2017年6月18日日曜日

歴史に残る機体(13) MiG-21


歴史に残る機体13はMiG-21です。途上国には使い勝手がいい機材なのでしょう。今後3Dプリンターによる部品供給の流通市場が生まれれば、本当に100年飛行する機体になっていてもおかしくないでしょう。性能ではなく存在そのものが重要という需要もあるのですね。それにしてもロシアは中国に何回もコピーの苦汁を飲まされていますね。(ロシアもB-29で前科があるのですが)

 

Russia's MiG-21: The Fighter Jet That Could Fly for 100 Years? 

MiG-21は100年間飛ぶのか



June 16, 2017

  1. 軍用機の稼働期間は概して短い。技術進歩のペースが早いと短命になりやすい。第一次大戦の精鋭戦闘機は数か月で旧式になった。第二次大戦でも大差なく、ジェット黎明期の技術進展が目まぐるしく機種全体が過去の遺物になる例も出現している。
  2. だが時の流れに負けない機体も数少ないがある。B-52ストラトフォートレスの初飛行は1952年だが今日も現役だ。C-130の生産も続いているが原型の運用開始は1954年だ。
  3. だがこれは爆撃機、輸送機で戦闘機ではない。戦闘機には耐用年数の問題がある中で新型機出現すれば対応が課題となる。このため供用期間が長い戦闘機はまれだ。
  4. 例外がMiG-21[フィッシュベッド」だ。

成り立ち
  1. MiG-21の初期検討は1953年にはじまった。MiG-15やMiG-17の成功でソ連の航空技術陣は西側機材に対抗できる自信がつき、MiG-19で初の超音速機を実用化した。ただし技術が急速に進化し、朝鮮戦争時の第一線機も1950年代半ばには旧式化していた。B-29ならMiG-15で蹴散らせても、米新型爆撃機では事情が違っていた。ソ連はMiG-21で航空優勢の確保を目指した。
  2. MiG-21(NATO名フィッシュベッド)はマッハ2.0超で飛び、機内に機関砲一門、ミサイルを2発から6発まで搭載し、ミサイル搭載の皮切りとなった。MiG-21も対地攻撃任務に投入され少量の爆弾ロケット弾を運用する。ソ連方式でMiG-21は地上管制により運用されたので大型レーダーは不要とされた。
  3. ソ連は合計10,645機を1959年から1985年にかけ生産し、インドがライセンス技術移転で657機を、チェコスロヴァキアも194機をライセンス生産している。状況が異なるのは中華人民共和国で、機材と技術文献を入手後、リバースエンジニアリングで成都J-7/F-7を2,400機、1966年から2013年にかけ生産している。全部見れば世界でもっとも大量生産された超音速機である。

供用期間の長さ
  1. MiG-21では現場で基本問題の多くを解決している。最新の戦闘機でもMiG-21より高速で、機体操縦性がすぐれるものは少ない。現在の戦闘機は兵装搭載量が増え、高性能電子機器を搭載するが、多数の空軍部隊にとっては高性能機材はぜいたくそのもので、安価で高速かつ維持が簡単で自国領空を守り時には爆弾数発を投下できる機材を求めている。フィッシュベッドはこうした要求に最適だ。
  2. 西側諸国ならフィッシュベッドは有益な機材とならないのは確かだ。航続距離が短く、搭載兵装量は低く、高性能電子装備の収容スペースもない。コックピット形状はパイロットの状況認識に逆効果だ。それでもソ連式の地上管制による戦闘機任務にぴったりの存在で西欧各国の上空を飛び限定的でも迎撃任務につくことができた。
  3. 冷戦時に米国はMiG-21各種を入手している。(さらに中国からJ-7一個飛行隊分を購入している)総じて米パイロットは同機を高評価しており、アグレッサー任務では訓練効果を高く実現している。訓練を積んだ米パイロットはソ連パイロットより同機の性能を引き出していたはずだ。

戦場のフィッシュベッド
  1. MiG-21はNATO-ワルシャワ同盟間の大規模戦は見なかったが戦闘投入の例はある。
  2. ベトナムでは鉛筆のように細いMiG-21が米側交戦規定を逆手に機体の大きさと速度で米護衛戦闘機が目視して向かってくる前に爆撃機を攻撃した。フィッシュベッドは初期の空対空ミサイルをその機体寸法と速度で回避できた。攻撃をかけるとMiGは基地に戻った。
  3. このパターンを破る事例が1967年1月2日に発生した。伝説のパイロット、ロビン・オールズ指揮下のF-4ファントムII編隊が北ベトナム空軍を罠にかけ交戦に持ち込んだ。ファントムはフィッシュベッド計7機を撃墜し、うち一機はグエン・ヴァン・コックが操縦しグエンは墜落から帰還しその後合計9機を撃墜しフィッシュベッドで撃墜王になった。ただしベトナム、シリアではMiG-21でエースになったパイロットは数名生まれた。
  4. MiG-21は中東各地で戦闘投入された。六日間戦争ではエジプト、シリアのフィッシュベッドがイスラエル国防軍空爆で開戦直後に破壊された。その後フィッシュベッドはイスラエルとの対決に投入され、熟達したイスラエルパイロットの前に撃墜されることが多かった。イスラエルが相手にしたMiG-21をソ連パイロットが操縦する事例もあった。
  5. 中東以外にアンゴラでも西側機材がフィッシュベッドに勝つ例があり、ソ連戦闘機はしょせん西側機材の敵ではないとの見方が生まれた。ただしパイロット訓練が違い直接の比較が難しい。同等の訓練を受けたパイロットの手にかければMiG-21は高性能を発揮した。インドMiG-21がインドパキスタン戦争に投入され敵機撃墜を達成している。またイラン-イラク戦争でも活躍した。
改修策
  1. 1980年代末になると第一線のMiG-21は減衰しはじめ後継機種と交代している。ソ連崩壊後はロシア軍事力が大幅に縮小し、ソ連時代の運用国は機材運用が継続できなくなる危機を感じた。それでもMiG-21や中国製機体を運用している国は多い。
  2. 現時点でMiG-21を運用中の空軍は18カ国でうちルーマニアとクロアチアはNATO加盟国でもある。以前はその他40カ国がフィッシュベッドを飛ばしていた。(中には消滅した国家もある) J/F-7は13カ国が供用中で4カ国が運用終了している。既存機の整備は中国、ロシア、ウクライナで可能で性能改修も行っている。3Dプリンターの出現でフィッシュベッドの継続運用は楽になりそうだし、予備部品も入手可能となるはずだ。
  3. 現在飛行中のフィッシュベッドの外観は1959年当時の機体から別機のようだ。搭載兵装も進歩し、R-60空対空ミサイル、マジック2やパイソンIIIが見られ威力は増えている。さらに電子装備の改修でレーダーや通信の性能が上がり、精密誘導弾の運用も可能だ。

MiG-21(派生型含む)は2059年でも飛んでいるか
  1. 中国もJ-7生産を終了し、派生型含めMiG-21の生産はすべて終了した。クロアチア、ルーマニアはあと5年でフィッシュベッドを処分する。インドも退役させはじめた。中国のJ-7各機は地方の防空や訓練用に格下げされた。
  2. とはいえこれでフィッシュベッドの終焉ではない。J-7、F-7の多くは旧式機になったが今後も供用される。バングラデシュは2013年に最終生産のF-7を調達し、当面別機材に交代させる必要はない。また多数の空軍部隊ではフィッシュベッド以上に複雑かつ高性能だが高価な機体は必要としない。そうなると100年にわたり供用される機材になる可能性もある。(B-52はこの例になりそうだ) MiG-21はまもなく誕生以来60年の節目となり、70周年も無理なく迎えそうだ。超音速時代の戦闘機の象徴として残りそうだ。■

Robert Farley, a frequent contributor to the National Interest, is author of The Battleship Book. He serves as a senior lecturer at the Patterson School of Diplomacy and International Commerce at the University of Kentucky. His work includes military doctrine, national security and maritime affairs. He blogs at Lawyers, Guns and Money, Information Dissemination and the Diplomat.
This appeared last year and is being reposted due to reader interest.
Image Credit: Creative Commons.

2017年6月17日土曜日

US-2のインドネシア商談はどこまで進んでいるのか


インドネシアに限らずなかなか成約が見えてきませんが、焦る必要はないのでここは悔いのない交渉をおこなってもらいたいものです。しかし商取引の駆け引きが本質的に理解できない政府にどこまで交渉させておくのでしょうか。ましてや対象は日本が育んできた高度技術の塊ですからね。安売りにはしてもらいたくないものです。

Japan Maritime Self-Defense Force butai01 - 01

海上自衛隊 [CC BY 4.0], via Wikimedia Commons

 

MAST Asia 2017: ShinMaywa outlines options for industrial collaboration in Indonesia 

新明和工業がインドネシアUS-2商談で産業協力の可能性を示す

Ridzwan Rahmat, Tokyo - IHS Jane's Defence Weekly
13 June 2017

  1. 新明和工業はインドネシアがUS-2を採用すれば一部作業を現地産業界に分担させる用意があると述べる一方、イ現地での機体最終組立ての可能性は否定した。
  2. 幕張で開催された防衛技術展示会MAST Asia 2017会場でJane’s取材に答えた同社関係者がインドネシアの防衛装備調達方針に従い現地技術移転に応じる述べている。 
  3. ただし同関係者は最終的には日本政府の決定次第とし、成約をねらう同政府の動向に言及した。インドネシア国軍はUS-2をまず三機導入する検討中といわれる。
  4. 現地組立の選択肢があるが、主要部品をインドネシアへ搬送しての組立ては技術的・経済的に困難と同社関係者は指摘し、実施しても導入国の負担が増えるだけという。
  5. 可能性が高いのは完成機を搬送し、最終作業を現地で行うことと同関係者は指摘し、インドネシア国営航空機メーカーPTディルガンタラ・インドネシアを共同事業相手先候補にあげた。
  6. ただし同関係者は本案件は両国政府が引き続き協議中であり、US-2輸出がいつ実現するかは不明としている。■

★速報 USSフィッツジェラルドが貨物船と衝突、重大な損傷 (続報あり)



速報



Destroyer USS Fitzgerald Badly Damaged After Collision With Merchant Vessel


駆逐艦USSフィッツジェラルドが貨物船と衝突し重大な損傷

The ship is said to be taking on water and the Japanese Coast Guard has been called to assist.


同艦は浸水中で海上保安庁の救難を要請中


 BY TYLER ROGOWAYJUNE 16, 2017
SCREENCAP VIA TWITTER

アーレイ・バーク級駆逐艦USSフィッツジェラルド(DDG-62)が貨物船ACXクリスタルと横須賀からおよそ55マイル南地点で日本時間6月17日2:30AMに海上衝突した。フィッツジェラルドは相当の損傷を受け、右舷前方の上部構造物で艦橋右下とSPY-1レーダーの損傷が完全につぶれているのが認められる。同艦は自力航行出来ず浸水している。現時点で乗組員に人的被害があるか不明。
Aerial footage of the badly damaged USS Fitzgerald


米海軍は海上保安庁の支援を要請した。衝突したフィリピン船籍貨物船の状況は現時点では不明。

フィッツジェラルドは日本に前方配備されており、最近では米空母二隻と海上自衛隊の合同演習で北朝鮮近海に出動するなど活動は活発だった。

詳細は引き続きお知らせする。■

続報 USNI News June 16, 2017 7:41 PMより


  • 海上保安庁の巡視船かの、いずなみが現場に到着している。保安庁はフィッツジェラルド水兵一名をヘリコプター搬送した。
  • 第七艦隊はUSSデューイ(DDG-105)、タグボート二隻を現場に向かわせる。海軍航空機も出動態勢に入った。

続報 http://www.thedrive.com/the-war-zone/11628/destroyer-uss-fitzgerald-badly-damaged-after-collision-with-merchant-vessel

  • 艦内三区画が浸水中

続報 USNI News 
https://news.usni.org/2017/06/16/destroyer-uss-fitzgerald-collides-japanese-merchant-ship

  • 水兵7名死亡と海軍当局が認める
  • 艦長ブライス・ベンソン中佐が負傷し搬送された
  • さらに負傷者搬送が進行中
  • 補機室1号および水兵居室二つが完全に浸水 







UPDATE-2am PST:

  • 海上自衛隊の おおなみ、はまぎり、えんしゅうが現地に到着し、USSデューイと海上保安庁いざなみ、かの による捜索活動に加わっている。
  • 米海軍はP-8ポセイドン一機、海上自衛隊はヘリコプター2機とP-3C一機を現地に派遣
  • 行方不明の水兵の氏名は家族優先で今のところ伏せている
  • 衝突でフィッツジェラルドの兵員室二個、機械室、及び通信室が浸水し、後者により排水対応が遅れた。
  • 応急措置で浸水は安定内に制御できているが、横須賀帰港後に浸水区画に入れるのがいつになるか不明で行方不明所の捜索にすぐとりかかれないと危惧。
  • 横須賀港でダイバーチームが喫水線下の損傷具合を点検し、浸水区画を捜索する
  • ベンソン艦長は海自ヘリで横須賀米海軍病院に搬送済み。水兵三名は意識あり、病院で状態監視中。さらに二名が裂傷等で横須賀へ搬送されている。
  • フィッツジェラルドはT字状に左舷を衝突されており、今後事故当時の状況の解析が進むだろう
  • 商船追跡サイトMarineTrafficによればACX CRYSTALは14ノット航行をしていたのが突如ゼロになっている。衛星追跡データによる同サイトの精度で疑問が残るが興味を惹かれるポイントである





AP

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2017年6月16日金曜日

ミャンマー向けJF-17/FC-1が中国で飛行テスト中、破格の機体単価に注目


え、一機100万ドルですか。予備部品は含まれない裸の機体単価でしょうか。価格破壊といってもいいでしょう。輸出仕様はどこまでの劣化仕様になっているのでしょうか。数十年も使う想定はない気がしますが安物買いの銭失いになるのでは。それでもいいという市場もあるのですね。

中国のネット上にあらわれたミャンマー空軍向けJF-17/FC-1の一号機初飛行。Source: Via zhaizou.com website

Images show Myanmar Air Force JF-17/FC-1 conducting flight tests in China

ミャンマー空軍向け JF-17/FC-1が中国で飛行テスト中

 Gabriel Dominguez, London - IHS Jane's Defence Weekly
14 June 2017

パキスタン航空工業-成都飛機工業(PAC/CAC)が共同開発したJF-17サンダー/FC-1小龍多用途戦闘航空機のミャンマー空軍(MAF)向け機体が中国国内でテスト飛行する写真が中国のウェブ上で流布している。
写真が出たのは6月13日ごろで単座型JF-17/FC-1がMAF標準カモフラージュ塗装と尾翼標識をつけテスト飛行している。場所はCACの成都飛行場のようだ。
外交筋からは2015年12月にミャンマーが同年初頭に同型機16機を16百万ドルで購入契約を交付したとJane'sへ伝えていた。
2017年2月には匿名を条件に関係筋から発注したのはPACのカムラ工場で2015年ロールアウトしたブロックIIででブロックIと異なるのは空中給油ができ、エイビオニクス、電子装備が強化されていることだと Jane'sに説明があった。
CACの親会社、国営の中国航空工業(AVIC)はでミャンマーに技術供与をし、MAFが供用中の成都J-7が老朽化してきたので更新機材調達を助けている。同機は輸出仕様のF-7Mエアガードとして1990年代に輸出されていた。
ミャンマーはJF-17/FC-1で最初の海外導入国になると見られ引き渡しは2017年末までに開始すると見られる。■


イスラエル、中東の空の王者への途


西のイスラエルと東の日本は米国が技術力に注視しているはずですが、イスラエルの方が自由に行動している観がありますね。なんと言ってもイスラエルはなにもしなければ国家の存続が危うくなる国ですからね。日本も制約がなくなったのでこれからイスラエルとの共同開発も増えていくでしょう

 

 

This Is How Israel's Air Force Dominates the Middle East

イスラエルはこうして中東の空の支配者になった

The National Interest Robert Farley
June 13, 2017

  1. 1960年代以来、イスラエル国防軍の航空部門IAFは国防の中心だ。イスラエル空軍が有する戦場支配力と防空力によりIDFは戦いを有利に進めることができる。IAFの戦略攻撃能力は実証済みで、長距離攻撃能力を有している。
  2. IAFの圧倒的な力の背景は効果的な訓練と同時に敵勢力が弱体であること、さらに調達開発が柔軟であることだ。長年にわたりイスラエルは戦闘機調達を多方面から試み、フランス、米国からの購入に加え、国内開発もしてきた。後者二つの組み合わせの効果が特に高いことが判明している。

産業基盤つくり

  1. 初期のイスラエルは手に入る装備はすべて入手してきた。このためIDFに旧式装備各種がそろい、多くは欧州調達だった。1950年代末になると英仏はじめ数か国と正式な武器輸入関係を樹立している。うちフランスと取引が拡大し、高度技術の軍事装備としてミラージュ戦闘機や核兵器開発支援を入手した。ミラージュは1967年の六日間戦争でIAFの主力戦闘機となり、近隣国の空軍戦力を開戦後数時間で壊滅させた。
  2. ただし1967年にフランスがイスラエル向け武器禁輸措置を適用するとイスラエルは苦境に立たされた。IDFはミラージュにない中距離対地攻撃能力を求めていた。このためイスラエルは必要なものは盗むとの昔ながらの戦略に走る。諜報活動で新型ミラージュの設計図を入手しているが、フランス当局もある程度甘受していたようだ。ここから二機種が生まれた。イスラエル航空宇宙工業(IAI)のネシェルとクフィールだ。後者はアメリカ製の強力なエンジンを搭載しIDF主力戦闘機になった。両機種は成功をおさめ、ネシェルはアルゼンチン、クフィールはコロンビア、エクアドル、スリランカで供用された。
  3. ここからイスラエルの航空宇宙産業は発展し、イスラエル経済全体にも効果が生まれた。国家財政を重点的に軍事技術開発に投入しても民生技術で革新が生まれる保証はない。ただしイスラエルの場合は民生技術部門の発展に特に初期段階で大きな効果が生まれている。クフィールの成功はイスラエルが航空技術で独り立ちした証となった。
  4. それでもイスラエルは海外機材へ多大な投資を続けた。IDFはF-4ファントム調達に1960年代末に動き、F-15イーグルは1970年代中頃に導入を決めた。後者はイスラエル政界に危機を生んだが、安息日の開始直後に国内に機材がまず4機到着した。とはいえ余波でラビン政権が倒れた。一方でクフィールやハイテク分野の成功から国産戦闘機開発を求める声が高まった。

ラヴィ構想の挫折と思わぬ影響

  1. そこでラヴィが登場した。米ソ両国の空軍と同様にIDFもハイ・ローミックスが最適と判断した。ここから軽量多用途戦闘機ラヴィ構想が生まれ、F-15イーグルへの補完機能が期待された。一部装備は米国からライセンス提供され外観はF-16に酷似しつつ主翼構造は違う。
  2. しかし軍事技術で環境が変化し始める。ラヴィをゼロから開発するには莫大な財政投資が必要な反面F-16に対する優越性はわずかだった。さらに米国が輸出規制に乗り出し、フランス以上に神経質になり機密保護が厳しくなった。当初は輸出可能性を楽観していたが、米装備を搭載するラヴィ輸出を米国が許さないと明らかになる。さらにラヴィがF-16の競合機体のため問題は悪化した。
  3. 1987年8月にイスラエル内閣はラヴィ開発の中止を決定し、IAIや関連従業員から非難を浴びた。開発再開の試みも失敗し、イスラエルはF-16の大量導入を決定した。ただしラヴィによりF-22ラプター輸出の可能性が消えた。イスラエルがラヴィ(およびF-16)の技術が中国にわたりJ-10が生まれたのを見た米議会はF-22輸出の途を閉ざしたのである。これによりイスラエル他ラプターに関心を有する数か国に調達可能性が消え、同機の生産も早期終了する結果になった。

代替策と対米関係

  1. 国産戦闘機開発に代わりイスラエルは米国から導入した機材を大幅改造するのが普通になった。F-15I「サンダー」、F-16I「ストーム」の両機種は大きく改修されイスラエル仕様になっている。航続距離が延びエイビオニクス性能を向上した両機種はIDFに長距離戦闘能力を実現した。F-15IはF-15Eストライクイーグルが原型でIAF長距離攻撃機の主力だ。IAFはF-35共用打撃戦闘機でもソフトウェアなどイスラエル向け改修を始めている。
  2. 自主開発戦闘機プロジェクトこそないもののIAIは成功し続けている。エイビオニクスや弾薬類で国内国外に顧客開拓し、UAV分野でも存在感を高めている。ラヴィの失敗があったが、イスラエルのハイテク防衛産業はおおむね好調で民生分野へ波及効果が大きく生まれている。イスラエル産業政策の目標はハイテク分野のイノヴェーションに資金投入を続け国防と経済成長を両立させることだ。
  3. 今日のイスラエル航空宇宙分野は米国との良好な関係に依存している。機材調達と共同技術開発で顕著だ。米イ同盟関係が崩れる兆候がないことだはイスラエルに幸運な要素だ。技術保全の懸念からラプター輸出は不可能になっても両国関係全般は傷つかなかった。仮に想定外の事態が発生してもイスラエルは米国以外の供給元をさがしていただろうし、イスラエル産業界の実力から提携先に困ることはないはずだ。■

Robert Farley, a frequent contributor to the National Interest, is author of The Battleship Book. He serves as a senior lecturer at the Patterson School of Diplomacy and International Commerce at the University of Kentucky. His work includes military doctrine, national security and maritime affairs. He blogs at Lawyers, Guns and Money, Information Dissemination and the Diplomat.


2017年6月15日木曜日

★中国がTHAADの韓国配備に反対する本当の理由



筆者は釜山大学の米人教授だそうですが、なかなか本質をとらえた論評をしていると感心せざるを得ません。問題は同じ論調が韓国の皆さんから聞こえてこないことです。「空気を読む」のと「感情」を優先するあまり正論・異論は韓国では声に出しにくいのでしょうか。韓国の将来が心配です。

 

 

South Korea’s Gen. Sun Jin Lee visits Guam’s THAAD site. DVIDSHUB/Public domain

 

The Real Reason China Wants South Korea to Ditch THAAD

THAAD撤去を韓国に求める中国の真の理由は何か
The U.S. missile system has fallen victim to South Korea’s tough position between Beijing and Washington. 米中のはざまで苦悩する韓国で米ミサイル防衛装備が犠牲になっている

June 13, 2017

韓国の新大統領文在寅が運用先送りを宣言した米ミサイル防衛装備は米軍が長年にわたり韓国に導入を図ってきた高高度ミサイル防衛装備だ。韓国政府は中国を挑発したくないため消極姿勢になり、米韓双方で合意ずみのトラック1、1.5、2内容を無視した格好だ。朴槿恵前政権がTHAAD最終段階高高度広域防衛装備の導入を2016年に入り決定し、一部導入済みだ。

中国とTHAAD

これに対し中国の反応は韓国向け経済金融措置として即座に現れた。韓国最大の貿易相手先が中国であり、この措置で国内経済に景気後退を生んだ。左翼政治家はTHAADは不要と言い始めた。北朝鮮のミサイル装備に対し過剰装備であるが、北朝鮮の韓国攻撃阻止には役立たないというのが理由だ。また北朝鮮と言えども同じ民族であり韓国を核攻撃をするはずがないとの主張だ。
 左寄りの文が大統領に就任するや配備を停止または遅延させる力が出てきた。文は配備を阻止すべく二方面で策を講じている。立法面の承認手続きと環境アセスメントだ。ただしこの作戦には反対意見が広く生まれている。民主国家として最高指導官には国防事項で幅広い裁量権が与えられている。朴大統領はTHAAD配備で議会承認を得ていないが議会承認を求める前例もない。さらに信じがたいのは環境を理由にした反対論だ。大統領の言う通りなら米側操作員や建設業者は危険な毒性物質に長年さらされていることになる。
 こうした反対論は保守派メディアが言うように中国の機嫌をおもんばかった戦術にすぎない。文は時間稼ぎをしている。文の得票率は41パーセントにすぎずTHAADを追い出せば中国に屈したとメディアからの非難は必至だ。だが文のジレンマは米中両国の間で韓国の未来を決する大戦略をお座なりにすることだ。米中のどちらを選ぶのかゼロサムの選択ではないはずだ。

What THAADでできること、できないこと

THAADへの中国の反対論は技術面とは別のところにある。THAADは中国の対米抑止力を侵害するものではない。THAAD迎撃ロケットの射程は長くない。またTHAADで中国の監視につながるISR情報収集監視偵察能力を新たに得るわけではない。米国は優秀な衛星群で中国の動向は監視中で中国のミサイル発射も迅速に探知可能だ。
 THAADのXバンドレーダーが話題になっているが、中国国内の探知用ではない。IバンドとちがいXバンドは360度回転しないが中国は想像力をたくましくしているようだ。さらに方向は北を向いており、北朝鮮監視用だ。
  中国(及びロシア)の反対根拠は中国北東部(ロシア極東部)が丸見えになるというものでもっともらしく聞こえるが正しくない。地球の湾曲のためXバンド信号も数百マイル離れれば有効でなくなり、北朝鮮国内の監視範囲内でさえも限定される。名称が示す通りTHAADは防衛装備だ。飛来するミサイルの迎撃が目的であり、中国ないしロシアが韓国や日本の都市を狙わない限り、両国に何の脅威にもならない。実は中国、ロシアもこの点は理解している。中国は朴大統領が昨年決定するまで技術的な懸念を示すべく長い時間があったはずだ。だがその機会をすべて無駄にしている。つまり政治的な動機を意味し、文が見え見えの虚構の言い訳で配備を遅らせようとするのもその一環だ。

選択肢

米中間で厳しい立場にある韓国でTHAADが犠牲になっている。中国の台頭で近隣各国には圧力がかかっている。北京は技術用語をちりばめたいいわけで圧力を欺瞞している。THAADで中国が丸裸になる、韓国製品に突如として衛生安全検査を実施するなどはあからさまなごまかしだ。しかも北京はそういう欺瞞を意図的に見せながら韓国エリート層に手袋の下の鉄拳を感じさせているのだ。
 北京が反対しているのは米韓同盟の深化であり、THAADはその象徴に過ぎない。THAADの技術面だけに目を取られると中国の策略が見えにくいが、THAADの本質を理解できるものには北京の反論がいかにも底の浅いことがわかり、真のメッセージが目に入るはずだ。つまり韓国はこれ以上の軍事関係を米国と進めるべきではない。
 ここに選択の分かれ目が見える。中国は米国に並ぶ勢力になりつつある。両国の格差が減少すると中国からの圧力が近隣国に増える。米中両国に受けのよい選択をめざせば韓国の能力は衰退する。THAADに見られる文政権の意思決定は配備を巡るメリーゴーラウンドの様相となるはずで、しかもこれで最後ではない。今回同様の騒動は韓国外交のお約束となりそうだ。
Robert Kelly is an associate professor of international relations in the Department of Political Science at Pusan National University. More of his writing can be found at his website. He tweets at @Robert_E_Kelly.
Image: South Korea’s Gen. Sun Jin Lee visits Guam’s THAAD site. DVIDSHUB/Public domain


B-52エンジン換装の検討状況、選択肢はすべて検討すると米空軍

U.S. Air Force Airmen from 96th Expeditionary Bomber Squadron execute air operations in support of Operation Inherent Resolve against the Islamic State on Feb. 13, 2017. The Air Force has set aside $10 million in its fiscal 2018 budget request for risk-reduction efforts in support of a potential future B-52 bomber re-engining program. (U.S. Air Force photo/Jordan Castelan)
米空軍第96遠征爆撃飛行隊所属のB-52が不朽の決意作戦でイスラム国を相手に作戦中。2017年2月13日撮影。
(U.S. Air Force photo/Jordan Castelan)
以前からお伝えしているB-52エンジン換装の動きですが、来年度予算に検討用予算が付く見込みで、米議会も必要性を認め高い優先順位をつけているようですので実現に向かっていくようです。ただしその動きは意外にゆっくりしているようですね。

Air Force Eyes Replacing B-52 Engines

B-52エンジン換装の検討を進める米空軍

DefensetechPOSTED BY: ORIANA PAWLYK JUNE 5, 2017

  1. 米空軍が2018年度予算要求で10百万ドルをB-52エンジン換装に備えリスク低減活動用に計上している。
  2. 承認されれば供用期間が60年を超えたB-52ストラトフォートレス爆撃機で大きな一歩となる。
  3. また予算案では227百万ドル超をB-52改修に向けると空軍報道官ローラ・マクアンドリュースがMilitary.comに伝えてきた。
  4. 総計13.4億ドルを2018年度から2022年度にかけ支出する要求でレーダー近代化、戦闘ネットワーク通信技術の導入、機体内兵装庫の改修、戦術データリンク統合が内容とマクアンドリュースが説明。
  5. このうち、兵装庫改修はIWBUと呼ばれ、「GPS誘導方式の共用直接攻撃弾搭載量がほぼ二倍になる」と第96爆撃飛行隊で兵装システム教官を務めるケニー大尉が説明している。保安上の理由で本人の姓は伏せた。「外部搭載をなくせるので抗力が減り、航続距離が延びる」
  6. B-52を2040年代まで供用したいとする空軍に対し議会は装備近代化の優先順位を高く認めている。エンジン換装で燃料消費で改善効果が期待される。
  7. 「エンジン換装で整備時間は95パーセント減り、大修理は事実上不要となり、燃料消費は30パーセント減ります」とマデレイン・Z・ボーダロ下院議員(グアム)が下院軍事委員会シーパワー兵力投射小委員会で5月25日に説明している。
  8. 「空軍にはB-52のエンジン換装で将来のコスト増加を回避し作戦効果を実現する企画があるのでしょうか」と同議員が発言。
  9. 公聴会には国防長官付け空軍副代表のアーノルド・W・バンチ中将、空軍参謀次長ジェリー・D・ハリス中将、空軍参謀次官スコット・A・ヴァンダーハム少将が出席。
  10. 「現行のB-52エンジンが供用期間中に寿命が来ることが分かっています。供用期間を延長するか、新エンジンに切り替えるか決めねばなりません」(バンチ中将)「選択肢すべてを検討中です。18年度に若干の予算を確保し、初期分析を選択肢に試したい」とバンチ中将は10百万ドルのリスク低減策に言及した。
  11. バンチからはエンジン換装は燃料消費の改善だけが目的でなく、給油機の活動を減らし、作戦執行の簡素化とともに人員投入量の削減も目指すと説明し、「整備要員を減らしながら作戦効率が引き上げられます」
  12. B-52は空軍グローバルストライク司令部の下で砂漠の嵐作戦やイラクの自由作戦さらに最近はISIS相手の戦闘に投入されてきた。
  13. 太平洋方面に10年近く展開していたが、昨年はB-1Bランサーがかわりに投入され、同地区での爆撃機継続プレゼンスを維持した。
  14. 直近ではRAFフェアフォード基地に先週配備されており、まもなく開始されるヨーロッパ演習に参加すると空軍が発表している。■



★★フィリピン南部でISIS作戦に活躍中の機材は何とOV-10ブロンコ!



日本で言えば九州の一都市が非国家勢力に占拠されたままといったところなのでフィリピンも大変です。シリアやイラクが落ち着いても周辺国や遠隔地に過激思想集団が拡散するのでは手に負えません。そうなると軽攻撃機やヘリコプターの低価格機の活躍の余地が増えますね。しかしOV-10はもともとベトナム戦用に採用された機体ですが、50年たってもほぼ原形のまま使えるとはよほど頑丈に作ってあるのでしょうね。 



PAF

 

The OV-10 Bronco Is Wailing On ISIS Yet Again, This Time In The Philippines

OV-10ブロンコはフィリピンでISIS攻撃に健在

Over 50 years since its first flight, the OV-10 is proving to the world once again just how relevant light air support aircraft can be.

初飛行から50年のOV-10が軽支援機の意義を証明中

 BY TYLER ROGOWAYJUNE 11, 2017

  1. 南部フィリピンのマラウィMarawi市がマウテMaute、アブサヤフAbu Sayyafの戦闘部隊に5月23日以来占拠されたままだ。両勢力はイスラム国と直接つながっている。フィリピン国軍は過激派排除をめざし、反抗作戦を実施している。フィリピン空軍の主力機はなんとOV-10ブロンコだ。
  2. 過激派戦闘集団は同地域の占拠を狙い、念入りに作戦をねっただけに排除作戦は極めて困難だ。市内各所に弾薬物資が蓄えられ、トンネルが掘られ戦闘員が魔法のように出現しては消えている。人間の盾も広く使われ、フィリピン海兵隊、特殊部隊の隊員は住宅一戸ずつから市街地の奪回を迫られ重大な損害も受けている。
PAF
PAFのOV-10Mブロンコ

  1. これまで少なくとも戦闘員138名とフィリピン国軍兵士58名が戦死している。一般市民21名が加わるが実態はもっと多い可能性がある。戒厳令で住処を追われた市民は数十万名におよぶ。
  2. 戦闘員集団が人口集中地区を占拠していること、フィリピン空軍(PAF)に精密誘導弾の在庫が少ないことから同国に残る8機のOV-10Mブロンコ(ほとんど改修を受けていない)が全力を発揮し近接攻撃と通常爆弾を可能な限り正確に市内に投下している。ウェブ上ではブロンコが同市で攻撃を加えるビデオが見られ、事態は緊迫しており、旧式近接航空支援機の出撃回数が明らかに増えている。
NOEL CELIS/AFP/GETTY IMAGES

マラウィ上空で汎用爆弾を投下するブロンコ
  1. 実はブロンコがISIS勢力攻撃に投入されるのは今回が初めてではない。相当の改修を受けたOV-10が二機イラクに派遣され、特殊部隊を助けながらイスラム国戦闘員を掃討した。ブロンコを操縦したのは米海軍の訓練経験豊かなパイロットで同機を「人狩り」機に変え、レーザー誘導ロケット弾を狙撃手よろしく発射していた。同機は驚くほど信頼性が高く、運用も簡単で前線近くから発進し、厳しい状況でも敵を執拗に追い詰めた。
  2. PAF所属のOV-10にはイラクで活躍した機体同様のセンサーや通信機器は見当たらないが、射撃は正確でGBU-12レーザー誘導爆弾も地上にレーザー照射があれば運用できる。
  3. OV-10以外にフィリピン空軍は持てる装備を全部動員して作戦に投入している。AW109Eヘリコプターは機銃とロケット弾を装着し攻撃監視活動にあたる。新規取得したFA-50PH軽攻撃機も攻撃任務に早速投入された。
  4. 自国民が暮らす場所に非誘導式兵器を投下するのは高性能機でも相当に高いリスクだ。友軍を攻撃することもある。5月31日には自国部隊10名が死亡し7名が負傷している。それでもフィリピン空軍には同市解放のため攻勢を続ける必要がある。
AP
航空作戦にAW109E、米海軍P-3CやSF260も投入されているが、攻撃の主役はブロンコだ。

  1. ここに米軍も加わっており、P-3Cが同市上空を低空飛行する姿が目撃されている。オライオンはおそらく電子光学装備を搭載し、赤外線やカラービデオ装備も使い上空から監視しながら目標情報を配信しているのだろう。フィリピン軍のレステイトゥト・パディラ将軍は「当方には有効な監視偵察装備がないので米軍に援助を求めた。これは非戦闘支援である」と述べている。
  2. フィリピン空軍の機材は大部分が支援機や旧式対ゲリラ戦機材で今日の基準から見れば時代遅れで初歩的に見える。市街地での軍事行動military operations in urban terrain (MOUT)では電子光学センサーが有効に使えるのが同国機材にはほとんど見当たらない装備だ。そのためP-3Cが一機でも戦場上空を飛べばフィリピン軍の状況把握が相当程度に進む。
  3. それでも三週間にわたり米軍が関与していることは物議をかもす発言で知られる大統領ロドリゴ・デュテルテでさえ驚いたようで支援を「アメリカに一度も接触していない」と述べている。また「到着するまで知らなかった」と述べ、現地に米軍の「地上部隊」はいないと述べているが、各種報道から米特殊部隊がマラウィに展開中なのは事実だ。任務の一部でRQ-20ピューマ無人機を運用しているようで同市上空を盛んに飛んでいる。
AP
マラウィ上空で500ポンドMk82汎用爆弾二発を投下するPAF所属のブロンコ

  1. マラウィでのIS戦闘員との戦闘の進展は今後もお伝えする。その中でOV-10が空から戦闘員を攻撃し続けるのは確実で旧式ながらまだ現役の同機を見ると軽攻撃機が従来よりも重要な存在になっているのがわかる。
  2. 追記 やはり米特殊部隊が掃討作戦でRQ-20により空中偵察を提供して支援していた。
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RQ-20ピューマを操作しフィリピン国軍を支援する米特殊部隊隊員の姿が
ソーシャルメディアで見られた。
  1. また噂ではフィリピンがA-29スーパートゥカーノ6機を受領し、ブロンコと交代するという。同機調達案はここ数年現れては消える状態だったが、今やトゥカーノがAT-6カヨーテを抑えて確実のようだ。選定結果の発表はまだないが、ブロンコ後継機の導入は再度先送りになりそうだ。A-29は米空軍が今夏進める軽航空支援機競合でも有力候補だ。■
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