2017年7月23日日曜日

USSジェラルド・R・フォード就任式にて、改めて言葉の力に感じるところあり



日本人のスピーチはどうしてつまらないのでしょうか。答えは簡単で波風を立てず建前を重視した表現に振り回されたままで中身は二の次になっているからです。筆者も部下の作ったスピーチ案は全部却下して作り直していましたが、次回も同じように退屈な原稿を渡され閉口しておりました。今回はトランプ大統領よりリチャードソン作戦部長の方がスピーチとして一枚上を行っているのがわかりますね。これからゆっくり戦力化に向けて整備し、2020年すぎると艦隊に加わるとのことでその日が楽しみですね。

Trump: Carrier USS Gerald R. Ford ‘100,000-ton Message to the World’

トランプ「空母USSジェラルド・R・フォードは世界に向けたアメリカの10万トンのメッセージだ」
July 22, 2017 2:03 PM • Updated: July 22, 2017 9:11 PM
写真:米大統領専用ヘリコプター飛行隊所属のMV-22 オスプレイがUSSジェラルド・R・フォード(CVN-78)の飛行甲板に着艦した。ヴァージニア州ノーフォーク海軍基地での同艦の就役式典。July 22, 2017. US Navy Photo


  1. ドナルド・トランプ大統領が世界最大の海軍艦船の就任式で米軍事優位性の維持を宣言し国防予算案への議会支持を求めた。
  2. 次世代空母USSジェラルド・R・フォード(CVN-78)の就役式典でトランプ大統領は同艦は戦力と抑止力の象徴と述べ、乗組員と建造所のニューポートニューズ造船を称える演説をフォードの格納庫内で行った。
  3. 「米国製の鋼鉄と技術で10万トンの世界向けメッセージが完成した。アメリカの力に並ぶものなく、さらに増強拡大を当政権は毎日続けていくとお伝えしておきます」
  4. トランプ大統領は艦名の由来となったジェラルド・R・フォード大統領の軍事即応体制に関する発言中の第二次大戦前の米軍準備態勢が不足していたため当時の敵勢力が好戦的になったとのくだりを引用した。
  5. 「フォード大統領は言いました。将来において米国は強力な軍事力を維持してくべきです。再び軍の体制を劣る位置にしてはなりません。
  6. 「議会にはしっかり仕事をしてもらい予算案を通過していただき、軍のニーズに応じた予算手当を十分かつ安定的にまた予測可能な形で実現してもらいたい。これはここにいる男女の皆さんが必要とするものでそれを実現させます。皆さんの選挙区の上下両院の選出議員に連絡してもらいこの通り実現するようはたらきかけてください」
  7. 議会側は政権の即応体制を重視する予算案を無視しており、両院の軍事委員会が追加装備調達を加えようとしている。トランプ大統領は2011年の予算管理法を廃案に追いこみ軍事支出上限を撤廃するよう議会に求めている。
  8. 「ここ数年にわたり政府は軍に対し予算動向を予測不可能にしながら破滅的な予算強制削減策を求めてきました。覚えてますか。強制削減ですよ。よくありません。
  9. 「この結果、保守整備が後回しになり、新型装備調達に予算が不足し、即応体制に穴が開きました。言い換えれば軍に厳しい時代だったと言えます」
  10. トランプ大統領は国防長官ジェイムズ・マティス、海軍長官代行ショーン・スタックレイ、海軍作戦部長ジョン・リチャードソンとともに演台に立った。
  11. スタックレイはフォードの業績にふれ、リチャード・M・ニクソン大統領の辞任後に就任したフォードが「我が国を安全に導き政府への信認を復活させた」と述べた。
  12. フォード大統領は原子力空母USSニミッツ(CVN-68)の就任式に出席しており、スタックレイは当時の演説を引用した。「この偉大なる艦を見るにつけ、一つの考えが浮かびます。こんなマシーンを作れるのは米国だけということです。同艦が旗をたなびかせれば米国の国力の象徴と理解されます。米国の決意であり、米国製で米国人が運用します」
  13. マティスとリチャードソン作戦部長はともに長いスピーチをせず、即興で所感を述べていた。
建造所による公試を終えノーフォーク海軍基地に戻ってきたUSSジェラルド・R・フォード(CVN-78) April 14, 2017. US Navy Photo

  1. マティス長官は5分未満でフォード大統領の功績に触れ、トランプ大統領を紹介した。
  2. リチャードソン作戦部長はフォードは「単なる建造プロジェクトではなくなり戦闘艦になった」と述べ、米国の敵に以下警告した。
  3. 「本日が祝賀記念日にならない者がいる。米本土海外を問わず米国にテロ活動を企てる向き、我が国に攻撃を企てる向き、我が国の繁栄と交易に挑戦を企てる向き、我が国の価値観に挑戦を企てる向きがあり、そうした勢力には本日は祝うどころか悪夢の日だ。USSジェラルド・R・フォードの標的リストに載っていることがわかれば夜もおちおち寝ていられなくなる」
  4. 演台にはディック・チェイニー元副大統領、ドナルド・ラムズフェルド元国防長官の姿もあった。共にジョージ・W・ブッシュ政権に閣僚として参加していた。フォード級空母建造は遅延と予算超過で批判をたびたび受けてきたが、構想はラムズフェルドの調達変革方針の産物で軍事技術の大幅刷新をめざしていた。
  5. 総額130億ドルのフォードには新技術5点が投入されている。新型レーダー、電磁式航空機発艦システム、新型原子炉などで、原子炉は同艦向けに新設計された。フォードは予定より一年半遅れ海軍に6月に引き渡された。
  6. 正式に就役したフォードは公試と追加作業を続け2020年代初めに初の任務に就く。■

★米海軍構想の次世代戦闘航空機はこうなる



戦闘機の正当な進化を海軍は目指しているようです。ただし無人機が基本となるのは空軍より発想が柔軟なようですね。無人機といことは高G制約もなくなるのでしょうが、自律運用が前提で2030年代の世界では実用化されているとみているのでしょう。

Speed and range could be key for Navy's next fighter jet 

スピードと航続距離が米海軍が目指す次世代戦闘機の中核性能だ

 By: Valerie Insinna, July 21, 2017 (Photo Credit: Boeing)

WASHINGTON — 米海軍はスーパーホーネット・グラウラー両機の後継機に向けた分析に没頭中といったところだ。作業から生まれる機体は現行機と相当異なる外観になり、海軍の優先順位は航続距離と速度になるのは間違いない。
  1. 海軍が「次世代航空優勢機」(NGAD)で代替策検討(AoA)を開始したのは2016年2月でF/A-18E/FスーパーホーネットおよびE/A-18Gグラウラーの後継機の検討だった。(空軍もNGAD名称をF-22後継機に使うが、両軍の作業は別個に進み、統一機材にする予定もない)
  2. 一年半が経過したわけだが海軍チームは将来の空母打撃群で必要な性能内容と同時に大事なことは将来の脅威内容を詳しく理解出来たようだ。AoAを担当したリチャード・ブロフィ―大佐が海軍研究本部(ONR)主催の科学技術エキスポで語っている。
  3. 「後継機は広い範囲で検討している」とし、「システムファミリー」でスーパーホーネット、グラウラー両機の後継機となるのは戦闘機のみならず、派生型も多数生まれると見ていると述べた。
  4. 検討作業は少なくとも来年4月までかかるとブロフィ―大佐は述べ、NGADで想定する中心性能の詳細を説明してくれた。
  5. まず機体は無人が基本で場合により有人操縦となると前海軍長官レイ・メイバスと同じ発言をした。
  6. NGADで実現したいのが長距離飛行性能でブロフィ―大佐は現行の空母航空隊の航続距離が大きく制限されていることを指摘した。
  7. 「単に長距離飛べるだけでなくどれだけ内陸部に到達可能かを考えるようにしています。つまり兵装をどこまで到達させるかです」とし、「推進系の問題にもなり、どこまで効率を追求できるかです。燃料補給で戻らずに長く飛べればそれだけ良いことになります」
  8. もう一つ重要な性能はF-14トムキャットの時代の航空運用に戻るもおだ。つまり高速度飛行の追求である。
  9. ブロフィ―大佐からは海軍は空軍よりステルスを懐疑的に見る傾向があるが低視認性を将来のNGADに盛り込む可能性はあると指摘があった。だがF-35共用打撃戦闘事例の際ほどの高優先度は想定されていない。
  10. 「確かに残存性は必要ですが、ステルスは残存性確保の手段のひとつにすぎません。ステルスというとチャフ・フレアーをまず考えます。それで敵を毎回出し抜くことはできませんが、助けにはなります。ステルスは将来の姿の一部にすぎず、各国も同じ扱いです。あくまでも一部という考えです」
  11. ONR航空宇宙部のビル・ニッカ―ソンからはステルス以外に超軽量装甲や指向性エネルギー対策も含め機体残存性技術の開発が進んでいると追加コメントがあった。
  12. AoAが進むと海軍はスーパーホーネット・グラウラー後継機で選択肢が手に入る。最初の選択肢はなにもしないことだが即座に排除されるはずだ、海軍には現行機の退役が2030年代に始まるためだ。
  13. 2040年代の脅威環境を想定するとスーパーホーネット、グラウラー、F-35Cを追加導入する手もあり、各機の改修型で対応できるかの検討もありうる。
  14. 最後が新規開発事業で「画期的性能」を実現することだ。ただしブロフィ―は機体大量導入のためコストを低く抑える必要があると認める。「機数が肝心です。十分な機体数を導入する必要がありますね」と述べた。■

テキストロンのスコーピオンは米空軍OA-X選考に残れるのか


以前から気になっているスコーピオンですが、いよいよ運命の別れ目になりそうです。今夏の米空軍実証では同機の性能が嫌でも目に付くはずですが(同機は唯一のジェット機)、予断を許しません。一方、同機に関心を示す海外国がサウジアラビアとはじめて明らかになりましたね

 


Could Textron's Scorpion Light Attack Jet Take Over the OA-X Competition? テキストロンのスコーピオン軽ジェット攻撃機はOA-X選考に残れるか


July 20, 2017

  1. テキストロンは同社が自主開発したスコーピオン軽攻撃ジェット機を米空軍が今夏主催するOA-X実証に出場する準備を進めている。
  2. 同社からはビーチクラフトAT-6ターボプロップ軽攻撃機も加わり、OA-X実証が正式な調達事業になり、300機程度の採用を2022年めどでテキストロンとしては期待したいところだ。
  3. OA-X実証の結果でスコーピオン採用となればテキストロンにも意味が出てくるし、海外でも採用国が出てくるかもしれない。反対の場合、スコーピオンはお払い箱行きになりそうだ。
  4. 同機の生産型仕様を見たいとする向きも海外にあるが、OA-X結果を待つ向きもある。
  5. 「空軍の実証結果を待とうとする動きもあり、他方で当社と詳細を協議中の向きもあり実際の運用想定と予算検討をしている向きもあります」とテキストロンCEOスコット・ドネリーが投資家向け業績報告会で7月19日に述べている。
  6. 「今回の実証に本腰を入れているのは米空軍の評価のみならず海外顧客数か国も結果を注視していると思います」
  7. OA-X実証は8月の予定でスコーピオン量産仕様機が投入される。空軍からは評価は厳格に行う旨の連絡があったという。
  8. 「空軍の実証では各機に各種のミッションシナリオで性能、実用性を試し、8月から始め9月かまでかかるかもしれない」とドネリーは見る。
  9. 「単純な合否の判定はなく、どの機種に能力があるのか確かめるでしょう。当社のスコーピオンやAT-6はきわめて高性能でA-29と比べても違いが明瞭に出てくるでしょう」
  10. OA-Xは実験の様相もあるが上院軍事員会が12億ドルで2018年度に有望機種の導入を認めるのも追い風だ。ドネリーも今後の調達活動の展開に期待している。
  11. 「空軍上層部はこのような機体が必要だと明確に述べています。ただし実際に飛行し機能を発揮できるのを納得できないと動けないのでしょう」
  12. OA-Xには海外も関心を示しており、サウジアラビアは導入国になりうる。
  13. 「ええ、OA-Xでサウジも関心を寄せており、当社も交渉中ですが、まだ初期段階です」
  14. 「いろいろ期待もありますが、今は機体性能、運用能力に集中してスコーピオンが期待に十分応えられることを実証するのに集中したいですね。今は案件形成期ですね」
  15. テキストロンは空軍によるOA-X実証の進め方に満足しているようだ。
  16. 「空軍の実証の進め方は実務的で機体性能の確認事項を理解しており、次の段階に進む意図が明確です、どうなるかわかりませんが」とドネリーは語ってくれた。■
Dave Majumdar is the defense editor for The National Interest. You can follow him on Twitter: @Davemajumdar.
Image: Creative Commons.

2016年の北朝鮮経済動向が明らかになったが、国連制裁効果は僅少



去年までは中国の後ろ盾があり制裁効果がなかったことがわかります。今年の影響がどう出るかは来年の今ごろにはわかるでしょう。(それまで同国が存続していればですが)
North Korean leader Kim Jong Un gives field guidance to the newly built Ryugyong Kimchi Factory in this undated photo released by North Korea's Korean Central News Agency (KCNA)
稼働開始したリューギョン・キムチ工場を視察する金正恩。Korean Central News Agency / Reuters
North Korea 2016 Economic Growth at 17-Year High Despite Sanctions 北経済制裁の中、朝鮮の2016年は17年間で最大の経済成長を達成していた
   
BY: Reuters
July 21, 2017 2:13 pm
By Christine Kim and Jane Chung
SEOUL (Reuters) — 2016年の北朝鮮経済は17年間で最大の成長を実現したと韓国銀行(韓国の中央銀行)が7月21日発表した。核兵器開発を続ける同国は国際制裁を受けている。
  1. 国内総生産GDPは3.9パーセント増で干ばつと産品価格低迷に苦しんだ前年から大きく成長した。けん引役は鉱業とエネルギー部門で6.1パーセント増記録(1991年)を更新した。
  2. 輸出は4.6パーセント増で北朝鮮の最大貿易相手国は中国だ。
  3. ただし一人当たり国内総所得は150万ウォン(1,342米ドル)と韓国の5パーセント未満にすぎない。
  4. 北朝鮮は経済統計を公表していない。韓国銀行は統一院や国家情報院はじめ政府機関統計をもとに北朝鮮GDPデータの公表を1991年に開始している。同行の推計は国際機関や研究者が利用している。
  5. 北朝鮮はミサイル、核開発のため2006年から国連制裁の対象で、安全保障理事会は核実験5回、長距離ミサイル発射二回を見て制裁内容を強化してきた。
  6. 核・ミサイル開発事業が順調な経済成長の一因と韓国銀行は見る。ミサイル部品製造がGDP統計の一部だ。2016年の発電量も増えたがミサイル製造と関連は不明だ。
  7. 2月に中国が北朝鮮産石炭の輸入を停止し、北朝鮮向け石油輸出でも制限を課した。石炭は北朝鮮の重要輸出品。
  8. 米国は北朝鮮と取引中の中国企業・銀行に新たな制裁措置を検討中で国連安保理で一層厳しい制裁措置の支援をロシア、中国に求めている。
  9. 2016年の北朝鮮貿易では中国が92.5パーセントを占めた。この統計はKOTRA大韓貿易投資振興公社が21日に発表した。
  10. 今年の北朝鮮経済は中国が石炭輸入を全面禁止した影響が避けられないと韓国統一院は見ている。北朝鮮は迂回策を模索するだろうが、密輸は困難で移動はすぐ探知されると統一院は説明。
  11. 制裁効果が昨年出てこなかったのは韓国が米THAAD装備導入を決めたため中国が規制を緩めた効果が高いと韓国国際経済政策研究所の研究部門長Lim Soo-hoが説明している。「制裁拡大で今年は経済減速リスクが昨年より増えます。中国が燃料売却をさらに削減すると北朝鮮の重工業や製造部門は深刻な影響を受けます」
  12. 韓国銀行は中国の石炭受入停止と国際制裁強化で北朝鮮経済が今年どんな影響を受けるかについてはコメントを避けている。
  13. 北朝鮮のGDP(2016年)は32兆ウォン(2,850億米ドル)と韓国銀行はまとめており、韓国経済の1,508兆ウォン(1.34兆米ドル)の数パーセントの規模だ。
  14. 北朝鮮産業で鉱業、製造業が33.2パーセント(2016年)と大きな比重を占めている。
  15. 北朝鮮の輸出総額は韓国向け除き昨年は4.6パーセント増で28.2億米ドルになり、水産品が74パーセント増でけん引役になった。輸入総額は4.8パーセント増の37.3億ドルで生産財と繊維製品が中心だった。
  16. 南北間交易が昨年一気に87.7%の減少を見たのは南北共同工業団地の閉鎖が大きく、北の貿易量に変化がないことが統計からわかる。
  17. 開城工業団地閉鎖は北朝鮮が国連決議を無視し長距離ロケットを発射したのが理由だった。■

2017年7月22日土曜日

★米海軍が進める電磁レイルガン(EMRG)開発の現況



着々と研究は進んでいるようです。砲身の耐久性と電力確保が現状の課題ということですか。ミサイル迎撃を期待するとなるともう一段以上の技術開発が必要ですね。

The Office of Naval Research (ONR)-sponsored Electromagnetic Railgun (EMRG) at terminal range located at Naval Surface Warfare Center Dahlgren Division (NSWCDD). (U.S. Navy/John F. Williams)The Navy’s Railgun Will Get Faster, More Powerful This Summer

米海軍のレイルガンが今年の夏に高速かつ出力増を実現する

 POSTED BY: HOPE HODGE SECK JULY 21, 2017
写真 海軍研究所(ONR)による電磁レイルガン(EMRG)、海軍水上戦センターのダールグレン研究施設(NSWCDD)にて。(U.S. Navy/John F. Williams)

  1. 米海軍の進める電磁レイルガンが大きな開発段階を今夏迎えている。毎分当たり発射回数を増やし、出力を大幅増にする。
  2. レイルガンは海軍が10年以上大切にしてきたプロジェクトで試作型の艦載運用は2006年にはじまっている。レイルガンは電磁反発力で発射体を高速発射し、火薬の化学反応に依存しない。
  3. 理論上はレイルガンは安全かつ安価な運用で従来の火砲より優れる。DDG-1000ズムワルト級駆逐艦三隻に搭載するとしていたが、実施するのか不明だ。
  4. 現在は海軍研究部門ONRが照準通りの命中精度を目指して作業中だ。
  5. 今夏から来年にかけての作業の中心は出力増により32メガジュールで発射し毎分10発の発射を実現することとトム・ビュートナー博士ONR海軍航空戦兵装開発部長が説明。
  6. 32メガジュール出力だと射程は110カイリに及ぶとビュートナーはワシントンDCで開かれたONR主催の科学技術エキスポで講演した。
  7. この出力増と発射回数増に耐える設計の複合材製発射装置はヴァージニア州ダールグレン試射場に設置される。同地では試作型の発射実証を行なっている。
  8. 「目標はともに来年にかけて実現できるのではないか」とビュートナーは発射回数、出力の増加について述べている。
  9. 装置にはまだ解決が必要な課題がある。発射による摩耗損傷に装置が耐えなければならない。砲が短時間で壊れる危惧もある。ビュートナーは述べる。「当初は10発しか耐えられなかったが現在は400回までなら耐えられる。今後は1,000回まで延ばしたい」
  10. もう一つは電力だ。
  11. 電力が相当必要となり、これに応えられるのはズムワルト級しかない。ビュートナーも電力問題を認識し他の装備でも共通の課題と認める。レーザーウェポンシステムが揚陸輸送艦ポンスに搭載されているが、試射では専用電源を用意する必要があった。
  12. 「ONRもこの課題を認識し...将来の艦設計では電源確保が課題でレイルガンだけでなく、多様な電磁兵器が搭載されるはずだ」とビュートナーは述べた。発電貯蔵が研究課題の中心だという。■

2017年7月21日金曜日

F-35A:依然不明なパイロット酸素供給トラブルの原因、ルークAFB



要は根本原因がわからないということですか。深刻ですね。しかしルーク基地以外のF-35では報告がないというのも変です。航空自衛隊向けの機材もルークにあるので日本としても看過できない問題です。機内に搭載されている部品の品質管理が問題なのでしょうね。まさかC国製は使われていないでしょうね

Aerospace Daily & Defense Report

Fix Elusive As Another F-35 Pilot Reports Trouble Breathing

Jul 19, 2017 Lara Seligman | Aerospace Daily & Defense Report

(写真)ルーク空軍基地第六十一戦闘飛行隊のパイロットがケンタッキー州空軍基地のあるルイスビルに自機を駐機した。April 20, 2017. USAF

  1. ルークAFB(アリゾナ)のF-35パイロットでまたもや低酸素症に似た症状が発生し、政府・民間合同専門家が困惑している。
  2. 第56戦闘機隊の教官パイロットが7月10日の訓練飛行中にめまいと息切れを覚えたと広報官ベッキー・ヘイス少佐が発表。パイロットは予備酸素に切り替え無事帰還したという。
  3. これ以前に5件の飛行生理事案がルークで発生したが、当初は最新事案は別の種類と見られていた。F-35運用は一時停止していたが、6月21日に条件付きで再開されている。原因究明は終わっていない。現在は飛行上限は25千フィートに制限されている。
  4. 7月10日事案の飛行後解析からパイロットマスクの弁が不良だと判明したとヘイス少佐は述べている。弁を交換したところパイロットは支障なく飛行できた。
  5. 「マスク上の弁の不良が原因と分かりましたが、先行5事例の原因は未解明のままです」(ヘイス少佐)
  6. F-35共同開発室(JPO)が5月26日に編成したアクションチームはいまだに根本原因をさぐれていない。ただしJPOは「各事例の特徴を把握すべく標準に従った体系的な作業」をしており、「可能性のある範囲をつきとめられそう」とJPO広報官ブランディ・シフが語っている。
  7. JPOが目を付けているのはハネウェルの機内酸素発生装置 (Obogs) に入る抽気でプラット&ホイットニー製F135エンジンが供給している。チームは事故の報告があった各機の空気状態を調査したとシフは説明。JPOは空軍研究部門と共同でルーク基地機の空気状態を調査し、ゆくゆくは同型機全部の点検も行うとシフは述べている。
  8. JPOは長期的にはセンサー技術の進歩をさらに進め飛行中の機内汚染物質の探知をめざすとシフは説明。
  9. Avition Weekから調査中の根本原因のリスト開示を求めたがシフに拒否された。
  10. JPOは酸素発生装置の酸素濃度濃縮アルゴリズムの精度を上げる作業に入っており、各種高度で一番妥当な酸素濃度をパイロットに供給する機能に注目している。高度が上がり空気が薄くなると人体は酸素量が多く必要となる。ただしこれはあくまでも応急措置であり、各事例で酸素濃度自体に問題があったことを明確に示す証拠はない。■

A-10後継機開発の行方は不明、混迷する米空軍の装備開発方針



A-10: USAF

米空軍が何を目指しているのかわかりにくくなっていますが、
敵対勢力は意外に伝統的な戦法をとり、旧式機でも数にものを言わすのであれば、高性能を持った機材でも数で劣勢ならかなわないのでは。しかも頼みの綱の技術優位も揺らいできており、明らかに思考が行き詰まってきているのではないでしょうか。

Aerospace Daily & Defense Report

Air Force Weighs Scrapping A-10 Replacement

A-10後継機検討はこれ以上進める意向のない米空軍

Jul 17, 2017Lara Seligman | Aerospace Daily & Defense Report

  1. 米空軍は近接航空支援の将来像を検討中だが上層部によればA-10ウォートホグの直系の後継機は生まれない可能性がある。
  2. 空軍はここ数年ずっと近接航空支援(CAS)の次期専用機材を検討していたが、現時点で作業は止まっている。専用機材としての「A-X」開発に向けた措置を取っているのか問われた空軍参謀総長デイヴィッド・ゴールドファイン大将は「まだない」と答えている。
  3. すると専用機材としてのCAS機は作らないのか。「多分ね」とゴールドフェイン大将は言う。
  4. 「単一任務機実現への障害が空軍内で高いとは思わない」と参謀総長は7月16日のAviaion Week取材で述べている。「しかし前線指揮官に多様な戦闘状況があり当方はそれを支援する立場で、ハイエンド、ローエンド、その中間と多様な中で空軍にとって最善の結果を予算以内で生む運用が求められているのだ」
  5. 取材は英ロイヤルインタナショナルエアタトゥー訪問から帰国する参謀総長に空軍C-40機内で行われた。
  6. 本人はアフガニスタンの航空部隊指揮官としてCASミッションでA-10だけでなく各種機材にいかに依存しているか直接目にしてきた。地上部隊防護でウォートホグが必ずしもいつも第一の選択にならず、東部山岳地帯ではMQ-9リーパーが山谷を縫って迅速に移動できる点で一番優れた機材だった。不安定な西部では状態が悪化すれば多用途F-15Eが効果を最大限に発揮し、北部なら長時間飛行性能と大量のペイロードでB-1Bが最高の選択だ。
  7. 「特定の単一装備ではなく各種システムのファミリーとして、なら21世紀の近接航空支援が検討できる。単一機能だけで完結するミッション想定は本当に数少ないのです」
  8. 空軍はウォートホグを2020年代中頃まで運用する予定だが、A-10で9個飛行隊すべて運用するには追加予算手当が必要だ。ただし空軍がA-10の後継機を実現できるかは予算状況が安定することが前提とゴールドフェイン大将は強調する。
  9. 強制予算削減や先行きの見えない中、特別決議が年ごとに更新され対応する状況では軍の計画立案能力が大幅に低下していると参謀総長は指摘する。
  10. 「こんな駆け引きをしている状況では先のことは読めません」といい、「無料で何も手に入りません」
  11. 決断を下す前にゴールドフェイン大将はCAS部隊に将来のミッション像で意見を聞くだろう。これまでの姿とは違ってくるためだ。A-10が真価を発揮できるのは完全に航空優勢が確立されたイラクやアフガニスタンのような場合だと専門家の意見は一致しているが、高性能対空装備特に地対空ミサイルの普及で非ステルス性で大柄なウォートホグを戦場で運用するのは危険が増えている。
  12. 「後継機種の話をする前に検討内容が全く新しい形の作戦運用につながることを確認しておきたいですね」とゴールドフェインは語った。■

2017年7月20日木曜日

米空軍向け採用を狙うガルフストリームの狙いは特殊用途機の小型化


以下記事はガルフストリームが行ったメディアツアーの結果なので多分に同社の言い分が中心で内容は要注意です。こんな小型機でボーイング707原型機が行っているミッションがこなせるのなら大幅に運航経費がひらせていいのですが、大きいことはいいことだ、大は小を兼ねると信じる向きには簡単に信じられないでしょうね。


Gulfstream mounts pro-bizjet blitz ahead of major Air Force competitions ガルフストリームが空軍採用を期待しビズジェットを攻勢中

 By: Valerie Insinna, July 18, 2017 (Photo Credit: Gulfstream)

WASHINGTON — ガルフストリームは同社G550が空軍向け次期JSTARSおよびコンパスコールに採用されると期待し、空軍への営業活動を大々的に開始している。空軍は特殊作戦向け機材の次期機種検討も始まる。
  1. ガルフストリームはまず小型ビジネスジェット機でも要求水準は十分実現でき、大型旅客機は不要だと空軍の説得する必要がある。
  2. 「米国だけでなく世界各地で進行中の案件で商談していますが、根本的な課題は次世代機材はビジネスジェット機、旅客機のいずれを原型にすべきかという点です」とトロイ・ミラー同社軍用販売営業担当副社長が述べている。同社は報道陣を7月13日サバンナ(ジョージア州)に招き、G550生産拠点を公開し特殊用途への改装工程を見せた。
  3. ガルフストリーム社関係者はボーイングを名指さなかったが同社プレゼンテーションではJSTARSやコンパスコール向けにG550を提案する方がボーイング737-700のような旅客機を原型にするより優れているとの主張が中心だった。
  4. 「空軍が進める構想の方向性そのものについてはコメントできません。空軍上層部とは定期的に意見交換しています。空軍は当社機材の提供する性能に大きく関心を示していますよ」(ミラー)「最終的には空軍は最終決定を迫られます。どちらがふさわしいのか、どちらの提案が正しいのか。ただし世界規模での特殊用途の方向性を考えればビジネスジェットに向かうのが自然な流れと思いますよ」
  5. 今後数か月で空軍は特殊任務用機材二機種で重要な決断を迫られる。結果は各社競合にも影響を及ぼす。JSATRSの後継機選定は早くて来年初めでノースロップ・グラマンがガルフストリーム、L3と共同してボーイングに対抗している。ボーイングは737-700を提案し、ロッキード・マーティンボンバルディアとチームを組みグローバル6000ビジネスジェットを提示している。
  6. ガルフストリームはコンパスコールでも採択を期待する。同事業はボーイング、ボンバルディアからの抗議を受けており、両社の言い分は調達方針がガルフストリームに有利にというもの。
  7. さらにミラーはビジネスジェットは電子戦、ISR、高官輸送、空中早期警戒にも転用可能と同社が見ていると紹介。ガルフストリームはE-3AWACSやRC-135リヴェットジョイント後継機候補にもなるという。
  8. 「これまでは大型機が必要と思われてきたミッション多数で旅客機を原型にしてきましたが今やガルフストリームが適正機材になっています。当社は各分野での応用に前向きに取り組んでいます」(ミラー)
  9. 「空軍は開かれた対話に前向きで当社製品の性能と将来のミッション要求内容に関する意見交換に乗ってくれています。二種類の機材で先入観による判断は働いていないことに自信があります。既存機種から推測が生まれがちですが当社は大きな可能性を見ています」
  10. 興味深いのはガルフストリーム社幹部が同業他社に言及しなかったことで、ボンバルディアはその例だ。そのかわりにG550のコスト低水準や高高度でのミッション能力、高速性能、中距離飛行性能が民間旅客機よりも有利だと主張した。
  11. G550の上昇限度51千フィートは通常の旅客機より10千フィートほど高いとミラーは指摘し、軍用装備で若干の高度性能、速度や航続距離が下がるのは共通と指摘した。
  12. JSTARS(共用監視目標捕捉攻撃レーダー機)の場合は地上、空中共に監視し戦場の全体像を作る必要があり、高高度飛行性能は有利に働く。悪天候や他機の飛行も避けられるとミラーは指摘。
  13. また同機の速度マッハ0.85は民間旅客機平均0.82より高く、高高度に早く到達できる。長い航続距離は途中の給油回数を少なくし現地で長時間情報を集められるとミラーは述べた。
  14. 他方でボーイングは737を原型に特殊用途機材として売り込む意向で、空軍の現行特殊用途機はJSTARTSであれAWACSあるいはリヴェットジョイントまでボーイング製旅客機の軍用転用型が大部分だ。
  15. ボーイングと同社支持派の主張は737-700のサイズが大きいことが大きな利点になるという。余裕ある空間、出力、冷却能力で追加装備の搭載が将来に発生しても対応できるからだとする。
  16. だがガルフストリームの言い分は違い、大きすぎることが良いとは限らないとする。
  17. 「拡張の余裕があるということはミッションに必要以上の機数を提供することになりませんか」とミラーは言う。技術の進歩で装備は小型化し電力消費も少なくなり、冷却の必要も減るということだ。人手も減るので乗員数も減らせるとミラーは続けた。■

2017年7月19日水曜日

米空軍T-X選定で考慮すべきポイントはこれだ


 

Choosing A New Trainer Might Prove Challenging For The Air Force 新型練習機選定は米空軍にとって重要な作業となる


July 17, 2017

  1. 米空軍は新型ジェット練習機T-Xで契約企業を今年後半に選定し、老朽化進むT-38タロン後継機を実現する。調達規模は350機と大規模ではないが重要案件だ。第五世代機のF-22、F-35で複座型がなくパイロット養成は基礎飛行訓練からいきなり世界最高水準の機体に移行する。そのため新型練習機にも高性能が必要で最新鋭エイビオニクスで飛行速度も十分高速にし訓練生に第五世代機に必要な技能を獲得する機会を作る必要がある。
  2. T-X最終提案を出しているのは三社で、ボーイングSaabと組んで完全新規設計を、ロッキード・マーティン韓国航空宇宙工業のT-50原型案、DRSテクノロジーズが親会社レオナルドの支援を受けM-346を元にT-100を提案している。各社はパイロット養成システムを高性能シミュレーターや地上配備の支援設備も含め提案している。
  3. 選定のどこが難しいのかと思う向きがあるかもしれない。T-Xは単一ミッション機をめざし、戦闘投入は想定しない。製造機数は比較的小規模だ。高性能戦闘機、新型空中給油機KC-46、新型爆撃機B-21の決定と比較すればT-Xの選定など「朝飯前」ではないか。
  4. だが新型高性能練習機選定には考慮すべき要素が多い。まずコストだ。空軍の要望は最低価格だが、基本性能を満たすものを選定するともしている。空軍が長期間にわたる機体改修で戦闘機、爆撃機、給油機、情報収集機で相当の費用を覚悟する中、T-Xで予算節約が望ましいのだろう。
  5. ただ価格だけが選定基準ではない。評価部門はリスク要因に注目するはずだ。その一つに技術リスク、言い換えれば技術成熟度がある。T-X訓練システムのすべての構成部品やサブシステムが期待通りに機能し最初から仕様通りに動くか。新型機では長期テストでバグを取り除くのが通例だ。
  6. 技術リスクに関連し生産リスクがある。新型機の設計・試作型製造と量産型生産は別の話だ。生産上の難題のため設計変更となった例は多い。さらに学習効果の問題もある。生産ラインの作業員は時間経過とともに技能を上げていく。
  7. つぎが生産日程のリスクだ。T-38の退役は2020年代で待ったなしだ。同時期に空軍はF-22・F-35向けパイロット養成が必要となので今回のT-X選定の勝者は2020年代初頭に量産体制に入っている必要がある。
  8. 資源リスクもある。予算環境が厳しいまま2010年代が終わる予想の中で重要な機体改修事業が数々あり、2020年代に実施の必要がある。T-Xが遅れると空軍の調達予算にしわ寄せがくる。またT-38の供用期間延長にもつながりかねない。T-38を長く使えば保守支援コストも高くなる。
  9. 運用維持性も考慮すべきだ。新型ジェット練習機と支援体制は今後数十年稼働する。ウェポンシステムの総費用の7割は調達後に発生する。高い維持費は初期価格の低さを打ち消す。
  10. 訓練用シミュレーターの性能が重要になる。シミュレーターや訓練機器を使い空軍は費用ならびに機体消耗を節約するはずだ。さらに空軍にはあらゆる想定に応える訓練空域が不足している。そのため今後の訓練では基地内実施が増えるだろう。合成的に作る飛行環境を多用したほうがいい。そこでT-X選定で空軍は訓練システム全体の効率も機体の性能・価格・維持費用とあわせて評価すべきだ。
  11. T-X事業は機体数、費用ともに大規模ではない。だが重要な調達事業である。空軍評価部門は選定で事業全体に影響を与えそうな要素すべてを考慮すべきであり、価格のみで判断すべきではない。■
Daniel Gouré, Ph.D., is a Vice President of the Lexington Institute. He served in the Pentagon during the George H.W. Administration and has taught at Johns Hopkins and Georgetown Universities and the National War College. You can follow him on twitter @dgoure and you can follow the Lexington Institute @LexNextDC