2018年1月9日火曜日

ペイトリオットPAC-3最新型MSE登場


Enhanced Patriot Missile Enters Full Rate Production, Will Sell Like Hotcakes

高性能版ペイトリオットミサイルが本格生産開始、人気商品になりそう

Driven by world events, the market for ballistic missile defense is very hot at the moment, and the Patriot PAC-3 MSE's timing seems just right.

弾道ミサイル防衛への注目が増える中、ペイトリオットPAC-3 MSE登場のタイミングは時宜にかなっているようだ



LOCKHEED
 BY TYLER ROGOWAY JANUARY 4, 2018

イトリオットミサイルシステムの最新型PAC-3ミサイル部分性能向上Missile Segment Enhancement (MSE)は昨年11月のホワイトサンズミサイル試射場で複数目標の迎撃に成功した。PAC-3 MES迎撃ミサイルはコスト削減策Cost Reduction Initiative(CRI)型のペイトリオットとともにテストに供された。
テストが順調に推移しPAC-3 MSEの実証段階は終わり本格生産に入る。ペンタゴンは2018年1月2日に数億ドル相当の契約を交付し、米陸軍向け生産が始まり、米同盟国多数にも配備されるはずだ。
新型性能向上版ペイトリオットについてロッキードは以下発表している。
「PAC-3ミサイル部分性能向上(MSE)は実績で証明済みのPAC-3ミサイルの進化形だ。命中すれば必ず破壊するPAC-3 MSEで性能向上が実現し変化し続ける脅威対象に対応する。PAC-3は世界最先端かつ最高性能の戦域防空ミサイルであり大量破壊兵器を搭載した戦術弾道ミサイル(TBMs)、巡航ミサイル、航空機の脅威に対応する防御手段となる。
PAC-3 MSEでは最新技術を導入し大幅に性能を向上している。PAC-3 MSEには大型パルスソリッドロケットモーターを複数採用し、アクチュエーターを改良し、熱バッテリーで性能向上している。射程も伸びた。PAC-3 MSE はキャニスター格納で積み重ね可能なので現地運用が柔軟に行える。PAC-3 MSE12本をペイトリオット発射機に搭載する、あるいは6本とPAC-3ミサイル8本を一緒に運用できる。
さらにロッキードは新システムの長所を以下述べている。
  • 今日の戦闘空間全体で戦力を向上
  • 高度、距離ともにミサイル性能が拡大
  • 発射装置の改修は最小限ですむ
  • 複パルス技術によりさらにシステム性能と信頼性が伸びた
LOCKHEED

MSEの正確な有効距離と高度は極秘事項だが、改良でMIM-104ペイトリオット部隊がはるかに広い範囲でより高い防御力を戦術弾道ミサイルに対し発揮するのは確実だ。ミサイルのモーター、制御部分、ソフトウェア、フロントエンドの熱防御他の改修で一層威力を増やしたのは確実だ。このミサイルが国際顧客向け中距離防空システムMedium Extended Air Defense System (MEADS) の基本装備となる。
戦域弾道ミサイルの普及の中で高性能版ペイトリオットミサイルの需要は高いはずだ。ロシアがイスカンダル戦術弾道ミサイルの配備で再び厄介な存在になってきたこと、北朝鮮の脅威が増えるばかりになっていること、さらにイラン支援を受けたフーシ反乱勢力がイエメンで長距離弾道ミサイルを運用しているため弾道ミサイル防衛は防衛当局の最優先事項に認識されている。このためペイトリオットはルーマニア、ポーランド、スウェーデンにも販路を広げているほか、採用国はこれから増えるだろう。
LOCKHEED
フーシが発射したミサイルにペイトリオットが示した性能は宣伝ほどではなかったが、現実と食い違う「ミサイルの盾」構想とあわせこの問題は前にも解説している。だが弾道ミサイルから国内の重要地区を防御するのは価値がある試みだ。とくに同じ部隊で地域内の防空機能を航空機や巡航ミサイルに発揮しながら小型無人機にも対抗できれば投資価値は十分ある。精緻な専用ミサイル防衛手段もあるがこれだけの柔軟性はない。ペイトリオット最新型は「多層」弾道ミサイル防衛の下級部分として十分な内容になっている。
三十五年ほども供用されてきたペイトリオットが進化を続けていることは朗報で、能力が高まりながら柔軟性を増している。ペイトリオットPAC-3 MSE最新型で性能面が大きく飛躍した。将来の発展の基礎にもなりそうだ。デュアルモードシーカーが今後採用される可能性がある。■
Contact the author: Tyler@thedrive.com

2018年1月8日月曜日

2018年の米朝開戦は発生しない(米国から攻撃開始しない限り)

かなり現実的に見ている文だなと訳しながら思いました。外交の世界では現状維持というのは大きな意味を持つので、趣旨はそのとおりなので開戦に向かうとすれば、トランプ政権がやはりカギを握るのでしょうか。ただし、北朝鮮と言う「悪」との共存は不可能と考える向きには今回の趣旨は受けいられないはずですが、戦争はない方がいいのは当たり前なので、この予測が今年通じて正しいことを祈りましょう。


There Will Not Be a War with North Korea in 2018 (Unless America Starts One) 2018年中に北朝鮮と開戦の可能性はない(米国から開始しない限り




January 3, 2018


恒例の新年予想予測の時期になった。中東、米国、中国と大型案件では予測は難しいが、北朝鮮は簡単に予測できる。米国との戦争はワシントンが開戦を選択しない限り起こらない。西側メディアから大規模戦闘のがけっぷちと思わされているが、これは実に不正確だ。北東アジアで戦争の可能性があるとすれば核兵器保有の北朝鮮とは共存は絶対不可能とドナルド・トランプ政権が誤って主導した場合だ。地域内の関係国すべては北朝鮮の新戦力に適応しようとしている。
もちろん北朝鮮の核兵器保有すを望む国はない。ただし不安不快でも受け入れようとする動きがある。北朝鮮が歴史上で最も危険な国であることは皆が理解しており、統治が低劣なことも分かっている。南北の小規模衝突が拡大すれば次回は核兵器投入につながることに全員が恐怖を感じる。また北朝鮮の核兵器の保管状態にも神経質になるし、同国内の管理状態の欠如でチェルノブイリ型の事故が発生するかもしれない。北朝鮮の武装で周囲国が恫喝を受け譲歩を迫られる可能性がある。韓国なり中国が現金による「援助」を与えないと同国が爆弾を「喪失」する可能性がある。
だがこうしたリスクは「血みどろ」のオプションとなる軍事攻撃や大規模会戦よりましと地域内は見ている。大規模戦闘のリスクが2017年通じ散々メディアが伝えており、ここで繰り返す必要はあるまい。「血みどろ」のオプションもリスクがあることでは同じだが、連合軍側つまり韓国や日本のメディアは通常戦と比較してこのオプションにあまり不安を感じさせる内容は伝えていない。当然ながら中国とロシアはこうした動的な行動に強く反対している。
端的に言えば地域内の関係国すべてが現状維持を図る勢力である。中国、ロシア、日本、南北朝鮮いずれも現状の国境線や国際社会内の地位を書き換えようとは思っていない。このことはディヴィッド・カンが容赦ない書きぶりの著書American Grand Strategy and East Asian Security in the Twenty-First Centuryですでに伝えている。東アジアでこの40年間は戦争を回避しており、最後の大規模交戦事例は中国がヴィエトナムを侵攻した1979年だ。また北東アジアで北朝鮮の挑発で緊張があるのは確かだが予想に反しまだ戦争に発展していない。
たしかに地域内各国が変化を望んでいることも事実だ。中国が地域支配をねらっているとタカ派は恐れる。日本は抱える領土問題多数を自国有利に収めたいと願う。南北朝鮮はそれぞれ自国憲法で有効な主権を全土で主張する。局所的に不満が多く、そのため修正主義の外交政策に走る可能性は残る。だがそうした理想的目標より各プレイヤーが迫られる代償が関心を呼ぶはずだ。南北朝鮮は何度も統一を口にするものの真剣に統一に向かっていない。修正主義を口にするが両国は実際は現状維持勢力である。
興味深いことに米国が北東アジアの関係六カ国で現状維持の意識が最も薄い。著者は韓国で10年近く居住して米国の安全保障専門家のほうが統一に前向きでこの論点を韓国側より強く主張する傾向に気づいた。韓国は一時的にせよ北朝鮮の存在を前提で平和を構築し米国側はこの事実を受け入れようとしない。日本、中国いずれも力の行使で北朝鮮の核武装を抑えると口にしていない。米国だけだ。
おそらくその理由は米国ではコース修正を公然と主張しても代償が低いためだろう。もちろん米国は地域内では中途半端で好奇心たっぷりのプレイヤーで、米国のビジネスや安全保障の投資面も同じだ。米国は地理的にも文化的にも遠隔に位置する国だ。あるいはトランプの心理状態が関係するかもしれない。大統領は大言壮語が好みのようで政治姿勢は伝統的なナショナリストで男らしさに酔う傾向があり容赦なくなることがある。
理由はともあれ2018年に新朝鮮戦争勃発の構造が見当たらない。抑止が何十年も機能してきた。新たな核の環境でも機能するはずで、北朝鮮含むすべてのプレイヤーに戦争のリスクを冒してまで地域内の秩序を塗りかえるだけの真剣さは見当たらない。それでも米国が開戦に踏み切れば自ら望んでの戦争になる。■
Robert Kelly is an associate professor of international relations in the Department of Political Science at Pusan National University. More of his writing can be found at his website. He tweets at @Robert_E_Kelly.
Image: Reuters

★英海軍唯一のヘリコプター空母をブラジルへ破格値で売却

超大型空母運用のため現有装備を切り売りするとは、苦しい英国の財務状況がうかがえる話ですね。やはり国防の原点は強い経済力ですね。しかし、超大型空母二隻しかも搭載機のめどがつかないまま建造してしまったというのが誤った決定だったのではないでしょうか。EU離脱でも英国経済は生き残るでしょうが景気回復に長い時間がかかるでしょうね。


Brazil Is Reportedly Buying the Royal Navy's Only Helicopter Carrier On the Cheap

ブラジルが英海軍唯一のヘリコプター空母を安価に購入か

Strapped for funds, the UK will let the ship go for less than a third of its original cost despite an extensive refit.

資金難の英国は大幅改修した同艦を調達価格の三分の一で手放す

CROWN COPYRIGHT
 BY JOSEPH TREVITHICK JANUARY 2, 2018

国がヘリコプター空母HMSオーシャンを建造費用の三分の一未満でブラジルに売却する最終段階に入ったとの報道が出た。ブラジル海軍は大きな成果を獲得し、英海軍にはHMSクイーン・エリザベスの就役まで空母不在となる。
2018年1月2日にU.K. Defence Journalがブラジル国防相ラウル・ユングマン Raul Jungmann が同艦購入を2017年末に確認したと報じた。購入価格は115百万ドルとあるが、改修費用もここに含まれるのか不明でブラジルが一括払いにするかもわからない。英海軍は2018年中に同艦を退役させると見られる。オーシャン売却の噂は2017年3月から流れていた。
ブラジル海軍司令官エヂュアルド・レアル・フェレイラ大将Admiral Eduardo Leal Ferreiraはかねてから提示価格を「妥当」と見ていたとの現地報道がある。ブラジルは引き渡し前に英国内で乗員訓練を行いたいとの提案をしており、まず海軍士官四名が英国に1月末に到着するといわれる。
ブラジルが同艦をどう活用するか全く読めない。2017年2月に唯一の通常型空母サンパウロ(旧仏海軍フォッシュ)を退役させていた。
OTTAKY VIA WIKIMEDIA
HMSオーシャンはロンドン・グリニッチで2012年夏季五輪を支援した。

オーシャンは固定翼機は運用できない。ロベルト・ロペスによればより高性能空母の取得をめざすブラジル海軍は同艦にサンパウロ以外の艦名を考えているようだ。かわりにミナス・ジェライスの艦名をつけそうだ。先代は第二次大戦時の英コロッサス級軽空母で英国から1956年導入し、サンパウロが編入された2001年まで供用された。
USN
空母サンパウロがUSSロナルド・レーガンと2004年の共同訓練時に航行した。

固定翼機こそ運用しないもののオーシャンはブラジルに貴重な能力を実現する。ブラジル海軍はシュペール・クーガー、シュペール・プーマの両輸送ヘリコプターを運用し、前者は軽攻撃任務や対艦攻撃も可能だ。またスーパーリンクスやシーホーク対潜ヘリコプターも同艦から運用できる。これにより対潜あるいは制海任務にも投入しながら、自然災害後の人道援助災害救難作戦にも使える。
小型舟艇を搭載し人員車両の上陸作戦も可能だ。またラテンアメリカ・カリブ海全域での救難作戦やさらに遠隔地での運用も視野に入る。2018年時点でブラジルは第二次大戦後50回超も平和維持活動に参加している。
オーシャンは英海軍で各種任務をこなす実力を発揮しており、直近ではカリブでハリケーン被害にあった英領の救援にかけつけた。
有事平時問わず幅広い活躍ができるヘリコプター空母兼揚陸強襲艦の需要は世界で広まっており、兵力投射能力以外に遠隔地での影響力行使に有益と評価されている。目に見える効果以外に国力の象徴ともなり、実際にオーシャンは現時点で英海軍旗艦でもある。
オーシャンの就役開始は1993年だが船体は商船構造のため通常の艦船の耐久性には欠け、ブラジル海軍編入前に大規模補修が必要だ。ただ英国は2013年から2014年にかけ90百万ドルで同艦を改修したばかりだ。
建造費は200百万ドル未満(現在の貨幣価値で390百万ドル)だったのでブラジルは当初価格の三分の一未満で同艦を入手する。フェレイラ提督の下した「妥当」との評価は英国の気前の良さの表現に他ならない。
U.K. Defence JournalおよびJane'sによればブラジル海軍はファランクス近接防衛兵装(CIWS)は付けずにオーシャンを購入したい意向だといわれるが、その他新装備を付加するなど改装費用も売却価格に含むか不明と前出の通りだ。
ブラジルは退役サンパウロからシムバッド-RC対空ミサイル装備、電子装備他を取り外すのではないか。このうちシムバッド-RCはミストラル赤外線ホーミングミサイル二発を発射するがCIWSと同様の性能はないので、ブラジルは防御用に追加装備の投資が必要になる。
いずれにせよオーシャンがなくなれば英海軍への影響は大きく、HMSクイーンエリザベスの戦力化まで空母作戦が不可能となる。この状態は2021年まで続くと英国は見ており、F-35B導入も遅れ気味だ。そのため英国が新型空母を初出動させる際には米海兵隊所属のF-35Bを搭載するはずだ。
英国防省は英国所属のF-35Bが同艦に搭載され作戦能力をフルに発揮するのは2023年以降と見ており、姉妹艦HMSプリンスオブウェールズはその時点でまだ供用開始していない。大型空母に固定翼機がないままだと防空や攻撃能力が大きく制約されたままだ。
他方で母運用の予算と人員を確保するため大型揚陸艦二隻HMSアルビオン、HMSブルワークの退役も検討に入っており、水上艦艇数は減る一方だ。2017年12月時点で英海軍駆逐艦、フリゲートは一隻除き全艦が基地に停泊したままだった。
そのため緊急事態や自然災害が発生してもHMSアルビオン、HMSブルワークが不在となれば英海軍は補助艦艇のベイ級揚陸艦しか稼働可能な艦がなくなり、小型艦のためオーシャンより運用能力は相当低下する。
CROWN COPYRIGHT
ベイ級のRFAカーディガンペイが英国の唯一の揚陸艦となる。

英国の経済状況がいつ好転するか不明だ。英政府は欧州連合離脱に先立ち厳しい予算削減に直面しており、経済規模の縮小の中で首脳部は新規に貿易協定を締結すべく苦労している。その中で王室用ヨットの新規調達予算を宝くじ販売で確保する話があるが、まだ手当てがつかない。
オーシャン売却の唯一良い結果はCIWS他を防御力が低すぎるクイーンエリザベスに活用することだ。オーシャンは排水量22千トンでCIWS3基、30mm機関砲4門で小舟艇を撃退し近接脅威に備える。新型大型空母はこの三倍もの長さがあるが今のところ自艦防御装備はこれと同じ数しか搭載していない。
らかなのはブラジルが破格値で同艦を入手すること、英海軍が空母作戦能力を再建するのはまだ先であることだ。■

2018年1月7日日曜日

1月5日、カール・ヴィンソン空母打撃群が米本国を出港し西太平洋へ移動中

北朝鮮をにらんだ動きで、1月下旬からの米海軍の朝鮮半島付近での作戦行動に要注意ですね。

Carl Vinson Strike Group Departs for Second ‘3rd Fleet Forward’ WESTPAC Deployment

カール・ヴィンソン打撃群が西太平洋に出港
カール・ヴィンソン空母打撃群のUSSカール・ヴィンソン(CVN-70)が第二空母航空団を搭載し、誘導ミサイル巡洋艦USSレイク・エリー(CG-57)、誘導ミサイル駆逐艦USSウェイン・E・メイヤー(DDG-108)、USSマイケル・マーフィー(DDG-112)がロナルド・レーガン空母打撃群及び海上自衛隊と西太平洋で演習した。US Navy Photo

January 5, 2018 4:29 PM


カール・ヴィンソン空母打撃群(CSG)が6千名超の乗組員が第三艦隊前方配備で米本土西海岸を本日出航し西大平洋での任務に向かった。今回は米第三艦隊所属のまま二回目の西太平洋配備となる。
海軍は第三艦隊所属艦の展開を2016年に開始し、第三艦隊隷下が国際日付変更線を超えた瞬間に第七艦隊指揮下に変わる。この展開のねらいは第七艦隊に日本へ前方配備中の艦船で朝鮮半島付近の運用を続けながら、第三艦隊に協力関係強化の演習や人道救難ミッション他を太平洋各地で行わせることにある。
カール・ヴィンソンCSGは一年前の2017年1月5日に初の第三艦隊前方配備任務に出港した。同CSGの展開は30日程度延長され朝鮮半島沖合へ進路変更しプレゼンスと抑止力を示した。カール・ヴィンソンCSGは日本配備のロナルド・レーガンCSGに加わり、1990年代以来久しぶりとなった空母二隻による演習を朝鮮半島沖合で実施した後本国に戻っていた。
同CSG指揮官ジョン・フラー少将Rear Adm. John Fuller は海軍報道資料で「当打撃群は第三艦隊の進歩し続けるインド太平洋作戦能力を示せると期待しています」「その訓練を受けミッションをいつでも実施できる状態です」と語った
同CSGはUSSカール・ヴィンソン(CVN-70)、第二空母航空団(CVW)、誘導ミサイル巡洋艦USSレイク・チャンプレイン(CG-57)、誘導ミサイル駆逐艦USSウェイン・E・メイヤー(DDG-108)、USSマイケル・マーフィー(DDG-112)で構成する。マイケル・マーフィーは母港のハワイで合流する。

第二空母航空団は機材70機あまりがあり「ブラックナイツ」ヘリコプター洋上戦闘飛行隊(HSC-4)、「ブルーホークス」ヘリコプター洋上打撃飛行隊(HSM-78)、「バウンティハンターズ」打撃戦闘機飛行隊VFA-137、「ゴールデンドラゴンズ」VFA-192、「ブラックイーグルズ」空母搭載空中早期警戒飛行隊(VAW-113)、「ガントレッツ」電子攻撃飛行隊(VAQ-136)、「プロヴァイダーズ」艦隊補給支援飛行隊(VRC-30)で構成する。■

★ボーイングが戦闘機事業から手を引く日が来る

戦闘機事業からボーイングが撤退すればF-XやF/A-XX開発はどうなるのでしょう。日本がEA-18Gを少数機導入しても大勢を覆すことはなさそうです。長距離攻撃とセンサー性能で航空優勢を確保するのであれば小型戦闘機である必要はなくなるというシンクタンク指摘もありましたが、戦闘機そのものがこれから姿を変えていくのでしょうか。

Why Boeing may stop building fighter planes

ボーイングが戦闘機生産を終了する可能性
 By Harold HutchisonJan. 02, 01:01 PM

ボーイングが戦闘機ビジネスから近い将来に撤退する可能性はあるのか。ここ数年この疑問が生まれているのは各国の空軍が高性能機の代表ロッキードF-35または安価なSaabグリペンのような選択に向かっているためだ。
まずボーイングは共用打撃戦闘機競合にX-32で挑み採用されなかった。2014年のDefenseAviation.comの記事ではボーイングは戦闘機を平均月産4機で生産していた。
リトルロックAFBを離陸するX-32。2001年。X-32は共用打撃戦闘機選定に向けた候補機のひとつだった。 (DOD photo)


同社はF-15Eストライクイーグル派生型の販売を進めているが、F/A-18E/FスーパーホーネットとEA-18Gグラウラーではオーストラリア除くと成立した商談はない。スーパーホーネットはインド向け営業を展開中でF-15C高性能版の売り込みを図る。
ボーイングは軽量戦闘機から完全に手を引いている。Saabと手を組みT-X採用を狙うが、ロッキードT-50、レオナルドレイセオンF-100と競合中だ。最近になりカタールからF-15QAの36機受注に成功したとFlightGlobal.comが伝えている。カタールはユーロファイター・タイフーン、ダッソー・ラファールも各36機導入している。
An F-15E Strike Eagle fire flares over Iraq during a mission in support of Operation Inherent Resolve, on Sept. 6, 2017. (U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Trevor T. McBride)
F-15Eストライクイーグルがイラク上空でフレアを放出中。不朽の決意作戦の一環、2017年9月6日。 (U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Trevor T. McBride)
ボーイングはF/A-18E/Fスーパーホーネット改修型を準備中だ。ブロックIIIスーパーホーネットは一体型燃料タンクで航続距離を伸ばし、エイビオニクス改良で新型レーダーや電子対抗措置も一新する。トランプ大統領の国防予算要求にスーパーホーネット80機調達が入っている。
これだけの販売が成立しても同社の撤退は避けられないのか。海軍と空軍は第六世代戦闘機の開発を進めているとの報道がある。だが実現までまだ数年かかる。以下のビデオでこの件について詳しく伝えているので見てもらいたい。



ビデオ報道の要約:戦闘機ビジネスに将来がないと判断し、ボーイングが戦闘機事業を縮小する方向にあるのは間違いない。ボーイングには衛星、安全保障など戦闘機以外にもビジネス分野があり、民生機の軍用転用にも期待する。

カタール向けF-15最新型の正式発注をペンタゴンが発表


Boeing awarded USD6.17 billion for 36 F-15QA fighters for Qatar

ボーイングが61億ドルでカタール向けF-15QA戦闘機36機を受注

 
Gareth Jennings - Jane's Defence Weekly
27 December 2017
タール向け高性能版イーグルはF-15QAと呼称される。同国は36機を発注し2022年までに受領する。
ボーイングは61.7億ドルでF-15QAを36機製造しカタールに納入する。
海外軍事販売(FMS)制度による契約で米国防総省が2017年12月22日発表した。全機がカタール首長国空軍(QEAF)へ2022年12月30日までに引き渡される。
契約はカタールと米国の6月の合意に基づくものでボーイングの最新型戦闘機が対象だ。合意内容では36機でカタール政府は120億ドル支払うとされていた。つまり、別の36機追加もありうるのか、当初の合意内容で未発表の別装備の導入が高性能版イーグルと関連して予定されているのか。
カタールにはF-15QAがあと36機必要ではないのは明らか(そもそも湾岸の小国である同国にそこまで空軍力を拡大しても運航人員があるのか)だ。ただ同国の最近の調達実績を見ると軽視できないのも事実だ。
同国の近年の戦闘機調達発表内容には驚くべきものがある。ダッソーラファール36機、ユーロファイター・タイフーン24機を発注している。合計60機に高性能イーグル36機を追加発注するが代替対象はダッソーミラージュ2000の12機なのだ。■

では高性能版イーグルとはどんな機材なのか復習しておきましょう。まず基本形がサウジアラビア向けF-15SAで、大きな変更点は主翼下の武装搭載ポイントが2か所増えて計11か所になったこと、コックピットの画面大型化、フライバイワイヤ制御、レイセオン製AESAレーダーAN/APG-82(V)1、ジェネラルエレクトリックGE F110-129エンジンの搭載、デジタル式新型ヘルメット、デジタル方式電子戦装備が搭載されます。カタール向け機材がSAと同一課は不明です。

2018年1月6日土曜日

北朝鮮向け軍事オプションではどれも望ましい結果が得られない


コメントは下です

 

America Has Military Options for North Korea (but They're All Bad)

米国には北朝鮮向け軍事オプションがあるがすべて望ましくない結果を生みそうだ

A view of the newly developed intercontinental ballistic rocket Hwasong-15's test that was successfully launched is seen in this undated photo released by North Korea's Korean Central News Agency (KCNA) in Pyongyang November 30, 2017. REUTERS/KCNA

January 4, 2018


トランプ政権は予防的軍事で金正恩政権に対応する検討に入っているのだろうか。米関係者多数がDPRKの核とミサイルでは外交的解決策は「時間切れ」と評する中、現実になりつつあるのか、そう伝えようとしているのか。
軍事オプションで米国には以下二点が重要だ。まず検討しているのはトランプ政権だけではない。以前の米政権も検討してきた。次に、すべての構想が完璧ではない。エスカレーションの危険は得られる効果よりはるかに高い。以下を考えてほしい。

発射された長距離ミサイルを撃墜する
一つの軍事オプションは北朝鮮の長距離ミサイルテストを実施させずICBM技術の完成を食い止めることだ。民主党時代の国防長官二名ウィリアム・ペリーとアシュトン・カーターが2006年にこの提案をしている。精密兵器を航空機から発射しミサイル発射前に撃破する。あるいは飛翔中に米ミサイル防衛装備で破壊する。以前のテスト結果から撃破の可能性は25から75パーセントと判明している。
ただし、北朝鮮が固体燃料ICBM開発を急ぐ結果を招きそうで、打ち上げ準備の探知は一層難しくなる。この種のICBMは平時有事問わず撃破するのは米国には困難だ。北朝鮮が中国やロシアにICBMの発射方向を北あるいは西に変える許可を求めるかもしれない。この場合はシベリアやゴビ砂漠に着弾する。あるいは北極海かもしれない。
さらに同構想では整備中の北朝鮮核弾頭に対応できない。あるいは核弾頭搭載可能な短距離ミサイルも対象外でソウルや東京は今でも危険にさらされているし、両都市に居住する米国人は数十万人にのぼる。

北朝鮮港湾を封鎖する
トランプ政権の信用のため言うと国連安保理が追加制裁措置をDPRKに課している。その中で燃料輸入を90パーセントまで減らすこと、ロシアなど海外で働く北朝鮮労働者の海外送金を厳しく取り締まることが目立つ。
米国や同盟国の海軍部隊で海上封鎖すれば一見意味があるように見え、制裁措置の実効性を担保する印象がある。軍事封鎖は国際海洋法により戦争行為とみなされる。北朝鮮籍その他船舶が臨検を拒否した場合は実力行使となり、そのような場合北朝鮮は最低でも封鎖部隊に発砲し米側に死傷者が出かねない。
もっと重要なのはこの選択は北朝鮮の陸上国境線や空域に有効ではないことだ。そうなると北朝鮮の脅威を減らすどころかさらに核・ミサイルの備蓄を増やしかねない。経済を締付けても軍事脅威は減らない。

北朝鮮の核施設を壊滅させる
イスラエルがイラク、シリアの原子炉を1981年、2007年それぞれ先制攻撃したように米国、韓国が北朝鮮の原子力関連施設をステルス機で攻撃することはありうるか。原子炉が建設中だったり稼働前なら放射性物質の拡散を発生させずに破壊できるし、ウラニウム遠心分離施設でも同様だ。
残念ながら先制攻撃では北朝鮮が位置不明の場所に建設した第二のウラニウム濃縮工場は破壊できない。またプルトニウム生産に使ってきた稼働中原子炉も破壊できない。こうした施設を攻撃すればチェルノブイリあるいは福島の核惨事のミニチュア版を生み、高濃度核廃棄物が風下の広大な地域に拡散する。このような攻撃で北朝鮮が保有しているといわれる数十発の弾頭をすべて破壊できるないし、まず米側は所在をつかんでいない。
金正恩を殺害する
イラクの自由作戦の2003年でブッシュ政権がサダム・フセイン殺害を作戦の初期段階で狙っていたように米韓両国が金正恩を標的にしたらどうなるか。米国法令は外交政治指導者暗殺を禁じている。だが金が軍事指導者と指定された国が国連と交戦し休戦義務に違反すれば、この問題は回避できる。少なくとも法律上は。
ただし米国は2003年のイラクと同様に金正恩殺害のチャンスを逃すだろう。成功失敗を問わず北朝鮮が西側指導者に同様の対応をしてくるかもしれない。
米国の作戦でうまく行きそうなのはどこか。米関係者が北朝鮮指導層全員にメッセージを伝え抵抗すれば放逐されると伝えないかぎり、金正恩殺害があっても次の過激派指導者に交代するだけだ。北朝鮮軍の指揮命令系統の分断もありうるが、降伏より激しい抵抗を選ぶだろう。
端的に言えば、上記選択肢それぞれに訴求力があるが実施しても北朝鮮脅威に凡庸な効果しかあげない。トランプ政権がこの点を理解していることを祈り、攻撃の構えを示すより北朝鮮に譲歩させるだけの切迫感を軍事行動の脅威で感じさせる方が得策だと理解してもらいたいものである。■

Michael O’Hanlon is a senior fellow and director of research at the Brookings Institution’s Foreign Policy Program.
Image: A view of the newly developed intercontinental ballistic rocket Hwasong-15's test that was successfully launched is seen in this undated photo released by North Korea's Korean Central News Agency (KCNA) in Pyongyang November 30, 2017. REUTERS/KCNA


コメント ではどうするのか。史上まれにみる危険な国家を放置してさらに危険な状態になるのを放置するのか、太平洋の西側で軍拡が続き冷戦状態がおわらなくていいのか、戦闘に入らずに望ましい結果が得られるのか、代償は何事にも必要なのではないでしょうか。

「対案はないのか」と問われ答えられかったジャーナリスト(?)が出たそうですが、あーだこーだと問題点だけあげつらうのであれば誰にでもできることです。問題は何をすべきかを考えだして実行することでしょう