと交わしている。これにより、新型燃料タンクや兵器を追加する作業もかなり容易になるはずだ。

 

テスト用のF-35I。うしろにF-15Iが見えるAmit Agronov/Israeli Air Force

 

 長距離飛行可能なF-35と新型精密兵器の機内搭載を合わせると、エルサレム・ポスト紙は「イラン攻撃の軍事計画を劇的にアップグレードする」と歓迎している。

 しかし、この計画は実用レベルでも試されているようで、IAFは先月、イラン攻撃を想定した大規模な訓練を4回以上も実施したと伝えられている。

 同紙によると、「炎の車」と総称される訓練では、最初の訓練は、イランのレーダーなど統合防空網を打ち負かすことに焦点を当てたという。特に、F-35Iは、センサー群、ネットワーク機能、特にステルス性能に助けられ、戦時中に重要な役割を果たす期待がある。

 演習2回目では、イラン国内の核施設を含む重要インフラを攻撃するため必要となる長距離作戦を実施した。地中海上空で米空軍タンカーがIAF機を支援中という誤報が出たのは、この演習が原因だった可能性がある。

 テストでは、イランの電子戦システムやサイバー兵器に対する防御も含まれていたようで、イスラエルが同国に空爆を行おうとする場合、既存の防空システム以上の各種脅威に直面すると予想される状況を反映している。

 また、イスラエルの匿名防衛関係者はエルサレム・ポスト紙に、イランの核開発能力に対し実施可能性のある作戦には、「各種距離の複数目標」が含まれると語っている。

 「炎の車」作戦には、第4世代のF-15とF-16戦闘機も含まれ、いずれもIAFの戦闘作戦で広く使用されている機種だ。実際、F-35Iの最新開発状況は、F-15Iに相当する長距離攻撃実施能力をIAFが強く望んでいることを示唆している。また、アドバンスト・イーグルの増備計画にも影響を与える可能性がある。

 イラン、特に核能力を標的とした新たな焦点の背景には、テヘランに従来より強硬な姿勢を示唆するイスラエル政府高官の一連の声明がある。

 今週初め、イスラエルのナフタリ・ベネットNaftali Bennett首相は、「テロと不安定のタコ」と表現したイランにむけた政策の変更を振り返った。

 ベネット首相は、イスラエル国防軍は現在、「足だけでなく、頭に対して行動する」ようになっていると述べた。この比喩では、タコの頭はテヘランの指導層を指している。しかし、首相がイラン体制を不安定にするための進行中の取り組み、将来の潜在的な作戦計画、あるいはその両方の組み合わせを示唆したのかどうかは不明である。

 イランが核兵器製造に必要な濃縮ウランを増産しているため懸念が増している。ベネット首相は、イランが純度60%以上のウラン濃縮に成功する可能性を指摘し、「イスラエルはこの状況は受け入れられないし、受け入れるつもりもない」と述べた。兵器用ウランには約90%の純度が必要だ。

 同時にテヘランは、核活動監視に使われていた計27台のカメラを撤去し、国連査察団の業務を困難にすることに躍起になっているようだ。国連は、この動きがイランとの核取引再開に向けた努力に「致命的な打撃」を与えかねないと警告した。一方、ドイツ情報筋によると、イランは不正な核開発計画に使える技術を獲得するため努力しているようだ。

 イスラエル軍、特に現地開発の武器や能力を取り巻く機密性の高さから、F-35Iの新兵器や航続距離延長に行われたらしい改造について詳しく知るには時間がかかりそうだ。しかし、イランの核開発問題が深刻化し、IAFでF-35が定着しつつある今、IAFにおけるステルス機の重要性、とりわけ長距離攻撃能力は高まる一方といえよう。■

 

Israel Has Extended The Range Of Its F-35s: Report | The Drive

 

BYTHOMAS NEWDICK

JUN 9, 2022 5:04 PM

THE WAR ZONE


2022年6月10日金曜日

テヘランで軍人、兵器科学者が謎の死、イスラエル=イラン間の緊張が高まっている

 Iranian flag (R) next to the Israeli flag (L)

Iranian flag (R) next to the Israeli flag (L) Getty Images

  • テヘランで軍人と兵器科学者が不可解な死を遂げた

  • イスラエルは、イラン秘密部隊「840部隊」への「警告」とし、別の高官の暗殺を認めた

  • 今回の殺害でイラン=イスラエルの緊張が高まっている


ヘランで軍人と兵器科学者がそれぞれ謎の死を遂げ、イランとイスラエル間の緊張が高まっている。



 アリ・エスメルザデAli Esmaelzadeh大佐は未確認の状況で金曜日死亡した。ニューヨーク・タイムズは、各種情報筋から暗殺か自殺、または事故と報じた。

 エスマエルザデの死は、同じ部隊の高官であるサヤド・ホダエイ大佐Sayad Khodaeiがテヘランの自宅前で車から射撃され、その後死亡した事件からちょうど1週間後だった。

 ニューヨーク・タイムズは、イスラエルが米国当局にホダエイ殺害の責任を認める通知をしてきたと報じた。

 しかし同紙は、イスラエル高官2名が、エスメルザデ殺害への国家の関与を否定したとも報じている。

 エスマエルザデもホダエイも、ドナルド・トランプ大統領がテロ組織のレッテルを貼った「イスラム革命防衛隊(IRGC)840部隊」の将校だった。ニューヨーク・タイムズによると、同隊は海外で外国人の殺害ミッションを実行しているとイスラエルは主張している。

 同紙はまた、ホダエイ暗殺は、840部隊の活動を停止させる警告だとイスラエル側が米政府高官に伝えてきたと報じている。

 ホダエイの死を受け、革命防衛隊司令官ホセイン・サラミ将軍Hossein Salamiは、月曜日の演説で、「敵の悪行は何一つ見逃さない」"と述べた。

 イランの国営タスニム通信は、ホダエイの死に関するイスラム革命防衛隊声明を伝え、IRGC報道官ラメザン・シャリフRamezan Sharif将軍は、「世界各地のシオニズムに属する凶悪犯とテロ集団の残党の犯罪行為に罰を与える」と述べている。

 ロイター通信によると、この緊張の中、イスラエルは月曜日、イランが暗殺への復讐を企てている可能性があるとして、市民にトルコ渡航を控えるよう警告した。

 タイムズ・オブ・イスラエル紙によると、これらの人物の死と同時に、ミサイルや無人機の開発に携わっていたイランの航空宇宙エンジニア、アヨブ・エンテザリAyoob Entezariがテヘランで謎の死を遂げたとある。

 イスラエルの新聞Haaretzは、土曜日のイランのウェブサイト報道を引用し、エンテザリは食中毒で死亡したと考えられると書いた。

 この前にテヘラン近郊の軍事基地が無人機で攻撃され、イラン人技師1名が死亡、もう一人が負傷したとするニューヨーク・タイムズ報道があった。


イスラエルとイランの緊張

ユダヤ国家とイスラム共和国間の敵意は、イスラエル・パレスチナ紛争でイランはイスラエルの「がん腫」を取り除くためパレスチナのインティファーダを提唱したことや、イランは反論するがイランが核兵器を製造しているというイスラエルの信念など複数の地政学的要因により煽られている。

 2021年11月、イスラエル政府高官は、イランの核兵器開発を阻止するため、イランとの潜在的な紛争に備えるとしている。イスラエルのヤイル・ラピドYair Lapid外相は、「テロ政権が核兵器の取得をすれば、こちらは行動しなければならない」と述べた。

 石油も両国の争点の一つだ。イスラエルは2021年、シリアに向かうイランの石油タンカー少なくとも12隻を攻撃した。タンカーは米国と国際社会による制裁への違反と報じられた。

 2021年、イスラエルはイランが 「環境テロ 」行為として意図的に石油流出を画策したと非難した。流出事故で、イスラエルの地中海沿岸120マイルの90%がおよそ1000トンの黒いタールで覆われてしまった。■



Iranian scientist and a senior military officer found dead in mysterious circumstances amid a new wave of tension between Iran and Israel

Bethany Dawson Jun 5, 2022



ウクライナ戦の最新状況(現地時間6月9日) プーチンが自らをピョートル大帝に例える/ウクライナ劣勢/ヴェネズエラ大統領が不穏な動き

 UKRAINE-RUSSIA-CONFLICT

 

西側諸国の野砲装備が流入し、ウクライナはロシアの猛攻に耐えられるようになったとはいえ、数で劣り、戦力が不足気味だ。

 

 

クライナは、NATOや対ロシア戦の他の支援勢力から、当初要望した155mm砲の約90%を受け取っている。それでも、オレクシー・レズニコフOleksii Reznikov国防相によれば、戦争継続には、今後2週間で重火器がさらに必要になるという。

 「ウクライナにはどうしても重火器が必要で、しかも非常に早く」とレズニコフは6月9日述べた。「すでに相当数の武器を受領し、市場で調達し、製造し、ウクライナ軍に引き渡した。この数は、ヨーロッパのどの軍隊に対する防衛作戦なら十分だったろう。しかし、ロシアに対しては違う」。

 ロシアはドンバス地方への大規模な陸上攻撃でほとんど進展がないものの、ウクライナ軍は大損失を被っており、進行中の戦闘では圧倒的に劣勢・劣勢だ。ウクライナと西側機関による新しい情報評価では、ウクライナは40対1で劣勢で、砲兵では20対1で劣勢と、6月9日のThe Independent紙が報じた。

 具体的には、NATO標準の多連装ロケットシステムと十分な弾薬に加え、ウクライナにあるソ連時代の武器と弾薬をNATOの最新型に交換し、重装甲車も「これなしでは有効な反撃は不可能」なため数百台追加するようレズニコフは要求している。

 「ソ連の装備は時代遅れで、戦闘に備えられないと考えるべきだ」とレズニコフは述べた。「一方、パートナーからは軽装甲車しか提供されておらず、武器が付属しているわけではありません」という。

 最後にレズニコフは、2月の敵対行為開始以来、ウクライナ指導部は戦闘機とミサイル防衛システムの提供を繰り返し訴えた。そして、これまでの安全保障支援に感謝し、この3カ月でウクライナのもとに殺到した武器や車両を列挙した。

 侵攻以来、少なくとも5型式の155mm砲がウクライナ軍に配備された。最新は、ポーランドのAHSクラブ自走式追尾榴弾砲だ。M777とFH70牽引榴弾砲、フランス製CAESAR車輪付き自走砲、M109A3追跡砲プラットフォームが配備されている。合計150基の砲兵システムがウクライナに到着したと、レズニコフは述べた。残る10%の155mm砲は、2週間以内に配備される。

 ウクライナは155ミリ弾薬も十分に保有している。レズニコフによると、2月24日の侵攻前に手元にあったソ連時代の大口径砲弾の量より10%多くなっているという。西側が供給する弾丸は精度が高いため、少量で大きな効果を発揮する。

 レズニコフによると、ウクライナはソ連時代の多連装ロケット弾を数万発保有しており、東部と南部での残虐な戦闘に従事する前線部隊に供給してロシアと競い合っているという。

 レズニコフによれば、ウクライナでは、M113装甲兵員輸送車の派生型、オーストラリアのブッシュマスター地雷防護車、イギリスのマスティフ装甲装輪車、ハスキー装輪戦術車、ウルフハウンド重戦術支援車など、西側諸国から装甲車約250台が活躍している。

 「MANPADS(スティンガー、スターストリーク、ミストラル、ピオルン、グロムなど)、ATGM(NLAW、ジャベリン、ミランなど)、擲弾筒(パンザーファウスト、カールグスタフ、AT4、RGW-90 HH / MATADORなどについては言うまでもありません」。「ご存じのように、その数は数千に及びます」

 「これは完全なリストに程遠い」とレズニコフはし、「他の最新兵器システムについては、まだ話すには早すぎる。後で話す。しかし、敵はすぐにその効果を肌で感じるだろう」

 

最新情報

警告:以下の最新情報の中には、生々しい内容が含まれています。

 ウクライナの南部と東部を食い荒らすロシア軍に対抗するには、さらなる火力が必要だというのがレズニコフの意見だ。戦場での惨憺たる損失や、ウクライナ征服のため掲げた目標のほとんどを達成できなかった作戦にもかかわらず、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は全く臆病になっていない。木曜日のテレビインタビューで、彼は自らをピョートル大帝になぞらえ、ウクライナをロシアに「返還」するための戦争を、18世紀初頭にピョートルがスウェーデンに向けた20年にわたる大北方戦争になぞらえた。

「ピョートル大帝は21年間も大北方戦争を展開した。スウェーデンと戦争をして、スウェーデンからロシア帰属のものを奪回した。ヨーロッパはスウェーデンのものと見ていたが。今度は祖国をとりもどそう(微笑)」とピョートル大帝の生誕350年を記念した博物館の展示会で、プーチンは述べた。

 ウクライナ軍は、NATO諸国が送ってきた155mm砲システムの多くで訓練を必要としている。ドイツのグラーフェンヴェール訓練場で、米国とノルウェーの部隊からM109A3自走榴弾砲に関する指導を受けている。最近、ノルウェー軍が手書き教材を使ってウクライナの部隊を訓練している写真が公開された。エンジンの種類は2ストロークV8、450馬力、燃料はディーゼル、前進・後退のギアも手書きで書かれている。

 ロイド・オースティン米国防長官が、ウクライナへの攻撃用ヘリコプターの提供を約束したチェコ共和国に公に謝意を表明して2週間が経過した。チェコのMi-24/35ハインド・ヘリコプターが、ウクライナへの譲渡に向け準備されている。

 戦場での通信システムは、信号が敵軍に探知されれば、攻撃の格好のターゲットとなる。ロシア側は暗号化されていない商用技術を使用しているため、ウクライナ側が盗聴し、ターゲットにされており苦しんでいる。同様の懸念は、ウクライナがSpaceX社のStarlink衛星通信端末を導入していることでもわかるが、Politicoの新しいレポートによれば、これらのシステムは戦場で効果を上げている。    Starlink端末は、砲撃の調整、爆弾を投下する無人航空機の位置決め、司令官から部隊への命令伝達、部隊と家族間の連絡に使用されているとPoliticoは報じた。

 The War Zoneは、この新しい商業衛星通信システムを戦闘に投入することの利点とリスク、そして厳密に軍事的な派生物の出現について、より深く掘り下げる予定。

 ソ連時代の主力戦車T-72の輸出版であるT-72M1が、ウクライナ陸軍に配備された。この戦車はブルガリアのアポロエンジニアリング社が改修したもので、ブルガリアがウクライナにこっそり戦車を渡したか、このT-72M1がポーランドなどの第三国を経由したかのどちらかだろう。

 戦車といえば、ロシアの主力戦車の壮絶な爆発がまたもやドローンカメラに収められた。ドネツク州マリンカ付近でウクライナ第54機械化旅団の砲撃により破壊されたものだ。

 このようなロシア戦車への容赦ない残忍な攻撃は、対人兵器から車両を保護する創造的な解決策をジャンクヤードで生み出した。最新のものは、砂利を詰めた金属製の籠を車体に吊り下げたロシア製戦車で、どうやら飛んでくるミサイルに対する追の防御としているようだ。このような即席の防御が現代の対戦車兵器に有効かは疑問だ。

 ロシア軍によるウクライナ軍への攻撃の映像が次々と公開され、ロシア軍が長距離間接射撃を監視するため無人航空機の利用を増やしていることがわかる。6月9日にツイッターに投稿された映像では、バクムート地区のウクライナ軍陣地へKUB-BLA弾による攻撃を、無人機と思しき映像がとらえている。

 別のロシアUASは、バフムート地区でウクライナの2S7ピオン203mm追跡砲車両への多連装ロケットシステムの攻撃を撮影している。

 ウクライナ東部には携帯型防空システム(MANPADS)やその他の防空システムが氾濫しているため、前線に向かうウクライナ軍に詰め寄るMi-8ヘリコプターの映像が示すように、双方はジェット機やヘリコプターをできるだけ低く、できるだけ速く飛行させている。

 木曜日に公開されたロシア機の映像では、ロシア空軍の戦闘機とヘリコプターがウクライナ上空であらゆる任務をこなしている。また、ロケット弾を無差別に打ち込むKa-52のコックピット風景もある。

 ウクライナ空軍は依然として戦闘中だ。一部のジェット機は損傷を受け、現役を退いた機体や寄贈された機体から部品を調達し、再び戦場に飛び立たせている。また、ロシアの防空網に対抗して愛国的な色に塗られた機体もある。

 ウクライナ軍は、市販の無人偵察機を改造して爆弾投下に使い続けている。この戦術は、人員や非装甲車両などのソフトターゲットに対しては効果的がある。また、無人機を高く飛ばせば、敵の兵士に見えないし、聞こえないので、心理的効果も大きい。また、無人機の撃墜や防御も困難となる。

 第一次世界大戦のツィマーマン電報のような奇妙な反響で、ニカラグアのダニエル・オルテガ大統領は木曜日に、今年後半にロシア軍を自国に招へいすると提案した。ロシア国営テレビの司会者オルガ・スカベエワは、「丘の上のアメリカの都市に近い場所でロシアが強力な何かを展開する時が来た」と言った。オルテガ大統領は、ロシアに加えて、ベネズエラ、ホンジュラス、グアテマラ、ドミニカ共和国、キューバ、メキシコ、エルサルバドル、アメリカの「陸海空軍部隊」の駐留許可を延長する命令に署名したことに注目したい。ともかく、このレトリックはキューバ・ミサイル危機を想起させ、ロシアが西半球で忠誠心を武器化しようとする恐怖を呼び起こす。■

 

Ukraine Situation Report: Kyiv Pleads For Weapons As Putin Channels Peter The Great

BYDAN PARSONSJUN 9, 2022 8:04 PM

THE WAR ZONE

 

 

 


弾薬生産に不可欠なレアアース供給を中ロに握られたまま危機感を強める米国

 

Bullets are seen in front of an American-made F-16V fighter during a military exercise in Taiwan on Jan. 15, 2020. (Chiang Ying-ying/AP)

国は弾薬生産に不可欠な鉱物の調達をほぼ全面的に中国(一部ロシア)に依存している。

アンチモンantimonyは徹甲弾や爆薬から核兵器、さらには暗視スコープなど様々な軍事機器の製造に不可欠だ。

アンチモン含むレアアース鉱物の戦略的備蓄で強化が必要と議会が注目している。備蓄対象には、チタン、タングステン、コバルト、リチウムなど、防衛産業に不可欠な鉱物多数が含まれているが、是正措置がないと2025年度までに対応不能になると議会は予想している。

下院軍事委員会が水曜日発表した法案では、アンチモンのサプライチェーンにおける中国支配に初めてメスを入れている。法案に添付の報告書では、10月までに国防備蓄管理部門へアンチモンの状況について委員会に説明し、「鉱物資源の5年間見通しと現在および将来のサプライチェーンの脆弱性」を提供するよう要求している。

「委員会は、最近のロシアや中国との地政学的な動きと、特にアンチモンのサプライチェーンを途絶させる可能性を懸念している」と報告書は指摘。

また、同法案では、国防総省に対して、使用済みバッテリーをリサイクルし、「貴金属、希土類鉱物、戦略的に重要となる元素(コバルトやリチウムなど)をサプライチェーンまたは米国の戦略的埋蔵量に再生する」方針を打ち出すよう求めている。

下院準備小委員会は木曜日に文案を承認する見込みで、軍事委員会は年次国防認可法案の一部として同法案実現を進める。

第二次世界大戦中、日本が中国からアンチモン供給を打ち切ったため、米国はアイダホの金鉱でアンチモンを調達しはじめた。しかし、この鉱山は1997年に生産停止した。

米国地質調査研究所の2020年報告書によると、「アンチモンの国内鉱山は存在しない」とある。「中国は採掘・精製されたアンチモンの最大の生産国で、米国の主要輸入先である」。

報告書では、中国は「世界第2位の生産国ロシアにシェアを奪われている」と指摘しており、タジキスタンが世界第3位のアンチモン供給国として世界市場で地歩を固めてきたという。

過去数十年にわたり、戦略的鉱物の国防備蓄から売却を許可してきた議会にとって、国防備蓄強化の大きな転換点にきた。

冷戦が始まった1952年のピーク時には、備蓄は現在のドル価格で420億ドル近くあった。昨年は8億8800万ドルに急落している。

国防総省は先月、議会に独自の立法案を提出し、備蓄用鉱物の追加調達のため国防承認法案で2億5350万ドルの承認を要請している。

下院軍事委員会のセス・モールトン議員Rep. Seth Moulton(民、マサチューセッツ)は4月、国防予算小委員会に23年度の2億6400万ドルを備蓄用資金として追加提供するよう共和党議員とともに要請した。

「現在の備蓄は大国間競争の必要条件を満たしていない」「国防備蓄は、サプライチェーンが寸断された場合、国防総省が必要とする大半の物資をカバーすることは不可能な水準にある」。■

 

The US is heavily reliant on China and Russia for its ammo supply chain. Congress wants to fix that.

By Bryant Harris

 Jun 9

About Bryant Harris

Bryant Harris is the Congress reporter for Defense News. He has covered the intersection of U.S. foreign policy and national security in Washington since 2014. He previously wrote for Foreign Policy, Al-Monitor, Al Jazeera English and IPS News.


ズムワルト級に弾道ミサイルを搭載すれば、巡洋艦に変更されるのでは....だがPLANは055型に搭載ずみ

 US Navy Zumwalt Class Stealth Destroyer With Lockheed Martin CPS Hypersonic Missile

Click to enlarge. The upgrade will give the Zumwalt Class an impressive new weapons capability. The CPS hypersonic missiles are expected to replace one or both of the main guns.


ムウォルト級駆逐艦は、知名度が最も高く、印象的な軍艦だ。極超音速ミサイル(CPS)を搭載すれば、同艦は比類なき火力を発揮する。



 ズムウォルト級は15,000トンを超える、駆逐艦としては大型の艦だ。同艦は今日の「駆逐艦」の定義からさらに遠ざかる。巡洋艦として再指定されるか注目される。

 ズムウォルト級は、米海軍がその必要性を再評価し、沿岸部作戦を重視するようになった時期に発注され、おおきな批判を受けてきた。確かに高価であり、先進的な艦砲システムの問題から、期待されたほどの武装を備えていないままだった。

 同艦の今回の改良では、超音速ミサイルCPS(Conventional Prompt Strike)を搭載する予定だ。

 従来型抑止力、戦場支配を可能にする

CPSは、非核の戦略的極超音速兵器システムだ。長い射程距離(数百マイルから数千マイル)、驚異的な速度(マッハ5以上、おそらくもっと速い)、高い敏捷性は、米国に新しい能力を提供する。同ミサイルは、迎撃の可能性がほとんどなく、一刻を争う場面で標的を正確に攻撃できる。

 極超音速兵器では米海軍のその他水上艦や潜水艦に搭載される、異なるが密接に関連した変種がある。また、陸上型が米陸軍に配備される。

 ズムウォルト級に搭載されるCPSミサイル数は未定だ。また、既存の155mm砲のマウントは維持されるかどうかも不明だ。砲架に影響を与えずにCPS2基の搭載は可能であり、両方の砲架を取り外せば6~8基となる。ロッキード・マーチンは、砲架のうち1基を保持する提案をしている。


興味深い歴史

過去の軍艦に大型弾道ミサイルを装備する計画には、興味深い類似点がある。1950年代、アメリカ海軍は水上艦艇に当時新開発の大陸間弾道ミサイルを装備することを計画していた。有名な原子力巡洋艦「USSロングビーチ」は、これを念頭に設計された。イタリアは実際に巡洋艦の1隻にこの発射管を搭載した。

 1957年から61年にかけて、イタリア海軍の巡洋艦ジュゼッペ・ガリバルディは、4基のUGM-27ポラリス・ミサイルを搭載する改修を受けた。政治的な変化により、米国ミサイルが供給されることはなかった。イタリアの代替ミサイル、アルファ用とする計画があったが、これも頓挫した。結局、空振りのままであった。

 巡洋艦ジュゼッペ・ガリバルディは、後部砲塔の代わりにポラリスミサイルを4基搭載した。代用ミサイルで試験発射が行われたが、うまくいかなかった。


 

 潜水艦発射弾道ミサイルの成功は、冷戦時代の弾道ミサイル巡洋艦にとって棺桶に釘を打たれるようなものだった。潜水艦への搭載は、米海軍のブロックVバージニア級を筆頭に、注目されているままだ。

 しかし、3隻あるズムワルト級は、より強力で明確な能力を提供する。視覚的に印象的な同艦のフォルムは、意思決定者に影響を与えるかもしれない。


中国は巡洋艦に弾道ミサイルを搭載ずみ

弾道ミサイルを搭載するのは、ズムウォルト級だけではない。中国海軍は、すでに最新の055型レンハイ級巡洋艦にYJ-21ミサイルを搭載している。

 米中両国のミサイルの仕様はまだ不明だが、観察が可能だ。米ミサイルは、特に直径がより大きい。つまり、アメリカの艦船に搭載できるミサイルの数は少なくなる。

 中国のYJ-21ミサイルは、レンハイ級が搭載するユニバーサルVLS(垂直発射システム)に収まる。米Mk.41やMk.57のVLSに搭載できるものよりも、直径も長さも大きい。

 大きな違いは、YJ-21が主に対艦兵器と見なされていることだ。ASBM(対艦弾道ミサイル)は、アメリカ海軍の空母に対抗し中国軍が重点としている。とはいえ、YJ-21がある程度までの陸上攻撃能力を持つことはあり得る。■


US Navy's Hypersonic Missile Will Give Zumwalt Class New Capability - Naval News

H I Sutton  08 Jun 2022



AUTHORS

Posted by : H I Sutton

H I Sutton writes about the secretive and under-reported submarines, seeking out unusual and interesting vessels and technologies involved in fighting beneath the waves. Submarines, capabilities, naval special forces underwater vehicles and the changing world of underwater warfare and seabed warfare. To do this he combines the latest Open Source Intelligence (OSINT) with the traditional art and science of defense analysis. He occasionally writes non-fiction books on these topics and draws analysis-based illustrations to bring the subject to life. In addition, H I Sutton is a naval history buff and data geek. His personal website about these topics is Covert Shores (www.hisutton.com)


2022年6月9日木曜日

ウクライナ戦の最新状況(現地時間6月8日分)疲労蓄積が隠せないウクライナ軍、品性のないロシア軍がチョルノブイリでなにをしたか (食事中の方はご注意)

  

Ukraine And Russia In Back-And-Forth Battle On Donbas Frontlines

 

ロシアのウクライナ東部と南部での攻撃は、初期の成果をほとんど超えていないものの、ウクライナ軍は数ヶ月にわたる戦闘で疲労困憊している。

 

 

クライナ軍は、東部の都市セベロドネツク周辺で、24時間以上にわたる3方面からの持続的な攻撃にもかかわらず、戦線を維持しており、包囲をめざすロシアの試みは、膠着状態に追い込まれている。

 この1日で、どちらかが大きく前進したとは考えにくい。英国国防省の最新評価では、ロシアはドンバス中心部に兵力を集中させ、北側と南側でウクライナの反撃を退けているという。

 しかし、CBCによれば、東部では数週間の絶え間ない戦闘でウクライナ軍は打ちのめされ、戦線は維持されているものの、士気や戦意は低下している。

 英国国防省によると、6月8日現在、ロシアはウクライナの領土を確保しており、前線は310マイル以上に及び、ロシアとウクライナの双方の領土防衛に負担をかける一方、信頼できる攻撃作戦を行うためには兵員と装備をあらためて確保する必要があるという。

 ウクライナ軍は最近、南部ケルソン地域で反撃し、イングレット川東岸に足場を取り戻すなど、一定の成果を上げている。

 AP通信によると、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は、国民への夜の演説で、ロシア軍はこの1日、ドンバス地方で目立った前進はないと述べたという。

 「ドンバスの絶対的で英雄的な防衛は続いている」とゼレンスキー大統領は述べ、ロシア軍はウクライナの抵抗が続くのに驚き、追加人員と装備で強化中と付け加えた。

 また、ケルソン地方でのロシア軍の進撃も、ウクライナの防衛の前に停滞しているという。ウクライナ軍は、特に戦略的に重要な港湾都市ミコライフ付近で反撃を開始できた。オックスフォード大学のサミュエル・ラマニ教授(国際関係論)によれば、ロシアはこうした攻撃から防衛するため、ザポリジャーからケルソン地方に兵力を移動させたという。

 セベロドネツクとリシヤンスク付近のドネツク川をロシアが横断すると予想されている。ウクライナ軍はこの動きを予知し、橋を爆破し、相手に川を渡らせるか、自分たちで橋を架けることを強要しているようだが、これが最近悲惨な結果を招いている。 

 また、ロシアは戦争初期に占領したケルソンでソフトパワー攻勢を強めている。ロシア連邦がソ連から主権と独立を宣言したことを記念する「ロシアの日」を6月12日に控え、占領軍は同市住民にロシアパスポートの配布を開始した。

 占領地ではロシア・ルーブルが法定通貨として導入され、ロシア語を話す教師がロシアのカリキュラムと言葉で生徒を指導している。ゼレンスキー大統領は、このようなロシアの侵略の促進につながり、正当化する戦術を繰り返し警告してきた。大統領はウクライナ国民に、ロシアのパスポートの受け取りを拒否するよう促している。

 

最新情報

2月24日の侵攻以来、ウクライナで破壊されたロシア軍の車両や重火器の目視確認数が、6月8日に2,500台に達した。侵攻前は世界第2位の陸軍と言われたロシア軍には、厳しい数字だ。

 ロシアの装甲車両は、誘導弾、無誘導対人ロケット弾、大砲、その他重火器で武装したウクライナ軍によって、壊滅的な被害を受け続けている。このロシアのBMP-3歩兵戦闘車両は、スウェーデン製無誘導単発対戦車兵器AT-4の餌食になったようだ。

 ウクライナに投入されたうちで最も近代的な戦車とされるロシアのT-90は、ウクライナ軍が無傷で捕獲し、砲身を元の持ち主に向けようとしている。

 ウクライナは最近もロシアの固定翼無人機Orlan-10を墜落させたが、同機は驚くほど無傷で回収されており、ウクライナ軍が飛行中の機体を混乱させたり破損させたりする比較的高度な電子的手段を有していることをうかがえる。無人航空機は、偵察、砲兵隊の索敵、敵の陣地や車両への投下などに非常に有効であると証明されており、電子式のいわゆる「ドローン砲」は、数種類と性能を持つ装備が紛争の両陣営で見られる。

 こうした損失を補うため、ロシアはモンゴルの北にあるバイカル湖畔のイルクーツクからウクライナまで、多連装ロケットシステム(MLRS)や152mm榴弾砲をさらに移送することにした。

 ウクライナ軍には新しい装備が続々と登場している。6月8日、おそらく初めて目撃されたBM-27ウラガンMLRSは、チェコ製のタトラ型装甲車に搭載されていた。

 ソ連のBM-27 220mmMLRSをウクライナ用に改良したもので、最新のデジタル射撃統制システムを搭載し、標準弾薬で約22マイルの射程を持つ。

 その他、BMP-1TS歩兵戦闘車がウクライナ航空強襲軍で使用されているのが目撃された。Twitterアカウント「Ukraine Weapons Tracker」によると、同車両はウクライナ仕様のBMP-1で、30mm砲、対戦車誘導ミサイル、PK機関銃、AGS-17グレネードランチャーなどを搭載した戦闘モジュールを後付けしているという。

 ウクライナ議会のキラ・ルディックKira Rudik議員は、英国はロシア海軍が封鎖中のウクライナ港湾を「封鎖解除」するために、ブリムストーン地上発射ミサイルの追加供与を特別に約束したと述べている。同ミサイルは、海や陸の標的を攻撃するため使用できます。この短距離全天候型ミサイルでは、以前ウクライナ・ウルカインでトラック搭載のランチャーから発射されているのが目撃されていた。

 ルディク議員はまた、ウクライナはロシアのミサイル(おそらくロケット砲と巡航ミサイル)から都市を守るために、イスラエルの防空システム「アイアンドーム」の購入に前向きとも語った。米国は、ウクライナが同システムを調達することに問題はないという。

 キーウをはじめ、ここ数日ロシアのミサイル攻撃を受けている都市の住民にとって、防空は最重要事項だ。西側でSS-26ストーンとして知られるイスカンダルM短距離弾道ミサイルが、夜間にロシアのベルゴロド市からハルキウに向け発射されたと伝えられている。

 ウクライナの爆発物処理班は、民間人を殺傷する可能性のある3B30子弾のようなロシアの未爆発兵器を除去するため、時間をかけて作業している。

 6月8日、ミコライフ近くの農地から、米海軍空母に使用するべく設計されたロシアの長距離対艦ミサイルKh-22と見られる残骸が回収された。

 プロジェクト02690の自走式浮きクレーンに搭載された2基のTor地対空ミサイルシステムが、紛争の火種となったロシア占領下のスネーク島に向かうのが目撃された。黒海におけるロシアの洋上支配を確保する上で戦略的な位置を占め、ロシアの長距離防空兵器やスタンドオフ兵器がNATO領域深くまで容易に到達できる可能性のある同島をロシアは確保しようとしてきたが、ウクライナの無人機や戦闘機による執拗な攻撃で実現が遅れている。

 ロシアの侵略が世界の世界秩序に予期せぬ結果をもたらしたもう一つの例として、日本が水曜日にNATOとの軍事協力を強化することに合意した。ロシアの東部辺境と海上の境界線を共有する日本は、ロシアのウクライナ侵攻がヨーロッパだけでなくアジアの安全保障に及ぼす影響を懸念しているようだ。

 チョルノブイリ原発で数週間人質になっていたウクライナ人労働者は、ロシア軍が破損、汚損しただけでなく、文字通り糞をした施設の後始末に当たっている。Business Insiderによると、ロシア軍は4月に、放射能が残り非常に不安定な核施設を避難させる前に、広大な施設のすべてのオフィスで「山」のような大便を排泄したらしい。

 チョルノブイリ・エコセンターの副所長は、「ウンコはケーキの上のアイシングだった」と語ったという。■

 

Ukraine Situation Report: Attacked On Three Sides, Ukrainians Hold The Line In The East

BYDAN PARSONSJUN 8, 2022 6:21 PM

THE WAR ZONE