2017年7月19日水曜日

第二次大戦中の日本に米本土を細菌攻撃する構想があった


重い題材です。731部隊出身者は戦後の日本医学界でそれなりの地位につき、この話題はタブー扱いだったようですが、さすがに関係者がこの世から消えてきた今は、真正面から話題にしていいのではないでしょうか。事実は事実として認めるべきは認め、デマや風説を抑止すべきでは。科学データとして貴重な内容を米国はどう活用してきたのでしょうか。もともと毒ガスはじめ細菌兵器は禁じられていたのですが、日本では勝つために手段を択ばない=戦争にはルールがないとの考え方があったのでは。これはオウム事件でも感じられた向きがあると思います。現在は中国が当時の日本と同じ思考になっていないか危惧せざるを得ません。歴史の皮肉ですね。

 

Fact: Japan Wanted to Drop Plague Bombs on America Using 'Aircraft Carrier' Subs これは事実だ:日本は「潜水空母」で米本土にペスト菌攻撃を目論んでいた


July 17, 2017


  1. 第二次大戦中の日本は生物兵器を使い中国国民数千名の生命を奪った。だが日本が病原菌を米軍への散布を狙った機会が少なくとも四回あったことはあまり知られていない。毎回辛うじて実行に移されなかった。その最後の機会が夜桜特攻作戦でペスト菌に感染させたノミでサンディエゴを狙う作戦だった。
  2. 日本の生物兵器は石井四郎陸軍中将の頭脳の産物で、1930年代に最高レベルの支援を受け731部隊が「防疫給水部」として関東軍内部に生まれた。731部隊はハルビン平房区Pingfang Districtで150棟の巨大施設となり、生体標本を使い生物兵器開発に努めた。人体実験に投入された者のうち三分の二が中国人で残りはソ連で捕獲していたが、その後連合軍捕虜、朝鮮人、太平洋諸島の住民も加わる。
  3. 731部隊の実験内容の非人道性は簡単に言い尽くせるものではない。麻酔なしで生体解剖し主要臓器を除去しどれだけ生存できるかを実験し死体は標本にした。凍傷の開始を見るため四肢を冷凍し、梅毒に感染させ銃の監視下で収容者同士を性交させた。手りゅう弾、毒ガス、火炎放射機や爆弾の標的に生身の人体を使い、炭そ菌つまり液状バクテリアを充填した爆弾投下もあった。
  4. だが日本の生物戦専門部隊の好みはペスト菌で14世紀のヨーロッパで黒死病として猛威を振るったバクテリア感染だった。感染後数日で症状が現れ、不気味な横痃、高熱、壊疽や悪寒や発作で治療がない場合の致死率は50パーセントだ。
  5. 731部隊はペスト菌60ポンドほどを数日程度で製造する能力があり、伝染方法は自然界からヒントを得て感染ノミを使った。ノミを陶磁器製宇治50爆弾に入れ一般市民の居住地区に航空機から投下した。ノミはネズミを感染させ食料備蓄を汚染し、病苦が人体に広がった。
  6. 日本がこの生物兵器攻撃を加えたのは寧波Ningboや常徳Changdeでペスト感染が確認され「成功」と判定されたこともある。ただし被害者が数十万人なのか数万人なのかで論争がある。ドーリットルが東京爆撃を敢行した1942年に日本軍は報復として浙贛(せいごう)作戦を展開し、コレラ菌、チフス、ペスト、赤痢の生物兵器も投入し、中国人数万名を殺害したが日本軍にも1,700名の被害者が生まれている。
  7. 中国を生物兵器の実験場にしながら日本軍はこの兵器を主敵に使えないか検討を始める。1942年3月に感染させたノミ1.5億匹を数回にわけバターン半島を防備していた最後の米軍、フィリピン部隊を攻撃する案がまとまった。しかし連合軍が4月に降伏し攻撃は実施されなかった。同じ年に日本軍指導部はダッチハーバー(アラスカ)、カルカッタ(インド)およびオーストラリア数か所への攻撃を企画したが実施には至らなかった。米国内の家畜や農産物を汚染する案、風船爆弾で北米にペスト菌攻撃する案もあった。
  8. だが1944年になると日本の軍事優位性は悪化の一途で米軍はマリアナ諸島サイパンへ上陸する。同地には生物戦分遣隊があったが結局何もできず粉砕されてしまった。これとは別に日本潜水艦がトラック島に派遣され生物戦部隊20名と強力な病原菌を運ぶ途中で米潜水艦おそらくUSSソードフィッシュにより撃沈されている。硫黄島の激戦では731部隊はドイツ製グライダー二機で生物兵器を使おうとしたとの証言がある。しかし肝心のグライダー二機は中国の731部隊へ移動中に破損してしまう。
  9. 日本の敗色がいよいよ濃くなると石井中将はPX作戦を考案する。1944年12月のことで決死の特攻作戦として米本土攻撃を考えた。目標はサンディエゴで新型イ-400級潜水空母の完成が近づいており、第二次大戦中最大の潜水艦となるはずだった。全長122メートル排水量6,670トンで愛知M6A晴嵐水上攻撃機を3機搭載し格納庫内に主翼を折りたたんで搭載し、フロートは脱着式だった。
  10. 中国の人口稠密地を襲ったペスト菌攻撃と同様に感染ノミを収容した爆弾を投下すれば数万名のカリフォーニア住民の命を奪える。さらに決死隊が米本土に上陸しコレラやペスト菌を散布する計画だった。
  11. 石井中将の命名で暗号名夜桜作戦とされ1945年9月22日決行と決まった。終戦で同攻撃が実施されずに済んだとする解説がある一方で、生物兵器攻撃そのものが同年3月に中止されていたという説がある。梅津美次郎参謀長が作戦に効果ないことを認めたためだ。「最善の場合」でペストで数千名が死亡し米経済活動に混乱がある程度望めたが、それで日本の劣勢がばん回できるとは妄想にすぎなかったのである。だがある飛行教官の回想によれば攻撃決行のため7月に隊員が招集されたという。
  12. いずれにせよ日本海軍はイ-400級潜水艦を別の用途に投入する案だったようだ。最初はパナマ運河攻撃を狙い、晴嵐搭乗員は6月に運河の堰に見立てた目標で攻撃訓練を行っていた。別案がウルシー泊地に集まった米軍への奇襲攻撃で晴嵐を米軍標識に偽装する非合法手段まで考えた。イ-400とイ-401がウルシーに向け航行中に日本降伏の連絡が入り、艦載機は直ちに洋上で廃棄された。
  13. 敗戦後の石井は米軍と取引する。研究データすべてを提供する代わりに本人および部下に人体実験等での戦争犯罪免責を求め、ナチ・ドイツの科学者多数と同様の態度に出た。米生物兵器開発の責任者が研究成果を「かけがえのない貴重な内容」と評価したのは研究所見が米国では「人体実験に伴う罪の意識のため」得られない内容だったからだ。その後、石井がメリーランドに赴きフォート・ディートリックの米生物兵器開発に携わったとのうわさがある。
  14. ソ連は満州で捕らえた731部隊関係者12名にそこまで寛大ではなく、1949年にハバロフスク法廷で戦争犯罪人として有罪にした。被告人の自白内容は冷戦期の宣伝戦として西側が相手にしなかった。ソ連も731部隊で手に入る書類すべてを回収し、スヴェルドロヴスク(現エカテリングルグ)に生物兵器開発拠点を作った。炭そ菌開発に主力を置いた同施設では1979年に施設内汚染が発生し数十名が死亡している。
  15. 生物兵器を投入する作戦構想は無差別かつ予測不可能な疾病を生む可能性があり近視眼的と言われても仕方がない。だがバターンで実施していれば、勝利一歩手間にあった日本軍にも被害が生まれていたはずだ。民間人を標的とした大規模空襲が残虐かつ軍事的な効果はわずかしかなかった第二次大戦で、生物兵器は民間人殺戮には「有益な」選択だっただろう。だが生物兵器が感染症の大流行の引き金となれば、破滅的効果が双方に発生していたはずである。■
Sébastien Roblin holds a master’s degree in conflict resolution from Georgetown University and served as a university instructor for the Peace Corps in China. He has also worked in education, editing and refugee resettlement in France and the United States. He currently writes on security and military history for War Is Boring.
Image: The only surviving Aichi M6A1 Seiran.​ Wikimedia Commons

2017年7月18日火曜日

米空軍OA-Xの比較検証は今夏実証、勝者は?



一番興味を惹かれる機体がスコーピオンですが、選定はA-29になるのではないでしょうか。ただしいきなり一機種に絞り込むようではないためスコーピオンにも目があると思いますが、皆さんはいかが考えますか。

 

New Air Force Light-Attack Plane May Soon See Combat Operations

米空軍のめざす新型軽攻撃機候補が即戦闘作戦に投入される可能性がある

Visit WarriorKris Osborn SCOUT WARRIOR


  1. 米空軍が進める軽攻撃機構想で実弾発射試験に投入する候補機種を実際の戦闘シナリオに送ると空軍上層部が説明している。
  2. OA-X軽攻撃機は低コスト、民生仕様での製造で戦闘投入可能な機材で航空優勢を確立した環境で各種ミッションを容易に実現する想定だ。F-15やF-22のような高性能高価格機材をISIS攻撃のような対地攻撃に投入せず貴重なミッション時間を節約できないか。これが構想の出発点だった。.
  3. 今夏に空軍は提案中四機種を実弾発射試験で比較検討する。
  4. 「実弾発射飛行テストでは広く使われている戦闘機攻撃機用兵装を試し、軽攻撃機としての性能を現行機種と比較する」と空軍広報官エミリー・グラボウスキ大尉がScout Warriorに説明している。
  5. 空軍が試すのはシエラ・ネヴァダのA-29スーパーツカーノ、ホーカー・ビーチクラフトAT-6、テキストロンのスコーピオンジェット、エアトラクターのAT-802Uだ。
  6. 評価試験では各種武装の投下、センサー機能、監視偵察機能と各種ミッションを戦闘状況を想定して行う。
  7. 各シナリオでは実際の戦闘状況を想定し近接航空支援、航空阻止、戦闘捜索救難、攻撃偵察がある。
  8. アーノルド・バンチ中将(調達担当空軍次官補付き軍事補佐官)はScout Warriorに対し一ないし二機種を戦闘投入する可能性があると紹介した。「良好な結果が得られれば戦闘実証したい。一部の機種を作戦戦闘シナリオに投入し限界を確認したい」
  9. 事業には相当の予算裏付けがあり、議会からの支援も手厚い。上院軍事委員会委員長ジョン・マケイン議員もそのひとりで空軍にはOA-X軽攻撃機300機の調達を期待するという。

A-29スーパーツカーノ
  1. 米国で訓練を受けたアフガニスタン軍パイロットがタリバンをA-29スーパーツカーノで攻撃している。A-29はターボプロップ機で20mmキャノンを胴体下に搭載し毎分650発発射できる。FN ハースタル製12.7mm機関銃各一を主翼下に搭載し、7.62mmディロン・アエロM134ミニガンは最高4基搭載すれば毎分3千発の発射が可能。
  2. また70mmロケット弾、AIM-9Lサイドワインダー、AGM-65マーヴェリックや精密誘導爆弾も搭載可能。レーザー誘導兵器も利用できる。
  3. スーパーツカーノは操縦性に優れた軽攻撃機で高温かつ厳しい艦橋でも運用可能だ。全長11.38メートルで翼幅11.14メートル、最大離陸重量は5.4トン、戦闘半径は300カイリで最高時速は367マイルだ。


テキストロン・スコーピオンジェット
  1. この自社開発機型の新型は昨年12月に飛行に成功している。それに先立ち同機は高性能精密攻撃兵器システムのロケット弾とAGM-114Fヘルファイヤーの発射に成功している。当初は地上からレーザー照準器で誘導され、その後機内のL-3WESCAM製MX-15Diセンサーで発射に成功したとテキストロンが発表している。
  2. テキストロン発表では改良型スコーピオンではエイビオニクスがガーミン製になるという。またG3000エイビオニクス一式で大型高精細度ディスプレイにタッチスクリーン式コントローラーを付け、ミッション実施能力が前席から制御可能となり、後席には航法機能を拡充させながら北重量を軽減化し性能を向上している。
  3. さらに機体には主翼に後退角4度を追加し、水平尾翼を改良し高速性能を向上し、降着装置を簡略化し、次世代ヘッヅアップディスプレイと実証済みのスロットルスティック制御を付けているとテキストロン資料からわかる。
ホーカー・ビーチクラフトAT-6軽攻撃機
  1. AT-6は多用途軽攻撃機である。ロッキード製A-10CミッションコンピュータとCMCエスターライン製のグラスコックピットにL3 Wecam製MX-H a15Diマルチセンサーを搭載し、カラーおよびIRセンサー、レーザー照準技術とレーザー距離計も搭載する。■

アラスカ沖でTHAADテストを電子監視したPLAN、津軽海峡も通過




中国が次々に導入している装備、新型艦には要注意ですね。ハードウェアの優劣よりもその意図が重要です。当面気が抜けない展開になりますね。
写真 JAPANESE MINISTRY OF DEFENSE 815G型 天狼星Tianlangxing

Chinese Spy Ship Was Snooping Off Alaska For the First Time During THAAD Test

中国スパイ艦がアラスカ沖でTHAADテストを監視していた

The Type 815's visit is a significant display of China's expanding naval capabilities.

815型は中国海軍力の伸長を示す大きな存在

 BY JOSEPH TREVITHICKJULY 17, 2017
PLAN

  1. 人民解放軍海軍(PLAN)が目に見張る拡張を続けるのは海外軍事力展開をめざす中国の願望の表れだ。アフリカに新設した基地に注目が集まっているが、海軍関連で別の進展があった。初めて米国近海に高性能スパイ艦が航行し、重要なミサイルテストを監視した。
  2. 2017年7月11日、PLANの高性能電子情報収集艦815型北極星級の一隻がアラスカ沖の国際公海に到着したとEpoch Timesが報じている。同日に米軍ミサイル防衛庁が最終段階航行高度防空(THAAD)弾道ミサイル防衛装備を模擬中距離弾道ミサイル(IRBM)を標的に発射するテストを行っている。
  3. 米北方軍並びに米加共同の北米防空軍(NORAD)の広報官マイケル・クチャレックがEpoch Timesに815型艦は同群の分担範囲内に侵入したと述べている。これは2015年に初めてPLAN部隊がベーリング海経由でアラスカに接近したのに次ぎ二回目の米国沿岸接近事例になった。今回のスパイ艦の具体的な行動は不明だが同艦は国際公海にとどまっていたとクチャレックは述べている。
  4. ただし同艦がTHAADテストを監視していた可能性は高い。北極星級情報艦にミサイル追尾用のレーダーが搭載されているか不明だが、アラスカ沖で電子信号を吸い取っていたのは確実だ。THAAD部隊の通信機器やデータリンクも含まれていたはずで、さらに広義の米ミサイル防衛システムにも探りを入れていたはずだ。XバンドのAN/TPY-2レーダーから出る電子信号は中国軍の大きな関心事項であることは間違いない。
  5. このことから中国側分析官は個別米装備の特徴を理解するのみならず米ミサイル防衛装備の理解にもつながり、迎撃ミサイルの弱点や限界も解明するだろう。特に妨害対策や電子戦対抗手段がTHAAD以外の米ミサイル防衛全体で講じられる。またサイバーセキュリティの穴も中国が把握するかもしれない。
  6. 北極星級(東調級)は新鋭艦ではない。PLANで一号艦北極星Beijixingの就航は1999年で大型パラボラアンテナを搭載し外観は米海軍の冷戦時スパイ艦USNSヴァンデンバーグやソ連海軍のコスモナット・ユーリ・ガガーリンに似ていた。
  7. ほぼ10年にわたり同型は北極星一隻だけだったが2010年にPLANは5隻を導入した。うち四隻は改良型815G型だったが、2017年に就役した海王星Kaiyangxingは815A型という別の型になった。今回アラスカ付近に出没した艦の種別は不明だ。
  8. 815型の詳細は極秘事項だが海王星就役時にPLANから重要情報が紹介されている。815A型の排水量は6千トンで最高速度23ノットと共産党公式新聞China Dailyが伝えていた。「海王星は全天候下で常時偵察活動を多数対象に同時に行う能力がある。PLANは情報収集艦の詳細を明らかにしてこなかった」
PLAN
PLAN報道資料から海王星のレドームがわかる

  1. 海王星では不明の点が多く、とくに姉妹艦との違いがわからないが、艦体と形状は米海軍の退役ずみUSNSオブザベーションアイランドに類似し、排水量はUSNSハワード・O・ローレンゼンより小さい。ただしローレンゼンは「ミサイル飛翔距離測定艦」とされ外国のミサイル実験や米テスト時の情報収集を強力な電子スキャンアレイ型レーダーで行うものの多用途電子情報集機能はない。同艦に匹敵する中国艦は远望Yuan Wang級だ。815型はロシアのバルザムBalzam級やノルウェーのマルヤッタMarjataに近い存在のようだ。
USN
USNSハワード・O・ローレンゼン

  1. 815型の性能が各艦に近いと仮定すると2017年7月にアラスカ沖合に姿を現したのは重要な進展と言えるが、驚くべきことではない。同艦はTHAADミサイルテスト関連の重要な電子情報を広範に吸い上げることが可能だ。中国は韓国へのTHAAD配備に反対の姿勢を示しており、AN/TPY-2の長距離探査能力が中国領空も範囲に収め中国の抑止能力が脅かされると主張する。
GADFIUM/WIKICOMMONS
远望Yuan Wang級
  1. 815型がアラスカ近辺で集める情報により新兵器設計やTHAADへの対抗策が生まれる可能性がある。また中国がつかんだ情報が北朝鮮情報筋に流れる可能性もある。
  2. 815型情報収集艦が米沿岸近くに出没した意味は大きい。世界規模で海上での電子情報収集はこれまで米ロ両国の独壇場だった。ロシア海軍はバルザム級を派遣し大規模軍事演習時に情報収集をしており、リムパック演習(2016年)でも出没が見つかっている。2017年2月にはより小型のヴィシュニヤVishnya級スパイ艦が米本土東海岸沖合に現れている。2015年には815型北極星もリムパック演習を監視していたがPLANは同演習に正式に参加していた。
  3. 中国艦の性能が米ロより劣っていても、6隻もあることで中国は多様な情報収集ができる。2017年7月2日に815G型艦天浪星が津軽海峡を通航している。
  4. 同艦の日本領海通航で日本政府は厳しい対応に迫られたが、その時点で同艦が電子情報を収集していたか不明だ。中国は国際法で航行は認められていると主張。
  5. 815型のアラスカ沖到着がTHAADテスト前だったのとは別にこれからもミサイル発射は中国が沖合から監視することを米軍は覚悟する必要がありそうだ。■

2017年7月17日月曜日

中国軍のジブチ基地新設の意味を考える


AP

すでにお知らせしている話題をさらに掘り下げた内容です。ソマリア海賊対策は中国が各国と協調せず単独行動しているのですね。とにかく中国は戦略思考で次の手を打ってきますので対抗するためにはこちらも小手先の対応ではなく戦略思考が必要なのです。将棋に関心が集まっているのは良い兆候かもしれません。

Here's What You Should Know About China's New African Base 中国のアフリカ新基地で知っておくべき事項

Chinese forces in Djibouti are just the latest sign that the country wants to expand its military presence abroad. ジブチの中国軍部隊は中国が軍事プレゼンスの海外拡大を願目指す最新のあらわれ


 BY JOSEPH TREVITHICKJULY 14, 2017

  1. いかに規模が大きくても自国外で長期間活動できない軍事力は国土防衛の域を越えられない。冷戦終結後の中国人民解放軍は世界規模のプレゼンス拡大に向け努力してきた。中国軍はアフリカの角を回り初の恒久的海外基地を手に入れ、アフリカ各地への展開の拠点にしようとしている。
  2. 2017年7月12日国営メディア新華社が同国初の「支援基地」があるジブチに向けた隊員装備の第一陣が出発したと報じた。中国は2015年に構想を発表し翌年から首都ジブチシティで施設建設を始めていた。
  3. 「支援基地は中国部隊によるアデン湾商船護衛任務、人道救難活動他国際責任の執行に役立つ」と新華社は述べ、中国外務省報道官耿爽Geng Shuangの発言内容を伝えた。「さらに同基地はジブチの経済社会的発展を推進し、中国によるアフリカ並びに世界全体での平和安定への貢献の一助となる」
  4. 確かに上記の機能は実現するだろうが、基地をよく見ると国際的な活動強化を進めるPLAの動きに一致する点が見られる。この基地は中東、欧州さらにその先に展開する中国の拠点になるはずだ。
XINHUA
半潜水式輸送艦東海島で中国軍をジブチ新基地に運ぶ。

中国は何を狙っているのか?

  1. 中国は同基地の情報に神経質になっており、基地内の装備配備についてほとんど何もわからない。公式ルートでも耿報道官、PLAN司令官Shen Jinlong沈金龍中将のいずれも追加情報を出していない。以前の報道どおりなら約1,000名の中国軍関係者がジブチに駐留しそうだ。
  2. 公式には同基地の機能は「補給支援」のPLAN部隊への提になっている。中国艦船はアデン湾に2008年以来展開しており、民間商船を海賊他の危険から守っている。中国部隊は多国籍海賊対策部隊には属さず、中国は国連安全保障理事会決議に準拠して独自にミッションを展開している。
  3. 「支援施設は主に中国軍関係者の休養復旧用に使い、アデン湾やソマリア沖での活動さらに国連平和維持活動や人道救難活動を念頭に置く」と中国国防省はニューヨークタイムズに2017年2月に書面で回答している。だが気になるのは「主に」という言葉だ。
  4. フォックスニューズは一般公開の衛星画像を2017年7月に入手し、同基地で大規模工事が続いている様子がわかる。目に付くのは建設中の航空施設でヘリコプターあるいは無人機運用に供されそうだ。少なくとも七つの建築物が格納庫に見え、エプロンがつないでおり、駐機、燃料補給、武装搭載に使うのだろう。さらに中央の建物は管制塔並びに指令所になるのだろう。
Photo published for Satellite images show progress at China's first African base

Satellite images show progress at China's first African base

  1. 2017年7月4日の衛星画像では工事は未完了で航空機の姿は見えない。ただし施設規模から中国製無人機Wing Loong、Wing LoongIIの運用は可能に見える。ほぼMQ-1プレデターに匹敵し武装、偵察装備が可能で、飛行距離が2,400マイルといわれる。無人機でアデン湾、紅海さらにアラビア海、インド洋に武装偵察を行うことが可能となる。また陸上を飛行させ東アフリカに向かわせれば中国軍が国連平和維持部隊の一部として参加している南スーダンも飛行範囲に入る。ヘリコプターで人員物資を輸送し、傷病兵や避難民を艦船に輸送する拠点にもなる。
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Will China deploys UAVs to Djibouti?
  1. 同基地の支援任務に対する期待を見せたのがPLA部隊第一陣の出港式典で071型井崗山Jingangshan揚陸艦と東海島Donghaidaoの二隻が見られた。後者は2015年就役の半潜水式補給艦で排水量およそ2万トンでコンセプトは米海軍の移動式上陸用拠点艦に近い。
  2. 東海島のような特殊艦は大型貨物輸送以外に洋上拠点として揚陸活動等を支援する狙いもある。中国は同艦を以前にも公開しており、南シナ海でエアクッション揚陸艇の母艦としていた。PLANの大洋艦隊化の象徴のような艦だ。

AP

中国が本当に求めるものは何か?

  1. 中国がジブチに恒久基地を求める理由は見せかけに過ぎず真意と違うと疑う証拠はない。1990年代以来中国の軍と警察部隊は国連の平和維持活動の重要な一部になっており、2015年時点でおよそ8千名が国際機関の予備部隊に登録され全体の五分の一を占める存在だ。活動の中心はアフリカだで中国はアフリカ連合の平和維持活動へも積極的に得印しており、1億ドルを拠出している。
  2. 2016年12月までに南スーダン以外に中国はコンゴ、リベリア、マリ、ダルフール地方へも国連部隊の一環として介入しており、レバノンにも人員を派遣している。中国は各地の活動で最大の貢献をしており、なにより安全保障理事会常任理事国でもある。
  3. この事とアフリカへの経済連携の強化が完全に一致する。特に資源掘削部門で中国はつながりを強めている。中国陣作業員は各地に展開し、アフリカ連合の新本部ビル建設がエチオピア首都アディス・アベバにはじめると中国は建設費全額2億ドルを拠出し、「アフリカへの中国からの贈り物」として知られるようになった。ソフトパワー外交でアフリカ各国へすりよっているが各国住民には必ずしも歓迎されていない。
AP
ジブチ大統領イスマイル・オマル・ゲレは胡錦涛主席と2012年に北京で会談していた
  1. アフリカで独裁政権をアメリカが支えているとの非難がよく出るが、北京の専制主義政権にとって人権侵害のような話題は関心外であり長年にわたり「他国の内政に干渉せず」と同様に自国へも他国の干渉を排除している。この姿勢のため圧政的な政権に人気が高い。米国はじめ西側世界が協力を拒むスーダン、エリトリアのような政権だ。ジブチでも国際監視団体、人道団体ならびに反対政治勢力は大統領イスマイル・オマル・ゲレ率いる与党人民進歩党が選挙を不正操作いたり反対勢力を弾圧し、でっち上げの罪状で反対派を投獄していると非難の声を上げている。
  2. 政治経済でアフリカへの関与を深める中国は危機発生時をにらんだ軍事対応の拠点づくりが必要だった。2011年にリビアで独裁者ムアマ―ル・カダフィが放逐されると中国は国内の自国民35千名の国外脱出の必要に直面した。2014年にも同様の状況が発生しギリシャなど他国の助けを得て実施している。イエメン内戦では600名と規模は小さいが同様の対応に迫られた。
  3. ソマリア沿岸の海賊を追跡して航行するだけでもPLANの補給活動は困難を極めていた。「中国幹部、乗員向けの糧食燃料の補給が難しくなり、ジブチから数回にわたる支援が提供された」と中国外務省報道官耿爽が2017年7月に謝意を述べている。
AP
南スーダンに向かう中国軍隊員
国際軍事大国としての中国
  1. ただしこうしたミッションよりもっと大きい構図がある。ジブチ施設は域内安全保障を超えて軍事プレゼンスを海外に広げたい中国の熱望を実現する第一歩だ。ジブチの戦略的な位置はスエズ運河に近く、中国艦隊が自由に使える通過地点になる。また中国に必要なエネルギー・鉱物を中東、アフリカから輸送する商船の護衛にも有益だし、PLAの作戦用燃料他補給物資の集積地にもなる。中国が空母打撃群を遠征させる際にも必要だ。基地が完全運用を開始すれば、中国初の空母遼寧および護衛部隊が定期的に寄港するのは確実に思える。
  2. 海外基地獲得はPLAの陸上部隊削減と時期があっている。2015年に30万名が削減されており、今回の第一陣出港の前日にPLAはさらなる陸上兵力削減案を発表し兵力は百万名を下回ることとし、残る兵員をPLAN含む別部門に配分し、海外作戦支援体制を整備するとしている。
  3. 「この改革でロケット軍、海軍、空軍、戦略支援軍(電子戦・通信担当)へ回す資源を増やす。PLAは海外作戦能力を拡充する」と徐光裕Xu Guangyu(政府資金で活動する中国軍事管理軍縮協会China Arms Control and Disarmament Association上級顧問)が環球時報(中国共産党公式新聞)に語っている。「PLAには敵対勢力が12カイリの領海に入る前に数千カイリ先の地点で探知排除する能力が必要だ。中国の海外権益は世界に広がり保護が必要だ。こうなると陸軍の役割を超えた範囲になる」
  4. そこで中国軍がジブチに向かい、これとは別にPLAN艦船三隻が地中海を「親善航行」中でも驚くにはあたらない。これとは別の小戦隊が地中海でロシアと共同演習に向かっている。共同演習2017は黒海で実施される。両国は2005年以来共同海軍演習を7回実施している。昨年は問題の多い南シナ海で行い、「島しょ占拠ミッション」をはじめて展開した。PLANはアフリカ、中東各国との演習を強化するだろう。それ以外に中国は各地への公式訪問が容易になり存在感を増やすはずだ。

緊張増加の可能性

  1. PLAが国際舞台で存在感を強めるのを懸念して見つめる国は多い。米国もそのひとつだ。ジブチ基地開設で懸念から緊張が増す。ジブチは小国だがすでに米、仏、英、日の各国軍に拠点を提供している。イランやアラブ首長国連合も外国軍へ基地提供を検討中だ。
  2. 米軍はジブチを東アフリカ、アラビア半島での作戦拠点としており、キャンプ・レモニエおよびチャベリー飛行場は拡張を続けており、無人機攻撃や特殊部隊の拠点としてソマリアやイエメンをにらんでいる。ここ数年で同地区で米軍への脅威が高まっており、イエメン反乱勢力が巡航ミサイルで米艦船を攻撃したり機雷を敷設している。隣国のソマリアでは極秘対テロ作戦が拡大中でジブチの戦略的意義は今後も増えそうだ。
  3. 米軍指揮官層には中国軍と共有する空間で機微性の高い作戦を展開することに特に怯える兆候はない。米軍からは「米軍にとって重要で中国軍には実施してもらいたくない事柄への懸念」をゲレ大統領に伝えているとトーマス・ワルドハウザー海兵隊大将(米アフリカ軍司令官)が議会で2017年3月に述べている。
  4. 「同等の国力のある他国基地はこれまでなかったので、少なくとも今回の用に近接した場所にはなかったので、たくさん経験できることがあり学ぶことも多い」とワルドハウザー大将はBreaking Defenseの取材で語っている。「確かに作戦保安上の懸念は高いですが」
  5. 同大将はいずれの発言でも懸念の内容を直接述べることはなかったが、ここまで近くに中国軍関係者がいることで双方がスパイ活動に走ることになりそうだ。中国には米軍の活動ぶりを観察する絶好の機会となる。北京がゲレ大統領にさらに圧力をかけて米軍への基地提供条件を変更あるいは無効化する可能性も憂慮する向きもあるが可能性は低い。合意内容は数百万ドルの効果を生み、同時に米軍関係者多数にくわえ支援委託業者が駐留することで経済効果も生まれている。現在の戦略的な意義を急いで反故にする必要も双方にはない。
  6. 「バブ・アル-マンデブ海峡(イエメン-ジブチ間)は海上交通の要所でエネルギー、海運、安全保障上から重要です」とジェフリー・グレシュ博士(国防大学校准教授・国際安全保障研究学部)は解説する。博士はGulf Security and the U.S. Military: Regime Survival and the Politics of Basingの著者でもあり、記者にEメイルで「ジブチはアフリカ全体の出入り口で重要な地点」と解説してくれた。
  7. 目的が何であれ中国の基地設置で出入り口がはちょっと混雑しそうだ。■

日本が北朝鮮先制攻撃を実行すればこうなる



韓国が北朝鮮の脅威に鈍感と揶揄する向きがありますが、現在の日本こそ北朝鮮脅威に晒されていることを認識すべきでしょう。前回の朝鮮戦争のように日本が後方で安全でいられる保証は全くなくなっていますし、日本に三回目の核攻撃が加えられる可能性が現実になっているのです。国内問題や有名人のスキャンダルには好奇心丸出しでも考えたくない問題には目をつむるのであれば自ら破滅への道を歩んでいるとしか思えません。記事の先制攻撃構想ですが、日本単独での実施は非現実的なのですが、今後はその方向で整備していってもいいのではないでしょうか。GDP1パーセント枠という制約ですが、トランプはNATO加盟国に2パーセント公約の実施を迫っていますね。


 

How Japan Could Someday Stop a Nuclear Strike from North Korea
近い将来日本は北朝鮮からの核攻撃を阻止する

The National InterestKyle Mizokami July 16, 2017


  1. 日本に最悪の想定だ。航空自衛隊所属のRQ-4グローバルホークが北朝鮮の中距離弾道ミサイルの発射準備を探知。燃料注入があと数時間で完了する。ここ数日にわたり北朝鮮は日本を「核の炎の壁」で消し去ると強い口調で主張していた。総理大臣がミサイルの発射前に撃破する先制攻撃をしぶしぶ承認する。
  2. このシナリオはフィクションで日本に先制攻撃能力はまだない。だが日本が先制攻撃に踏み切ったら成功の保証はあるのだろうか。
  3. 世界有数の平和国家として日本は軍事能力を自国防衛の範囲に厳しく自制してきた。攻撃手段とされる大陸間弾道ミサイル、長距離爆撃機、航空母艦は保有していない。核攻撃を受けた唯一の国日本は核兵器を忌避する強い国家政策をとっている。
  4. こうした政策で日本は70年にわたり平穏を享受してきたが、北朝鮮の核兵器とミサイル開発で状況は複雑になってきた。日本は弾道ミサイル防衛網を二重に整備し、SM-3ブロック1B迎撃ミサイルをイージス駆逐艦に搭載し日本本土を面で防衛し、ペイトリオットPAC-3を局所防衛特に東京を意識して配備している。この装備で効果あるとし、日本は先制攻撃という積極的防衛策はとらなかった。
  5. これが変化しつつある。ここ数年で北朝鮮のミサイル脅威ならびに尖閣諸島をめぐる中国との紛糾に対応して攻撃兵器を巡る政策を緩めてきた。禁じられてきた攻撃を主眼とした部隊が揚陸部隊として生まれ、対外勢力が占拠した日本固有の領土の奪還が存在意義だとされている。
  6. その中で日本が対地ミサイルを取得し北朝鮮へ先制攻撃に使うとの報道が二回出た。2017年5月に産経新聞がトマホーク陸地攻撃巡航ミサイル導入を安倍政権が検討中と伝えた。6月には読売新聞がノルウェー開発の共用打撃ミサイルがF-35戦闘機で運用可能で「有望候補」と伝えている。
  7. 政府は記事内容を否定しているが、現政権が北朝鮮核兵器に対応すべく積極的手段の導入に前向きなのはよく知られている。新規編成の揚陸部隊と同様に攻撃兵器は「防衛的に」利用可能だ。日本の先制攻撃はどんな形になるのだろうか。
  8. 先制攻撃というと大胆で決定的な効果がある作戦案に聞こえるが実際はかなり複雑だ。日本が攻撃に踏み切り金正恩が攻撃の難を逃れれば日朝戦争がはじまる。とくに。初日の日本の攻撃はハチの巣を叩く結果を生み、航空作戦が数週間続くだろう。狙いは移動式ミサイルの破壊だ。一基でも破壊に失敗すれば、日本にはおおきな被害が生まれる。一回目は奇襲攻撃となるが、以後繰り返し攻撃が加えら12日続きそうだ。
  9. 第一段階として情報収集・監視・偵察(ISR)機材の拡充が必要でミサイル発射の兆候を探知するだけでは不十分で移動式ミサイル発射装置の監視探知が必要だ。衛星監視体制はさらに拡充し、高高度長時間監視無人機RQ-4グローバルホークも導入予定の3機では不十分だ。北朝鮮国内の道路網は舗装道路延長800キロと貧弱とはいえ、先制攻撃後の監視体制が死活を握る。日本からの攻撃を受ければ以前には弾道ミサイル発射の意図がなかったとしても確実に発射に向かうはずだ。
  10. 第二段階は精密兵器の導入で、過去の日本政府は自ら禁じてきた。トマホークと共用打撃ミサイルが候補でトマホークは北朝鮮国内で既知の核施設を練られる。F-35Aに共用打撃ミサイルを搭載し移動式ミサイルを追跡させる。
  11. 一方で日本は北朝鮮上空で大規模航空作戦を行うことになろう。F-15Jが戦闘哨戒飛行をしF-35等の日本機を北朝鮮人民空軍さらに中国の妨害から守る。航空自衛隊の捜索救難部隊は北朝鮮沖合に待機し、墜落機パイロットの救難にあたる。4機しかないKC-767J空中給油機では全く足りない。東シナ海でも警戒を怠ることが許されない中で交替任務にあたるためには20機が必要だ。
  12. 北朝鮮上空の航空作戦は極めて複雑になるが、これを実施しないと日本国内の一般市民数十万人の生命が奪われることになる。北朝鮮は核兵器を10発ないし20発保有との推定がある。うち3発が投下されれば15万名が命を失い、日本人のみならず訪日中の各国国民も犠牲になる。新宿が爆心地の場合の死亡数は6万、負傷者数は10万6千名超との推定がある。大阪が核攻撃を受ければ死亡5.3万、負傷11.7万との試算が出た。横田空軍基地内の航空自衛隊司令部が標的になれば死亡2万、負傷4.5万になる。
  13. 日本が先制攻撃能力を整備するのは不可能ではないが、一般に考えられている以上に困難だ。航空作戦実施に必要な戦力整備に踏み切ればGDP1パーセントとの防衛支出上限は撤廃する必要が生まれる。だが「攻撃」兵器の保有禁止政策と同様に政策変更は可能だ。もうひとつ安全保障上で懸念になるのはGDP200パーセント超という日本の債務問題だ。どちらの方向を選択するにせよ日本には大変なことになる。■
Kyle Mizokami is a defense and national-security writer based in San Francisco who has appeared in the Diplomat, Foreign Policy, War is Boring and the Daily Beast. In 2009 he cofounded the defense and security blog Japan Security Watch. You can follow him on Twitter: @KyleMizokami.
Image:  ANDERSEN AIR FORCE BASE, Guam - Japan Air Self Defense Force F-2A taxis down the runway here during an exercise for Cope North Feb. 5. Cope North 09-1 is the first iteration of a regularly scheduled joint and bilateral exercise and is part of the on-going series of exercises designed to enhance air operations in defense of Japan. ​Wikimedia Commons


2017年7月16日日曜日

中国初の海外軍事基地ジブチが完成目前、第一次派遣部隊が中国を出港



中国が初めて手に入れた海外基地をどう活用するのか、各国が注視するでしょう。説明と実態にかい離があれば大変です。また今後も別の場所に中国が狙う海外基地の運用にも参考となるはずです。この話題は重要なので後日別途記事を掲載します。


China sends first troop contingent to Djibouti base

中国が海外軍事基地ジブチへ初の戦闘部隊を派遣

 Andrew Tate - IHS Jane's Defence Weekly
12 July 2017

写真:7月11日PLAN揚陸強襲艦がジブチの中国軍支援基地に向け広東省湛江を出港した。(新華社)
  1. 中国人民解放軍海軍(PLAN)がジブチに向け初の部隊を派遣している。ジブチでは中国初の海外軍事支援拠点がまもなく正式に発足し、派遣はそれに先立つもの。
  2. 071型揚陸艦井岡山Jinggangshanおよび半潜水型支援艦東海島Donghaidaoが南海艦隊基地のあるをPLAN陸戦隊員を乗せ7月11日出港した。出港式はPLAN司令官沈 金龍Shen Jinlongおよび海軍政治委員苗華Miao Hua大将が見送った。
  3. 陸戦隊派遣はPLAN施設がまもなく稼働開始することを意味している。隊員は基地保安あるいは海賊対策の予備兵力の想定だろう。
  4. 出港式典中の井岡山の飛行甲板上に陸戦隊員80名ほどが確認できほかにも隊員がいるのかは不明。071型は兵員650名の収容が可能と見られ、そのほか車両装備も搭載できる。
  5. ジブチ施設は中国の軍事・人道支援活動を支援する目的があると2015年11月に中国外務省が声明を出していた。
  6. 「該当施設の建設により中国の海軍陸軍は国連平和維持活動に一層参加しやすくなり、海賊対策の海上護衛ミッションをソマリア沖およびアデン湾で展開し人道支援を提供する」と外務省報道官は述べていた。
  7. 施設の場所はドラレ多用途港湾施設(MPP)の付近であり、同MPPの建設は中国国家建設技術企業(CSCEC)が今年5月に完工した。同MPPは石油貯蔵ターミナル施設にも近い。■

F-35機体価格が上昇中、総経費は170兆円超へ


F-35の数字ゲームはどんどん変化していきますが基本的にインフレを期待しているとしか思えない内容です。日本のように20年以上デフレでインフレ経済拡大の概念を忘れかけている国には数字がどんどん変わっていくのは脅威ですね。
Aerospace Daily & Defense Report

F-35 Costs Rise; U.S. Marines Sign Up For 13 More

F-35経費が上昇中の中、米海兵隊は13機追加調達へ

Jul 11, 2017Lara Seligman | Aerospace Daily & Defense Report

Photo:F-35: U.S. Air Force
  1. ロッキード・マーティンF-35の調達総合経費が昨年比で7パーセント近く上昇している。主原因は米政府が同機調達のペースを落としていることだとペンタゴン最新試算が明らかにした。
  2. 価格上昇にもかかわらず米海兵隊はF-35B調達機数を13機追加し353機にしている。この事実はこれまで公表されていなかったが2016年版特定調達事業報告書(SAR)で明らかになった。
  3. ペンタゴンのF-35総合調達経費は2014年から2015年にかけて(当時のドル価格で)121億ドル減少しており3.2パーセント減だったが2016年にふたたび上昇に転じ275億ドル(6.8%)上昇したと最新のSARが説明している。予定2,456機のF-35の調達経費は研究開発試験評価(RDT&E)分や調達・施設建設(Milcon)含め4,065億ドルになっている。
  4. 増加の理由として米政府による同機調達の減速が今後続くことがあるとF-35統合事業運営室(JPO)は説明。米空軍は年間調達機数の上限を80機から60機に減らしており、調達期間を6年延長した。このため最終調達は当初2038年度だったが今は2044年度になっている。
  5. この延長に年間生産機数の削減が加わり調達経費の総額が増加したとJPOは説明している。
  6. SARから調達の減速から機体単価にも影響が出ているのが分かる。これについて予算強制削減でF-35の調達機数が減速すると価格上昇につながるとロッキードとペンタゴンは繰り返し警告していた。2016年度版SARによると空軍向けF-35Aで加重平均機体単価を供用期間全体で試算した数字は当時のドル価格で100.6百万ドルだったのが111.3百万ドルに増加している。海軍向けF-35Cでは110.7百万ドルが112.4百万ドルになった。F-35Bでは逆に下がっており、123.4百万ドルが122.9百万ドルになったのは13機追加調達のためだ。
  7. F-35A、B、C各型の最新の生産バッチ単価は当時のドル価格でそれぞれ94百万ドル、122百万ドル、121百万ドルだった。
  8. 総合事業経費には60年供用の前提で運用、維持を想定しており、1.8%つまり275億ドルと微増し、最新のペンタゴンが把握する費用合計は1.53兆ドル(約173兆円)である。
  9. RDT&E経費は比較的安定しており、上昇幅は400百万ドルにすぎない。この原因として開発段階の修了に伴う追加経費が上乗せされているとJPOは説明。
  10. 反面、運用支援経費試算が353億ドル増加しているのはペンタゴンの最新燃料価格予想と同機の海外転換構想の変更によるものが大きいとJPOは述べている。■