2022年6月14日火曜日

坊主憎けりゃ袈裟まで憎い? バイデン政権がトランプ大統領提案の新エアフォースワン塗装を却下。

 

Photo: Chris Loh | Simple Flying


れほど驚くべきことではないかもしれないが、次期エアフォース・ワンのカラーリングがどうなるかは大きな疑問であった。今までは。



 バイデンが第46代大統領に就任して1年半になる。就任式がパンデミックの真っ只中に行われたこともあり、次期エアフォース・ワンのカラーリング問題は、優先順位からかけ離れていた。しかし、現政権がトランプ前大統領提案のダークブルー塗装を採用しないことがようやく確認された。


コスト増が理由

Politicoによると、大統領と現政権は、ダークブルー塗装によるコスト増を理由に、トランプ前大統領が提案したエアフォースワンのカラーリングを採用しないとある。

 レンダリングで見た方も多いと思うが、2019年に公開されたトランプのデザインは、ダークレッドのストライプの下にダークブルーを腹部とエンジンに施すのが特徴だ。この塗装は、工業デザイナー、レイモンド・ローウィがジョン・F・ケネディ大統領向けに1962年に確立したカラーリングに取って代わるものとして設定された。 

 当時、新デザインについてABCニュース取材に応じたトランプ大統領は、次のように語っている。

「赤、白、青 だ。エアフォースワンは素晴らしいものになる。世界一、最高級になる。赤、白、青がふさわしいと思う」。


現行のカラーリングは、「エアフォース・ツー」や、アメリカ空軍が保有する他のVIP輸送機にも採用されている。写真 Mathieu Marquer via Wikimedia Commons


ダークサイド...

この決断へは、最初は首をかしげるかもしれない。改良型747-8iの2機は新品かつ未使用で、デザインにかかわらず新しいカラーリングが必要だ。では、あるカラーリングが他のカラーリングよりもコストがかかるのはなぜか?

 空軍による最近の調査は、提案中のカラーリングの暗色は機体温度を上昇させる可能性があると結論づけている。

 「VC-25B下部の暗色は、一部コンポーネントの現在の制限を超える温度上昇に寄与するかもしれないと結論づけられた」-Ann Stefanek, US Air Force spokesperson via Politico

 匿名でPoliticoに語った政権関係者は、トランプのカラーリングで「エンジニアリング、時間、コスト」を押し上げる可能性があると付け加えた。最近のニュースを見ていない人のため補足すると、エアフォース・ワンの代替プログラムはすでに予算オーバーで、スケジュールも遅れている。


トランプ大統領が提案した塗装。Photo: Boeing


中立の場はない

深く分裂した米国にとって、バイデン政権による今回の決定は、追加プログラム費用の報告で正当化されたものの、政治判断と見なされる可能性が高い。

 未公表の(あるいは未確定の)予算額を節約するというが、VC-25Bのカラーリングに関する決定は、非常に多くの象徴性を持っている。「どのデザインが似合うか?」という問題以上に、むしろ、トランプ前大統領提案の塗装にすれば、本人を視覚的に思い起こさせることになり、その思いは数十年続くことになっただろう。超音速の代替機が開発されるまで。

 上記のような理由で、カラーリングの審議で国内が二分されたわけだが、今回の報道と決定で、前大統領の支持者が動揺するのは間違いない。それでも、ようやく答えが出たことで、同機の就航など、もっと重要な内容が前進するのはいいことだ。■


It's Official: Trump Air Force One Livery Gets Scrapped By Biden Administration

BY

CHRIS LOH

https://simpleflying.com/trump-air-force-one-livery-scrapped/


Source: Politico, ABC News

About The Author

Chris Loh (2070 Articles Published)

Deputy Editor - An experienced photographer and video producer, Chris is a journalistic natural. Degree educated with a wealth of traveling history, Chris’ insight into routes, networks, and...


この記事はターミナル1で先行公開しています。https://aviationspacebusiness-civilaviation.blogspot.com/


ウクライナ戦の最新状況(現地時間6月13日)ドンバス地方の戦況に変化わずか

 

The situation on the ground in the Donbas. (Institute for the Study of War)




シア侵攻が始まり110日。月曜日も、ドンバスの状況に変化はほとんどない。


戦闘は続いている

セベロドネツクとその周辺では、まだ激しい戦闘が続いている。ロシア軍は市街の大部分を支配しているが、ウクライナ防衛隊はアゾット工業地帯で踏ん張っている。ロシア軍は、ウクライナの補給路を断つため、シヴァスキー・ドネツ川架橋を標的にしている。

 「ロシア軍はセベロドネツク市とその周辺で、激しい砲撃の中、地上攻撃を続けているが、6月12日現在、同市の完全支配を確立するまでに至っていない。ウクライナ軍はアゾット工業地帯の制圧を維持している。ルハンスク州政府セルヒイ・ハイダイ長官は、ロシア軍がセベロドネツクとリシチャンスクの間のシヴェルスキー・ドネツ川にかかる2つの橋を破壊し、3つ目の橋を激しく砲撃していると述べた」と戦争研究所は最新の戦況評価でまとめている。

 しかし、この戦術が裏目に出る可能性がある。ロシア軍が前進できれば、今後同じ川を渡らなければならないし、ロシア軍はこれまでの戦争で渡河能力の低さを発揮してきたからだ。数週間前、ロシア軍は川を渡ろうとして戦車、歩兵戦闘車、装甲兵員輸送車など約80両を失った。

 また、ロシア軍はセベロドネツクの南西から進攻し、ウクライナ側の守備を断ち切ろうと試みている。


ロシア軍の損失

ウクライナ軍は毎日、ロシア軍の死傷者数を発表している。これらの数字は公式の数字であり、個別に検証されたものではない。

 しかし、西側の情報機関の評価と独立した報道は、ウクライナの主張する死傷者数をある程度裏付けている。例えば、オープンソースの情報調査ページ「オリックス」は、600両以上のロシア戦車を破壊または拿捕したことを目視で確認しており、この声明は英国国防省によって再確認されている。

 ウクライナの他の主張の多くにも、同様の独立した検証が存在する。つい最近、米国防総省は、ロシア軍が1,000両以上の戦車、数十機の戦闘機やヘリコプターを含むあらゆるタイプの戦闘車両を失ったことを認めた。

 さらに、西側情報機関の関係者を引用した最近の報告によると、ロシア軍はこれまでの戦闘で最大2万人の死者を出しているという。戦争の霧や、現場にいなければ正確な数字を確認するのが難しい他の要因を調整すると、西側の公式数字はウクライナの主張に近い。

 月曜日の時点で、ウクライナ国防省は以下のロシア軍損失を主張している。

  • 戦死者32,300(負傷、捕虜は約3倍)。

  • 装甲兵員輸送車3,492

  • 車両および燃料タンク2,460

  • 戦車1,432

  • 大砲718

  • 戦術的無人航空機システム585

  • 戦闘機、攻撃機、輸送機 212

  • 多連装ロケットシステム(MLRS)226

  • 攻撃・輸送用ヘリコプター178

  • 撃墜した巡航ミサイル125

  • 対空砲台96

  • 架橋装置など特殊装備53

  • ボートおよびカッター13

  • 移動式弾道ミサイル「イスカンダル」4


 この数週間、ドンバス地方での継続的な圧力と攻撃作戦にもかかわらず、ロシアの死傷者の割合は大幅に減少している。このことは、2つのことを示唆している。1つ目は、ロシア軍の指揮官が攻撃作戦に慎重になっていること、2つ目は、ウクライナ軍が戦闘力や弾薬を使い果たしつつあることである。最近の現地報告によると、どちらも事実であり、戦闘疲労が双方に追いついてきているようだ。

 先月はスロビャンスク、クリビヤリ、ザポリジャの3地区で激しい戦闘が続いたため、ロシア軍の死傷者が最も多かった。日が経つにつれ、激しい戦闘はスロビャンスクの南東にあるバフムト方面、ウクライナの重要な町セベロドネツク、ライマン周辺に多く移行していった。

 その後、ヨーロッパ最大の原子力発電所があるザポリジヤ周辺でのウクライナ軍の反攻により、最も多くの犠牲者が出た場所は、再び西に移動した。

 月曜日、ウクライナ軍は、ロシア軍が進攻しセベロドネツクを後方から遮断しようとしているバフムト付近で最も大きな死傷者を出した。

 ロシア軍の東方再攻撃の目的は、ドネツクとルハンスクの親ロシア派の離脱地域を完全に支配下に置き、これらの地域と占領したクリミアとの間に陸上回廊を作り、維持することであると表明している。■



Your tactical update on Ukraine (June 13) - Sandboxx

Stavros Atlamazoglou | June 13, 2022


Stavros Atlamazoglou

Greek Army veteran (National service with 575th Marines Battalion and Army HQ). Johns Hopkins University. You will usually find him on the top of a mountain admiring the view and wondering how he got there.


2022年6月13日月曜日

オーストラリア前国防相の爆弾発言でAUKUSの行方に黄信号。原子力潜水艦が登場するのは2040年代?労働党政権が見直しをかける可能性も。

 VIRGINIA_CLASS_SSN

 

ピーター・ダットンが2030年までに米国製潜水艦2隻を購入する計画が存在していたと発言し、物議を醸している

 

 

ーストラリアの前国防相は、2030年までに米ヴァージニア級原子力攻撃型潜水艦2隻を取得する計画が前政権にあったと発言した。この暴露でオーストラリア政府関係者が動揺し、国内開発の新型原子力潜水艦(SSN)の購入構想を含む、米国および英国との新しいパートナーシップ「AUKUS」が頓挫しないか懸念が出てきた。供用中のコリンズ級ディーゼル電気潜水艦の後継艦を探すオーストラリアの複雑なプロセスで最新の進展となった。オーストラリアは、フランス設計の新型通常動力型アタック級潜水艦契約から離脱している。

 ピーター・ダットン前国防相(自由党党首)は、昨日オーストラリア紙に寄稿し、自身の主張を展開した。ダットンは、米国がヴァージニア級 SSN 2隻を 2020年代末までに供給すると期待していたと書き、「米国がその方向で促進しただろう」と見ている。

 

オーストラリア、イプスウィッチのアンバーリー豪空軍基地で行われたメダル授与式でスピーチするピーター・ダットン。 Photo by Dan Peled/Getty Images

 

 ダットンは、先月の選挙で勝利し政権を率いる労働党を批判し、前連立政権が残っていれば、ヴァージニア級取得を「7~8月頃に発表できる立場だったかもしれない」と主張した。その後、ラジオ局で「労働党がAUKUSや潜水艦事案から手を引こうとすれば国益に反し本当に心配だ」と述べた。

 ダットンの内容では、前政権がヴァージニア級潜水艦の購入を計画していたのか、リースする計画なのかは不明だ。ダットンは昨年、米原子力潜水艦をリースするのは暫定的に能力を獲得する方法であり、間違いなく可能だと述べた。これは、オーストラリアのトニー・アボット元首相を含む他の人々も公然と提唱していた。

 ダットンは、原子力潜水艦の代わりに、労働党政権は現在、通常動力艦をより多く取得しようとしていると主張し、各艦は現地建造されるようだとした。

 

2019年2月、西オーストラリア州コックバーン湾を通過中のコリンズ級潜水艦HMAS Collins、HMAS Farncomb、HMAS Dechaineux、HMAS Sheeanが隊列を組んで航行した。Australian Department of Defense

 

 前国防相の言葉は、政府関係者やアナリストから不評を買っているが、主な理由は、オーストラリアが新しい潜水艦をどこから調達するか、公には未決定のためだ。

 ダットンの論説は、リチャード・マールズRichard Marles新国防相が初の国産原子力潜水艦を、2038年までに建造するとした前政権の見込みは楽観的すぎると指摘したことに続くものだ。「現実には2040年代半ばに納入される可能性が高いというのが前政権退陣時での大方の予想だったと思う」と、マールズは今週初め、オーストラリアの新聞「シドニー・モーニング・ヘラルド」と「エイジ」に語った。

 「このギャップをどう埋めるかを考えねばならない。それしか言えない。方法について私は心を開いている」とマールズは付け加えた。

 アジア太平洋地域の安全保障環境、特に急速に増大する中国の脅威に目を向け、オーストラリア政府は昨年、フランスのナバル・グループとのSEA1000契約で、アタック級潜水艦12隻を調達する計画を破棄した。2007年に始まった契約は、スケジュールの遅れとコスト膨張に悩まされていた。こうした問題を背景に、オーストラリア政府当局は新原潜計画の発表に先立ち、既存のコリンズ級潜水艦の延命計画を明らかにしていた。

 オーストラリア政府がアタック級を捨て、新たに原子力潜水艦を保有する決定をしたのは予想外だったが、同国の国家安全保障上での優先事項と地理的位置に照らせば、多くの点で理に適う。原子力潜水艦は、航続距離、潜水時間、速度、全体的な耐久性において、空気独立推進システムを備えた先進的な通常動力艦と比較しても、追加的な利点を多数提供する。しかし、原子力はコストが高く、原子力推進システムには大規模ンフラと産業基盤が必要となる。

 昨年9月に発表された新型SSN取得のスケジュールには、英米両政府が豪州の取得に向けた「最適な道筋」を探るため1年半の期間が設けられている。その間に、英アスチュート級の派生型、米ヴァージニア級、米海軍のSSN(X)、あるいは全く別の設計のいずれかを選択する予想があった。

 

空母打撃群21(CSG21)展開中の空母HMSクイーン・エリザベスを背景にイギリス海軍アストゥート級潜水艦が浮上航行したCrown Copyright

 

 オーストラリア政府関係者が懸念するのは、ダットンがこうした意思決定プロセスを覆し、AUKUSパートナーシップの整合性を損ねる可能性だ。安全保障条約は、3国間の広範な軍事協力を想定している。特に、ヴァージニア級の取得について米国と秘密裏に協議していたようなので、英国との関係が脅かされる可能性が懸念される。

 オーストラリア放送協会(ABC)は、匿名を条件にAUKUS関係者数名に話を聞いたところ、ダットンによる暴露の影響を懸念しているとした。

 ひとりの関係者は、ダットン発言は、オーストラリア、アメリカ、イギリスがコリンズ級の後継艦で年内に共同発表する計画を「台無しにした」と述べた。

 同関係者は付け加え、オーストラリア海軍にヴァージニア級新型艦船2隻を提供することが困難であることを強調している。米国向けヴァージニア級潜水艦は、コネチカット州グロトンのジェネラル・ダイナミクス・エレクトリック・ボートと、ヴァージニア州ニューポートニュースのハンティントン・インガルス・インダストリーズ2社の造船所で建造されている。

 

建造中のヴァージニア級潜水艦「USSデラウェア」。 U.S. Navy

 

 オーストラリア戦略政策研究所の主任研究員マーカス・ヘリヤーMarcus Hellyerも同様に、ガーディアン・オーストラリア紙に、ダットンは現実を反映しない「アイデアやコンセプトを打ち出した」と批判している。ヘリヤーはさらに、「こんな計画があるはずがない。米政府もオーストラリアも、誰も同意していないのだから」と述べた。

 ダットン発言は、AUKUSのパートナーシップに悪影響を及ぼす可能性があるだけでなく、コリンズ級に代わるプロジェクト全体を遅らせる効果が心配されている。ダットン自身は、現在の「ディーゼル電気潜水艦は、2035年以降、南シナ海で中国に対抗できなくなる」と発言しており、原子力推進の有能な後継艦調達が優先事項となっている。

 南シナ海での中国の軍事活動は、オーストラリアで特にホットな話題である。先週も中国のJ-16フランカー戦闘機がオーストラリアのP-8Aポセイドン哨戒機にチャフを放出し、オーストラリア当局が「危険な行動」だと述べたばかりだ。

 

オーストラリア空軍のP-8Aポセイドン海上哨戒機。 Australian Department of Defense

 

 マールズ国防相兼副首相は記者団に対し、「南シナ海の軍事化が進むのを見たくない」と述べた。「この海はオーストラリアと深くつながり、貿易が行われている」。

 オーストラリアのSSN調達計画で、イギリスがどこに位置づけられるのか、イギリスがプログラムの一部になる道があるのか、正確には不明だ。オーストラリアがアタック級を廃棄し原潜を採用する計画を発表した直後、イギリスはイギリス海軍の現在のアスチュート級SSNに代わる次世代原子力潜水艦計画に着手したと宣言した。新計画は現在、潜水艦核代替計画(SSNR)と呼ばれ、少なくとも英豪両国に合わせた全く新しい原子力設計、あるいはSSNRのサブクラスに豪州向け機能を盛り込む可能性があると考えられていた。

 西オーストラリア大学のピーター・ディーン教授Dr. Peter Dean(防衛学)は ABC にこう語っている。「英国は自国潜水艦が選択肢から外れる可能性を知って嬉しくないだろうし、米議会や国防総省などでも、可能性を示す記事を読んで非常に興味を持った人がたくさんいるはずだ」。

 労働党の公式路線について、ダットン発言を受けて、マールズ国防相兼副首相が次のように述べている。「このような暴挙は国益を損なう。この発言はAUKUS合意を損なう」。

 マールズは、コリンズ級に代わり取得するSSNは未決定と繰り返し、「すべての選択肢がテーブルの上に残っている」と述べた。

 

5月23日、オーストラリア・キャンベラで就任式を終えたペニー・ウォン外相、ジム・チャルマーズ財務相、アンソニー・アルバネーゼ首相、リチャード・マールズ副首相。Photo by David Gray/Getty Images

 

 オーストラリア国防総省は、今回の動きについてコメントを出していない。しかし、新型原子力潜水艦導入という野心的な計画で、ねじれがさらに生じる可能性は高い観がある。中国の脅威が高まる中、コリンズ級は老朽化する一方だ。政治的な対立がなくても、SSNのように複雑で特殊な艦の建造、導入は、必要なインフラ整備は言うまでもなく、一筋縄でいかない。■

 

 

Australia Was Poised To Get Virginia Class Nuclear Submarines Says Former Defense Minister

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BYJOSEPH TREVITHICK, THOMAS NEWDICKJUN 10, 2022 2:33 PM

THE WAR ZONE

 


Know Your Enemy: シャングリラ対話で中国国防相は驚くべき発言をしていた。

  

   

China's Defence Minister Wei Fenghe speaks at the Shangri-La Dialogue summit in Singapore on June 12, 2022. Photo: AFP

2022年6月12日、シンガポールで開催されたシャングリラ対話サミットで講演する中国の魏鳳和国防相。  Photo: AFP

 

 ご注意 以下の記事はCCPの息がかかった環球時報英語版からのご紹介で、文中の意見等は当ブログのものではありません。赤字部分等は当ブログがつけたものです。

 

 

国軍は、中国から台湾を分断しようとする勢力と最後まで戦うと、中国の国防部長は日曜日にシャングリラ対話でスピーチした。中国アナリストからは、これは中国が米国に送った最も強い警告との声が出ている。米国はたびたび台湾問題を利用し中国を挑発し、台湾の分離主義当局を刺激し地域内の安全保障状況を悪化させてきたからだ。

 

 

中国国務委員兼国防相の魏鳳和Wei Fenghe は日曜日、シンガポールで開催された第19回シャングリラ対話で、地域秩序に関する中国のビジョンについて演説した。台湾問題について、ウェイは、台湾は中国の一部であり、台湾問題は中国の内政問題であると述べた。「中国は必ずや統一を実現する」。

 

トランプ政権からバイデン政権まで、米国は台湾問題を一貫して利用し、台湾分離主義当局を扇動し、外交的プレゼンスを獲得ずみで世界が認めた一国主義に挑戦し、武器売却を増やし、軍艦を送り近海に入り、統一プロセスを妨害するなど、中国封じ込め戦略に利用している。一方、米国の一部議員や高官、下院議長までもが同島を訪問あるいは訪問を計画しており、分離主義者に誤ったシグナルを送り、中米関係の政治的基盤に挑戦している。

 

これらのことから、中国は明確な警告を米国に送る必要があると考え、米国が警告を無視し危険な動きを続ける、あるいはレッドラインを超えても、台湾問題を明確に解決する用意があり、プロセスが平和的であろうと武力的であろうと構わないと言うのが中国の態度だと専門家は指摘している。

 

中国大陸は、台湾海峡両岸の人民のため、平和的統一を求める努力を最大限続けているが、米国と台湾当局が平和的統一の希望を完全に破壊した場合、中国は力による問題解決を躊躇しないと分析されている。  

 

ウェイは、敵対勢力に警告を発した以外に、アジア太平洋の平和を持続的かつ断ち切れないものにする方法について、中国側の見解を紹介した。「未来を共有するアジア太平洋共同体の構築」は、アジア諸国のブロック間軍事対立を扇動する米国のインド太平洋戦略に対抗するイニシアチブだ。アナリストによれば、米国には中国を取り巻く戦略的環境を形成する能力はないが、中国には地域を統合し、共に発展させる能力がある

 

シャングリラ対話の中国軍代表団のメンバーでもある人民解放軍軍事科学院元副院長の何磊He Leiは、環球時報に対し、「ウェイ部長の発言は、重要問題に対する原則的かつ確固たる中国の姿勢と態度を示し、米国と西側同盟国からの非難と中傷にも応えた」と指摘した。

 

「発言はまた、地域諸国の懸念や質問に効果的に応えた」と述べ、Weiがスピーチを終えたとき、聴衆は暖かい拍手を送ったが、土曜日にロイド・オースティン国防長官のスピーチが終わったとき、聴衆は礼儀上わずかな拍手で応えただけだったと指摘した。

 

「中国国防相の演説へ聴衆が高い認知度を示している」と指摘した。 

 

統一は間違いない

 

統一は中華民族の大義であり、誰にもいかなる力にも止められない歴史の流れだ。「平和的統一は中国国民の最大の願いであり、最大限の誠意を持って、そのため最大の努力をする。今も平和的統一を実現するために最大の誠意を持って努力している」とウェイは述べた。

 

ご注意 この記事は環球時報の報道をそのままお伝えしています。記事内の意見、評価はブログオーナーのものではありません。

 

中国を分裂させようと「台湾独立」を追求する者には、良い結果とならない。民進党は、大陸と台湾がともに中国だという現状を変えようとし、1992年コンセンサスを認めず、「独立」を段階的に追求し、反中の海外団体の手先として行動しているのであり、主人に利用され捨てられるだけだとウェイは指摘した。

 

専門家によれば、中国の国防部長は、情勢悪化の責任は誰にあるのか、数十年にわたり両岸交流と地域の平和を保証してきた政治的合意を放棄し、現状を振り出しにもどしたのは誰なのか国際社会に伝えようとしているのだという。

 

中国のアナリストは、台湾海峡の状況悪化で中国を非難する勢力は、盲目あるいは盲目のふりをして、大陸を挑発する分離主義者の民進党当局を容認または支持し、中国の主権を守ろうとする大陸の努力を一方的に批判しているだけだと指摘した。

 

「誰かが台湾を中国から引き離そうとするならば、躊躇なく戦う。どんな犠牲を払ってでも戦う。最後の最後まで戦う。これが中国にとって唯一の選択だ」とウェイは言った。外国の干渉は失敗に終わる運命、とウェイは警告した。

 

「『台湾独立』を求める人たちとその背後にいる勢力に、ここにはっきりと言いたい。台湾独立の追求は行き止まりであり、妄想だ。外国の支援を求めてもうまくいかないし、絶対に考えてはいけない!」。

 

歴史の歯車は回っている。誰も中国統一への道を止められない。主権と領土を守る中国軍の強い決意、確固たる意志、強力な能力を過小評価してはならないとウェイは述べた。

 

厦門大学台湾研究所の李飛教授は、「米国とその傀儡民進党当局、および日本など一部の同盟国は、今回の警告発言だけで台湾海峡の状況への干渉をやめることはないだろうし、緊張は続く」「台湾問題で中国と最終対決すれば、結果は明らかであるのを知らせることが重要である」と指摘した。

 

「多少の代償は払うが必要なら武力で統一する、最終的に台湾問題は徹底的に解決できる。中国が現在出しているシグナルは、統一は不可避であり、米国が負ける運命にある中国との対決を避けるため正しい選択をするよう米国に知らせることだ」(李)。

 

環境を整える

 

中国国防部長は、敵対勢力への警告に加え、持続可能な平和と発展を地域で実現する中国の考えと計画についても説明した。

 

ウェイは、世界は歴史上稀に見る危機に直面しており、進むべき道は多国間主義を堅持・実践し、未来を共有する共同体を構築することだと述べた。

 

「中国の発展は止められない。中国の発展は他国にとって脅威ではない。それどころか、世界の平和と発展に大きく寄与している」。

 

アナリストによれば、地域における中国の最大の利点はその発展で、それにより中国は近隣諸国や地域のほとんどの国、たとえ中国と紛争を抱える国々と利益を共有でき、地域諸国は中国を敵視する外部勢力の要求に応えたがらない、それは各国の具体的利益に反するからだ、という。

 

米国は多くを約束するが、ほとんどリップサービスであり、プロパガンダマシンで「中国脅威論」を広めている。しかし、米国にとって最大の問題は、アジア太平洋諸国の発展を助ける便宜を提供する能力がないことだと、北京在住の国際関係の上級専門家は匿名条件で述べた。

 

「米国が得意なのは、小国を嘘で脅し、地域紛争や摩擦を利用し緊張を煽り、米国製武器を小国に買わせ、強大な隣国相手に無意味で高価で愚かな対立をさせ、最悪なのは損失分をワシントンが払わないことだ」と述べた。「フィリピンなど多くの国はとっくの昔に教訓を学んでおり、この手口は通用しなくなる」。

 

アジア太平洋地域は世界で最も活気に満ち有望な経済原動力であると指摘した上で、ウェイは、永続的な平和を享受し、すべての人々に安全を提供する、未来を共有するアジア太平洋共同体の構築という明るい展望に努力するよう各国に促した。

 

中国社会科学院で国際関係と米国研究の専門家Lü Xiangは「十分なパワーと強さ、域内諸国から最大の支持を有する国のみが、地域の戦略的環境を形成できる」が「アジア太平洋地域では、米国はその任にあらず、中国こそこれが可能な国だ」と述べた。■

 

Chinese defense chief sends 'strongest warning' to US on Taiwan question; 'Indo-Pacific strategy will fail to divide region' - Global Times

By Yang Sheng and Liu Xuanzun

Published: Jun 12, 2022 11:29 PM

 

コメント 中国、ロシア、北朝鮮他を専用に扱うKnow Your Enemy(仮題)を近日中に別ブログとして立ち上げますのでご期待ください。