2018年2月3日土曜日

中国がレイルガン試作で大きな進展を示してる様子、米国には衝撃となりそうだ

技術は水の流れのように止めることはできないのですが、それにしても中国の技術進歩は
想像以上に早い。現在の中国はまだ質より量重視ですが、
質量ともに強力になった中国が出現したとき、あるいは米国はじめ西側の相対力が低下した
とき恐ろしい力のバランスの変化につながりかねません。日本も戦略的に技術開発を進めていく
必要がありますね。


Is This Chinese Navy Ship Equipped With An Experimental Electromagnetic

Railgun? この中国艦は試作電磁レイルガンを搭載しているのか



A functioning railgun fitted to a ship would signify a massive accomplishment for China

and it would be a source of major concern at the Pentagon.

作動レイルガンの搭載に成功すれば中国には大きな一歩となり、

ペンタゴンには懸念材料となる


BY JOSEPH TREVITHICKJANUARY 31, 2018
 ーシャルメディアに現れた写真で中国の上陸用舟艇がレイルガンを搭載しているように見える。事実なら電磁砲装備で初の艦載事例となり、試験用とはいえ中国軍が戦闘の様相を一変する可能性も秘める。
 オンライン上で流布している画像では人民解放軍海軍(PLAN)の072III型上陸艦海陽山 Haiyang Shan(艦番号936)が湖北省武昌の造船所で大型新型砲塔を艦首に搭載しているのがわかる。砲塔は完全密閉型のようで大口径砲身が見える。同級の他艦はもっと小さい37mm砲二門を装着する。

VIA @XINFENGCAO
A low quality close up of the Haiyang Shan's new turret.


 舶用コンテナ多数がみられ、おそらく電磁砲用の大型電源だろう。一つは空調で発電機他電子装備の冷却用だ。また管制用のコンテナで発射時のデータを集めるのだろう。
What the hell is this? pic.twitter.com/sQDAsHd7A3
Type 072Ⅲ landing ship Haiyangshan at Wuchang shipyard, this place used to install twin 37mm gun. pic.twitter.com/b91lP2tsOF
Type 072Ⅲ landing ship Haiyangshan at Wuchang shipyard, this place used to install twin 37mm gun. pic.twitter.com/b91lP2tsOF
Don't need to worry about the power supply, note the three containers on deck, which could be the power station. pic.twitter.com/gTk4AgdvXT
 砲の大きさと形状からみて米海軍のレイルガン試作品と似る。米国はまだ海上公試していないが、陸上設置の試験装備の実射風景映像が公開されている。
 ただし海陽山の艦上装置は作戦用ではないようだ。072III型の輸送能力は500トンで実験艦としては理想的だ。
PLA海軍の072型揚陸艦が試験艦に改修され、新型艦砲(レールガン)を搭載した pic.twitter.com/ZcVVD4FqiD
中国ネットユーザーが作成した部品名称図 pic.twitter.com/3zgxfxKUfO
 米海軍ではスピエアヘッド級遠征高速輸送艦を使ったレイルガン試作品の海上公試提案がある。同艦は双胴船で大型ヘリパッドに試作品を搭載できる。
 米海軍の公表内容では既存砲をはるかに上回る射程を実現するとあり、各艦が従来より迅速に攻撃に入り、陸上海上並びに空中の標的を打破できるとある。また同装備の導入で艦船の脆弱性が減る。砲弾は爆発性火薬を使わないため補給面での負担が軽減できるからだ。また運用経費も下がり、各艦の砲弾搭載量を増やす効果もある。
 このためレイルガンは海上戦、楊陸作戦と各種用途で有益性を発揮するはずで、中国を意識すると重要な要素だ。中国が広大な領土領海を主張しているためだ。
 中国軍もレイルガン開発を進めており、関連技術として電磁カタパルトを空母用に開発中だ。中国の電磁技術応用軍事装備の開発は1980年代までさかのぼるが、ここにきて急速に進展している。2017年10月にPLAN技術大学(武漢)でこの分野を任されているMa Weiming少将から研究で突破口が開いたとの報告があった。
A sharper one, is that a typical railgun barrel?
 海陽山の搭載砲は単なる大型通常砲塔の可能性があるし、ハイブリッド方式でレイルガンの不活性超高速発射弾を通常の砲身で運用するのかもしれない。米陸軍、海軍はともに後者の実用化を目指しており、近い将来に実戦に試験導入する。
 米海軍の試験砲はマッハ6で砲弾を発射する。理論上、通常方式の火砲で同じ砲弾を発射してもマッハ3が上限といわれる。ただし、これでも既存砲弾より相当速い。
 ただし米海軍は10年以上の研究開発にもかかわらず実戦テストが要求にこたえられない電磁兵器へ関心を失い始めたと伝えられる。確かめようと海軍研究局に問い合わせたがまだ答えはない。
 武昌造船所はこれまでも055型駆逐艦や空母等の搭載装備テストを担当している。
 PLAN艦艇が電磁砲あるいはハイブリッド装備を搭載すれば兵力投射能力が大幅向上し同国の領土主張の一助となるのは言うまでもない。米国はじめ関係各国には重大な事態となる。ハイテク分野で中国が急速に米国と肩を並べるようになってきていることが重要であり、ペンタゴンには暗い懸念が広がっている。■

中国、ロシアが日本の国家主権領土を脅かす頻度が増えている

China's military is turning its aggressive South China Sea tactics on Japan 中国軍が南シナ海並みの行動を日本に向けてきた
Chinese submarine in Senkaku waters
商級(093型)原子力攻撃潜水艦が尖閣諸島沖の日本の接続水域を航行した。


中国、ロシアがそれぞれ日本の領海領空へ艦船・航空機を差し向けてきており、勢いに衰えるきざしがない。
中国の南シナ海での活動は従来から監視されており、五か国が領有権を主張する海域で対立がみられるが、東シナ海では日本との対立があるもののはるかに穏やかだった。
日中間の対立の焦点が尖閣諸島で中国が釣魚諸島と呼ぶ同地は日本が実効支配する無人島の集まりだ。
ハドソン研究所政治軍事研究センター所長リチャード・ワイツRichard Weitzは中国の狙いは「自国の主張を押し付けること」で対立する海域や空域で諸外国には中国の管制に従わさせることと解説する。
ロシアの関心は「日本国内での米軍活動の監視」だとワイツは言う。日本はロシアと千島列島をめぐる問題も抱え、そもそもは第二次大戦でソ連が占拠している問題だ。
現時点でロシアと中国が太平洋での活動で調整協議している兆候はないが、いつ変わるかわからないとワイツは注意喚起している。米国が介入しすれば両国は接近するだろう。
ロシアが国力を回復し北にあり、核武装した北朝鮮が西に、強力になる一方の中国が南西にと、日本は閉鎖感を強めている。
中国は「現状の変更」を狙う
JASDF dataA map showing the routes of Chinese (red) and Russian (yellow) aircraft. The Japanese Ministry of Defense labels the Kuril Islands (north-west corner) as part of Japan, but they are under de facto control of RussiaJapanese Ministry of Defense
中国は2018年の幕開けに尖閣諸島の接続水域侵入を実施した。
人民解放軍海軍所属の054型フリゲート艦一隻と商級原子力攻撃型潜水艦一隻が投入され以前の侵入事案とは違う形になった。
これまでの沿岸警備隊所属ではなくフリゲートはPLAN所属の軍艦であり、中国が同水域に潜水艦を送ったのは今回が初めてだ。
日本政府の集計では中国の海空の活動が2012年から急増し、それ以前はほぼゼロだとわかる。
Japan coast guard water violationsA chart from the Japanese Ministry of Foreign Affairs showing the amount of times the JCG and JMSDF were sent to intercept Chinese ships. Japanese Ministry of Foreign Affairs
防衛省によれば航空自衛隊のスクランブル出撃のうち昨年4月1日から9月30日まで中国機対応が51%だった。また中国が一層粗暴な動きを示している。
2017年8月にはH-6K爆撃機が太平洋から紀伊半島まで初めて飛行してきた。同機は核兵器運用が可能だ。この事案に日本が抗議すると中国政府は居丈高に日本に「事態に慣れろ」と言ってきた。
中国の活動が活発になってきたのは同国の軍事装備近代化の進展の裏返しだろう。「中国は既存秩序の変更をこれまでより求めているのです」(ワイツ)
国際戦略研究センター主任研究員ザック・クーパーZack Cooperは中国がこれ以上の大胆な行動をとれないとし、日米同盟とともに自衛隊が優勢なためとする。
日本が外国による攻撃を受けた場合あh米国に日本防衛の義務がある。このため中国も大規模な挑発行為の一歩手前で止めざるを得ない。「日米同盟が存在しなったら中国はもっと強硬策に出ていたはず」(クーパー)
ただしクーパーは「このまま中国が軍事近代化を進めると軍事面で日本を追い越すのは時間の問題と日米両国はみている」と言う。
それまでは中国は国境近くまで接近を続けるだろうが米国の神経はさk建てさせないはずだ。.
「現時点の中国の戦略は理屈にかなっている」とワイツはいい、中国は「戦力増強を続け日本に圧力をかけ続ける」その目標は「ゆっくり時間をかけ中国に都合の良い状況に変えていくこと」だ。
ロシアが冷戦時水準に復帰
Russian TU 95 bomber over JapanA Russian Tu-95 bomber flying near the island of Hokkaido photographed by JASDF pilots, October 29, 2017.Japanese Ministry of Defense
北ではロシアが太平洋艦隊を増強中で最新の弾道ミサイル潜水艦ボレイ級全三隻のうち二隻が太平世艦隊所属だ。
さらに攻撃型潜水艦最新鋭のヤーセン級を太平洋に回航する予定がある。同艦が完成した後でだが、ロシア海軍でもまだ二隻しかない艦だ。
空では航空自衛隊の昨年上半期スクランブルの48%がロシア機対応だった。ロシア機の平井も増えており、2017年は前年より86回増加した。
ロシアも日本近くまでTu-95/142爆撃機やIl-38スパイ機を飛ばしており、航空自衛隊が中国機同様にロシアも戦闘機を飛ばすのを目視している。
日本は防衛力整備と改憲に向かう
Japanese F 35航空自衛隊向けF-35初号機。 August 24, 2016. Lockheed Martin/Flickr
これに対して日本は防衛装備、システムの導入のペースを早める。日本政府は記録的な防衛費の増額を進めるが中心は弾道ミサイル防衛だ。
安倍晋三首相はイージスアショアミサイル防衛施設を二か所に導入すると決め、2023年までに設置するが、すでにロシアが批判している。
日本ではF-35の国内生産一号機か完成しており、重要な役割が期待される。
ただし日本国憲法は平和主義を標榜し、「専守防衛」を掲げており、この根拠が憲法第九条で戦争を国際関係の解決手段として放棄し、戦力の保有を禁じている。

このため大量の装備を整備しても実際に使用しようとすると司法面で障害に直面するとの見方もある。■

2018年2月2日金曜日

★★海上自衛隊 おやしお級潜水艦の改修工事完了

Japan outlines submarine modernisation efforts

  日本が潜水艦近代化改修の概要を明らかにした
横須賀米海軍基地内におやしお級三隻が並んでいる。Source: IHS Markit/Kelvin Wong

Kelvin Wong, Singapore - Jane's International Defence Review
01 February 2018
上自衛隊(JMSDF)が2012年開始した水中戦力増強策が順調に進んでおり目標のディーゼル電気推進式潜水艦22隻体制は2020年代初頭に実現する見込みだとJMSDF関係者が明らかにした。
 シンガポールで開催されたUndersea Defence Technology Asia seminar at the Asia Defence Expo & Conference Series (ADECS) 2018で防衛省海上幕僚部立案部門の西山孝弘一佐がおやしお級7隻の供用期間延長策がすべて完了したと発表した。
 各艦は二回目または三回目の整備時に大幅改修を受け、「最新型(そうりゅう級)にほぼ匹敵する水準」になり、耐用年数も伸びたという。
 Jane’s Fighting Ships ではJMSDFはおやしお級11隻を運用中で一号艦は1998年3月就役で毎年一隻の新造艦が2008年まで加わっている。建造は川崎重工業三菱重工業が交互に行い、最初のおやしおとみちしおはすでに訓練艦に用途変更されている。

 「技術革新があまりにも早くて潜水艦がわずか数年で陳腐化してしまう」「一方で防衛予算の制約があり、新規建造のみで十分な数の潜水艦を維持できないのが悩みだ」と西山一佐は発表した。■

★フランスがC-130Jを導入した理由。また、ドイツとの共同運用構想の中身。A400Mはどうするのか。

軍の運用がいよいよ単独ではなく国の枠を超えた形になってきました。これができるのはヨーロッパだけなのでしょうか。そうは思えません。



New French C-130J Not A Blow To Europe’s A400M

フランスのC-130J導入はヨーロッパ大でのA400M導入に水を差すものではない


フランス向けC-130J-30一号機受領式
 

By MURIELLE DELAPORTE on January 31, 2018 at 6:05 PM


編集人より フランス軍やNATOはじめヨーロッパの防衛問題全般をムリエル・デラポルテが記事にしてくれることになった。デラポルテはフランスの戦略や装備導入に詳しく、ワシントンとパリを往復しながらフランス語防衛専門誌Opérationnelsで編集長をしている。
「われら二国はともに最良の成果を追い求め、自由を希求し共通の意思と行動を追い求めている。C-130Jはその体現だ」フランス国防相フローレンス・パルリ、1月19日オルレアン-ビシー航空基地にて
ランス国内の観点では米国製軍用輸送機を新たに導入することは異例な事態に見える。A400Mの失敗を認めるからだ。だが今回のC-130J導入で仏独共同部隊が2021年にエヴロAFBに設置することなり、マグロン大統領とメルケル首相のめざす真のヨーロッパ防衛体制の夢の実現に一歩近づくことになる。
The A400M in low speed tests
 またフランス市場で最短の軍事装備調達になった。FMS契約からC-130J-30初号機の納入までわずか二年間というのは記録となった。C-130J-30初号機は昨年12月にロッキード・マーティンのマリエッタ工場(ジョージア)で引き渡されていた。
 契約では機材支援、予備部品、二年間保守管理遺体に米国内での10か月パイロットとロードマスター訓練も含む。特にロードマスター訓練が重要だ。
 今回の実現を築いたのは前仏防衛相ジャン-イブ・ル・ドリアンとドイツ国防相ウルスラ・フォン・デア・レイアンが2016年4月に取り交わした合意で、その後仏独二国間協力合意が軍部間で2017年10月に取り交わされた。内容は両国で部隊を合同運用し経費を負担するものだ。フランスはC-130J4機を2019年までに調達し、ドイツも同年までに同型機6機を導入する。IOC初期作戦能力獲得は2021年、FOC完全作戦能力獲得は2024年予定。
 経費負担は50百万ユーロ(61百万ドル)でそれぞれスタートし、エブロで新型機運用に必要なインフラの構築にとりかかった。ドイツ側人員が規模未定だが同基地に到着後に機材整備支援にも広げる。
 フランス国内でのドイツ軍隊員の展開はこれが初めてではなくタイガーヘリコプター乗員養成で仏独陸軍航空要員養成スクールが南仏にあるが、今回は機材の共有を超えたねらいがある。訓練にとどまらず両国混成の乗務員による共同運用をめざす。
 両国の軍組織にはそれぞれの経緯があり以前ならこのような構想は冷笑されるのが関の山だったが、二つのトレンドから構想が実現度を高めている。
  • 欧州空輸司令部(EATC)がアインドホーヴェンに2010年に設置され実績を上げている。C-130で各国が飛行時間を融通する制度で参加国が増えてきた。
  • A400Mをめぐりフランス、ドイツ間で経費分担が進み、飛行乗員の訓練がフランスで、補給支援や整備員訓練がドイツで行われている。
 A400Mがフルに機能を発揮する段階になる中でC-130Jでかつてのトランザール(C-160)の精神が復活するかが見どころだ。トランザールはフランス-ドイツ共同開発で1959年にはじまり、名称はドイツ語の“TRANSporter ALLianz” とフランス語“TRANSporteur ALLiance”からとったものだ。C-130J導入の理由もトランザールがドイツで2021年、フランスで2023年にそれぞれ退役するためだ。
 ただし両国がC-130J-30を今回採用した理由はほかにもある。
 フランス空軍では同機を以下のミッションに投入するとしている。
  • CSAR、TRAP、人質・災害退避、救難.
  • 兵力投射、空輸、海外展開
  • 補給、退避、人員物資の投下、地上給油
 KC-130Jが加わればフランス軍のヘリコプターも空中給油を米国の助けを借りずに実行できるようになる。A400Mでこの機能を期待されていたがまだ実現できない。

れぞれ長所がある機材が複数型式あれば軍事作戦上有利になり、厳しい条件での要求にこたえやすくなる。フランス空軍はサハラ-サヘル地区でここ数年作戦を展開しており、シリアやイラクでも対ゲリラ戦に従事している。A400Mならオルレアンからチャドまで30トンを6時間で搬送できるが、C-130H-30では7トン8時間だ。C-130J-30は10.5トンを7時間で運べる。■